JP7329698B2 - マグネットワイヤ被覆の検査装置、マグネットワイヤ被覆の検査方法、および電気機械の製造方法 - Google Patents

マグネットワイヤ被覆の検査装置、マグネットワイヤ被覆の検査方法、および電気機械の製造方法 Download PDF

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Description

本願は、マグネットワイヤ被覆の検査装置、マグネットワイヤ被覆の検査方法、および電気機械の製造方法に関するものである。
モータの固定子等に用いられるコイルは、従来から、銅あるいはアルミニウム等からなる素線の表面を有機物の絶縁体で被覆したマグネットワイヤと呼ばれる導線を巻線して構成されている。このマグネットワイヤ被覆にピンホールあるいは傷等の異常があると、マグネットワイヤの絶縁性能が低下し、モータの稼働中に短絡異常が発生する。
従来の絶縁特性の検査装置は、走行線に保証電圧を印加する保証電圧印加ユニットと、保証電圧印加ユニットより下流側に配設され、走行線に帯電する電荷を前記走行線を接地させて除去する接地ユニットと、接地ユニットより下流側に配設され、走行線に保証電圧より低い検査電圧を印加し、漏れ電流値を検出する検査電圧印加ユニットと、を備える(例えば特許文献1)。
特開2014-182053号公報
上記特許文献1記載の検査装置は、走行するマグネットワイヤに保証電圧を印加することで、絶縁特性の異常検出の信頼性を高めるものである。しかしながら、比較的高い電圧である保証電圧をマグネットワイヤに印加するため、火花放電の発生を招き、正常なマグネットワイヤ被覆を損傷させることがあった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、マグネットワイヤの絶縁特性を、正常なマグネットワイヤ被覆を損傷させることなく、巻線前に信頼性良く検査できる、マグネットワイヤ被覆の検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査装置は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置とを備え、前記走行路内の前記電圧印加点の、上流側、下流側の少なくとも1方に設けられ、前記電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線を加熱する加熱装置を、前記放電促進装置として備えるものである。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査装置は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置とを備え、前記放電検知電極は、前記電圧印加点において前記マグネットワイヤの周りに環状に配置されるものである。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査装置は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置と、前記放電信号を記憶する記憶部、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部、および該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部を有する制御装置とを備え、前記計算部が計算する前記特徴量は、ピーク放電電荷量、放電継続時間および総放電電荷量の少なくとも1つである。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査装置は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置と、前記放電信号を記憶する記憶部、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部、および該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部を有する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記特徴量の計算に先立って、前記放電信号のスムージング処理を行うものである。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査装置は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置と、前記放電信号を記憶する記憶部、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部、および該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部を有する制御装置と、前記判定部による判定結果を、前記放電信号の波形と共に表示する表示装置とを備えるものである。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査方法は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させる第1ステップと、前記マグネットワイヤによる走行路内の設定箇所で、放電検知電極により前記マグネットワイヤに交流電圧を印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する第2ステップと、前記放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する第3ステップと、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す第4ステップとを備え、前記第4ステップでは、前記電圧印加点の前記素線を加熱して、前記電圧印加点における前記素線から放電し始める放電開始電圧を低下させるものである。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査方法は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させる第1ステップと、前記マグネットワイヤによる走行路内の設定箇所で、放電検知電極により前記マグネットワイヤに交流電圧を印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する第2ステップと、前記放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する第3ステップと、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す第4ステップとを備え、前記第4ステップでは、前記電圧印加点の、上流側、下流側の少なくとも1方に設けられた加熱装置により前記素線を加熱し、該第4ステップにより前記素線を加熱しつつ、前記第2ステップの処理を行うものである。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査方法は、被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させる第1ステップと、前記マグネットワイヤによる走行路内の設定箇所で、放電検知電極により前記マグネットワイヤに交流電圧を印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する第2ステップと、前記放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する第3ステップと、前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す第4ステップとを備え、前記第4ステップでは、前記マグネットワイヤの被覆材料の耐熱温度を超えない温度で前記素線を加熱するものである。
また、本願に開示される電気機械の製造方法は、前記マグネットワイヤ被覆の検査装置を用いて検査した前記マグネットワイヤを鉄心に巻線して、電気機械を製造するものである。
本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査装置によれば、マグネットワイヤの絶縁特性を、正常なマグネットワイヤ被覆を損傷させることなく、巻線前に信頼性良く検査できる。
また、本願に開示されるマグネットワイヤ被覆の検査方法によれば、マグネットワイヤの絶縁特性を、正常なマグネットワイヤ被覆を損傷させることなく、巻線前に信頼性良く検査できる。
本願に開示される電気機械の製造方法によれば、絶縁特性の良好なマグネットワイヤを用いた信頼性の高い電気機械が得られる。
