JP2008020050A - 車輪用転がり軸受装置 - Google Patents

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Nobutsuna Motohashi
信綱 本橋
Kenichi Kozuki
健一 上月
Mizuho Sugiyama
瑞穂 杉山
Mitsuru Asai
満 浅井
Hiroaki Makino
浩明 牧野
Toshimichi Takahashi
俊道 高橋
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Abstract

【課題】センサの取り付けが容易とされている車輪用転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】車体側に固定される外輪2と、車輪が取り付けられる内軸1と、これらの間に転動自在に介在された複列の転動体3a,3bと、外輪2に形成されたスリット7の変形挙動を検出する変位センサ6とを備えている。この変位センサ6で検出したスリット7の変形挙動から外輪2に負荷される荷重を求める。前記変位センサ6は、スリット7を構成する一方の内壁面8側に取り付けられた取付部25と、スリット7を構成する他方の内壁面9に間隔をもって対面するように配置された計測部26とを有する非接触式変位センサよりなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車輪用転がり軸受装置に関する。
近年、自動車において、制動時の車輪のロックを防ぐABS制御、駆動輪のスピンを抑制するトラクション制御、コーナリング時の横滑りを抑制する制御などが行われている。これらの制御について、従来、車輪の回転速度をセンサにより検出して行う手段がある。しかしこの場合、得られるデータは精度が悪く、車輪がスリップし回転速度が上がってその変化が検出されるという事後的な制御となってしまう。
制御の精度を向上させかつスリップなどを起こす前に制御を行わせるために、例えば特許文献1のように、車輪が取り付けられる転がり軸受装置(ハブユニット)にセンサを設け、車輪接地荷重を転がり軸受装置において検出する構成が提案されている。この転がり軸受装置は、車体側に固定される外輪と、車輪が取り付けられる内輪と、これらの間に転動自在に介在された複列の転動体と、外輪に形成されたスリットの変形挙動を検出するセンサとを備えている。
このセンサは圧縮一方向のみの荷重を検出できるセラミックセンサであり、スリット内に内壁面に挟まれた状態でセンサユニットとして設けられている。そして、転がり軸受装置に荷重が作用し、スリットの内壁面が変位することで、センサはその変位を検出する。さらに、センサは正負(引張圧縮)両方向の変位の検出を行うために、予圧(予荷重)が与えられた状態で、スリット内に収容されている。
特開2004−360782号公報
特許文献1において、このセンサのスリット(センサユニット)への取り付けは、ジャッキや楔形の工具などを用いてスリットの開口部を径方向に強制的に拡げ、センサを開口部から貫通孔内へ挿入している。これによりセンサは予圧が付与された状態で収容される。
しかし、このセンサのスリットへの取り付けは予圧の調整が必要となるために作業が難しくなる。さらに、取り付けの際にセンサを破損させてしまうおそれがある。つまり、特許文献1に記載されている軸受装置の荷重センサの取り付け構造は、歩留まりが悪く、組み立て工数が多く発生するという問題点を有している。
この発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、センサの取り付けが簡単とされたセンサ付きの車輪用転がり軸受装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明の車輪用転がり軸受装置は、車体側に固定される車体側軌道部材と、車輪が取り付けられる車輪側軌道部材と、これらの軌道部材の間に転動自在に介在された複列の転動体と、前記車体側軌道部材に形成されたスリットの変形挙動を検出する変位センサとを備えており、この変位センサで検出した前記スリットの変形挙動から前記車体側軌道部材に負荷される荷重を求めるようにした車輪用転がり軸受装置において、前記変位センサは、前記スリットを構成する一方の内壁面側に取り付けられた取付部と、前記スリットを構成する他方の内壁面に間隔をもって対面するように配置された計測部とを有する非接触式変位センサよりなることを特徴としている。
