JP7049581B2 - 殺菌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レトルト食品などの被処理物の加熱殺菌に用いられる殺菌装置に関し、特に、処理槽内に蒸気を吹き込んで被処理物を加熱する殺菌装置に関するものである。
処理槽内に蒸気を吹き込んで被処理物を加熱する殺菌装置として、従来、下記特許文献1に開示される装置が知られている。この装置では、処理槽(レトルト10)内に収納した被処理物(被殺菌物r)に対し蒸気を噴射する殺菌工程と、被処理物を冷却水で冷却する冷却工程とを順次に実行する。冷却工程では、まず、処理槽内底部へ被処理物が浸水しない程度まで冷却水を送り込み、処理槽の余熱で該冷却水を加熱し、その後、被処理物に対して該冷却水を噴射するとともに、冷却水の給排を徐々に行って該水温を徐々に下げることにより被処理物を徐冷する。
特開平6-181967号公報(請求項1、段落0021-0031、図1)
殺菌装置では、処理槽内を殺菌温度まで上昇させる昇温工程の後、処理槽内を殺菌温度に保持する殺菌工程がなされる。これら工程における温度調整は、処理槽内への給蒸を制御することでなされる。従来技術では、バルブ(V5L)の開閉をオンオフ制御で切り替えて、処理槽内への給蒸が制御される。しかしながら、昇温工程および殺菌工程において、所定のバルブをオンオフ制御するだけでは、次のような不都合がある。すなわち、昇温工程における昇温速度を上げるために、バルブ開放時の流量が多ければ、殺菌工程においてオーバーシュートを起こしやすい。逆に、殺菌工程おけるオーバーシュートを防止するために、バルブ開放時の流量が少なければ、昇温工程において昇温速度が劣ることになる。
このような不都合を防止するために、たとえば比例制御弁を用いて、バルブの開度を調整するにしても、次のような課題が残る。すなわち、処理槽内に直接に蒸気を供給して、処理槽内の被処理物を加熱する形式の殺菌装置では、バルブの開度調整により処理槽内への給蒸量を調整するだけでは、処理槽内の気体の撹拌を図ることができない。具体的には、まず前提として、被処理物を加熱中、被処理物の膨張による容器(レトルトパウチなど)の破裂を防止するために、処理槽内を圧縮空気で加圧したい場合がある。この場合、処理槽内に蒸気と空気とが混在することになるので、処理槽内を撹拌しなければ、温度ムラを生じることになる。ところが、処理槽内への給蒸制御をバルブの開度調整だけで行うと、殺菌工程中、バルブ開度は連続的に変化するため、バルブ開時の蒸気噴流による処理槽内の撹拌が難しくなる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、処理槽内に蒸気を吹き込んで被処理物を加熱する殺菌装置において、簡易な構成および制御で、温度調整が容易でありながら、処理槽内を撹拌して温度ムラを防止することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、被処理物が収容される処理槽と、この処理槽内に蒸気を供給して被処理物を加熱する給蒸手段と、この給蒸手段を制御する制御手段とを備え、前記給蒸手段は、前記処理槽内への給蒸路に、給蒸の有無をオンオフで切り替える給蒸遮断弁と、開度調整可能な給蒸弁とを直列に備え、前記制御手段は、前記被処理物を加熱する殺菌工程では、前記給蒸弁の開度を固定した状態で、前記給蒸遮断弁の開閉を切り替えることを特徴とする殺菌装置である。
請求項1に記載の発明によれば、処理槽内への給蒸路には、給蒸の有無をオンオフで切り替える給蒸遮断弁と、開度調整可能な給蒸弁とが直列に設けられる。そして、殺菌工程において、給蒸弁の開度を固定した状態で、給蒸遮断弁の開閉を切り替えることで、給蒸遮断弁を開放したときの蒸気噴流によって処理槽内の撹拌を図ることができ、それにより温度ムラを防止することができる。給蒸遮断弁の開閉をオンオフ制御で切り替えるが、給蒸遮断弁の開放時の給蒸流量を給蒸弁で調整しておくことで、処理槽内の温度調整を容易に行える。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記処理槽内を殺菌温度まで上昇させる昇温工程と、前記処理槽内を殺菌温度に保持する殺菌工程とを順に実行し、前記制御手段は、前記昇温工程では、前記給蒸弁の開度を段階的に小さくすることを特徴とする請求項1に記載の殺菌装置である。
