JP7052439B2 - 水晶体の硬化防止剤または治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶体の硬化を抑制する物質に関する。
老視は、眼のピントを調節する力が衰えることにより起こり、近くのものを見る際に困難をきたした状況を指していうもので、俗に「老眼」とも呼ばれている。眼の水晶体は光を屈折させる組織であり、遠くを見る際には、水晶体の周りの筋肉が水晶体を引張ることによりその厚みを減少させ、逆に近くのものを見ようとするときは、周りの筋肉が緩み、水晶体の弾性により厚みが元に戻ることにより焦点を結ぶ。しかし、加齢とともに水晶体が硬化し弾性が失われていくことで、特に近くのピント調節が困難になり、老視をきたすこととなる。
ところで近年、再生医療の研究が盛んとなり、幹細胞を移植する細胞移植治療により様々な疾患の治療が可能であることが明らかとなってきた。間葉系幹細胞は、体性幹細胞の一種であり、間葉系の細胞、即ち、骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、脂肪細胞などへの分化能を有することから、骨や血管、心筋の再構築などの再生医療への応用が期待されている。こればかりでなく、間葉系幹細胞は抗炎症作用、免疫調節作用なども有することから、種々の自己免疫疾患や移植片対宿主病の治療などに既に利用されている。更に、慢性的な肝疾患である肝硬変に対しても、肝組織の線維化を抑制し改善効果があることが報告されている。
こうした中、細胞移植治療において生体内に移植された間葉系幹細胞は、細胞自身の増殖や分化により組織を再生するだけではないことが分かってきた。即ち、細胞から分泌される種々のサイトカイン等の生理活性物質が持つ多様な性質が、組織の再生や疾患部位の治癒に少なからず寄与していることが明らかにされてきた。
間葉系幹細胞をインビトロで培養した際には、培養液中にこうした生理活性物質が放出されることになる。そこで、間葉系幹細胞の培養に使用した培養液を回収し、細胞から放出される物質を多く含むこの培養液を利用して、組織を再生することに成功した例が報告されている。上田らは、ラットを用いた実験で、骨髄間葉系幹細胞の培養上清が骨の再生能力を持つことを示した(例えば、非特許文献1)。この中で、骨髄間葉系幹細胞の培養上清中には、インスリン様成長因子(IGF)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などが多く含まれており、これらの因子が組織の再生などに関わっていることが示唆されている。また、有村らは、骨髄間葉系幹細胞の培養上清が抗炎症作用を有し、腸炎の予防・治療効果を示すことを報告している(例えば、特許文献1)。
更に最近では、間葉系幹細胞から分泌される、エクソソームと呼ばれる小胞が、様々なタンパク質やRNAを含み、これが間葉系幹細胞と同様の治療効果を持つことが報告されている(例えば、非特許文献2)。
特開2013-18756号公報
Tissue Engineering PartA.2012;18:1479-1489 Drug Delivery System.2014;29-2:141-151
上述のように、老視は水晶体が硬化し弾性が失われていくことで、近くのピント調節が困難になることが原因で発生する。しかし、現在までに老視に対する効果的な治療法や予防法は存在せず、新たに開発することが求められている。
本発明者は、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本願発明の概要は以下の通りである。
1.ヒト骨髄間葉系幹細胞の培養上清又は当該培養上清から抽出されたエクソソームを含む、水晶体組織の硬化防止剤または治療剤。
本発明により、水晶体の弾力性の低下および低下の進行を抑制することができるため、老視の発症を予防または治療することができる。
間葉系幹細胞の培養上清の作製に用いる細胞培養容器の一例を示す模式図である。 間葉系幹細胞の培養上清の作製に用いる細胞培養装置の一例を示す模式図である。 実施例1における培養上清作製のスケジュールである。 ラット水晶体の圧縮試験の結果を示す荷重曲線の一例である。 培養上清を点眼したラット水晶体の圧縮回復性を示すグラフである。 エクソソーム懸濁液を点眼したラット水晶体の圧縮回復性を示すグラフである。
