JP7048403B2 - 基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム - Google Patents

基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7048403B2
JP7048403B2 JP2018084444A JP2018084444A JP7048403B2 JP 7048403 B2 JP7048403 B2 JP 7048403B2 JP 2018084444 A JP2018084444 A JP 2018084444A JP 2018084444 A JP2018084444 A JP 2018084444A JP 7048403 B2 JP7048403 B2 JP 7048403B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
valve
nozzle
substrate
delay period
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018084444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019192799A (ja
Inventor
憲太郎 ▲徳▼利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2018084444A priority Critical patent/JP7048403B2/ja
Priority to PCT/JP2019/017291 priority patent/WO2019208589A1/ja
Priority to TW108114448A priority patent/TWI710414B/zh
Publication of JP2019192799A publication Critical patent/JP2019192799A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7048403B2 publication Critical patent/JP7048403B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/304Mechanical treatment, e.g. grinding, polishing, cutting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Description

この発明は、基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラムに関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板がたとえば一枚ずつ処理される。具体的には、薬液が基板に供給されることにより、基板の主面が薬液によって処理される。その後、純水が基板に供給されることにより、基板に付着している薬液が洗い流される。薬液が洗い流された後は、有機溶剤の一例であるIPA(イソプロピルアルコール)が基板に供給され、基板に付着している純水がIPAに置換される。その後、基板が高速回転されることにより、基板に付着しているIPAが基板から除去され、基板が乾燥する。
しかしながら、このような基板処理方法では、基板を乾燥させるときに、基板の主面に形成されたパターンが倒壊する場合がある。そのため、下記特許文献1では、パターンの倒壊を防止するために、IPAによる置換後に基板の主面を疎水化させる手法が開示されている。
具体的には、基板の上面のIPAの液膜が形成された後、基板の上面中央部に向けてノズルから疎水化剤が吐出されることにより、基板の上面に疎水化剤が供給され、基板の上面に、当該上面の全域を覆う疎水化剤の液膜が形成される。これにより、基板の上面が疎水化される。その後、基板が高速回転されることにより、基板が乾燥する。
また、下記特許文献2には、薬液処理の終了からリンス処理の開始までの期間が、0.5秒以上1.5秒以内という短い時間に設定されている点が記載されている。
特開2017-112391号公報 特開2005-327807号公報
特許文献1の手法では、IPA処理(IPAを用いた処理)から疎水化剤処理(疎水化剤を用いた処理)への移行時において、IPA処理の終了から疎水化剤処理の開始までに間隔が空くと、基板の上面でIPAが乾燥してしまい、その結果、パターン倒壊が発生するおそれがある。
この問題を解決するために、IPA処理から疎水化剤処理への移行を連続的に行うことが考えられる。具体的には、疎水化剤およびIPAを供給するためのノズルを、疎水化剤ノズルとIPAノズルとに分け、疎水化剤ノズルに接続された疎水化剤配管に介装された疎水化剤バルブの閉動作の開始と、IPAノズルに接続されたIPA配管に介装されたIPAバルブの開動作の開始とを同期させることが考えられる。
しかしながら、IPAバルブの閉動作の開始からIPAバルブが完全に閉じるまでにタイムラグがある。また、疎水化剤バルブの開動作の開始から疎水化剤バルブが完全に開くまでにタイムラグがある。そのため、IPA処理から疎水化剤処理への移行時において、IPAノズルからIPAが吐出される期間と、疎水化剤ノズルから疎水化剤が吐出される期間とが部分的に重複する。基板の上面におけるIPAの着液位置と、基板の上面における疎水化剤の着液位置とは、ともに基板の上面中央部であり、互いに接近しているから、IPA処理から疎水化剤処理への移行時において、疎水化剤ノズルから吐出された疎水化剤と、IPAノズルから吐出されたIPAとが干渉し、液跳ねや大きな液乱れが発生するおそれがある。そして、これらの液跳ねや大きな液乱れに起因して、パターン倒壊やパーティクル汚染が発生するおそれがある。
このような上面中央部におけるパターン倒壊等を抑制または防止するために、下記特許文献2に記載のように、IPAノズルの吐出口からのIPAの吐出終了から、疎水化剤ノズルの吐出口からの疎水化剤の吐出開始までの期間を、所定の短時間だけ空けることも考えられる。しかしながら、この場合、IPA処理後の状態のまま放置されるから、前述したような、IPAの乾燥に伴うパターン倒壊の懸念がある。
そのため、基板に処理液(疎水化剤またはIPA)を液切れさせることなく、かつ疎水化剤とIPAとの干渉に起因する液跳ねの発生を抑制または防止しながら、IPA処理から疎水化剤処理に移行させる必要がある。
また、基板の疎水化後、基板の上面中央部に向けてIPAが供給され、基板の上面に保持されているIPAを、乾燥時に先立って疎水化剤に置換することもある。このような、疎水化剤処理からIPA処理への移行時にも、同様の課題が存在する。
さらには、処理液として疎水化剤およびIPAを採用する場合に限られず、他の処理液を採用する場合においても、第1の処理液処理(第1の処理液を用いる処理)の終了から第2の処理液処理(第2の処理液を用いる処理)の開始までの間に期間が空くと、基板の上面の露出に伴うパーティクルの発生等の問題が生じることもある。
そこで、この発明の目的の一つは、第1の処理液と第2の処理液との干渉に起因する液跳ねの発生を抑制または防止しながら、かつ基板に液切れさせることなく、第1の処理液処理から第2の処理液処理に移行させることができる、基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
また、第1のバルブ(IPAバルブ)の閉動作の開始後に、第2のバルブ(疎水化剤バルブ)の開動作を開始する場合、基板処理装置の制御上、第1のバルブの閉動作の開始から第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する必要がある。このような遅延期間を良好に設定することが求められている。
そこで、この発明の他の目的は、第1のバルブの閉動作の開始から第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を良好に設定できる、基板処理装置、遅延期間設定方法およびプログラムを提供することである。
の発明の一実施形態は、基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、前記第1のノズルとは別のノズルであって、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉を制御する制御装置とを含み、前記制御装置が、前記第1のノズルから前記第1の処理液が吐出されている吐出状態において、開状態にある前記第1のバルブを閉じる第1の閉動作工程と、前記第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出が完全には停止していない状態で前記第2のバルブの開動作を開始する第2の開動作工程とを実行する、基板処理装置を提供する。
この構成によれば、第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、第1のノズルからの第1の処理液の吐出が完全には停止していない状態で第2のバルブの開動作が開始される。第2のバルブの開動作の開始が第1のバルブの閉動作の開始よりも遅れるので、吐出された第1の処理液と、吐出された第2の処理液とが干渉する期間が短い。そのため、第1の処理液と第2の処理液との干渉に伴う液跳ねや大きな液乱れの発生を抑制または防止できる。また、第1のノズルからの第1の処理液の吐出が完全には停止していないタイミングで第2のバルブの開動作が開始されるので、基板への処理液の供給を途絶えさせることなく連続的に行うことができる。そのため、基板において液切れが生じない。これらにより、第1の処理液と第2の処理液との干渉に起因する液跳ねの発生を抑制または防止しながら、かつ基板に液切れさせることなく、第1の処理液処理から第2の処理液処理に移行させることができる。
の発明の一実施形態では、前記第2の開動作工程が、前記第1のバルブにおける前記第1の処理液の流通が完全に停止していない状態で前記第2のバルブの開動作を開始する工程を含む。
この構成によれば、第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、第1のバルブにおける第1の処理液の流通が完全に停止していないタイミングで第2のバルブの開動作が開始される。
「第1のノズルからの第1の処理液の吐出が完全には停止していないタイミング」は、「第1のバルブにおける第1の処理液の流通が完全に停止していないタイミング」と同視できる。また、第1の配管に流量計等を配置することにより、「第1のバルブにおける第1の処理液の流通が完全に停止していないタイミング」を良好に検出することが可能である。そのため、「第1のノズルからの第1の処理液の吐出が完全には停止していないタイミング」を良好に取得できる。
の発明の一実施形態では、前記遅延期間が、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量と前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が、所定の閾値以下になるように設けられている。そして、前記所定の閾値が、前記吐出状態における前記第1の処理液の吐出流量よりも低い値である。
この構成によれば、第1のノズルから第1の処理液が吐出される期間と、第2のノズルから第2の処理液が吐出される期間とは重複する。このとき、第1のノズルからの第1の処理液の吐出流量と第2のノズルからの第2の処理液の吐出流量とが一致するタイミングにおける、第1の処理液の吐出流量と第2の処理液の吐出流量との合計流量(以下、単に「合計流量」という場合がある)が、所定の閾値以下になるように、遅延期間が設定される。また、閾値が、第1のバルブの閉動作の開始直前における、第1の処理液の吐出流量より低い値である。合計流量がこのような閾値以下に設けられているので、第1の処理液と第2の処理液との干渉によって基板上で大きな液跳ねが生じない。そのため、第1の処理液処理から第2の処理液処理への移行時における液跳ねの発生を抑制または防止できる。
の発明の一実施形態では、前記遅延期間が、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて、前記合計流量が前記閾値以下になるように設けられている
この構成によれば、第1の流量推移情報および第2の流量推移情報は、処理を実行する基板処理装置ごとに、または、その処理条件ごとに異なる。そして、これら第1の流量推移情報および第2の流量推移情報に基づいて、合計流量が閾値以下になるような遅延期間が設けられるので、基板処理装置や処理条件に対応した良好な遅延期間を容易に設けることができる。
この発明の一実施形態のように、前記制御装置が、前記第1の流量推移情報と、前記第2の流量推移情報とを記憶する記憶ユニットを有していてもよい。
前記記憶ユニットには、予め定められた期間が前記遅延期間として記憶されていてもよい。この場合、前記制御装置が、前記記憶ユニットに記憶されている遅延期間に基づいて前記第2の開動作工程を実行してもよい。
この発明の一実施形態のように、前記第1の処理液が、疎水化剤および有機溶剤の一方を含み、前記第2の処理液が、疎水化剤および有機溶剤の他方を含んでいてもよい。
この場合、第1のノズルから、疎水化剤および有機溶剤の一方が吐出されている状態において、開状態にある第1のバルブが閉じられる。また、第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、疎水化剤および有機溶剤の一方の、第1のノズルからの吐出が完全には停止していない状態で第2のバルブの開動作が開始される。これにより、第2のノズルから、疎水化剤および有機溶剤の他方が吐出される。
第2のバルブの開動作の開始が第1のバルブの閉動作の開始よりも遅れるので、疎水化剤と有機溶剤とが基板上で干渉する期間が短い。そのため、疎水化剤と有機溶剤との干渉に伴う液跳ねや大きな液乱れの発生を抑制または防止できる。
また、疎水化剤および有機溶剤の一方の、第1のノズルからの吐出が完全には停止していないタイミングで第2のバルブの開動作が開始されるので、疎水化剤および有機溶剤の他方が供給されるまでの間に、疎水化剤および有機溶剤の一方が基板上において乾燥することを抑制または防止できる。
これにより、疎水化剤と有機溶剤との干渉に起因する液跳ねの発生を抑制または防止し、かつ、疎水化剤および有機溶剤の一方の基板での乾燥を抑制または防止しながら、疎水化剤および有機溶剤の一方を用いた処理から、疎水化剤および有機溶剤の他方を用いた処理に移行させることができる。
前記第1の処理液が有機溶剤を含み、前記第2の処理液が疎水化剤を含んでもよい。
