以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤ1のトレッド部2の展開図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、乗用車用や重荷重用の空気入りタイヤ、及び、タイヤの内部に加圧された空気が充填されない非空気式タイヤ等の様々なタイヤに用いることができる。本実施形態のタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤとして好適に使用される。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、例えば、車両への装着の向きが指定されたトレッド部2を有する。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。トレッド部2は、例えば、タイヤ1の車両装着時に車両外側に位置する第1トレッド端Te1と、車両装着時に車両内側に位置する第2トレッド端Te2とを有する。車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部(図示省略)に、文字又は記号で表示される。
各トレッド端Te1、Te2は、空気入りタイヤの場合、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。正規状態とは、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
本実施形態のトレッド部2には、例えば、タイヤ周方向に連続して延びる主溝が設けられている。主溝は、例えば、第1トレッド端Te1とタイヤ赤道Cとの間、又は、第2トレッド端Te2とタイヤ赤道Cとの間に設けられたショルダー主溝3と、ショルダー主溝3に隣接するクラウン主溝4とを含む。
本実施形態のショルダー主溝3は、例えば、第1トレッド端Te1とタイヤ赤道Cとの間に設けられた外側ショルダー主溝3Aと、第2トレッド端Te2とタイヤ赤道Cとの間に設けられた内側ショルダー主溝3Bとを含む。
ショルダー主溝3は、例えば、タイヤ赤道Cから溝中心線までの距離L1がトレッド幅TWの0.20~0.30倍であるのが望ましい。トレッド幅TWは、前記正規状態での第1トレッド端Te1から第2トレッド端Te2までのタイヤ軸方向の距離である。
クラウン主溝4は、例えば、2本のショルダー主溝3の間に1本設けられており、本実施形態ではタイヤ赤道C上に設けられている。但し、このような態様に限定されるものではなく、クラウン主溝4は、例えば、タイヤ赤道Cを挟むように2本設けられるものでも良い。
クラウン主溝4の溝幅W1aは、例えば、外側ショルダー主溝3Aの溝幅W1b及び内側ショルダー主溝3Bの溝幅W1cよりも大きいのが望ましい。具体的には、クラウン主溝4の溝幅W1aは、外側ショルダー主溝3Aの溝幅W1bの1.25~1.35倍であるのが望ましい。これにより、優れたウェット性能が得られる。
内側ショルダー主溝3Bの溝幅W1cは、例えば、外側ショルダー主溝3Aの溝幅W1bよりも大きいのが望ましい。具体的には、内側ショルダー主溝3Bの溝幅W1cは、外側ショルダー主溝3Aの溝幅W1bの1.20~1.28倍であるのが望ましい。
ドライ路面での操縦安定性とウェット性能とをバランス良く高めるために、クラウン主溝4の溝幅W1a、外側ショルダー主溝3Aの溝幅W1b及び内側ショルダー主溝3Bの溝幅W1cは、例えば、トレッド幅TWの4.0%~7.0%であるのが望ましい。なお、本明細書で溝の寸法が示される場合、面取りを含まない寸法が示されている。
図2には、図1のA-A線断面図が示されている。図2に示されるように、クラウン主溝4の溝深さD1a、外側ショルダー主溝3Aの溝深さD1b及び内側ショルダー主溝3Bの溝深さD1cは、例えば、6.0~12.0mmであるのが望ましい。
図1に示されるように、本実施形態のトレッド部2は、上述の主溝により、ショルダー陸部7とクラウン陸部8とに区分されている。ショルダー陸部7は、トレッド端とショルダー主溝3との間に区分されている。本実施形態のショルダー陸部7は、例えば、外側ショルダー陸部7Aと内側ショルダー陸部7Bとを含む。外側ショルダー陸部7Aは、第1トレッド端Te1と外側ショルダー主溝3Aとの間に区分されている。内側ショルダー陸部7Bは、第2トレッド端Te2と内側ショルダー主溝3Bとの間に区分されている。
