JP7046914B2 - 絶縁電線の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁電線の製造方法に関するものである。本出願は、2017年03月17日出願の日本出願第2017-053629号に基づく優先権を主張し、上記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
絶縁電線として、長手方向に垂直な断面の外周形状において直線状の領域である平坦領域を有する線状の導体と、その導体の外周側に形成された絶縁皮膜とを備えた絶縁電線が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2013-051030号公報
本開示の絶縁電線の製造方法は、線状の形状を有する導体であって、長手方向に垂直な断面の外周形状において直線状の領域である第1導体平坦領域及び第2導体平坦領域と、第1導体平坦領域と第2導体平坦領域とを接続する第1導体コーナー領域とを含む導体を準備する工程と、導体の外周側を絶縁性材料で被覆することにより、導体上に、絶縁性材料からなり、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面の外周形状において第1導体平坦領域、第2導体平坦領域及び第1導体コーナー領域にそれぞれ対応する第1皮膜平坦領域、第2皮膜平坦領域及び第1皮膜コーナー領域を有する絶縁皮膜を形成する工程と、絶縁皮膜の形成状態を調査する工程と、を備える。絶縁皮膜の形成状態を調査する工程では、第1皮膜平坦領域の第1の位置、及び第1の位置とは絶縁皮膜の周方向において離れた第2の位置にレーザ光を照射するとともに、第2皮膜平坦領域の第3の位置にレーザ光を照射し、光の絶縁皮膜の表面からの反射光である皮膜表面反射光及び絶縁皮膜と導体との界面からの反射光である界面反射光に基づいて絶縁皮膜の形成状態が調査される。
[本開示が解決しようとする課題]
上記先行技術文献の絶縁電線において、長手方向に垂直な断面内における絶縁皮膜の膜厚のばらつきが生じると、絶縁皮膜の厚みが薄い箇所において絶縁性が低下する。そのため、絶縁皮膜の形成状態を適切に管理することが求められる。そこで、平坦領域を有する導体を含む絶縁電線の製造において、絶縁皮膜の形成状態を適切に管理することを可能とする絶縁電線の製造方法を提供することを目的の1つとする。また、絶縁被膜の形成状態を適切に管理することを可能とする絶縁電線の調査方法を提供することを目的の一つとする。
[本開示の効果]
本開示の絶縁電線の製造方法によれば、平坦領域を有する導体を含む絶縁電線の製造において、絶縁皮膜の形成状態を適切に管理することを可能とする絶縁電線の製造方法を提供することが可能となる。また、本開示の絶縁電線の調査方法によれば、絶縁皮膜の形成状態を適切に管理することを可能とする絶縁電線の調査方法を提供することが可能となる。
絶縁電線の製造方法において製造される絶縁電線の一例を示す概略斜視図である。 絶縁電線の製造装置を説明するためのブロック図である。 絶縁皮膜分光調査部の構造を示す概略模式図である。 絶縁皮膜分光調査部におけるレーザセンサの配置位置と絶縁電線との関係の一例を示す概略斜視図である。 静電容量測定部の構造を示す概略模式図である。 絶縁電線の製造方法の手順を示すフローチャートである。 分光法による絶縁皮膜の形成状態の調査の状況を説明するための概略模式図である。 絶縁皮膜分光調査部における調査の一例を示す概略模式図である。 絶縁電線の一例を示す概略断面図である。 絶縁電線の一例を示す概略断面図である。 絶縁電線の一例を示す概略断面図である。 絶縁電線の一例を示す概略断面図である。 絶縁電線の一例を示す概略断面図である。 絶縁皮膜分光調査部におけるレーザセンサの配置位置と絶縁電線との関係の一例を示す概略斜視図である。
[本開示発明の実施形態の説明]
最初に本開示発明の実施態様を列記して説明する。本開示の絶縁電線の製造方法は、線状の形状を有する導体であって、長手方向に垂直な断面の外周形状において直線状の領域である第1導体平坦領域及び第2導体平坦領域と、第1導体平坦領域と第2導体平坦領域とを接続する第1導体コーナー領域とを含む導体を準備する工程と、導体の外周側を絶縁性材料で被覆することにより、導体上に、絶縁性材料からなり、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面の外周形状において第1導体平坦領域、第2導体平坦領域及び第1導体コーナー領域にそれぞれ対応する第1皮膜平坦領域、第2皮膜平坦領域及び第1皮膜コーナー領域を有する絶縁皮膜を形成する工程と、絶縁皮膜の形成状態を調査する工程と、を備える。絶縁皮膜の形成状態を調査する工程では、第1皮膜平坦領域の第1の位置、及び第1の位置とは絶縁皮膜の周方向において離れた第2の位置にレーザ光を照射するとともに、第2皮膜平坦領域の第3の位置にレーザ光を照射し、光の絶縁皮膜の表面からの反射光である皮膜表面反射光及び絶縁皮膜と導体との界面からの反射光である界面反射光に基づいて絶縁皮膜の形成状態が調査される。
絶縁電線においては、上記断面内において絶縁皮膜に対して導体が相対的に変位すると、局所的に絶縁皮膜の膜厚のばらつきが生じる。また平坦領域を有する導体を含む絶縁電線において、導体が絶縁皮膜に対して回転すると膜厚のばらつきが生じる。膜厚のばらつきが生じると、厚みが薄い箇所において局所的に絶縁電線の絶縁性が低下し、その結果として絶縁電線の部分放電開始電圧が低下する。そのため、絶縁電線の製造方法として、長手方向に垂直な断面における絶縁皮膜の形成状態を管理し、安定した絶縁性を有する絶縁電線を製造できる製造方法が求められている。
本開示の絶縁電線の製造方法は、第1皮膜平坦領域の第1の位置及び第2の位置にレーザ光を照射するとともに、第2皮膜平坦領域の第3の位置にレーザ光を照射し、絶縁皮膜の表面からの反射光である皮膜表面反射光及び絶縁皮膜と導体との界面からの反射光である界面反射光に基づいて絶縁皮膜の形成状態を調査する工程を備える。上述のようにレーザ光を照射し絶縁皮膜の形成状態を調査することで絶縁皮膜に対する導体の相対的な変位と回転による異常を検出することが可能となる。また形成状態の調査は非破壊で行うことができる。その結果、平坦領域を有する形状の絶縁電線の製造工程において、絶縁皮膜の形成状態をより局所的に管理することができ、その結果、安定した絶縁性を有する絶縁電線を提供することが可能となる。
