以下、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。なお、複数の図面において対応する要素には同一の符号を付す。
上述したように、災害が発生した後の復旧段階においては、避難所の場所や移動経路、天気や気温、交通機関の運行状態などの情報の提供が求められる。被害状況は地域毎に異なるため、提供すべき情報も地域毎に異なり、インフラの復旧状況も随時変わってゆく。そして、ユーザはインターネット経由、特に通信事業者網経由でこれらの情報を一斉に取得しようとし、通信インフラが十分に復旧していない状態ではネットワークへのアクセスの集中が発生しやすい。近年、アプリケーションと通信インフラの進歩によりユーザが利用する通信量は増大しており、災害発生後のネットワークへの負荷が重くなると考えられる。さらにサーバ等の機器故障や通信路の障害により、災害前の通信システムがそのまま使えず、予備システムでの運用となることも考えられる。
また、災害からの復旧段階では自治体や公共機関が運用する情報提供サーバから提供される災害に関する情報は随時変わってゆくため、ネットワークへのアクセス間隔が長くなるとユーザは更新された情報をタイムリーに入手できない。そのため、ユーザは、情報更新の有無に関わらず、頻繁に情報提供サーバにアクセスし、ユーザの求める情報の更新が行われていないにもかかわらず、無駄なアクセスが行われることになる。
例えば、情報の更新が行われたときにIP(Internet Protocol)プッシュやSMS(Short Message Service)を使い、更新が行われたことをユーザに通知し、無駄なユーザからのアクセスを抑制することも考えられる。しかしながら、この手法では、事前に個々のユーザが何らかの登録を行うことが求められる上、情報の更新時に個々のユーザに対する通知が行われる。そのため法人向けのような小規模ユーザ向けには利用が容易いが、不特定多数のユーザを対象とする場合には、ネットワークにかかる負荷が大きい。
従って、ユーザによる無駄なネットワーク接続を減らし、ネットワーク負荷の増大を抑制することのできる技術の提供が望まれている。
そこで、以下で述べる実施形態では、緊急警報システムは、或る地域に関する情報を提供する情報提供サーバで提供する情報が更新された場合、その地域を示す位置情報を含み、情報提供サーバで情報の更新が行われたことを示す報知情報を基地局から報知する。報知情報は、宛先が指定されていなくてよく、基地局に登録している配下の全通信端末に向けて報知されてよい。また、通信端末が備える記憶装置には、ユーザが情報を取得したい地域を示す位置情報が記憶されていてよい。そして、通信端末は、報知情報を受信した場合、その報知情報に含まれる位置情報が、記憶装置に記憶されている位置情報と一致していれば、情報提供サーバで情報の更新が行われたことを示す通知を出力する。そのため、ユーザは、情報提供サーバで情報の更新が行われた時に、効率的に情報提供サーバへのアクセスを実行することができ、一方で、例えば、情報提供サーバが提供する情報に変化が無いにもかかわらず無駄にアクセスを繰り返してしまうことを抑止できる。以下、実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る通知システム100を例示する図である。通信事業者が所有する無線通信ネットワークは1つ以上の緊急警報装置101と複数の基地局102を持つ。通信端末103は基地局102を介して通信事業者が提供する無線通信ネットワーク120と接続する。なお、例えば、基地局102と、基地局102からの報知情報の発信を制御する緊急警報装置101とは、緊急警報システム150として動作してよい。緊急警報装置101は、例えば、ETWS等の仕組みを使用して、通信端末103に対して緊急警報を報知してよい。
また、無線通信ネットワーク120はインターネット130を介して複数のサーバ140に接続される。これらのサーバ140は、例えば、災害発生時に、災害に関する情報を提供する情報提供サーバであってよい。サーバ140は、例えば、通信事業者や、各公共機関や法人が構築したサーバであってよい。
図2は、実施形態に係る緊急警報装置101のブロック構成を例示する図である。緊急警報装置101は、例えば、制御部201及び記憶部202を含んでいる。緊急警報装置101の記憶部202は、例えば、後述する位置登録情報1000などの情報を記憶していてもよい。これらの各部の詳細及び記憶部202に格納されている情報の詳細については後述する。
図3は、実施形態に係る通信端末103のブロック構成を例示する図である。通信端末103は、例えば、制御部301、記憶部302、表示部303、及び入力部304を含んでいてよい。通信端末103の記憶部302は、例えば、後述する位置登録情報400,1100などの情報を記憶していてよい。表示部303は、例えば、ディスプレーなどであってよい。入力部304は、例えば、キーやタッチセンサなどの入力を受け付けるデバイスであってよい。表示部303と、入力部304は、タッチパネルとして実装されてもよい。これらの各部の詳細及び記憶部302に格納されている情報の詳細については後述する。
図4は、実施形態に係る位置登録情報400を例示する図である。位置登録情報400は、例えば、通信端末103の記憶部302に記憶されていてよい。位置登録情報400には、例えば、通信端末103のユーザが情報を取得したいと望み登録した地域の位置に関する情報が、1つ又は複数個登録されていてよい。一例では、位置情報は、郵便番号であってよい。また、別の実施形態では、位置情報は、例えば、全国地方公共団体コード、市外局番、及び緯度経度などであってもよい。
続いて、実施形態に係る情報更新通知処理を説明する。例えば、地震などの大規模な災害発生時、通信網や交通網等のインフラに大きな被害が発生すると、各地域においてインフラの復旧や避難所の設置が始まる。各地域において、インフラの復旧状況や、避難所の位置、支援物資の提供場所等を通知するために、サーバ140は地域の情報を提供する情報提供サーバとして使用される。サーバ140は、例えば、情報発信するためウェブ(Web)サーバとしての機能を備えていてよい。緊急警報システム150は、例えば、ETWSを提供するために通信事業者が構築しているシステムで良い。緊急警報システム150は、例えば、基地局102と、基地局102からの報知情報の報知を制御する緊急警報装置101とを含んでよい。そして、実施形態に係る情報更新通知処理では、緊急警報システム150は、情報を提供するサーバ140において情報の更新が行われたことを示す報知情報を、通信端末103に報知する。
