JP7052480B2 - 水晶体の硬化防止剤または治療剤の製造方法 - Google Patents
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1. 以下の[a]から[c]の工程を含む、水晶体の硬化防止剤または治療剤の製造方法。
[a]中空糸膜の内表面にヒト骨髄間葉系幹細胞を接着させる工程
[b]前記中空糸膜の内腔および外腔に細胞培養液を灌流し、前記ヒト骨髄間葉系幹細胞を培養する工程
[c]前記ヒト骨髄間葉系幹細胞を培養して得られた培養上清を回収する工程
2. [d]前記培養上清よりエクソソームを抽出する工程
[e]前記エクソソームをリン酸緩衝生理食塩水に懸濁する工程
を含む、請求項1に記載の水晶体の硬化防止剤または治療剤の製造方法。
本発明において、間葉系幹細胞は、特に限定されるものではないが、骨髄由来間葉系幹細胞または脂肪組織由来間葉系幹細胞が好適である。また、プライマリー細胞に限らず、遺伝子改変等によって株化/不死化された間葉系幹細胞も用いることが出来る。動物種も特に限定されず、ヒト、マウス、ラット等のいずれの動物由来のものも使用できる。
本発明において、間葉系幹細胞の培養上清とは、細胞を一定期間(数時間から数日)培養した際に、細胞に直接または中空糸膜などを介して間接的に接触していた培養液を細胞と分離して得られるものを言う。培養液馴化培地、コンディションドメディウム(Conditioned medium)などと同意である。
本発明において、培養上清の製造に用いる培養液の組成等は、特に限定されない。例えば、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)、Minimum Essential Medium Eagle, Alpha Modification(αMEM)、Roswell Park Memorial Institute media(RPMI)1640などを基礎培地とし、これに適宜、細胞増殖因子、ホルモン、動物血清などを添加することにより調製されたものが使用できる。
本発明において、培養基材として用いる中空糸膜は、細胞を膜表面に保持でき、溶液や低分子の物質を透過させるような構造を有するものが好ましい。より詳しくは、培養上清成分は中空糸膜を透過しないが、培養液成分は中空糸膜を透過する構造(平均細孔径)を有するものが好ましい。具体的には、培養上清中の特にエクソソーム(およそ30nm~150nm)は膜透過せず、培養液成分であるγ-グロブリン(およそ8.4nm)は膜透過する特性を有する中空糸膜が好ましい。そうすると、中空糸膜は、10nm~30nm程度の平均細孔径を有する限外ろ過膜を用いるのが好ましい。
本発明において、間葉系幹細胞の培養上清の製造に用いる細胞培養容器は、4つの開口部を有する筒状容器に数本~数万本の中空糸膜を収納し、中空糸膜の両端を筒状容器に液密に接着固定することにより作製することができる。このような細胞培養容器は、単位容積あたりの培養面積を大きくすることができ、また培養操作を簡便化することができるため、効率よく細胞培養を実施することが出来る。
図2は、中空糸膜型細胞培養容器を用いる細胞培養装置の一例を示している。細胞培養容器1の中空糸膜内腔5に連通するエンドポート6aには、導入口40から間葉系幹細胞を含む細胞懸濁液を導入、送液するための流路および培養液貯留容器9から細胞培養液を送液するための流路が接続されている。また、細胞懸濁液と細胞培養液の流路を切替えられるように流路の途中にバルブ20が設けられている。また、前記細胞培養容器1の中空糸膜内腔5に連通するエンドポート6bには、培養後の培養上清を排出するための流路が接続されており、流路の途中には流量調整用のバルブ21および送液ポンプ31、培養上清回収容器11または排出口50への流路を切替えるためのバルブ22が設けられている。一方、細胞培養容器1の中空糸膜外腔4に連通するサイドポート7aには、培養液貯留容器8から中空糸膜外腔4に培養液を送液するための流路が接続されている。また、中空糸膜外腔4に連通するサイドポート7bには、培養液を排出するための流路が接続されており、流路の途中には送液ポンプ30が設けられており、排出された培養液を回収するための回収容器10に接続されている。なお、本発明において、少なくとも培養液貯留容器8、9および流路、細胞培養容器1は、CO2インキュベータ内に設置されていることが好ましい。
間葉系幹細胞を培養する場合、細胞培養容器の中空糸膜内腔に細胞懸濁液を導入して間葉系幹細胞を中空糸膜表面に接着させた後、中空糸膜内腔と外腔の両方に細胞培養液を流すことにより培養環境を整えながら間葉系幹細胞を培養する。すると、間葉系幹細胞は、培養液中に種々の分泌物(タンパク質、サイトカイン、エクソソーム)を放出するので、細胞培養液とともにこれらの分泌物を回収する。
