JP7051713B2 - 不快臭抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、不快臭のある食品等に適用される不快臭抑制剤に関する。
魚類等の水産動物には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)等の高度不飽和脂肪酸が含まれている。これらの高度不飽和脂肪酸は、さまざまな生理活性を有することで注目されている。一方、魚類等の水産物は、これら高度不飽和脂肪酸や低級アミン等に由来すると考えられている特有の不快臭(魚臭)を有している。そのため、魚類等の水産物を含む食品では魚臭が問題となっている。また、大豆タンパク質を含む食肉使用食品(ハンバーグやミートボール等)では、大豆タンパク質由来の不快な臭いや風味が問題となっている。
上記課題を解決するために、特許文献1(特開2001-131575)では、ショウガオイルやショウガ調香料を水産動物油脂に添加することで臭気をマスキングすることが提案されている。また、特許文献2(特開2011-4699)では、大豆タンパク質を含む食肉使用食品に天然甘味料であるソーマチンを添加することで大豆タンパク質の不快な味をマスキングできることが開示されている。
また、特許文献3(特開2016-67354)には、加工したレシチンが大豆タンパク臭等の異風味を抑制することが開示されている。
またさらに、特許文献4(特開2007-75070)の段落0003には、酵母エキスにはいわゆる酵母臭と称される一種の不快臭があり、用途が制限される原因となっていることが記載されている。そして、その課題を解決するために、製造工程において、魚介エキスを添加する製造方法が開示されている。
一方、特許文献5(特許5976968号)には、特定の酸化処理した乳脂を含む油脂が、乳風味を増強することが開示されている。しかしながら、大豆タンパク臭等の不快臭を抑制する効果については開示されていない。
特開2001-131575号公報 特開2011-4699号公報 特開2016-67354号公報 特開2007-75070号公報 特許5976968号公報
このように、魚類等の水産動物の魚臭、大豆タンパク質の大豆タンパク臭、酵母由来の酵母臭等の不快臭は食品の価値を貶める。そこで、本発明の目的は、不快臭のある食品等に添加することで、その不快臭を抑制することができる、不快臭抑制剤、並びに食品の不快臭を抑制する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、所定量の乳脂を含む酸化油脂に、食品の不快臭を抑制する効果があることを発見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む酸化油脂を有効成分とする、不快臭抑制剤である。
本発明による不快臭抑制剤にあっては、前記抑制剤が、前記酸化油脂を0.001質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。
また、上記抑制剤にあっては、前記不快臭が魚臭、豆類由来タンパク臭及び酵母臭のいずれか一種または二種以上であることが好ましい。
また、上記抑制剤にあっては、前記豆類が大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上であることが好ましい。
また、本発明は、不快臭抑制剤の製造方法であって、
10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む原料油脂に、酸素を供給しながら加熱し、過酸化物価が15~180である酸化油脂を得る工程
を含む、該製造方法である。
本発明による不快臭抑制剤の製造方法にあっては、前記原料油脂が乳脂を50質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。
また、上記製造方法にあっては、前記加熱を65℃以上150℃以下、1時間以上72時間以下でおこなうことが好ましい。
また、上記製造方法にあっては、前記酸素の供給が、前記原料油脂1kgあたり0.001~2L/分であることが好ましい。
また、上記製造方法にあっては、前記乳脂が無水乳脂であることが好ましい。
また、上記製造方法にあっては、前記原料油脂の油脂含量が90質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
また、上記製造方法にあっては、更に、食用油脂に前記酸化油脂を添加する工程を含むことが好ましい。
また、上記製造方法にあっては、前記食用油脂に対し、前記酸化油脂を0.001質量%以上50質量%以下添加することが好ましい。
また、本発明は、過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む酸化油脂を有効成分とする、不快臭抑制剤を含む食品であって、前記抑制剤の添加により不快臭が抑制された該食品である。
本発明による食品にあっては、前記酸化油脂に含まれる乳脂が0.005~50000ppmとなるように前記抑制剤を含むことが好ましい。
また、本発明は、過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む酸化油脂を食品に添加することを特徴とする、食品の不快臭を抑制する方法である。
本発明による食品の不快臭を抑制する方法にあっては、前記不快臭が魚臭、豆類由来タンパク臭及び酵母臭のいずれか一種または二種以上であることが好ましい。