請求項2に記載の発明によれば、昇温工程では、給蒸弁の開度を段階的に小さくすることで、処理槽内の温度がオーバーシュートするのを防止して、殺菌工程への移行を円滑に図ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記処理槽内への給水手段と、前記処理槽外への排水手段とを備え、前記制御手段は、前記殺菌工程後の冷却工程では、前記給蒸遮断弁を閉じた状態で、前記被処理物を浸漬する水位まで前記給水手段により前記処理槽内に水を貯留して、前記被処理物の冷却を図ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の殺菌装置である。
請求項3に記載の発明によれば、冷却工程では、被処理物を浸漬する水位まで処理槽内に水を貯留して、比較的大量の水で、被処理物を冷却することができる。
請求項4に記載の発明は、前記処理槽内の底部からの水を前記処理槽内の被処理物へ噴射して戻す循環手段をさらに備え、前記制御手段は、前記給水手段による前記処理槽内への給水中、前記処理槽内の貯留水が設定水位以上になるか、貯留水の温度が設定温度以下になると、前記循環手段を作動させることを特徴とする請求項3に記載の殺菌装置である。
請求項4に記載の発明によれば、循環手段により貯留水を循環させて、被処理物をムラなく迅速に冷却することができる。しかも、給水手段による処理槽内への給水中、処理槽内の貯留水が設定水位以上になるか、貯留水の温度が設定温度以下になると、循環手段を作動させて、効率的な冷却を図ることができる。貯留水の温度が設定温度以下になるか、そのような温度になる水位以上になることを条件に、循環手段による循環を開始すれば、耐熱温度の高い循環ポンプを用いる必要がなく、循環ポンプの冷却システムを不要とすることもできる。
さらに、請求項5に記載の発明は、前記冷却工程では、前記被処理物を浸漬する水位まで前記処理槽内に水を貯留することに代えて、前記制御手段は、前記被処理物を浸漬しない水位まで前記処理槽内に水を貯留して、その貯留水を前記循環手段により前記被処理物へ噴射して戻すことで、前記被処理物の冷却を図ることを特徴とする請求項4に記載の殺菌装置である。
請求項5に記載の発明によれば、冷却工程では、被処理物を浸漬しない水位まで処理槽内に水を貯留して、その貯留水を循環手段により被処理物へ噴射することで、被処理物の冷却を図ることができる。
本発明によれば、処理槽内に蒸気を吹き込んで被処理物を加熱する殺菌装置において、簡易な構成および制御で、温度調整が容易でありながら、処理槽内を撹拌して温度ムラを防止することができる。
本発明の一実施例の殺菌装置を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の殺菌装置1を示す概略図であり、一部を断面にして示している。本実施例の殺菌装置1は、被処理物を加熱して殺菌する装置であり、殺菌後には被処理物を冷却可能に構成される。被処理物は、特に問わないが、典型的にはレトルト食品または缶詰など、容器に密閉された食材である。
本実施例の殺菌装置1は、被処理物が収容される処理槽2と、この処理槽2内への給蒸手段3と、処理槽2内への給水手段4と、処理槽2外への排水手段5と、処理槽2内への圧縮空気供給手段6と、処理槽2外への排気手段7と、処理槽2内の真空解除手段8と、これら各手段3~8を制御する制御手段(図示省略)とを備える。
処理槽2は、被処理物を収容する中空容器である。処理槽2は、その形状を特に問わないが、本実施例では水平に配置された円筒材を備え、この円筒材は、一方の開口部が閉塞されており、他方の開口部が扉で開閉可能とされる。扉を開けることで、処理槽2に対し被処理物を出し入れすることができ、扉を閉じることで、処理槽2の開口部を気密に閉じることができる。