の発明の一実施形態は、基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、前記第1のバルブの閉動作の開始から前記第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定ユニットとを含み、前記遅延期間設定ユニットが、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて前記遅延期間を算出し、算出した前記遅延期間を設定する、基板処理装置を提供する。
この構成によれば、基板処理装置が、第1のバルブの閉動作の開始から第2の開動作工程の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定ユニットを備えている。第1の流量推移情報および第2の流量推移情報は、処理を実行する基板処理装置ごとに、または、その処理条件ごとに異なる。そして、これら第1の流量推移情報および第2の流量推移情報に基づいて遅延期間が設けられるので、基板処理装置や処理条件に対応した良好な遅延期間を容易に設けることができる。
の発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記第1の流量推移情報および前記第2の流量推移情報を取得するために、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉を制御する情報取得制御装置をさらに含む。取得された前記第1の流量推移情報、および取得された前記第2の流量推移情報が前記記憶ユニットに記憶される。そして、前記遅延期間設定ユニットが、前記記憶ユニットに記憶されている前記第1の流量推移情報および前記第2の流量推移情報に基づいて前記遅延期間を設定する。
この構成によれば、第1のバルブおよび第2のバルブを実際に開閉して行う事前実験等に基づいて、情報取得制御装置が、当該基板処理装置に対応する第1の流量推移情報および第2の流量推移情報を取得する。そして、取得された第1の流量推移情報および第2の流量推移情報に基づいて、遅延期間が設定される。第1の流量推移情報および第2の流量推移情報が、当該基板処理装置における実測に基づく情報であるので、基板処理装置の個体差が排除された、良好な遅延期間を設定できる。
の発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記第1の流量推移情報および前記第2の流量推移情報を取得するために、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉を制御する情報取得制御装置と、前記第1の処理液の吐出流量を計測する流量計と、前記流量計によって計測されている吐出流量と、取得された前記第1の流量推移情報とに基づいて前記第1の処理液の吐出流量の将来の推移を予測する予測ユニットとをさらに含む。そして、前記遅延期間設定ユニットが、前記予測ユニットによって予測された前記将来の推移、および取得された前記第2の流量推移情報に基づいて前記遅延期間を設定する。
この構成によれば、計測している現在の第1の処理液の吐出流量に基づいて、第1の処理液の吐出流量の将来の推移が予測される。そして、予測された第1の流量推移情報と、取得した第2の流量推移情報とに基づいて、基板処理の進行に並行して遅延期間が設定される。これにより、進行中の基板処理の処理条件に最も適した良好な遅延期間を設定することが可能である。
の発明の一実施形態では、前記遅延期間設定ユニットが、前記第1の流量推移情報と前記第2の流量推移情報とに基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が閾値以下になるように前記遅延期間を設定する。
この構成によれば、第1のノズルから第1の処理液が吐出される期間と、第2のノズルから第2の処理液が吐出される期間とは重複する。このとき、第1のノズルからの第1の処理液の吐出流量と第2のノズルからの第2の処理液の吐出流量とが一致するタイミングにおける、第1の処理液の吐出流量と第2の処理液の吐出流量との合計流量が、所定の閾値以下になるように、遅延期間が設定される。また、閾値が、第1のバルブの閉動作の開始直前における、第1の処理液の吐出流量より低い値である。合計流量がこのような閾値以下に設けられているので、第1の処理液と第2の処理液との干渉によって基板上で大きな液跳ねが生じない。そのため、第1の処理液処理から第2の処理液処理への移行時における液跳ねの発生を抑制または防止できる。
この発明の一実施形態のように、前記遅延期間設定ユニットが、前記第1の流量推移情報と、前記第2の流量推移情報とを記憶する記憶ユニットを有していてもよい。
の発明の一実施形態では、前記遅延期間設定ユニットが、前記合計流量が閾値以下になる期間のうち最も短い期間を、前記遅延期間として設定する。
この構成によれば、合計流量が閾値以下になる期間のうち最も短い期間が遅延期間として設定される。これにより、基板に液切れさせることなく、第1の処理液処理から第2の処理液処理に移行させることが可能である。
この発明の一実施形態のように、前記閾値が、前記基板処理装置を用いた実験によって求められた値であってもよい。
この発明の一実施形態のように、前記基板における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の着液位置が、前記基板における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の着液位置と接近していてもよい。前記第1のノズルおよび前記第2のノズルが、前記基板の上面中央部に向けて、それぞれ前記第1の処理液および前記第2の処理液を吐出してもよい。
の発明の一実施形態は、基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、前記第1のノズルとは別のノズルであって、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、前記第2の配管を開閉する第2のバルブとを含む基板処理装置において実行される基板処理方法であって、前記第1のノズルから前記第1の処理液が吐出されている吐出状態において、開状態にある前記第1のバルブを閉じる第1の閉動作工程と、前記第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出が完全には停止していない状態で前記第2のバルブの開動作を開始する第2の開動作工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、第1のノズルからの第1の処理液の吐出が完全には停止していない状態で第2のバルブの開動作が開始される。第2のバルブの開動作の開始が第1のバルブの閉動作の開始よりも遅れるので、吐出された第1の処理液と、吐出された第2の処理液とが干渉する期間が短い。そのため、第1の処理液と第2の処理液との干渉に伴う液跳ねや大きな液乱れの発生を抑制または防止できる。また、第1のノズルからの第1の処理液の吐出が完全には停止していないタイミングで第2のバルブの開動作が開始されるので、基板への処理液の供給を途絶えさせることなく連続的に行うことができる。そのため、基板において液切れが生じない。これらにより、第1の処理液と第2の処理液との干渉に起因する液跳ねの発生を抑制または防止しながら、かつ基板に液切れさせることなく、第1の処理液処理から第2の処理液処理に移行させることができる。
の発明の一実施形態では、前記遅延期間が、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量と前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の流量と当該第2の処理液の流量との合計流量が所定の閾値以下になるように設けられている。そして、前記所定の閾値が、前記吐出状態における前記第1の処理液の吐出流量よりも低い値である。
この方法によれば、第1のノズルから第1の処理液が吐出される期間と、第2のノズルから第2の処理液が吐出される期間とは重複する。このとき、第1のノズルからの第1の処理液の吐出流量と第2のノズルからの第2の処理液の吐出流量とが一致するタイミングにおける、第1の処理液の吐出流量と第2の処理液の吐出流量との合計流量が、所定の閾値以下になるように、遅延期間が設定される。また、閾値が、第1のバルブの閉動作の開始直前における、第1の処理液の吐出流量より低い値である。合計流量がこのような閾値以下に設けられているので、第1の処理液と第2の処理液との干渉によって基板上で大きな液跳ねが生じない。そのため、第1の処理液処理から第2の処理液処理への移行時における液跳ねの発生を抑制または防止できる。
の発明の一実施形態では、前記遅延期間が、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて、前記閾値以下になるように設けられている。
この方法によれば、第1の流量推移情報および第2の流量推移情報は、処理を実行する基板処理装置ごとに、または、その処理条件ごとに異なる。そして、これら第1の流量推移情報および第2の流量推移情報に基づいて、合計流量が閾値以下になるような遅延期間が設けられるので、基板処理装置や処理条件に対応した良好な遅延期間を容易に設けることができる。
この発明の一実施形態のように、前記第1の処理液が、疎水化剤および有機溶剤の一方を含み、前記第2の処理液が、疎水化剤および有機溶剤の他方を含んでいてもよい。
この場合、第1のノズルから、疎水化剤および有機溶剤の一方が吐出されている状態において、開状態にある第1のバルブが閉じられる。また、第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、疎水化剤および有機溶剤の一方の、第1のノズルからの吐出が完全には停止していない状態で第2のバルブの開動作が開始される。これにより、第2のノズルから、疎水化剤および有機溶剤の他方が吐出される。
第2のバルブの開動作の開始が第1のバルブの閉動作の開始よりも遅れるので、疎水化剤と有機溶剤とが基板上で干渉する期間が短い。そのため、疎水化剤と有機溶剤との干渉に伴う液跳ねや大きな液乱れの発生を抑制または防止できる。
また、疎水化剤および有機溶剤の一方の、第1のノズルからの吐出が完全には停止していないタイミングで第2のバルブの開動作が開始されるので、疎水化剤および有機溶剤の他方が供給されるまでの間に、疎水化剤および有機溶剤の一方が基板上において乾燥することを抑制または防止できる。
これにより、疎水化剤と有機溶剤との干渉に起因する液跳ねの発生を抑制または防止し、かつ、疎水化剤および有機溶剤の一方の基板での乾燥を抑制または防止しながら、疎水化剤および有機溶剤の一方を用いた処理から、疎水化剤および有機溶剤の他方を用いた処理に移行させることができる。
前記第1の処理液が有機溶剤を含み、前記第2の処理液が疎水化剤を含んでもよい。
の発明の一実施形態は、基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、前記第2のノズルに対して第2の処理液を供給する第2の配管と、前記第2の配管を開閉する第2のバルブとを含む基板処理装置において、前記第1のバルブの閉動作の開始から前記第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定方法であって、前記遅延期間が、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が閾値以下になる期間を算出し、その期間を前記遅延期間として設定する、遅延期間設定方法を提供する。
この方法によれば、遅延期間設定方法が、第1のバルブの閉動作の開始から第2の開動作工程の開始までの遅延期間を設定する。第1の流量推移情報および第2の流量推移情報は、処理を実行する基板処理装置ごとに、または、その処理条件ごとに異なる。そして、これら第1の流量推移情報および第2の流量推移情報に基づいて、合計流量が閾値以下になるような遅延期間が設けられるので、基板処理装置や処理条件に対応した良好な遅延期間を容易に設けることができる。
前記基板処理装置が、記憶ユニットを含んでいてもよい。前記記憶ユニットに、前記第1の流量推移情報および前記第2の流量推移情報が記憶されていてもよい。
の発明の一実施形態では、前記遅延期間設定方法が、前記合計流量が閾値以下になる期間のうち最も短い期間を、前記遅延期間として設定する。
この方法によれば、合計流量が閾値以下になる期間のうち最も短い期間が遅延期間として設定される。これにより、基板に液切れさせることなく、第1の処理液処理から第2の処理液処理に移行させることが可能である。
の発明の一実施形態では、第1のノズルに前記第1の処理液を供給するための第1の配管を開閉する第1のバルブの閉動作の開始から、前記第1のノズルとは別のノズルである第2のノズルに第2の処理液を供給するための第2の配管を開閉する第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定方法を基板処理装置において実行させるためのプログラムであって、前記遅延期間設定方法が、前記遅延期間が、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報、および前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報に基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が閾値以下になる期間を算出し、その期間を前記遅延期間として設定する、プログラムを提供する。前記第1の流量推移情報および前記第2の流量推移情報が、前記基板処理装置の記憶ユニットに記憶されていてもよい。