このような構成によれば、一方の内壁面側に取付部が取り付けられた変位センサは、計測部が他方の内壁面と間隔をもって対面状となり、一対の内壁面の間隔の変化を検出できる。非接触式変位センサとすることにより、この変位センサの車体側軌道部材への取り付けに際し、センサに対して予圧の付与、予圧の調整が不要となり、取り付けが容易となる。
また、前記車体側軌道部材を車体側の取り付け部材に対して固定するための固定フランジ部が径方向外方に延びて当該車体側軌道部材に一体に形成され、前記スリットの幅方向が前記固定フランジ部の径方向に一致しかつ同スリットの深さ方向が前記固定フランジ部の厚さ方向に一致するように、当該スリットが前記固定フランジ部に形成されているのが好ましい。これにより、変位センサはスリットにおける径方向の変位を検出することができ、径方向に作用している荷重を求めることができる。
また、前記非接触式変位センサの取付部は、前記固定フランジ部の外周縁面から径方向外側の内壁面に向かって貫通する取付孔に挿通され、同変位センサの計測部は、その取付部から径方向内側に延びて前記スリット内に配置されているのが好ましい。これは、固定フランジ部の厚さが変位センサの外径(変位センサの取付部の大きさ)よりも十分に大きい場合において好ましい取り付け構造となる。そして、変位センサの取り付けに無理な力を生じさせないため、変位センサを破損させてしまうのを防止できる。
または、前記非接触式変位センサの取付部は、前記固定フランジ部の外側面に取り付けられ、同変位センサの計測部は、その取付部から当該固定フランジ部の厚さ方向に延びて前記スリット内に配置されているのが好ましい。これによれば、固定フランジ部の厚さが薄い場合であっても、変位センサをスリット内に設けることができ、固定フランジ部の厚さが薄い場合において好ましい取り付け構造となる。そして、変位センサの取り付けが簡単であり、取り付けに無理な力を生じさせないため、変位センサを破損させてしまうのを防止できる。
また、前記非接触式変位センサと対面状となる前記スリットの前記内壁面に、歪みにより磁界が前記車体側軌道部材よりも大きく変化する超磁歪部材が取り付けられており、この超磁歪部材における磁界の変化を前記変位センサが計測するのが好ましい。これにより、スリットの対向している一方の内壁面と他方の内壁面との間における変位を非接触で検出することができる。従って、センサに対して予圧の付与、予圧の調整が不要となり、センサの取り付けが簡単となる。さらに、このセンサの検出対象面に超磁歪部材を設けていることにより、微小な変位に対してもその変位を検出でき、検出精度を向上させることができる。
また、前記スリットは前記車体側軌道部材の上部、下部、水平前部、及び、水平後部にそれぞれ形成され、その各スリットの変形挙動を検出する各変位センサの軸方向での検出位置が、複列の前記転動体の軸方向中間位置とされているのが好ましい。
この構成によれば、車体側軌道部材における上下方向の荷重を上部と下部のセンサにより求めることができ、作用する水平前後方向の荷重を前部と後部のセンサにより求めることができる。さらに、車輪に作用する軸方向荷重は前後方向の水平線を中心とするモーメントとして転がり軸受装置に作用するため、その軸方向荷重を上部と下部のセンサの出力を用いて求めることができる。
さらに、各センサの軸方向の検出位置が複列の転動体の中間位置とされているため、車輪側から複列の転動体を介して伝わる荷重を双方から均等に各センサに作用させることができる。これにより、検出を意図する方向以外の荷重成分をキャンセルさせることができ、検出精度を向上させることができる。
なお、上下方向は、この車輪用転がり軸受が車体に取り付けられた状態で、車両の鉛直方向(Z方向)である。水平前後方向は鉛直方向に直交する方向であり車両の進行後退方向(X方向)である。また、軸方向は上下方向と水平前後方向に直交する水平な方向であり、車両の左右方向(Y方向)となる。
また、この車輪用転がり軸受装置において、前記変位センサの出力を処理する処理手段と接続され、この処理手段によって、上部の変位センサから得られる出力St、下部の変位センサから得られる出力Sb、水平前部の変位センサから得られる出力Sf、及び水平後部の変位センサから得られる出力Srを使用して、車輪に作用している前後荷重Fx、左右荷重Fy、及び上下荷重Fzが次の式で求められるのが好ましい。
Fx=Sr−Sf
Fy=St+Sb
Fz=St−Sb
これにより、前後荷重Fx、左右荷重Fy、及び上下荷重Fzを求める際に、他の分力の影響による誤差(クロストーク)を小さくすることができる。