(間葉系幹細胞)
本発明において、間葉系幹細胞は、特に限定されるものではないが、骨髄由来間葉系幹細胞あるいは脂肪組織由来間葉系幹細胞が好適である。また、プライマリー細胞に限らず、遺伝子改変等によって株化/不死化された間葉系幹細胞も用いることが出来る。動物種も特に限定されず、ヒト、マウス、ラット等のいずれの動物由来のものも使用できる。
(間葉系幹細胞の培養上清)
本発明において、間葉系幹細胞の培養上清とは、細胞を一定期間(数時間から数日)培養した際に、細胞に直接または半透膜などを介して間接に接触していた培養液を細胞と分離して得られるものを言う。培養液馴化培地、コンディションドメディウム(Conditioned medium)などと同意である。
(細胞培養液)
本発明において、培養上清の製造に用いる培養液の組成等は、特に限定されない。例えば、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)、Minimum Essential MediumEagle, AlphaModification(αMEM)、Roswell Park MemorialInstitute media(RPMI)1640などを基礎培地とし、これに適宜、細胞増殖因子、ホルモン、動物血清などを添加することにより調製されたものが使用できる。
本発明において、用いる細胞培養液は、場合によっては動物血清を含まないことが好ましいことがある。これは、動物血清には細胞増殖因子等の生理活性物質が豊富に含まれるため、時にはこれらの生理活性物質の存在が、培養上清を使用する際に目的の妨げとなったり、マイナスに作用する可能性があるためである。
本発明において、間葉系幹細胞を培養して培養上清を得るためには、半透膜を培養基材として収納した細胞培養容器を用いるのが好ましい。このような細胞培養容器は、容積効率を高くすることができるため省スペース化を図ることができるだけでなく、特定の構成を有する半透膜を用いることにより効率よく培養上清を回収することができる。
(半透膜)
本発明において、培養基材として用いる半透膜は、細胞を半透膜表面に保持でき、溶液や低分子の物質を透過させるような構造を有するものが好ましい。より詳しくは、培養上清成分は半透膜を透過しないが、培養液成分は半透膜を透過する構造(細孔径)を有するものが好ましい。具体的には、培養上清中の特にエクソソーム(およそ30nm~150nm)は膜透過せず、培養液成分であるγ-グロブリン(およそ8.4nm)は膜透過する特性を有する半透膜が好ましい。そうすると、半透膜は、10nm~30nm程度の細孔径を有する限外ろ過膜を用いるのが好ましい。
前記有機高分子材料は、2-ヒドロキシエチルメタクリレートやポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、セルロースアセテートや再生セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリ乳酸やポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミドなどが好適に利用できる。また、これらの誘導体が主成分であっても良い。
本発明において、半透膜は、前記の素材に化学的に修飾を加えたものであっても良い。例えば、親水化処理されていてもよい。親水化処理された半透膜を用いることにより、培養細胞への培養液等の液体成分の供給が容易になる。半透膜を親水化処理する方法としては、例えば、半透膜をエチレン-ビニルアルコール共重合体等の親水性高分子や、グリセリン、エタノールで処理する方法が挙げられる。また、使用する細胞に応じて、半透膜への接着向上のため、コラーゲンやフィブロネクチン等のコーティングを行っても良い。
本発明において、半透膜は、平膜であってもよいし中空糸膜であってもよいが、容積効率の面から中空糸膜を用いるのが好ましい。中空糸膜の場合、内径が小さすぎると培養容積が確保できないとか、培養細胞にストレスを与えることになるので10μm以上が好ましい。一方、内径が大きすぎると容積効率が低下し中空糸膜培養容器のメリットを損なうことになるので2000μm以下が好ましい。また、半透膜の膜厚は、培養液成分の透過性や膜強度を考慮すると、10~200μm程度が好ましい。
