JP5251070B2 - 車両用センサシステムおよび車両用軸受装置 - Google Patents

車両用センサシステムおよび車両用軸受装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両用センサシステムに関する。更に特定的には、回転部材の回転速度および応力を測定する車両用センサシステムに関する。また車両用軸受装置に関する。
現在の自動車には、制動時のタイヤのロックを防止するアンチロックブレーキシステムや加速時のタイヤの空転を防止するトラクションコントロールシステムを装備することが一般化している。このアンチロックブレーキシステム(ABS)およびトラクションコントロールシステム(TCS)においては、制動時または加速時のタイヤまたは車輪の回転状態を測定し、その測定結果よりタイヤのロックまたは空転を検出した場合にブレーキ力(制動力)やトラクション(駆動力)をコントロールする方式が主流である。
しかし、タイヤが実際にロックまたは空転してから制動力または駆動力をコントロールすると、タイヤがロックまたは空転された状態から解除されるまで時間がかかる。そこで、タイヤまたは車輪の回転状態と併せて、転がり軸受装置にかかる応力をリアルタイムにかつ連続的に測定する技術が提示されている(例えば特許文献1)。転がり軸受装置に生ずる応力がリアルタイムにかつ連続的に測定されれば、タイヤに生ずる応力もリアルタイムにかつ連続的に推定可能となり、タイヤにかかる応力の変化よりタイヤがロックまたは空転する直前の状況を検知し得る。タイヤがロックまたは空転する直前の状況をタイヤまたは車輪の回転状態と併せて検知できれば、ABSによる制動制御およびTCSによる駆動制御をより正確に行うことができる。
特開2004−264050号公報
ところで、回転部材にはさまざまな種類の応力が生じる。タイヤが地面から受ける応力(タイヤ力)が車輪に伝播して生じた車輪応力が主たるものであるが、回転部材の温度変化によって生じる温度応力や、ブレーキをかけたことによって生じるブレーキ応力も発生している。ここで制動制御や駆動制御のために測定したい応力は車輪応力であり、温度応力およびブレーキ応力を測定した回転部材に生じる応力から排除することにより、車輪応力を算出することが望ましい。しかし、特許文献1に提示された技術においては回転部材に生じる応力より車輪応力以外の応力を除去することができず問題となる。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、回転部材の回転速度と回転部材にかかる応力を同時に測定しうる車両用センサシステムであって、測定した応力から温度応力およびブレーキ応力を除去することにより車輪応力を算出することが可能な車両用センサシステムを供給することを目的とする。
本発明にかかる車両用センサシステムは、車体に固定される固定部材と、車輪に固定され、車輪の回転とともに回転可能な回転部材と、前記回転部材に設置されたセンサロータと、前記固定部材に設けられた4つの磁気センサであって、前記センサロータの回転方向において等間隔に配置されるとともに前記センサロータの被検知面に対向するように検知面を向けた2相出力型の磁気センサとを備え、前記磁気センサが回転部材の回転速度および車輪にかかる車輪応力と温度変化に起因する温度応力とブレーキに起因するブレーキ応力との合計応力である回転部材にかかる回転部材応力を測定するとともに、前記回転速度および前記回転部材応力に関する測定データを送信する車両用センサシステムである。また、低周波成分のみを抽出するローパスフィルタと、高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタと、前記磁気センサによって送信された前記測定データのうち前記ローパスフィルタにより抽出された低周波成分に基づいて前記温度応力を算出する温度応力算出装置と、前記磁気センサによって送信された前記測定データのうち前記ハイパスフィルタにより抽出された高周波成分より前記ブレーキ応力を算出するブレーキ応力算出装置と、前記温度応力および前記ブレーキ応力を回転部材応力に関する前記測定データから消去することにより、前記車輪応力を算出する車輪応力算出装置とを更に備えることを特徴とする。