図5は、実施形態に係る情報更新通知処理を例示する図である。
ステップ501においてサーバ140を運用する、例えば、公共機関や法人などの情報提供元は、サーバ140で提供している情報などに更新があると、更新が行われたことを示す情報を通信事業者へと通知する。なお、以降、ステップを“S”と記載し、例えば、S501と表記する。また、例えば、情報提供元の従業員は、サーバ140が提供しているウェブページのURLなどの接続先の情報と、情報を更新した地域の位置を示す位置情報とを、電子メール(Electronic mail)や電話などにより通信事業者に知らせてよい。
S502において、例えば、通信事業者の従業員は、情報提供元より接続先の情報(例えば、URLなど)と位置情報の知らせを受けると、緊急警報装置101に接続先の情報と位置情報とを入力する。緊急警報装置101の制御部201は、接続先の情報と位置情報が入力されると、接続先の情報と位置情報を含む報知情報を生成し、報知情報を基地局102を介して報知する。
緊急警報装置101が、報知する報知情報は、例えば、メッセージの種類を指定するためのメッセージID(identifier)を含む。例えば、ETWSでは、0x1100~0x1104のメッセージIDは、津波や地震などの発生時に発信する緊急警報を示す識別情報として割り当てられている。
ここで、ETWSの概略について説明する。
緊急警報装置101は、災害が発生したときに警報発信機関より配信される警報に関する情報を受信する。警報に関する情報は、「本文(メッセージ)」の他に、「災害のタイプ」や「被災のおそれがある地域」など一定の様式で記されている。このうち「災害のタイプ」としては、地震、津波、地震&津波、テスト、その他の5種類である。
緊急警報装置101は、警報の「被災のおそれのある地域」を参照して、該当地域の交換機や無線ネットワーク制御装置を特定し、特定した無線ネットワーク制御装置に同報配信を指示する。このとき、緊急警報装置101は、警報の内容である「本文(メッセージ)」、「災害のタイプ」などのデータを転送する。
無線ネットワーク制御装置は、配信対象となる端末群のセルを割り出し、セルをカバーする基地局102に同報配信指示および警報のデータを無線区間用の信号に変換して送る。
基地局102が、担当するセル内の通信端末103に一斉呼び出し(ページング)を掛ける。このとき、基地局102が、一斉呼び出し(ページング)にメッセージIDを付け加える。次に、基地局102が共通チャンネルによって警報の本文メッセージを同報配信する。なお、通信端末103は同報配信の情報をページングによって読み込むように仕向けられているので、本文メッセージを受信する。
なお、ETWSは、警報の全部をプライマリーとして配信するのではなく、先ずは一般向け緊急地震速報が出されたことなどを伝え、震源や震度などの詳細をセカンダリーとして配信することもできる。
また、ETWSでは、例えば、0xA000~のIDは、通信事業者が自由に利用することが可能である。以下では、例えば、メッセージID:0xA000(第1の値)を、実施形態に係る情報の更新があったことを通知する更新通知を示すIDとして利用する場合を例に説明を行う。また更に、報知情報は、例えば、以下の情報を含んでいてよい。
<報知情報の例>
報知情報1:98a09810982f http://www.AAA.com/~
報知情報2:98a09830984096af http://www.BBB.com/~
例えば、上記の報知情報の例において、前半部分の文字列は、位置情報を表している。なお、上記の例において位置情報は郵便番号である。例えば、報知情報2では、98a, 981, 982, …, 984, 96aの文字列は、郵便番号の上位3桁を表している。なお、郵便番号に0が含まれる場合、0をaに変換している(例えば、980→98a)。また、前半部分の文字列では、郵便番号の末尾に続けて、0又はfの値を挿入しており、0は次の郵便番号があることを表し、fは次の郵便番号が無いことを表す。報知情報に含まれる位置情報は、例えば、情報の更新が行われたサーバ140が情報の提供対象としている地域を示す位置情報であってよい。
また、上記の例において、報知情報の後半部分の文字列は、情報の更新が行われたウェブページの接続先の情報(例えば、URL)を表している。例えば、報知情報2では、“http://www.BBB.com/~”のURLが含まれている。
S502では緊急警報装置101の制御部201は、以上のようなメッセージID:0xA000を含む報知情報を生成して基地局102を介して発信し、基地局102の配下の通信端末103に報知情報を通知してよい。
ここで、基地局102は、緊急警報装置101により特定された警報の「被災のおそれのある地域」には、0x1100~0x1104のメッセージIDを付け加える。これにより、被災のおそれのある地域の居るユーザに対して緊急警報を報知する。よって、ユーザは緊急警報により速やかに対策をとることが出来る。
一方、基地局102は、緊急警報装置101により特定された「被災のおそれのある地域」のみならず「被災のおそれのある地域」とは異なる地域に対して通信事業者が自由に利用することが可能なメッセージID:0xA000(第1の値)を付け加える。これにより、被災のおそれのある地域に居ないが当該地域に関連のあるユーザに対し、災害に関する情報を報知することができる。例えは、インフラの復旧状況や、避難所の位置、支援物資の提供場所を通知する。また、ユーザの好きなラーメンやグラビア等に関するお店の営業情報を通知することができる。さらに、自宅や勤務場所、家族の所在地等、数か所の状況情報を知ることができる。
S503において通信端末103の制御部301は、報知情報を受信すると、報知情報に含まれる位置情報が、記憶部302に記憶された位置登録情報400に登録されているか否かを判定する。そして、報知情報に含まれる位置情報が、位置登録情報400に登録されて無い場合(S503がNO)、通信端末103の制御部301は、情報更新通知処理を終了する。一方、報知情報に含まれる位置情報が、位置登録情報400に登録されている場合(S503がYES)、通信端末103の制御部301は、ユーザにサーバ140が提供する情報に更新があったことを通知する。例えば、制御部301は、通信端末103が備える表示部303の表示画面にサーバ140が提供する情報に更新があったことを示す情報を表示することで、通知を行ってよい。また、別の実施形態では、制御部301は、通信端末103が備えるスピーカから音を出力することで、ユーザに通知を行ってもよい。そして、例えば、ユーザが、情報に更新があったサーバ140に接続する指示を通信端末103に入力すると、処理はS504に進む。
