図1及び図2を参照して本発明の第1実施形態のシャシダイナモ装置用負荷モータ(以下、負荷モータと略記する)1を説明する。負荷モータ1は、自動車の性能試験を行うシャシダイナモ装置に設けられ、自動車の車軸端に設けられる駆動輪連結部8に取付可能である。駆動輪連結部8は、自動車の車両懸架装置の構造によって異なるが、ブレーキディスク8a、ホイールハブ等を含む部位である。負荷モータ1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4とを備えている。
以下の説明では、径方向をr、その外方、内方をそれぞれo,iとしている。又、自動車の車幅方向を軸方向x、車幅方向外方を軸方向xの外方o、車幅方向内方を軸方向xの内方iとしている。ケース2は、周壁部5と、端壁部6と、周壁部5及び端壁部6により囲まれた中空部7とを有している。周壁部5は、軸方向xに延び、例えば円筒状等とすることができる。端壁部6は、周壁部5の軸方向xの外方端に設けられている。端壁部6の詳細は後述する。
ステータ3は、ケース2の周壁部5の内面に固定されている。ステータ3には、コイルが巻装され、シャシダイナモ装置からの電力供給が可能となっている。ロータ4は、ケース2の中空部7の内部に収納され、ステータ3の径方向rの内方iに回転自在に設けられている。又、ロータ4は自動車の駆動輪連結部8に連結可能である。
ケース2は、負荷モータ1の設置時に、後述するように、タイヤハウスに軸方向xの外方oから挿入可能であり、挿入時には、中空部7の内部に、自動車の駆動輪連結部8に含まれるブレーキディスク8aとブレーキキャリパ9とが挿入される。
ロータ4は、ロータ連結部10と、ロータフレーム11と、ロータ周壁部12と、磁石13とを備えている。ロータ連結部10は、自動車の駆動輪連結部8への連結を担う部位である。第1実施形態では、ロータ連結部10には径方向rの内方端に円筒状の筒軸10aが固定されている。筒軸10aは、ロータ連結部10の軸方向xの内方端から外方oに延びている。又、ロータ連結部10には、軸方向xに貫通する複数の第1挿通孔14が開設されている。第1挿通孔14は、ボルト等の固着具の挿入が可能とされ、所定の間隔で同心円上に配置されている。又、第1挿通孔14は、駆動輪連結部8に、車幅方向に貫通して開設された複数のねじ孔15と1対1の関係で正対可能である。更に、第1挿通孔14の孔径は一定ではなく、軸方向xの外方oの孔径が内方iの孔径よりも大きくなっている。最大の孔径は、ロータ連結部10を駆動輪連結部8にボルト等の固着具を用いて連結するための固着用工具の挿入を可能としている。最小の孔径は、ボルト等の固着具の頭部以外の部分の挿入を可能としている。そして、第1実施形態では、ロータ連結部10はロータフレーム11と一体に設けられている。
ロータフレーム11は、ロータ連結部10を駆動輪連結部8に連結した状態でブレーキキャリパ9よりも軸方向xの外方位置で径方向rの外方oに延びている。第1実施形態では、ロータフレーム11は、ロータ連結部10からブレーキキャリパ9を迂回するように軸方向xの外方oにオフセットして径方向rの外方oに延びている。具体的には、ロータフレーム11は、ロータ連結部10からブレーキキャリパ9を迂回して軸方向xの外方oにオフセットする迂回部11aと、迂回部11aと別体であって、径方向rの外方oにまっすぐ延びるリング状の直立部11bとを備えている。迂回部11aのオフセットによって、ロータフレーム11はブレーキキャリパ9と非接触となり、互いに干渉することはない。従って、負荷モータ1の設置時にブレーキキャリパ9を車体から取り外す必要がない。又、ロータフレーム11では、直立部11bは、迂回部11aに対し径方向rの間隔を存して配置され、迂回部11aと直立部11bとの間にトルクセンサ16が設けられている。トルクセンサ16は、軸に加わるトルクを計測するセンサであり、例えば、磁歪み効果を利用して非接触でトルクを検出する非接触方式のものを採用することができる。