実施の形態1によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。 マグネットワイヤの構成を説明する図である。 実施の形態1による放電検知電極の構成を示す図である。 実施の形態1による放電検出を説明する図である。 実施の形態1による放電検出を説明する等価回路図である。 実施の形態1における、放電開始電圧の温度変化に依る特性を示す波形図である。 実施の形態1によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態1による、検出された放電信号の波形図である。 実施の形態1によるスムージング処理後の放電信号の波形図である。 実施の形態1の別例による走行路形成装置の構成を示す図である。 実施の形態1の別例によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。 実施の形態2によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。 実施の形態2の別例によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。 実施の形態2による温度計の構成を示す図である。 実施の形態3によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。 実施の形態4による加熱装置の構成を示す図である。 実施の形態4による加熱装置の動作を説明する図である。 実施の形態5による加熱装置の構成を示す図である。 実施の形態5による加熱装置の動作を説明する図である。 実施の形態6によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態6によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態6によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態7によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態7によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態7によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態7の別例によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態7の別例によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。 実施の形態8によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。 実施の形態8によるマグネットワイヤ被覆の検査装置に接続される巻線装置および固定子鉄心を示す部分拡大図である。 実施の形態8における巻線後の固定子の構成を示す図である。 実施の形態8における巻線後の固定子を用いた電気機械の構成を示す図である。 実施の形態9によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。 実施の形態9による減圧装置の構成を示す図である。 実施の形態9の別例による減圧装置の構成を示す図である。 実施の形態9によるマグネットワイヤ周囲の圧力と放電開始電圧との関係を示す図である。 実施の形態1~9における制御装置のハードウェア構成を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。
図1に示すように、マグネットワイヤ被覆の検査装置100は、被覆されたマグネットワイヤ2を繰り出す繰り出し装置3と、マグネットワイヤ2を巻き取る巻き取り装置4とを有してマグネットワイヤ2の走行路1を形成する。この場合、繰り出し装置3と巻き取り装置4とから走行路形成装置が構成される。
また、検査装置100は、マグネットワイヤ2の素線から発生する放電を検知する放電検知電極5、および放電信号を検出する検出装置10にて構成される放電検出装置と、マグネットワイヤ2の素線を加熱する加熱装置7Aとを備える。加熱装置7Aは、マグネットワイヤ2の素線からの放電発生を促す放電促進装置として設けられる。
繰り出し装置3は、繰り出し機3Aとマグネットワイヤ2を送り出すボビン3Bとを備えて、走行路1の上流側に配設される。巻き取り装置4は、巻き取り機4Aとマグネットワイヤ2を巻き取るボビン4Bとを備えて、走行路1の下流側に配設される。そして、繰り出し機3Aおよび巻き取り機4Aは、速度を調節して、巻線前のマグネットワイヤ2を等速度で線方向に走行させて走行路1を形成する。
放電検知電極5は、走行路1内の設定箇所で、交流電源6からの交流電圧をマグネットワイヤ2に印加してマグネットワイヤ2の素線から発生する放電電荷を収集することにより放電を検知する。検出装置10は、放電検知電極5からの放電電荷に基づいて放電信号を検出する。加熱装置7Aは、放電検知電極5による電圧印加点の、上流側、下流側の少なくとも1方(この場合、上流側のみ)に設けられて、電圧印加点におけるマグネットワイヤ2の素線を加熱する。加熱装置7Aは、電圧印加点におけるマグネットワイヤ2の素線を加熱するために設けられるため、放電検知電極5と近接して、その近傍に配置される。
さらに、検査装置100は、検出装置10からの放電信号を監視し、放電信号に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する制御装置30を備える。制御装置30は、A/D(アナログ-ディジタル)変換部31、記憶部32、計算部33、計測部34および判定部35を備える。検出装置10からの放電信号は、A/D変換部31にて、一定のサンプリング周波数でA/D変換された後、記憶部32に保存される。計算部33は、記憶部32内の放電信号を取り出し、後述する所定の処理を行った後、特徴量を計算する。判定部35は、計算された特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する。また、計測部34は、必要に応じて、マグネットワイヤ2の走行時間を計測する。
図2は、マグネットワイヤ2の構成を説明する図である。
図2に示すように、マグネットワイヤ2は、銅あるいはアルミニウム等からなる素線21と、素線21の表面を被覆する有機物絶縁体から成るマグネットワイヤ被覆である被覆22とによって構成される。マグネットワイヤ2の終端は、被覆22が剥離された素線21が接地される(図1参照)。
図3は、放電検知電極5の構成を示す図であり、図4は、放電検知電極5および検出装置10による放電検出を説明する図である。
放電検知電極5は、マグネットワイヤ2の走行路1内に、電圧印加点のマグネットワイヤ2の周囲を囲む環状に配置され、例えば、断面形状が円形のリング状に形成される。放電検知電極5は、鉄、アルミニウム、銅などの金属材料で形成してもよいし、導電性ゴム、あるいは表面にアルミニウム等の金属材料を蒸着した樹脂材料等で形成してもよい。また、リング状の放電検知電極5の内径を、マグネットワイヤ2の外径と合わせて、放電検知電極5をマグネットワイヤ2と接触させても良い。あるいは、接触による被覆22の擦過を避けるためにマグネットワイヤ2との間に10μm~100μm程度の隙間を有して放電検知電極5を配置しても良い。
図4に示すように、放電検知電極5には交流電源6の一端が接続され、交流電源6の他端は、素線21と同様に接地される。放電検知電極5は、走行路1内の設定箇所で、交流電源6からの交流電圧をマグネットワイヤ2に印加する。
マグネットワイヤ2の被覆22にピンホールあるいは傷による欠陥部23がある場合、電圧印加点の素線21から被覆22の欠陥部23を介して放電検知電極5に向かう放電が発生し、その放電電荷は放電検知電極5に収集され、検出装置10に送られる。
検出装置10は、例えば、カップリングコンデンサ11、検出インピーダンス12および放電検出器13にて構成される。この場合、カップリングコンデンサ11と検出インピーダンス12との直列回路が、被覆22に対して並列に接続され、この直列回路と被覆22とに交流電源6から交流電圧が印加される。放電検出器13は、検出インピーダンス12の両端に発生する電圧を検出する。
素線21から、放電検知電極5へ放電が発生すると、印加されている交流電圧に急峻な変動が発生する。放電検出器13は、この交流電圧の変動を、検出インピーダンス12の両端に発生する電圧値として検出する。
図5は、図4で示す放電検出を説明する等価回路図である。
図5に示すように、被覆22内のピンホールあるいは傷による欠陥部23の静電容量C1と、欠陥部23と素線21との間の部分の静電容量C2とは、直列に接続される。この直列接続された静電容量C1、C2と、被覆22の正常部における静電容量C3と、検出装置10内で直列接続された静電容量C4(カップリングコンデンサ11の静電容量)および検出インピーダンス12とが並列関係となり、交流電圧が印加される。
素線21から放電検知電極5へ放電が発生すると、発生した放電電荷は、静電容量C1、C2、C4および検出インピーダンス12からなる閉回路を通して接地点へ放出される。検出インピーダンス12に放電電荷が流れると、その両端に電圧が発生し、放電検出器13が発生電圧を検出する。検出インピーダンス12に放電電荷が流れない場合、電圧は発生しない。
なお、放電検出器13が検出する電圧(電圧信号)が、検出装置10が検出する放電信号となる。
検出インピーダンス12のインピーダンスをZ、流れる放電電荷をq、とすると、検出される発生電圧ΔVは、以下の式で表される。
ΔV=Z・q
ところで、電圧印加点におけるマグネットワイヤ2の素線21は、加熱装置7Aにより加熱されている。この加熱により、電圧印加点における素線21と放電検知電極5との間の空気密度は低下し、素線21から被覆22の欠陥部23を介して発生する放電における放電開始電圧が低下する。即ち、加熱装置7Aは、放電開始電圧を低下させて放電発生を促す。なお、加熱装置7Aは、被覆22の耐熱温度、即ち被覆材料の耐熱温度を超えない温度で素線21を加熱する。