S504において通信端末103の制御部301は、報知情報に含まれるURLに示されるウェブページにアクセスする。なお、ウェブページは、情報に更新があったサーバ140が提供するウェブページである。S505においてサーバ140は、ウェブページの情報を通信端末103に送信する。S506において通信端末103の制御部301は、例えば、情報の更新が行われたウェブページをブラウザに表示するなどして、ユーザに更新された情報を提示する。
以上で述べた様に、図5の情報更新通知処理によれば、緊急警報装置101は、例えば、サーバ140が提供する情報が更新された場合に、基地局102を介して報知情報を報知する。基地局102の配下に位置登録している通信端末103は、報知情報を受信した場合、報知情報に含まれる位置情報が、記憶部302の位置登録情報400に登録された位置情報と一致すれば、情報提供サーバが提供する情報が更新されたことを示す通知を出力する。そのため、ユーザは、情報提供サーバが提供する情報が更新されたことを知ることができる。
また、図6は、通信端末103が実行する報知情報判定処理を例示する図である。例えば、通信端末103が起動すると、通信端末103の制御部301は、図6の報知情報判定処理の実行を開始してよい。
S601において制御部301は、報知情報を受信するのを待機し、報知情報を受信すると、フローはS602に進む。
S602において制御部301は、報知情報のメッセージIDを確認し、メッセージIDに応じて処理を振り分ける。以下、ETWSの場合の処理の振り分けについて説明する。例えば、メッセージIDが0x1100~0x1104である場合、フローはS608に進む。S608において制御部301は、メッセージIDと対応する災害を知らせる緊急警報を基地局102を介して出力し、フローはS601に戻る。例えば、制御部301は、スピーカ装置から警告音を発生させる。なお、制御部301は、表示装置に簡潔なテキストを表示させる処理や、振動装置のバイブレーションを動作させてもよい。なお、基地局102は、緊急警報装置101により特定された警報の「被災のおそれのある地域」には、0x1100~0x1104のメッセージIDを付け加える。つまり、基地局102は、「被災のおそれのある地域」を通信エリアとする報知情報を配信する。
また、S602においてメッセージIDが、0x1100~0x1104及び0xA000のいずれでも無い場合、フローはS609に進む。S609において制御部301は、メッセージIDと対応する事業者の仕様に応じた処理を実施し、フローはS601に戻る。
S602においてメッセージIDが0xA000である場合、フローはS603に進む。S603において制御部301は、受信した報知情報から位置情報を取得する。例えば、制御部301は、報知情報に位置情報として含まれている郵便番号を抽出してよい。制御部301は、例えば、上述の<報知情報の例>で述べた報知情報1からは、「98a09810982f」の情報を抽出し、980, 981, 982の郵便番号を取得してよい。なお、基地局102は、緊急警報装置101により特定された「被災のおそれのある地域」のみならず「被災のおそれのある地域」とは異なる地域に対して通信事業者が自由に利用することが可能なメッセージID:0xA000(第1の値)を付け加える。つまり、基地局102は、「被災のおそれのある地域を含む広域的な地域」を通信エリアとする報知情報を配信する。なお、基地局102は、「被災のおそれのある地域とは異なる地域のみ」を通信エリアとする報知情報を配信してもよい。
S604において制御部301は、記憶部302の位置登録情報400を参照し、報知情報に含まれている位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報400に登録されているか否かを判定する。位置登録情報400は、ユーザにより予め登録される位置情報である。
S604において報知情報の位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報400に登録されていない場合(S604がNO)、フローはS610に進み、受信した報知情報を廃棄し、フローは、S601に戻る。即ち、通信端末103の制御部301は、ユーザが通知対象として位置登録情報400に登録した位置情報を含まない報知情報を受信した場合には、報知情報の受信に関してユーザに通知を実行しない。また、S604において位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報400に登録されている場合(S604がYES)、フローはS605に進む。
S605において制御部301は、通知情報を出力する。通知情報は、例えば、ユーザが位置登録情報400に位置情報を登録した地域のうちで、報知情報で通知された地域に関してサーバ140で情報の更新が行われたことを示す通知であってよい。一例では、制御部301は、例えば、通信端末103が備える表示部303の表示画面に通知情報を表示するとともに、ユーザに更新のあったウェブページのURLに接続するか否かを問い合わせてよい。
S606において制御部301は、報知情報から接続先の情報を抽出し、抽出した接続先に接続するか否かを判定する。例えば、制御部301は、報知情報に接続先として含まれているURLを抽出してよい。制御部301は、例えば、上述の<報知情報の例>で述べた報知情報1からは、「http://www.AAA.com/~」の情報を抽出してよい。そして、制御部301は、例えば、抽出した接続先に接続するか否かについてユーザが接続先に接続する指示を入力した場合(S606がYES)、フローはS607に進む。S607において制御部301は、接続先として抽出したURLのウェブページにアクセスし接続する。そのため、ユーザはウェブページから更新された地域の情報を取得することができる。
また、S606においてユーザが接続先に接続しない指示を入力した場合(S606がNO)、フローはS611に進む。S611において制御部301は、位置登録情報400に登録されている処理対象の位置情報を含む報知情報が通知されたことを示す情報を、通知履歴情報700を記録する。