また、上記方法にあっては、前記豆類が大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上であることが好ましい。
また、本発明は、酸化油脂を含む粉末油脂、および豆類由来タンパク質を含む、タンパク質含有組成物であって、
前記酸化油脂が、過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む、該タンパク質含有組成物である。
本発明によるタンパク質含有組成物にあっては、前記豆類由来タンパク質100質量部に対し、前記酸化油脂が0.0005質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
また、上記タンパク質含有組成物にあっては、前記豆類が大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上であることが好ましい。
また、上記タンパク質含有組成物にあっては、前記粉末油脂の前記酸化油脂の含有量が、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
本発明によれば、所定量の乳脂を含む酸化油脂を、不快臭のある食品等に添加することで、その不快臭が抑制された食品等を得ることができる。
本発明においては、不快臭の抑制のための有効成分として、過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む酸化油脂を用いる。
乳脂とは、生乳、牛乳又は特別牛乳から得られる油脂含量が95質量%以上100質量%以下のものをいう。例えば、無水乳脂、澄ましバター等が挙げられる。無水乳脂は、牛乳等から乳脂肪以外のほとんどすべての成分を除去したものをいい、AMF(Anhydrous Milk Fat、バターオイル)等と表記される場合もある。澄ましバターはバターの脂肪分を分取したものである。本発明で使用する乳脂は、好ましくは無水乳脂または澄ましバターであり、より好ましくは無水乳脂である。また、乳脂の油脂含量は、好ましくは98質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは99質量%以上100質量%以下である。
本発明で使用する酸化油脂の乳脂含量は、10質量%以上100質量%以下であり、20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、50質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、65質量%以上100質量%以下であることがさらにより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましく、100質量%(すなわち、乳脂単独)であることが最も好ましい。また、酸化油脂の油脂含量は、好ましくは90質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは95質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは98質量%以上100質量%以下であり、よりさらに好ましくは99質量%以上100質量%以下である。
また、前記酸化油脂は、乳脂以外の食用油脂を含んでいてもよい。乳脂以外の食用油脂としては、特に限定されないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、菜種油、コーン油、パーム油及びパーム分別油のいずれか一種または二種以上が好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油及び菜種油のいずれか一種または二種以上がより好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び大豆油のいずれか一種または二種がさらに好ましい。前記酸化油脂は、本発明の効果を阻害しない限り、通常油脂に添加できる助剤等を含んでいてもよい。
また、本発明では、前記酸化油脂の過酸化物価(以下、「POV」ともいう)は15~180であり、30~150であることが好ましく、35~140であることがより好ましく、40~140であることがさらに好ましく、40~120であることが特に好ましい。前記酸化油脂は酸化をすることで、所定範囲のPOVとすることができるが、酸化の方法は特に限定されない。酸化をする際、加熱することが好ましく、加熱する温度は65℃以上150℃以下が好ましく、70℃以上140℃以下がより好ましく、75℃以上140℃以下がさらに好ましい。また、酸化をする時間は、特に限定されないが、好ましくは1時間以上72時間以下であり、より好ましくは3時間以上72時間以下であり、さらに好ましくは5時間以上72時間以下である。
また、酸化をする際には、原料油脂に酸素を供給し、酸化をすることが好ましい。酸素の供給源としては、酸素単独でもかまわないし、空気等の酸素を含むものでも良く、好ましくは空気である。酸素の供給量が、原料油脂1kgあたり0.001~2L/分となるようにすることが好ましく、0.005~2L/分となるようにすることがより好ましく、0.02~2L/分となるようにすることがさらに好ましい。例えば、空気の場合は、原料油脂1kgあたり0.005~10L/分であることが好ましく、0.025~10L/分であることがより好ましく、0.1~10L/分であることがさらに好ましく、0.3~5L/分であることがさらにより好ましい。また、酸化をする場合には、原料油脂を撹拌することが好ましい。