上記構成によると、低周波成分のみを抽出するローパスフィルタおよびローパスフィルタにより抽出された低周波成分に基づいて温度応力を算出する温度応力算出装置を備えるため、専用のセンサを特段に設けることなく、温度応力を算出することができる。また、高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタおよびハイパスフィルタにより抽出された高周波成分に基づいてブレーキ応力を算出するブレーキ応力算出装置を備えるため、専用のセンサを特段に設けることなく、ブレーキ応力を算出することができる。更に、温度応力とブレーキ応力とを回転部材応力に関する測定データより消去することにより、車輪応力を算出する車輪応力算出装置を有するため、車輪応力を算出することができる。その結果、本発明にかかる車両用センサシステムを制動制御や駆動制御に使用すれば、従来の車両用センサシステム使用した場合に比べより正確な制御が可能となる。
なお、ここで、本発明にかかる車両用センサシステムが自動車に使用された場合、車輪にはタイヤが取りつけられているため、タイヤが地面から受ける荷重により生ずる応力(タイヤ力)が車輪に伝わり、車輪応力として車輪応力算出装置により算出される。
本発明にかかる車両用センサシステムが備えるブレーキ応力算出装置は、ブレーキ応力に関するマップに基づいてブレーキ応力を算出することが好ましい。
上記構成によると、ブレーキ応力算出装置はブレーキ応力に関するマップに基づいてブレーキ応力を算出するため、ブレーキ応力の算出が容易である。また、ブレーキ応力に関するマップはあらかじめ作成しておくことができるため、車両用センサシステムの構築が容易である。
本発明にかかる車両用センサシステムが備える温度応力算出装置は、温度応力に関するマップ基づいて温度応力を算出することが好ましい。
上記構成によると、温度応力算出装置は温度応力に関するマップに基づいて温度応力を算出するため、温度応力の算出が容易である。また、温度応力に関するマップはあらかじめ作成しておくことができるため、車両用センサシステムの構築が容易である。
本発明にかかる車両用センサシステムは、車両用軸受装置に備えることが好ましい。
本発明によれば、回転部材の回転速度と回転部材にかかる応力を同時に測定しうる車両用センサシステムであって、応力については温度変化によって生じる応力およびブレーキをかけたことによって生じる応力を除去することにより、タイヤにかかる応力を算出できる車両用センサシステムを供給することができる。
以下、本発明を具体化した車両用軸受装置の一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1の中央部に示すように、本実施形態にかかる車両用軸受装置は略円筒形の外輪1を備える。この外輪1の外周部には外周方向に伸びるフランジ12が備えられており、このフランジ12を介して外輪1は車両本体から延設されたナックル(不図示)に固定される。外輪1の内周面には2つの軌道面10,10が形成されているとともに、この軌道面10,10には2列の転動体5が転動可能に接している。
外輪1の車体側の端部には、底部23を車体側に向けた有底円筒状のカバー21が、取り付けられている。更に、図2に示されるように、カバー21の底部23の外部側の面23aには端円柱状の基部25を介して円盤状の支持部26が設けられている。この支持部26には、図2に示すように、2相出力型の磁気センサ41a,41b,41c,41dが、回転方向において等間隔に4個配置されている。各磁気センサ41a,41b,41c,41dの検知面は外周方向に向けられるとともに、各磁気センサ41a,41b,41c,41dの反検知面側の一部がセンサ支持部26に埋設され固定されている。また、同反検知面側からは配線42が引き出されており、図示しないメイン応力算出装置およびサブ応力算出装置に接続されている。
一方、内輪2は略円柱状形状であり、外輪1の内部に転動可能に挿入されている。内輪2の外部側端部の外周部径方向外側に向かってフランジ部7が突出している。このフランジ部7には螺子穴が設けられており、この螺子穴に挿入されるボルト14を介してブレーキディスクやタイヤホイールがフランジ部7に固定される。
内輪2の外周面であるとともに、外輪1の外部側軌道面10のうち外部側の軌道面に対向する位置には軌道面9が形成されている。この軌道面9には上述の2列の転動体のうち、外部側の1列が転動可能に接している。内輪2の外周面であるとともに上記軌道面9の車体側には、略円筒形の内輪部材3が外嵌されている。この内輪部材3の外周面であるとともに、外輪1の車体側の軌道面10に対向する位置には、軌道面9が形成されている。この軌道面9には上述の2列の転動体のうち、車体側の1列が転動可能に接している。なお、内輪2の車体側末端部は雄螺子が切られており、螺合したナット8によって内輪部材3が内輪2に固定されている。