図7は、通知履歴情報700を例示する図である。例えば、通知履歴情報700には、日時、位置情報、及び接続先の情報を対応付けて含むエントリが登録されていてよい。エントリの日時には、例えば、エントリと対応する報知情報を受信した日時が登録されてよい。また、エントリの位置情報は、例えば、エントリと対応する報知情報で通知された位置情報が登録されてよい。エントリの接続先には、例えば、エントリと対応する報知情報で通知された接続先(例えば、URLなど)が登録されてよい。そのため、ユーザが、後から報知情報で通知された接続先にアクセスしたいと望んだ場合に、制御部301は、通知履歴情報700を参照することで、接続先に接続することが可能である。
S611において通知履歴情報700への登録が完了すると、フローはS601に戻る。
以上で述べた様に、図6の動作フローによれば、通信端末103の制御部301は、ユーザが最新の情報が取得したいと望み位置情報を位置登録情報400に登録した地域については、更新が行われると直ぐにユーザに伝えることが可能である。従って、ユーザからの無駄なネットワーク接続を減らし、ネットワーク負荷の増大を抑制することができる。
また、例えば、緊急警報システム150が津波や地震などの災害の発生時に緊急警報を発する場合、緊急警報装置101の制御部201は、災害の影響を受ける地域を通信エリアとする基地局102から緊急警報の報知情報を報知する。なお、緊急警報の報知情報とは、例えば、ETWSにおけるメッセージIDが0x1100~0x1104の報知情報であってよく、災害の発生時にユーザに危険を通知するために用いられる警報であってよい。この場合、災害の影響をあまり受けない地域を通信エリアとする基地局102からは緊急警報の報知情報が報知されないことがある。しかしながら、実施形態において上述のように、報知情報をサーバ140での情報の更新を通知するために用いる場合、報知情報は、例えば、災害の発生地域などによらず、緊急警報システム150で報知が可能な全ての基地局102から報知されてもよい。このように報知情報を、情報の更新が行われたサーバ140が情報提供対象とする地域を通信エリアとする基地局102以外の基地局102からも報知することで、遠方に住む親戚、家族、友人などが、被災地の望む地域に関する情報の更新を知ることができる。
そのため、被災地にいるユーザだけでなく、災害の影響をあまり受けていない地域に住むユーザが被災地の状況を知りたいと望む場合にも、ユーザからの無駄なネットワーク接続を減らし、ネットワーク負荷の増大を抑制することができる。
また、ユーザは、自分のいる地域の情報だけでなく、自宅や勤務場所、家族の所在地等、数か所の状況情報を知りたいと希望することもある。実施形態によれば、ユーザは位置登録情報400に自身が情報の取得を望む複数の地域と対応する複数の位置情報を登録しておけば、それぞれの地域と対応するサーバ140での情報の更新を知ることができる。
また更に、上述の実施形態では、報知情報は、接続先の情報も含んでいる。例えば、災害の発生時には、自治体や公共機関がもともと利用していたサーバ140が故障してしまい、新たに別のサーバ140を構築して、別のURLで情報を公開することもある。この場合、新たなサーバ140のURLは、まだ公開されたばかりであるため、ネットワーク上からユーザが見つけることが困難なこともある。しかしながら、上述の実施形態では、報知情報は、接続先の情報も含んでいるため、ユーザは情報が公開されている接続先に容易に接続することが可能である。
なお、以下の表1は、通信端末103に登録されている位置情報に応じた報知情報判定処理の実行結果の違いを例示している。
例えば、報知情報1は、位置情報として郵便番号の上位3桁:980、981、982を含んでいる。この場合、通信端末103の位置登録情報400に登録された位置情報が980、981、982を含めば、通信端末103の制御部301は、ユーザが位置情報を登録した地域の情報の更新がサーバ140で行われたことを示す通知をユーザに出力する。
例えば、表1の例では、報知情報1を受信した場合、端末A、端末B、及び端末Eは、ユーザに通知を行うが、端末C及び端末Dは情報更新通知処理を終了し、通知を行わない。また、同様に、表1の例では、報知情報2を受信した場合、端末B、端末C、及び端末Eは、ユーザに通知を行うが、端末A及び端末Dは情報更新通知処理を終了し、通知を行わない。この様に、通信端末103の制御部301は、記憶部302に記憶されている位置情報を含む報知情報を受信した場合、通信端末103はユーザに通知を行う。一方で、通信端末103の制御部301は、記憶部302に記憶されている位置情報を含む報知情報を受信していない場合には、通信端末103はユーザに通知を行わない。
図8は、実施形態に係る情報提供元と、緊急警報システム150の緊急警報装置101と、通信端末103との間での情報のやり取りを例示する図である。例えば、災害が起きた場合に、図8の手順が情報提供元において開始してよい。
S801において情報提供元に所属する情報提供者は、サーバ140が起動済みであるか否かを確認してよい。サーバが起動していない場合(S801がNO)、手順はS802に進む。S802において情報提供元に所属する情報提供者は、サーバ140を起動してインターネットに接続できるか否かを確認してよい。例えば、インターネットに接続できない場合(S802がNO)、手順はS803に進む。
S803において情報提供元に所属する情報提供者は、サーバ140がインターネットに接続できるようになるまで、インフラ(例えば、電気やインターネット)が復旧するのを待ち、フローはS802に戻る。また、S802においてサーバ140がインターネットに接続できる場合(S802がYES)、手順はS804に進む。そして、S804において情報提供元に所属する情報提供者は、サーバ140を起動し、手順はS805に進む。なお、S801においてサーバ140が起動済みの場合(S801がYES)、手順はS805に進んでよい。
S805において情報提供元に所属する情報提供者は、例えば、サーバ140上で公開するコンテンツを作成する。コンテンツとしては、一例では、各種のインフラの復旧状況に関する情報、避難場所の情報、及び天気予報などの所定の地域に関する情報を含んでよい。そして、例えば、コンテンツがウェブページである場合には、情報提供元に所属する情報提供者は、ウェブページをネットワーク上で公開してよい。
S806において情報提供元に所属する情報提供者は、例えば、通信事業者に所属する緊急警報システムの管理者に、サーバ140が提供する情報が更新されたため、更新されたことを通信端末103に通知するように依頼する更新通知依頼を行う。一例では、更新通知依頼は、Eメールや電話を介して行われてよい。更新通知依頼では、サーバ140が情報を提供する地域を示す位置情報と、サーバ140が情報を提供しているウェブページのURLの情報を緊急警報システムの管理者に伝えてよい。