この場合、図3に示すように、トルクセンサ16には端壁部6と対向する側にトランスミッタ17を設けることができる。トランスミッタ17は、例えば、歪みゲージと、歪みゲージの出力信号を電圧に変換するコンバータと、得られる電圧信号を送信するアンテナとを備えることができる。歪みゲージは、トルクセンサ16において端壁部6と対向する側を所定の間隔で座ぐり加工し、形成された座ぐり部に貼り付けることができる。又、歪みゲージは、直立部11bにおいて、端壁部6と対向する側と反対側に位置する部分にも同様にして設けることができる。アンテナは、トルクセンサ16における端壁部6との対向面に設けることができる。
このようにトランスミッタ17をトルクセンサ16に設ける場合、アンテナからの送信信号を受信するレシーバ18を、トランスミッタ17と対向する、端壁部6の軸方向xの内方端面に設けることができる。レシーバ18には、ループアンテナ方式、ピックアップ方式等を採用することができる。いずれの方式のレシーバ18も端壁部6の軸方向xの内方端面から軸方向xの内方iに突出するため、迂回部11a及び直立部11bと接触しないように、トルクセンサ16は、迂回部11a及び直立部11bの軸方向xの内方部分に設ける。レシーバ18は、図3に示すように、電気ケーブル19を介してシャシダイナモ装置の評価ユニット20に接続することができる。レシーバ18で受信した信号を評価ユニット20に入力することによりトルクの解析等が可能となる。
ロータ周壁部12は、ロータフレーム11の径方向rの外方端に接続され、ロータフレーム11の径方向rの外方端との接続部11cから軸方向xの内方iに延びている。第1実施形態では、ロータ周壁部12は、ロータフレーム11の直立部11bの径方向rの外方端に接続され、接続部11cから軸方向xの内方iに延びる円筒状とされている。このため、ロータ連結部10を駆動輪連結部8に連結した状態では、ブレーキキャリパ9は、中空部7におけるロータ周壁部12の径方向rの内方iの空間7a内に挿入される。その結果、ロータフレーム11とブレーキキャリパ9との間の軸方向xの距離が短縮してロータ連結部10からケース2の端壁部6までの軸方向xの距離も短縮することができる。従って、ロータ連結部10を自動車の駆動輪連結部8に連結した状態において、ケース2の端壁部6が自動車のタイヤハウスの外方に大きく張り出すのを抑制することができる。尚、第1実施形態では、ロータ周壁部12の軸方向xの外方端部12aの位置は、端壁部6の軸方向xの内方端の直近として端壁部6の軸方向xの内方端面と非接触としている。又、外方端部12aは径方向rの外方oに折曲されている。外方端部12aにおける径方向rの外方端位置はステータ3と非接触となる範囲内としている。
磁石13は、複数個がロータ周壁部12の周方向に所定の間隔を存して設けられ、且つ各磁石13の径方向rの外方端面とステータ3の径方向rの内方端面との間には所定のギャップgが設けられている。上記の通り、ロータ周壁部12の軸方向xの外方端部12aが折曲する場合、外方端部12aの径方向rの外方端位置はギャップgを確保することができる範囲とされる。外方端部12aは、磁石13を固定する際の位置決めとして利用することができ、又、固定部材21を、ボルト22を用いてロータ周壁部12の内方端部12bに固定することによって、外方端部12aは、磁石13を固定部材21との間で挟持することができる。
第1実施形態では、ケース2の周壁部5における軸方向xの内方端に第1カバー23が取り付けられている。第1カバー23の取付けによって、例えば、ステータ3とロータ4の磁石13との間のギャップgに異物等が侵入すること等を抑制することができる。第1カバー23は、周壁部5から径方向rの内方iに延びるリング状の部材とすることができる。この場合、第1カバー23の径方向rの内方端位置は、ブレーキキャリパ9に非接触となる範囲内とする。又、第1カバー23は、周壁部5の軸方向xの内方端面にボルト24を螺入して取り付けられている。このために、周壁部5の軸方向xの内方端面部には、ボルト24の螺入を可能とする複数のねじ孔が所定の間隔で同心円上に開設されている。一方、第1カバー23の外周縁部では、周壁部5の上記ねじ孔と対向可能な位置に、挿通孔が軸方向xに貫通して同心円上に開設されている。尚、ロータ周壁部12の軸方向xの内方端部12bの位置は、ケース2の軸方向xの内方端までとして第1カバー23と非接触としている。