絶縁皮膜の形成状態を調査する工程においては、第2皮膜平坦領域の、第3の位置とは絶縁皮膜の周方向において離れた第4の位置にさらにレーザ光を照射し、皮膜表面反射光及び界面反射光に基づいて絶縁皮膜の形成状態が調査されてもよい。第1皮膜平坦領域の2箇所と、第2皮膜平坦領域の2箇所のそれぞれにレーザ光を照射することにより、絶縁電線に対する導体の相対的な変位や回転をより確実に検知することができる。
絶縁電線は、導体は、導体の長手方向に垂直な断面において多角形状の外周形状を有し、絶縁皮膜は、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面において、導体の外周形状に沿う多角形状の外周形状を有していてもよい。ここでいう、「多角形状」とは厳密な多角形だけでなく、角が湾曲した角丸多角形をも含む。このような形状の導体を有する絶縁電線は、モータ加工時の効率を高めることができる
上記絶縁電線の製造方法において、準備する導体は、導体の長手方向に垂直な断面における外周形状が、直線状の領域である第3導体平坦領域及び第4導体平坦領域と、第2導体平坦領域と第3導体平坦領域とを接続する第2導体コーナー領域、第3導体平坦領域と第4導体平坦領域とを接続する第3導体コーナー領域、及び第4導体平坦領域と第1導体平坦領域とを接続する第4導体コーナー領域とをさらに含む四角形状の形状であってもよい。形成する絶縁皮膜は、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面における外周形状において第3導体平坦領域及び第4導体平坦領域、並びに第2導体コーナー領域、第3導体コーナー領域及び第4導体コーナー領域にそれぞれ対応する第3皮膜平坦領域及び第4皮膜平坦領域、並びに第2皮膜コーナー領域、第3皮膜コーナー領域及び第4皮膜コーナー領域をさらに含む四角形状の形状であってもよい。このとき絶縁皮膜の形成状態を調査する工程では、第3皮膜平坦領域及び第4皮膜平坦領域にそれぞれレーザ光を照射し、皮膜表面反射光及び絶縁皮膜と界面反射光に基づいて絶縁皮膜の形成状態が調査されてもよい。なお、「四角形状」とは厳密な四角形だけでなく、角が湾曲した角丸長方形や角丸正方形などの角形四角形をも含む。
このように第1から第4の4つの皮膜平坦領域のそれぞれに対し照射されるレーザ光とその反射光を利用した分光法を行うと、絶縁皮膜の外周形状である四角形のそれぞれの辺に対応する領域の絶縁皮膜の形成状態を調査することができる。その結果、絶縁皮膜の形成状態をより厳密に管理することが可能となる。
上記導体は、導体の長手方向に垂直な断面において長方形状の外周形状を有し、絶縁皮膜は、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面において、導体の外周形状に沿う長方形状の外周形状を有してもよい。このような形状の導体を有する絶縁電線は、巻取り時に巻取りやすいという利点がある。なお、長方形状とは、正方形状の形状、及び角丸長方形や角丸正方形などの角形四角形をも含む。
絶縁皮膜の形成状態を調査する工程において、さらに、絶縁電線の静電容量を検出し、予め調査された絶縁皮膜の膜厚と静電容量との関係に基づいて絶縁皮膜の形成状態をさらに調査してもよい。予め調査された絶縁皮膜の膜厚と静電容量との関係に基づいて絶縁皮膜の形成状態をさらに調査することにより、絶縁皮膜の平均膜厚を算出することができる。また膜厚と同時に絶縁皮膜の絶縁特性も同時に評価できる。そのため、絶縁皮膜の形成状態をより効率的に管理でき、絶縁特性がより安定した絶縁電線を製造することができる。
上記絶縁皮膜は、ポリアミドイミドやポリイミド等の熱硬化性樹脂を含んでもよい。特にポリイミドを含む絶縁皮膜は、絶縁性及び耐熱性に優れる。そのため、ポリイミドは絶縁皮膜を構成する材料として好適である。
絶縁皮膜の形成状態を調査する工程は、オンラインで行われるのが好ましい。絶縁皮膜の形成状態を調査する工程をオンラインで調査を行うことにより、連続して絶縁電線の製造を行うことができ、高い生産効率で絶縁電線を得ることができる。なおオンラインで調査を行う状態とは、製造ラインを停止することなく絶縁皮膜の形成状態の調査が行われる状態を指す。
レーザ光を照射する第1の位置と第2の位置とは、導体の長手方向に沿う方向において互いに異なる位置に配置されていてもよい。これにより絶縁皮膜の形成状態を調査するための装置の配置の自由度が高まる。
本開示の絶縁電線の調査方法は、線状の形状を有する導体と、前記導体の外周側を絶縁性材料で被覆する絶縁被膜を有する絶縁電線の調査方法であって、
前記導体は、長手方向に垂直な断面の外周形状において直線状の領域である第1導体平坦領域及び第2導体平坦領域と、前記第1導体平坦領域と前記第2導体平坦領域とを接続する第1導体コーナー領域とを有し、
前記絶縁被膜は、前記導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面の外周形状において前記第1導体平坦領域、前記第2導体平坦領域及び前記第1導体コーナー領域にそれぞれ対応する第1皮膜平坦領域、第2皮膜平坦領域及び第1皮膜コーナー領域を有し、
前記第1皮膜平坦領域の第1の位置、及び前記第1の位置とは前記絶縁皮膜の周方向において離れた第2の位置にレーザ光を照射するとともに、前記第2皮膜平坦領域の第3の位置にレーザ光を照射し、前記光の前記絶縁皮膜の表面からの反射光である皮膜表面反射光及び前記絶縁皮膜と前記導体との界面からの反射光である界面反射光に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態が調査される。
絶縁皮膜の形成状態を調査する方法においては、第2皮膜平坦領域の、第3の位置とは絶縁皮膜の周方向において離れた第4の位置にさらにレーザ光を照射し、皮膜表面反射光及び界面反射光に基づいて絶縁皮膜の形成状態が調査されてもよい。第1皮膜平坦領域の2箇所と、第2皮膜平坦領域の2箇所のそれぞれにレーザ光を照射することにより、絶縁電線に対する導体の相対的な変位や回転をより確実に検知することができる。
絶縁電線は、導体は、導体の長手方向に垂直な断面において多角形状の外周形状を有し、絶縁皮膜は、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面において、導体の外周形状に沿う多角形状の外周形状を有していてもよい。ここでいう、「多角形状」とは厳密な多角形だけでなく、角が湾曲した角丸多角形をも含む。このような形状の導体を有する絶縁電線は、モータ加工時の効率を高めることができる