このように放電開始電圧が低下することにより、放電検知電極5により印加される電圧は低電圧に抑制でき、低電圧で放電による発生電圧ΔVを観測することが可能になる。即ち、マグネットワイヤ2の絶縁異常となる被覆22の欠陥部23を、低電圧で高精度に検出できる。これにより、マグネットワイヤの絶縁特性を、正常なマグネットワイヤ被覆を損傷させることなく、巻線前に信頼性良く検査できる。
図6は、放電開始電圧の温度変化に依る特性を示す波形図である。
この場合、被覆膜厚:2E-05m(20μm)とし、電圧印加点の素線21と放電検知電極5との間である放電検出部の温度を25℃から200℃まで25℃間隔で上昇させた場合の放電開始電圧を示す。なお、加熱前の25℃のとき、放電開始電圧:500V、放電検出部の気圧:101330Pa(1atm)である。温度が上昇し空気密度が低下することにより放電開始電圧が低下することがわかる。
図7は、マグネットワイヤ被覆の検査装置100の動作を説明するフローチャートである。
検査装置100では、まず、繰り出し装置3および巻き取り装置4が、巻線前のマグネットワイヤ2を等速度で線方向に走行させる。これにより、上述した走行路1が形成される(ステップS1)。
走行路1内の定点(電圧印加点)にて、放電検知電極5が交流電圧をマグネットワイヤ2に印加し、検出装置10が放電信号を検出する(ステップS2)。
検出された放電信号は、制御装置30に送信され、A/D変換部31にて、一定のサンプリング周波数でA/D変換された後、記憶部32に保存される。計算部33は、記憶部32内の放電信号を取り出し、以下の処理を行う。
まず、予め設定された基準電荷量信号強度、例えば100ピコクーロンに対し、この基準電荷量信号強度以下の信号を、放電信号から除去することで、不要な微弱ノイズである放電ノイズを除去する。これにより、被覆22内のピンホールあるいは傷による欠陥部23に起因する放電と関連しない放電ノイズを除去する。この場合、除去する放電ノイズには、正常な被覆22の表面からの放電も含まれ、また、検査装置100の検査作業場の環境に起因する放電、例えば、素線21、交流電源6あるいは放電検出器13の接地点電位の不安定に起因する放電等も含まれる(ステップS3)。
ステップS3の処理である放電ノイズの除去は、計算部33の計算負荷を軽減するために、放電信号を記憶部32に保存する際に同時に行っても良い。その場合、記憶部32に予め基準電荷量信号強度を記憶させておき、この基準電荷量信号強度以下の信号である放電ノイズを保存しないように、検出された放電信号から除去すればよい。
計算部33は、放電ノイズが除去された放電信号を、さらにスムージング処理する。スムージング処理には、例えば、移動平均法が適用できる(ステップS4)。
図8は、検出装置10にて検出された放電信号の波形図であり、図9は、スムージング処理後の放電信号の波形図である。図9では、移動平均点数9点で移動平均処理した例を示す。図8に示す放電信号波形15は、スムージング処理後に、図9に示すように平滑された放電信号波形16となる。
スムージング処理では、ステップS3における放電ノイズの除去では除去できなかった外乱によるノイズをさらに除去できる。また、移動平均法を用いると、簡便な計算にてスムージング処理が行える。
なお、ステップS3の処理である放電ノイズの除去と、ステップS4のスムージング処理とを同時に行うこともできる。その場合、スムージング処理時に、基準電荷量信号強度以下の放電信号を無視するようにすればよい。
その後、スムージング処理後の放電信号に対して、計算部33は特徴量を計算する。特徴量の計算には、例えば、検出された放電の、ピーク放電電荷量、放電継続時間、あるいは総放電電荷量等が用いられ、これらの計算対象の内、1つでも良いし、また複数個を選んで組み合わせても良い(ステップS5)。
判定部35は、計算部33からの計算結果である特徴量を取得し、その値が予め設定された上限値以上であるか否か判定し(ステップS6)、上限値以上であるとき、マグネットワイヤ被覆に欠陥部23ありと判定する(ステップS7)。
ステップS6において、特徴量の値が上限値未満である場合は、マグネットワイヤ被覆は欠陥なしと判定される(ステップS8)。
以上のように、この実施の形態では、検査装置100は、被覆されたマグネットワイヤ2を巻線前に線方向に等速走行させ(本願の第1ステップに対応)、走行路1内の設定箇所で、放電検知電極5により交流電圧を印加してマグネットワイヤ2の素線21から発生する放電電荷を収集し(本願の第2ステップに対応)、その放電電荷に基づいて放電検出を行う(本願の第3ステップに対応)。また、放電検知電極5に近接して加熱装置7Aを配置し、電圧印加点におけるマグネットワイヤ2の素線21を加熱しつつ(本願の第4ステップに対応)、上記放電検出を行う。加熱による空気密度が低下することで、放電検出のために印加される電圧は低電圧に抑制できる。即ち、マグネットワイヤ2の絶縁異常となる被覆22の欠陥部23を、低電圧で高精度に検出できる。これにより、マグネットワイヤ2の絶縁特性を、正常なマグネットワイヤ被覆を損傷させることなく、巻線前に信頼性良く検査できる。
また、検査装置100は、検出された放電信号に基づいて特徴量を計算し、該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する(本願の第5ステップに対応)。このため、マグネットワイヤ2の絶縁特性の検査を、容易に高精度に行う事ができる。
なお、上記実施の形態では、検出された放電信号を監視して異常判定する制御装置30を、検査装置100が備えるものとしたが、制御装置30は検査装置100とは別に設けて、放電信号を受信するようにしても良い。
また、上記実施の形態で示した繰り出し装置3および巻き取り装置4は、図10に示すように、それぞれボビン3B、4Bをターンテーブル19上に載置して構成しても良い。
さらに、上記実施の形態では、放電検知電極5による電圧印加点の上流側のみに加熱装置7Aを設けた検査装置100を図示したが、図11に示すように、上流側および下流側にそれぞれ放電促進装置となる加熱装置7A、7Bを設けても良い。これにより、放電検知電極5による電圧印加点での温度安定性を確保でき、検査装置100による検査精度が向上する。この場合も、各加熱装置7A、7Bは、電圧印加点におけるマグネットワイヤ2の素線21を加熱するために設けられるため、放電検知電極5と近接して、その近傍に配置される。また、各加熱装置7A、7Bは、マグネットワイヤ2の被覆22の耐熱温度、即ち被覆材料の耐熱温度を超えない温度で素線21を加熱する。
実施の形態2.
図12は、実施の形態2によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。
図12に示すように、実施の形態2によるマグネットワイヤ被覆の検査装置100Aは、上記実施の形態1によるマグネットワイヤ被覆の検査装置100に、温度計測部としての温度計41A、41Bと温度表示装置42A、42Bとを設ける。温度計41Aは、加熱装置7Aの下流側近傍で加熱装置7Aと放電検知電極5との間に配置し、温度計41Bは、加熱装置7Bの上流側近傍で加熱装置7Bと放電検知電極5との間に配置する。そして、各温度計41A、41Bで計測されたマグネットワイヤ2の温度が、温度表示装置42A、42Bに表示される。
その他の構成および動作は、上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態では、温度計41A、41Bと温度表示装置42A、42Bとを設けたため、検査装置100Aのオペレータに、加熱装置7A、7Bの出力調整を促すことができる。具体的には、オペレータが、温度表示装置42A、42Bの温度表示を目視確認し、マグネットワイヤ2の温度が被覆材料の耐熱温度付近まで昇温した場合、被覆材料の耐熱温度を超えないよう、加熱装置7A、7Bの出力を下げる等の調整を行う。これにより、マグネットワイヤ2の被覆22にダメージを与える事が防止でき、マグネットワイヤ2の絶縁特性を、さらに信頼性良く検査できる。
なお、上記実施の形態2では、温度計41A、41Bは、加熱装置7A、7Bと放電検知電極5との間にそれぞれ配置するものを示したが、これに限るものでは無い。例えば、温度計41Aを加熱装置7Aの上流側近傍に配置し、温度計41Bを加熱装置7Bの下流側近傍に配置しても良い。
また、温度計41A、41Bおよび温度表示装置42A、42Bは、加熱装置7A、7Bに付随して設けられるため、加熱装置7Aが温度計41Aおよび温度表示装置42Aを備え、加熱装置7Bが温度計41Bおよび温度表示装置42Bを備えるものとしても良い。
さらに、図13に示すように、温度表示装置42A、42Bの替わりに警報装置43A、43Bを備えても良い。この場合、各温度計41A、41Bで計測されたマグネットワイヤ2の温度が、予め設定された温度上限値に達した場合、警報装置43A、43Bにより警報を発報する。これにより、上記実施の形態2と同様に、オペレータに加熱装置7A、7Bの出力調整を促し、同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態2で用いる温度計41A、41Bは、例えば図14に示すように、鉄、銅、アルミ等のリング状の金属薄膜44に熱電対45を半田付け等により貼り付けて形成したものを用いても良い。その場合、金属薄膜44によるリングの内径を、マグネットワイヤ2の外径と合わせて、金属薄膜44とマグネットワイヤ2とを接触させても良い。
実施の形態3.