又、第1実施形態では、端壁部6は、回転支持部25と第2カバー26とから形成されている。回転支持部25は、端壁部6の径方向rの中央部に位置し、軸方向xの外方端に配置されるリング27と、リング27の軸方向xの内方端面の中央部から軸方向xの内方iに延びる固定軸28とを有している。リング27の径方向rの外方端部には、軸方向xの外方oに位置する外周端面部に第1座ぐり部29が形成されている。第1座ぐり部29には、軸方向xに貫通する複数のねじ孔が所定の間隔で同心円上に開設されている。又、リング27における第1座ぐり部29寄りの部分には、ロータ連結部10に開設された第1挿通孔14と対向可能な位置に、第2挿通孔30が軸方向xに貫通して同心円上に開設されている。第2挿通孔30は、ボルト等の固着具を用いてロータ連結部10を駆動軸連結部8に連結するための固着用工具が挿入可能である。このため、第2挿通孔30の孔径は第1挿通孔14の最大の孔径と等しくしている。又、第2挿通孔30は第1挿通孔14と1対1の関係で正対する。従って、ロータ連結部10を駆動輪連結部8と連結するとき、第2挿通孔30からボルト等の固着具及び固着用工具としてのレンチ又はドライバーをケース2の中空部7の内部に挿入することができる。このため、固着具を用いてのロータ連結部10と自動車の駆動輪連結部8との連結作業が容易となる。
第2カバー26もリング状の部材であり、リング27の径方向rの外方oに配置されている。第2カバー26の径方向rの内方端部には、軸方向xの内方iに位置する内端縁部に第2座ぐり部31が形成されている。第2座ぐり部31は、リング27の第1座ぐり部29に重合可能である。又、第2座ぐり部31には、第1座ぐり部29に開設したねじ孔と対向可能な複数の挿通孔が同心円上に開設されている。一方、第2カバー26の径方向rの外方端縁部26aには、複数の挿通孔が軸方向xに貫通して所定の間隔で同心円上に開設されている。外方端縁部26aに開設された挿通孔に対応して、周壁部5の軸方向xの外方端部に複数のねじ孔が同心円上に開設されている。このような第2カバー26は、第2座ぐり部31をリング27の第1座ぐり部29に軸方向xの外方から重合させ、且つ外方端縁部26aを周壁部5の軸方向xの外方端面に重合させ、ボルト32、33を上記挿通孔に挿入し、上記ねじ孔に螺入することによって、リング27と共に周壁部5に固定することができる。こうして端壁部6が形成される。
更に、第1実施形態では、ロータ4は、筒軸10aにおいて、固定軸28の外周に取り付けられた軸受34を介して回転自在にケース2に支持されている。軸受34には、外輪回転方式のものを採用しているが、内輪回転方式のものを採用することも可能である。そして、第1実施形態では、端壁部6を形成するリング27には、第2挿通孔30及び中央部の夫々を軸方向xの外方oから覆い隠すリング状の第3カバー35と円形キャップ36とが取り付けられている。第3カバー35はボルト37、円形キャップ36はねじ38によってリング27の軸方向xの外方端面に固定されている。
第1実施形態の負荷モータ1は、図4に示すように、自動車39の性能試験に際し、駆動輪に相当する車輪40が連結される駆動輪連結部8に連結することができる。駆動輪連結部8への連結は、自動車39の駆動方式が前輪駆動方式であれば前輪2つ、後輪方式であれば後輪2つ、四輪方式であれば四輪の駆動輪連結部8に連結することができる。この場合、自動車39の車輪40をタイヤ41が取り付けられたホイール42と共に取り外し、負荷モータ1を自動車39のタイヤハウス43に軸方向xの外方oから挿入する。この時、前述の通り、ロータ連結部10から端壁部6までの軸方向xの距離が短縮されているので、端壁部6は、例えば、タイヤハウス43の軸方向xの外方端と同一面上に配置することもできる。従って、自動車39に設けられた各種センサが、負荷モータ1を障害物として誤検知することが抑制され、センサの誤検知に基づく自動車39の誤作動が抑制可能となる。信頼性の高い自動車39の性能試験が可能となる。
