JP7049294B2 - 自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器 - Google Patents

自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器 Download PDF

Info

Publication number
JP7049294B2
JP7049294B2 JP2019144271A JP2019144271A JP7049294B2 JP 7049294 B2 JP7049294 B2 JP 7049294B2 JP 2019144271 A JP2019144271 A JP 2019144271A JP 2019144271 A JP2019144271 A JP 2019144271A JP 7049294 B2 JP7049294 B2 JP 7049294B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
self
current
power converter
excited power
impedance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019144271A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021027710A (ja
Inventor
誠喜 大矢
孝志 相原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2019144271A priority Critical patent/JP7049294B2/ja
Publication of JP2021027710A publication Critical patent/JP2021027710A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7049294B2 publication Critical patent/JP7049294B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/60Arrangements for transfer of electric power between AC networks or generators via a high voltage DC link [HVCD]

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Direct Current Feeding And Distribution (AREA)
  • Control Of Voltage And Current In General (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器に関する。
自励式電力変換器は、電力用半導体スイッチング素子をオンオフ制御することにより、直流電圧を交流電圧に変換したり、交流電圧を直流電圧に変換したりすることが可能な電力変換器である。自励式電力変換器は、交流電力系統と連系する場合、系統側から見ると、連系インピーダンス背後の交流電圧源とみなすことができる。
交流電力系統と連系する自励式電力変換器の出力電圧に対する応答として系統インピーダンスに流れる電流、すなわち自励式電力変換器の出力電流を制御するために、自励式電力変換器の制御装置は電流制御系を備える。
このような電流制御系に関する従来技術として、特許文献1(図4)に記載の技術が知られている。
本技術では、d軸電流指令と、出力電流から算出されるd軸電流との差分に応じた、d軸電流制御器(例えば、比例積分制御器)の出力値(電圧値)に、系統電圧に基づいて算出されるd軸電圧がフィードフォワード値として加算される。また、q軸電流指令と、出力電流から算出されるq軸電流との差分に応じた、q軸電流制御器(例えば、比例積分制御器)の出力値(電圧値)に、系統電圧に基づいて算出されるq軸電圧がフィードフォワード値として加算される。さらに、dq軸の電流の干渉を抑制するために、d軸電流制御器の出力値、およびq軸電流制御器の出力値に、それぞれ、q軸電流指令と連系用変圧器の漏れインピーダンスとの乗算値、およびd軸電流指令と連系用変圧器の漏れインピーダンスとの乗算値が加減算される。
特開2016-115100号公報
上記のような従来技術による電流制御系は、系統条件の変化を考慮していない固定値の系統インピーダンスに基づいて設計される。そのため、系統条件の変化(例えば、事故や系統切替など)により、系統インピーダンスが初期設計時から大きく変化する場合、制御が不安定になるという問題がある。
そこで、本発明は、系統インピーダンスが変化した場合でも、制御を安定化できる自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による電流制御系の設計方法は、連系用変圧器を介して交流電力系統に連系する自励式電力変換器の電流制御系の設計方法であって、連系用変圧器のインピーダンスをパラメータとする第1の伝達関数を設定し、交流電力系統の系統インピーダンスをパラメータとし、かつ系統インピーダンスの変動に対する補償要素を有する第2の伝達関数を設定する。