上記絶縁電線の調査方法において、準備する導体は、導体の長手方向に垂直な断面における外周形状が、直線状の領域である第3導体平坦領域及び第4導体平坦領域と、第2導体平坦領域と第3導体平坦領域とを接続する第2導体コーナー領域、第3導体平坦領域と第4導体平坦領域とを接続する第3導体コーナー領域、及び第4導体平坦領域と第1導体平坦領域とを接続する第4導体コーナー領域とをさらに含む四角形状の形状であってもよい。形成する絶縁皮膜は、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面における外周形状において第3導体平坦領域及び第4導体平坦領域、並びに第2導体コーナー領域、第3導体コーナー領域及び第4導体コーナー領域にそれぞれ対応する第3皮膜平坦領域及び第4皮膜平坦領域、並びに第2皮膜コーナー領域、第3皮膜コーナー領域及び第4皮膜コーナー領域をさらに含む四角形状の形状であってもよい。このとき絶縁皮膜の形成状態を調査する方法では、第3皮膜平坦領域及び第4皮膜平坦領域にそれぞれレーザ光を照射し、皮膜表面反射光及び絶縁皮膜と界面反射光に基づいて絶縁皮膜の形成状態が調査されてもよい。なお、「四角形状」とは厳密な四角形だけでなく、角が湾曲した角丸長方形や角丸正方形などの角形四角形をも含む。
このように第1から第4の4つの皮膜平坦領域のそれぞれに対し照射されるレーザ光とその反射光を利用した分光法を行うと、絶縁皮膜の外周形状である四角形のそれぞれの辺に対応する領域の絶縁皮膜の形成状態を調査することができる。その結果、絶縁皮膜の形成状態をより厳密に管理することが可能となる。
上記導体は、導体の長手方向に垂直な断面において長方形状の外周形状を有し、絶縁皮膜は、導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面において、導体の外周形状に沿う長方形状の外周形状を有してもよい。このような形状の導体を有する絶縁電線は、巻取り時に巻取りやすいという利点がある。なお、長方形状とは、正方形状の形状、及び角丸長方形や角丸正方形などの角形四角形をも含む。
[本開示発明の実施形態の詳細]
次に、本開示の絶縁電線の製造方法の実施の形態を、図1~図14を参照しつつ説明する。以下の図面において同一又は相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
[絶縁電線の構造]
図1は本実施の形態の絶縁電線の製造方法において製造される絶縁電線の一例を示す概略斜視図である。図1を参照して、絶縁電線1は、導体2と、その導体2の外周面を被覆する絶縁皮膜3とを備える。
導体2は、例えば銅や銅合金などの導電性材料からなる。導体2は線状の形状を有し、長手方向Dに沿う方向に垂直な断面1Sにおいて直線状の領域である第1導体平坦領域2Aと、第2導体平坦領域2Bと、第3導体平坦領域2Cと、第4導体平坦領域2Dとを含む四角形状の外周形状を有する。第1導体平坦領域2Aと第3導体平坦領域2Cとは互いに平行である。また第2導体平坦領域2Bと第4導体平坦領域2Dとは互いに平行である。上記四角形状の外周形状は正方形状である。
また導体2は、第1導体平坦領域2Aと第2導体平坦領域2Bとを接続する第1導体コーナー領域2Rと、第2導体平坦領域2Bと第3導体平坦領域2Cとを接続する第2導体コーナー領域2Rと、第3導体平坦領域2Cと第4導体平坦領域2Dとを接続する第3導体コーナー領域2Rと、第4導体平坦領域2Dと第1導体平坦領域2Aとを接続する第4導体コーナー領域2Rとを含む。
絶縁皮膜3は、絶縁性材料からなり、導体2の外周側を被覆する。絶縁皮膜3を構成する絶縁性材料は、例えばポリイミドを含む材料であり、ポリイミドからなるのが好ましい。ポリイミドを含む絶縁皮膜3は、絶縁性及び耐熱性に優れる。そのため、ポリイミドは絶縁皮膜3を構成する材料として好適である。
また絶縁皮膜3は、導体2の長手方向Dに沿う方向に垂直な断面1Sにおいて導体2の形状に対応する正方形状の外周形状を有する。具体的には、絶縁皮膜3は、第1導体平坦領域2Aに対応する第1皮膜平坦領域3Aと、第2導体平坦領域2Bに対応する第2皮膜平坦領域3Bと、第3導体平坦領域2Cに対応する第3皮膜平坦領域3Cと、第4導体平坦領域2Dに対応する第4皮膜平坦領域3Dとを含む。さらに絶縁皮膜3は、第1導体コーナー領域2Rに対応する第1皮膜コーナー領域3Rと、第2導体コーナー領域2Rに対応する第2皮膜コーナー領域3Rと、第3導体コーナー領域2Rに対応する第3皮膜コーナー領域3Rと、第4導体コーナー領域2Rに対応する第4皮膜コーナー領域3Rとを含む。第1皮膜コーナー領域3Rは、第1皮膜平坦領域3Aと第2皮膜平坦領域3Bとを接続する。第2皮膜コーナー領域3Rは、第2皮膜平坦領域3Bと第3皮膜平坦領域3Cとを接続する。第3皮膜コーナー領域3Rは、第3皮膜平坦領域3Cと第4皮膜平坦領域3Dとを接続する。第4皮膜コーナー領域3Rは、第4皮膜平坦領域3Dと第1皮膜平坦領域3Aとを接続する。
[絶縁電線の製造装置の構成]
次に、本実施の形態に係る絶縁電線1の製造装置を、図2~図5を参照して説明する。
図2は、絶縁電線1の製造装置5を説明するためのブロック図である。図3は、図2に示す絶縁皮膜分光調査部20の構造を示す概略模式図である。図4は、絶縁皮膜分光調査部20におけるレーザセンサの配置位置と絶縁電線1との関係の一例を示す概略斜視図である。図5は、図2に示す静電容量測定部22の構造を示す概略模式図である。
図2を参照して、絶縁電線1の製造装置5は、上流から順に、導体準備部10と、皮膜形成部16と、検査部18と、巻取り部24とを含む。
導体準備部10において、上述の導体2が準備される。導体準備部10は素銅線などの素線を供給する素線供給部12と、素線供給部12から供給された素線を、所望の形状の導体2へと成形する成形部14とを含む。成形部14は素線供給部12の下流側に配置される。成形部14は、例えば引き抜き加工(伸線加工)に使用されるダイスなどの金属加工用金型を備える。
成形部14の下流側には、導体準備部10において準備された導体2の外周側に絶縁性材料からなる絶縁皮膜3を形成する皮膜形成部16が配置される。皮膜形成部16は、例えば絶縁皮膜3の原料となる樹脂を含むワニスを供給するワニス供給部と、ワニスを導体2に塗工する塗工装置と、塗工されたワニスを加熱し、ポリイミド皮膜を形成する焼付炉とを備える。