S807において緊急警報システムの管理者は、情報提供元に所属する情報提供者から更新通知依頼を受けると、S808において更新通知依頼で通知された情報に基づいて報知情報を、緊急警報装置101において生成する。報知情報は、更新通知に割り当てられているメッセージIDと、更新通知依頼で通知された位置情報とサーバ140のウェブページへのURLとを含んでよい。
S809において緊急警報システムの管理者は、緊急警報装置101に、生成した報知情報を報知するように報知指示を入力してよい。報知指示が入力されると、緊急警報装置101の制御部201は、基地局102を介して報知情報を報知する。基地局102から報知された報知情報は、例えば、基地局102に位置登録をしている配下の通信端末103で受信されてよい。
S810において報知情報を受信した通信端末103は、図6で述べた情報更新通知処理を実行する。そして、例えば、S607の処理で、抽出したサーバのURLに接続する場合、S811において通信端末103の制御部301は、抽出したサーバのURLのサーバ140にアクセスする。S812においてサーバ140は、通信端末103から要求された情報を提供する。例えば、サーバ140は、要求されたウェブページの情報を通信端末103に返して情報提供をしてよい。
以上で述べた様に、図8の動作フローによれば、サーバ140の情報に更新が行われたことが、情報提供元から通信端末103へと通知される。従って、通信端末103のユーザは、サーバ140の情報が更新されたタイミングで、効率的にサーバ140にアクセスし、情報の収集を行うことができる。
なお、第1の実施形態では、報知情報は、例えば、URLなどの接続先の情報を含んでいる。そのため、ユーザは接続先に容易に接続することができる。例えば、災害で情報提供元のサーバ140が故障した場合などに、新たなサーバ140を用意して、もともとのサーバ140が情報提供に利用していたURLとは異なるURLで情報を提供することがある。この場合、ブラウザなどの検索エンジンで検索しても新たなURLのウェブページが上位で検索されず、ユーザがウェブページを見つけることが難しいことがある。しかしながら、第1の実施形態では報知情報に接続先の情報を含むため、例え、情報提供元の接続先が新たに作成されたものであっても、ユーザは容易に接続先にアクセスすることが可能である。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では報知情報が位置情報と接続先の情報を含む場合を例示している。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、別の実施形態では、報知情報は、一部の情報を含まなくてもよく、或いは更なる情報を含んでいてもよい。第2の実施形態では報知情報が位置情報を含み、接続先の情報を含まない場合について例示する。この場合に、例えば、通信端末103の制御部301は、予め位置情報と対応する接続先の情報を取得し、記憶部302に記憶していてよい。
図9は、第2の実施形態に係る位置情報と対応する接続先の情報の入手手順を示すシーケンス図である。
S901において、或る地域の情報を提供するサーバ140を運用する情報提供元は、サーバ140に接続するための接続先の情報を、地域を示す位置情報と対応付けて、緊急警報システムを運用する通信事業者網に所属する緊急警報システムの管理者に通知する。なお、例えば、情報提供元の従業員は、サーバ140が提供しているウェブページのURLの情報などの接続先の情報と、地域の位置を示す位置情報とを、電子メールや電話などにより通信事業者に知らせてよい。
S902において緊急警報システムの管理者は、例えば、情報提供元の従業員から接続先の情報と、位置情報の連絡を受けると、緊急警報装置101に、接続先の情報と、位置情報を入力してよい。そして、緊急警報装置101の制御部201は、入力された接続先の情報と、位置情報を位置登録情報1000に登録する。
図10は、第2の実施形態に係る緊急警報装置101の記憶部に記憶されている位置登録情報1000を例示する図である。位置登録情報1000には、例えば、情報提供元の従業員から通知された位置情報と、接続先の情報とが対応付けられたエントリが登録されている。一例では、位置情報は、郵便番号であってよい。また、別の実施形態では、位置情報は、例えば、全国地方公共団体コード、市外局番、及び緯度経度などであってもよい。なお、位置登録情報1000には、複数の情報提供元から取得した様々な地域と対応する位置情報と、その位置情報に対応する接続先の情報とが登録されていてよい。
また、S903において、通信端末103のユーザは、例えば、通信端末103上の設定メニューやアプリケーションから情報を入手したい地域を指定する。地域は、例えば、郵便番号、全国地方公共団体コード、市外局番、緯度経度、又はこれらと対応する情報などの位置情報を用いて指定されてよい。
S904において通信端末103の制御部301は、指定された地域の位置情報を含む問い合わせを緊急警報装置101に送信する。S905において緊急警報装置101は、受信した問い合わせに含まれる位置情報と対応する接続先(例えば、URL)を、位置登録情報1000から取得し、位置情報と、位置情報に対応する接続先とを含む応答を生成し、通信端末103へと送信する。
S906において通信端末103の制御部301は、応答に含まれる位置情報と接続先とを、記憶部302の位置登録情報1100に登録する。
図11は、位置登録情報1100を例示する図である。位置登録情報1100は、例えば、位置登録情報1000と同様に、位置情報と接続先の情報を含んでいてよい。ただし、位置登録情報1100には、ユーザによって指定された地域と対応するエントリが登録されている。例えば、以上のようにして、緊急警報装置101の記憶部202と、通信端末103の記憶部302に、位置情報と対応する接続先の情報が記憶されてよい。
続いて、第2の実施形態に係る情報更新通知処理を説明する。図12は、第2の実施形態に係る情報更新通知処理を例示する図である。
なお、S1201からS1206の処理は、S501からS506の処理と対応していてよく、例えば、S1201からS1206において、S501からS506の処理と類似する処理が実行されてよい。ただし、第2の実施形態では、S1202において緊急警報装置101の制御部201は、位置情報を含む報知情報を通信端末103に報知してよく、報知情報には接続先の情報は含まれていなくてもよい。
また、S1204において通信端末103の制御部301は、通知された報知情報に含まれる位置情報と対応する接続先を、位置登録情報1100から取得して接続先へのアクセスを実行してよい。