処理槽2には、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ9と、処理槽2内の温度を検出する温度センサ10と、処理槽2内に収容される被処理物の温度を検出する品温センサ11と、処理槽2内の水位を検出する水位センサ12とが設けられる。また、処理槽2には、殺菌工程中などに処理槽2内の気体を外部へ漏れ抜くブリーダ弁13が設けられるのが好ましい。
給蒸手段3は、給蒸路14を介して、処理槽2内へ蒸気を供給する。本実施例では、処理槽2内の下部(被処理物よりも下部)に給蒸ノズル15が設けられており、この給蒸ノズル15を介して、給蒸路14からの蒸気が処理槽2内へ供給される。給蒸路14には、給蒸の有無をオンオフで切り替える給蒸遮断弁16と、開度調整可能な給蒸弁17とが直列に設けられる。図示例では、給蒸路14には、処理槽2へ向けて、給蒸遮断弁16および給蒸弁17の順で設けられているが、場合により、これとは逆に、給蒸弁17および給蒸遮断弁16の順で設けられてもよい。いずれにしても、給蒸遮断弁16を開けることで、給蒸源からの蒸気を処理槽2内へ供給することができ、その際の給蒸流量は給蒸弁17の開度により変更可能とされる。
給水手段4は、給水路18を介して、処理槽2内へ水を供給する。本実施例では、処理槽2内の上部(被処理物よりも上部)に散水ノズル19が設けられており、この散水ノズル19を介して、給水路18からの水が処理槽2内へ供給される。給水路18には給水弁20(21)および逆止弁22が設けられており、給水弁20(21)により処理槽2内への給水を制御することができる。
給水路18を介した給水流量は、変更可能に構成されるのが好ましい。本実施例では、次のようにして、給水流量を変更可能とされる。すなわち、給水路18には、第一給水弁20が設けられると共に、この第一給水弁20の前後がバイパス路23で接続され、そのバイパス路23に第二給水弁21が設けられる。バイパス路23は、給水路18よりも小径の配管で形成される。従って、第一給水弁20(または両給水弁20,21)を開ければ、比較的大流量で給水することができ、第二給水弁21のみを開ければ、比較的小流量で給水することができる。
なお、本実施例では、第一給水弁20はエア駆動弁から構成される一方、第二給水弁21は電磁弁から構成される。また、給水源によっては、各給水弁20,21よりも上流側の給水路18に給水ポンプが設けられ、給水弁20(21)を開ける際、給水ポンプを作動させる。
排水手段5は、排水路24を介して、処理槽2内から水を排出する。排水路24は、処理槽2の底部に接続され、排水弁25および逆止弁26が設けられる。排水弁25を開けることで、処理槽2内の水を外部へ排出することができる。
圧縮空気供給手段6は、圧縮空気路27(28)を介して、処理槽2内へ圧縮空気を供給する。本実施例では、圧縮空気供給源からの第一圧縮空気路27は、圧縮空気遮断弁29、第一圧縮空気弁30および逆止弁31を介して、処理槽2の上部に接続される。また、第一圧縮空気路27の内、圧縮空気遮断弁29と第一圧縮空気弁30との間には、第二圧縮空気路28が分岐して設けられ、この第二圧縮空気路28は、第二圧縮空気弁32および逆止弁33を介して、給蒸路14(給蒸遮断弁16および給蒸弁17よりも処理槽2側の管路)に接続される。
第二圧縮空気路28は、第一圧縮空気路27よりも小径の配管で形成される。従って、第二圧縮空気路28による流量は、第一圧縮空気路27による流量よりも小流量とされる。圧縮空気遮断弁29を開けた状態で、第一圧縮空気弁30および/または第二圧縮空気弁32を開けることで、圧縮空気源からの圧縮空気を処理槽2内に供給して、大気圧を超える圧力に処理槽2内を加圧することができる。なお、本実施例では、第一圧縮空気弁30はエア駆動弁から構成される一方、第二圧縮空気弁32は電磁弁から構成される。
排気手段7は、大気圧を超える圧力下の処理槽2内から、排気路34を介して気体を排出する。排気路34は、処理槽2の上部に接続され、排気弁35が設けられる。図示例では、排気路34は、処理槽2側において第一圧縮空気路27(第一圧縮空気弁30および逆止弁31よりも処理槽2側の管路)と共通管路とされている。処理槽2内が大気圧を超える圧力にある状態で、排気弁35を開けると、処理槽2内の気体が排気路34を介して外部へ排出され、処理槽2内の圧力を下げることができる。