また、上記課題を解決するために、本発明による自励式電力変換器の制御装置は、連系用変圧器を介して交流電力系統に連系する自励式電力変換器の制御装置であって、電流制御系を備え、電流制御系は、連系用変圧器のインピーダンスをパラメータとし、電流指令と自励式電力変換器の交流側の電流との差分に応じて、第1の電圧指令値を出力する第1の電流制御器と、交流電力系統の系統インピーダンスをパラメータとし、かつ系統インピーダンスの変動に対する補償手段を有し、電流指令と自励式電力変換器の交流側の電流との差分に応じて、第2の電圧指令値を出力する第2の電流制御器と、を備え、電流制御系は、第1の電圧指令値と、第2の電圧指令値と、に基づいて、自励式電力変換器への電圧指令を作成する。
また、上記課題を解決するために、本発明による自励式電力変換器は、連系用変圧器を介して交流電力系統に連系するものであって、複数の電力用半導体スイッチング素子によって構成される電力変換主回路と、電力用半導体スイッチング素子をオンオフ制御する制御装置と、を備え、制御装置は上記本発明による自励式電力変換器の制御装置である。
本発明によれば、系統インピーダンスの変動に対して、自励式電力変換器を安定に制御できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
一実施形態である電力変換システムの構成図である。 実施形態における電流制御系の構成例を示すブロック図である。 電流制御系と制御対象を含む制御モデルを示すブロック図である。 制御モデルの伝達関数を示すブロック図である。 制御モデルの伝達関数の別の表現を示すブロック図である。 式(6)によって表される電流制御系を示すブロック図である。 図6の伝達関数を用いて設計される自励式電力変換器の電流制御系の一例を示すブロック図である。 送配電系統のインピーダンスの変化を考慮して設計された本実施形態における電流制御系の一例を示すブロック図である。 図8における伝達関数802の一例を示すブロック図である。 一実施例である電流制御系におけるフィルタF(s)の前後の信号の波形例を示す図である。 一実施例である電流制御系によって制御される自励式電力変換器による交流電力潮流における有効電力の波形例を示す図である。 一実施例である電流制御系によって制御される自励式電力変換器による交流電力潮流における無効電力の波形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いながら説明する。
なお、各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
図1は、本発明の一実施形態である電力変換システムの構成図である。
自励式電力変換器204の交流側は、連系用変圧器203を介して、交流電源201および送配電系統202を含む第1の交流電力系統に接続される。なお、送配電系統202は、交流電源201と連系用変圧器203間に存在する負荷(例えば、モータなど)および電力ケーブルから構成される。
また、自励式電力変換器216の交流側は、連系用変圧器217を介して、交流電源219および送配電系統218を含む第2の交流電力系統に接続される。なお、送配電系統218は、交流電源219と連系用変圧器217間に存在する負荷(例えば、モータなど)および電力ケーブルから構成される。
自励式電力変換器204の直流側と自励式電力変換器216の直流側とは、直流送電線213および直流送電線214を介して互いに接続される。なお、直流送電線213と自励式電力変換器204の直流側との間、直流送電線213と自励式電力変換器216の直流側との間には、それぞれ、直流リアクトル211および直流リアクトル212が設けられる。
自励式電力変換器204,216は、直流電力を交流電力に変換したり、交流電力を直流電力に変換したりする。ここで、交流電力は、自励式電力変換器204と第1の交流電力系統との間、並びに自励式電力変換器216と第2の交流電力系統との間で伝送される。また、直流電力は、自励式電力変換器204と自励式電力変換器216との間で伝送される。このように、本実施形態の電力変換システムは、直流送電システムもしくはBTB(back to back)システムを構成している。
本実施形態において、自励式電力変換器204,216の各々は、複数の電力用半導体スイッチング素子から構成される電圧形の電力変換主回路を備えている。複数の電力用半導体スイッチング素子が、制御部(205,206)が作成する制御信号(S1,S2)によってオンオフ制御されることにより、電力変換主回路は、直流電圧を交流電圧に変換したり、交流電圧を直流電圧に変換したりする。
電力変換主回路としては、例えば、3相フルブリッジ回路が適用される。また、電力用半導体スイッチング素子として、図1に示す自励式電力変換器204,216では、自己消弧形スイッチング素子であるGTO(Gate Turn Off)サイリスタが適用される。なお、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの他の自己消弧形スイッチング素子が適用されてもよい。また、サイリスタが適用されてもよいが、この場合、電力変換主回路は転流回路を備える。
制御部205,206の各々は、それぞれ、自励式電力変換器204,216の交流側の電流、すなわち自励式電力変換器204,216による系統電流を制御量とし、この系統電流をフィードバック量とする電流制御系を有する。さらに、制御部205,206の各々は、電流制御系に対する指令値を作成するために、電流制御系よりも上位の制御系である、電圧制御系、有効電力制御系、無効電力制御系などを有する。