図15は、実施の形態3によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。
図15に示すように、実施の形態3によるマグネットワイヤ被覆の検査装置100Bは、上記実施の形態1によるマグネットワイヤ被覆の検査装置100に、上記実施の形態2と同様の温度計41A、41Bを設け、さらに、制御装置30が、加熱装置7A、7Bを制御して温度調整を行う温度調整部36を備える。
各温度計41A、41Bの出力であるマグネットワイヤ2の温度信号は、制御装置30に送信され、A/D変換部31にて、一定のサンプリング周波数でA/D変換された後、温度調整部36に入力される。温度調整部36は、マグネットワイヤ2の温度が予め設定された範囲となるように、加熱装置7A、7Bを出力調整する。予め設定された範囲は、被覆材料の耐熱温度を超えない温度で、効果的に放電が検出されるように設定される。
その他の構成および動作は、上記実施の形態1と同様である。
これにより、加熱装置7A、7Bを自動調整してマグネットワイヤ2を所望の温度に維持でき、マグネットワイヤ2の被覆22にダメージを与える事が容易で確実に防止でき、かつ、加熱により空気密度を高精度に低下させて放電検出精度を向上できる。このため、マグネットワイヤ2の絶縁特性を、さらに信頼性良く検査できる。
なお、制御装置30に送信されるマグネットワイヤ2の温度信号は、A/D変換後に、温度調整部36にて用いるだけでなく、記憶部32に記憶させても良い。検出された放電信号と温度信号とが記憶部32に共に保存されることで、オペレータは随時それらの信号情報を読み出して検査時の品質記録として活用できる。例えば、オペレータは、読み出した信号情報に基づいて、放電検出頻度とマグネットワイヤ2の温度推移との相関等を確認し、設定したマグネットワイヤ2の走行速度、あるいは加熱装置7A、7Bの出力条件等が妥当であるかを確認することができる。
実施の形態4.
この実施の形態4では、上記各実施の形態1~3に用いられる加熱装置7A、7Bについて説明する。図16は加熱装置の構成を示す図であり、図17は加熱装置の動作を示す図である。
図16に示すように、各加熱装置7A、7Bは、例えばニクロム線等の電熱線をコイル状に成形した電熱線コイル46と直流電源47とから成る。そして、図17に示すように、マグネットワイヤ2を、直流電源47から直流電圧が印加される電熱線コイル46の中を通るように走行させる。電熱線コイル46には直流電流が流れ、その抵抗発熱による熱伝導48で、マグネットワイヤ2を昇温することができる。
なお、上記実施の形態2、3に適用する場合、加熱装置7A、7Bの出力調整を行うには、直流電源47の出力電圧を調整することで実現できる。
また、電熱線コイル46の内径を、マグネットワイヤ2の外径と合わせて、電熱線コイル46とマグネットワイヤ2とを接触させても良い。あるいは、接触による被覆22の擦過を避けるために、電熱線コイル46の内径を、マグネットワイヤ2の外径より、10μm~100μm程度の余裕を有して大きく形成しても良い。
実施の形態5.
この実施の形態5では、上記各実施の形態1~3に用いられる加熱装置7A、7Bの別形態について説明する。図18は加熱装置の構成を示す図であり、図19は加熱装置の動作を示す図である。
図18に示すように、各加熱装置7A、7Bは、導線をコイル状に成形した導線コイル49と高周波電源50とから成る誘導加熱コイルを用いて構成される。そして、図19に示すように、マグネットワイヤ2を、高周波電源50から高周波電圧が印加される誘導加熱コイルである導線コイル49の中を通るように走行させる。
なお、マグネットワイヤ2を最適に加熱するために、高周波電源50に接続される温度設定装置51を設けても良い。
導線コイル49に高周波電流が流れると、導線コイル49の周辺に交番磁束52が発生し、導線コイル49内のマグネットワイヤ2の金属部(素線21)に渦電流53が流れ、その抵抗発熱により素線21が加熱される。渦電流53の密度は、表皮効果により素線21の表面付近ほど高いため、素線21の表面付近の温度上昇が早い。このため、放電検知電極5からの電圧印加時に、素線21の表面付近から効率良く電荷を放出させて放電検出を行うことができる。
高周波電源50の発振周波数を可変にして調整することで、最適な加熱効率が得られる。例えば、予め、素線21の線径毎に、実験等により最適な発振周波数を決定し、温度設定装置51に保存しておく。そして、絶縁特性を検査する際に、検査対象のマグネットワイヤ2の素線21の線径を温度設定装置51に入力して、温度設定装置51が最適な発振周波数を抽出して、高周波電源50の発振周波数を調整する。
あるいは、オペレータが、素線21の線径に応じて予め決定された最適な発振周波数に設定しても良い。
なお、上記実施の形態3を適用する場合、温度調整部36が、高周波電源50から導線コイル49へ出力される高周波電力を調整することにより、加熱装置7A、7Bの出力調整を実現できる。この場合、温度調整部36を、温度設定装置51を兼用するように構成してもよい。
また、誘導加熱コイルである導線コイル49の内径を、マグネットワイヤ2の外径と合わせて、導線コイル49とマグネットワイヤ2とを接触させても良い。あるいは、接触による被覆22の擦過を避けるために、導線コイル49の内径を、マグネットワイヤ2の外径より、10μm~100μm程度の余裕を有して大きく形成しても良い。
実施の形態6.