作製した膜の平均細孔径の測定は、Porous Materials社製パームポロメーター(PPM,CFP-1200AEX)装置を用いて行った。試験タイプはCapillary Flow PorometryのWet Up/Dry Upとし、試液としてGalWick(表面張力15.7dyne/cm)を使用した。測定に用いる中空糸膜を、前記PPMで測定が可能となるように、専用の小エレメントへ加工した。装置付属の中空糸膜測定用サンプルホルダー(サンプル挿入口 開口部直径8.5mm)に合うように、外径8.5mm、厚み1mm、長さ4cmの中空状のアクリルスリーブを準備した。スリーブ内に中空糸膜を通した後、該スリーブ内部を硬化性樹脂で埋めて硬化させた。該スリーブのホルダー挿入側については、該スリーブ端面から飛び出た分の中空糸膜を該スリーブ端面で硬化樹脂と共に裁断して中空糸膜の断面を出し、挿入側と逆側(膜サンプル測定側)については、該スリーブ端面(正確には硬化樹脂と中空糸膜との界面)から3cmをわずかに超える長さを残し、余りの中空糸膜を切り落とした。中空糸膜の有効長さが3cmとなるように、中空糸膜の先端に硬化性樹脂を塗布して封止し、測定用の小エレメントを完成させた。下記の測定パラメーター(自動試験パラメーター値)をPPM付属の測定用ソフトに入力後、よく乾燥している小エレメントを前述のサンプルホルダーに挿入・固定し、さらに該ホルダーをPPMにセットした。測定は、まずDry下で実施し、その後、膜サンプルをGalWickに10分間浸漬させてから、Wet下での測定を実施した。
<細孔直径分布測定試験の自動試験パラメーター値>
(0)最小圧力 0(KPA)、最大圧力 300(KPA)、200000 maxflow(cc/m)
(1)バブルポイント試験/インテグリティ試験;15.0 bublflow(cc/m)、100 F/PT(old bubltime)、0.00 minbppres(KPA)、1.0 zerotime(sec)
(2)モータバルブ制御;3 v2incr(cts*3)
(3)レギュレータ制御;1 preginc、2 pulse delay
(4)Lohmの校正;1330.68346 maxpres(KPA)、0.070 pulsewidth(sec)
(5)データ確定ルーチン;30 mineqtime(sec)、50 presslew(cts*3)、50 flowslew(cts*3)、50 eqiter(0.1sec)、5 aveiter(0.1sec)、0.69 maxpdif(KPA)、30.0 maxfdif(cc/m)
なお、ctsは機械定数で「カウント数」を表し、cts*3はctsを3倍することを意味する。
ポリエーテルスルホン(BASF社製Ultrason(登録商標)6020P)26wt%、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(BASF社製Luvitec(登録商標)VA64)1wt%、N-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社製)32.85wt%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)40.15wt%を60℃で混合、溶解し均一な溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、中心部から芯液としてNMP42.75wt%、TEG52.25wt%、RO水5wt%の混合液を吐出し、エアギャップを経て、NMP27wt%、TEG33wt%、RO水40wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は55℃、外部凝固液の温度は25℃に設定した。凝固浴から引き出した後に水洗槽を走行させて洗浄を実施し、巻取り機で巻き取った。巻き取った中空糸膜は、本数100本、長さ30cmの中空糸膜束とし、85℃のRO水に直立状態で浸漬して洗浄処理を行った。その後、40℃の温水を入れた高圧蒸気滅菌機に水没させ、140℃×20minの条件で高圧熱水処理を行った。その後、庫内温度35℃でマイクロ波乾燥を行った。前記高圧熱水処理及びマイクロ波乾燥を3回繰り返し、中空糸膜1を作製した。得られた中空糸膜1の内径は250μm、外径は310μm、膜厚は30μmであった。また、平均細孔径は14nmであった。
セルローストリアセテート(CTA、ダイセル化学社製)19wt%、NMP56.7wt%、TEG24.3wt%を混合、溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、芯液として流動パラフィンを中心部から吐出し、エアギャップを経て、NMP14wt%、TEG6wt%、RO水80wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は110℃、外部凝固液の温度は30℃に設定した。凝固浴から引き出した後に水洗槽を走行させて洗浄を実施し、50℃、60wt%のグリセリン浴を通過させ、乾燥して巻取り機に巻取り、中空糸膜2を作製した。得られた中空糸膜2の内径は250μm、外径は280μm、膜厚は15μmであった。また、平均細孔径は20nmであった。
CTA18wt%、NMP69.7wt%、TEG12.3wt%を混合、溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、芯液として水を中心部から吐出し、エアギャップを経て、NMP25.5wt%、TEG4.5wt%、RO水70wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした45℃の凝固浴に導いた。凝固浴から引き出した後に水洗槽を走行させて洗浄を実施し、50℃、60wt%のグリセリン浴を通過させ、乾燥して巻取り機に巻取った。得られた中空糸膜3の内径は250μm、外径は300μm、膜厚は25μmであった。また、平均細孔径は10nmであった。