皮膜形成部16の下流側には検査部18が配置される。皮膜形成部16において絶縁皮膜3が形成されて得られた絶縁電線1は、検査部18において絶縁皮膜3の形成状態の調査やその他の必要な特性(絶縁特性など)の調査が行われる。検査部18は絶縁皮膜分光調査部20と、静電容量測定部22とを含む。静電容量測定部22は省略することも可能である。また、図2においては、絶縁皮膜分光調査部20の下流側に静電容量測定部22が配置されているが、この順序は逆であってもよい。
図3及び図4を参照して、絶縁皮膜分光調査部20は、第1皮膜平坦領域3Aに対向するように配置された第1主レーザセンサ30a及び第1副レーザセンサ32a、第2皮膜平坦領域3Bに対向するように配置された第2主レーザセンサ30b及び第2副レーザセンサ32b、第3皮膜平坦領域3Cに対向するように配置された第3主レーザセンサ30c、及び第4皮膜平坦領域3Dに対向するように配置された第4主レーザセンサ30dを含む。
図4を参照して、本実施の形態においては、第1主レーザセンサ30a及び第1副レーザセンサ32aは、導体2の長手方向Dに沿う方向において互いに同じ位置(外周線P1に沿う面内)に配置されている。また第2主レーザセンサ30b及び第2副レーザセンサ32b、第3主レーザセンサ30c、及び第4主レーザセンサ30dについても同様に、外周線P1に沿う面内に配置されている。
レーザセンサ30a,30b,30c,30d,32a,32bは、それぞれ、絶縁電線1上にレーザ光を照射する投光部と、照射したレーザ光の、絶縁電線1からの反射光を受光する受光部とが一体的に構成された投受光部を有している。投受光部の前方には、投光部からのレーザ光を絶縁電線1の絶縁皮膜3の所定の照射位置に導くと共に、絶縁電線1からの反射光を受光部に導く光学系が配置されている。
第1主レーザセンサ30aの投受光部からは、第1皮膜平坦領域3A及び第1導体平坦領域2Aに向けて、第1皮膜平坦領域3Aの第1の位置(主照射領域51)にレーザ光40Aが照射される。第1副レーザセンサ32aの投受光部からは、第1皮膜平坦領域3A及び第1導体平坦領域2Aに向けて、第1皮膜平坦領域3Aの第2の位置(副照射領域53)にレーザ光42Aが照射される。
同様に、第2主レーザセンサ30bの投受光部からは、第2皮膜平坦領域3B及び第2導体平坦領域2Bに向けて、第2皮膜平坦領域3Bの第3の位置(主照射領域52)にレーザ光40Bが照射される。第2副レーザセンサ32bの投受光部からは、第2皮膜平坦領域3B及び第2導体平坦領域2Bに向けて、第2皮膜平坦領域3Bの第4の位置(副照射領域54)にレーザ光42Bが照射される。
さらに第3主レーザセンサ30cの投受光部からは、第3皮膜平坦領域3C及び第3導体平坦領域2Cに向けてレーザ光40Cが照射される。第4主レーザセンサ30dの投受光部からは、第4皮膜平坦領域3D及び第4導体平坦領域2Dに向けてレーザ光40Dが照射される。
図3に示すように、レーザセンサ30a,30b,30c,30d,32a,32bから照射される各レーザ光は、対応する皮膜平坦領域に対して垂直に照射される。
また各レーザセンサ30a,30b,30c,30d,32a,32bは、それぞれ、投受光部から出射したレーザ光に対応する絶縁電線1からの反射光を、それぞれの投受光部が受光する。上記各レーザセンサ30a,30b,30c,30d,32a,32bは、配線を通じて膜厚解析アプリケーションなどを搭載したパーソナルコンピュータや解析モニタなどを搭載した膜厚検出器などの膜厚解析装置に接続されている。配線及び膜厚解析装置については便宜のため図示を省略する。
図5に静電容量測定部22の構造を示す。静電容量測定部22は、キャパシタンスセンサ60と、測定された静電容量の値を記録及び表示する静電容量検出器68とを含む。キャパシタンスセンサ60は、主電極62と、第1ガード電極64Aと、第2ガード電極64Bと、筐体66とを備える。主電極62と、第1ガード電極64Aと、第2ガード電極64Bとは、それぞれ絶縁電線1を貫通可能な中空筒状(例えば中空円筒状)の形状を有する。筐体66は主電極62と、第1ガード電極64Aと、第2ガード電極64Bと、各電極に接続された配線とを収容できる形状を有する。静電容量の測定時において、キャパシタンスセンサ60は、通常水などの液体(図示せず)中に浸漬される。
主電極62は、その内部を絶縁電線1が貫通するように、絶縁電線1の外周側に配置される。主電極62は、配線を介して静電容量検出器68と接続されている。
第1ガード電極64Aは、主電極62から見て上流側に配置される。第2ガード電極64Bは、主電極62から見て下流側に配置される。第1ガード電極64A及び第2ガード電極64Bは、主電極62の端部における電界の集中を緩和し、絶縁電線1と主電極62との間に生じる静電容量の数値を安定的に計測するために設置される。第1ガード電極64Aと第2ガード電極64Bとは配線を介して互いに接続されている。また第1ガード電極64A及び第2ガード電極64Bは、静電容量検出器68及び後述する巻取り部24と配線を介して接続され、巻取り部24と第1ガード電極64A及び第2ガード電極64Bとの間の経路において接地されている。すなわち、第1ガード電極64A及び第2ガード電極64Bは接地電極である。
図2を参照して、静電容量測定部22の下流側には検査部18において調査された絶縁電線1をボビンやリールに巻き取るための巻取り部24が配置されている。以上が絶縁電線1の製造装置5の全容である。
[絶縁電線の製造方法]
次に図1~図13を参照して、絶縁電線1の製造方法の手順を説明する。図6は絶縁電線1の製造方法の手順を示すフローチャートである。図7は分光法による絶縁皮膜の形成状態の調査の状況を説明するための概略模式図である。図8は絶縁皮膜分光調査部20における調査の一例を示す概略模式図である。図9~図13は絶縁電線1の一例を示す概略断面図である。
図6を参照して、本実施の形態に係る絶縁電線1の製造方法においては、図6に示すS10~S50のステップが実施される。具体的には、導体2を準備するステップ(S10)と、絶縁皮膜3を形成するステップ(S20)と、分光法により絶縁皮膜3の形成状態を調査するステップ(S30)と、静電容量を測定するステップ(S40)と、絶縁電線1を巻き取るステップ(S50)とを含む。なお、静電容量を測定するステップ(S40)については省略が可能である。また、分光法により絶縁皮膜3の形成状態を調査するステップ(S30)と、静電容量を測定するステップ(S40)の順序を入れ替えることも可能である。以下に各ステップの詳細を説明する。