前記原料油脂の乳脂含量は、10質量%以上100質量%以下であり、20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、50質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、65質量%以上100質量%以下であることがさらにより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましく、100質量%(すなわち、乳脂単独)であることが最も好ましい。また、原料油脂の油脂含量は、好ましくは90質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは95質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは98質量%以上100質量%以下であり、よりさらに好ましくは99質量%以上100質量%以下である。
また、前記原料油脂は、乳脂以外の食用油脂を含んでいてもよい。乳脂以外の食用油脂としては、特に限定されないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、菜種油、コーン油、パーム油及びパーム分別油のいずれか一種または二種以上が好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油及び菜種油のいずれか一種または二種以上がより好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び大豆油のいずれか一種または二種がさらに好ましい。また、前記原料油脂の水の含有量は、例えば、1質量%未満である。
本発明の適用方法は、食品等に前記酸化油脂を添加する方法であればよく、特に限定されるものではない。例えば、前記酸化油脂を食品等の原料や製造工程の中間物等へ添加すればよい。また、添加するタイミングも特に限定されず、食品等の製造のいずれの工程でもよい。あるいは、製造後であって、食する前に添加してもよい。
本発明を適用した食品等において不快臭が抑制したかどうかは、前記酸化油脂を添加して調製したものと、添加しないで同様に調製したものとを、官能評価試験、好ましくは、母集団に対して嗜好的偏向がないように選出された複数名のパネラーによる官能評価試験等に供することによって、客観的な評価が可能である。
本発明が適用される食品は、特に限定されず、人の飲食品に限らず、動物のエサや飼料も含まれる。例えば、魚等の水産動物、豆類由来タンパク質、酵母等の不快臭を生じやすいものを含む食品である。前記豆類としては、大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆、エンドウ豆等が挙げられる。例えば、魚等の水産動物を含む食品としては、魚、イカ等の缶詰;かつおだし等の調味料、焼魚、煮魚、蒸魚、揚魚およびそれらを含む食品などである。豆類由来タンパク質を含む食品としては、ハンバーグ、メンチカツ、焼売、餃子、ハム、ソーセージ、蒲鉾、竹輪、ナゲット、肉団子、つみれ、そぼろ、中華まん、春巻、ふりかけ、フィリング類、菓子、パン、ミートソース、デミグラスソース、トマトソース、ポテトサラダ、ツナサラダ、豆乳などである。酵母を含む食品としては、酵母エキス、酵母発酵調味料、酵母エキス等を含む食品などである。また、脱脂大豆、魚や酵母を含むペットフードや飼料などである。好ましくは、水産動物、豆類由来タンパク質及び酵母のいずれか一種または二種以上を含む食品であり、より好ましくは魚、豆類由来タンパク質及び酵母のいずれか一種または二種以上を含む食品であり、さらに好ましくは豆類由来タンパク質及び酵母のいずれか一種または二種を含む食品であり、さらにより好ましくは豆類由来タンパク質を含む食品であり、前記豆類は大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上が好ましく、大豆がより好ましい。
対象となる不快臭は、特に限定されないが、好ましくは魚臭、豆類由来タンパク臭及び酵母臭のいずれか一種または二種以上であり、より好ましくは豆類由来タンパク臭及び酵母臭のいずれか一種または二種であり、さらに好ましくは豆類由来タンパク臭であり、前記豆類は大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上が好ましく、大豆及びレンズ豆のいずれか一種または二種がより好ましく、大豆がさらに好ましい。
本発明が食品に適用される場合、その食品における前記酸化油脂の含有量は、その効果に応じて調製すればよいが、典型的には、前記酸化油脂に含まれる乳脂が、例えば、0.005~50000ppm、好ましくは0.005~20000ppm、より好ましくは0.01~10000ppm、さらに好ましくは0.05~5000ppm、さらにより好ましくは0.08~3000ppm、特に好ましくは0.08~2000ppmとなるようにする。
また、上述したように、本発明の適用方法は、食品等に前記酸化油脂を添加する方法であればよい。この場合、食用組成物の形態、すなわち、例えば、添加剤等の形態で食品やその原料に添加するようにしてもよい。
本発明が食用組成物の形態で適用される場合、その食用組成物における前記酸化油脂の含有量は、不快臭抑制の効果を発揮する限り、特に限定されない。典型的には、前記酸化油脂が、好ましくは0.001質量%以上100質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、さらにより好ましくは0.01質量%以上10質量%以下となるようにする。