この方法によれば、遅延期間設定方法が、第1のバルブの閉動作の開始から第2の開動作工程の開始までの遅延期間を設定する。第1の流量推移情報および第2の流量推移情報は、処理を実行する基板処理装置ごとに、または、その処理条件ごとに異なる。そして、これら第1の流量推移情報および第2の流量推移情報に基づいて、合計流量が閾値以下になるような遅延期間が設けられるので、基板処理装置や処理条件に対応した良好な遅延期間を容易に設けることができる。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を上から見た模式図である。 図2は、前記基板処理装置に備えられた処理ユニットの内部を水平方向に見た模式図である。 図3は、共通ノズルの構成例を説明するための模式的な縦断面図である。 図4は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図5は、前記基板処理装置の処理対象の基板の表面を拡大して示す断面図である。 図6は、前記基板処理装置による基板処理例を説明するための流れ図である。 図7は、IPA供給工程から疎水化剤供給工程への移行時における基板を水平に見た模式図である。 図8は、IPA供給工程から疎水化剤供給工程への移行時における、バブルの開閉およびバルブにおける処理液の流通流量の推移を示す図である。 図9は、図8の要部を拡大した図である。 図10は、参考形態に係る、前記疎水化剤供給工程への移行時における、バブルの開閉およびバルブにおける処理液の流通流量の推移を示す図である。 図11は、図10の要部を拡大した図である。 図12は、閾値の決定を説明するための図である。 図13は、閾値の決定を説明するための図である。 図14は、第1の変形例を説明するための模式図である。 図15は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図16Aは、図15の記憶ユニットに記憶される立ち下がり流量推移パターンを説明するための図である。 図16Bは、図15の記憶ユニットに記憶される立ち上がり流量推移パターンを説明するための図である。 図16Cは、前記立ち下がり流量推移パターンと、前記立ち上がり流量推移パターンとのマッチングを説明するための図である。 図17Aは、遅延期間設定を説明するための流れ図である。 図17Bは、事前実験を説明するための流れ図である。 図18は、第2の変形例を説明するためのブロック図である。 図19は、第3の変形例に係る遅延期間設定を説明するための流れ図である。 図20は、第3の変形例に係る遅延期間設定を説明するための模式図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を上から見た模式図である。基板処理装置1は、シリコンウエハなどの基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。この実施形態では、基板Wは、円板状の基板である。基板処理装置1は、処理液およびリンス液で基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容する基板収容器Cが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送するインデクサロボットIRおよび基板搬送ロボットCRと、基板処理装置1を制御する制御装置3とを含む。インデクサロボットIRは、基板収容器Cと基板搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。基板搬送ロボットCRは、インデクサロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。
図2は、処理ユニット2の構成例を説明するための図解的な断面図である。
処理ユニット2は、箱形のチャンバ4と、チャンバ4内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持ユニット)5と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に薬液を供給するための薬液供給ユニット6と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面にリンス液を供給するためのリンス液供給ユニット7と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に疎水化剤を吐出するための疎水化剤ノズル8と、疎水化剤ノズル8に液体の疎水化剤を供給するための疎水化剤配管9と、疎水化剤配管9を開閉する疎水化剤バルブ10と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に有機溶剤を吐出するための有機溶剤ノズル11と、有機溶剤ノズル11に液体の有機溶剤を供給するための有機溶剤配管12と、有機溶剤配管12を開閉する有機溶剤バルブ13と、スピンチャック5を取り囲む筒状の処理カップ14とを含む。
チャンバ4は、スピンチャック5等を収容する箱型の隔壁15を含む。
スピンチャック5として、基板Wを水平方向に挟んで基板Wを水平に保持する挟持式のチャックが採用されている。具体的には、スピンチャック5は、スピンモータ(回転ユニット)16と、このスピンモータ16の駆動軸と一体化されたスピン軸17と、スピン軸17の上端に略水平に取り付けられた円板状のスピンベース18とを含む。
スピンベース18は、基板Wの外径よりも大きな外径を有する水平な円形の上面18aを含む。上面18aには、その周縁部に複数個(3個以上。たとえば4個または6個)の挟持部材19が配置されている。複数個の挟持部材19は、スピンベース18の上面周縁部において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けてたとえば等間隔に配置されている。
また、スピンチャック5としては、挟持式のものに限らず、たとえば、基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な回転軸線まわりに回転することにより、スピンチャック5に保持された基板Wを回転させる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
薬液供給ユニット6は、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に向けて薬液を下方に吐出する薬液ノズル20と、薬液供給源からの薬液を薬液ノズル20に導く薬液配管21と、薬液配管21を開閉する薬液バルブ22とを含む。薬液は、たとえば、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、および界面活性剤、腐食防止剤の少なくとも1つを含む液であってもよい。薬液バルブ22が開かれると、薬液配管21から薬液ノズル20に薬液が供給される。薬液バルブ22が閉じられると、薬液配管21から薬液ノズル20への薬液の供給が停止される。薬液ノズル20を移動させることにより、基板Wの上面に対する薬液の着液位置を、基板Wの上面中央部と、それ以外の部分(たとえば周縁部)との間で移動させる薬液ノズル移動装置を備えていてもよい。
リンス液供給ユニット7は、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に向けてリンス液を下方に吐出するリンス液ノズル23と、リンス液供給源からのリンス液をリンス液ノズル23に導くリンス液配管24と、リンス液配管24を開閉するリンス液バルブ25とを含む。リンス液は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionized water)である。リンス液バルブ25が開かれると、リンス液配管24からリンス液ノズル23にリンス液が供給される。リンス液バルブ25が閉じられると、リンス液配管24からリンス液ノズル23へのリンス液の供給が停止される。リンス液は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(たとえば、10~100ppm程度)の塩酸水のいずれであってもよい。リンス液ノズル23を移動させることにより、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置を、基板Wの上面中央部と、それ以外の部分(たとえば周縁部)との間で移動させるリンス液ノズル移動装置を備えていてもよい。
疎水化剤配管9に供給される疎水化剤は、金属を疎水化するメタル系の疎水化剤である。疎水化剤は、配位性の高い疎水化剤である。すなわち、疎水化剤は、主として配位結合によって金属を疎水化する溶剤である。疎水化剤は、たとえば、疎水基を有するアミン、および有機シリコン化合物の少なくとも一つを含む。疎水化剤は、シリコン系の疎水化剤であってもよいし、メタル系の疎水化剤であってもよい。
シリコン系の疎水化剤は、シリコン(Si)自体およびシリコンを含む化合物を疎水化させる疎水化剤である。シリコン系疎水化剤は、たとえば、シランカップリング剤である。シランカップリング剤は、たとえば、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、TMS(テトラメチルシラン)、フッ素化アルキルクロロシラン、アルキルジシラザン、および非クロロ系疎水化剤の少なくとも一つを含む。非クロロ系疎水化剤は、たとえば、ジメチルシリルジメチルアミン、ジメチルシリルジエチルアミン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、N,N-ジメチルアミノトリメチルシラン、N-(トリメチルシリル)ジメチルアミンおよびオルガノシラン化合物の少なくとも一つを含む。
メタル系の疎水化剤は、たとえば高い配位性を有し、主として配位結合によって金属を疎水化する溶剤である。この疎水化剤は、たとえば、疎水基を有するアミン、および有機シリコン化合物の少なくとも一つを含む。
より具体的には、疎水化剤として、たとえば、OSRA-A004、OSRA-7801、PK-HP-S、PK-HUS等を例示できる。
疎水化剤バルブ10は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。
疎水化剤配管9には、その一次側、すなわち疎水化剤バルブ10の上流側に、疎水化剤配管9を流通する疎水化剤の流量を検出する疎水化剤流量計9Aが介装されている。
処理ユニット2は、疎水化剤配管9に介装された第1の吸引装置9Bを備えている。第1の吸引装置9Bは、たとえばダイヤフラム式の吸引装置である。ダイヤフラム式の吸引装置は、配管の途中部に介装される筒状のヘッドと、ヘッド内に収容されたダイヤフラムとを含み、ダイヤフラムの駆動により、ヘッド内に形成される流路の容積を変化させるような公知の構成の吸引装置である。図2の例では、第1の吸引装置9Bが疎水化剤バルブ10と別装置で構成されているが、疎水化剤バルブ10の一部を利用して設けられていてもよい。
有機溶剤配管12に供給される有機溶剤は、水よりも表面張力が低い溶剤である。有機溶剤は、水を含んでいてもよい。有機溶剤の具体例としては、アルコールや、フッ素系溶剤とアルコールの混合液が挙げられる。アルコールは、たとえば、メチルアルコール、エタノール、プロピルアルコール、およびIPAの少なくとも一つを含む。フッ素系溶剤は、たとえば、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)の少なくとも一つを含む。以下の説明では、有機溶剤がIPAである場合を例に挙げる。
有機溶剤バルブ13は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。
有機溶剤配管12には、その一次側、すなわち有機溶剤バルブ13の上流側に、有機溶剤配管12を流通するIPAの流量を検出する有機溶剤流量計12Aが介装されている。流量計9A,12Aが、配管9,12においてバルブ10,13の上流側に配置されているが、バルブ10,13の上流側は常に液密状態に保たれている。そのため、流量計9A,12Aの計測流量と、バルブ10,13における処理液(疎水化剤、IPA)の流通流量とを同視できる。また、疎水化剤ノズル8の吐出口8aと疎水化剤バルブ10との距離は、有機溶剤ノズル11の吐出口11aと有機溶剤バルブ13との距離とそれほど大差なく、そのため、バルブ10,13における処理液(疎水化剤、IPA)の流通流量と、ノズル8,11からの処理液(疎水化剤、有機溶剤)の吐出流量を同視できる。
処理ユニット2は、有機溶剤配管12に介装された第2の吸引装置12Bを備えている。第2の吸引装置12Bは、たとえばダイヤフラム式の吸引装置である。図2の例では、第2の吸引装置12Bが有機溶剤バルブ13と別装置で構成されているが、有機溶剤バルブ13の一部を利用して設けられていてもよい。また、第1および第2の吸引装置9B,12Bとしてダイヤフラム式ではなく、サイフォン式が採用されていてもよい。
処理カップ14は、スピンチャック5に保持されている基板Wよりも外方(回転軸線A1から離れる方向)に配置されている。処理カップ14は、スピンベース18を取り囲んでいる。スピンチャック5が基板Wを回転させている状態で、処理液やリンス液、保護液等の液体が基板Wに供給されると、基板Wに供給された液体が基板Wの周囲に振り切られる。これらの液体が基板Wに供給されるとき、処理カップ14の上端部14aは、スピンベース18よりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された液体は、処理カップ14によって受け止められる。そして、処理カップ14に受け止められた液体は、図示しない回収装置または廃液装置に送られる。
図3は、共通ノズルCNの構成例を説明するための構成例を説明するための模式的な縦断面図である。
処理ユニット2は、さらに、スピンチャック5に保持されている基板Wの上方に、不活性ガス等の低湿度ガスを吐出するための気体ノズル32と、気体ノズル32に低湿度ガスを供給する気体配管30と、気体配管30を開閉する気体バルブ31とを含む。
この実施形態では、気体ノズル32に、疎水化剤ノズル8および有機溶剤ノズル11が一体に結合されている。すなわち、気体ノズル32は、共通ノズルCNとして機能する。そのため、共通ノズルCNは、IPAを吐出する有機溶剤ノズルとしての機能と、疎水化剤を吐出する疎水化剤ノズルとしての機能と、窒素ガス等の不活性ガスを吐出する不活性ガスノズルとしての機能とを備えている。
共通ノズルCNには、共通ノズルCNを昇降および水平移動させるためのノズル移動ユニット29が結合されている。ノズル移動ユニット29は、共通ノズルCNを、スピンチャック5に保持された基板Wの上面中央部を通る円弧状の軌跡に沿って水平に移動させる。また、ノズル移動ユニット29は、共通ノズルCNを、基板Wの上面中央部の上方の処理位置(図9に示す共通ノズルCNの位置)と、基板Wの上方から側方に退避したホーム位置との間で移動させる。
気体ノズル32は、下端にフランジ部33を有する円筒状のノズル本体34を有している。フランジ部33の側面である外周面には、上側気体吐出口35および下側気体吐出口36が、それぞれ環状に外方に向けて開口している。上側気体吐出口35および下側気体吐出口36は、上下に間隔を空けて配置されている。ノズル本体34の下面には、中心気体吐出口37が配置されている。
ノズル本体34には、気体配管30から不活性ガスが供給される気体導入口38,39が形成されている。気体導入口38,39に対して、個別の不活性ガス配管が結合されてもよい。ノズル本体34内には、気体導入口38と上側気体吐出口35および下側気体吐出口36とを接続する筒状の気体流路41が形成されている。また、ノズル本体34内には、気体導入口39に連通する筒状の気体流路42が疎水化剤ノズル8または有機溶剤ノズル11のまわりに形成されている。気体流路42の下方にはバッファ空間43が連通している。バッファ空間43は、さらに、パンチングプレート44を介して、その下方の空間45に連通している。この空間45が中心気体吐出口37に開放している。気体導入口38,39に供給される低湿度ガスとしては、窒素ガス(N)等の不活性ガスを例示できるが、不活性ガス以外の低湿度ガス、たとえば乾燥空気や清浄空気などを採用することもできる。