本発明の車輪用転がり軸受装置によれば、センサの取り付けが簡単となる。センサ取り付けの際にセンサが壊れるのを防ぐことができる。車体側軌道部材の変位を検出でき、車体側軌道部材に作用している荷重を求めることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の第1の実施形態に係る車輪用転がり軸受装置(以下、単に軸受装置ともいう)を示す断面図であり、図2はこの軸受装置を軸方向から見た図である。この軸受装置は、自動車等の車両の車輪用として用いられており、車輪側部材5が取り付けられるフランジ部4をアウタ側(外側)端部10に有する内軸1と、この内軸1の径方向外方に設けられて車体側と固定される外輪2とを備えている。なお、フランジ部4に取り付けられる車輪側部材5としては車輪のホイール、ディスクブレーキ用のブレーキロータがあり、ボルト12により取り付けられる。
内軸1のインナ側(内側)端部11には内輪部材14が外嵌して取り付けられている。外輪2、及び、内軸1と内輪部材14の間に複列の転動体3a,3bを転動自在として介在させている。
内軸1のインナ側端部11には前記内輪部材14を外嵌させるための小径部27が形成されている。小径部27の軸方向アウタ側には環状の段付き面(突き当て面)28が形成されており、段付き面28の外周縁から軸方向アウタ側に向かって中径部29が形成されている。中径部29のさらに軸方向アウタ側は大径部30が形成されており、大径部30の外周面は内軸1と外輪2との間に設けられたシール部材13のシール面とされている。
内輪部材14は、内軸1の小径部27に外嵌しかつ段付き面28に突き当てられて内軸1に取り付けられている。内輪部材14は、内軸1のインナ側端部11に形成されているネジ部に螺合しているナット部材15と段付き面28との間に挟まれており、内輪部材14は軸方向に圧縮されて固定されている。外輪2のインナ側端部にカバー部材21が取り付けられている。なお、図2はカバー部材21が外された状態を示している。
内輪部材14の外周面にはインナ側の第1転動体3a用の単一の軌道面が形成されている。そして、内軸1の中径部29の外周面にアウタ側の第2転動体3b用の単一の軌道面が形成されている。第1、第2の転動体3a,3bは図1に示す玉以外に円錐ころであってもよい。
外輪2は内軸1と同軸となるよう設けられており、外輪2は円筒部16と固定フランジ部17とを有している。円筒部16の内周面に第1、第2転動体3a,3b用の複列の軌道面が形成されている。そして、第1、第2転動体3a,3bは、内外の軌道面間に転動自在とされている。
外輪2の固定フランジ部17は円筒部16の外周面側に設けられている。固定フランジ部17は、外輪2を車体側の取り付け部材(ナックル)18に対して固定させるために円筒部16から径方向外方に延びて外輪2に一体に形成されている。従って、この固定フランジ部17を車体側の取り付け部材18と連結させることにより、この軸受装置は車体側と固定される。
図1と図2の軸受装置は、外輪2が車体側と固定される車体側軌道部材とされ、内軸1とこれに外嵌している内輪部材14とが車輪側軌道部材とされている。この軸受装置が自動車の車体側に固定されることで、内軸1のフランジ部4側がアウタ側となり、内軸1に外嵌させた内輪部材14側がインナ側となる。
さらにこの軸受装置は、外輪2の固定フランジ部17に形成されたスリット7a,7b,7c,7d(以下、各々をスリット7ともいう)の変形挙動を検出する変位センサ6a,6b,6c,6d(以下、各々をセンサ6ともいう)を備えている。この軸受装置は、変位センサ6で検出したスリット7の変形挙動から外輪2に負荷される荷重を求めるようにされている。変位センサ6は車体側に固定される外輪2に設けられており、変位センサ6は車輪の接地荷重を回転する内軸1と内輪部材14、転動体3a,3bを介して外輪2において検出している。
具体的に説明すると、外輪2の固定フランジ部4の上部、下部、水平前部、水平後部に夫々スリット7a,7b,7c,7dが形成されている。スリット7の幅方向は固定フランジ部17の径方向に一致し、かつ、スリット7の深さ方向が固定フランジ部17の厚さ方向に一致するように形成されている。これにより、各スリット7において、径方向に対向している一対の径方向外側の内壁面8と径方向内側の内壁面9とが形成される。
上部、下部スリット7a,7bの夫々における一対の内壁面8,9は共に軸心Cを通る鉛直面に直交する面として形成されている。前部、後部スリット7c,7dの夫々における一対の内壁面8,9は共に軸心Cを通る水平面に直交する面として形成されている。これら4つのスリット7は90°間隔で固定フランジ部17に設けられている。