この、内輪部材3の外周面であるとともに車体側の端部には略円筒形の係止片22aが嵌合固定されており、この係止片22aを介して略円筒状のセンサロータ22が内輪部材3に固定されている。なお、センサロータ22の被検出面は上述の磁気センサ41a,41b,41c,41dの検出面に対向するように向けられている。従ってセンサロータ22は内輪2の回転に伴って回転し、センサロータ22の位置および回転は常に磁気センサによって検出されている。なお、このセンサロータ22の被検出面には周方向に沿って等間隔に開口27が設けられているため、磁気センサ41a,41b,41c,41dはかかる開口27の有無を連続的に検出し、出力する。
次に、本実施形態にかかる車両用軸受装置に備えられたセンサシステムの動作原理を説明する。なお、以後の説明において図1〜図3に示したように、車両の前後方向をx方向とし、前向きを正、後ろ無向きを負とする。同様に車輪の中心軸方向をy方向とし、図1に示した外部向きを正、車体向きを負とする。更に車体の鉛直方向であるとともに上述のx方向およびy方向と直交する方向をz方向とし、図1に示した上向きを正、下向きを負とする。また、回転部材にかかる回転部材応力をFで示し、上記x方向、y方向、z方向の各回転部材応力の分力をそれぞれFx、Fy、Fzで示す。
図3(a)に示すように内輪2に応力がかかっていないときには、センサロータ22の被検知面と対向する各磁気センサ41a,41b,41c,41dの検知面との距離(ギャップ)はいずれも等しい。このとき磁気センサ41a,41b,41c,41dがそれぞれ出力する2相出力の出力信号、即ちsin波およびcos波は、図4に示すように、いずれのセンサにおいても差がない。なお、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)はそれぞれ磁気センサ41a,41b,41c,41dの出力を示している。この図において、sin波またはcos波の周波数が回転速度を示し、振幅(出力)が磁気センサとセンサロータ22との距離即ちギャップを示す。
一方、図3(b)および図5(a)に示すように、内輪にz方向に正の応力Fzが生じたときには、センサロータ22の磁気センサ41aが対向する部分においては回転方向と同じ向きに応力Fzによる歪が生じる。そのため、図5(a)に実線で示した磁気センサ41aの出力は、点線で示した応力が生じていないときの出力に比べて位相が進む。反対にセンサロータ22の磁気センサ41bが対向する部分においては回転方向と反対向きに応力Fzによる歪が生じる。そのため、図5(b)に実線で示した磁気センサ41bの出力は、点線で示した応力が生じていないときの出力に比べて位相が遅れる。
更に内輪にz方向に正の応力Fzが生じたときには、センサロータ22の磁気センサ41cが対向する部分においてはセンサロータ22を磁気センサ41cから遠ざける向きに応力Fzによる歪が生じる。そのため、図5(c)に実線で示した磁気センサ41cの出力は、点線で示した応力がかかっていないときの出力に比べて振幅が小さくなる。磁気センサの検知面とセンサロータ22の被検知面との距離が遠くなるため、出力が小さくなるためである。反対にセンサロータ22の磁気センサ41dが対向する部分においてはセンサロータ22を磁気センサ41dから近づける向きに応力Fzによる歪が生じる。そのため、図5(d)に実線で示した磁気センサ41dの出力は、点線で示した応力がかかっていないときの出力に比べて振幅が大きくなる。磁気センサの検知面とセンサロータ22の被検知面との距離が近くなるため、出力が大きくなるためである。
ここで磁気センサ41aの位相をθ、磁気センサ41aの位相をθとし、磁気センサ41aおよび磁気センサ41bに生じた位相差をθとすると、
Figure 0005251070
となる。また、Z方向の変位をZとすると、
Figure 0005251070
の関係がある。ここでNはセンサロータの開口数であり、rはセンサロータの半径である。また、回転部材応力のz方向分力Fzは変位Zに比例するため、比例定数をkzとすると、
Figure 0005251070
の関係がある。よって磁気センサ41aの位相θ、磁気センサ41aの位相θより、式(1)〜(3)に基づいて応力Fzが算出される。図6に示したブロック図において、メイン応力算出装置がかかる計算を行っている。なお、位相からメイン応力算出装置によって算出された応力であることを特に示す必要がある場合には、以後Fzメイン と表記する。このFzメインは上述のように2つの磁気センサ41aおよび磁気センサ41bの位相差のみにより算出されるので、リアルタイムに算出される。