本発明において、間葉系幹細胞の培養上清を製造する方法は、特に制限なく、例えば、中空糸膜を細胞培養基材として用い、中空糸膜の内腔側または外腔側で間葉系幹細胞を培養すればよい。例えば、間葉系幹細胞を培養液等に縣濁した細胞懸濁液を中空糸膜の内腔に充填し、培養液を中空糸膜の内腔側および外腔側に連続的または間欠的に灌流させる等して間葉系幹細胞の培養を行う。なお、間欠的な灌流とは、培養液の流れを一時的に止めたり進めたりする工程を繰り返すことを指す。ここで、流れを止めたり進めたりする間隔は特に制限されず、等間隔でも不規則でもよい。培養液は、細胞に必要な養分や酸素などを供給したり、逆に老廃物を排出する役割を有する。このようにして、一定期間培養を行った後の中空糸膜内腔側の培養液を回収すれば、間葉系幹細胞の培養上清液を得ることができる。
(細胞培養容器)
本発明において、間葉系幹細胞の培養上清の製造に用いる細胞培養容器は、4つの開口部を有する筒状容器に数本~数万本の中空糸膜を収納し、中空糸膜の両端を筒状容器に液密に接着固定することにより作製することができる。このような細胞培養容器は、単位容積あたりの培養面積を非常に大きくすることができ、また培養操作を簡便化することができるため、効率よく細胞培養を実施することが出来る。
このような細胞培養容器の構成は特に限定されないが、例えば図1に示すように、4つの開口部(エンドポートおよびサイドポート)を有する筒状容器に中空糸膜が適宜必要な本数束ねられて収納されている形態が挙げられる。具体的には、細胞培養容器1において、複数の中空糸膜3は、両端において各中空糸膜の内腔と外腔を分離した状態で、かつ中空糸膜の中空部を閉塞しないようにシール材(例えば、ポリウレタン系ポッティング剤)8により筒状容器2端部に接着固定されている。すなわち、前記4つの開口部のうち、2つのエンドポート6aおよび6bは、中空糸膜3の内腔(中空部)5と連通している。一方、前記開口部のうち、2つのサイドポート7aおよび7bは、前記筒状容器2の内側であって、かつ前記中空糸膜の外側である空間(外腔側)4と連通しており、前記サイドポート7aまたは7bの一方から導入された培養液などが外腔側4を通ってもう一方のサイドポート7bまたは7aから導出されるように構成されている。
(細胞培養装置)
図2は、中空糸膜型細胞培養容器を用いる細胞培養装置の一例を示している。細胞培養容器1の中空糸膜内腔5に連通するエンドポート6aには、導入口40から間葉系幹細胞を含む細胞懸濁液を導入、送液するための流路および培養液貯留容器9から細胞培養液を送液するための流路が接続されている。また、細胞懸濁液と細胞培養液の流路を切替えられるように流路の途中にバルブ20が設けられている。また、前記細胞培養容器1の中空糸膜内腔5に連通するエンドポート6bには、培養後の培養上清を排出するための流路が接続されており、流路の途中には流量調整用のバルブ21および送液ポンプ31、培養上清回収容器11または排出口50への流路を切替えるためのバルブ22が設けられている。一方、細胞培養容器1の中空糸膜外腔4に連通するサイドポート7aには、培養液貯留容器8から中空糸膜外腔4に培養液を送液するための流路が接続されている。また、中空糸膜外腔4に連通するサイドポート7bには、培養液を排出するための流路が接続されており、流路の途中には送液ポンプ30が設けられており、排出された培養液を回収するための回収容器10に接続されている。なお、本発明において、少なくとも培養液貯留容器8、9および流路、細胞培養容器1はCOインキュベーター内に設置されていることが好ましい。
(培養上清の製造)
間葉系幹細胞を培養する場合、細胞培養容器の中空糸膜内腔に細胞懸濁液を導入して間葉系幹細胞を中空糸膜表面に播種した後、中空糸膜内腔と外腔の両方に細胞培養液を流すことにより培養環境を整えながら間葉系幹細胞を培養する。すると、間葉系幹細胞は、培養液中に種々の分泌物(タンパク質、サイトカイン、エクソソーム)を放出するので、細胞培養液とともにこれらの分泌物を回収する。