気体導入口38から導入された低湿度ガスは、気体流路41を介して上側気体吐出口35および下側気体吐出口36に供給され、これらの気体吐出口35,36から放射状に吐出される。これにより、上下方向に重なる2つの放射状気流が基板Wの上方に形成される。一方、気体導入口39から導入された不活性ガスは、気体流路42を介してバッファ空間43に蓄えられ、さらにパンチングプレート44を通って拡散された後に、空間45を通って中心気体吐出口37から基板Wの上面に向けて下方に吐出される。この不活性ガスは、基板Wの上面にぶつかって方向を変え、放射方向の不活性ガス流を基板Wの上方に形成する。
したがって、中心気体吐出口37から吐出される不活性ガスが形成する放射状気流と、気体吐出口35,36からの吐出される二層の放射状気流とを合わせて、三層の放射状気流が基板Wの上方に形成されることになる。この三層の放射状気流によって、基板Wの上面が保護される。
疎水化剤ノズル8は、気体流路42、バッファ空間43およびパンチングプレート44を貫通して上下方向に延びている。疎水化剤ノズル8の下端の吐出口8aは、基板Wの上面に向けて鉛直上方から液体の疎水化剤を吐出する。
有機溶剤ノズル11は、気体流路42、バッファ空間43およびパンチングプレート44を貫通して上下方向に延びている。有機溶剤ノズル11の下端の吐出口11aは、基板Wの上面に向けて鉛直上方から液体のIPAを吐出する。
共通ノズルCNが処理位置(図7に示す、共通ノズルCNの位置)に配置された状態で、共通ノズルCNの下面と基板Wの上面との間隔W1は、たとえば約5mmである。また、共通ノズルCNが処理位置に配置された状態で、疎水化剤ノズル8から基板Wの上面に向けて吐出された疎水化剤は、基板Wの上面中央部に着液する。さらに、共通ノズルCNが処理位置に配置された状態で、有機溶剤ノズル11から基板Wの上面に向けて吐出されたIPAは、基板Wの上面中央部に着液する。
図4は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。
制御装置3は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されている。制御装置3はCPU等の演算ユニット51、固定メモリデバイス(図示しない)、ハードディスクドライブ等の記憶ユニット52、および入出力ユニット(図示しない)を有している。
記憶ユニット52には、演算ユニット51が実行するプログラム53や、基板Wに対する各処理の内容を規定するレシピが記憶されている。また、記憶ユニット52には、後述する遅延期間D1,D2を記憶するための遅延期間記憶部54が設けられている。遅延期間記憶部54は、電気的にデータを書き換え可能な不揮発性メモリからなる。
制御装置3には、疎水化剤流量計9Aからの検出出力が与えられる。制御装置3は、この検出出力に基づいて疎水化剤配管9を流通している疎水化剤の流量を検知できる。また、制御装置3には、有機溶剤流量計12Aからの検出出力が与えられるようになっている。制御装置3は、この検出出力に基づいて有機溶剤配管12を流通しているIPAの流量を検知できる。
また、制御装置3は、スピンモータ16、ノズル移動ユニット29および吸引装置9B,12Bの動作を制御する。
また、制御装置3は、スピンモータ16およびノズル移動ユニット29の動作を制御する。また、制御装置3は、疎水化剤バルブ10、有機溶剤バルブ13、薬液バルブ22、リンス液バルブ25、気体バルブ31等を開閉する。
以下では、デバイス形成面である表面にパターンが形成された基板Wを処理する場合について説明する。
図5は、基板処理装置1の処理対象の基板Wの表面を拡大して示す断面図である。処理対象の基板Wは、たとえばシリコンウエハであり、そのパターン形成面である表面(上面62)にパターンPが形成されている。パターンPは、たとえば微細パターンである。パターンPは、凸形状(柱状)を有する構造体61が行列状に配置されていてもよい。この場合、構造体61の線幅W2はたとえば10nm~45nm程度に、パターンPの隙間W3はたとえば10nm~数μm程度に、それぞれ設けられている。パターンPの膜厚Tは、たとえば、1μm程度である。また、パターンPは、たとえば、アスペクト比(線幅W2に対する膜厚Tの比)が、たとえば、5~500程度であってもよい(典型的には、5~50程度である)。
また、パターンPは、微細なトレンチにより形成されたライン状のパターンが、繰り返し並べられていてもよい。また、パターンPは、薄膜に、複数の微細穴(ボイド(void)またはポア(pore))を設けることにより形成されていてもよい。
パターンPは、たとえば絶縁膜を含む。また、パターンPは、導体膜を含んでいてもよい。より具体的には、パターンPは、複数の膜を積層した積層膜により形成されており、さらには、絶縁膜と導体膜とを含んでいてもよい。パターンPは、単層膜で構成されるパターンであってもよい。絶縁膜は、シリコン酸化膜(SiO膜)やシリコン窒化膜(SiN膜)であってもよい。また、導体膜は、低抵抗化のための不純物を導入したアモルファスシリコン膜であってもよいし、金属膜(たとえば金属配線膜)であってもよい。
また、パターンPは、親水性膜であってもよい。親水性膜として、TEOS膜(シリコン酸化膜の一種)を例示できる。
図6は、基板処理装置1によって実行される基板処理例を説明するための流れ図である。図7は、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時における基板Wを水平に見た模式図である。
図1~図6を参照しながら、この基板処理例について説明する。
未処理の基板Wは、ロボットIR,CRによって搬送されチャンバ4に搬入され、チャンバ4内に収容されているスピンチャック5に、デバイス形成面である表面をたとえば上に向けた状態で受け渡され、スピンチャック5に基板Wが保持される(図6のS1:基板搬入)。基板Wの搬入に先立って、共通ノズルCNは、基板Wの上方から側方に位置する退避位置に退避させられている。また、疎水化剤配管9の内部の疎水化剤の先端面、および有機溶剤配管12の内部のIPAの先端面が、それぞれ所定の後退位置まで後退させられている。
その後、制御装置3は、スピンモータ16によって基板Wの回転を開始させる(図6のS2。回転工程)。基板Wは予め定める液処理速度(300~1500rpmの範囲内で、たとえば500rpm)まで上昇させられ、その液処理速度に維持される。
基板Wの回転が液処理速度に達すると、制御装置3は、基板Wの上面に薬液を供給する薬液工程(図6のS3)を実行する。具体的には、制御装置3は、薬液バルブ22を開く。それにより、回転状態の基板Wの上面に向けて、薬液ノズル20から薬液が供給される。供給された薬液は遠心力によって基板Wの上面の全域に行き渡り、基板Wに薬液を用いた薬液処理が施される。薬液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置3は、薬液バルブ22を閉じて、薬液ノズル20からの薬液の吐出を停止する。これにより、薬液工程(S3)が終了する。
次いで、制御装置3は、基板Wの上面に存在している薬液をリンス液に置換して基板W上から薬液を排除するためのリンス工程(図6のS4)を実行する。具体的には、制御装置3は、リンス液バルブ25を開く。それにより、回転状態の基板Wの上面に向けて、リンス液ノズル23からリンス液が吐出される。吐出されたリンス液は遠心力によって基板Wの上面の全域に行き渡る。このリンス液によって、基板W上に付着している薬液が洗い流される。
次いで、基板Wの上面に、有機溶剤の一例としてのIPAを供給するIPA供給工程が行われる(図6のS5)。このIPA供給工程(S5)において、有機溶剤(IPA)は低表面張力液体として機能する。具体的には、制御装置3は、ノズル移動ユニット29を制御して、退避位置から基板Wの上方に共通ノズルCNを移動させる。さらに、制御装置3は、ノズル移動ユニット29を制御して共通ノズルCNを下降させ、処理位置(図7に示す位置)に配置する。そして、制御装置3は、気体バルブ31を開いて、低湿度ガスを気体ノズル32の3つの気体吐出口(上側気体吐出口35(図3参照)、下側気体吐出口36(図3参照)および中心気体吐出口37(図3参照))から吐出開始させる。これにより、上下方向に重なる三層の環状気流が基板Wの上方に形成され、この三層の環状気流によって基板Wの上面が保護される(図7を併せて参照)。
スピンチャック5によって基板Wを回転させながら、制御装置3は、有機溶剤バルブ13を開いて、有機溶剤ノズル11から基板Wの上面中央部に向けてIPAを吐出させる。基板Wの上面中央部に着液したIPAは、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの上面の周縁部に向けて流れる。これにより、基板Wの上面に、基板Wの上面の全域を覆うIPAの液膜が形成される(基板Wの上面がIPAでカバレッジされる。有機溶剤液膜形成工程)。これにより、基板Wに保持されていたリンス液がIPAに置換される。IPAの吐出開始から所定期間が経過すると、制御装置3は、有機溶剤バルブ13を閉じてIPAの吐出を停止させる。有機溶剤バルブ13の閉成後、制御装置3は、第2の吸引装置12Bを駆動して、有機溶剤配管12の内部のIPAを所定量吸引する。IPAの吸引により、有機溶剤配管12の内部のIPAの先端面が、所定の後退位置まで後退させられる。IPA供給工程(S5)が行われることにより、基板Wからリンス液が除去される。
次いで、液体の疎水化剤を基板Wの上面に供給する疎水化剤供給工程が行われる(図6のS6)。具体的には、制御装置3は、共通ノズルCNを処理位置に位置決めし、かつスピンチャック5によって基板Wを回転させながら、さらに疎水化剤バルブ10を開いて疎水化剤ノズル8の吐出口8aから基板Wの上面中央部に向けて疎水化剤を吐出させる。
基板Wの上面中央部に着液した疎水化剤は、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板の上面の周縁部に向けて流れる。そして、基板Wに保持されていた液膜に含まれるIPAが、疎水化剤に置換される。これにより、基板Wの上面に、基板Wの上面の全域を覆う疎水化剤の液膜が形成される。基板Wの上面に疎水化剤の液膜が形成されることにより、疎水化剤がパターンPの奥深くにまで入り込んで、基板Wの上面が疎水化される(疎水化処理)。疎水化剤の吐出開始から所定期間が経過すると、制御装置3は、疎水化剤バルブ10を閉じて疎水化剤の吐出を停止させる。疎水化剤バルブ10の閉成後、制御装置3は、第1の吸引装置9Bを駆動して、疎水化剤配管9の内部の疎水化剤を所定量吸引する。疎水化剤の吸引により、疎水化剤配管9の内部の疎水化剤の先端面が、所定の後退位置まで後退させられる。
次いで、有機溶剤としてのIPAを基板Wの上面に供給するIPA供給工程が行われる(図6のS7)。このIPA供給工程(S7)において、IPAは乾燥剤として機能する。
具体的には、制御装置3は、共通ノズルCNを処理位置(図7に示す位置)に位置決めし、かつスピンチャック5によって基板Wを回転させながら、有機溶剤バルブ13を開いて、有機溶剤ノズル11から基板Wの上面中央部に向けてIPAを吐出させる。これにより、有機溶剤ノズル11から吐出されたIPAが基板Wの上面全域に供給される。したがって、基板Wに保持されている疎水化剤の大部分は、IPAによって洗い流される。そして、IPAの吐出開始から所定期間が経過すると、制御装置3は、有機溶剤バルブ13を閉じてIPAの吐出を停止させる。有機溶剤バルブ13の閉成後、制御装置3は、第2の吸引装置12Bを駆動して、有機溶剤配管12の内部のIPAを所定量吸引する。IPAの吸引により、有機溶剤配管12の内部のIPAの先端面が、所定の後退位置まで後退させられる。
次いで、制御装置3は、スピンドライ工程(図6のS8)を実行する。具体的には、制御装置3は、液処理速度よりも大きい所定のスピンドライ速度(たとえば数千rpm)まで基板Wを加速させ、そのスピンドライ速度で基板Wを回転させる。これにより、大きな遠心力が基板W上の液体に加わり、基板Wに付着している液体が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wから液体が除去され、基板Wが乾燥する。
基板Wの高速回転の開始から予め定める期間が経過すると、制御装置3は、スピンモータ16を制御して、スピンチャック5による基板Wに対する回転を停止させる(図6のS9)。
また、制御装置3は、気体バルブ31を閉じて、気体ノズル32の3つの気体吐出口からの低湿度ガスの吐出を停止させる。また、制御装置3は、ノズル移動ユニット29を制御して共通ノズルCNを退避位置に戻す。
その後、処理済みの基板Wが、ロボットIR,CRによってスピンチャック5から搬出される(図6のS10)。
図8は、バルブ10,13の開閉状態、およびバルブ10,13における処理液(疎水化剤およびIPA)の流通流量の推移を示す図である。図9は、図8の要部を拡大した図である。
図8および図9では、流量計9A,12Aによって計測された流量を、バルブ10,13における処理液(疎水化剤およびIPA)の流通流量としている。また、図9においては、有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量と、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量との合計流量TFも併せて示している。
疎水化剤バルブ10は、弁体を移動させるタイプのバルブである。そのため、疎水化剤バルブ10の開動作の開始から、疎水化剤バルブ10が完全に開かれる(疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量が、予め定める流量になる)までにタイムラグがある。また、疎水化剤バルブ10の閉動作の開始から、疎水化剤バルブ10が完全に閉じる(疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量が零になる)までにタイムラグがある。
有機溶剤バルブ13は、弁体を移動させるタイプのバルブである。そのため、有機溶剤バルブ13の開動作の開始から、有機溶剤バルブ13が完全に開かれる(有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量が、予め定める流量になる)までにタイムラグがある。有機溶剤バルブ13の閉動作の開始から、有機溶剤バルブ13が完全に閉じる(有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量が零になる)までにタイムラグがある。
IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行について説明する。
有機溶剤バルブ13の閉動作の開始から完全に閉じるまでのIPAの流通流量は、次に述べるように推移する。すなわち、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始に伴って、有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量は急減する。その後、有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量は、流量減少の勾配を緩めながら零に近づく。有機溶剤バルブ13の閉動作の開始から有機溶剤バルブ13が完全に閉じるまでの時間はたとえば約2秒間である。
また、疎水化剤バルブ10の開動作の開始から完全に開くまでの疎水化剤の流通流量は、次に述べるように推移する。すなわち、疎水化剤バルブ10の開動作の開始に伴って、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量は急増する。その後、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量は、流量増大の勾配を緩めながら予め定める流量に近づく。疎水化剤バルブ10の開動作の開始から疎水化剤バルブ10が完全に開くまでの時間はたとえば約2秒間である。
以下、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時において、制御装置3は、疎水化剤バルブ10の開動作の開始タイミングを、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始タイミングよりも、所定の遅延期間D1だけ遅らせている。遅延期間D1は、たとえば0.6sec以上2.0sec以下の期間である。とくに0.8sec以上1.4sec以下が好ましい。
この遅延期間D1は、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始から有機溶剤バルブ13が完全に閉じるまでのタイムラグ(図8に示す「PE1」の期間)よりも短く設定されている。そのため、有機溶剤バルブ13が完全に閉じていない状態(つまり、有機溶剤ノズル11からのIPAの吐出が完全には停止していない状態)で疎水化剤バルブ10の開動作が開始される。
遅延期間D1は、より具体的には、次のように設定されている。有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量と、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量とが一致するタイミング(図9の流量交点P1が得られるタイミング(以下、「流量交点タイミング」という))に着目する。この流量交点タイミングにおける、有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量と、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量との合計流量TF(以下、「流量交点タイミングの合計流量TF」という)が、所定の閾値Th未満になるように遅延期間D1が設定されている。また、遅延期間D1は、有機溶剤と疎水化剤とが干渉しないか、あるいはパターン倒壊やパーティクル汚染を考慮して干渉が許容できる範囲内で、可能な限り短い期間に設定されている。
閾値Thは、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始直前における有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量以下の所定値である。より好ましくは、閾値Thは、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始直前における有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量の1/2以下の所定値である。閾値Thの設定については、図12および図13を参照しながら後述する。
遅延期間D1が極めて短い時間であるために、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時において、有機溶剤バルブ13をIPAが流通する期間(以下、「IPA流通期間」という場合がある)と、疎水化剤バルブ10を疎水化剤が流通する期間(以下、「疎水化剤流通期間」という場合がある)とが重複する。この実施形態では、IPA流通期間と疎水化剤流通期間とが重なる期間において、遅延期間D1が設けられている。この場合、図9に示すように、IPA流通期間と疎水化剤流通期間とが重なる期間において、合計流量TFの推移が下に凸の形状をなしている。
次に、疎水化剤供給工程(S6)からIPA供給工程(S7)への移行について説明する。
疎水化剤バルブ10の閉動作の開始から完全に閉じるまでの疎水化剤の流通流量は、次に述べるように推移する。すなわち、疎水化剤バルブ10の閉動作の開始に伴って、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量は急減する。その後、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量は、流量減少の勾配を緩めながら零に近づく。疎水化剤バルブ10の閉動作の開始から疎水化剤バルブ10が完全に閉じるまでの時間はたとえば約2秒間である。
また、有機溶剤バルブ13の開動作の開始から完全に開くまでのIPAの流通流量は、次に述べるように推移する。すなわち、有機溶剤バルブ13の開動作の開始に伴って、有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量は急増する。その後、有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量は、流量増大の勾配を緩めながら予め定める流量に近づく。有機溶剤バルブ13の開動作の開始から有機溶剤バルブ13が完全に開くまでの時間はたとえば約2秒間である。
疎水化剤供給工程(S6)からIPA供給工程(S7)への移行時において、制御装置3は、有機溶剤バルブ13の開動作の開始タイミングを、疎水化剤バルブ10の閉動作の開始タイミングよりも、所定の遅延期間D2だけ遅らせている。遅延期間D2は、たとえば0.6sec以上2.0sec以下の期間である。とくに0.8sec以上1.4sec以下が好ましい。
この遅延期間D2は、疎水化剤バルブ10の閉動作の開始から疎水化剤バルブ10が完全に閉じるまでのタイムラグ(図8に示す「PE2」の期間)よりも短く設定されている。そのため、疎水化剤バルブ10が完全に閉じていない状態(つまり、疎水化剤ノズル8からの疎水化剤の吐出が完全には停止していない状態)で有機溶剤バルブ13の開動作が開始される。
遅延期間D2は、より具体的には、次のように設定されている。流量交点タイミングにおける、有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量と、疎水化剤バルブ10における疎水化剤の流通流量との合計流量TF(以下、「流量交点タイミングの合計流量TF」という)が、所定の閾値Th未満になるように遅延期間D2が設定されている。また、遅延期間D2は、可能な限り短い期間に設定されている。これらのIPAの流通流量および疎水化剤の流通流量は、それぞれ、流量計12A,9Aによる計測流量である。
以上により、この実施形態によれば、IPA供給工程(図6のS5)から疎水化剤供給工程(図6のS6)への移行時において、次に述べる作用効果を奏する。
すなわち、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始から遅延期間D1の経過後、有機溶剤バルブ13において有機溶剤の流通が完全に停止していないタイミング(有機溶剤ノズル11からのIPAの吐出が完全には停止していないタイミング)で疎水化剤バルブ10の開動作が開始される。
疎水化剤バルブ10の開動作の開始が有機溶剤バルブ13の閉動作の開始よりも遅れるので、IPAと疎水化剤とが基板W上で干渉する期間が短い。そのため、IPAと疎水化剤との干渉に伴う液跳ねや大きな液乱れの発生を抑制または防止できる。そのため、基板Wの上面中央部における、パターン倒壊およびパーティクル汚染を効果的に抑制することができる。また、有機溶剤ノズル11からのIPAの吐出が完全には停止していないタイミングで疎水化剤バルブ10の開動作が開始されるので、疎水化剤が供給されるまでの間に基板W上においてIPAが乾燥することを抑制または防止できる。これにより、IPAと疎水化剤との干渉に起因する液跳ねや大きな液乱れの発生を抑制または防止し、かつ基板W上でのIPAの乾燥を抑制または防止しながら、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)に移行させることができる。
また、流量交点タイミングの合計流量TF(すなわち、IPAの吐出流量と疎水化剤の吐出流量との合計流量)が、閾値Th未満になるように、遅延期間D1が設定されている。閾値Thは、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始直前における有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量(すなわち、IPAの吐出流量)以下の所定値である(より好ましくは、IPAの流通流量の1/2以下の所定値である)。合計流量TFがこのような閾値Th未満に設けられているので、IPAと疎水化剤との干渉によって基板W上で大きな液跳ねが生じない。そのため、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時における液跳ねや大きな液乱れの発生を抑制または防止できる。
また、疎水化剤供給工程(S6)からIPA供給工程(図6のS7)への移行時においても、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時の場合と同等の作用効果を奏する。
図10は、参考形態に係る、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時における、バルブ10,13の開閉およびバルブ10,13における処理液(IPA、疎水化剤)の流通流量の推移を示す図である。
参考形態が、図1~図9に示す実施形態(第1の実施形態)と相違する点は、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時において、遅延期間D1を設けずに、制御装置3が、疎水化剤バルブ10の開動作の開始タイミングと、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始タイミングとを同期させた点である。
疎水化剤バルブ10の開動作の開始タイミングと、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始タイミングとを同期させたために、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時において、IPA流通期間と、疎水化剤流通期間とが重複する。この場合、図11に示すように、IPA流通期間と疎水化剤流通期間とが重なる期間において、合計流量TFの推移が上に凸の形状をなしている。この場合、流量交点タイミングの合計流量TFが、有機溶剤バルブ13の閉動作の開始直前における有機溶剤バルブ13におけるIPAの流通流量を超える。換言すると、流量交点タイミングの合計流量TFが、閾値Thを超える。
この場合には、基板Wの上面中央部に吐出される疎水化剤およびIPAの合計流量が多いので、基板Wの上面中央部において、IPAと疎水化剤とが干渉し、液跳ねや大きな液乱れが発生するおそれがある。そして、これらの液跳ねや大きな液乱れに起因して、疎水化剤の供給が阻害されることにより、基板Wの上面中央部において十分な疎水化が行われず、乾燥時における基板Wの高速回転によって、パターン倒壊が発生するおそれがある。
また、共通ノズルCNが処理位置(図7に示す、共通ノズルCNの位置)に配置されている状態では、共通ノズルCNの下面と基板Wの上面との間が狭いので、液跳ねした疎水化剤やIPAが共通ノズルCNの下面に付着する。そして、乾燥時において、液滴または液滴が固化して生じるパーティクルが基板Wの上面に付着することにより、基板Wの上面中央部におけるパーティクル汚染の原因になることが考えられる。
また、疎水化剤供給工程(S6)からIPA供給工程(S7)への移行時において、有機溶剤バルブ13の開動作の開始タイミングと、疎水化剤バルブ10の閉動作の開始タイミングとを同期させた場合にも、IPAと疎水化剤とが干渉し、液跳ねや大きな液乱れが発生するおそれがある。そして、これらの液跳ねや大きな液乱れに起因して、IPAの供給が阻害されることによりIPAによる充分な置換が行えず、乾燥時における基板の高速回転によって、パターン倒壊が発生するおそれがある。また、疎水化剤供給工程(S6)からIPA供給工程(S7)への移行時には、前述したパーティクル汚染の問題もある。
図12および図13は、閾値Thの決定を説明するための図である。
閾値Thは、基板処理装置1を用いた事前実験によって求められる。事前実験の詳細については、後述する。以下では、遅延期間D1および遅延期間D2を含む遅延期間を総称して、遅延期間Dという場合がある。
オペレータは、事前実験において、遅延期間Dを複数の期間(図13の例では、0.2sec、0.4secおよび0.6secの3種類の期間)の間で異ならせながら、基板W(サンプル用の基板)を処理する。そして、オペレータは、処理後の基板Wの状態に基づき、良品であるか否かを判定する。オペレータは、事前実験によって、良品と判定された全ての遅延期間Dに対応する閾値のうち、最も高い値を閾値Thとして決定する。
図13を用いて具体的に説明する。良品「OK」と判定された遅延期間が0.4secおよび0.6secであると仮定する。このとき、遅延期間が0.4secの場合の方が、遅延期間が0.6secの場合の方よりも流量交点P1の値が大きくなる(図12参照)。この場合、遅延期間が0.4secの場合に対応する値、すなわち、流量交点P1における合計流量TF(すなわち、流量交点P1における流量の2倍の流量)の値を閾値Thとして決定する。換言すると、閾値Thは、パターン倒壊やパーティクル汚染を考慮して許容される、流量交点P1における最大の合計流量TFである。さらに、換言すると、図12に示すように、閾値Thの半分(1/2・Th)が、流量交点P1が一致する。