図2は、本実施形態における電流制御系の構成例を示すブロック図である。
本実施形態においては、いわゆるベクトル制御が適用される。このため、図示していないが、各制御部(205,206)は、三相交流量(電流、電圧)を直流量に変換するために、静止座標系を用いる三相/二相変換器(αβ変換器)および回転座標系を用いるdq変換器を備えている。
図2に示す電流制御系においては、電流を、基準電圧に対する有効分(dq変換器が出力するd軸電流)および無効分(dq変換器が出力するq軸電流)に分けて制御する。すなわち、d軸電流およびq軸電流の各々について、電流フィードバック制御系が構成され、電流検出値を電流指令に制御するための電圧指令が作成される。
以下、d軸電流の制御について説明する。
図2に示すように、上位制御系で作成されるd軸電流指令Idrefとd軸電流検出値Iとの差分が、制御関数104(H(s))(すなわち伝達関数)に入力される。制御関数104は、いわゆる電流制御器(例えば、前述の特許文献1(図4)に記載の「ACR」)に相当する。制御関数104の出力値であるd軸電圧値V に、d軸系統電圧Vを、フィルタ107(FFF)で補正してから、フィードフォワード値として加算する。また、dq軸電流間の干渉を抑制するために、連系用変圧器(図1の「203,217」)のリアクタンス109(x)による電圧降下を補正する。このため、d軸電流指令Idrefとリアクタンス109(x)との乗算値が、d軸電圧値V から減算される。このようにして、電流制御系によって、自励式電力変換器のd軸電圧指令Vdrefが作成される。
次に、q軸電流の制御について説明する。
上述のd軸電流の制御と同様に、q軸電流指令Iqrefとq軸電流検出値Iとの差分が、制御関数104(H(s))(すなわち伝達関数)に入力される。制御関数104の出力値であるq軸電圧値V に、q軸系統電圧Vを、フィルタ107(FFF)で補正してから、フィードフォワード値として加算する。また、dq軸電流間の干渉を抑制するために、連系用変圧器(図1の「203,217」)のリアクタンス109(x)による電圧降下を補正する。このため、q軸電流指令Iqrefとリアクタンス109(x)との乗算値が、q軸電圧値V から減算される。このようにして、電流制御系によって、自励式電力変換器のq軸電圧指令Vqrefが作成される。
なお、制御部(205,206)は、d軸電圧指令Vdrefおよびq軸電圧指令Vqrefを、図示しない逆dq変換器および二相/三相変換器(逆αβ変換器)によって三相交流電圧指令に変換する。さらに、制御部は、三相交流電圧指令に応じて、例えばいわゆるPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、自励式電力変換器(204,216)における電力変換主回路を構成する電力用半導体スイッチング素子をオンオフ制御するための制御信号(S1,S2)を作成する。
以下、本実施形態における電流制御系の設計方法について、図3~9を用いて説明する。
図3は、電流制御系と制御対象を含む制御モデルを示すブロック図である。
制御モデル300は、電流制御系301および制御対象302からなる。ここで、制御対象302は、自励式電力変換器(204,216)の交流側が接続される連系用変圧器(203,217)および送配電系統(202,218)に相当し、伝達関数Y(s)としてモデル化されている。なお、電流制御系301の制御関数G(s)は、図2に示す制御関数104(H(s))に対応する。
図3に示すように、制御対象302の電流応答Iがフィードバックされ、電流指令Irefと電流フィードバック値との差分が電流制御系301に入力される。この差分に応じて、電流制御系301は、電圧指令Vを出力する。この電圧指令Vに対する制御対象302の応答が電流応答Iである。
図4は、制御モデルの伝達関数を示すブロック図である。
まず、制御対象302のモデルである伝達関数Y(s)は、アドミタンスに相当するので、抵抗成分をR、インダクタンス成分をLとすると、式(1)で表される。なお、式(1)中で「s」は、ラプラス演算子である(他の式も同様)。
Figure 0007049294000001
また、図3におけるG(s)およびY(s)をそれぞれGおよびYと略記すると、電流指令Irefおよび電流応答Iの関係が式(2)で表される。
Figure 0007049294000002
式(2)を伝達関数の形に変形すると、式(3)が得られる。
Figure 0007049294000003
式(3)の右辺が、図3における制御モデル300の伝達関数、すなわち図4に図示される制御モデル400の伝達関数を表している。
図5は、制御モデルの伝達関数の別の表現を示すブロック図である。
図5に示すように、電流制御系の閉ループの伝達関数、すなわち電流指令Irefに対する制御応答ωとなる伝達関数は、一次遅れ要素「1/(1+(s/ω))」で表わせることが知られている。
ここで、図4に示す伝達関数と図5に示す伝達関数とを比較すると、(1/ω)=T(時定数に相当)として、式(4)が得られる。
Figure 0007049294000004
式(4)から、電流制御系の制御関数G(s)は式(5)で表される。
Figure 0007049294000005
さらに、式(5)および前述の式(1)から、式(6)が得られる。
Figure 0007049294000006
図6は、式(6)によって表される電流制御系を示すブロック図である。