変位センサ6は非接触式変位センサよりなり、スリット7を構成する一方の内壁面側、つまり径方向外側の内壁面8側に取り付けられた取付部25と、スリットを構成する他方の内壁面、つまり径方向内側の内壁面9に間隔をもって対面するように配置された計測部26とを有する。
そして、軸受装置に荷重が負荷されることで、各スリット7において、一対の前記内壁面8,9の相互が上下方向又は前後方向に接近離間する方向に変形することができ、変位センサ6はスリット7の上下方向の変位、前後方向の変位を検出している。
センサ7の取り付け構造をさらに具体的に説明すると、固定フランジ部17の外周縁面17cからスリット7の径方向外側の内壁面8に向かって貫通する径方向の取付孔19が形成されており、この取付孔19にセンサ6の取付部25が挿通されている。センサ7の本体部のうち、取付孔19に挿通状とされている途中部から径方向外側部が取付部25となる。そして、センサ6の先端部は径方向外側の内壁面8を貫通しており、取付部25から径方向内側に延びて計測部26がスリット7内に配置されて、計測部26が径方向内側の内壁面9と間隔をもって対面状となる。そして、変位センサ6の計測部26が径方向内側の内壁面9の位置を計測している。
スリット7はフランジ面17aとアウタ側の外側面17bとの両方に開口する直線状の貫通スリット孔でもよく、または図示しないが、いずれかの面にのみ開口している有底のスリット孔でもよい。
図3は本発明の軸受装置の他の実施の形態を示す断面図である。この軸受装置についても第1の実施形態と同様に、外輪2の固定フランジ部17においてその厚さ方向を深さ方向としているスリット7が形成されている。
そして、図3における軸受装置のセンサ6の取り付け構造は、センサ6がスリット7の開口部からその深さ方向に挿入されてスリット7の一方の内壁面側、つまり径方向外側の内壁面8に取り付けられている。そして、センサ6は他方の内壁面、つまり径方向内側の内壁面9側に対面状となり、内壁面8,9間の変位を検出している。
このセンサ6はL字型とされており、一片側の先端部が計測部25とされ、折れ曲がり状とされた他片側の基端部が取付部26とされている。センサ6の取付部26が固定フランジ部17の外側面17bに沿って取り付けられており、計測部25がその取付部26から固定フランジ部17の厚さ方向に延びてスリット7内に配置されている。この取り付け構造は固定フランジ部17が薄い場合に効果的である。つまり、固定フランジ部17にセンサ6取り付け用の径方向取付孔19(図1参照)を形成することが困難な場合に効果的である。
各実施形態において、センサ6は非接触式とされており、具体的には磁歪センサ(MIセンサ)とすることができる。そしてこのセンサ6と対面状となって検出対象面となる径方向内側の内壁面9に、歪みにより磁界が大きく変化する超磁歪部材20が取り付けられている。超磁歪部材20は歪んだ際に外輪2よりも磁界が大きく変化する部材である。
板状とされた超磁歪部材20が内壁面9に固定されているため、内壁面9の変形に応じて超磁歪部材20も変形する。これにより、センサ6は外輪2に荷重が作用してスリット7間において生じた小さな歪みを増幅させて検出することができ、検出精度を高めることができる。超磁歪部材20はスリット7内の内壁面9上に貼り付けて固定してもよく、または内壁面9に形成した凹部に埋め込んで固定してもよい。
また、図示しないが、センサ6をレーザ式などの非接触式の変位センサとすることができる。センサ6は径方向外側の内壁面8側に固定されて、スリット7の径方向内側の内壁面9との間の距離の変化を検出することで、スリット7間において生じた変位を知ることができる。この場合、径方向内側の内壁面9に別途被検出用の部材(前記超磁歪部材20)は不要である。
各センサ6の具体的な設置位置についてさらに説明する。固定フランジ部17において軸心Cを通る鉛直線上の上部に上部スリット7aが形成されており、この上部スリット7aに上部センサ6aは、軸方向の検出位置が複列の転動体3a,3bの軸方向中間位置とされて設けられている。また、この固定フランジ部17において前記鉛直線上の下部に下部スリット7bが形成されており、この下部スリット7bに下部センサ6bは、軸方向の検出位置が複列の転動体3a,3bの軸方向中間位置とされて設けられている。