このようにして決定された閾値Thに基づいてオペレータは遅延期間Dを設定する。具体的には、流量交点タイミングの合計流量TFが当該閾値Th未満になるように遅延期間Dが設定され、遅延間記憶部54に当該遅延期間Dが記憶される。なお、事前実験の結果に基づいて、オペレータの操作により制御装置3へ遅延期間Dが直接入力され、遅延期間記憶部54に記憶される構成としても良い(上記の例の場合は、0.4secが遅延期間Dとして入力される)。
図14は、第1の実施形態に係る第1の変形例における、共通ノズルCNの構成例を説明するための模式図である。第1の変形例において、その他の構成については、第1の実施形態にて説明した構成と同様である。本願発明の実施に関しては、図14に示すように、疎水化剤流量計9Aが、疎水化剤配管9の二次側、すなわち疎水化剤バルブ10の下流側に介装されていてもよい。また、有機溶剤流量計12Aが、有機溶剤配管12の二次側、すなわち有機溶剤バルブ13の下流側に介装されていてもよい。また、図14に示す第1の変形例は、次に述べる第2の実施形態にも適用可能である。
<第2の実施形態>
図15は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置201の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。
第2の実施形態に係る基板処理装置201が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、記憶ユニット52に、プログラム53や遅延期間記憶部54の他に、閾値記憶部211および流量推移情報記憶部212を備えた点である。その他の点においては、第1の実施形態に係る基板処理装置1と共通するため、各部構成について同一符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態では、制御装置3が、情報取得制御装置および遅延期間設定ユニットとして機能する。
閾値記憶部211は、閾値Thを記憶する。閾値記憶部211には、基板処理装置1を用いた事前実験(後述する)によって求められた閾値Thが記憶されている。
流量推移情報記憶部212は、次に述べる立ち下がり流量推移パターン(第1の流量推移情報)FC1および立ち上がり流量推移パターン(第2の流量推移情報)FC2が記憶されている。立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2は、後述するようにマッチングのために用いられるパターンである。
図16Aは、立ち下がり流量推移パターンFC1を説明するための図である。立ち下がり流量推移パターンFC1は、第1のノズルからの第1の処理液の吐出流量(たとえば、有機溶剤ノズル11からの有機溶剤の吐出流量)の時間変化を表すパターンである。立ち下がり流量推移パターンFC1は、処理液バルブ(たとえば、有機溶剤バルブ13)の閉動作の開始からの、吐出流量の時間変化を表している。立ち下がり流量推移パターンFC1は、基板処理装置1を用いた事前実験(後述する)によって求められており、基板処理装置1の制御装置3によって流量推移情報記憶部212に記憶されている。
図16Bは、立ち上がり流量推移パターンFC2を説明するための図である。立ち上がり流量推移パターンFC2は、第2のノズルからの第2の処理液の吐出流量(たとえば、疎水化剤ノズル8からの疎水化剤の吐出流量)の時間変化を表すパターンである。立ち上がり流量推移パターンFC2は、第2のバルブ(たとえば、疎水化剤バルブ10)の開動作の開始からの、吐出流量の時間変化を表している。立ち上がり流量推移パターンFC2は、基板処理装置1を用いた事前実験(後述する)によって求められており、基板処理装置1の制御装置3によって流量推移情報記憶部212に記憶されている。
閾値Th、立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2が、それぞれ、基板処理装置1を用いた事前実験によって求められており、しかもそれらを用いて遅延期間Dを算出するので、基板処理装置の配管構成の影響(疎水化剤ノズル8の吐出口8aと疎水化剤バルブ10との距離と、有機溶剤ノズル11の吐出口11aと有機溶剤バルブ13との距離とが異なる等)を排除して、遅延期間Dを良好に求めることができる。
図16Cは、立ち下がり流量推移パターンFC1と、立ち上がり流量推移パターンFC2とのマッチングを説明するための図である。図17Aは、遅延期間設定を説明するための流れ図である。
演算ユニット51は、閾値記憶部211から閾値Thを読み出す(図17AのS11)、また、演算ユニット51は、立ち下がり流量推移パターンFC1と、立ち上がり流量推移パターンFC2とを時間軸方向に関してパターンマッチングする(図17AのS12)。
この実施形態では、立ち上がり流量推移パターンFC2の波形が、立ち下がり流量推移パターンFC1の波形にマッチングされている。立ち上がりの開始時点が、立ち下がり流量推移パターンFC1と同じ立ち上がり流量推移パターンFC2を、基準パターン(図16Cに実線で表す)とする。
パターンマッチング(S12)では、立ち上がり流量推移パターンFC2が時間軸方向にスライドされる。立ち上がり流量推移パターンFC2を左側にスライドさせると、流量交点P1における流量(すなわち、流量交点P1の高さ位置)が減少する。立ち上がり流量推移パターンFC2を右側にスライドさせると、流量交点P1における流量が増大する。
そして、立ち上がり流量推移パターンFC2を、流量交点P1における合計流量TF(すなわち、流量交点P1における流量の2倍の流量)が閾値Th以内でかつ最大になるように配置する。そのときの立ち上がり流量推移パターンFC2(図16Cに一点鎖線で表す)の、基準パターンからの時間軸方向のずれ量を、演算ユニット51は、遅延期間Dとして算出する。立ち上がり流量推移パターンFC2を、流量交点P1における流量が最大になるような位置に配置することで、遅延期間Dとして最も短い時間を選択できる。
演算ユニット51は、算出した遅延期間Dを、遅延期間記憶部54に記憶させる(図17AのS14)。
図17Bは、基板処理装置1を用いて行われる事前実験を説明するための流れ図である。
この事前実験は、制御装置3が閾値Thを取得するための実験である。また、この事前実験は、制御装置3が、立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2を取得するための実験でもある。この事前実験では、処理対象の基板として、サンプル用の基板が用いられる。
サンプル用の基板は、チャンバ4に搬入され、チャンバ4内に収容されているスピンチャック5に、デバイス形成面である表面をたとえば上に向けた状態で保持される。
この状態で、チャンバ4内において、前述した基板処理例に示す各工程(図6のS2~S9)との同等の工程が、サンプル用の基板に施される(S17BのS21)。すなわち、IPA供給工程(S5)、疎水化剤供給工程(S6)およびIPA供給工程(S7)が、サンプル用の基板に順に施される。
各工程(S2~S9)の処理時間、各工程(S2~S9)におけるサンプル用の基板の回転速度等の処理条件は、前述した基板処理例(図6)における処理条件と同一である。むろん、IPA供給工程(S5,S7)におけるIPAの吐出流量や、疎水化剤供給工程(S6)における疎水化剤の吐出流量についても、前述した基板処理例(図6)の場合と同一流量である。
事前実験は、他の条件を同一に保持したまま、遅延期間D(図16C参照)を異ならせながら、複数回行われる。
この事前実験において、立ち下がり流量推移パターンFC1が取得される(図17BのS22)。具体的には、有機溶剤バルブ13が閉じられると、制御装置3は、有機溶剤流量計12Aの出力する計測値を参照し、有機溶剤流量計12Aが出力する計測値を、有機溶剤バルブ13の閉動作が開始されてからの時間と対応付けてサンプリングする。制御装置3は、サンプリングされた計測値に基づいて、IPAの計測値の時間変化を表す立ち下がり流量推移パターンFC1を取得し、この立ち下がり流量推移パターンFC1を流量推移情報記憶部212に格納する。
また、この事前実験において、立ち上がり流量推移パターンFC2が取得される(図17BのS23)。具体的には、疎水化剤バルブ10が開かれると、制御装置3は、疎水化剤流量計9Aの出力する計測値を参照し、疎水化剤流量計9Aが出力する計測値を、疎水化剤バルブ10の開動作が開始されてからの時間と対応付けてサンプリングする。制御装置3は、サンプリングされた計測値に基づいて、疎水化剤の計測値の時間変化を表す立ち上がり流量推移パターンFC2を取得し、この立ち上がり流量推移パターンFC2を流量推移情報記憶部212に格納する。
そして、オペレータが、図12および図13において説明した内容と同様に、事前実験によって得られたサンプル用の基板を観察し、良品であるか否かを判定する。オペレータは、事前実験によって、良品と判定された全ての遅延期間に対応する閾値(流量交点P1における合計流量TF(すなわち、流量交点P1における流量の2倍の流量)の値)のうち、最も高い値を閾値Thとして決定する。このようにして決定された閾値Thが、オペレータの操作により制御装置3に入力される。入力された閾値Thが、閾値記憶部211に記憶される(図17BのS24)。
以上により、この第2の実施形態によれば、制御装置3が、第1のバルブ(有機溶剤バルブ13)の閉動作の開始から第2のバルブ(疎水化剤バルブ10)の開動作の開始までの遅延期間Dを設定する。立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2は、基板処理を実行する基板処理装置1ごとに、または、その処理条件ごとに異なる。そして、これら立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2を用いたマッチングによって、合計流量TFが閾値Th以下になるような遅延期間Dが設けられるので、基板処理装置1や処理条件に対応した良好な遅延期間Dを容易に設けることができる。しかもマッチングによって遅延期間Dを求めるので、流量交点P1における合計流量TFが閾値Th以内でかつ最大になるような遅延期間Dを比較的容易に設けることができる。
また、立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2が、基板処理装置1を用いた事前実験に基づいて取得されるので(すなわち、実測値であるので)、基板処理装置1の個体差が排除された、良好な遅延期間Dを設定できる。
また、合計流量TFが閾値Th以下になる期間のうち最も短い期間が遅延期間Dとして設定される。換言すると、遅延期間Dとして、可能な限り短い期間が設定される。これにより、基板Wに液切れさせることなく、第1の処理液処理(有機溶剤供給工程(S5))から第2の処理液処理(疎水化剤供給工程(S6))に移行させることが可能である。
図18は、第2の実施形態に係る変形例(第2の変形例)を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1のように、複数のチャンバ4を備えた基板処理装置1では、チャンバ4が異なれば配管9,12が異なる。また、バルブ10,13から吐出口8a,11aまでの距離がチャンバ4毎に異なることがある。これらに起因して、バルブ10,13の開閉動作と、その開閉動作における、吐出口8a,11aからの処理液の吐出流量の推移(バルブ10,13における処理液の流通流量の推移)とが、チャンバ4ごとにばらつくおそれがある。
そのため、第2の変形例では、各チャンバ4に、立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2を対応付けて設けている。そのため、遅延期間Dもチャンバ4毎に異なる。この場合、閾値Thは、各チャンバ4間で共通の値が用いられる。
これにより、吐出口8a,11aからの処理液の吐出流量の推移(バルブ10,13における処理液の流通流量の推移)がチャンバ4ごとにばらつく場合であっても、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時のパターン倒壊やパーティクルの発生を抑制または防止できる。
この場合、閾値Thが共通であるので、閾値Thを得るための大掛かりな事前実験(図17Bを用いて説明した事前実験)は、1つのチャンバ4でのみ行えば足り、他のチャンバ4については、立ち下がり流量推移パターンFC1や立ち上がり流量推移パターンFC2を取得するための事前実験で足りる。流量推移パターンFC1,FC2を得るためだけの事前実験であれば、処理条件でバルブ10,13を開閉させれば足りるのでダミー基板等を用いて、短時間で行うことができる。よって、事前実験に伴うオペレータの負担が少ない。
図19は、第2の実施形態に係る変形例(第3の変形例)に係る遅延期間設定を説明するための流れ図である。図20は、第3の変形例に係る遅延期間設定を説明するための模式図である。
第3の変形例では、チャンバ4における基板処理例の実行に並行して遅延期間Dを設定する(リアルタイム設定)。
演算ユニット51は、閾値記憶部211から閾値Thを読み出す(図19のS31)。また、演算ユニット51は、有機溶剤流量計12Aが出力する計測値をサンプリング(監視)する(図19のS32)。有機溶剤バルブ13の閉動作が開始されると、有機溶剤流量計12Aによる計測値が急減する。有機溶剤バルブ13の閉動作が開始後の所定タイミング(図20に示す「現時点」)において、演算ユニット51は、サンプリングされた計測値に基づいて、IPAの計測値の時間変化を表すIPAパターンを作成する。また、演算ユニット51は、作成したIPAパターンを、流量推移情報記憶部212に記憶されている立ち下がり流量推移パターンFC1の波形にパターンマッチングさせる。このパターンマッチングでは、立ち下がり流量推移パターンFC1が時間軸方向にスライドされ、両パターンの波形のずれが少なくなるように両パターンがパターンマッチングされる。これにより、現時点において、IPAの吐出流量の将来の推移が予測される(図19のS33)。
そして、演算ユニット51は、予測されたIPAの吐出流量の将来の推移と、立ち上がり流量推移パターンFC2とを時間軸方向に関してパターンマッチングする(図19のS34)。このマッチングは、図17AのS12の場合と同様の手法を用いて行う。
そして、立ち上がり流量推移パターンFC2を、流量交点P1における合計流量TF(すなわち、流量交点P1における流量の2倍の流量が閾値Th以内でかつ最大になるように配置して、遅延期間Dを算出する(図19のS35)。その後、演算ユニット51は、算出した遅延期間Dを、遅延期間記憶部54に記憶させる(図19のS36)。