尚、負荷モータ1のタイヤハウス43の内部への収まりは、負荷モータ1の周壁部5及び端壁部6が完全にタイヤハウス43の内部に収まることのみを意図しない。センサが負荷モータ1を障害物として誤検知しない限りにおいて、周壁部5及び端壁部6はタイヤハウス43の内部から軸方向xの外方oに突出することを含意する。
又、第1実施形態の負荷モータ1では、ロータフレーム11にトルクセンサ16が設けられているので、負荷モータ1がトルクセンサ16を内蔵したものとなり、トルクセンサ16が車幅方向外方に突出しない。このため、自動車39に設けられた各種センサによる誤検知をより抑制することができる。尚、トルクセンサ16は、自動車39に設けられた各種センサによる誤検知を抑制することができる限り、ロータフレーム11に設ける必要は必ずしもない。トルクを計測する計測機器は、負荷モータ1と別体として設けることも可能である。
負荷モータ1をタイヤハウス43に設置する際には、端壁部6から第3カバー35をあらかじめ取り外しておく。負荷モータ1の設置時には、端壁部6に開設された複数の第2挿通孔30が、図1に示すロータ連結部10に開設された複数の第1挿通孔14と1:1の関係で正対する。このため、第2挿通孔30はボルト及びボルトの固着用工具としてのレンチ又はドライバーをケース2の中空部7の内部に挿入可能である。そして、ボルトをレンチ又はドライバーを用いて第1挿通孔14に挿入し、ブレーキディスク8aのねじ孔15に螺入し、ロータ連結部10を、ブレーキディスク8aを含む駆動輪連結部8に固定することができる。
尚、ロータ連結部10と連結する駆動輪連結部8がホイールハブである場合、ホイールハブには複数のボルトが所定の間隔で同心円上に植設され、ボルトは車幅方向外方に突出しているので、ロータ連結部10と駆動輪連結部8との連結の際にホイールハブに植設されたボルトを利用することができる。この場合、ロータ連結部10に開設された第1挿通孔14には軸方向xの内方iから上記ボルトを挿入し、ケース2の中空部7の内部に突出させる。従って、第2挿通孔30には、上記ボルトに螺着可能なナットと、このナットの固着用工具であるレンチとを挿入し、ケース2の中空部7の内部に挿入する。そして、レンチを用いて上記ナットを上記ボルトに螺着させてロータ連結部10を駆動輪連結部8に固定することができる。
更に、図1及び図2に示すように、第1実施形態では、ケース2の周壁部5には、下端部に台座44が設けられている。台座44は、周壁部5の外周面に沿う、例えば弧状の曲面等とすることができる座面45と、性能試験の際に自動車39が設置される設置面上に配置され、例えば平面状等とすることができる設置面46とを有する。台座44によって、図3に示す自動車39の性能試験時における負荷モータ1の設置状態が安定となる。又、台座44には、座面45の上面部又は設置面46の下面部等に、制振材を設けることが可能である。この場合、ロータ4の回転に伴って発生する振動が上記制振材によって抑制され、自動車39の性能試験時の設置面への振動の伝播を抑制することができる。これらの効果は、図1及び図2に示すように、例えば、台座44を、負荷モータ1の設置時に、設置面46がケース2の下端よりも下側に位置するように周壁部5から延出させて設けることによってより高めることができる。このような台座44は、第1実施形態では、ケース2の周壁部5における軸方向xの外方端部及び内方端部の2カ所に1つずつ設けられている。
次に、図5及び図6を参照して本発明の第2実施形態であるシャシダイナモ装置用負荷モータ(以下、負荷モータと略記する)1aを説明する。負荷モータ1aにおいて、図1及び図2に示した負荷モータ1の各部位と同一な部位については同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