以上で述べた様に、第2の実施形態では制御部301は、報知情報に位置情報のみが含まれていれば、サーバ140の情報の更新を通知する処理を実行することができる。
図13は、第2の実施形態に係る位置登録情報1000及び位置登録情報1100の更新処理を例示する図である。
S1301においてサーバ140を運用する情報提供元は、位置情報と対応する地域の情報を提供する接続先の情報(例えば、ウェブページのURL)に変更があると、新しい接続先の情報を通信事業者網へと通知する。情報提供元の従業員は、例えば、サーバ140が地域の情報を提供する接続先の情報(例えば、URL)と、その地域の位置を示す位置情報とを、電子メールや電話などにより通信事業者に知らせてよい。
S1302で通信事業者の従業員は、例えば、情報提供元より位置情報と、その位置情報と対応付けられた地域の情報を提供する新しいウェブページに接続するための接続先の情報との通知を受けると、緊急警報装置101に位置情報と、接続先の情報を入力する。緊急警報装置101の制御部201は、入力された位置情報を含む位置登録情報1000のエントリの接続先を、入力された接続先の情報に更新する。S1303において緊急警報装置101の制御部201は、入力された位置情報と、接続先の情報を含む報知情報を生成して、基地局102を介して報知する。
S1304において通信端末103の制御部301は、受信した報知情報に含まれる位置情報と一致する位置情報が、記憶部302に記憶された位置登録情報1100に登録されているか否かを判定する。報知情報に含まれる位置情報と一致する位置情報が位置登録情報1100に登録されていない場合(S1304がNO)、本シーケンスは終了する。一方、報知情報に含まれる位置情報と一致する位置情報が位置登録情報1100に登録されている場合(S1304がYES)、シーケンスはS1305に進む。
S1305において通信端末103の制御部301は、報知情報に含まれる位置情報と一致する位置情報を含む位置登録情報1100のエントリの接続先を、報知情報に含まれる接続先に更新し、本シーケンスは終了する。
例えば、以上で述べた様にして、通信端末103の記憶部302に記憶された位置登録情報1100の接続先の情報を最新の接続先に更新することができる。
なお、以下の表2は、S1304で報知情報を受信した通信端末103が実行する位置情報更新処理において、位置登録情報1100に登録されている位置情報に応じた実行結果の違いを例示している。
例えば、上述の報知情報1は、位置情報として郵便番号の上位3桁:980、981、982を含んでいる。この場合、位置登録情報1100が980、981、982のいずれかを含めば、通信端末103の制御部301は、報知情報で通知された位置情報と対応する接続先の情報を更新する。
例えば、表2の例では、報知情報1を受信した場合、端末A、端末B、及び端末Eは、記憶部302の位置登録情報1100の接続先の更新を行うが、端末C及び端末Dは位置情報更新処理を終了し、位置登録情報1100の接続先の更新を行わない。また、同様に、表2の例では、報知情報2を受信した場合、端末B、端末C、及び端末Eは、位置登録情報1100の接続先の更新を行うが、端末A及び端末Dは位置情報更新処理を終了し、位置登録情報1100の接続先の更新を行わない。この様に、通信端末103の制御部301は、記憶部302に登録されている位置情報を含む報知情報を受信した場合には、通信端末103は、位置登録情報1100の接続先の更新を行う。一方で、通信端末103の制御部301は、記憶部302に登録されている位置情報を含む報知情報を受信していない場合には、通信端末103は、位置登録情報1100の接続先の更新を行わない。
図14は、第2の実施形態に係る報知情報を受信した通信端末103が実行する報知情報判定処理を例示する図である。例えば、通信端末103が起動すると、通信端末103の制御部301は、図14の報知情報判定処理の実行を開始してよい。
S1401において制御部301は、報知情報を受信するのを待機し、報知情報を受信した場合、フローはS1402に進む。
S1402において制御部301は、報知情報のメッセージIDを確認し、メッセージIDに応じて処理を振り分ける。以下、ETWSの場合の処理の振り分けについて説明する。例えば、メッセージIDが0x1100~0x1104である場合、フローはS1405に進む。S1405において制御部301は、メッセージIDと対応する災害を知らせる緊急警報を基地局102を介して報知し、フローはS1401に戻る。
また、S1402においてメッセージIDが、0x1100~0x1104、第1の値(例えば、0xA000)及び第2の値(例えば、0xA001)のいずれでも無い場合、フローはS1406に進む。S1406において制御部301は、メッセージIDと対応する事業者の仕様に応じた処理を実施し、フローはS1401に戻る。
S1402においてメッセージIDが第1の値(例えば、0xA000)である場合、フローはS1403に進む。S1403において制御部301は、受信した報知情報から位置情報を取得する。例えば、制御部301は、報知情報に位置情報として含まれている郵便番号を抽出してよい。制御部301は、例えば、上述の<報知情報の例>で述べた報知情報1からは、「98a09810982f」の情報を抽出し、980, 981, 982の郵便番号の上位3桁を取得してよい。
S1407において制御部301は、記憶部302の位置登録情報1100を参照し、報知情報に含まれている位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報1100に登録されているか否かを判定する。
S1407において位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報1100に登録されていない場合(S1407がNO)、フローはS1412に進む。S1412において制御部301は、受信した報知情報を廃棄し、フローは、S1401に戻る。即ち、通信端末103の制御部301は、ユーザが通知対象として位置登録情報1100に登録した位置情報を含まない報知情報を受信した場合には、報知情報の受信に関してユーザに通知を実行しない。また、S1407において位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報1100に登録されている場合(S1407がYES)、フローはS1408に進む。