クラウン陸部8は、2本のショルダー主溝3A、3Bの間に区分されている。クラウン陸部8は、例えば、外側クラウン陸部8Aと内側クラウン陸部8Bとを含む。外側クラウン陸部8Aは、外側ショルダー主溝3Aとクラウン主溝4との間に区分されている。内側クラウン陸部8Bは、内側ショルダー主溝3Bとクラウン主溝4との間に区分されている。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、2本のショルダー主溝3の間に、3つのクラウン陸部8が区分されても良い。
図3には、ショルダー陸部7の一例を示す図として、外側ショルダー陸部7Aの拡大図が示されている。図3に示されるように、ショルダー陸部7Aには、タイヤ軸方向に延びるショルダーサイプ10が設けられている。なお、本明細書において、「サイプ」は、幅が1.5mm未満の切れ込みである。また、本明細書では、外側ショルダー陸部7Aに設けられているショルダーサイプを外側ショルダーサイプと呼ぶ場合がある。ショルダーサイプ10は、ショルダー陸部7Aの接地時の歪みを緩和し、その偏摩耗を抑制する。
本実施形態のショルダーサイプ10は、ショルダー主溝3Aから第1トレッド端Te1までのびている。但し、このような態様に限定されるものではなく、ショルダーサイプ10は、一端又は両端がショルダー陸部7A内で途切れても良い。
ショルダーサイプ10は、細サイプ部11と、細サイプ部11よりも幅が大きい太サイプ部12とを含む。細サイプ部11は、例えば、0.4~0.8mmの幅を有する。太サイプ部12の幅は、例えば、細サイプ部11の幅の好ましくは1.50~1.80倍、より好ましくは1.60~1.70倍であり、具体的には、0.8~1.2mmの幅を有するのが望ましい。
太サイプ部12は、細サイプ部11に比べ、その周囲の陸部分の剛性をより緩和することができる。このため、太サイプ部12の周囲の陸部分は、例えば、接地荷重が十分に高まっていない旋回初期の状態においても、路面に追従し易く、優れた初期応答性が得られる。
本発明の太サイプ部12はショルダー主溝3Aの側に配置されている。ショルダー陸部7Aのショルダー主溝3A側は、旋回初期においてトレッド端Te1側よりも大きな接地荷重が作用する傾向がある。このため、この領域に太サイプ部12を設けることにより、初期応答性が顕著に向上する。
また、細サイプ部11の周囲の陸部分は、太サイプ部12よりもトレッド端Te1側に配され、太サイプ部12の周囲の陸部分よりも高い剛性を提供するため、例えば、タイヤに十分な接地荷重が作用した旋回中期において、大きなコーナリングフォースを発揮させ、ひいては操縦安定性を高めることができる。
太サイプ部12は、例えば、ショルダー主溝3Aに連通しているのが望ましい。太サイプ部12のタイヤ軸方向の長さL2は、例えば、ショルダー陸部7Aの幅W2の0.15~0.30倍であるのが望ましい。このような太サイプ部12は、耐偏摩耗性と操縦安定性とをバランス良く高めることができる。
細サイプ部11は、例えば、第1トレッド端Te1に連通しているのが望ましい。また、細サイプ部11のタイヤ軸方向の長さL3は、太サイプ部12のタイヤ軸方向の長さL2よりも大きいのが望ましい。具体的には、細サイプ部11の上記長さL3は、例えば、太サイプ部12の上記長さL2の3.0~4.5倍であるのが望ましい。
図4(a)には、図3の太サイプ部12のB-B線断面図が示されている。図4(b)には、図3の細サイプ部11のC-C線断面図が示されている。図4(a)及び図4(b)に示されるように、太サイプ部12の深さd1は、細サイプ部11の深さd2よりも大きいのが望ましい。具体的には、太サイプ部12の深さd1は、細サイプ部11の深さd2の好ましくは1.03倍以上、より好ましくは1.06倍以上であり、好ましくは1.15倍以下、より好ましくは1.12倍以下である。なお、上記深さd1及びd2は、例えば、陸部の踏面からサイプの底までのサイプの深さ方向に沿った距離に相当する。
図3及び図4(a)に示されるように、ショルダー陸部7Aには、溝幅が1.5mm以上かつ溝深さが2.0mm以下の細溝部13が設けられており、太サイプ部12は、細溝部13の溝底からタイヤ半径方向内方に延びているのが望ましい。細溝部13の深さd3は、例えば、1.0~2.0mmである。このような細溝部13及び太サイプ部12は、耐偏摩耗性をさらに高めることができる。
細溝部13は、例えば、ショルダー主溝3Aからタイヤ軸方向外側に延びており、かつ、太サイプ部12のタイヤ軸方向の外端と第1トレッド端Te1との間で終端しているのが望ましい。細溝部13のタイヤ軸方向の長さL4は、例えば、太サイプ部12のタイヤ軸方向の長さL2の1.5~2.5倍であるのが望ましい。