電流制御系の制御関数601、すなわちG(s)は、式(6)の右辺第一項に対応する伝達関数601a(R/(T・s))および右辺第二項に対応する伝達関数601b(L/T)からなる。電流指令Irefと、フィードバック値である電流応答Iとの差分が、伝達関数601a,601bの各々に入力され、各出力が加算されることにより、電流指令Irefに対する電圧指令Vが作成される。
以下、図6に示す電流制御系の制御関数601を用いて、図1の電力変換システムにおける制御部205,206が備える電流制御系を設計する方法について説明する。なお、制御部205,206が備える電流制御系は、同じ構成を有するので、以下では、制御部205が備える電流制御系について説明し、制御部206が備える電流制御系については、説明を省略する。
図1の電力変換システムにおいて、第1の交流電力系統の系統インピーダンス、すなわち送配電系統202のインピーダンスの抵抗成分およびインダクタンス成分をそれぞれRおよびLとし、連系用変圧器203のインピーダンスの抵抗成分およびインダクタンス成分をそれぞれRおよびLとする。なお、送配電系統218および連系用変圧器217についても同様である。
図6におけるRおよびLが、それぞれ、自励式電力変換器204(図1)の交流側に接続されるインピーダンスの抵抗成分およびインダクタンス成分とすると、R=R+R,L=L+Lとなる。これらの関係から、図6の伝達関数を用いて、送配電系統202および連系用変圧器203に接続される自励式電力変換器204の電流制御系を設計できる。
図7は、図6の伝達関数を用いて設計される自励式電力変換器204の電流制御系の一例を示すブロック図である。
電流制御系の制御関数601(G(s))は、連系用変圧器203のインピーダンス(R,L)をパラメータとする伝達関数701と、送配電系統202のインピーダンス(R,L)をパラメータとする伝達関数801とからなる。
伝達関数701は、Rをパラメータとする伝達関数701a(R/(T・s))とLをパラメータとする伝達関数701b(L/T)とからなる。電流指令Irefと、フィードバック値である電流応答Iとの差分(=Iref-I)が、伝達関数701a,701bの各々に入力され、各出力が加算されて、伝達関数701の出力となる。
伝達関数801は、Rをパラメータとする伝達関数801a(R/(T・s))とLをパラメータとする伝達関数801b(L/T)とからなる。電流指令Irefと、フィードバック値である電流応答Iとの差分が、伝達関数801a,801bの各々に入力され、各出力が加算されて、伝達関数801の出力となる。
さらに、伝達関数701の出力である電圧指令値と伝達関数801の出力である電圧指令値とが加算されることにより、電流指令Irefに応じた、自励式電力変換器204に対する電圧指令Vが作成される。
ここで、連系用変圧器203のインピーダンスは一定値であるが、送配電系統202のインピーダンスは変化し得る。このため、図7の制御関数601におけるパラメータRおよびLが設計時の値(一定値)のままであると、送配電系統202のインピーダンスが大きく変化した場合に電流制御系の安定性が低下する可能性がある。そこで、本実施形態では、送配電系統202のインピーダンスの変化を考慮した伝達関数を設けることにより、送配電系統のインピーダンスが制御系設計時から大きく変化した場合でも、安定な制御を維持する。
図8は、送配電系統202のインピーダンスの変化を考慮して設計された本実施形態における電流制御系の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、電流制御系の制御関数901(G(s))は、連系用変圧器203のインピーダンス(R,L)をパラメータとする伝達関数701と、送配電系統202のインピーダンス(R,L)をパラメータとし、送配電系統202のインピーダンスの変動に対する補償要素を有する伝達関数802(M(s))とからなる。なお、伝達関数701の構成は、図7に示す制御関数と同様である。
電流指令Irefと、フィードバック値である電流応答Iとの差分(=Iref-I)が、伝達関数701,802の各々に入力され、各出力が加算されて、電流指令Irefに応じた、自励式電力変換器204に対する電圧指令Vが作成される。
図8に示す制御関数901の設計においては、連系用変圧器のインピーダンス(R,L)をパラメータとする伝達関数701が設定されるとともに、系統インピーダンス(R,L)をパラメータとし、かつ系統インピーダンス(R,L)の変動に対して制御を安定化するための補償要素を有する伝達関数802が設定される。なお、これらのパラメータは、電流制御系の設計時に設定される定数パラメータである。
制御関数901(G(s))において、送配電系統202のインピーダンスの変化に対する補償要素を有する伝達関数802(M(s))が設けられることにより、系統のインピーダンス変化に対する制御の安定性が向上する。
図9は、図8における伝達関数802(M(s))の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、送配電系統202のインピーダンスの変化に対する補償要素を有する伝達関数802(M(s))は、送配電系統202のインピーダンス(R,L)をパラメータとする伝達関数802aと、送配電系統202のインピーダンス(R,L)をパラメータとしかつフィルタ802bcを有する補償要素802bとからなる。