S1408において制御部301は、通知情報を出力する。通知情報は、例えば、ユーザが位置登録情報1100に位置情報を登録した地域のうちで、報知情報で通知された地域に関してサーバ140で情報の更新が行われたことを示す通知であってよい。一例では、制御部301は、例えば、通信端末103が備える表示部303の表示画面に通知情報を表示してよい。なお、通知情報の出力は、例えば、通信端末103が備えるスピーカからの音の出力や、バイブレータなどの振動デバイスを用いて筐体を振動させることで行われてもよい。
S1409において制御部301は、報知情報から抽出した位置情報と、位置登録情報1100において対応付けられている接続先を取得し、取得した接続先に接続するか否かをユーザに問い合わせる通知を出力する。制御部301は、例えば、抽出した接続先に接続するか否かを問い合わせる表示画面を、通信端末103が備える表示部303に表示させてユーザに通知してよい。そして、例えば、ユーザが接続先に接続する指示を入力した場合(S1409がYES)、フローはS1410に進む。S1410において制御部301は、接続先として抽出したURLのウェブページにアクセスする。そのため、ユーザはウェブページから更新された地域の情報を取得することができる。
また、S1409においてユーザが接続先に接続しない指示を入力した場合(S1409がNO)、フローはS1411に進む。S1411において制御部301は、位置登録情報1100に登録されている処理対象の位置情報を含む報知情報が通知されたことを示す情報を、通知履歴情報700を記録する。S1411において通知履歴情報への登録が完了すると、フローはS1401に戻る。
また、S1402においてメッセージIDが第2の値(例えば、0xA001)である場合、フローはS1404に進む。S1404において制御部301は、受信した報知情報から位置情報を取得する。例えば、制御部301は、報知情報に位置情報として含まれている郵便番号を抽出してよい。制御部301は、例えば、上述の<報知情報の例>で述べた報知情報1からは、「98a09810982f」の情報を抽出し、980, 981, 982の郵便番号の上位3桁を取得してよい。
S1413において制御部301は、記憶部302の位置登録情報1100を参照し、報知情報に含まれている位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報1100に登録されているか否かを判定する。
S1413において位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報1100に登録されていない場合(S1413がNO)、フローはS1412に進み、受信した報知情報を廃棄し、フローは、S1401に戻る。即ち、通信端末103の制御部301は、ユーザが通知対象として位置登録情報1100に登録した位置情報を含まない報知情報を受信した場合には、報知情報の受信に関して接続先の情報の更新を実行しない。また、S1413において位置情報(例えば、980, 981, 982の郵便番号)が、位置登録情報400に登録されている場合(S1413がYES)、フローはS1414に進む。
S1414において制御部301は、報知情報の位置情報を含む位置登録情報1100のエントリの接続先を、報知情報に含まれる接続先に更新する。
以上で述べた様に、第2の実施形態では、位置情報を含めば、接続先の情報を含まない報知情報であっても、サーバ140が提供する情報の更新が行われたことを通信端末103に通知することができる。
以上において、実施形態を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の動作フローは例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。可能な場合には、動作フローは、処理の順番を変更して実行されてもよく、別に更なる処理を含んでもよく、又は、一部の処理が省略されてもよい。
また、上述の実施形態では、例えば、図8のS801~S808までの処理は、情報提供元の従業員や、緊急警報システム150の管理者などの人が処理を実行する場合の例を述べている。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の人が実行する処理の一部又は全部をサーバ140、緊急警報装置101、及び通信端末103に実行させてもよい。
なお、緊急警報に関する報知情報はETWSには限られない。例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて規定された公衆警報システム(PWS:Public Waring system)であればよい。ここで、報知情報にて通知される例を説明する。
(緊急地震速報)
地震発生後大きな揺れが到達する数秒から数十秒前に警報を発する。このとき、「被災のおそれのある地域」に対しては、緊急地震速報が出されたことを、警告音などを用いて伝えると共に、震源や震度などの詳細を配信する。一方、「被災のおそれのある地域を含む広域的な地域」に対しては、地震発生後大きな揺れが到達した後に、被災の状況や避難場所に関するメッセージ情報と共に、当該被災の詳細情報が取得可能なURL等が配信される。
(弾道ミサイル情報)
弾道ミサイル攻撃に関する警告を発する。このとき、「被災のおそれのある地域」に対しては、弾道ミサイル攻撃が出されたことを、警告音などを用いて伝えると共に、身を守る武器を持たない者がむやみに屋外を出歩くことは危険であり、屋内退避の勧告等の情報が配信される。一方、「被災のおそれのある地域を含む広域的な地域」に対しては、特殊性と拡大可能性の大きさから「通知・伝達地域」および「参考情報地域」が配信されると共に、当該弾道ミサイルの現在位置や弾道ミサイルを被弾したときの対処方法などの詳細情報が取得可能なURL等が配信される。
(ゲリラ豪雨などの気象警報)
1時間で数十mmの局地的大雨が観測される等の気象に関する警報を発する。このとき、「被災のおそれのある地域」に対しては、避難場所に関するメッセージ情報を配信する。一方、「被災のおそれのある地域とは異なる地域」に対しては、局地的大雨が予想されるため速やかな避難を促すメッセージ情報と共に、気象情報が取得できるURL等が配信される。
図15は、実施形態に係るサーバ140及び緊急警報装置101を実現するためのコンピュータ1500のハードウェア構成を例示する図である。図15のサーバ140及び緊急警報装置101を実現するためのハードウェア構成は、例えば、プロセッサ1501、メモリ1502、記憶装置1503、読取装置1504、通信インタフェース1506、及び入出力インタフェース1507を備える。なお、プロセッサ1501、メモリ1502、記憶装置1503、読取装置1504、通信インタフェース1506、入出力インタフェース1507は、例えば、バス1508を介して互いに接続されている。