この実施の形態6では、マグネットワイヤ被覆の検査装置における、マグネットワイヤのガイド構造について説明する。図20(図20A、図20B、図20C)は、実施の形態6によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。
上述したように、マグネットワイヤ被覆の検査装置100、100A、100Bでは、走行路1内の設定箇所で、マグネットワイヤ2の素線21を加熱しつつ放電検知電極5により交流電圧を印加して、被覆22の欠陥部23に起因して発生する放電を検出する。精度の高い放電検出を阻害する要因として、走行路1の不安定がある。走行路1の僅かな蛇行、あるいは僅かな振動により、マグネットワイヤ2と放電検知電極5との接触状態、あるいは距離が変動することがある。良好で安定な接触状態である、あるいは距離が適正に維持されている場合には、強度の高い放電が安定に検出できるが、逆にそれらが安定して維持されない場合、強度の低い不安定な放電となり精度の高い放電検出が実施できない。
このような走行路1の不安定を解消するために、この実施の形態6では、走行路1内の電圧印加点である定位置に、図20Aに示すようなマグネットワイヤ2を誘導するガイド部としてのガイドブロック60を配置する。なお、ガイドブロック60は、マグネットワイヤ2による走行路1を安定させる物であり、繰り出し装置3と巻き取り装置4とガイドブロック60とを備えて走行路形成装置が構成される。また、このガイドブロック60は、上記各実施の形態1~5に同様に適用できる。
この場合、概略立方体形状の樹脂材料から成るガイドブロック60に、マグネットワイヤ2を通過させる貫通穴61と、放電検知電極5を格納する溝62とが設けられ、図20Bに示すように、放電検知電極5を溝62に格納し、図20Cに示すように、マグネットワイヤ2を貫通穴61内を通るように走行させる。
貫通穴61は、放電検知電極5の円形面を挟んで対向する2面を貫通し、かつ中心点が放電検知電極5の中心点と一致し、マグネットワイヤ2の外径より10μm~100μm程度大きい直径で形成される。また、マグネットワイヤ2は、ガイドブロック60の上流側端面の貫通穴61入り口からガイドブロック60内に入り、放電検知電極5に接近して、放電検知電極5と安定な接触状態、あるいは適正な距離を保って電圧印加点を通過し、ガイドブロック60の下流側端面の貫通穴61出口からガイドブロック60外へ出る。
このように、この実施の形態では、マグネットワイヤ2がガイドブロック60に誘導されて走行路1が安定化されるため、強度の高い放電を安定して検出できる。これにより、計算部33において放電信号の特徴量が高精度に計算でき、放電検出の精度が向上する。
また、ガイドブロック60は、樹脂材料で形成されるため、擦過によるマグネットワイヤ2の傷つきを防止できる。樹脂材料として、摩擦係数の低いPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)等のフッ素系樹脂等が好適である。
なお、鉄、アルミニウムあるいは銅等の金属材料によりガイドブロック60を形成することもでき、その場合は、ガイドブロック60に放電検知電極5を格納するのではなく、マグネットワイヤ2の走行路1を形成される貫通穴61が設けられたガイドブロック60自身を放電検知電極として使用する。この場合も、貫通穴61は、マグネットワイヤ2の外径より10μm~100μm程度大きい直径となるように調整される。
また、ガイドブロック60は、図示しない走行路1内の架台に保持されてもよい。
また、マグネットワイヤ2を誘導するガイド構造は、マグネットワイヤ2が、放電検知電極5と安定な接触状態、あるいは適正な距離を保って電圧印加点を通過するように誘導するものであれば、上記実施の形態6で示すものに限らない。
実施の形態7.
図21(図21A、図21B、図21C)は、実施の形態7によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。
マグネットワイヤ被覆の検査装置100による高精度な放電検出を阻害する要因で、上記実施の形態6で示したものとは別の要因として、加熱装置7A、7Bと放電検知電極5との間の距離のばらつきがある。加熱装置7A、7Bと放電検知電極5間の距離にばらつきがあると、加熱装置7A、7Bが一定出力でマグネットワイヤ2を加熱しても、電圧印加点でのマグネットワイヤ2の温度が安定せず、空気密度低下による放電量にばらつきが生じ、放電検出の精度が劣化する。
走行路1の不安定、および電圧印加点でのマグネットワイヤ2の温度の不安定を解消するために、この実施の形態7では、走行路1内に、図21Aに示すようなマグネットワイヤ2を誘導するガイド部としてのガイドブロック60Aを配置する。なお、繰り出し装置3と巻き取り装置4とガイドブロック60Aとを備えて走行路形成装置が構成される。また、このガイドブロック60Aは、上記実施の形態1に示す検査装置100に適用できる。
この場合、概略直方体形状の高耐熱樹脂材料から成るガイドブロック60Aに、マグネットワイヤ2を通過させる貫通穴61と、放電検知電極5を格納する溝62と、加熱装置7A、7Bをそれぞれ格納する溝63A、63Bとが設けられる。加熱装置7A、7B用の溝63A、63Bは、放電検知電極5用の溝62に対して平行に、かつ溝62を中心としてその両側に等距離に設けられる。
加熱装置7A、7Bとして、上記実施の形態4による電熱線コイル46、あるいは上記実施の形態5による導線コイル49が溝63A、63Bに格納される。なお、電熱線コイル46は直流電源47に接続され、導線コイル49は高周波電源50に接続される。
そして、図21Bに示すように、放電検知電極5を溝62に格納すると共に、加熱装置7A、7Bをそれぞれ溝63A、63Bに格納し、図21Cに示すように、マグネットワイヤ2を貫通穴61内を通るように走行させる。
このように、ガイドブロック60Aには、放電検知電極5および加熱装置7A、7Bをそれぞれ格納する複数(この場合、3つ)の溝62、63A、63Bが設けられる。そして、加熱装置7A、7Bの中心点が放電検知電極5の中心点に一致するように、放電検知電極5と加熱装置7A、7Bとを3つの溝62、63A、63Bにそれぞれ格納して、それぞれの定位置にて固定する。このため、加熱装置7A、7Bと放電検知電極5との間の距離は一定となりばらつくことは無い。
貫通穴61は、放電検知電極5の円形面を挟んで対向する2面を貫通し、かつ中心点が放電検知電極5の中心点と一致し、さらにマグネットワイヤ2の外径より10μm~100μm程度大きい直径で形成される。また、マグネットワイヤ2は、ガイドブロック60Aの上流側端面の貫通穴61入り口からガイドブロック60A内に入り、加熱装置7Aのコイル内を経て、放電検知電極5に接近し、放電検知電極5と安定な接触状態、あるいは適正な距離を保って電圧印加点を通過し、さらに加熱装置7Bのコイル内を経て、ガイドブロック60Aの下流側端面の貫通穴61出口からガイドブロック60A外へ出る。
このように、この実施の形態では、マグネットワイヤ2をガイドブロック60Aにより誘導して走行路1を安定化し、かつ加熱装置7A、7Bと放電検知電極5との間の距離を一定とした。このため、電圧印加点でのマグネットワイヤ2の温度を安定化して常に一定温度の条件下で空気密度低下による放電を、高い強度で安定して検出することができる。これにより、計算部33において放電信号の特徴量が高精度に計算でき、放電検出の精度が向上する。
また、ガイドブロック60Aは、高耐熱樹脂材料で形成されるため、擦過によるマグネットワイヤ2の傷つきを防止できると共に、加熱装置7A、7Bによる加熱に対する耐熱性を有する。高耐熱樹脂材料には、例えば、耐熱温度が200℃以上であるPTFE等のフッ素系樹脂等が好適である。
なお、ガイドブロックに設ける溝をさらに増設して、上記実施の形態2で示した温度計41A、41Bを格納しても良く、以下に説明する。
図22(図22A、図22B)は、実施の形態7の別例によるマグネットワイヤのガイドブロックを説明する図である。このガイドブロック60Bは、上記実施の形態2、3に示す検査装置100A、100Bに適用できる。
この場合、概略直方体形状の高耐熱樹脂材料から成るガイドブロック60Bに、マグネットワイヤ2を通過させる貫通穴61と、放電検知電極5を格納する溝62と、加熱装置7A、7Bをそれぞれ格納する溝63A、63Bと、温度計41A、41Bをそれぞれ格納する溝64A、64Bとが設けられる。加熱装置7A、7B用の溝63A、63Bは、放電検知電極5用の溝62に対して平行に、かつ溝62を中心としてその両側に等距離に設けられる。そして、温度計41A、41B用の溝64A、64Bは、それぞれ、溝63A、63Bと溝62との間の位置で、溝62に対して平行に、かつ溝62を中心としてその両側に等距離に設けられる。
そして、図22Bに示すように、放電検知電極5を溝62に格納すると共に、加熱装置7A、7Bをそれぞれ溝63A、63Bに格納し、さらに温度計41A、41Bをそれぞれ溝64A、64Bに格納して、マグネットワイヤ2を貫通穴61内を通るように走行させる。
このように、温度計41A、41B用の溝64A、64Bをさらに設けたガイドブロック60Bを用いる事により、マグネットワイヤ2の温度測定位置と放電検知電極5との距離も一定にでき、加熱装置7A、7Bの出力調整の精度が向上し、これにより放電検出の精度がさらに向上する。
実施の形態8.