図2を参照して、培養上清の製造について説明する。導入口40より細胞懸濁液を送液し、中空糸膜内腔5に細胞懸濁液を充填する。細胞懸濁液が充填された後、バルブ20を閉の状態とする。中空糸膜内腔5に細胞懸濁液を充填した後、一定時間静置して中空糸膜表面に細胞を接着させる。一定時間静置後、培養液貯留容器9、中空糸膜内腔5、排出口50が連通するようにバルブ20、21、22を切替え、ポンプ30および31を起動して細胞培養容器の中空糸膜内腔5と中空糸膜外腔4の両方に細胞培養液を流す。このとき、培養液の流量は、細胞増殖度合いや環境に応じて調整することが好ましい。また、少なくとも細胞培養容器、培養液貯留容器およびそれらを繋ぐ流路は、温度およびCO濃度の制御機構を備えたインキュベータ内に設置する。数日間、培養を行った後、培養液貯留容器9の培養液を培養上清回収用の培養液に交換する。培養上清回収用の培養液に交換した後、バルブ22を切替え、培養上清回収容器11に培養上清を回収する。
培養液、特に中空糸膜内腔5を流れる培養液の流速は、細胞増殖度合いや環境に応じて、調整することが好ましい。細胞増殖度合いを調べる方法は、特に限定されないが、培養液中のグルコースや乳酸塩の濃度等の測定結果をもとに行うことが出来る。
本発明において、培養上清は、前記回収した培養液から間葉系幹細胞を除去したものを意味するが、かかる培養上清から例えば、残存培地成分(培養前の培養液の成分のうち、培養後の培養液中に残存している成分)、培養液の水分などの本発明における水晶体組織の硬化防止または治療に寄与しない成分の少なくとも一部をさらに除去したものも、本発明における間葉系幹細胞の培養上清に含まれる。また、回収した培養液(培養上清)より抽出したエクソソームを含む懸濁液も本発明の範疇である。
また、培養上清には、配合により好ましくない相互作用を生じない限り、他の活性成分、例えば、抗アレルギー又は抗ヒスタミン成分、充血除去成分、局所麻酔薬成分、ビタミン成分(ビタミンA、B群、C)、アミノ酸成分(例:バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、ヒスチジン、シトルリン、オルニチン、シスチン、タウリン、グリシン)などをさらに含有していてもよい。そのような他の活性成分としては、自体公知の各種薬剤を適宜使用することができる。また、他の活性成分は、本発明の剤とは別個に製剤化し、同一対象に対して、同時又は時間差をおいて、また、同一経路又は別経路で投与してもよい。
(膜の平均細孔径)
作製した膜の平均細孔径の測定は、Porous Materials社製 パームポロメーター(PPM,CFP-1200AEX)装置を用いて行った。試験タイプはCapillary Flow PorometryのWet Up/DryUpとし、試液としてGalWick(表面張力15.7dyne/cm)を使用した。測定に用いる中空糸膜を、前記PPMで測定が可能となるように、専用の小エレメントへ加工した。装置付属の中空糸膜測定用サンプルホルダー(サンプル挿入口 開口部直径8.5mm)に合うように、外径8.5mm、厚み1mm、長さ4cmの中空状のアクリルスリーブを準備した。スリーブ内に中空糸膜を通した後、該スリーブ内部を硬化性樹脂で埋めて硬化させた。該スリーブのホルダー挿入側については、該スリーブ端面から飛び出た分の中空糸膜を該スリーブ端面で硬化樹脂と共に裁断して中空糸膜の断面を出し、挿入側と逆側(膜サンプル測定側)については、該スリーブ端面(正確には硬化樹脂と中空糸膜との界面)から3cmをわずかに超える長さを残し、余りの中空糸膜を切り落とした。中空糸膜の有効長さが3cmとなるように、中空糸膜の先端に硬化性樹脂を塗布して封止し、測定用の小エレメントを完成させた。下記の測定パラメーター(自動試験パラメーター値)をPPM付属の測定用ソフトに入力後、よく乾燥している小エレメントを前述のサンプルホルダーに挿入・固定し、さらに該ホルダーをPPMにセットした。測定は、まずDry下で実施し、その後、膜サンプルをGalWickに10分間浸漬させてから、Wet下での測定を実施した。
<細孔直径分布測定試験の自動試験パラメーター値>
(0)最小圧力 0(KPA)、最大圧力 300(KPA)、200000 maxflow(cc/m)
(1)バブルポイント試験/インテグリティ試験;15.0 bublflow(cc/m)、100 F/PT(old bubltime)、0.00 minbppres(KPA)、1.0 zerotime(sec)