太サイプ部12の外端と細溝部13の外端との間において、細サイプ部11は、細溝部13の溝底からタイヤ半径方向内方に延びているのが望ましい。また、細溝部13の外端と第1トレッド端Te1との間の領域では、図4(b)に示されるように、細サイプ部11は、その底から踏面まで一定の幅でのびている。
図3に示されるように、細溝部13は、ショルダー主溝3Aとの連通部において、ショルダー主溝3Aに向かって溝幅が漸増するように、少なくとも一方の溝壁とトレッド接地面との間が面取りされているのが望ましい。本実施形態の細溝部13は、例えば、一方の溝壁(図3では下側の溝壁)のみが面取り部14を有している。このような細溝部13は、耐偏摩耗性を高めつつ、外側ショルダー主溝3A内の気柱共鳴音を低減させることができる。
本実施形態のショルダー陸部7Aには、ショルダーサイプ10がタイヤ周方向に間隔を空けて複数配置されており、タイヤ周方向に隣接したショルダーサイプ10の間に、ショルダーラグ溝15が配置されている。本明細書では、外側ショルダー陸部7Aに設けられているショルダーラグ溝15を外側ショルダーラグ溝と呼ぶ場合がある。
ショルダーラグ溝15は、例えば、第1トレッド端Te1からタイヤ軸方向内側に延びかつショルダー主溝3Aに連通することなく終端している。このようなショルダーラグ溝15は、ショルダー陸部7Aの剛性を維持しつつ、ウェット性能を高めることができる。
ショルダーラグ溝15のタイヤ軸方向の内端15aは、太サイプ部12のタイヤ軸方向の外端12aよりもタイヤ軸方向外側に位置するのが望ましい。ショルダーラグ溝15のタイヤ軸方向の長さL5は、例えば、ショルダー陸部7Aのタイヤ軸方向の幅W2の好ましくは0.45倍以上、より好ましくは0.52倍以上であり、好ましくは0.65倍以下、より好ましくは0.58倍であるのが望ましい。
十分な排水性を発揮させるために、ショルダーラグ溝15の溝幅W3は、例えば、細溝部13の溝幅W4の1.5~2.5倍であるのが望ましい。
図5には、ショルダー陸部7の別の一例を示す図として、内側ショルダー陸部7Bの拡大図が示されている。図5に示されるように、内側ショルダー陸部7Bには、例えば、複数の内側ショルダーラグ溝16が設けられている。内側ショルダーラグ溝16は、例えば、第2トレッド端Te2からタイヤ軸方向内側に延びかつ内側ショルダー主溝3Bに連通することなく終端している。
内側ショルダーラグ溝16のタイヤ軸方向の長さL6は、例えば、内側ショルダー陸部7Bのタイヤ軸方向の幅W5の好ましくは0.60倍以上、より好ましくは0.65倍以上であり、好ましくは0.76倍以下、より好ましくは0.71倍であるのが望ましい。このような内側ショルダーラグ溝16は、操縦安定性とウェット性能とをバランス良く高めることができる。
内側ショルダーラグ溝16の内端から内側ショルダー主溝3Bまでのタイヤ軸方向の距離L7は、例えば、外側ショルダーラグ溝15の内端から外側ショルダー主溝3Aまでの距離L8(図3に示す)よりも小さいのが望ましい。
内側ショルダーラグ溝16は、例えば、2mmよりも大きい溝幅W6を有している。内側ショルダーラグ溝16の溝幅W6は、例えば、内側ショルダー主溝3Bの溝幅W1c(図1に示す)の0.40~0.60倍であるのが望ましい。
内側ショルダー陸部7Bには、内側ショルダーラグ溝16から内側ショルダー主溝3Bまで延びる接続サイプ17と、タイヤ周方向に隣接した内側ショルダーラグ溝16の間に、内側ショルダーサイプ18が設けられている。
接続サイプ17は、例えば、溝幅が1.5mm以上かつ溝深さが2.0mm以下の細溝部19の溝底からタイヤ半径方向内方に延びている。接続サイプ17は、例えば、0.4~0.8mmの幅を有する。細溝部19の寸法は、例えば、外側ショルダー陸部7Aに配された細溝部13の寸法を適用することができる。
図6には、図5の接続サイプ17のD-D線断面図が示されている。図6に示されるように、接続サイプ17は、例えば、内側ショルダーラグ溝16側の第1サイプ部17aと、内側ショルダー主溝3B側の第2サイプ部17bとを含んでいる。第2サイプ部17bは、例えば、第1サイプ部17aよりも小さい深さを有している。第2サイプ部17bの深さd13は、第1サイプ部17aの深さd12の0.35~0.55倍であるのが望ましい。このような接続サイプ17は、初期応答性を高めつつ、内側ショルダー主溝3Bの側が過度に開くのを抑制して耐偏摩耗性も向上させ得る。