図23は、実施の形態8によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。また図24は、マグネットワイヤ被覆の検査装置に接続される巻線装置および固定子鉄心を示す部分拡大図である。なお、図23内の点Aが図24内の点Aに接続される。
この実施の形態8では、マグネットワイヤ被覆の検査装置100Cを、回転電機または直動機の電機子である固定子の巻線工程へ適用する。この実施の形態8は、上記各実施の形態1~7に適用できるが、ここでは上記実施の形態3に適用したものを図示して、異なる部分のみを説明する。
図23、図24に示すように、検査装置100Cは、マグネットワイヤ2を巻き取る巻き取り装置4を備えず、走行路1の下流側に設置された巻線装置70にマグネットワイヤ2を送る。マグネットワイヤ2は、巻線装置70のノズル71により固定子鉄心72に巻き回される。
また、検査装置100Cは、制御装置30内に出力部37を備えると共に、外部に出力情報を表示する表示装置38を備える。出力部37は、所望の出力情報、例えば、検出された放電信号の波形画像を、判定部35での判定結果と共に、表示装置38に表示する。この際、マグネットワイヤ被覆に欠陥部23ありと判定された放電信号の積算数を併せて表示しても良い。
この実施の形態では、検査装置100Cが巻線前のマグネットワイヤ2に対して放電検出による検査を行い、この検査に連続して巻線装置70がマグネットワイヤ2を固定子鉄心72に巻線する。そして、一連の工程において、オペレータは随時、マグネットワイヤ被覆の絶縁異常となる欠陥部23の検出状態を、表示装置38にて確認することができる。
また、制御装置30では、計測部34がマグネットワイヤ2の走行時間を計測するタイマとして動作する。また、計算部33が、マグネットワイヤ被覆の欠陥部23が、巻線中の固定子鉄心72に到達するまでの時間Tを計算し、計測部34は、その時間情報(T)を取得する。
計算部33では、マグネットワイヤ2の走行速度Sと、放電検知電極5から巻線装置70までの走行路長Lとが予め設定され、時間T(=L/S)を計算する。そして、計測部34は、判定部35が欠陥部23ありと判定した時点から、タイマ動作させ時間Tを計測する。これにより、計測部34が計測完了した時点で巻線作業中である固定子鉄心72が特定され、即ち、マグネットワイヤ被覆の欠陥部23を有する固定子鉄心72が特定される。
なお、固定子鉄心72への巻線作業は、欠陥部23の有無に拘わらず継続して行われる。
また、計測部34が計測完了する以前に、巻線装置70の停止等によりマグネットワイヤ2の走行が停止することがある。計測部34は、マグネットワイヤ2が走行しているか否かを検知し、走行停止を検知すると走行時間の計測を中断する。そして、巻線装置70が巻線を再開してマグネットワイヤ2の走行が再開すると、計測部34による計測も再開する。
以上のように、被覆22に絶縁欠陥を有するマグネットワイヤ2が巻線された固定子鉄心72は、検査装置100Cにて特定される。そして、特定された固定子鉄心72、あるいはこの固定子鉄心72を含む固定子は、それ以降の工程へは流出されない。これらは、不良品として、不良品払い出しのコンベア、台車等の移載手段により良品と区別する。
また、これら不良固定子鉄心を、個別に、公知のサージ電圧印加(インパルス電圧印加)試験等の方法で再度検査してもよい。
図25は、巻線後の固定子の構成を示す図である。図に示すように、マグネットワイヤ2による巻線コイル73が巻かれた固定子鉄心72が円形成形された後、フレーム74が装着されて固定子75が形成される。
また、図26は、巻線後の固定子を用いた電気機械の構成を示す図である。図に示すように、電気機械である回転電機90は、上記のように形成された固定子75と回転子91とを備える。
この回転電機90は、マグネットワイヤ被覆の検査装置100Cにより、巻線されたマグネットワイヤ2の被覆22に絶縁欠陥がないことが確認された固定子鉄心72を用いて製造される。これにより、絶縁特性の良好なマグネットワイヤ2を用いた信頼性の高い回転電機90が得られる。
なお、図26では、電気機械の例として、回転電機90を示したが、直動機であってもよく、マグネットワイヤ2が巻線される鉄心は固定子鉄心72に限るものではない。
さらに、上記実施の形態1~7によるマグネットワイヤ被覆の検査装置100、100A、100Bを適用してマグネットワイヤ被覆の検査を行った場合も、絶縁欠陥がないことが確認された検査後のマグネットワイヤ2を鉄心に巻線して、電気機械を製造することができる。その場合も同様に、絶縁特性の良好なマグネットワイヤ2を用いた信頼性の高い電気機械が得られる。
実施の形態9.