(2)モータバルブ制御;3 v2incr(cts*3)
(3)レギュレータ制御;1 preginc、2pulse delay
(4)Lohmの校正;1330.68346 maxpres(KPA)、0.070 pulsewidth(sec)
(5)データ確定ルーチン;30 mineqtime(sec)、50 presslew(cts*3)、50 flowslew(cts*3)、50 eqiter(0.1sec)、5 aveiter(0.1sec)、0.69 maxpdif(KPA)、30.0 maxfdif(cc/m)
なお、ctsは機械定数で「カウント数」を表し、cts*3はctsを3倍することを意味する。
(中空糸膜1の作製)
ポリエーテルスルホン(BASF社製Ultrason(登録商標)6020P)26wt%、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(BASF社製Luvitec(登録商標)VA64)1wt%、N-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社製)32.85wt%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)40.15wt%を55℃で混合、溶解し均一な溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、中心部から芯液としてNMP42.75wt%、TEG52.25wt%、RO水5wt%の混合液を吐出し、エアギャップを経て、NMP27wt%、TEG33wt%、RO水40wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は50℃、外部凝固液の温度は30℃に設定した。凝固浴から引き出した後に55℃の水洗槽を走行させて洗浄を実施し、巻取り機で巻き取った。巻き取った中空糸膜は、本数100本、長さ30cmの中空糸膜束とし、85℃のRO水に直立状態で浸漬して洗浄処理を行った。その後、40℃の温水を入れた高圧蒸気滅菌機に水没させ、140℃×20minの条件で高圧熱水処理を行った。その後、庫内温度35℃でマイクロ波乾燥を行った。前記高圧熱水処理及びマイクロ波乾燥を3回繰り返し、中空糸膜1を作製した。得られた中空糸膜1の内径は200μm、外径は260μm、膜厚は30μmであった。また、平均細孔径は12nmであった。
(中空糸膜2の作製)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)19wt%、NMP56.7wt%、TEG24.3wt%を混合、溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、芯液として流動パラフィンを中心部から吐出し、エアギャップを経て、NMP14wt%、TEG6wt%、RO水80wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は105℃、外部凝固液の温度は40℃に設定した。凝固浴から引き出した後に30℃の水洗槽を走行させて洗浄を実施し、50℃、60wt%のグリセリン浴を通過させ、乾燥して巻取り機に巻き取った。得られた中空糸膜2の内径は200μm、外径は230μm、膜厚は15μmであった。また、平均細孔径は30nmであった。
(中空糸膜3の作製)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)17.5wt%、NMP57.75wt%、TEG24.75wt%を混合、溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、芯液として流動パラフィンを中心部から吐出し、エアギャップを経て、NMP14wt%、TEG6wt%、RO水80wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は105℃、外部凝固液の温度は40℃に設定した。凝固浴から引き出した後に30℃の水洗槽を走行させて洗浄を実施し、50℃、60wt%のグリセリン浴を通過させ、乾燥して巻取り機に巻き取った。得られた中空糸膜3の内径は200μm、外径は250μm、膜厚は25μmであった。また、平均細孔径は92nmであった。