図5に示されるように、内側ショルダーサイプ18は、例えば、内側ショルダーラグ溝16に沿って延びている。内側ショルダーサイプ18は、例えば、両端が内側ショルダー陸部7B内で途切れている。このような内側ショルダーサイプ18は、陸部の過度な剛性低下を抑制しつつ、陸部を路面に追従させ易くし、ひいては優れた操縦安定性及び初期応答性を発揮することができる。
内側ショルダーサイプ18は、例えば、上述した接続サイプ17同様、細溝部の溝底からタイヤ半径方向内方に延びている。
図7には、クラウン陸部8の一例を示す図として、外側クラウン陸部8Aの拡大図が示されている。図7に示されるように、外側クラウン陸部8Aは、例えば、1.5mm未満の幅でタイヤ軸方向に延びるクラウンサイプ21が設けられている。なお、本明細書では、外側クラウン陸部8Aに設けられたクラウンサイプ21を外側クラウンサイプと呼ぶ場合がある。
クラウンサイプ21は、外側クラウン陸部8Aを横断する第1クラウンサイプ26を含んでいる。第1クラウンサイプ26は、外側クラウン陸部8Aの接地時の歪みを緩和し、その偏摩耗を抑制する。なお、第1クラウンサイプ26は、第1外側クラウンサイプと呼ぶ場合がある。
第1クラウンサイプ26は、細サイプ部22と、細サイプ部22よりも幅が大きい太サイプ部23とを含む。太サイプ部23は外側ショルダー主溝3Aに連通している。なお、第1クラウンサイプ26の細サイプ部22及び太サイプ部23には、上述した外側ショルダーサイプ10の細サイプ部11及び太サイプ部12の寸法を適用することができる。
太サイプ部23は、細サイプ部22に比べ、その周囲の陸部分の剛性をより緩和することができる。一方、クラウン陸部8Aは、クラウン主溝4側よりもショルダー主溝3A側の方が、走行時の接地荷重の変動が大きく、接地面の微小な滑りによって偏摩耗が生じやすい傾向がある。本実施形態では、この領域に太サイプ部23を設けることにより、その周囲の陸部分が路面に追従し易くなって上記微小な滑りを抑制でき、ひいてはクラウン陸部8Aの偏摩耗をさらに抑制することができる。
また、外側クラウン陸部8Aにおいて、太サイプ部23の周囲の陸部分は、例えば、接地荷重が十分に高まっていない旋回初期の状態においても、路面に追従し易いため、初期応答性も高めることができる。
さらに、外側クラウン陸部8Aにおいて、細サイプ部22の周囲の陸部分は、細サイプ部22よりもクラウン主溝4側に配され、太サイプ部23の周囲の陸部分よりも高い剛性を提供するため、大きなコーナリングフォースを発揮させ、ひいては操縦安定性を高めることができる。
太サイプ部23は、外側ショルダーサイプ10の太サイプ部12と同様、細溝部24の溝底からタイヤ半径方向内方に延びているのが望ましい。クラウン陸部8Aに設けられた細溝部24は、例えば、外側ショルダー陸部7Aに設けられた細溝部13の寸法を適用することができる。
細溝部24は、例えば、外側ショルダー主溝3Aとの連通部において、外側ショルダー主溝3Aに向かって溝幅が漸増するように、少なくとも一方の溝壁とトレッド接地面との間が面取りされているのが望ましい。本実施形態では、図1に示されるように、外側ショルダー陸部7Aに設けられた細溝部13は、タイヤ周方向の一方側(図1では下側)の溝壁に面取り部14を有し、外側クラウン陸部8Aに設けられた細溝部24は、タイヤ周方向の他方側(図1では上側)の溝壁に面取り部25を有している。外側クラウン陸部8Aに設けられた面取り部25は、外側ショルダー陸部7Aに設けられた面取り部14よりもタイヤ周方向の面取り長さが大きい。このような細溝部24の配置は、耐偏摩耗性を高めるとともに、外側ショルダー主溝3A内の定常波の発生を抑制でき、ひいては気柱共鳴音を低減することができる。
図7に示されるように、太サイプ部23のタイヤ軸方向の長さL9は、例えば、外側クラウン陸部8Aの幅W7の0.30~0.40倍であるのが望ましい。
細サイプ部22は、例えば、クラウン主溝4に連通している。細サイプ部22のタイヤ軸方向の長さL10は、太サイプ部23のタイヤ軸方向の長さL9よりも大きいのが望ましい。細サイプ部22の上記長さL10は、例えば、太サイプ部23の上記長さL9の1.60~1.80倍である。このような太サイプ部23及び細サイプ部22により、優れた初期応答性を発揮しつつ、大きなコーナリングフォースを得ることができる。
細サイプ部22は、例えば、クラウン主溝との連通部において、クラウン主溝4に向かって幅が漸増するように、少なくとも一方のサイプ壁とトレッド接地面との間が面取りされているのが望ましい。本実施形態では、上記細溝部24の溝壁に設けられた面取り部25とは反対側(図7では下側)のサイプ壁に面取り部28が設けられている。このような面取り部28は、クラウン主溝4の気柱共鳴音を低減し、ひいてはノイズ性能を高めることができる。