本発明が食用組成物の形態で適用される場合、その食用組成物には、前記酸化油脂を希釈するための食用油脂を使用してもよく、前記食用油脂に対し、前記酸化油脂を好ましくは0.001質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、さらにより好ましくは0.01質量%以上10質量%以下となるようにする。食用油脂は特に限定されず、例えば、パーム核油、パーム油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂等の植物油脂、ラード等の動物油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。また、これらの分別油(パーム油の中融点部、パーム油の分別軟質油、パーム油の分別硬質油等)、エステル交換油、水素添加油等の加工した油脂を使用できる。また、これらの食用油脂は、1種又は2種以上を使用することができる。また、本発明の効果を阻害しない限り、通常食用油脂に添加できる助剤等を使用してもよく、粉末状等の形状とするためのコーンシロップ等を使用してもよい。
本発明が食用組成物の形態で適用される場合、その形態としては、例えば、添加物等としての使用に適した形態であればよく、具体的には、例えば、粉末状、ペースト状、液体状等の形態であり得る。この場合、前記酸化油脂を粉末化したうえ各種添加剤等の原料を混合して調製することもできる。粉末化する際には、賦形剤等の各種公知の補助剤を添加することもできる。さらに、乳化剤を添加して乳化してもよい。粉末化の方法は、例えば、スプレードライ及びフリーズドライなどの当業者に公知の任意の方法で行うことができる。
一方、本発明の別の態様においては、前記酸化油脂を含む粉末油脂、および前記豆類由来タンパク質を含む、タンパク質含有組成物が提供される。このタンパク質含有組成物は、粉末油脂を含むので、他の素材との混合がし易く、また、前記酸化油脂が含まれているので、豆類由来タンパク臭が抑えられる。よって、食品等にタンパク成分を付与するための食品素材等として、好適に用いられる。
前記豆類由来タンパク質100質量部に対し、前記酸化油脂が0.0005質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.001質量部以上5質量部以下であることがより好ましく、0.005質量部以上5質量部以下であることがさらに好ましく、0.01質量部以上3質量部以下であることがさらにより好ましい。
前記タンパク質含有組成物に含まれる前記豆類由来タンパク質は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、前記豆類由来タンパク質と前記粉末油脂の合計が100質量%以下である。
前記粉末油脂の前記酸化油脂の含有量は、好ましくは0.01質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上20質量%以下であり、さらにより好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。
実施に際しては、以下のものを使用した(いずれも水の含有量は1質量%未満であった)。
無水乳脂(製品名:バターオイルCML、丸和油脂株式会社製、油脂含量:99.8質量%)
大豆油(株式会社J-オイルミルズ社製)
菜種油(株式会社J-オイルミルズ社製)
中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)(製品名:MCT アクターM-107FR、理研ビタミン株式会社製)
高オレイン酸低リノレン酸菜種油(HOLL菜種油)(株式会社J-オイルミルズ社製)
以下のように、酸化油脂を調製した。
(調製例1~4)
無水乳脂200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら、撹拌し、空気(200ml/分)を供給した。5、 5.5、 5.8、 6.5時間後にサンプリングし、酸化油脂を得た。
得られた酸化油脂の過酸化物価(POV)を「基準油脂分析試験法 2.5.2 過酸化物価」に準じて、測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007051713000001
(調製例5~8)
調製例2を菜種油に対し、0.01質量%、0.1質量%、1質量%、及び10質量%となるように添加し、調製例5~8を調製した。
(豆乳での評価)
市販の豆乳(製品名:おいしい無調整豆乳、キッコーマン飲料株式会社製)100質量部に対し、菜種油(対照)または調製例5~7のいずれかを1質量部加え、ディスパーザーで3000rpm、3分間攪拌した。得られた豆乳を食し、大豆タンパク質の不快臭(大豆タンパク臭)の抑制度合いを以下の基準で評価した(評価者3名の合議で決めた)。その結果を表2に示す。
<大豆タンパク臭抑制の効果>
◎:対照に比べて非常に強い
○:対照に比べて強い
△:対照に比べてやや強い
×:対照と同等
Figure 0007051713000002
表2に示したように、喫食時の酸化油脂の含有量が1ppm以上で、大豆タンパク臭抑制の効果が確認され、10ppm以上で、その効果が顕著であった。
(ハンバーグでの評価1)
以下のように、ハンバーグを作成し、大豆タンパク臭の抑制効果を評価した。
1.下準備
1-1.粒状大豆タンパク質組成物1
粒状大豆タンパク質(製品名:ニューフジニック52、不二製油株式会社製)50質量部に水150質量部を混合した。