伝達関数802aは、Rをパラメータとする伝達関数802aa(R/(T・s))とLをパラメータとする伝達関数802ab(L/T)とからなる。電流指令Irefと、フィードバック値である電流応答Iとの差分が、伝達関数802aa,802abの各々に入力され、各出力が加算されて、伝達関数802aの出力となる。なお、伝達関数802aa,802abは、それぞれ、図7における伝達関数801a,801bと同様である。
補償要素802bは、Rをパラメータとする伝達関数802ba(R/(T・s))と、Lをパラメータとする伝達関数802bb(L/T)と、フィルタ802bcとからなり、伝達関数802aに付加される。なお、伝達関数802ba,802bbは、それぞれ、伝達関数802aa,802abと同様である。電流指令Irefと、フィードバック値である電流応答Iとの差分が、伝達関数802ba,802bbの各々に入力され、各出力の加算値がフィルタ802bcに入力される。そして、この加算値に応じたフィルタ802bcの出力が、補償要素802bの出力となる。
伝達関数802aの出力と補償要素802bの出力との差分(伝達関数802aの出力-補償要素802bの出力)が、伝達関数802の出力となる。そして、伝達関数701の出力である電圧指令値と伝達関数802の出力である電圧指令値とが加算されて、電流指令Irefに対する電圧指令Vが作成される。
フィルタ802bcとしては、ローパスフィルタやチェビシェフフィルタなど、各種のフィルタが適用できる。なお、電力系統(本実施形態では送配電系統)で発生し得るインピーダンスの変化の状態に応じて、フィルタの種類やタイプが、適宜、設定される。
なお、図9における伝達関数701,802aは、制御部205が備える電流制御系における電流制御器(ACR)の機能を表す。また、伝達関数802bは、電流制御器に付加される補償手段の機能を表す。なお、伝達関数802ba,802bbも、いわば電流制御器としての機能を表す。
なお、伝達関数701,802aの各々は、比例積分制御(PI制御)を表している。また、伝達関数802ba,802bbからなる伝達関数も、比例積分制御(PI制御)を表している。
図10は、本実施形態の設計方法が適用される本発明の一実施例である電流制御系(図9参照)におけるフィルタF(s)の前後の信号(入出力信号)の波形例を示す図である。
図10に示すように、フィルタF(s)により、入力信号の変動成分が除去されている。
図11は、本実施形態の設計方法が適用される本発明の一実施例である電流制御系(図9参照)によって制御される自励式電力変換器による交流電力潮流における有効電力の波形例を示す図である。なお、比較例として、電流制御系が系統インピーダンスの変化に対する補償要素を備えない場合(図7参照)の有効電力の波形を併記する。
また、図12は、本実施形態の設計方法が適用される本発明の一実施例である電流制御系(図9参照)によって制御される自励式電力変換器による交流電力潮流における無効電力の波形例を示す図である。なお、比較例として、電流制御系が系統インピーダンスの変化に対する補償要素を備えない場合(図7参照)の無効電力の波形を併記する。
図11および図12は、シミュレーションを用いた本発明者による検討結果である。本シミュレーションにおいては、系統インピーダンスが、設計時の約4倍に増加したとしている。
図11および図12に示すように、比較例では、有効電力Pおよび無効電力Qが共に発散しており、系統インピーダンスが設計時から大きく変化したことにより、制御が不安定になっている。これに対し、本発明の一実施例では、系統インピーダンスが設計時から大きく変化した状態であっても、安定な制御がなされている。
上述のように、本実施形態による設計方法によれば、連系用変圧器のインピーダンスをパラメータとする伝達関数が設定されるとともに、系統インピーダンスをパラメータとし、かつ系統インピーダンスの変動に対して制御を安定化するための補償要素を有する伝達関数が設定されることにより、系統インピーダンスの変化に対して制御を安定化できる電流制御系を設計できる。なお、補償要素がフィルタを含むことにより、比較的簡単な補償要素の構成で、制御を安定化できる電流制御系を設計できる。
また、本実施形態による制御部すなわち制御装置によれば、系統インピーダンスの変化に対する補償要素を有する電流制御系を備えることにより、自励式電力変換器による交流電力潮流を安定に制御できる。
また、本実施形態による自励式電力変換器によれば、系統インピーダンスの変化に対する補償要素を有する電流制御系を備える制御部を備えることにより、系統インピーダンスの変化に対して、交流電力潮流を安定に制御できる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、自励式電力変換器は、電力系統に連系すれば、直流送電用やBTB用に限らず、例えば、STATCOM(static synchronous compensator)などでもよい。
104 制御関数、107 フィルタ、109 リアクタンス、
201 交流電源、202 送配電系統、203 連系用変圧器、
204 自励式電力変換器、205,206 制御部、
211,212 直流リアクトル、213,214 直流送電線、
216 自励式電力変換器、217 連系用変圧器、218 送配電系統、
219 交流電源、
300 制御モデル、301 電流制御系、302 制御対象、
400,500 制御モデル、
601 制御関数、601a,601b 伝達関数、
701,701a,701b 伝達関数、
801,801a,801b 伝達関数、