真空解除手段8は、大気圧未満の圧力下の処理槽2内へ、給気路36を介して外気を導入する。給気路36は、処理槽2の上部に接続され、真空解除弁37が設けられる。図示例では、給気路36は、処理槽2側において第一圧縮空気路27(第一圧縮空気弁30および逆止弁31よりも処理槽2側の管路)や排気路34(排気弁35よりも処理槽2側の管路)と共通管路とされている。処理槽2内が大気圧未満の圧力にある状態で、真空解除弁37を開けると、給気路36を介して外気が処理槽2内へ導入され、処理槽2内の圧力を大気圧まで戻すことができる。
図1において二点鎖線で示すように、殺菌装置1は、所望により、さらに循環手段38を備えてもよい。循環手段38は、処理槽2内の水を循環させる手段である。図示例では、処理槽2の下部と上部とが循環路39で接続されており、循環路39には循環ポンプ40とポンプ循環弁41とが設けられている。なお、図示例では、循環路39の上流側(循環ポンプ40よりも処理槽2側の管路)は、排水弁25よりも上流側の排水路24と共通管路とされている。
制御手段は、前記各センサ9~12の検出信号の他、経過時間などに基づき、前記各手段3~8を制御する制御器(図示省略)である。具体的には、ブリーダ弁13、給蒸遮断弁16、給蒸弁17、第一給水弁20、第二給水弁21、排水弁25、圧縮空気遮断弁29、第一圧縮空気弁30、第二圧縮空気弁32、排気弁35、真空解除弁37の他、圧力センサ9、温度センサ10、品温センサ11および水位センサ12などは、制御器に接続される。殺菌装置1が循環手段38を備える場合、制御器は、さらに、循環ポンプ40およびポンプ循環弁41にも接続される。そして、制御器は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内の被処理物の加熱殺菌やその後の冷却を行う。
本実施例の殺菌装置1は、典型的には、昇温工程、殺菌工程および冷却工程を順次に実行する。なお、殺菌装置1の運転停止中、上述した各弁の内、ブリーダ弁13、給蒸遮断弁16、給蒸弁17、第一給水弁20、第二給水弁21、圧縮空気遮断弁29、第一圧縮空気弁30および第二圧縮空気弁32は閉じられており、排水弁25、排気弁35および真空解除弁37は開けられている。そして、運転開始に先立ち、処理槽2内には被処理物が収容され、処理槽2の扉は気密に閉じられる。所定のスタートボタンが押されるなど、運転開始が指示されると、制御器は、排水弁25、排気弁35および真空解除弁37を閉じて、一連の工程を開始する。以下、各工程について説明する。
≪昇温工程≫
昇温工程では、処理槽2内の温度を殺菌温度まで上昇させる。そのために、給蒸遮断弁16および給蒸弁17を開けて、処理槽2内へ蒸気を供給する。この際、処理槽2内の温度が設定速度で上昇するように、給蒸遮断弁16の開閉をオンオフ制御するのが好ましい。具体的には、経過時間に応じて処理槽2内の温度を所定に高めていくが、各時点における目標温度の上限温度と下限温度との範囲に収まるように、給蒸遮断弁16をオンオフ制御するのが好ましい。つまり、上限温度を上回ると給蒸遮断弁16を閉鎖する一方、下限温度を下回ると給蒸遮断弁16を開放する。そして、上限温度や下限温度が徐々に高められることで、処理槽2内を殺菌温度範囲まで昇温させる。開度調整可能な給蒸弁17を有しながらも、敢えて給蒸遮断弁16をオンオフ制御することで、後述するように、処理槽2内の流体の撹拌を図ることができる。
昇温工程では、給蒸弁17の開度を段階的に小さくするのが好ましい。具体例を挙げると、運転開始時の低温域から殺菌温度の高温域までを、低温域(第一切替温度未満)、中温域(第一切替温度以上かつ第二切替温度未満)および高温域(第二切替温度以上)に分けておき、低温域ではたとえば開度100%(全開)、中温域ではたとえば開度60%、高温域ではたとえば開度40%と、給蒸弁17の開度を段階的に小さくしていくのがよい。これにより、処理槽2内の温度が殺菌温度を行き過ぎる(オーバーシュート)のを防止して、殺菌工程への移行を円滑に図ることができる。つまり、中温域と高温域との境界温度(第二切替温度)は、殺菌温度よりも低温に設定されており、殺菌温度が含まれる高温域では、給蒸弁17の開度が比較的小さく設定されているので、殺菌温度到達後の殺菌工程への移行(殺菌温度での保持)を容易に図ることができる。