一方、変位Zはまた、磁気センサ41cの出力信号の振幅Aと磁気センサ41dの出力信号の振幅Aとの振幅比に比例する。従って、この振幅比A/Aと、変位Zとの関係を示すマップをあらかじめ作成しておけば、このマップに基づいて変位Zを算出することができる。変位Zが求まれば、上述の式(3)に基づき応力Fzを算出することができる。図6に示したブロック図において、サブ応力算出装置がかかる計算を行っている。なお、出力差からサブ応力算出装置によって算出された応力であることを特に示す必要がある場合には、以後Fzサブと表記する。このFzサブは、上述のように2つの磁気センサ41cおよび磁気センサ41dの出力信号の振幅比により算出される。従って、出力信号のピークを検出してから算出する必要があり、Fzメインに比べて急激な変化に対する応答性は低い。
従って、上記Fzメインと上記Fzサブの出力差をとると、大きな応力変化が除かれ、応力の比較的急激な変化のみを抽出することができる。
さて、応力Fzは、タイヤが地面から受ける応力(タイヤ力)が車輪に伝播して生じた車輪応力Fzの他に、回転部材の温度変化によって生じる応力Fz(温度応力Fz)およびブレーキをかけたことによって生じる応力Fz(ブレーキ応力Fz)が合計されたものであるため、以下の関係が成り立つ。
Figure 0005251070
ここで、算出したい応力は車輪応力Fzであるため、応力Fzおよび応力Fzを算出し、応力Fzから減ずることを考える。
まず、ブレーキ応力Fzを算出する方法について詳説する。ブレーキ応力Fzはブレーキをかけたことによって、ブレーキディスクや、ブレーキディスクに接続されている回転部材に歪が生ずることを原因として生ずる応力である。歪が生ずる速度が非常に速いため、ブレーキ応力Fzの変動速度は非常に大きい。
ここで、FzメインとFzサブのブレーキ応力の受け方が異なるため、上述のようにFzメインとFzサブの出力差をとることにより、応力の比較的急激な変化のみが抽出される。ブレーキ応力Fzはごく短時間に変動する応力であるため、FzメインとFzサブとの出力差のうちでも特に高周波成分(但し、回転速度×ロータの歯数によって算出される周波数以下の成分)として現れる。そこで、ハイパスフィルタ(H.P.F.)を用いて、例えば出力差の0.1Hz以上の周波数成分を高周波成分として抽出すれば、ブレーキ応力Fzに起因する出力差のみを抽出できる。更に、出力差とブレーキ応力Fzとの関係を示すブレーキ応力マップをあらかじめ作成しておけば、抽出したブレーキ応力Fzに起因する出力差から、ブレーキマップに基づいてブレーキ応力Fzを算出することができる。図6に示したように、ブレーキ応力Fzの算出は、ブレーキ応力算出装置において行われる。
次に、温度応力Fzを算出する方法について詳説する。温度応力Fzは回転部材に温度変化による歪が生ずることを原因として生ずる応力である。温度変化による歪が生ずる速度は、ブレーキをかけたことによりひずみが生ずる速度より小さい。従って、温度応力Fzはブレーキ応力Fzに比べると変動速度が遅く、FzメインとFzサブとの出力差のうち低周波成分として現れる。そこで、ローパスフィルタ(L.P.F.)を用いて、例えば出力差の0.01Hz以下の周波数成分を低周波成分として抽出すれば、温度応力Fzに起因する出力差のみを抽出できる。更に、温度応力Fzに起因する出力差出力差と温度応力Fzとの関係を示す温度応力マップをあらかじめ作成しておけば、抽出した温度応力Fzに起因する出力差から、温度マップに基づいて温度応力Fzを算出することができる。図6に示したように、温度応力Fzの算出は、温度応力算出装置において行われる。
このように算出された温度応力Fzおよびブレーキ応力FzをFzメインから減ずることによって、式(4)に基づいて車輪応力Fzを求めることができる。かかる演算は図6に示すように、車輪応力算出装置において行われる。
一方、特に図示しないが、内輪にx方向の応力Fxが生じたときには、磁気センサ41aおよび41bの出力に位相差が生じ、磁気センサ41cおよび41dの出力の振幅が変化する。従って、かかる測定データを同様に処理することにより、図6に示すように、応力Fxおよび車輪応力Fxを求めることができる。