[導体の準備]
図2及び図6を参照して、まず導体準備部10において、上述の形状を有する導体2を準備する(S10)。具体的には、素線供給部12に保持された素線が素線供給部12から引き出され、成形部14において引き抜き加工により図1に示すような所定の形状に成形される。素線の長手方向に垂直な断面の形状は、例えば円形である。図1に示すように、成形部14を経た導体2は線状の形状を有し、長手方向Dに沿う方向に垂直な断面1Sにおいて直線状の領域である第1導体平坦領域2A、第2導体平坦領域2B、第3導体平坦領域2C、及び第4導体平坦領域2Dと、各導体平坦領域を接続する導体コーナー領域2R,2R,2R,2Rとを含む正方形状の外周形状を有する。
[絶縁皮膜の形成]
次に成形部14において成形された導体2は、矢印Dの方向に沿って皮膜形成部16に送られる。皮膜形成部16においては、導体2の外周側を絶縁性材料で被覆することにより、導体2の外周面を覆うように絶縁皮膜3を形成する(S20)。本実施の形態において、絶縁皮膜3を構成する絶縁性材料はポリイミドからなる。
上述のように、皮膜形成部16は、ワニス調製装置と、塗工装置と、焼付炉とを備える。絶縁皮膜3を構成する絶縁性材料がポリイミドからなる場合、絶縁皮膜3は、ポリイミドの前駆体である、ポリイミドプレポリマー(ポリアミック酸)を含有するワニス内に導体2を通過させて導体2の表面にワニスを塗布し、加熱することにより塗膜を硬化させることで形成される。
具体的には、以下のような手順により導体2の外周面を覆うように絶縁皮膜3が形成される。まず皮膜形成部16のワニス調製装置において、ポリイミドの前駆体であるポリイミドプレポリマー(ポリアミック酸)を含有するワニスが調製される。次にワニス内を導体2が通過し、さらに塗工装置の塗工ダイス内を導体2が通過することにより余分なワニスが除去されることで、導体2の表面にワニスが塗工され、導体2上に塗膜が形成される。
次に焼付炉において、塗工された塗膜を加熱すると、ポリアミック酸からポリイミドへのイミド化反応が促進される。ポリイミドは熱硬化性であるため、加熱により塗膜が硬化する。このようにして導体2の外周側の面を覆うように、絶縁性材料であるポリイミドからなる絶縁皮膜3が形成される。また必要に応じて上記ワニスの塗工及び加熱のサイクルを繰り返すことにより、所望の厚みの絶縁皮膜3を形成することができる。
皮膜形成部16において形成される絶縁皮膜3の外周形状は、図1に示すように、導体2の長手方向Dに沿う方向に垂直な断面1Sにおいて導体2の形状に対応する正方形状の外周形状を有する。具体的には、絶縁皮膜3は、長手方向Dに垂直な断面1Sにおいて、第1導体平坦領域2Aに対応する第1皮膜平坦領域3Aと、第2導体平坦領域2Bに対応する第2皮膜平坦領域3Bと、第3導体平坦領域2Cに対応する第3皮膜平坦領域3Cと、第4導体平坦領域2Dに対応する第4皮膜平坦領域3Dとを含む。また絶縁皮膜3は、長手方向Dに垂直な断面1Sにおいて、導体コーナー領域2R,2R,2R,2Rにそれぞれ対応する皮膜コーナー領域3R,3R,3R,3Rを含む。
[分光法による絶縁皮膜3の形成状態の調査]
皮膜形成部16において絶縁皮膜3が形成された絶縁電線1は、矢印Dの方向に沿って検査部18の絶縁皮膜分光調査部20に送られる。絶縁皮膜分光調査部20においては、分光法により絶縁皮膜3の形成状態が調査される(S30)。分光法による薄膜の形成状態の調査においては、薄膜にレーザ光をあて、薄膜の表面で反射した反射光と裏面(本実施の形態においては絶縁皮膜3と導体2との界面)で反射した反射光とが干渉して形成される干渉スペクトルを利用し、その干渉スペクトルの波形に基づいて薄膜の形成状態が調査される。例えば薄膜の膜厚が測定される。
図7を参照して、絶縁皮膜3の形成状態を調査するために、まず第1主レーザセンサ30aの投受光部から、第1皮膜平坦領域3A及び第1導体平坦領域2Aに向けてレーザ光40Aが照射される。レーザ光40Aは、絶縁皮膜3の表面(第1皮膜平坦領域3Aの表面)と、絶縁皮膜3と導体2との界面(第1導体平坦領域2Aの表面)とにおいて反射する。このとき、皮膜表面反射光44(絶縁皮膜3の表面からの反射光)と、界面反射光45(絶縁皮膜3と導体2との界面からの反射光)との間で位相のずれが生じ、皮膜表面反射光44と界面反射光45とが干渉し合う。この第1主レーザセンサ30aの投受光部において皮膜表面反射光44と界面反射光45とが干渉して形成される干渉スペクトルを利用し、干渉スペクトルと絶縁皮膜3の屈折率から絶縁皮膜3の膜厚dを算出することができる。また導体2の傾きなどにより反射光が正常に受光できない場合、測定が正常に行われない。その結果、絶縁皮膜3の形成状態の異常の発生を検知することができる。なお絶縁皮膜3は、レーザ光40Aに対して光学的に透明な材料であることが望ましい。
各レーザセンサ30a,30b,30c,30d,32a,32bから照射されるレーザ光は特に限定されず、例えば可視光、赤外光、紫外光などのレーザ光が利用できる。
図3及び図4を参照して、絶縁皮膜3の形成状態を調査するステップS30においては、第1皮膜平坦領域3Aの第1の位置に位置する主照射領域51に向けて、第1主レーザセンサ30aからレーザ光40Aが照射される。また第1皮膜平坦領域3Aの第2の位置に位置する副照射領域53に向けて、第1副レーザセンサ32aからレーザ光42Aが照射される。それに加え、第2皮膜平坦領域3Bの第3の位置に位置する主照射領域52に向けて、第2主レーザセンサ30bからレーザ光40Bが照射される。また第2皮膜平坦領域3Bの第4の位置に位置する副照射領域54に向けて、第2副レーザセンサ32bからレーザ光42Bが照射される。さらに、第3皮膜平坦領域3Cに向けて、第3主レーザセンサ30cからレーザ光40Cが照射される。また第4皮膜平坦領域3Dに向けて、第4主レーザセンサ30dからレーザ光40Dが照射される。
レーザセンサ30a,30b,30c,30d,32a,32bは、それぞれ、出射したレーザ光に対応する絶縁電線1からの皮膜表面反射光及び界面反射光を受光する。受光された皮膜表面反射光と界面反射光とが干渉して形成される干渉スペクトルの波形に基づいて、各照射点に対応する位置の絶縁皮膜3の形成状態が調査される。また界面反射光が正常に受光できない場合、絶縁皮膜3の形成状態の異常を検知する。