昇温工程では、処理槽2内を昇温するに連れて、圧縮空気供給手段6により、大気圧を超える圧力(処理槽内温度相当の飽和蒸気圧力よりも高圧)に加圧するのがよい。この際、処理槽2内への圧縮空気の供給は、第二圧縮空気弁32を開けることで、第二圧縮空気路28および給蒸路14を介して行うのがよい。給蒸路14による蒸気中に圧縮空気を混入することで、圧縮空気を予熱して処理槽2内へ供給することができる。
昇温工程では、第二圧縮空気弁32と排気弁35とを制御することにより、処理槽2内の温度に応じた加圧がなされる。このような処理槽2内の加圧は、処理槽2内が殺菌温度まで上昇した後も、冷却工程の終了まで継続される。その間、圧縮空気遮断弁29は開放状態に維持され、圧縮空気弁30(32)と排気弁35の開閉が制御される。
≪殺菌工程≫
殺菌工程では、処理槽2内の温度を殺菌温度に保持して、被処理物を加熱して殺菌する。ここでは、処理槽2内の温度が殺菌温度を維持するように、給蒸遮断弁16の開閉をオンオフ制御する。たとえば、殺菌温度について、上限温度と下限温度とを設定(つまり殺菌温度範囲を設定)しておき、上限温度を上回ると給蒸遮断弁16を閉鎖する一方、下限温度を下回ると給蒸遮断弁16を開放して、処理槽2内を殺菌温度範囲に維持する。この間、給蒸弁17の開度は、一定(昇温工程の高温域の開度)に維持される。
殺菌工程において、給蒸弁17の開度を固定した状態で、給蒸遮断弁16の開閉を切り替えることで、処理槽2内の流体の撹拌を図ることができ、それにより処理槽2内の温度ムラを防止することができる。つまり、仮に、比例制御弁による開度調整だけで殺菌温度に維持する場合、比例制御弁の開度調整が連続的に且つ微小に行われると、処理槽2内の流体の撹拌を図ることができないが、本実施例のように、給蒸遮断弁16の開閉をオンオフ制御することで、給蒸遮断弁16を開放したときの蒸気噴流によって処理槽2内の流体の撹拌を図ることができる。
また、殺菌工程では、ブリーダ弁13を開けて処理槽2内の気体を徐々に外部へ逃がすことで、処理槽2内に気流を発生させてもよい。これによっても、処理槽2内の気体を流動させて、温度ムラを防止することができる。なお、ブリーダ弁13の開放は、殺菌工程だけでなく、前述した昇温工程でも実施可能である。
処理槽2内が殺菌温度以上で殺菌時間経過すると、給蒸遮断弁16および給蒸弁17を閉じて処理槽2内への給蒸を停止して、殺菌工程を終了する。なお、殺菌工程では、殺菌温度を段階的に変更してもよい。たとえば、第一殺菌温度で第一殺菌時間保持した後、第一殺菌温度よりも高い(または低い)第二殺菌温度まで昇温(または降温)して、第二殺菌温度で第二殺菌時間保持してもよい。処理槽2内の昇温は、前述した昇温工程と同様の操作で行うことができ、処理槽2内の降温は、後述する冷却工程と同様の操作で行うことができる。
≪冷却工程≫
冷却工程では、給水手段4により処理槽2内へ水を供給して、処理槽2内の被処理物を冷却する。冷却工程の開始直後、処理槽2内の圧力や温度が急激に低下しないように、第二給水弁21を開けて、比較的小流量で処理槽2内へ給水するのが好ましい。その後、設定条件を満たせば(たとえば所定時間経過するか、処理槽2内の温度、圧力または水位が所定になると)、第二給水弁21に代えて(またはそれに加えて)第一給水弁20を開けて、比較的大流量で給水すればよい。同様に、冷却開始直後、第二圧縮空気弁32ではなく第一圧縮空気弁30を開けることで、処理槽2内の急激な圧力低下を防止することもできる。この場合も、その後、第二圧縮空気弁32の制御へ切り替えてもよい。