図8(a)には、図7の第1クラウンサイプ26のE-E線断面図が示されている。図8(a)に示されるように、第1クラウンサイプ26は、例えば、外側ショルダー主溝3A側の第1サイプ部26aと、クラウン主溝4側の第2サイプ部26bとを含んでいる。第2サイプ部26bは、例えば、第1サイプ部26aよりも小さい深さを有している。第2サイプ部26bの深さd5は、例えば、第1サイプ部26aの深さd4の0.45~0.55倍である。このような第1クラウンサイプ26は、初期応答性を高めつつ、外側クラウン陸部8Aのタイヤ赤道Cの側の剛性を維持してさらに優れた操縦安定性を発揮することができる。
図1に示されるように、第1クラウンサイプ26は、外側ショルダー主溝3Aにおける外側ショルダーサイプ10とタイヤ周方向の位置ずれ量が1.0mm以下であるのが望ましい。本実施形態では、外側ショルダーサイプ10が、外側ショルダー主溝3Aを介して第1クラウンサイプ26と連続するように配置されており、望ましい態様では、外側ショルダーサイプ10は、ショルダー主溝3Aを介して第1クラウンサイプ26と一直線状に連続する部分を含む。このようなサイプの配置は、周囲の陸部分をさらに路面に追従し易くし、初期応答性をさらに高めることができる。
図7に示されるように、外側クラウン陸部8Aに設けられたクラウンサイプ21は、第2クラウンサイプ27を含む。第2クラウンサイプ27は、例えば、クラウン主溝4から外側ショルダー主溝3Aの側に延びかつ外側クラウン陸部8A内に途切れ端29を有する。なお、第2クラウンサイプ27は、第2外側クラウンサイプと呼ぶ場合がある。
第2クラウンサイプ27のタイヤ軸方向の長さL11は、例えば、外側クラウン陸部8Aのタイヤ軸方向の幅W7の0.35~0.55倍であり、望ましくは0.42~0.48倍である。また、第2クラウンサイプ27の途切れ端29は、第1クラウンサイプ26の太サイプ部23のクラウン主溝4側の端部よりもクラウン主溝4の側に位置するのが望ましい。このような第2クラウンサイプ27は、外側クラウン陸部8Aの過度な剛性低下を抑制し、大きなコーナリングフォースを提供することができる。
図8(b)には、図7の第2クラウンサイプ27と直交するF-F線断面図が示されている。図8(b)に示されるように、第2クラウンサイプ27は、例えば、タイヤ半径方向外側に向かって幅が広がる開口部30を有しているのが望ましい。本実施形態では、第2クラウンサイプ27のタイヤ周方向の一方側のサイプ壁31が傾斜することにより、開口部30が形成されている。第2クラウンサイプ27は、例えば、両側のサイプ壁31が傾斜しても良い。また、第2クラウンサイプ27は、例えば、上述の細溝部の溝底に設けられるものでも良い。
図8(c)には、図7の第2クラウンサイプ27に沿ったG-G線断面図が示されている。図8(c)に示されるように、第2クラウンサイプ27は、途切れ端29側の第1サイプ部27aと、クラウン主溝4側の第2サイプ部27bとを含むのが望ましい。第2サイプ部27bは、例えば、第1サイプ部27aよりも小さい深さを有している。第2サイプ部27bの深さd7は、例えば、第1サイプ部27aの深さd6の0.45~0.55倍であるのが望ましい。このような第2クラウンサイプ27は、クラウン主溝4の側が過度に開くのを抑制し、耐偏摩耗性及び操縦安定性を高めることができる。
図9には、クラウン陸部8の別の一例を示す図として、本実施形態の内側クラウン陸部8Bの拡大図が示されている。図9に示されるように、内側クラウン陸部8Bには、1.5mm以上の幅を有する複数のクラウンラグ溝34と、1.5mm未満の幅を有する複数の内側クラウンサイプ35とが設けられている。
クラウンラグ溝34は、例えば、内側ショルダー主溝3Bと協働し、内側クラウン陸部8B付近の排水性を高める。
内側クラウンサイプ35は、例えば、第1内側クラウンサイプ36、第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38を含んでいる。第1内側クラウンサイプ36は、クラウンラグ溝34のそれぞれの内端からクラウン主溝4まで延びている。第2内側クラウンサイプ37は、内側ショルダー主溝3Bからクラウン主溝4の側に延びて内側クラウン陸部8B内に内端を有している。第3内側クラウンサイプ38は、クラウン主溝4から内側ショルダー主溝3Bの側に延びて内側クラウン陸部8B内に外端を有している。これらのサイプは、それぞれのエッジによってウェット路面上で摩擦力を提供する。また、内側クラウン陸部8Bには相対的に大きな接地圧が作用するため、これらの溝及びサイプの作用によって、ウェット性能が顕著に高められる。