負荷モータ1aでは、ロータフレーム111と別体の軸部材47がロータ4に設けられ、軸部材47は軸方向xの内方iにロータ連結部101を有し、ロータフレーム111は径方向rの内方端部111aにおいて軸部材47に連結されている。具体的には、軸部材47は軸方向xに延びる部材であり、円柱状のロータフレーム固定部47aと、円筒状のロータフレーム固定位置決め部47bとを備えている。ロータフレーム固定部47aの軸方向xの外方端部から中程までの部分の外周面にねじ溝が刻設されている。又、ロータフレーム固定部47aの軸方向xの内方端部は径方向rの外方oに折曲され、折曲部47a1の外方端部が軸方向xの内方iに折曲されてロータフレーム固定位置決め部47bとなり、ロータフレーム固定位置決め部47bは軸方向xの内方iに延びている。ロータフレーム固定部47aの折曲部47a1の基部における軸方向xの外方端面の一部は、径方向rの外方oに裾広がりの円錐面47a2となっている。ロータフレーム位置決め固定部47bには、軸方向xの外方oに突出する複数のピン48が同心円上に所定の間隔で植設されている。又、ロータフレーム固定位置決め部47bの軸方向xの内方端部が径方向rの外方oに折曲され、この折曲部がロータ連結部101となっている。ロータ連結部101には、軸方向xに貫通する複数の挿通孔141が開設されている。挿通孔141は、ボルト等の固着具の挿入が可能とされ、所定の間隔で同心円上に配置されている。又、挿通孔141は、ブレーキディスク8a等の駆動輪連結部8において車幅方向に貫通して開設された複数のねじ孔(図示省略)に1対1の関係で正対可能である。軸部材47は、ロータ連結部101の挿通孔141からボルト等の固着具を挿入し、駆動輪連結部8の上記ねじ孔に螺入することによって駆動輪連結部8に連結される。
ロータフレーム111は、ロータ連結部101を駆動輪連結部8に連結した状態でブレーキキャリパ9よりも軸方向xの外方位置で径方向rの外方に延びている。第2実施形態では、ロータフレーム111は、径方向rの外方oに延びる第1直立部111aと、第1直立部111aと別体であって、径方向rの外方oにまっすぐ延びる第2直立部111bとを備えている。第1直立部111aの径方向rの内方端部111a1は、軸方向xの外方oに折曲すると共に、径方向rの内方iに突出する突出部111a2を有している。内方端部111a1には、軸方向xの内方部分に、ピン48の挿入が可能な複数のピン孔48aが設けられている。又、突出部111a2の軸方向xの内外方端の両内周端面は、径方向rの外方oに裾広がりの円錐面となっている。一方、第1直立部111aの径方向rの外方端部111a3は、ブレーキキャリパ9に接触しない程度に軸方向xの内方に折曲し、フランジ状となっている。又、第1直立部111aの内方端部111a1と外方端部111a2との中間部分には、円筒状の筒軸111dが軸方向xの外方oに突設されている。筒軸111dは第1直立部111aと一体に形成されている。
第1直立部111aと第2直立部111bとは、図1に示す第1実施形態の負荷モータ1と同様に、トルクセンサ16を介して連結される。即ち、第2直立部111bの径方向rの内方端部は、第1直立部111aの外方端部111a3と同様なフランジ状となっており、第1直立部111aの外方端部111a3と第2直立部111bの上記内方端部の夫々には軸方向xに貫通する複数のねじ孔が形成されている。従って、トルクセンサ16の径方向rの内外両端部における軸方向xの内方端面を第1直立部111aの外方端部111a3及び第2直立部111bの上記内方端部における軸方向xの外方端面と重合させ、ボルト50をトルクセンサ16の軸方向xの外方oから上記ねじ孔に螺入することによって、第1直立部111aと第2直立部111bはトルクセンサ16を介して連結される。尚、ロータ周壁部12は、ロータフレーム111の第2直立部111bの径方向rの外方端に接続され、第2直立部111bの径方向rの外方端との接続部111cから軸方向xの内方iに延びている。