さらに、固定フランジ部17において軸心Cを通る水平線上の前部に前部スリット7cが形成されており、この前部スリット7cに前部センサ6cは、軸方向の検出位置が複列の転動体3a,3bの軸方向中間位置とされて設けられている。また、この固定フランジ部17において前記水平線上の後部に後部スリット7dが形成されており、この後部スリット7dに後部センサ6dは、軸方向の検出位置が複列の転動体3a,3bの軸方向中間位置とされて設けられている。なお、「複列の転動体3a,3bの軸方向中間位置」は、2列の転動体3a,3bの中心間におけるちょうど中間位置であることが最も好ましいが、そのちょうど中間位置から小寸法だけ軸方向にずれている場合も含む。
固定フランジ部17は、外輪2における軸方向の位置が複列の転動体3a,3bの中間位置とされて設けられており、その固定フランジ部17の厚さ方向中央位置にセンサ6の中心が設けられている。これにより、各センサ6の検出位置が、複列の転動体3a,3bの軸方向中間位置に配設される。この構成によれば、複列の転動体3a,3bを介して伝わる荷重を双方から均等に各センサ6に作用させることができる。従って、検出を意図する方向以外の荷重成分をキャンセルさせることができ、検出精度を向上させることができる。
そして、上部センサ6a及び下部センサ6bが外輪2に作用する荷重によりスリット7a,7bに生ずる上下方向の変位を検出する。さらに、前部センサ6c及び後部センサ6dがスリット7c,7dに生ずる水平前後方向の変位を検出する。
車輪に作用する軸方向荷重は、転がり軸受装置に前後方向の水平線を中心とするモーメントとして作用するため、その軸方向荷重を上部センサ6aと下部センサ6bの出力から求めることができる。
固定フランジ部17には車体側の取り付け部材18と連結させるためのボルト孔24が形成されている。そして、スリット7はこのボルト孔24よりも径方向内方側(ボルト孔24のピッチ円よりも中心側)に配置されるのが好ましい。これにより、外輪2に作用する荷重を正確に検出できる。つまり、ボルト孔24のピッチ円よりも径方向外方側は、車体側の取り付け部材18により変形が拘束されるおそれがあり、スリット7に設けられたセンサ6において検出精度が低下するおそれがある。
各変位センサ6から得られる出力の処理は、転がり軸受装置と接続された処理手段(ECU)の演算部により行われる。この演算部において、上部センサ6aから得られる出力St、下部センサ6bから得られる出力Sb、前部センサ6cから得られる出力Sf、後部センサ6dから得られる出力Srを使用して、車輪に作用している前後荷重Fx、左右荷重(軸方向荷重)Fy、上下荷重(垂直荷重)Fzを求めている。演算部において行われる具体的な処理は以下のとおりである。
一般に走行する車両の速度変化や姿勢変化に伴って、車輪に作用する接地荷重は変動し、この接地荷重に応じて転動体3a,3bが外輪2に及ぼす力が変化する。複数のセンサ6を転がり軸受装置に設けた場合、車輪に作用する前後荷重Fx、左右荷重Fy、上下荷重Fzの成分ごとに夫々センサ6への影響度が異なっている。そこで、予め前後荷重Fxが作用した場合のその荷重及びこれに対応するセンサ出力値、左右荷重Fyが作用した場合のその荷重及びこれに対応するセンサ出力値、上下荷重Fzが作用した場合のその荷重及びこれに対応するセンサ出力値を夫々求めておく。そして、転動体3a,3bの軸方向中間位置に配置させた複数のセンサ6により荷重を検出することで、車輪接地荷重の各分力(3分力)を求めることができる。
つまり、センサ6の設置箇所を外輪2の上部、下部、前部、後部の4箇所とし、各センサの出力をSt、Sb、Sf、Srとすると、前後荷重Fx入力に対して、St≒0およびSb≒0が成り立ち、左右荷重Fy入力に対しては、St−Sb≒0およびSr−Sf≒0が成り立ち、上下荷重Fz入力に対しては、Sf≒0、Sr≒0およびSt+Sb≒0が成り立つ。これらを考慮して前後荷重Fx、左右荷重Fy、上下荷重Fzを求めることにより、他の分力の影響による誤差(クロストーク)を小さくすることができる。
そして、各センサ6の出力St、Sb、Sf、Srから前後荷重Fx、左右荷重Fy、上下荷重Fzを求めるための式は、次の(1)式、(2)式、(3)式となる。
(1)Fx=Sr−Sf
(2)Fy=St+Sb
(3)Fz=St−Sb