第1内側クラウンサイプ36、第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38は、幅が1.5mm未満であるため、接地時にポンピングノイズを殆ど発生させることがない。さらに、第1内側クラウンサイプ36、第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38は、内側クラウン陸部8Bの剛性を適度に緩和するため陸部が接地するときの打撃音を小さくできる。従って、優れたノイズ性能が得られる。
クラウンラグ溝34のタイヤ軸方向の長さL12は、第2内側クラウンサイプ37のタイヤ軸方向の長さL13よりも大きく構成されている。これにより、クラウンラグ溝34のエッジが接地するときの打音と、第2内側クラウンサイプ37のエッジが接地するときの打音との周波数帯域が分散し、ひいてはノイズ性能が高められる。また、サイプに対して長さが大きいクラウンラグ溝34は、高い排水性も期待できる。
上述の効果をさらに高めるために、クラウンラグ溝34の上記長さL12は、第2内側クラウンサイプ37のタイヤ軸方向の長さL13の好ましくは105%以上、より好ましくは108%以上であり、好ましくは120%以下、より好ましくは114%以下である。
クラウンラグ溝34は、例えば、タイヤ軸方向に対して傾斜している。クラウンラグ溝34は、例えば、溝幅がクラウン主溝4側に向かって漸減しているのが望ましい。
クラウンラグ溝34は、例えば、内側ショルダー主溝3Bとの連通部において、内側ショルダー主溝3Bに向かって溝幅が漸増するように、少なくとも一方の溝壁とトレッド接地面との間が面取りされているのが望ましい。本実施形態では、クラウンラグ溝34の一方の溝壁に面取り部39が設けられている。望ましい態様では第1外側クラウンサイプ26の細サイプ部22に設けられた面取り部25(図7に示す)とタイヤ周方向の同じ側に、クラウンラグ溝34の面取り部39が設けられている。このようなクラウンラグ溝34は、耐偏摩耗性を高めつつ、内側ショルダー主溝3B内で定常波が発生するのを抑制でき、ひいては気柱共鳴音を小さくすることができる。
クラウンラグ溝34の面取り部39のタイヤ周方向の長さL14は、例えば、クラウンラグ溝34の1ピッチ長さP1の0.15~0.30倍であるのが望ましい。これにより、ウェット性能とノイズ性能とがバランス良く高められる。
第1内側クラウンサイプ36は、例えば、クラウンラグ溝34と同じ向きに傾斜している。本実施形態では、第1内側クラウンサイプ36の一方のエッジが、クラウンラグ溝34のエッジと滑らかに連続するように延びている。
第1内側クラウンサイプ36は、例えば、クラウン主溝4との連通部において、クラウン主溝4に向かって幅が漸増するように、少なくとも一方のサイプ壁とトレッド接地面との間が面取りされているのが望ましい。第1内側クラウンサイプ36は、例えば、クラウンラグ溝34の面取り部39とはタイヤ周方向の反対側に、面取り部40を有しているのが望ましい。これにより、第1内側クラウンサイプ36及びクラウンラグ溝34の一方のエッジが路面と接触するときの打音と、他方のエッジが路面に接触するときの打音との周波数帯域が分散し易くなり、ノイズ性能が高められる。
図1に示されるように、外側クラウン陸部8Aに設けられた第1外側クラウンサイプ26のそれぞれは、クラウン主溝4を介して、第1内側クラウンサイプ36と滑らかに連続する位置に設けられているのが望ましい。これにより、サイプの周囲の陸部分がさらに路面に追従し易くなり、初期応答性が高められる。
図10(a)には、図9のクラウンラグ溝34及び第1内側クラウンサイプ36のH-H線断面図が示されている。図10(a)に示されるように、第1内側クラウンサイプ36は、クラウン主溝4側の第1サイプ部36aと、クラウンラグ溝34側に第2サイプ部36bとを含んでいるのが望ましい。
第1サイプ部36aは、例えば、クラウンラグ溝34の深さd14と同じ深さd8を有している。第2サイプ部36bは、例えば、第1サイプ部36aよりも小さい深さd9を有しているのが望ましい。第2サイプ部36bの深さd9は、例えば、第1サイプ部36aの深さd8の0.40~0.60倍である。このような第1内側クラウンサイプ36は、内側クラウン陸部8Bのクラウン主溝4の側を適度に変形し易くし、クラウン主溝4内で定常波が生成されるのを抑制できるため、クラウン主溝4の気柱共鳴音を低減させることができる。