上記実施形態の車両用軸受装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態の車両用軸受装置に備えられた車両用センサシステムによれば、低周波成分のみを抽出するローパスフィルタおよびローパスフィルタにより抽出された低周波成分に基づいて温度応力を算出する温度応力算出装置を備えるため、専用のセンサを特段に設けることなく、温度応力を算出することができる。また、高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタおよびハイパスフィルタにより抽出された高周波成分に基づいてブレーキ応力を算出するブレーキ応力算出装置を備えるため、専用のセンサを特段に設けることなく、ブレーキ応力を算出することができる。更に、温度応力とブレーキ応力とを回転部材応力に関する測定データより消去することにより、車輪応力を算出する車輪応力算出装置を有するため、車輪応力を算出することができる。その結果、本発明にかかる車両用センサシステムを制動制御や駆動制御に使用すれば、従来の車両用センサシステム使用した場合に比べより正確な制御が可能となる。
(2)上記実施形態の車両用軸受装置に備えられた車両用センサシステムは、固定部材であるセンサ支持部26に設けられた4つの2相出力型磁気センサ41a,41b,41c,41dを備えている。また各2相出力型磁気センサ41a,41b,41c,41dがセンサロータ22の回転方向において等間隔に配置されるとともにセンサロータの被検知面に対向するように検知面を向けている。従って、二つの磁気センサにより出力された位相データに基づいて回転速度および回転部材応力を算出することができる。また、他の二つの磁気センサにより出力された出力信号の振幅の比からも回転部材応力を算出することができる。更に磁気センサは2相の正弦波および余弦波を出力するため、わずかな回転であっても位相差が算出でき、回転速度および回転部材応力を算出することができる。また、回転が止まっていても、出力信号の振幅の比から回転部材応力を算出することができる。
(3) 上記実施形態の車両用軸受装置に備えられた車両用センサシステムによれば、ブレーキ応力算出装置はブレーキ応力に関するマップに基づいてブレーキ応力を算出するため、ブレーキ応力の算出が容易である。また、ブレーキ応力に関するマップはあらかじめ作成しておくことができるため、車両用センサシステムの構築が容易である。
(4)上記実施形態の車両用軸受装置に備えられた車両用センサシステムによれば、温度応力算出装置は温度応力に関するマップに基づいて温度応力を算出するため、温度応力の算出が容易である。また、温度応力に関するマップはあらかじめ作成しておくことができるため、車両用センサシステムの構築が容易である。
(5)上記実施形態の車両用軸受装置に備えられた車両用センサシステムによれば、車両用センサシステムが車両用軸受装置に備えられているため、車両用軸受装置を車両へ取り付けるのみで、車両用センサシステムを車両に導入することができる。従って、設計および取り付けが容易であり、コストダウンにも資する。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、センサロータ22は開口27を有しているが、他の構成であっても良い。例えば、開口27に代えてスリットを有していても良い。また、例えばN極とS極が交互に等間隔に配列された構造を有していてもよい。即ち、センサロータ22が回転することによる位相の変化および応力によるギャップの変化を磁気センサが検出できる構造であれば良い。
・上記実施形態においては、センサロータ22は略円筒形であるが、歯車形状であっても良い。この場合磁気センサは歯車形状のセンサロータをセンサロータの回転方向に取り巻くとともに、検出面を被検出面である歯車の歯部に対向するように外輪に固定される。即ち、回転部材の回転と回転部材に生ずる応力を磁気センサで測定できるのであれば、センサロータの形状は特に限定されない。
・上記実施形態においては、サブ応力算出装置はマップに基づいて応力FxサブおよびFzサブを算出するが、他の構成でも良い。例えば、振幅比と応力FxまたはFzとの関係は略比例関係であるので、関数式を用いて算出しても良い。記憶容量を小さくすることができる場合がある。また、振幅比と応力FxまたはFzとの関係をテーブルにすることが可能であれば、テーブルを用いて算出しても良い。計算負荷を下げることができる場合がある。いずれもコストダウンに資する。
・上記実施形態においては、ブレーキ応力算出装置はブレーキ応力に関するマップに基づいてブレーキ応力を算出するが、他の構成でも良い。例えば、出力差とブレーキ応力との関係を関数式などで近似できれば、関数式を用いて算出しても良い。記憶容量を小さくすることができる場合がある。また、出力差とブレーキ応力との関係をテーブルにすることが可能であれば、テーブルを用いて算出しても良い。計算負荷を下げることができる場合がある。いずれもコストダウンに資する。