上記実施の形態1~8では、放電開始電圧を低下させて放電発生を促すための放電促進装置として、加熱装置7A、7Bを用いたが、この実施の形態9では、放電促進装置として、マグネットワイヤ2の周囲を減圧する減圧装置を用いる。
図27は、実施の形態9によるマグネットワイヤ被覆の検査装置の構成を示す図である。図27に示すように、マグネットワイヤ被覆の検査装置100Dは、上記実施の形態8と同様に、回転電機または直動機の電機子である固定子の巻線工程に適用され、図27内の点Aが、上記実施の形態8で示した図24内の点Aに接続される。
即ち、検査装置100Dは、マグネットワイヤ2の走行路1の上流側に、繰り出し機3Aとマグネットワイヤ2を送り出すボビン3Bとを有する繰り出し装置3を備えるが、マグネットワイヤ2を巻き取る巻き取り装置4を備えず、走行路1の下流側に設置された巻線装置70にマグネットワイヤ2を送る。マグネットワイヤ2は、巻線装置70のノズル71により固定子鉄心72に巻き回される。
また、マグネットワイヤ被覆の検査装置100Dは、放電検知電極5および検出装置10にて構成される放電検出装置と、走行路1内の電圧印加点に設けられて、マグネットワイヤ2の周囲を減圧する減圧装置9とを備える。
放電検知電極5および検出装置10は、上記実施の形態1と同様の構成で同様に動作する。減圧装置9は、マグネットワイヤ2の素線からの放電発生を促す放電促進装置として設けられ、電圧印加点におけるマグネットワイヤ2を囲むように配置された減圧槽8と、減圧槽8内を減圧する減圧ポンプ8Aとを備える。
さらに、検査装置100Dは、検出装置10からの放電信号を監視し、放電信号に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する制御装置30と、外部に出力情報を表示する表示装置38とを備える。制御装置30は、上記実施の形態8と同様に、A/D(アナログ-ディジタル)変換部31、記憶部32、計算部33、計測部34、判定部35、および出力部37を備え、さらに、減圧装置9を制御して圧力調整を行う圧力調整部39を備える。
図28は、減圧装置9の構成を示す図である。
図に示すように、減圧装置9は、アクリル樹脂等の絶縁性の樹脂パネルにより概略立法体に成形された減圧槽8と、減圧槽8内を減圧する減圧ポンプ8Aとを備える。減圧槽8の対向する2面の樹脂パネルには、該2面に垂直にマグネットワイヤ2を通過させるため、1mm程度の同径の貫通穴65A、65Bが設けられる。その際、貫通穴65A、65Bは、各々の中心を通って開口面に垂直な中心線が一致するように配置される。また、減圧槽8内の圧力を測定する圧力計68が設けられる。
なお、減圧槽8内の圧力を維持するため、貫通穴65A、65Bの内径側を、例えばシリコンゴムなどのゴム材で覆ってもよい。
放電検知電極5は、マグネットワイヤ2の走行路1内で減圧槽8の内部に、電圧印加点のマグネットワイヤ2の周囲を囲む環状に配置され、電圧印加部6Aを介して交流電源6に接続される。この放電検知電極5は、放電検知電極5の中心線が、貫通孔65A、65Bの中心線と一致するように、把持部66にて把持され固定される。
そして、マグネットワイヤ2は、減圧槽8の上流側端面の貫通穴65Aから減圧槽8内に入り、放電検知電極5に接近し、放電検知電極5と安定な接触状態、あるいは適正な距離を保って電圧印加点を通過し、減圧槽8の下流側端面の貫通穴65Bから減圧槽8外へ走行する。減圧ポンプ8Aは、マグネットワイヤ2が減圧槽8内を走行する間、減圧槽8内を所定圧力まで減圧する。
なお、図29に示す別例のように、減圧槽8内に、マグネットワイヤ2の案内用にガイドローラ67を設けて、マグネットワイヤ2の走行を安定させても良い。
また、マグネットワイヤ2の走行状態を目視確認できるよう、減圧槽8を形成する樹脂パネルは、透明なものが望ましい。
圧力計68の出力は、減圧槽8内の圧力を示す信号であり、制御装置30に送信され、A/D変換部31にて、一定のサンプリング周波数でA/D変換された後、圧力調整部39に入力される。圧力調整部39は、減圧槽8内の圧力が予め設定された範囲となるように、減圧ポンプ8Aを出力調整する。
上述したように、マグネットワイヤ2の被覆22にピンホールあるいは傷による欠陥部23がある場合、電圧印加点の素線21から被覆22の欠陥部23を介して放電検知電極5に向かう放電が発生し、その放電電荷は放電検知電極5に収集され、検出装置10に送られる。
電圧印加点におけるマグネットワイヤ2の周囲は、減圧装置9により減圧されている。この減圧により、電圧印加点における素線21と放電検知電極5との間の空気密度は低下し、素線21から被覆22の欠陥部23を介して発生する放電における放電開始電圧が低下する。即ち、減圧装置9は、放電開始電圧を低下させて放電発生を促す。
このように放電開始電圧が低下することにより、放電検知電極5により印加される電圧は低電圧に抑制でき、低電圧で放電による発生電圧ΔVを観測することが可能になる。即ち、マグネットワイヤ2の絶縁異常となる被覆22の欠陥部23を、低電圧で高精度に検出できる。これにより、マグネットワイヤの絶縁特性を、正常なマグネットワイヤ被覆を損傷させることなく、巻線前に信頼性良く検査できる。
図30は、マグネットワイヤ周囲の圧力と放電開始電圧との関係を示す図である。
この場合、減圧槽8内の圧力を減圧ポンプ8Aにより、0.002Mpaから0.1Mpaの範囲で変化させて、素線21から被覆22の欠陥部23を介した放電開始電圧を測定したものである。図30の横軸はマグネットワイヤ2の周囲圧力、即ち、減圧槽8内の圧力を示す。縦軸は、各周囲圧力時の放電開始電圧を0.1Mpa(大気圧)における放電開始電圧で割った放電開始電圧比を示す。
図に示すように、マグネットワイヤ2の周囲圧力を、大気圧下の放電開始電圧を超えない圧力範囲である0.1Mpa以下に減圧することにより、放電開始電圧を低下させることができる。なお、0.005Mpa未満の圧力領域では、圧力に対する放電開始電圧の変化が急峻で、減圧ポンプ8Aの適切な制御が難しいため、減圧装置9による圧力調整範囲は、0.005Mpaから0.1Mpaの範囲とするのが望ましい。
この実施の形態においても、上記実施の形態8と同様に、検査装置100Dが巻線前のマグネットワイヤ2に対して放電検出による検査を行い、この検査に連続して巻線装置70がマグネットワイヤ2を固定子鉄心72に巻線する。そして、一連の工程において、オペレータは随時、マグネットワイヤ被覆の絶縁異常となる欠陥部23の検出状態を、表示装置38にて確認することができる。
また、制御装置30では、計測部34がマグネットワイヤ2の走行時間を計測するタイマとして動作する。また、計算部33が、マグネットワイヤ被覆の欠陥部23が、巻線中の固定子鉄心72に到達するまでの時間Tを計算し、計測部34は、その時間情報(T)を取得する。そして、計測部34が計測完了した時点で巻線作業中である固定子鉄心72が特定され、即ち、マグネットワイヤ被覆の欠陥部23を有する固定子鉄心72が特定される。
なお、固定子鉄心72への巻線作業は、欠陥部23の有無に拘わらず継続して行われる。
以上のように、被覆22に絶縁欠陥を有するマグネットワイヤ2が巻線された固定子鉄心72は、検査装置100Dにて特定される。そして、特定された固定子鉄心72、あるいはこの固定子鉄心72を含む固定子は、それ以降の工程へは流出されない。
また、マグネットワイヤ被覆の検査装置100Dにより、巻線されたマグネットワイヤ2の被覆22に絶縁欠陥がないことが確認された固定子鉄心72を用いて、回転電機90を製造することにより、絶縁特性の良好なマグネットワイヤ2を用いた信頼性の高い回転電機90が得られる。
なお、上記各実施の形態1~9で用いる制御装置30は、例えば、図26で示すようなハードウェア構成であるプロセッサ80および記憶装置81を備えて実現できる。
記憶装置81は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置(図示省略)と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等の不揮発性の補助記憶装置(図示省略)とを備えている。なお、不揮発性の補助記憶装置としては、HDDの代わりにフラッシュメモリを使用してもよい。
プロセッサ80は記憶装置81から入力された制御プログラムを実行する。
記憶装置81は補助記憶装置と揮発性記憶装置とを備える。プロセッサ80には補助記憶装置から揮発性記憶装置を介して制御プログラム82が入力される。
プロセッサ80は、演算結果等のデータ83を記憶装置81の揮発性記憶装置に出力し、これらのデータ83を、必要に応じて揮発性記憶装置を介して補助記憶装置に保存する。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 走行路、2 マグネットワイヤ、3 繰り出し装置、4 巻き取り装置、5 放電検知電極、7A,7B 加熱装置、8 減圧槽、8A 減圧ポンプ、9 減圧装置、10 検出装置、21 素線、22 被覆、23 欠陥部、30 制御装置、32 記憶部、33 計算部、34 計測部、35 判定部、36 温度調整部、39 圧力調整部、41A,41B 温度計、46 電熱線コイル、47 直流電源、49 導線コイル、50 高周波電源、60,60A,60B ガイドブロック、61 貫通穴、62,63A,63B 溝、70 巻線装置、72 固定子鉄心、90 回転電機、100,100A,100B,100C,100D 検査装置。

Claims (25)

  1. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、
    前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置とを備え
    前記走行路内の前記電圧印加点の、上流側、下流側の少なくとも1方に設けられ、前記電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線を加熱する加熱装置を、前記放電促進装置として備える、
    マグネットワイヤ被覆の検査装置。
  2. 前記加熱装置は、前記マグネットワイヤの被覆材料の耐熱温度を超えない温度で加熱する、
    請求項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  3. 前記加熱装置は電熱線コイルおよび直流電源を備える、
    請求項または請求項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  4. 前記加熱装置は、導線コイルおよび高周波電源から成る誘導加熱コイルを備える、
