JP7050970B2 - 超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法 - Google Patents
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Description
K=t×D1/2
t:撚り数(回/m)
D:繊度(tex)
前記片撚りをかけたマルチフィラメント延伸糸を、前記マルチフィラメント延伸糸の融点以上の温度で融着するに際し、輻射熱方式で加熱することを特徴とする。
K=t×D1/2
t:撚り数(回/m)
D:繊度(tex)
撚り係数Kが100未満ではマルチフィラメント糸を構成する各フィラメント糸の撚り方向が整いにくく、融着一体化しにくい。また撚り係数Kが4000を超えると、強撚傾向となるため、やはりマルチフィラメント糸を構成する各フィラメント糸の撚り方向が整いにくく、融着一体化しにくい。好ましい撚り係数Kは500~3000である。前記において、繊度の単位texは、1000m当たりの質量である。
図4Cに示す加熱槽3は矩形(長方形)形状、加熱槽内部(中空部)14は円形形状をしている。図4A~Cにおいて、加熱槽内部14の短径、高さ又は直径15は10~300mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは15~200mmである。
(1)精度の良い温度制御ができる。
(2)積極的な送風をしていないので細いフィラメントでも安定している。
(3)熱風循環方式では糸の加熱は熱風の強制循環によるのに対し、本発明は内壁からの輻射熱及び自然対流が主体であり、この差も本発明の利点の一つと思われる。
実施例に用いた加熱槽は長さが3m、断面形状が図4Bに示したような中空長方形で、図2及び図3に示した1段延伸装置を用いた。
<物性試験>
強伸度はJIS L1013の測定方法に準じた。繊度は糸を1mにカットし重量を0.1mg単位で測定し、10000倍して繊度(tex)を求めた。
<熱分析>
マルチフィラメント融着糸の融点は、示差走査熱量計(DSC)で昇温速度20℃/分の条件で、無拘束状態で測定した最大融解ピーク温度1st(図5~7の実線)を求めた。また、融解後、液体窒素で急冷した後の最大融解ピーク温度2nd(図5~7の破線)を求めた。
<融着性評価>
融着性を下記の基準で判定した。
A:モノフィラメント釣り糸として使用できる。
B:見かけ上モノフィラメントであるが、釣り糸として使用中に多少ばらける。
C:モノフィラメント状にならない。
原糸(延伸糸)として超高分子量高強度ポリエチレン片撚り糸[東洋紡社製、商品名「イザナス」、(トータル繊度:22.2Tex、フィラメント数:192本)、片撚り(S)90回/m、撚り係数K=424.1]を使用し、温度154℃で0.25倍の速度比で加熱収縮かつ融着処理した。得られた融着糸は図8の写真に示すとおりであり、融着性評価はAであった。図8の融着糸の中央部分が平坦になっているのは、強くしごいた後の痕跡であり、強くしごいても融着がばらけないことを示している。原糸の延伸糸の熱分析グラフを図5に示し、得られた融着糸の熱分析グラフを図6に示す。その他の物性は、表1にまとめて示す。
実施例1で得られた融着糸を152℃で8倍に延伸した。得られた融着糸は図9に示すとおりであり、融着性評価はAであった。得られた融着糸の熱分析グラフを図7に示す。その他の物性は、表1にまとめて示す。
撚り数(撚り係数K)を変えた以外は実施例1と同様に加熱収縮加工をした。実施例1のデータとともに条件と結果を表2にまとめて示す。
原糸(延伸糸)として超高分子量高強度ポリエチレン片撚り糸[東洋紡社製、商品名「イザナス」、(トータル繊度:22.2Tex、フィラメント数:192本)、片撚り(S)300回/m、撚り係数K=1413.5]を使用し、さらに再延伸した。延伸条件は、温度154℃で1.5倍延伸である。得られた再延伸糸の熱分析グラフを図9に示す。その他の物性は、表3にまとめて示す。
参考例1で得られた再延伸糸を使用し、温度155℃で0.75倍に加熱収縮かつ融着処理した。得られた融着糸の熱分析グラフを図10に示す。その他の物性は、表3にまとめて示す。
実施例7で得られた熱融着糸を使用し、さらに再々延伸した。延伸条件は、温度154℃で2倍延伸である。得られた再々延伸糸の熱分析グラフを図11に示す。その他の物性は、表3にまとめて示す。
原糸(延伸糸)として超高分子量高強度ポリエチレン片撚り糸[東洋紡社製、商品名「イザナス」、(トータル繊度:22.2Tex、フィラメント数:192本)、片撚り(S)300回/m、撚り係数K=1413.5]を使用し、温度155℃で0.75倍に加熱収縮かつ融着処理した。得られた融着糸の熱分析グラフを図12に示す。その他の物性は、表4にまとめて示す。