・上記実施形態においては、温度応力算出装置は温度応力に関するマップに基づいて温度応力を算出するが、他の構成でも良い。例えば、出力差と温度応力との関係を関数式などで近似できれば、関数式を用いて算出しても良い。記憶容量を小さくすることができる場合がある。また、出力差と温度応力との関係をテーブルにすることが可能であれば、テーブルを用いて算出しても良い。通常計算負荷を下げることができる場合がある。いずれもコストダウンに資する。
・上記実施形態においては、車両用センサシステムを車両用軸受装置に備える構造としたが、他の構成でも良い。即ち、回転部材の回転速度と応力を測定できる構成であれば、センサロータや磁気センサの設置場所は特に限定されない。
本発明にかかる車両用センサシステムは、回転部材の回転速度と応力を同時に測定し、正確なタイヤ力を算出することが可能な車両用センサシステムであるため、特に車両制御システムを有する車両に広く利用可能である。
本発明を適用した車両用軸受装置の一実施形態を説明する図面であって、車両用軸受装置の軸方向の断面図である。 図1に示される車両用軸受装置のA−A線断面図である。 本発明を適用した車両用軸受装置が備える車両用センサシステムの動作原理を説明する図面であって、(a)は応力がかかっていない状態を説明する図であり、(b)は応力がかかっている状態を説明する図である。 本発明を適用した車両用軸受装置が備える車両用センサシステムの動作原理を説明する図面であって、(a),(b),(c),(d)はそれぞれ磁気センサ41a,41b,41c,41dの応力が生じていない状態における出力を説明する図である。 本発明を適用した車両用軸受装置が備える車両用センサシステムの動作原理を説明する図面であって、(a),(b),(c),(d)はそれぞれ磁気センサ41a,41b,41c,41dのz方向の応力が生じている状態における出力を説明する図である。 本発明を適用した車両用軸受装置が備える車両用センサシステムによって車輪応力が算出される構成を説明するブロック図である。
符号の説明
1・・・外輪、2・・・内輪、3・・・内輪部材、5・・・転動体、7・・・フランジ部、8・・・ナット、9・・・軌道面、10・・・外部側軌道面、12・・・フランジ、14・・・ボルト、21・・・カバー、22・・・センサロータ、22a・・・係止片、23・・・底部、25・・・基部、26・・・センサ支持部、27・・・開口、41a,41b,41c,41d・・・磁気センサ、42・・・配線。

Claims (4)

  1. 車体に固定される固定部材と、
    車輪に固定され、車輪の回転とともに回転可能な回転部材と、
    前記回転部材に設置されたセンサロータと、
    前記固定部材に設けられた4つの磁気センサであって、前記センサロータの回転方向において等間隔に配置されるとともに前記センサロータの被検知面に対向するように検知面を向けた2相出力型の磁気センサとを備え、
    前記磁気センサが回転部材の回転速度および車輪にかかる車輪応力と温度変化に起因する温度応力とブレーキに起因するブレーキ応力との合計応力である回転部材にかかる回転部材応力を測定するとともに、前記回転速度および前記回転部材応力に関する測定データを送信する車両用センサシステムにおいて、
    低周波成分のみを抽出するローパスフィルタと、
    高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタと、
    前記磁気センサによって送信された前記測定データのうち、前記ローパスフィルタにより抽出された低周波成分に基づいて前記温度応力を算出する温度応力算出装置と、
    前記磁気センサによって送信された前記測定データのうち、前記ハイパスフィルタにより抽出された高周波成分より前記ブレーキ応力を算出するブレーキ応力算出装置と、
    前記温度応力および前記ブレーキ応力を前記回転部材応力に関する前記測定データから消去することにより前記車輪応力を算出する車輪応力算出装置とを更に備えることを特徴とする車両用センサシステム。
  2. 前記ブレーキ応力算出装置は、前記ブレーキ応力に関するマップに基づいて前記ブレーキ応力を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用センサシステム。
  3. 前記温度応力算出装置は、前記温度応力に関するマップ基づいて前記温度応力を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用センサシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用センサシステムを備えた車両用軸受装置。
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