802,802a,802aa,802ab 伝達関数、
802b 補償要素、802ba,802bb 伝達関数、802bc フィルタ、
901 制御関数

Claims (9)

  1. 連系用変圧器を介して交流電力系統に連系する自励式電力変換器の電流制御系の設計方法において、
    前記連系用変圧器のインピーダンスをパラメータとする第1の伝達関数を設定し、
    前記交流電力系統の系統インピーダンスをパラメータとし、かつ前記系統インピーダンスの変動に対する補償要素を有する第2の伝達関数を設定することを特徴とする自励式電力変換器の電流制御系の設計方法。
  2. 請求項1に記載の自励式電力変換器の電流制御系の設計方法において、
    前記第2の伝達関数は、前記系統インピーダンスをパラメータとする第3の伝達関数を有し、
    前記補償要素は、前記第3の伝達関数に付加されることを特徴とする自励式電力変換器の電流制御系の設計方法。
  3. 請求項2に記載の自励式電力変換器の電流制御系の設計方法において、
    前記補償要素は、
    前記系統インピーダンスをパラメータとする第4の伝達関数と、
    前記第4の伝達関数の出力を入力するフィルタと、
    を有し、
    前記フィルタの出力を前記補償要素の出力とすることを特徴とする自励式電力変換器の電流制御系の設計方法。
  4. 連系用変圧器を介して交流電力系統に連系する自励式電力変換器の制御装置において、
    電流制御系を備え、
    前記電流制御系は、
    前記連系用変圧器のインピーダンスをパラメータとし、電流指令と前記自励式電力変換器の交流側の電流との差分に応じて、第1の電圧指令値を出力する第1の電流制御器と、
    前記交流電力系統の系統インピーダンスをパラメータとし、かつ前記系統インピーダンスの変動に対する補償手段を有し、電流指令と前記自励式電力変換器の交流側の電流との差分に応じて、第2の電圧指令値を出力する第2の電流制御器と、
    を備え、
    前記電流制御系は、前記第1の電圧指令値と、前記第2の電圧指令値と、に基づいて、前記自励式電力変換器への電圧指令を作成することを特徴とする自励式電力変換器の制御装置。
  5. 請求項4に記載の自励式電力変換器の制御装置において、
    前記第2の電流制御器は、前記系統インピーダンスをパラメータとする第3の電流制御器を有し、
    前記補償手段は、前記第3の電流制御器に付加されることを特徴とする自励式電力変換器の制御装置。
  6. 請求項5に記載の自励式電力変換器の制御装置において、
    前記補償手段は、
    前記系統インピーダンスをパラメータとする第4の電流制御器と、
    前記第4の電流制御器の出力を入力するフィルタと、
    を有し、
    前記フィルタの出力を前記補償手段の出力とすることを特徴とする自励式電力変換器の制御装置。
  7. 連系用変圧器を介して交流電力系統に連系する自励式電力変換器において、
    複数の電力用半導体スイッチング素子によって構成される電力変換主回路と、
    前記電力用半導体スイッチング素子をオンオフ制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は電流制御系を備え、
    前記電流制御系は、
    前記連系用変圧器のインピーダンスをパラメータとし、電流指令と前記自励式電力変換器の交流側の電流との差分に応じて、第1の電圧指令値を出力する第1の電流制御器と、
    前記交流電力系統の系統インピーダンスをパラメータとし、かつ前記系統インピーダンスの変動に対する補償手段を有し、電流指令と前記自励式電力変換器の交流側の電流との差分に応じて、第2の電圧指令値を出力する第2の電流制御器と、
    を備え、
    前記電流制御系は、前記第1の電圧指令値と、前記第2の電圧指令値と、に基づいて、前記自励式電力変換器への電圧指令を作成することを特徴とする自励式電力変換器。
  8. 請求項7に記載の自励式電力変換器において、
    前記第2の電流制御器は、前記系統インピーダンスをパラメータとする第3の電流制御器を有し、
    前記補償手段は、前記第3の電流制御器に付加されることを特徴とする自励式電力変換器。
  9. 請求項8に記載の自励式電力変換器において、
    前記補償手段は、
    前記系統インピーダンスをパラメータとする第4の電流制御器と、
    前記第4の電流制御器の出力を入力するフィルタと、
    を有し、
    前記フィルタの出力を前記補償手段の出力とすることを特徴とする自励式電力変換器。
JP2019144271A 2019-08-06 2019-08-06 自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器 Active JP7049294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019144271A JP7049294B2 (ja) 2019-08-06 2019-08-06 自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019144271A JP7049294B2 (ja) 2019-08-06 2019-08-06 自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021027710A JP2021027710A (ja) 2021-02-22