すなわち、上述のように、前後荷重Fyおよび上下荷重Fz入力時、St−Sb≒0およびSr−Sf≒0が成り立っているため、Fx=Sr−Sfとすることで左右荷重Fyおよび上下荷重Fzのクロストークを排除して、前後荷重Fxを求めることができる。また、前後荷重Fx入力時、St≒0およびSb≒0が成り立ち、上下荷重Fz入力時St+Sb≒0が成り立っているので、Fy=St+Sbとすることで、前後荷重Fxおよび上下荷重Fzのクロストークを排除して、左右荷重Fyを求めることができる。そして、前後荷重Fx入力時、St≒0およびSb≒0が成り立ち、左右荷重Fy入力に対しては、St−Sb≒0が成り立っているので、Fz=St−Sbとすることで、前後荷重Fxおよび左右荷重Fyのクロストークを排除して、上下荷重Fzを求めることができる。
また、本発明の軸受装置は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。つまり、前記各実施形態は車体側軌道部材が外輪2とされ、車輪側軌道部材が内軸1及び内輪部材14とされているが、図示しないが、これとは反対に、車体側軌道部材を内軸側とし、車輪側軌道部材を外輪側とした軸受装置であってもよい。そして、この場合において内軸側に複数のスリットと非接触式変位センサを設けている。
本発明の第1の実施形態に係る車輪用転がり軸受装置を示す断面図である。 図1の軸受装置を軸方向インナ側から見た図である。 第2の実施形態に係る車輪用転がり軸受装置の断面図である。
符号の説明
1 内軸
2 外輪
3a 転動体
3b 転動体
5 車輪側部材
6 変位センサ
7 スリット
8 径方向外側の内壁面
9 径方向内側の内壁面
16 円筒部
17 固定フランジ部
18 取り付け部材
19 取付孔
20 超磁歪部材
25 取付部
26 計測部

Claims (7)

  1. 車体側に固定される車体側軌道部材と、車輪が取り付けられる車輪側軌道部材と、これらの軌道部材の間に転動自在に介在された複列の転動体と、前記車体側軌道部材に形成されたスリットの変形挙動を検出する変位センサとを備えており、この変位センサで検出した前記スリットの変形挙動から前記車体側軌道部材に負荷される荷重を求めるようにした車輪用転がり軸受装置において、前記変位センサは、前記スリットを構成する一方の内壁面側に取り付けられた取付部と、前記スリットを構成する他方の内壁面に間隔をもって対面するように配置された計測部とを有する非接触式変位センサよりなることを特徴とする車輪用転がり軸受装置。
  2. 前記車体側軌道部材を車体側の取り付け部材に対して固定するための固定フランジ部が径方向外方に延びて当該車体側軌道部材に一体に形成され、前記スリットの幅方向が前記固定フランジ部の径方向に一致しかつ同スリットの深さ方向が前記固定フランジ部の厚さ方向に一致するように、当該スリットが前記固定フランジ部に形成されている請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置。
  3. 前記非接触式変位センサの取付部は、前記固定フランジ部の外周縁面から径方向外側の内壁面に向かって貫通する取付孔に挿通され、同変位センサの計測部は、その取付部から径方向内側に延びて前記スリット内に配置されている請求項2に記載の車輪用転がり軸受装置。
  4. 前記非接触式変位センサの取付部は、前記固定フランジ部の外側面に取り付けられ、同変位センサの計測部は、その取付部から当該固定フランジ部の厚さ方向に延びて前記スリット内に配置されている請求項2に記載の車輪用転がり軸受装置。
  5. 前記非接触式変位センサと対面状となる前記スリットの前記内壁面に、歪みにより磁界が前記車体側軌道部材よりも大きく変化する超磁歪部材が取り付けられており、この超磁歪部材における磁界の変化を前記変位センサが計測する請求項3又は4に記載の車輪用転がり軸受装置。
  6. 前記スリットは前記車体側軌道部材の上部、下部、水平前部、及び、水平後部にそれぞれ形成され、その各スリットの変形挙動を検出する各変位センサの軸方向での検出位置が、複列の前記転動体の軸方向中間位置とされている請求項1〜5のいずれか一項に記載の車輪用転がり軸受装置。
  7. 前記変位センサの出力を処理する処理手段と接続され、
    この処理手段によって、上部の変位センサから得られる出力St、下部の変位センサから得られる出力Sb、水平前部の変位センサから得られる出力Sf、及び水平後部の変位センサから得られる出力Srを使用して、車輪に作用している前後荷重Fx、左右荷重Fy、及び上下荷重Fzが次の式で求められる請求項6に記載の車輪用転がり軸受装置。
    Fx=Sr−Sf
    Fy=St+Sb
    Fz=St−Sb
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