この場合、計測している現在のIPAの吐出流量に基づいて、IPAの吐出流量の将来の推移が予測される。そして、予測された立ち下がり流量推移と、取得した立ち上がり流量推移パターンFC2とに基づいて、基板処理の進行に並行して遅延期間Dが設定される。これにより、進行中の基板処理の処理条件に最も適した良好な遅延期間Dを設定することが可能である。
また、第2の実施形態の前述の説明では、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時のバルブ10,13の開閉を例に挙げて説明した。しかしながら、疎水化剤供給工程(S6)からIPA供給工程(S7)への移行時のバルブ10,13の開閉にも、第2の実施形態を適用することができる。
また、IPA供給工程(S5)から疎水化剤供給工程(S6)への移行時と、疎水化剤供給工程(S6)からIPA供給工程(S7)への移行時とで、閾値Thを互いに異ならせるようにしてもよい。
以上、この発明の2つの実施形態および3つの変形例について説明したが、本発明は、さらに他の実施形態を用いて実施することもできる。
たとえば、制御装置3が閾値Thを取得するための事前実験と、制御装置3が、立ち下がり流量推移パターンFC1および立ち上がり流量推移パターンFC2を取得するための事前実験とを、一括ではなく、個別に行うこともできる。
また、第2の実施形態において、立ち上がり流量推移パターンFC2は、基板処理装置1を用いた事前実験によって得られた実測データではく、予め作成されたデータであってもよい。バルブ10,13の開動作の開始時には、処理液(IPA、疎水化剤)の先端面が後退させられており、バルブ10,13の開動作の開始後におけるバルブ10,13を流通する処理液の挙動(IPA、疎水化剤)にそれほど差が見られない。そのため、立ち上がり流量推移パターンFC2は、実測データでなく、予め作成されたデータであってもよい。
また、閾値Thは、該基板処理装置1を用いた事前実験を用いて判定された値でなく、予め与えられた値であってもよい。
また、第1および第2の実施形態において、ノズル8,11が、共通ノズルCNではなく、基板Wの上面の略全域の上方に対向する遮断部材に設けられていてもよい。
また、前述の実施形態において、基板処理装置1が半導体ウエハからなる基板Wの表面を処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置が、液晶表示装置用基板、有機EL(electrolumineScence)表示装置などのFPD(Flat Panel DiSplay)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板を処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :基板処理装置
2 :処理ユニット
3 :制御装置
4 :チャンバ
5 :スピンチャック(基板保持ユニット)
8 :疎水化剤ノズル(第1のノズルおよび第2のノズルの他方)
9 :疎水化剤配管(第1の配管および第2の配管の他方)
9A :疎水化剤流量計
10 :疎水化剤バルブ(第1のバルブおよび第2のバルブの他方)
11 :有機溶剤ノズル(第1のノズルおよび第2のノズルの一方)
12 :有機溶剤配管(第1の配管および第2の配管の一方)
12A :有機溶剤流量計(流量計)
13 :有機溶剤バルブ(第1のバルブおよび第2のバルブの一方)
51 :演算ユニット
52 :記憶ユニット
54 :遅延期間記憶部
201 :基板処理装置
211 :閾値記憶部
212 :流量推移情報記憶部
D :遅延期間
D1 :遅延期間
D2 :遅延期間
FC1 :立ち下がり流量推移パターン(第1の流量推移情報)
FC2 :立ち上がり流量推移パターン(第2の流量推移情報)
P1 :流量交点
TF :合計流量
Th :閾値
W :基板

Claims (15)

  1. 基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、有機溶剤を含む第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、
    前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、
    前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、
    前記第1のノズルとは別のノズルであって、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、疎水化剤を含む第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、
    前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、
    前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、
    前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とを記憶する記憶ユニットを有し、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉を制御する制御装置とを含み、
    前記制御装置が、前記第1のノズルから前記第1の処理液が吐出されている吐出状態において、開状態にある前記第1のバルブを閉じる第1の閉動作工程と、前記第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出が完全には停止していない状態で前記第2のバルブの開動作を開始する第2の開動作工程とを実行し、
    前記遅延期間が、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量と前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が、所定の閾値以下になるように設けられており、
    前記閾値が、前記吐出状態における前記第1の処理液の吐出流量よりも低い値であり、
    前記遅延期間が、前記第1の流量推移情報と前記第2の流量推移情報とに基づいて、前記合計流量が前記閾値以下になるように設けられている、基板処理装置。
  2. 前記第2の開動作工程が、前記第1のバルブにおける前記第1の処理液の流通が完全に停止していない状態で前記第2のバルブの開動作を開始する工程を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記記憶ユニットが、前記遅延期間として、予め定められた期間を記
    前記制御装置が、前記記憶ユニットに記憶されている前記遅延期間に基づいて前記第2の開動作工程を実行する、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、有機溶剤を含む第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、
    前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、
    前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、疎水化剤を含む第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、
    前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、
    前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、
    前記第1のバルブの閉動作の開始から前記第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定ユニットとを含み、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とを記憶する記憶ユニットを有し、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記第1の流量推移情報と前記第2の流量推移情報とに基づいて前記遅延期間を算出し、算出した前記遅延期間を設定する、基板処理装置。
  5. 前記第1の流量推移情報および前記第2の流量推移情報を取得するために、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉を制御する情報取得制御装置をさらに含み、
    取得された前記第1の流量推移情報、および取得された前記第2の流量推移情報が前記記憶ユニットに記憶され、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記記憶ユニットに記憶されている前記第1の流量推移情報おび前記第2の流量推移情報に基づいて前記遅延期間を設定する、請求項に記載の基板処理装置。
  6. 基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、
    前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、
    前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、
    前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、
    前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、
    前記第1のバルブの閉動作の開始から前記第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定ユニットと、
    前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報および前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報を取得するために、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉を制御する情報取得制御装置と、
    前記第1の処理液の吐出流量を計測する流量計と、
    前記流量計によって計測されている吐出流量と、取得された前記第1の流量推移情報とに基づいて前記第1の処理液の吐出流量の将来の推移を予測する予測ユニットとを含み、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記第1の流量推移情報と前記第2の流量推移情報とに基づいて前記遅延期間を算出し、算出した前記遅延期間を設定し、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記予測ユニットによって予測された前記将来の推移、および取得された前記第2の流量推移情報に基づいて前記遅延期間を設定する、基板処理装置。
  7. 前記遅延期間設定ユニットが、前記第1の流量推移情報と前記第2の流量推移情報とに基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が所定の閾値以下になるように前記遅延期間を設定する、請求項のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、
    前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、
    前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、
    前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、
    前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、
    前記第1のバルブの閉動作の開始から前記第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定ユニットと、を含み、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて前記遅延期間を算出し、算出した前記遅延期間を設定し、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記第1の流量推移情報と前記第2の流量推移情報とに基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が所定の閾値以下になるように前記遅延期間を設定し、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記合計流量が前記閾値以下になる期間のうち最も短い期間を、前記遅延期間として設定する、基板処理装置。
  9. 基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、
    前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、
    前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、
    前記第1のノズルとは別のノズルであって、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、
    前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、
    前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、
    前記第1のバルブおよび前記第2のバルブの開閉を制御する制御装置と、を含む基板処理装置であって、
    前記制御装置が、前記第1のノズルから前記第1の処理液が吐出されている吐出状態において、開状態にある前記第1のバルブを閉じる第1の閉動作工程と、前記第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出が完全には停止していない状態で前記第2のバルブの開動作を開始する第2の開動作工程とを実行し、
    前記遅延期間が、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量と前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が、所定の閾値以下になるように設けられており、
    前記閾値が、前記吐出状態における前記第1の処理液の吐出流量よりも低い値であり、
    前記閾値が、前記基板処理装置を用いた実験によって求められた値である、基板処理装置。