[実施例1]
内表面に予めコラーゲン(新田ゼラチン)をコートした中空糸膜1を用いて図1に示す細胞培養容器を作製した。また、得られた細胞培養容器を用いて図2に示す細胞培養装置を構成し、COインキュベーター内に設置し、本実験を行った。ヒト骨髄間葉系幹細胞(CELL APPLICATIONS Inc.)を培養液に懸濁した溶液を中空糸膜内腔に注入(播種細胞数は、5.0×10^5cells/モジュール)した。このとき、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は98cmであることから細胞播種密度は、約5100cells/cmと計算された。培養液は、培養開始(細胞播種)から96時間後までは、10%ウシ胎児血清(ライフテクノロジーズ)を添加したDMEMGlutaMAX(ライフテクノロジーズ)を用い、培養上清を採取する96時間以降は、MF-medium(間葉系幹細胞増殖培地、東洋紡)を用いた。
図3に、培養上清作製のスケジュールを示す。
細胞播種(培養開始)から7日間(168時間後)培養を実施した。この間、中空糸膜内腔を流れる培養液の流速(線速度)は、細胞播種を行ってから96時間までは、平均0.066mm/min、96時間後から144時間までは、平均0.20mm/min、144時間後から168時間までは、平均0.33mm/minとした。一方、中空糸膜外腔を流れる培養液の速度は、培養開始から終了(168時間)まで、3.4mm/minとした。細胞培養上清は、培養開始96時間後から168時間までの72時間分を回収した。培養上清の量は、計7.9mlであった。培養上清は回収後ただちに分注し、使用まで-80℃に凍結保存した。尚、流速については、中空糸膜内腔、外腔それぞれから流出する流量を流量計を設置して測定し、中空糸膜内腔容積および中空糸膜外腔容積をもとに算出した。培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、1.2×10^7個の細胞が回収され、増殖率は24倍であった。
[実施例2]
中空糸膜2を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養実験を行った。なお、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は99cmであることから、細胞播種密度は約5050cells/cmと計算された。
培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、1.4×10^7個の細胞が回収され、増殖率は28倍であった。
[実施例3]
中空糸膜3を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養実験を行った。なお、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は98cmであることから、細胞播種密度は約5100cells/cmと計算された。
培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、0.9×10^7個の細胞が回収され、増殖率は18倍であった。
[実施例4]
2枚のコラーゲンコートシャーレ(培養面積55cm、旭テクノガラス)にヒト骨髄間葉系幹細胞(CELL APPLICATIONS Inc.)を細胞播種密度が約5100cells/cmとなるよう播種した。培養液は、実施例1と同様に、細胞を播種してから96時間までは、10%ウシ胎児血清(ライフテクノロジーズ)を添加したDMEM GlutaMAX(ライフテクノロジーズ)を用い、96時間以降はMF-medium(間葉系幹細胞増殖培地、東洋紡)に培地を交換して培養した。
図3に、培養上清作製のスケジュールを示す。