実施例9で得られた熱融着糸を使用し、さらに再延伸した。延伸条件は、温度154℃で2.5倍延伸である。得られた再延伸糸の熱分析グラフを図13に示す。その他の物性は、表4にまとめて示す。
実施例1で使用した延伸糸(トータル繊度:22Tex、フィラメント数:192本)、片撚り(S)90回/m、撚り係数K=424.1、油剤なし]を2本引き揃え、Z撚りを90回/m掛けて諸撚り糸とした。この諸撚り糸を温度154℃で0.25倍に加熱収縮かつ融着処理した。得られた融着糸の融着性評価はCであった。
実施例1で使用した延伸糸(トータル繊度:22Tex、フィラメント数:192本)、片撚り(S)90回/m、撚り係数K=424.1、油剤なし]を4本用いて製紐した。得られた組紐を温度154℃で0.25倍に加熱収縮かつ融着処理した。得られた融着糸の融着性評価はCであった。
2 第1ローラー群
3 加熱槽
4 第2ローラー群
5 巻き取り装置
6 循環液体の加熱装置
7 ポンプ
8,10a~10c 供給糸(延伸糸)
9,11a~11c 融着糸
12 加熱槽内壁部
13 ジャケット部
14 加熱槽内部(中空部)
15 加熱槽内部短径、高さ又は直径
16 壁部
17,18 片撚り糸
Claims (11)
- 超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法であって、
超高分子量ポリエチレンからなるマルチフィラメント延伸糸に次の式で算出する撚り係数Kが、500~3000の片撚りをかける工程と、
K=t×D1/2
t:撚り数(回/m)
D:繊度(tex)
前記片撚りをかけたマルチフィラメント延伸糸を、前記マルチフィラメント延伸糸の融点以上の温度で融着するに際し、輻射熱方式で加熱することを特徴とする超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。 - 前記輻射熱方式は、前記延伸糸の通過口は中空部で、ジャケット部には加熱液体が循環している加熱槽と、
前記延伸糸を前記加熱槽の中空部を非接触で通過させる糸道を含む請求項1に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。 - 前記加熱槽の中空部では積極的な送風を行わず、ジャケット部からの輻射熱及び自然対流により糸を加熱する請求項2に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記融着した後、さらに加熱延伸かつ熱セットする工程を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記加熱延伸かつ熱セット工程の雰囲気温度が150~157℃、延伸倍率が1.1~10倍である請求項4に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記加熱延伸かつ熱セット工程における加熱方式が、輻射熱方式である請求項4又は5に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記融着した後、加熱延伸前に超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸を着色する工程を含む請求項4~6のいずれか1項に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記マルチフィラメント融着糸は、油剤が付与されていない請求項1~7のいずれか1項に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記マルチフィラメント融着糸の繊度は、22~1760decitexである請求項1~8のいずれか1項に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記マルチフィラメント融着糸の引っ張り破断強度は10g/decitex以上、引っ張り破断伸度は3~30%である請求項1~9のいずれか1項に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
- 前記マルチフィラメント融着糸の融点は、示差走査熱量計(DSC)で昇温速度20℃/分の条件で、無拘束状態で測定した最大融解ピーク温度(1st)が、融着前のマルチフィラメント延伸糸より高い請求項1~10のいずれか1項に記載の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント融着糸の製造方法。
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