負荷モータ1aの設置に際しては、軸部材47をロータ連結部101において駆動輪接続部8に連結した後に、突出部111a1をロータフレーム固定部47aに外嵌させた状態でピン孔48aにピン48を挿入し、ロータフレーム111の固定位置を決める。この状態において、ナット49をロータフレーム固定部47aの軸方向xの外方端から内方iに向かってねじ込むと、突出部111a2の軸方向xの内方端面がロータフレーム固定部47aにおける折曲部47a1の円錐面47a2と密接する。ナット49の軸方向xの内方端の外周面も軸方向xの外方oに裾広がりの円錐面とすることによって、ナット49の軸方向xの内方端面と突出部111a2における軸方向xの外方oの外周端面と密接する。こうして、ロータフレーム111は、内方端部111a1において軸部材47に連結され、ロータ4は駆動輪連結部8と共に回転可能となる。ロータ連結部101を駆動輪連結部8に連結した状態では、ブレーキキャリパ9は、中空部7におけるロータ周壁部12の径方向rの内方iの空間7a内に挿入される。従って、ロータ連結部101からケース2の端壁部6までの軸方向xの距離を短縮することができ、ロータ連結部101を自動車の駆動輪連結部8に連結した状態において、ケース2の端壁部6が自動車39のタイヤハウス43の外方に大きく張り出すのを抑制することができる。
又、第2実施形態では、ケース2の端壁部6の一部を形成する第2カバー26が、外周部を形成する外カバー部26bと、その内側に位置する内カバー部26cとから形成され、両者は同一面上に連結されている。外カバー部26bと内カバー部26cとの連結方式は、図1に示す第1実施形態の負荷モータ1における第2カバー26とリング27との連結方式と同様であり、第1座ぐり部及び第2座ぐり部の重合と重合部分でのボルト51の螺入によるものである。又、内カバー部26cの径方向rの内方端部は軸方向xの外方oに折曲し、回転支持部25の胴部25aとなっている。胴部25aは円筒状であり、胴部25aの内面には内輪回転方式の軸受52が取り付けられている。ロータフレーム111の筒軸111dは、胴部25aの径方向rの内方iに突出しており、筒軸111dと胴部25aとの間に軸受52が介在している。軸受52は、第1実施形態の軸受け34よりも大径であり、このため、ロータ2の支持剛性が第1実施形態よりも向上する。
更に、第2実施形態では、回転支持部25において、ロータフレーム111の内方端部111aと筒軸111dとの間が中空となっており、空間25bに回転センサ53が収納されている。回転センサ53は、胴部25aの軸方向xの外方端面にねじ54により固定された取付ブラケット55にねじ56により取り付けられた磁気ピックアップ53aと、ロータフレーム111の第1直立部111aの内方端部111a1に外嵌固定されたセンサギヤ53bとで構成される。回転センサ53を含めて回転支持部25の内部は、取付ブラケット55にねじ58により取り付けられた第4カバー57により軸方向xの外方oから覆い隠されている。第4カバー57はリング状であるが、その中央部には、ナット49の取外し時に取り外されるサブカバー59がねじ止めされている。
尚、負荷モータ1aの回転支持部25の張出しは、図1に示す第1実施形態の負荷モータ1の回転支持部25と比較すると大きくなっているが、この張出しは、自動車39のステアリングホイールを操作して車輪40を左右に動かすときの車輪40がタイヤハウス43の外方に飛び出す出代よりは小さくすることができ、自動車39に設けられた各種センサによる誤検知を抑制することができる。
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はそれらに限定されない。ロータの回転支持部の構造、駆動輪連結部の構成及び構造、ロータ連結部と駆動輪連結部とを連結する固着具及び固着具用工具の種類等の細部については、従来公知のものも含め、多様なものを本発明では採用することができる。