CTA17.5wt%、NMP57.75wt%、TEG24.75wt%を混合、溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、芯液として流動パラフィンを中心部から吐出し、エアギャップを経て、NMP14wt%、TEG6wt%、RO水80wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は125℃、外部凝固液の温度は30℃に設定した。凝固浴から引き出した後に30℃の水洗槽を走行させて洗浄を実施し、50℃、60wt%のグリセリン浴を通過させ、乾燥して巻取り機に巻き取った。得られた中空糸膜4の内径は250μm、外径は290μm、膜厚は20μmであった。また、平均細孔径は33nmであった。
ポリエーテルスルホン42.5wt%、ポリビニルピロリドン(BASF社製コリドンK-90)4.5wt%、TEG21.2wt%、NMP31.8wt%を混合、溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、芯液として流動パラフィンを中心部から吐出し、エアギャップを経て、5℃の65重量%NMP39wt%、TEG26wt%、RO水35wt%の混合液からなる5℃の外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。凝固浴から引き出した後に65℃の水洗槽を走行させて洗浄を実施し、85℃、60wt%のグリセリン浴を通過させ、乾燥して巻取り機に巻取った。得られた中空糸膜5の内径は250μm、外径は284μm、膜厚は17μmであった。また、平均細孔径は3nmであった。
内表面に予めコラーゲン(新田ゼラチン)をコートした中空糸膜1を用いて図1に示す細胞培養容器を作製した。また、得られた細胞培養容器を用いて図2に示す細胞培養装置を構成し、CO2インキュベータ内に設置し、本実験を行った。ヒト骨髄間葉系幹細胞(CELL APPLICATIONS Inc.)を培養液に懸濁した溶液を中空糸膜内腔に注入(播種細胞数は、5.0×10^5cells/モジュール)した。このとき、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は98cm2であることから細胞播種密度は、約5100cells/cm2と計算された。培養液は、培養開始(細胞播種)から96時間後までは、10%ウシ胎児血清(ライフテクノロジーズ)を添加したDMEMGlutaMAX(ライフテクノロジーズ)を用い、培養上清を採取する96時間以降は、MF-medium(間葉系幹細胞増殖培地、東洋紡)を用いた。
細胞播種(培養開始)から7日間(168時間後)培養を実施した。この間、中空糸膜内腔を流れる培養液の流速(線速度)は、細胞播種を行ってから96時間までは、平均0.066mm/min、96時間後から144時間までは、平均0.20mm/min、144時間後から168時間までは、平均0.33mm/minとした。一方、中空糸膜外腔を流れる培養液の速度は、培養開始から終了(168時間)まで、3.4mm/minとした。細胞培養上清は、培養開始96時間後から168時間までの72時間分を回収した。培養上清の量は、計7.9mlであった。培養上清は回収後ただちに分注し、使用まで-80℃に凍結保存した。尚、流速については、中空糸膜内腔、外腔それぞれから流出する流量を流量計を設置して測定し、中空糸膜内腔容積および中空糸膜外腔容積をもとに算出した。培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、1.3×10^7個の細胞が回収され、増殖率は26倍であった。
中空糸膜2を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養実験を行った。なお、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は99cm2であることから、細胞播種密度は約5050cells/cm2と計算された。
培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、1.3×10^7個の細胞が回収され、増殖率は26倍であった。
中空糸膜3を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養実験を行った。なお、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は99cm2であることから、細胞播種密度は約5050cells/cm2と計算された。
培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、1.5×10^7個の細胞が回収され、増殖率は30倍であった。
中空糸膜4を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養実験を行った。なお、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は98cm2であることから、細胞播種密度は約5100cells/cm2と計算された。