分光法による絶縁皮膜の形成状態の調査はオンラインで行われる。すなわち、素線供給部12から巻取り部24に至るまでの製造ラインを停止することなく絶縁皮膜の形成状態の調査が行われる。また分光法による絶縁皮膜の形成状態の調査は絶縁電線1を切断することなく非破壊式で行われる。但し、より詳細な断面の状況を知る必要がある場合には、絶縁電線1の一部を切り取り、断面観察などのより詳細な調査を併用してもよい。
図3及び図8~図13を参照して、絶縁皮膜の形成状態の調査の状況を具体的に説明する。図3に示す絶縁電線1は、導体2の外周に、均一な厚みを有する絶縁皮膜3が形成された例である。図8~図13は、それぞれ、絶縁電線1の一例を示す概略断面図である。
まず、絶縁皮膜3の形成状態が調査されるそれぞれの絶縁電線1について説明する。図3に示す絶縁電線1は、導体2と絶縁皮膜3との関係が理想的である。図3に示す絶縁電線1における絶縁電線1においては、絶縁電線1の重心Gと、導体2の重心Gとが一致する。また第1皮膜コーナー領域3R、第1導体コーナー領域2R、重心G,G、第3導体コーナー領域2R、及び第3皮膜コーナー領域3Rが第1の直線上に並ぶ。同様に第2皮膜コーナー領域3R、第2導体コーナー領域2R、重心G,G、第4導体コーナー領域2R、及び第4皮膜コーナー領域3Rが第2の直線上に並ぶ。第1の直線と第2の直線とは重心G,Gで交差する。導体2と絶縁皮膜3がこのような関係を満たす場合、絶縁皮膜3の膜厚のばらつきが抑制され、絶縁電線1は全体的に安定した絶縁性を有する。
これに対し、図8及び図9に示す絶縁電線1においては、重心G,Gを中心に、絶縁皮膜3に対して導体2が相対的に回転している。図8及び図9に示すような絶縁電線1においては、絶縁皮膜3に膜厚の薄い箇所が生じる。膜厚の薄い箇所では絶縁性が低下することから、絶縁電線1の部分放電開始電圧が低下する。そのため、絶縁皮膜3の形成状態が、図8及び図9に示すような状態であることを的確に検知する必要がある。
また図10~図13に示すそれぞれの絶縁電線1においては、絶縁電線1の重心Gと、導体2のGとが一致しない。この場合、導体2が絶縁皮膜3に対して相対的に変異しており、導体2が絶縁皮膜3に対してX軸方向又はZ軸方向のいずれかに偏っている(偏向している)。例えば図10においては、導体2がX軸の負の方向に偏り、厚みtがtよりも小さくなっている。この場合、厚みtの箇所において絶縁電線1の絶縁性が低下する。また図11においては導体2が絶縁皮膜3に対してX軸の正の方向に偏り、厚みtがtよりも小さくなっている。この場合、厚みtの箇所において絶縁電線1の絶縁性が低下する。その結果、絶縁電線1の部分放電開始電圧が低下する。
また図12においては、導体2がZ軸の負の方向に偏り、厚みt4がtよりも小さくなっている。この場合、厚みtの箇所において絶縁電線1の絶縁性が低下する。また図13においては導体2が絶縁皮膜3に対してZ軸の正の方向に偏り、厚みtがtよりも小さくなっている。この場合、厚みtの箇所において絶縁電線1の絶縁性が低下する。その結果、絶縁電線1の部分放電開始電圧が低下する。そのため、絶縁皮膜3の形成状態が、図10~図13に示すような状態であることを的確に検知する必要がある。
分光法による絶縁皮膜3の形成状態を調査するステップ(S30)においては、図8~図13に示すような状態が発生したことを検知することができる。図3を参照して、まず第1主レーザセンサ30aと第1副レーザセンサ32aから出射されるレーザ光に基づいて算出される膜厚の値を比較することにより、絶縁皮膜3に対する導体2の相対的な傾き(回転)の程度を知ることができる。また絶縁皮膜3に対する導体2の相対的な傾きの程度を知るのに上記比較結果のみでも十分であるが、さらにまた第2主レーザセンサ30bと第2副レーザセンサ32bとから出射されるレーザ光に基づいて算出される膜厚の値を比較した結果を加味することで、絶縁皮膜3に対する導体2の相対的な傾き(回転)の程度をより確実に知ることができる。そのため、絶縁皮膜分光調査部20は、第2副レーザセンサ32bを有しているのが望ましい。
また絶縁皮膜3に対する導体2の相対的な傾きが大きい場合、界面反射光45が第1主レーザセンサ30aなどレーザセンサの投受光部が検知できない方向に反射される場合もある。この場合、正確な膜厚の値が得られなくても、界面反射光45が検知されない異常が発生したことを検出することにより、絶縁皮膜3に対する導体2の相対的な傾きが大きいことを検知することができる。
絶縁皮膜3の平均膜厚が既知の場合、その平均膜厚と、第1主レーザセンサ30aから出射されるレーザ光に基づいて算出される膜厚とを比較することにより、図12又は図13に示すような、Z軸方向における導体2の偏りを検知することができる。但し、絶縁皮膜3の平均膜厚が未知の場合であっても、第1主レーザセンサ30aから出射される光に基づいて算出される膜厚と、第3主レーザセンサ30cから出射されるレーザ光に基づいて算出される膜厚とを比較することにより、図12又は図13に示すような、Z軸方向における導体2の偏りを検知することができる。そのため、絶縁皮膜分光調査部20は、第3主レーザセンサ30cを有しているのが望ましい。
同様に、絶縁皮膜3の平均膜厚が既知の場合、その平均膜厚と、第2主レーザセンサ30bから出射されるレーザ光に基づいて算出される膜厚とを比較することにより、図10又は図11に示すような、X軸方向における導体2の偏りを検知することができる。但し、絶縁皮膜3の平均膜厚が未知の場合であっても、第2主レーザセンサ30bから出射される光に基づいて算出される膜厚と、第4主レーザセンサ30dから出射されるレーザ光に基づいて算出される膜厚とを比較することにより、図10又は図11に示すような、X軸方向における導体2の偏りを検知することができる。そのため、絶縁皮膜分光調査部20は、第4主レーザセンサ30dを有しているのが望ましい。
このようにして絶縁皮膜3の形成状態が調査される。絶縁皮膜3の形成状態が調査された結果、絶縁電線1が図8~図13のような異常が存在することが検知された部分について、直接絶縁電線1上にマーキングされるか、あるいは異常検出位置を示すデータとして記録される。
[静電容量の測定]