給水路18による水は、処理槽2内上部の散水ノズル19から被処理物へ散水されて、被処理物を冷却する。冷却工程として、以下の各冷却動作が選択されて実施可能とされる。但し、第二冷却動作および第三冷却動作は、殺菌装置1が循環手段38を備える場合に実行可能とされる。どの冷却動作を実施するかは、予め制御器に設定されている。この設定の際、下記(a)~(c)に示すように、各冷却動作のいずれかを選択して実行可能に設定できる他、下記(d)に示すように、各冷却動作を組み合わせて順次に実行可能に設定できるのがよい。つまり、第一冷却動作、第二冷却動作および第三冷却動作の内、どの冷却動作をどの順で実行するかを、制御器に設定可能とするのがよい。これにより、たとえば、(1)第二冷却動作を行った後に第一冷却動作を行ったり、(2)第三冷却動作のみを行ったり、(3)第一冷却動作を行った後に第三冷却動作を複数回行ったりと、様々な内容で冷却工程を実行可能となる。
(a)第一冷却動作では、被処理物を浸漬する水位まで、給水手段4により処理槽2内に給水する。ここでは、被冷却物を完全に水没させるまで、給水手段4により処理槽2内に水を貯留する。そして、設定冷却時間の経過後、排水手段5により処理槽2内の水を外部へ排出する。なお、循環手段38を備える場合、循環手段38を作動させるのが好ましい。
(b)第二冷却動作では、被処理物を浸漬しない水位まで、給水手段4により処理槽2内に給水した状態で、循環手段38により設定循環時間、水を循環させる。処理槽2内底部の貯留水を循環手段38により被処理物へ噴射して戻すことで、被処理物の冷却を図ることができる。その後、排水手段5により、処理槽2外へ水を排出する。そして、好ましくは、このような動作(処理槽2内への給水、貯留水の循環、貯留水の排水のセット)を設定回数繰り返す。
(c)第三冷却動作では、被処理物を浸漬しない水位まで、給水手段4により処理槽2内に給水した状態で、循環手段38により水を循環させる。この循環中、給水手段4と排水手段5とを制御して、処理槽2内の水を徐々に入れ替えることで、循環水の冷却を図る。この際、温度下降速度が設定速度になるように、給水弁20(21)および排水弁25を間欠的に開閉して、処理槽2内への給水流量や処理槽2外への排水流量を調整するのが好ましい。なお、処理槽2内への給水は、第二給水弁21を開けて比較的小流量で行うのが好ましい。また、第二給水弁21を開放状態に維持して、比較的小流量で処理槽2内へ連続的に給水しつつ、排水弁25を間欠的に開閉制御してもよい。
(d)上述した第二冷却動作と第三冷却動作とを組み合わせる(たとえば第二冷却動作を複数回行った後に第三冷却動作を行う)など、各冷却動作を組み合わせてもよい。
いずれにしても、所定時間だけ冷却工程を実施するか、処理槽2内の温度または被冷却物の品温が所定温度まで下がると、処理槽2内への給水を停止すると共に、排水手段5により処理槽2内の水を排出して、冷却工程を終了する。この際、圧縮空気供給手段6による処理槽2内の加圧も停止される。その後、排気弁35を開けて、処理槽2内の加圧を解除した後、さらに真空解除弁37を開放して、処理槽2内を確実に大気圧とする。これにより、処理槽2の扉を開けて、処理槽2内から被処理物を取り出すことができる。
ところで、前記第一冷却動作では、所定の満水位まで処理槽2内に水を貯留して、被処理物を水没させた状態で、被処理物を冷却する。この際、殺菌装置1が循環手段38を備える場合、前述したとおり、循環手段38を作動させるのが好ましい。但し、循環手段38の作動開始は、必ずしも前記満水位まで待つ必要はない。すなわち、給水手段4による処理槽2内への給水中、処理槽2内の貯留水が設定水位以上になるか、貯留水の温度が設定温度以下になると、循環手段38を作動させてもよい。
給水手段4による処理槽2内への給水中、最終的な到達水位になる前でも、処理槽2内の貯留水が設定水位以上になるか、貯留水の温度が設定温度以下になると、循環手段38を作動させることで、迅速な冷却を図ることができる。しかも、貯留水の温度が設定温度(たとえば80℃)以下になるか、そのような温度になる水位以上になることを条件に、循環手段38による循環を開始すれば、耐熱温度の高い循環ポンプ40を用いる必要がなく(つまり熱水対応仕様ではなく標準仕様の循環ポンプ40を使用でき)、循環ポンプ40の冷却システム(メカニカルシール部の冷却構成)を不要とすることもできる。