1-2.ソテーオニオン
たまねぎをみじん切りにし、フライパンに菜種油をひき、たまねぎがしんなりするまで炒め、冷ました。

2.混合と成形
2-1.ボールに表3に記載の材料を加え、材料が均一に混合するようによく混ぜ、ハンバーグミックスを調製した。
2-2.ハンバーグミックス 97g、菜種油 2g、および、添加成分として菜種油(対照)または調製例5~8(実施例4-1~4)のいずれかを1g加え、油が均一に混合するようによく練りこんだ。
2-3.50g、1.5cm程度の厚さになるよう成形し、成形生地を作製した。

3.焼成
3-1.ホットプレートを230℃に熱し、サラダ油を適量加えた。キッチンペーパーでサラダ油を軽くふき取り、ホットプレートに上記成形生地を1つずつ、計5つ入れ、焼成した。
3-2.焼き色がついたら裏返した。
3-3.さらに、焼き色がついたら140℃に下げ、ふたをして5分間蒸し焼きにした。
金属性のバットに移し、冷却し、ハンバーグを調製した。

4.評価
得られたハンバーグを用いて、大豆タンパク臭抑制の効果を下記の基準で評価した(評価者3名の合議で決めた)。その結果を表4に示す。
<大豆タンパク臭抑制の効果>
◎:対照に比べて非常に強い
○:対照に比べて強い
△:対照に比べてやや強い
×:対照と同等
Figure 0007051713000003
Figure 0007051713000004
実施例4-1~4に示したように、本発明による不快臭抑制剤を添加することで、大豆タンパク臭を抑制できることがわかり、特に喫食時の酸化油脂の含有量が10ppm以上でその効果が顕著であった。また、実施例4-1~4のハンバーグでは、濃厚感が向上していた。また、大豆タンパク質100質量部に対し、酸化油脂が0.0016質量部以上1.6質量部以下で、大豆タンパク臭抑制効果が確認でき、0.016質量部以上1.6質量部以下で、その効果が顕著であった。
(ハンバーグでの評価2)
(調製例9~13)
無水乳脂(酸化していないもの)、または調製例1~4のいずれかを菜種油に対し、1質量%となるように添加し、調製例9~13を調製した。
以下のように、ハンバーグを作成し、大豆タンパク臭の抑制効果を評価した。
1.下準備
1-1.粒状大豆タンパク質組成物2
粒状大豆タンパク質(製品名:ニューフジニック52、不二製油株式会社製)45質量部に水135質量部を混合した。

1-2.ソテーオニオン
たまねぎをみじん切りにし、フライパンに菜種油をひき、たまねぎがしんなりするまで炒め、冷ました。

2.混合と成形
2-1.ボールに表5に記載の材料を加え、材料が均一に混合するようによく混ぜ、ハンバーグミックスを調製した。
2-2.ハンバーグミックス 97g、菜種油 2g、および、添加成分として菜種油(対照)または調製例9~13(比較例6-1、実施例6-1~4)のいずれかを1g加え、油が均一に混合するようによく練りこんだ。
2-3.50g、1.5cm程度の厚さになるよう成形し、成形生地を作製した。

3.焼成
3-1.ホットプレートを230℃に熱し、サラダ油を適量加えた。キッチンペーパーでサラダ油を軽くふき取り、ホットプレートに上記成形生地を1つずつ、計6つ入れ、焼成した。
3-2.焼き色がついたら裏返した。
3-3.さらに、焼き色がついたら140℃に下げ、ふたをして5分間蒸し焼きにした。
金属性のバットに移し、冷却し、ハンバーグを調製した。