培養開始48時間後、および96時間後に、培養液交換を実施した。その後、培養液交換をせず、培養開始から168時間で100%コンフルエントに達したところで培養を終了した。この最後の培地交換から培養終了までの72時間の培養を行った培養液を培養上清として回収した。培養上清の量は、計10.0mlであった。培養上清は回収後ただちに分注し、使用まで-80℃に凍結保存した。培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、2.6×10^6個の細胞が回収され、増殖率は9.3倍であった。
[実験1]
(ラット水晶体硬化の誘発)
ラットをタバコの煙に暴露させ、水晶体の硬化を誘導した。即ち、9週齢・オスのSDラット10匹を密閉可能なケース(幅40cm×奥行き40cm×高さ20cm)内に入れた。タバコ(セブンスター(登録商標))を50mLシリンジに取り付け、主流煙をシリンジ内に吸引して採取し、これをラットの入ったケース内に吹き入れた。主流煙の吸引とケースへの吹き入れを12回繰り返し、主流煙を計600mLチャンバー内に吹き入れた後、30分静置した。同様の操作を1時間おきに4回繰り返し、ラットを主流煙に曝露させた。この主流煙曝露を3週間毎日実施した。
(培養上清のラットへの投与)
実施例にて回収したそれぞれの培養上清および細胞に接触させていない新しい培養液(MF-medium、東洋紡)を、それぞれタバコの煙を暴露させたラットへ点眼投与した。即ち、各培養上清または培養液を、ラットの片目あたり10μL、マイクロピペットを使用して点眼した。点眼は1日1回、タバコの煙を暴露する前に実施し、これを3週間毎日実施した。
[実験2]
(培養上清からのエクソソーム抽出)
実施例で得られた各培養上清からエクソソームを抽出した。エクソソームの抽出には、MagCaptureTMExosome Isolation Kit PS(和光純薬工業、型番:293-77601)を用いた。それぞれ、得られたエクソソームは、元の培養上清の1/10量のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁して用いた。また、細胞と接触させていない新しい培養液(MF-medium、東洋紡)からも同様にエクソソームの抽出操作を行ったものを対照群への投与用として準備した。
(抽出したエクソソーム成分のラットへの投与)
前記調製したエクソソームを含むPBS(対照群を含む3種類)溶液を、ラットの片目あたり10μL、マイクロピペットを使用して投与(点眼)した。点眼は1日1回、タバコの煙を暴露する前に実施し、これを3週間毎日実施した。
[実験3]
(水晶体硬度の測定)
前記実験1および2の終了後、ラットを安楽死させ両眼球より水晶体を摘出した。次に、圧縮試験機(カトーテック、型番:KES-G5)を用いて水晶体の硬度測定を実施した。測定には2cmの圧縮子を用い50gの荷重をかけ、すべて同じ押し込み距離の負荷および、そこからの反発を測定した。なお、測定は20℃、65%Rhの条件にて実施した。測定により得られた圧縮荷重曲線より、圧縮回復性を評価した。即ち、図4に示す圧縮荷重曲線よりBa/(Aa+Ba)×100を求めた。この値が100に近いほど、圧縮からの回復性、即ち弾力が大きいといえる。
圧縮回復性の測定結果を図5、図6に示す。図5は、実験1で得られた培養上清を点眼したラットの水晶体の圧縮回復性を測定した結果を示す。また、図6は、培養上清から抽出したエクソソームを含む懸濁液を点眼したラットの水晶体の圧縮回復性を測定した結果を示す。本発明の間葉系幹細胞の培養上清を含む溶液は、誘発された水晶体の弾力低下を防ぐ効果があることが示された。
従来、水晶体の硬化が進行することにより老視が発症していたが、本発明の間葉系幹細胞の培養上清を含む溶液を点眼することにより、眼水晶体組織の硬化を防ぎ、効果的に老視を予防または治療することが可能となる。
1 細胞培養容器
2 容器
3 半透膜(中空糸膜)
4 中空糸膜外腔
5 中空糸膜内腔
6a、6b エンドポート
7a、7b サイドポート
8、9 培養液貯留容器
10 回収容器
11 培養上清回収容器
20、21、22 バルブ
30、31 送液ポンプ
40 導入口
50 排出口

Claims (1)

  1. ヒト骨髄間葉系幹細胞の培養上清又は当該培養上清から抽出されたエクソソームを含む、水晶体組織の硬化防止剤または治療剤。
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