図9に示されるように、第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38は、それぞれ、内側クラウン陸部8Bのタイヤ軸方向の中心位置を跨ることなく途切れている。本実施形態の第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38は、例えば、第1内側クラウンサイプ36よりも小さいタイヤ軸方向の長さを有している。第2内側クラウンサイプ37のタイヤ軸方向の長さL13、及び、第3内側クラウンサイプ38のタイヤ軸方向の長さL16は、それぞれ、第1内側クラウンサイプ36のタイヤ軸方向の長さL15の0.60~0.75倍であるのが望ましい。
第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38は、例えば、タイヤ軸方向に対して第1内側クラウンサイプ36と同じ向きに傾斜しているのが望ましい。第2内側クラウンサイプ37のタイヤ軸方向に対する角度θ1は、例えば、0~20°であるのが望ましい。第3内側クラウンサイプ38のタイヤ軸方向に対する角度θ2は、上記角度θ1よりも大きいのが望ましく、例えば、20~40°である。このような第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38は、それぞれのエッジが路面と接触するときの打音をホワイトノイズ化させるのに役立つ。
図10(b)には、図9の第2内側クラウンサイプ37と直交するI-I線断面図が示されている。図10(b)に示されるように、第2内側クラウンサイプ37は、例えば、タイヤ半径方向外側に向かって幅が広がる開口部41を有しているのが望ましい。本実施形態では、第2内側クラウンサイプ37のタイヤ周方向の一方側のサイプ壁42が傾斜することにより、開口部41が形成されている。第2内側クラウンサイプ37は、例えば、両側のサイプ壁42が傾斜しても良い。また、第2内側クラウンサイプ37は、例えば、上述の細溝部の溝底に設けられるものでも良い。
図1に示されるように、本実施形態では、第2外側クラウンサイプ27の傾斜したサイプ壁31が、タイヤ周方向の一方側(図1では下側)に配され、第2内側クラウンサイプ37の傾斜したサイプ壁42が、タイヤ周方向の他方側(図1では上側)に配されているのが望ましい。
図10(c)には、図9の第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38のJ-J線断面図が示されている。図10(c)に示されるように、第2内側クラウンサイプ37は、一定の深さでのび、内端付近で深さが漸減している。第3内側クラウンサイプ38は、第2内側クラウンサイプ37側の第1サイプ部38aと、クラウン主溝4側の第2サイプ部38bとを含んでいる。第1サイプ部38aは、例えば、第2内側クラウンサイプ37の深さd15と同じ深さd10を有している。第2サイプ部38bは、例えば、第1サイプ部38aよりも小さい深さd11を有している。第2サイプ部38bの深さd11は、例えば、第1サイプ部38aの深さd10の0.45~0.55倍であるのが望ましい。このような第2内側クラウンサイプ37及び第3内側クラウンサイプ38は、上述の第1内側クラウンサイプ36と相俟って、ウェット性能とノイズ性能とをバランス良く高めることができる。
図1に示されるように、第2外側クラウンサイプ27のそれぞれは、クラウン主溝4を介して、第3内側クラウンサイプ38と滑らかに連続する位置に設けられているのが望ましい。これにより、サイプの周囲の陸部分がさらに路面に追従し易くなり、初期応答性が高められる。
図2に示されるように、内側クラウン陸部8Bのクラウン主溝4の側の内側エッジ43a及び内側ショルダー主溝3Bの側の外側エッジ43bは、いずれも面取りされているのが望ましい。同様に、外側クラウン陸部8Aのクラウン主溝4の側の内側エッジ43a及び外側ショルダー主溝3Aの側の外側エッジ43bは、いずれも面取りされているのが望ましい。このような各陸部は、エッジが路面と接触するときの打音を緩和することができる。