なお、処理槽2内の貯留水が設定水位以上になることを条件に、循環手段38による循環を開始する場合、処理槽2内への被処理物の投入量に応じて、前記設定水位を変更可能としてもよい。具体的には、処理槽2内への被処理物の投入重量をロードセルなどで測定可能としておき、その測定重量に基づき、循環を開始するための前記設定水位を変更可能としてもよい。被処理物の量が少なければ、比較的低水位から循環を開始して、処理量に応じた冷却が可能となる。また、処理槽2内への被処理物の投入量に応じて、最終的な満水位も変更可能としてもよい。
本発明の殺菌装置1は、前記実施例の構成(制御を含む)に限らず、適宜変更可能である。特に、(a)被処理物が収容される処理槽2と、この処理槽2内に蒸気を供給して被処理物を加熱する給蒸手段3と、この給蒸手段3を制御する制御手段とを備え、(b)給蒸手段3は、処理槽2内への給蒸路14に、給蒸の有無をオンオフで切り替える給蒸遮断弁16と、開度調整可能な給蒸弁17とを直列に備え、(c)被処理物を加熱する殺菌工程では、給蒸弁17の開度を固定した状態で、給蒸遮断弁16の開閉を切り替えるのであれは、その他の構成は適宜に変更可能である。
1 殺菌装置
2 処理槽
3 給蒸手段
4 給水手段
5 排水手段
6 圧縮空気供給手段
7 排気手段
8 真空解除手段
9 圧力センサ
10 温度センサ
11 品温センサ
12 水位センサ
13 ブリーダ弁
14 給蒸路
15 給蒸ノズル
16 給蒸遮断弁
17 給蒸弁
18 給水路
19 散水ノズル
20 第一給水弁
21 第二給水弁
22 逆止弁
23 バイパス路
24 排水路
25 排水弁
26 逆止弁
27 第一圧縮空気路
28 第二圧縮空気路
29 圧縮空気遮断弁
30 第一圧縮空気弁
31 逆止弁
32 第二圧縮空気弁
33 逆止弁
34 排気路
35 排気弁
36 給気路
37 真空解除弁
38 循環手段
39 循環路
40 循環ポンプ
41 ポンプ循環弁

Claims (5)

  1. 被処理物が収容される処理槽と、この処理槽内に蒸気を供給して被処理物を加熱する給蒸手段と、この給蒸手段を制御する制御手段とを備え、
    前記給蒸手段は、前記処理槽内への給蒸路に、給蒸の有無をオンオフで切り替える給蒸遮断弁と、開度調整可能な給蒸弁とを直列に備え、
    前記制御手段は、前記被処理物を加熱する殺菌工程では、前記給蒸弁の開度を固定した状態で、前記給蒸遮断弁の開閉を切り替える
    ことを特徴とする殺菌装置。
  2. 前記制御手段は、前記処理槽内を殺菌温度まで上昇させる昇温工程と、前記処理槽内を殺菌温度に保持する殺菌工程とを順に実行し、
    前記制御手段は、前記昇温工程では、前記給蒸弁の開度を段階的に小さくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌装置。
  3. 前記処理槽内への給水手段と、前記処理槽外への排水手段とを備え、
    前記制御手段は、前記殺菌工程後の冷却工程では、前記給蒸遮断弁を閉じた状態で、前記被処理物を浸漬する水位まで前記給水手段により前記処理槽内に水を貯留して、前記被処理物の冷却を図る
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の殺菌装置。
  4. 前記処理槽内の底部からの水を前記処理槽内の被処理物へ噴射して戻す循環手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記給水手段による前記処理槽内への給水中、前記処理槽内の貯留水が設定水位以上になるか、貯留水の温度が設定温度以下になると、前記循環手段を作動させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の殺菌装置。
  5. 前記冷却工程では、前記被処理物を浸漬する水位まで前記処理槽内に水を貯留することに代えて、前記制御手段は、前記被処理物を浸漬しない水位まで前記処理槽内に水を貯留して、その貯留水を前記循環手段により前記被処理物へ噴射して戻すことで、前記被処理物の冷却を図る
    ことを特徴とする請求項4に記載の殺菌装置。
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