4.評価
得られたハンバーグを用いて、大豆タンパク臭抑制の効果を下記の基準で評価した(評価者3名の合議で決めた)。その結果を表6に示す。
<大豆タンパク臭抑制の効果>
◎:対照に比べて非常に強い
○:対照に比べて強い
△:対照に比べてやや強い
×:対照と同等
Figure 0007051713000005
Figure 0007051713000006
実施例6-1~4に示したように、本発明による不快臭抑制剤の有効成分である酸化油脂はPOV 34以上で不快臭抑制の効果があることがわかった。特にPOV 51以上でその効果が顕著であった。
一方で、酸化していない乳脂(POV 0)では、不快臭抑制の効果が確認できなかった。
(ハンバーグでの評価3)
(調製例14、乳脂および乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂)
無水乳脂140gに中鎖脂肪酸トリグリセリド60gを混合し、乳脂を70質量%含む油脂を調製した。調製した油脂200gをステンレスビーカーに入れ、120℃に保温しながら、撹拌し、空気(200ml/分)を供給した。13時間反応し、POV 58.7の酸化油脂を得た。
(調製例15、乳脂および乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂)
調製例14において中鎖脂肪酸トリグリセリドに代えて、大豆油を用いたこと以外、同様に処理し、POV 44.6の酸化油脂を得た。
(調製例16、乳脂および乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂)
無水乳脂50質量部にHOLL菜種油50質量部を混合し、乳脂を50質量%含む油脂を調製した。調製した油脂200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら、撹拌し、空気(200ml/分)を供給した。36時間反応し、POV 100の酸化油脂を得た。
(調製例17、乳脂および乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂)
無水乳脂20質量部にHOLL菜種油80質量部を混合し、乳脂を20質量%含む油脂を調製した。調製した油脂200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら、撹拌し、空気(200ml/分)を供給した。30時間反応し、POV 105の酸化油脂を得た。
(調製例18~21)
調製例14~17のいずれかを菜種油に対し、1質量%となるように添加し、調製例18~21を調製した。
添加成分を表7に記載のものを使用したこと以外、ハンバーグでの評価2と同じ操作でハンバーグを作成し、大豆タンパク臭の抑制効果を評価した。
Figure 0007051713000007
実施例7-1~5に示したように、本発明による不快臭抑制剤の有効成分である酸化油脂に含まれる乳脂は、20質量%以上で不快臭抑制の効果があることがわかった。特に50質量%以上でその効果が高かった。
(魚臭の評価)
(調製例22)
調製例1と同様の操作で、無水乳脂を酸化し、POV 46の酸化油脂を得た。
(調製例23)
パーム核極硬油35質量部、コーンシロップ(水分25質量%)63.36質量部、pH調整剤ミックス(リン酸水素2カリウム、クエン酸3ナトリウム)2.10質量部及び乳化剤ミックス(酸カゼイン、水酸化ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルの混合物)5.38質量部、調製例22 10質量部を配合し、混合をした。さらに水84.16質量部添加し、常法に従い、乳化・噴霧し、粉末油脂形態の不快臭抑制剤を得た。
ビーカーに風味調味料(かつおだし)(製品名:ほんだし、味の素株式会社製)4gと90℃のお湯600gを入れ混合して、スープを得た。スープ 149.85gに、調製例23を0.15g添加し、攪拌し、試験用スープを得た。試験用スープを食したところ、添加しないものに比べ、魚臭が抑制されていることが確認できた。
(酵母臭の評価)
ビーカーに酵母エキス(製品名:アロマイルド、DSP五協フード&ケミカル株式会社製)6gと90℃のお湯294gを入れ混合して、スープを得た。スープ 199.9gに調製例23を0.1g添加し、攪拌し、試験用スープを得た。試験用スープを食したところ、添加しないものに比べ、酵母臭が抑制されていることが確認できた。
(種々の豆類由来タンパク質での評価)
以下のように、ハンバーグを作成し、豆類由来タンパク臭抑制の効果を評価した。
1.下準備
1-1.豆類由来タンパク質組成物の調製
以下のように3種類の豆類由来タンパク質組成物を調製した。

1-1-1.レンズ豆由来タンパク質組成物
レンズ豆(レンズ豆(皮無)、株式会社富澤商店)をミキサーで粉砕した。粉砕されたレンズ豆50質量部に水150質量部混合した。

1-1-2.ヒヨコ豆由来タンパク質組成物
ヒヨコ豆(ガルバンソー、株式会社富澤商店)をミキサーで粉砕した。粉砕されたヒヨコ豆50質量部に水150質量部混合した。

1-1-3.エンドウ豆由来タンパク質組成物
粉状のエンドウ豆タンパク質(Organic Pea Protein pure isolate、サンブライト株式会社)50質量部に水150質量部混合した。