JP7049294B2 true JP7049294B2 (ja) 2022-04-06

Family

ID=74663264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019144271A Active JP7049294B2 (ja) 2019-08-06 2019-08-06 自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7049294B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002238163A (ja) 2001-02-06 2002-08-23 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置
WO2013026583A1 (en) 2011-08-22 2013-02-28 Siemens Aktiengesellschaft Method for controlling a dc-ac converter of a wind turbine

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1141812A (ja) * 1997-07-23 1999-02-12 Hitachi Ltd 電力系統用自励式変換器の制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002238163A (ja) 2001-02-06 2002-08-23 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置
WO2013026583A1 (en) 2011-08-22 2013-02-28 Siemens Aktiengesellschaft Method for controlling a dc-ac converter of a wind turbine

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021027710A (ja) 2021-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10224830B2 (en) System and method for controlling a back-to-back three-level converter with voltage ripple compensation
JP4101515B2 (ja) 高電圧直流送電システムにおける有効電力制御
US7471529B2 (en) Universal three phase controllers for power converters
JP2000253579A (ja) 直列補償装置
JP6730946B2 (ja) 電力変換器の制御装置
JP6494378B2 (ja) 電力変換システムおよび電力変換システムの制御方法
WO2019215842A1 (ja) 電力変換装置
EP3503373A1 (en) Matrix converter system with current control mode operation
EP1811644A1 (en) Converter control method and converter control device
JP7049294B2 (ja) 自励式電力変換器の電流制御系の設計方法、自励式電力変換器の制御装置、並びに自励式電力変換器
JP5115730B2 (ja) Pwmコンバータ装置
JP3296065B2 (ja) Pwmコンバータの制御回路
JP5865104B2 (ja) 電圧型電力変換器の電流制御装置及び電圧型電力変換器の電流制御方法
JP5904883B2 (ja) 変圧器多重電力変換装置
KR102339935B1 (ko) 입력 전류의 고조파 저감을 위한 정류기 제어기가 구비된 무정전 전원장치 및 그 제어방법
JPH0515070A (ja) 並列運転制御装置
SE517777C2 (sv) Anordning och förfarande för spänningsreglering i ett elektriskt transmissionsnät
KR102142288B1 (ko) 분산전원 계통연계 장치의 제어 시스템
JP2674402B2 (ja) 交流出力変換器の並列運転制御装置
JP3923756B2 (ja) 多重接続した自励式変換器の制御装置
WO2023214462A1 (ja) 電力変換装置
CN114221562B (zh) 一种电压源型变换器的动态贴下限直流侧电压控制方法
SE523758C2 (sv) Styrutrustning för PWM-modulerad spänningsstyv strömriktare samt förfarande för styrning därav
JP3312178B2 (ja) 自励式インバータの制御装置
JP6914132B2 (ja) Pwmコンバータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7049294

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150