プロセッサ1501は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。例えば、サーバ140のプロセッサ1501は、メモリ1502を利用して例えば上述の動作フローの手順を記述したプログラムを実行することにより、上述したサーバ140の一部または全部の機能を提供する。また、緊急警報装置101のプロセッサ1501は、例えば、メモリ1502を利用して例えば上述の動作フローの手順を記述したプログラムを実行することにより、制御部201として機能する。
メモリ1502は、例えば半導体メモリであり、RAM領域及びROM領域を含んでいてよい。記憶装置1503は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、又は外部記憶装置である。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。
読取装置1504は、プロセッサ1501の指示に従って着脱可能記憶媒体1505にアクセスする。着脱可能記憶媒体1505は、例えば、半導体デバイス(USBメモリ等)、磁気的作用により情報が入出力される媒体(磁気ディスク等)、光学的作用により情報が入出力される媒体(CD-ROM、DVD等)などにより実現される。なお、USBは、Universal Serial Busの略称である。CDは、Compact Discの略称である。DVDは、Digital Versatile Diskの略称である。
また、記憶部202は、例えばメモリ1502、記憶装置1503、及び着脱可能記憶媒体1505を含んでいる。緊急警報装置101の記憶装置1503には、例えば、位置登録情報1000が格納されていてよい。
通信インタフェース1506は、プロセッサ1501の指示に従ってネットワークを介してデータを送受信する。例えば、緊急警報装置101の通信インタフェース1506は、無線通信ネットワーク120を介して通信端末103と通信してよい。また、例えば、緊急警報装置101の通信インタフェース1506は、無線通信ネットワーク(通信事業者網)及びインターネット130を介してサーバ140と通信してよい。サーバ140の通信インタフェース1506は、例えば、インターネット130と無線通信ネットワーク120を介して緊急警報装置101と通信してよい。
入出力インタフェース1507は、例えば、入力装置及び出力装置との間のインタフェースであってよい。入力装置は、例えばユーザからの指示を受け付けるキーボードやマウスなどのデバイスである。出力装置は、例えばディスプレーなどの表示装置、及びスピーカなどの音声装置である。
実施形態に係る各プログラムは、例えば、下記の形態でサーバ140、及び緊急警報装置101に提供されてよい。
(1)メモリ1502又は記憶装置1503に予め記憶されている。
(2)ネットワークを介して提供される。
(3)着脱可能記憶媒体1505により提供される。
また、図16は、実施形態に係る通信端末103を実現するためのコンピュータ1600のハードウェア構成を例示する図である。図16のコンピュータ1600を実現するためのハードウェア構成は、例えば、プロセッサ1601、メモリ1602、入力装置1603、表示装置1604、通信装置1605、及び出力装置1606を備える。なお、メモリ1602、入力装置1603、表示装置1604、通信装置1605、及び出力装置1606は、例えば、バスを介してプロセッサ1601に接続していてよい。
プロセッサ1601は、メモリ1602を利用して例えば上述の動作フローの手順を記述したプログラムを実行することにより、上述した制御部301を含む各部の一部または全部の機能を提供する。
メモリ1602は、例えば半導体メモリであり、RAM領域及びROM領域を含んでいてよい。
入力装置1603は、例えば、静電式タッチセンサ及び感圧式タッチセンサなどのタッチセンサ、キー、ボタンなどであってよい。上述の入力部304の一例は、入力装置1603である。表示装置1604は、例えば、ディスプレーであってよい。上述の表示部303の一例は、表示装置1604である。表示装置1604と、入力装置1603はタッチパネルとして実装されてもよい。
通信装置1605は、例えば、プロセッサ1601の指示に従って無線通信ネットワーク120やインターネット130などのネットワークを介してデータを送受信する。例えば、通信装置1605は、プロセッサ1601の指示に従って基地局102を介して緊急警報装置101と通信してよい。出力装置1606は、例えば、印刷装置や、音を出力するスピーカなどの音声出力装置であってよい。
実施形態に係る各プログラムは、例えば、下記の形態で通信端末103に提供されてよい。
(1)メモリ1602に予め記憶されている。
(2)ネットワークを介して提供される。
なお、図16及び図17を参照して述べたサーバ140、緊急警報装置101、及び通信端末103を実現するためのハードウェア構成は、例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の機能部の一部または全部の機能がFPGA及びSoCなどによるハードウェアとして実装されてもよい。なお、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。SoCは、System-on-a-chipの略称である。
以上において、いくつかの実施形態が説明される。しかしながら、実施形態は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の各種変形形態及び代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、各種実施形態は、その趣旨及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できることが理解されよう。また、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の実施形態が実施され得ることが理解されよう。更には、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して又は置換して、或いは実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加して種々の実施形態が実施され得ることが当業者には理解されよう。