このようにして、絶縁皮膜分光調査部20において絶縁皮膜3の形成状態が調査された絶縁電線1は、さらに矢印Dの方向に沿って静電容量測定部22へと送られる。静電容量測定部22においては、絶縁電線1の導体2と主電極62(図5)の間の静電容量が測定される(S40)。その静電容量と、予め調査された絶縁皮膜3の膜厚との関係に基づいて、絶縁皮膜3の膜厚が導出される。ここで導出される膜厚は主電極62に対応する範囲の平均膜厚である。すなわち、主電極62の幅wの範囲における平均の膜厚が求められる。また、絶縁電線1と主電極62の間の静電容量を測定することにより、誘電率などの絶縁特性が併せて測定される。そのため膜厚と同時に絶縁皮膜3の絶縁特性をも同時に評価でき、絶縁特性がより安定した絶縁電線1を製造することができる。
絶縁電線1と主電極62との間の静電容量の測定は、上述したキャパシタンスセンサ60と、静電容量検出器68とを含む静電容量測定部22において行う。静電容量の測定についてもオンラインで行われる。
[巻き取り]
上述のように絶縁皮膜分光調査部20及び静電容量測定部22を含む検査部18において調査された絶縁電線1は、矢印Dの方向に沿って巻取り部24に送られる。巻取り部24においては、絶縁電線1がボビンやリールを用いて巻き取られる(S50)。巻取り部24において巻き取られた絶縁電線1は次の工程に送られるか、又は製品として出荷される。検査部18において絶縁皮膜3の形成状態の異常が検知された部分については廃棄されるか、異常検出箇所をマークした状態で出荷される。また一定の長さ以上の製品が要求され、異常部分の存在が許容されない場合には、絶縁電線1全体が廃棄される。
以上が本実施の形態の絶縁電線1の製造方法の一連の流れである。なお上記実施形態においては、導体2及び絶縁皮膜3の、長手方向Dに沿う方向に垂直な断面1Sにおける外周形状がいずれも正方形状である絶縁電線1についての例を示したが、導体2および絶縁皮膜3の形状はこれに限定されない。たとえば導体2及び絶縁皮膜3の、長手方向Dに沿う方向に垂直な断面1Sにおける外周形状は長方形や角丸長方形状の形状であってもよい。
上記実施の形態においては、静電容量の検出を行うためのセンサとしてキャパシタンスセンサ60を用いたが、静電容量を検出する装置は特に限定されず、静電容量を検出するため他の装置を利用することが可能である。
また図3に示す絶縁皮膜分光調査部20の図において、第3主レーザセンサ30c及び第4主レーザセンサ30dのうちいずれか一方又は両方を省略することも可能である。また第1副レーザセンサ32a及び第2副レーザセンサ32bのうちいずれか一方を省略することも可能である。省略した場合でも、発明の目的を達成することが可能である。
また逆に、図3に示す6つのレーザセンサ以外の他のレーザセンサを追加してもよい。レーザセンサを追加することにより、より詳細な絶縁皮膜3の形成状態の管理を行うことができる。
また上記実施形態においては、レーザ光を投光する投光部と、反射光を受光する受光部とが一体となった投受光部を有するレーザセンサを使用する例を挙げたが、レーザセンサはそのような構造に限定されない。投光部と受光部とが一体化されている必要はなく、投光部と受光部とが別々に設けられていてもよい。また、上記実施形態においては、各皮膜平坦領域の表面に対して垂直な角度からレーザ光が照射されているが、皮膜平坦領域の表面に対してレーザ光が照射される角度は特に限定されない。反射光の進行方向上の位置に受光素子を配置することで、レーザ光の照射及び反射光の受光を適切に行うことができる。但し小型化が可能なことから、上記のようなレーザセンサを用いるのが好ましい。
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態である実施の形態2について説明する。図14は絶縁皮膜分光調査部20におけるレーザセンサ30a,30b,30C,30d,32a,32bの配置位置と絶縁電線1との関係の別の一例を示す概略斜視図である。図4と比較して、図14においては、外周線P2に沿う面内に第1副レーザセンサ32a及び第2副レーザセンサ32bが配置されている点において実施の形態1と異なる。これにより、外周線P1に沿う面内に配置されたレーザ光が照射される第1の位置に相当する主照射領域51(又は主照射領域52)と、外周線P2に沿う面内に配置されたレーザ光が照射される第1の位置に相当する副照射領域53(又は副照射領域54)とが長手方向Dにおいて異なる位置に配置されている。この点を除き、実施の形態2と実施の形態1とは共通している。
このような配置により、主レーザセンサ30a,30bと副レーザセンサ32a,32bの配置の自由度が高まる。
このように上記実施の形態1及び実施の形態2に係る絶縁電線の製造方法によれば、平坦領域を有する導体を含む絶縁電線の製造において、絶縁皮膜の形成状態を適切に管理することを可能とする絶縁電線の製造方法を提供することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 絶縁電線
1S 断面
2 導体
2A 第1導体平坦領域
2B 第2導体平坦領域
2C 第3導体平坦領域
2D 第4導体平坦領域
2R 第1導体コーナー領域
2R 第2導体コーナー領域
2R 第3導体コーナー領域
2R 第4導体コーナー領域
3 絶縁皮膜
3A 第1皮膜平坦領域
3B 第2皮膜平坦領域
3C 第3皮膜平坦領域
3D 第4皮膜平坦領域
第1皮膜コーナー領域
3R 第2皮膜コーナー領域
3R 第3皮膜コーナー領域
3R 第4皮膜コーナー領域
5 製造装置
10 導体準備部
12 素線供給部
14 成形部
16 皮膜形成部
18 検査部
20 絶縁皮膜分光調査部
22 静電容量測定部
24 巻取り部
30a 第1主レーザセンサ
30b 第2主レーザセンサ
30c 第3主レーザセンサ
30d 第4主レーザセンサ
32a 第1副レーザセンサ
32b 第2副レーザセンサ
40A レーザ光
40B レーザ光
40C レーザ光
40D レーザ光
42A レーザ光
42B レーザ光
44 皮膜表面反射光
45 界面反射光
51 主照射領域
52 主照射領域
53 副照射領域
54 副照射領域
60 キャパシタンスセンサ
62 主電極
64A 第1ガード電極
64B 第2ガード電極
66 筐体
68 静電容量検出器

Claims (9)