    請求項または請求項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  5. 前記加熱装置は、前記マグネットワイヤの温度を計測する温度計測部を備え、該温度計測部の計測結果に基づいて加熱調整可能とする、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  6. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、
    前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置とを備え、
    前記放電検知電極は、前記電圧印加点において前記マグネットワイヤの周りに環状に配置される
    グネットワイヤ被覆の検査装置。
  7. 前記放電信号を記憶する記憶部と、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部と、該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部とを有する制御装置を備える、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  8. 前記放電信号を記憶する記憶部と、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部と、該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部とを有する制御装置を備え、
    前記制御装置は、温度調整部を備え、前記マグネットワイヤの温度が予め設定された範囲となるように前記加熱装置を制御する、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  9. 前記判定部が判定する異常は、前記マグネットワイヤ被覆の欠陥部による絶縁異常である、
    請求項または請求項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  10. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、
    前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置と、
    前記放電信号を記憶する記憶部、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部、および該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部を有する制御装置とを備え、
    前記計算部が計算する前記特徴量は、ピーク放電電荷量、放電継続時間および総放電電荷量の少なくとも1つである
    グネットワイヤ被覆の検査装置。
  11. 前記制御装置は、前記特徴量の計算に先立って、前記放電信号の放電ノイズを除去する、
    請求項から請求項10のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  12. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、
    前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置と、
    前記放電信号を記憶する記憶部、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部、および該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部を有する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記特徴量の計算に先立って、前記放電信号のスムージング処理を行う
    グネットワイヤ被覆の検査装置。
  13. 前記放電信号のスムージング処理は、移動平均法を用いて行う、
    請求項12に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  14. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させ走行路を形成する走行路形成装置と、
    前記走行路内の設定箇所で、交流電圧を前記マグネットワイヤに印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する放電検知電極、および該放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する検出装置を有する放電検出装置と、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す放電促進装置と、
    前記放電信号を記憶する記憶部、記憶された前記放電信号に基づいて特徴量を計算する計算部、および該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する判定部を有する制御装置と、
    前記判定部による判定結果を、前記放電信号の波形と共に表示する表示装置を備える
    グネットワイヤ被覆の検査装置。
  15. 前記走行路形成装置は、前記走行路の上流側に設けられ前記マグネットワイヤを繰り出す繰り出し装置と、前記走行路の下流側に設けられ前記マグネットワイヤを巻き取る巻き取り装置とを備える、
    請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  16. 前記走行路形成装置は、前記走行路の上流側に設けられ前記マグネットワイヤを繰り出す繰り出し装置を備え、前記走行路の下流側に設置された巻線装置に前記マグネットワイヤを送る、
    請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  17. 前記走行路形成装置は、前記走行路の上流側に設けられ前記マグネットワイヤを繰り出す繰り出し装置を備えて、前記走行路の下流側に設置された巻線装置に前記マグネットワイヤを送り、
    前記制御装置は、前記マグネットワイヤの走行時間を計測する計測部を備え、該計測部の計測結果と前記判定部による判定結果とに基づいて、前記マグネットワイヤ被覆の異常あり巻線を巻線後に特定可能とした、
    請求項から請求項14のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  18. 前記放電検知電極は、前記電圧印加点において前記マグネットワイヤの周りに環状に配置され、
    前記走行路形成装置は、前記走行路内の前記電圧印加点の定位置に前記マグネットワイヤを誘導するガイド部を備える、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  19. 前記ガイド部は、前記マグネットワイヤを通過させる貫通穴が設けられ、樹脂材料から成るガイドブロックにて構成され、
    前記放電検知電極が前記ガイドブロックに格納される、
    請求項18に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  20. 前記ガイドブロックは、前記放電検知電極および前記加熱装置をそれぞれ格納する複数の溝を設け、前記放電検知電極と前記加熱装置とを、それぞれの定位置にて固定する、
    請求項19に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置。
  21. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させる第1ステップと、
    前記マグネットワイヤによる走行路内の設定箇所で、放電検知電極により前記マグネットワイヤに交流電圧を印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する第2ステップと、
    前記放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する第3ステップと、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す第4ステップとを備え、
    前記第4ステップでは、前記電圧印加点の前記素線を加熱して、前記電圧印加点における前記素線から放電し始める放電開始電圧を低下させる、
    マグネットワイヤ被覆の検査方法。
  22. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させる第1ステップと、
    前記マグネットワイヤによる走行路内の設定箇所で、放電検知電極により前記マグネットワイヤに交流電圧を印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する第2ステップと、
    前記放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する第3ステップと、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す第4ステップとを備え、
    前記第4ステップでは、前記電圧印加点の、上流側、下流側の少なくとも1方に設けられた加熱装置により前記素線を加熱し、該第4ステップにより前記素線を加熱しつつ、前記第2ステップの処理を行う
    グネットワイヤ被覆の検査方法。
  23. 被覆されたマグネットワイヤを、巻線前に線方向に等速走行させる第1ステップと、
    前記マグネットワイヤによる走行路内の設定箇所で、放電検知電極により前記マグネットワイヤに交流電圧を印加して前記マグネットワイヤの素線から発生する放電電荷を収集する第2ステップと、
    前記放電検知電極からの前記放電電荷に基づいて放電信号を検出する第3ステップと、
    前記走行路内の前記設定箇所である電圧印加点における前記マグネットワイヤの前記素線からの放電発生を促す第4ステップとを備え、
    前記第4ステップでは、前記マグネットワイヤの被覆材料の耐熱温度を超えない温度で前記素線を加熱する
    グネットワイヤ被覆の検査方法。
  24. 前記第3ステップにて検出された前記放電信号に基づいて特徴量を計算し、該特徴量に基づいてマグネットワイヤ被覆の異常を判定する第5ステップを備える、
    請求項21から請求項23のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査方法。
  25. 請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のマグネットワイヤ被覆の検査装置を用いて検査した前記マグネットワイヤを鉄心に巻線して、電気機械を製造する、
    電気機械の製造方法。
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