内側クラウン陸部8B及び外側クラウン陸部8Aは、それぞれ、トレッド接地面の曲率半径R1が560mm以下であるのが望ましい。具体的には、曲率半径R1が400~500mmであるのが望ましい。これにより、内側クラウン陸部8B及び外側クラウン陸部8Aに作用する接地圧が高められる一方、外側ショルダー陸部7A及び内側ショルダー陸部7Bに作用する接地圧が緩和され、各ショルダー陸部7A、7Bが転動するときの音を軽減することができる。
図1に示されるように、タイヤ赤道Cと第1トレッド端Te1との間の領域のランド比Lr1は、タイヤ赤道Cと第2トレッド端Te2との間の領域のランド比Lr2のランド比よりも大きいのが望ましい。具体的には、上記ランド比Lr1は、上記ランド比Lr2の1.05~1.10倍であるのが望ましい。これにより、操舵時の手応えをリニアにし、優れた操縦安定性を発揮することができる。本明細書において、「ランド比」とは、各溝及びサイプを全て埋めた仮想接地面の全面積Saに対する、実際の合計接地面積Sbの比Sb/Saである。
図11には、本発明の他の実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図が示されている。図11に示されるように、この実施形態では、タイヤ赤道Cの両側に外側クラウン主溝4A及び内側クラウン主溝4Bが設けられている。外側クラウン主溝4Aは、タイヤ赤道Cと外側ショルダー主溝3Aとの間に設けられている。内側クラウン主溝4Bは、タイヤ赤道Cと内側ショルダー主溝3Bとの間に設けられている。
この実施形態では、ショルダー主溝3は、例えば、タイヤ赤道Cから溝中心線までの距離L1aがトレッド幅TWの0.20~0.30倍であるのが望ましい。クラウン主溝4は、例えば、タイヤ赤道Cから溝中心線までの距離L1bがトレッド幅TWの0.05~0.15倍であるのが望ましい。
この実施形態のトレッド部2は、上述の主溝が配されることにより、外側ショルダー陸部7Aと、内側ショルダー陸部7Bと、外側クラウン陸部8Aと、内側クラウン陸部8Bと、中央クラウン陸部8Cとを含んでいる。外側ショルダー陸部7A、内側ショルダー陸部7B、外側クラウン陸部8A及び内側クラウン陸部8Bには、上述した構成が適用され得る。
中央クラウン陸部8Cは、外側クラウン主溝4Aと内側クラウン主溝4Bとの間に区分されている。本実施形態の中央クラウン陸部8Cには、例えば、第1中央クラウンサイプ45及び第2中央クラウンサイプ46が設けられている。第1中央クラウンサイプ45は、例えば、中央クラウン陸部8Cを横断している。第2中央クラウンサイプ46は、例えば、内側クラウン主溝4Bからタイヤ赤道C側に向かってのび、タイヤ赤道Cの手前で途切れている。
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
図1の基本パターンを有するサイズ195/65R15のタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。比較例1として、図12に示されるように、一定の幅で延びる外側ショルダーサイプbが配された外側ショルダー陸部aを有するタイヤが試作された。比較例2として、図13に示されるように、太サイプ部が第1トレッド端の側に配置されているタイヤが試作された。比較例1の外側ショルダーサイプbは、図1で示される実施形態の外側ショルダーサイプの細サイプ部と同じ幅で延びている。比較例2の太サイプ部及び細サイプ部は、それぞれ、図1で示される実施形態のものと同じ幅を有する。比較例1及び2のタイヤは、外側ショルダーサイプの構成を除き、図1で示されるトレッド部と実質的に同一である。各テストタイヤの操縦安定性及びショルダー陸部の耐偏摩耗性がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:15×6.5J
タイヤ内圧:前輪250kPa、後輪240kPa
テスト車両:前輪駆動車、排気量1800cc
タイヤ装着位置:全輪
テスト方法は、以下の通りである。
<操縦安定性>
上記テスト車両でドライ路面を走行したときの初期応答性を含んだ操縦安定性が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点であり、数値が大きい程、操縦安定性が優れていることを示す。
<耐偏摩耗性>
摩耗エネルギー測定装置が用いられ、外側ショルダー陸部の摩耗エネルギーが測定された。結果は、比較例の摩耗エネルギーを100とする指数であり、数値が小さい程、摩耗エネルギーが小さく、耐偏摩耗性に優れていることを示す。
テストの結果が表1に示される。
テストの結果、実施例のタイヤは、優れた操縦安定性を有し、かつ、ショルダー陸部の耐偏摩耗性が高められているのが確認できた。