  10. 基板を保持する基板保持ユニットと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、
    前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、
    前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、
    前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に向けて、第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、
    前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、
    前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、
    前記第1のバルブの閉動作の開始から前記第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定ユニットと、を含む基板処理装置であって、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて前記遅延期間を算出し、算出した前記遅延期間を設定し、
    前記遅延期間設定ユニットが、前記第1の流量推移情報と前記第2の流量推移情報とに基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が閾値以下になるように前記遅延期間を設定し、
    前記閾値が、前記基板処理装置を用いた実験によって求められた値である、基板処理装置。
  11. 前記基板における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の着液位置が、前記基板における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の着液位置と接近している、請求項6、8、9または10に記載の基板処理装置。
  12. 基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、有機溶剤を含む第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、前記第1のノズルとは別のノズルであって、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、疎水化剤を含む第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、記憶ユニットとを含む基板処理装置において実行される基板処理方法であって、
    前記第1のノズルから前記第1の処理液が吐出されている吐出状態において、開状態にある前記第1のバルブを閉じる第1の閉動作工程と、
    前記第1のバルブの閉動作の開始から遅延期間の経過後、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出が完全には停止していない状態で前記第2のバルブの開動作を開始する第2の開動作工程とを含み、
    前記遅延期間が、前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量と前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が、所定の閾値以下になるように設けられており、
    前記閾値が、前記吐出状態における前記第1の処理液の吐出流量よりも低い値であり、
    前記遅延期間が、前記記憶ユニットに記憶された流量推移情報であって前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記記憶ユニットに記憶された流量推移情報であって前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて、前記合計流量が前記閾値以下になるように設けられている、基板処理方法。
  13. 基板を保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、有機溶剤を含む第1の処理液を吐出するための第1のノズルと、前記第1のノズルに前記第1の処理液を供給する第1の配管と、前記第1の配管を開閉する第1のバルブと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面中央部に向けて、疎水化剤を含む第2の処理液を吐出するための第2のノズルと、前記第2のノズルに対して前記第2の処理液を供給する第2の配管と、前記第2の配管を開閉する第2のバルブと、記憶ユニットとを含む基板処理装置において、前記第1のバルブの閉動作の開始から前記第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定方法であって、
    前記遅延期間が、前記記憶ユニットに記憶された流量推移情報であって前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報と、前記記憶ユニットに記憶された流量推移情報であって前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報とに基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が所定の閾値以下になる期間を算出し、その期間を前記遅延期間として設定する、遅延期間設定方法。
  14. 前記遅延期間設定方法が、前記遅延期間設定方法が、前記合計流量が前記閾値以下になる期間のうち最も短い期間を、前記遅延期間として設定する、請求項13に記載の遅延期間設定方法。
  15. 第1のノズルに第1の処理液を供給するための第1の配管を開閉する第1のバルブの閉動作の開始から、前記第1のノズルとは別のノズルである第2のノズルに第2の処理液を供給するための第2の配管を開閉する第2のバルブの開動作の開始までの遅延期間を設定する遅延期間設定方法を基板処理装置において実行させるためのプログラムであって、
    前記遅延期間設定方法が、前記基板処理装置の記憶ユニットに記憶された流量推移情報であって前記第1のバルブの閉動作の開始後における前記第1のノズルからの前記第1の処理液の吐出流量の推移についての第1の流量推移情報、および前記記憶ユニットに記憶された流量推移情報であって前記第2のバルブの開動作の開始後における前記第2のノズルからの前記第2の処理液の吐出流量の推移についての第2の流量推移情報に基づいて、前記第1の処理液の吐出流量と前記第2の処理液の吐出流量とが一致する状態における、当該第1の処理液の吐出流量と当該第2の処理液の吐出流量との合計流量が閾値以下になる期間を算出し、その期間を前記遅延期間として設定する、プログラム。
JP2018084444A 2018-04-25 2018-04-25 基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム Active JP7048403B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018084444A JP7048403B2 (ja) 2018-04-25 2018-04-25 基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム
PCT/JP2019/017291 WO2019208589A1 (ja) 2018-04-25 2019-04-23 基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム
TW108114448A TWI710414B (zh) 2018-04-25 2019-04-25 基板處理裝置、基板處理方法、延遲期間設定方法及記錄媒體

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018084444A JP7048403B2 (ja) 2018-04-25 2018-04-25 基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019192799A JP2019192799A (ja) 2019-10-31
JP7048403B2 true JP7048403B2 (ja) 2022-04-05

Family

ID=68295063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018084444A Active JP7048403B2 (ja) 2018-04-25 2018-04-25 基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7048403B2 (ja)
TW (1) TWI710414B (ja)
WO (1) WO2019208589A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7460448B2 (ja) * 2020-05-29 2024-04-02 株式会社Screenホールディングス 基板処理方法、および、基板処理装置
JP2023005095A (ja) * 2021-06-28 2023-01-18 株式会社Screenホールディングス 基板処理方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014197571A (ja) 2012-08-28 2014-10-16 大日本スクリーン製造株式会社 基板処理方法および基板処理装置
JP2016072344A (ja) 2014-09-29 2016-05-09 株式会社Screenホールディングス 基板処理装置および基板処理方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6211458B2 (ja) * 2014-04-30 2017-10-11 東京エレクトロン株式会社 基板液処理装置及び基板液処理方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014197571A (ja) 2012-08-28 2014-10-16 大日本スクリーン製造株式会社 基板処理方法および基板処理装置
JP2016072344A (ja) 2014-09-29 2016-05-09 株式会社Screenホールディングス 基板処理装置および基板処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
TWI710414B (zh) 2020-11-21
WO2019208589A1 (ja) 2019-10-31
JP2019192799A (ja) 2019-10-31
TW202010577A (zh) 2020-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7604424B2 (en) Substrate processing apparatus
KR102541745B1 (ko) 습식 에칭 방법, 기판 액처리 장치 및 기억 매체
KR101215705B1 (ko) 도포 장치, 도포 방법, 도포ㆍ현상 장치 및 컴퓨터 판독 가능한 매체
JP5771035B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
US10741422B2 (en) Substrate processing device and substrate processing method
JP2009071235A (ja) 基板処理装置
US20060098979A1 (en) Substrate processing apparatus and substrate processing method
US11823921B2 (en) Substrate processing device and substrate processing method
US20070130716A1 (en) Substrate processing apparatus and substrate processing method
US20060159449A1 (en) Substrate processing apparatus
JP7048403B2 (ja) 基板処理装置、基板処理方法、遅延期間設定方法およびプログラム
US11075094B2 (en) Substrate processing apparatus
US10331034B2 (en) Substrate processing apparatus and substrate processing method
JP6986933B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
JP6948840B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
US11037805B2 (en) Wafer cleaning apparatus and method of cleaning wafer
KR102270337B1 (ko) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
US9687885B2 (en) Multi-cycle wafer cleaning method
JP2007258565A (ja) 基板処理方法および基板処理装置
US20180067407A1 (en) Substrate cleaning device and substrate processing apparatus including the same
JP7203685B2 (ja) 基板処理装置、基板処理方法およびプログラム
KR20070086411A (ko) 반도체 기판 세정을 위한 장치 및 방법
JP7029251B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
JP2018049918A (ja) 評価用サンプル製造方法、評価用サンプル製造装置および基板処理装置
JP7372068B2 (ja) 基板処理装置および基板処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7048403

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150