1-2.ソテーオニオン
たまねぎをみじん切りにし、フライパンに菜種油をひき、たまねぎがしんなりするまで炒め、冷ました。

2.混合と成形
2-1.ボールに表8に記載の材料を加え、材料が均一に混合するようによく混ぜ、ハンバーグミックスを調製した。
2-2.ハンバーグミックス 99g、および、添加成分として菜種油(対照)または調製例7のいずれかを1g加え、油が均一に混合するようによく練りこんだ。
2-3.50g、1.5cm程度の厚さになるよう成形し、成形生地を作製した。

3.焼成
3-1.ホットプレートを230℃に熱し、サラダ油を適量加えた。キッチンペーパーでサラダ油を軽くふき取り、ホットプレートに上記成形生地を入れ、焼成した。
3-2.焼き色がついたら裏返した。
3-3.さらに、焼き色がついたら140℃に下げ、ふたをして5分間蒸し焼きにした。
金属性のバットに移し、冷却し、ハンバーグを調製した。

4.評価
得られたハンバーグを用いて、豆類由来タンパク臭抑制の効果を下記の基準で評価した(評価者3名の合議で決めた)。その結果を表9に示す。
<豆類由来タンパク臭抑制の効果>
◎:対照に比べて非常に強い
○:対照に比べて強い
△:対照に比べてやや強い
×:対照と同等
Figure 0007051713000008
Figure 0007051713000009
実施例9-1~3に示したように、本発明による不快臭抑制剤を添加することで、大豆タンパク臭だけでなく、レンズ豆、ヒヨコ豆、エンドウ豆のタンパク臭も抑制できることがわかった。レンズ豆およびヒヨコ豆を使用した場合、中味での豆類由来タンパク臭を特に抑制できることがわかった。また、エンドウ豆を使用した場合、先味でのエンドウ豆由来タンパク臭を特に抑制できることがわかった。
(ハンバーグでの評価4)
(調製例24)
パーム核極硬油45質量部、コーンシロップ(水分25質量%)63.36質量部、pH調整剤ミックス(リン酸水素2カリウム、クエン酸3ナトリウム)2.10質量部及び乳化剤ミックス(酸カゼイン、水酸化ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルの混合物)5.38質量部を配合し、混合をした。さらに水84.16質量部添加し、常法に従い、乳化・噴霧し、粉末油脂を得た。
(調製例25)
パーム核極硬油44質量部、コーンシロップ(水分25質量%)63.36質量部、pH調整剤ミックス(リン酸水素2カリウム、クエン酸3ナトリウム)2.10質量部及び乳化剤ミックス(酸カゼイン、水酸化ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルの混合物)5.38質量部、調製例22 1質量部を配合し、混合をした。さらに水84.16質量部添加し、常法に従い、乳化・噴霧し、粉末油脂形態の不快臭抑制剤を得た。
以下のように、ハンバーグを作成し、大豆タンパク臭の抑制効果を評価した。
1.下準備
1-1.粒状大豆タンパク質組成物3
粒状大豆タンパク質(製品名:ニューフジニック52、不二製油株式会社製)82.5質量部に調製例24を19.8質量部加え混合した。さらに水247.5質量部を加え、混合した。

1-2.粒状大豆タンパク質組成物4
粒状大豆タンパク質(製品名:ニューフジニック52、不二製油株式会社製)82.5質量部に調製例25を19.8質量部加え混合した。さらに水247.5質量部を加え、混合した(大豆タンパク質100質量部に対し、調製例25に含まれる酸化油脂は0.24質量部であった)。

1-3.粒状大豆タンパク質組成物5
粒状大豆タンパク質(製品名:ニューフジニック52、不二製油株式会社製)82.5質量部に水247.5質量部を加え、混合した。

1-4.ソテーオニオン
たまねぎをみじん切りにし、フライパンに菜種油をひき、たまねぎがしんなりするまで炒め、冷ました。

2.混合と成形
2-1.ボールに表10に記載の材料を加え、材料が均一に混合するようによく混ぜ、ハンバーグミックスを調製した。
2-2.表11に記載したようにハンバーグミックス等を混合し、よく練りこんだ。
2-3.50g、1.5cm程度の厚さになるよう成形し、成形生地を作製した。