培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、1.3×10^7個の細胞が回収され、増殖率は26倍であった。
中空糸膜5を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養実験を行った。なお、細胞培養容器内の総培養面積(中空糸膜の内径基準の膜面積)は98cm2であることから、細胞播種密度は約5100cells/cm2と計算された。
培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、0.8×10^7個の細胞が回収され、増殖率は16倍であった。
2枚のコラーゲンコートシャーレ(培養面積55cm2、旭テクノガラス)にヒト骨髄間葉系幹細胞(CELL APPLICATIONS Inc.)を細胞播種密度が約5100cells/cm2となるよう播種した。培養液は、実施例1と同様に、細胞を播種してから96時間までは、10%ウシ胎児血清(ライフテクノロジーズ)を添加したDMEM GlutaMAX(ライフテクノロジーズ)を用い、96時間以降はMF-medium(間葉系幹細胞増殖培地、東洋紡)に培地を交換して培養した。
培養開始48時間後、および96時間後に、培養液交換を実施した。その後、培養液交換をせず、培養開始から168時間で100%コンフルエントに達したところで培養を終了した。この最後の培地交換から培養終了までの72時間の培養を行った培養液を培養上清として回収した。培養上清の量は、計10.0mlであった。培養上清は回収後ただちに分注し、使用まで-80℃に凍結保存した。培養から168時間後に細胞をトリプシンで消化、剥離回収し、細胞数をカウントした結果、2.7×10^6個の細胞が回収され、増殖率は9.6倍であった。
(ラット水晶体硬化の誘発)
ラットをタバコの煙に暴露させ、水晶体の硬化を誘導した。即ち、9週齢・オスのSDラット10匹を密閉可能なケース(幅40cm×奥行き40cm×高さ20cm)内に入れた。タバコ(セブンスター(登録商標))を50mLシリンジに取り付け、主流煙をシリンジ内に吸引して採取し、これをラットの入ったケース内に吹き入れた。主流煙の吸引とケースへの吹き入れを12回繰り返し、主流煙を計600mLチャンバー内に吹き入れた後、30分静置した。同様の操作を1時間おきに4回繰り返し、ラットを主流煙に曝露させた。この主流煙曝露を3週間毎日実施した。
実施例にて回収したそれぞれの培養上清および細胞に接触させていない新しい培養液(MF-medium、東洋紡)を、それぞれタバコの煙を暴露させたラットへ点眼投与した。即ち、各培養上清または培養液を、ラットの片目あたり10μL、マイクロピペットを使用して点眼した。点眼は1日1回、タバコの煙を暴露する前に実施し、これを3週間毎日実施した。
(培養上清からのエクソソーム抽出)
実施例で得られた各培養上清からエクソソームを抽出した。エクソソームの抽出には、MagCaptureTMExosome Isolation Kit PS(和光純薬工業、型番:293-77601)を用いた。それぞれ、得られたエクソソームは、元の培養上清の1/10量のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁して用いた。また、細胞と接触させていない新しい培養液(MF-medium、東洋紡)からも同様にエクソソームの抽出操作を行ったものを対照群への投与用として準備した。
前記調製したエクソソームを含むPBS(対照群を含む3種類)溶液を、ラットの片目あたり10μL、マイクロピペットを使用して投与(点眼)した。点眼は1日1回、タバコの煙を暴露する前に実施し、これを3週間毎日実施した。
(水晶体硬度の測定)
前記実験1および2の終了後、ラットを安楽死させ両眼球より水晶体を摘出した。次に、圧縮試験機(カトーテック、型番:KES-G5)を用いて水晶体の硬度測定を実施した。測定には2cm2の圧縮子を用い50gの荷重をかけ、すべて同じ押し込み距離の負荷および、そこからの反発を測定した。なお、測定は20℃、65%Rhの条件にて実施した。測定により得られた圧縮荷重曲線より、圧縮回復性を評価した。即ち、図4に示す圧縮荷重曲線よりBa/(Aa+Ba)×100を求めた。この値が100に近いほど、圧縮からの回復性、即ち弾力が大きいといえる。
2 容器
3 中空糸膜
4 中空糸膜外腔
5 中空糸膜内腔
6a、6b エンドポート
7a、7b サイドポート
8、9 培養液貯留容器
10 回収容器
11 培養上清回収容器
20、21、22 バルブ
30、31 送液ポンプ
40 導入口
50 排出口
Claims (2)
- 以下の[a]から[c]の工程を含む、水晶体の硬化防止剤または治療剤の製造方法。
[a]中空糸膜の内表面にヒト骨髄間葉系幹細胞を接着させる工程
[b]前記中空糸膜の内腔および外腔に細胞培養液を灌流し、前記ヒト骨髄間葉系幹細胞を培養する工程
[c]前記ヒト骨髄間葉系幹細胞を培養して得られた培養上清を回収する工程 - [d]前記培養上清よりエクソソームを抽出する工程
[e]前記エクソソームをリン酸緩衝生理食塩水に懸濁する工程
を含む、請求項1に記載の水晶体の硬化防止剤または治療剤の製造方法。
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