  1. 線状の形状を有する導体であって、長手方向に垂直な断面の外周形状において直線状の領域である第1導体平坦領域及び第2導体平坦領域と、前記第1導体平坦領域と前記第2導体平坦領域とを接続する第1導体コーナー領域とを含む前記導体を準備する工程と、
    前記導体の外周側を絶縁性材料で被覆することにより、前記導体上に、前記絶縁性材料からなり、前記導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面の外周形状において前記第1導体平坦領域、前記第2導体平坦領域及び前記第1導体コーナー領域にそれぞれ対応する第1皮膜平坦領域、第2皮膜平坦領域及び第1皮膜コーナー領域を有する絶縁皮膜を形成する工程と、
    前記絶縁皮膜の形成状態を調査する工程と、を備え、
    前記絶縁皮膜の形成状態を調査する工程では、前記第1皮膜平坦領域の第1の位置、及び前記第1の位置とは前記絶縁皮膜の周方向において離れた第2の位置にレーザ光を照射するとともに、前記第2皮膜平坦領域の第3の位置にレーザ光を照射し、前記レーザ光の前記絶縁皮膜の表面からの反射光である皮膜表面反射光及び前記絶縁皮膜と前記導体との界面からの反射光である界面反射光に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態が調査され、
    さらに、前記導体と静電容量測定部に含まれる主電極との間の静電容量を検出し、予め調査された前記絶縁皮膜の膜厚と前記静電容量との関係に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態が調査される、絶縁電線の製造方法。
  2. 前記絶縁皮膜の形成状態を調査する工程において、前記第2皮膜平坦領域の、前記第3の位置とは前記絶縁皮膜の周方向において離れた第4の位置にさらにレーザ光を照射し、前記皮膜表面反射光及び前記界面反射光に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態が調査される、請求項1に記載の絶縁電線の製造方法。
  3. 前記導体は、前記導体の長手方向に垂直な断面において多角形状の外周形状を有し、
    前記絶縁皮膜は、前記導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面において、前記導体の外周形状に沿う多角形状の外周形状を有する、請求項1又は請求項2に記載の絶縁電線の製造方法。
  4. 前記導体は、前記導体の長手方向に垂直な断面における前記外周形状が、直線状の領域である第3導体平坦領域及び第4導体平坦領域と、前記第2導体平坦領域と前記第3導体平坦領域とを接続する第2導体コーナー領域、前記第3導体平坦領域と前記第4導体平坦領域とを接続する第3導体コーナー領域、及び前記第4導体平坦領域と前記第1導体平坦領域とを接続する第4導体コーナー領域とをさらに含む四角形状の形状であり、
    前記絶縁皮膜は、前記導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面における前記外周形状において前記第3導体平坦領域及び前記第4導体平坦領域、並びに前記第2導体コーナー領域、前記第3導体コーナー領域及び前記第4導体コーナー領域にそれぞれ対応する第3皮膜平坦領域及び第4皮膜平坦領域、並びに第2皮膜コーナー領域、第3皮膜コーナー領域及び第4皮膜コーナー領域をさらに含む四角形状の形状であり、
    前記絶縁皮膜の形成状態を調査する工程では、前記第3皮膜平坦領域及び前記第4皮膜平坦領域にそれぞれレーザ光を照射し、前記皮膜表面反射光及び前記絶縁皮膜と前記界面反射光に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態が調査される、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法。
  5. 前記導体は、前記導体の長手方向に垂直な断面において長方形状の外周形状を有し、
    前記絶縁皮膜は、前記導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面において、前記導体の外周形状に沿う長方形状の外周形状を有する、請求項4に記載の絶縁電線の製造方法。
  6. 前記絶縁皮膜はポリイミドを含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法。
  7. 前記絶縁皮膜の形成状態を調査する工程は、オンラインで行われる、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法。
  8. 前記第1の位置と前記第2の位置とは、前記導体の長手方向に沿う方向において互いに異なる位置に配置される、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法。
  9. 線状の形状を有する導体と、前記導体の外周側を絶縁性材料で被覆する絶縁膜を有する絶縁電線の調査方法であって、
    前記導体は、長手方向に垂直な断面の外周形状において直線状の領域である第1導体平坦領域及び第2導体平坦領域と、前記第1導体平坦領域と前記第2導体平坦領域とを接続する第1導体コーナー領域とを有し、
    前記絶縁膜は、前記導体の長手方向に沿う方向に垂直な断面の外周形状において前記第1導体平坦領域、前記第2導体平坦領域及び前記第1導体コーナー領域にそれぞれ対応する第1皮膜平坦領域、第2皮膜平坦領域及び第1皮膜コーナー領域を有し、
    前記第1皮膜平坦領域の第1の位置、及び前記第1の位置とは前記絶縁皮膜の周方向において離れた第2の位置にレーザ光を照射するとともに、前記第2皮膜平坦領域の第3の位置にレーザ光を照射し、前記レーザ光の前記絶縁皮膜の表面からの反射光である皮膜表面反射光及び前記絶縁皮膜と前記導体との界面からの反射光である界面反射光に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態を調査し、さらに、前記絶縁電線の前記導体と静電容量測定部に含まれる主電極との間の静電容量を検出し、予め調査された前記絶縁皮膜の膜厚と前記静電容量との関係に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態がさらに調査される、
    絶縁電線の調査方法。
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