3.焼成
3-1.ホットプレートを230℃に熱し、サラダ油を適量加えた。キッチンペーパーでサラダ油を軽くふき取り、ホットプレートに上記成形生地を1つずつ、計6つ入れ、焼成した。
3-2.焼き色がついたら裏返した。
3-3.さらに、焼き色がついたら140℃に下げ、ふたをして5分間蒸し焼きにした。
金属性のバットに移し、冷却し、ハンバーグを調製した。

4.評価
得られたハンバーグを用いて、大豆タンパク臭抑制の効果を下記の基準で評価した(評価者3名の合議で決めた)。その結果を表11に示す。
<大豆タンパク臭抑制の効果>
◎:対照に比べて非常に強い
○:対照に比べて強い
△:対照に比べてやや強い
×:対照と同等
Figure 0007051713000010
Figure 0007051713000011
実施例11-1および実施例11-2で示したように、本発明による不快臭抑制剤は、粉末油脂の形態であっても、その効果が確認できた。特に、実施例11-1のように、本発明による不快臭抑制剤は、これを粉末油脂の形態に調製したうえ、大豆タンパク質と混合し、更に水を加え混合して調製された、大豆タンパク質含有組成物の形態で使用すると、不快臭抑制の効果がより顕著であった。
不快臭抑制剤の製造例
無水乳脂200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら、撹拌し、空気(5mL/分)を供給した。過酸化物価が47になったところで、空気の供給を止め、冷却し、酸化油脂を得た。得られた酸化油脂を不快臭抑制剤とした。

Claims (17)

  1. 過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む酸化油脂を有効成分とする、不快臭抑制剤であって、前記不快臭が魚臭、豆類由来タンパク臭、及び酵母臭のいずれか一種または二種以上である、該抑制剤
  2. 前記抑制剤が、前記酸化油脂を0.001質量%以上100質量%以下含む、請求項1に記載の抑制剤。
  3. 前記豆類が大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上である、請求項1又は2に記載の抑制剤。
  4. 不快臭抑制剤の製造方法であって、
    前記不快臭が魚臭、豆類由来タンパク臭、及び酵母臭のいずれか一種または二種以上であり、
    10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む原料油脂に、酸素を供給しながら加熱し、過酸化物価が15~180である酸化油脂を得る工程
    を含む、該製造方法。
  5. 前記原料油脂が乳脂を50質量%以上100質量%以下含む、請求項に記載の製造方法。
  6. 前記加熱を65℃以上150℃以下、1時間以上72時間以下でおこなう、請求項又はに記載の製造方法。
  7. 前記酸素の供給が、前記原料油脂1kgあたり0.001~2L/分である、請求項乃至のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記乳脂が無水乳脂である、請求項乃至のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記原料油脂の油脂含量が90質量%以上100質量%以下である、請求項乃至のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 更に、食用油脂に前記酸化油脂を添加する工程を含む、請求項乃至のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記食用油脂に対し、前記酸化油脂を0.001質量%以上50質量%以下添加する、請求項10に記載の製造方法。
  12. 過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む酸化油脂を食品に添加することを特徴とする、食品の不快臭を抑制する方法であって、前記不快臭が魚臭、豆類由来タンパク臭、及び酵母臭のいずれか一種または二種以上である該方法
  13. 前記豆類が大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上である、請求項12に記載の方法。
  14. 酸化油脂を含む粉末油脂、および豆類由来タンパク質を含む、食品へのタンパク成分の付与用の組成物であって、
    前記酸化油脂が、過酸化物価が15~180であり、10質量%以上100質量%以下の乳脂を含む、該組成物。
  15. 前記豆類由来タンパク質100質量部に対し、前記酸化油脂が0.0005質量部以上5質量部以下である、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記豆類が大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆及びエンドウ豆のいずれか一種または二種以上である、請求項14又は15に記載の組成物。
  17. 前記粉末油脂の前記酸化油脂の含有量が、0.01質量%以上30質量%以下である、請求項14乃至16のいずれか一項に記載のタンパク質含有組成物。

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