JP7046741B2 - 燃料電池システム及び燃料電池船 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ガス供給路を通じて燃料電池装置に燃料ガスを供給する燃料電池システム及びそれを備えた燃料電池船に関する。
燃料ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックを有する燃料電池装置を備えた燃料電池システムでは、燃料電池スタックに供給される水素ガス又は改質を経て当該水素ガスとなる炭化水素ガス等の燃料ガスが、ボンベ等の燃料ガス貯留部から燃料ガス供給路を通じて燃料電池装置のアノード側に供給される。このような燃料電池システムでは、燃料ガス供給路に設けられた遮断弁を閉弁させることにより、燃料電池装置への燃料ガスの供給を停止して、運転が停止される(例えば、特許文献1を参照)。
燃料電池システムの運転停止時には、燃料電池装置への燃料ガスの供給を確実に停止する必要がある。特に船舶では高い安全基準が要求されることから、動力源として燃料電池システムを搭載した燃料電池船では、遮断弁の遮断不良等に起因する燃料電池装置側への燃料ガスの漏洩を確実に防止することが要求される。
燃料ガス供給源から燃料ガス供給路を通じて燃料ガス供給先へ燃料ガスを供給するシステムにおいて、燃料ガスの供給を確実且つ安全に遮断するための構成として、ダブルブロックアンドブリード(以下、「DBB」と呼ぶ。)と呼ぶものが知られている。かかるDBBは、燃料ガス供給路に直列状態で2つの遮断弁を設けると共に、これら2つの遮断弁の間に形成された遮断弁間空間に接続され、当該空間を外部に開放可能なブリード弁を設けて構成されている。そして、これら2つの遮断弁及びブリード弁の作動を制御する弁制御手段は、燃料電池装置への燃料ガスの供給を停止する供給停止時に、2つ遮断弁を閉弁させると共にブリード弁を開弁させる。
特開2010-287320号公報
しかしながら、上述のような燃料電池システムにDBBを採用する場合、上記ブリード弁を閉弁させると共に上記2つの遮断弁を開弁させて燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始する起動時に、上記遮断弁間空間に存在していた空気中の酸素が燃料電池装置のアノード側に供給される。すると、改質器の改質触媒の劣化や燃料電池スタックの腐食電流の発生等により燃料電池装置の性能が低下するという問題が懸念される。
この実情に鑑み、燃料ガス供給路を通じて燃料電池装置に燃料ガスを供給する燃料電池システム及びそれを備えた燃料電池船において、運転停止時に安全且つ確実に燃料電池装置への燃料ガスの供給を停止しながら、起動時に燃料電池装置への空気の供給に起因する性能低下を防止することができる技術を提供する点にある。
本発明に係る燃料電池システムの第1特徴構成は、燃料ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックを有する燃料電池装置と、
前記燃料電池装置に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、
前記燃料ガス供給路に設けられて当該供給路を遮断可能な遮断弁と、
前記遮断弁を閉弁させて前記燃料電池装置への燃料ガスの供給を停止し、前記遮断弁を開弁させて前記燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始する形態で前記遮断弁の作動を制御する弁制御手段と、を備えた燃料電池システムであって、
前記燃料ガス供給路に直列状態で設けられて当該供給路を遮断可能な上流側遮断弁及び下流側遮断弁を、前記遮断弁として備え、
前記燃料ガス供給路における前記上流側遮断弁と前記下流側遮断弁との間に形成される遮断弁間空間に接続されて当該空間を外部に開放可能なブリード弁を備え、
前記弁制御手段が、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給時に前記ブリード弁を閉弁させ、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給停止時に前記ブリード弁を開弁させる形態で前記ブリード弁の作動を制御すると共に、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に前記遮断弁間空間に対して燃料ガス及び不活性ガスの少なくとも一方であるパージガスを供給して当該遮断弁間空間をパージするパージ処理を実行する点にある。
また、本発明に係る燃料電池船の特徴構成は、本発明に係る燃料電池システムと、
前記燃料電池システムに供給される燃料ガスを貯留する燃料ガス貯留部と、を備え、
前記燃料電池システムの発電電力を船内の電力負荷に供給する点にある。
本構成によれば、高い安全基準が要求される燃料電池船等に搭載される燃料電池システムにおいて、燃料ガス供給路に直列状態で設けられる上流側遮断弁及び下流側遮断弁と当該両遮断弁の間に形成される遮断弁間空間に接続されるブリード弁とを備えて構成されるDBB(ダブルブロックアンドブリード)が採用されている。
そして、燃料電池システムの運転停止時には、上流側遮断弁及び下流側遮断弁並びにブリード弁の作動を制御する弁制御手段により、上流側遮断弁及び下流側遮断弁を閉弁させると共にブリード弁を開弁させる形態で、燃料ガス貯留部等の燃料ガス供給源から燃料電池装置への燃料ガスの供給が停止される。このように燃料ガスの供給を停止することで、上流側遮断弁及び下流側遮断弁のうちの何れかに遮断不良が生じた場合であっても、燃料ガス供給路における燃料ガス供給源側と燃料電池装置側とを大気等の外部に開放された遮断弁間空間で隔離させることができる。よって、遮断弁の遮断不良に起因する燃料ガス供給源から燃料電池装置への燃料ガスの漏洩を確実に防止することができる。更には、燃料ガスの供給停止時に遮断弁間空間に流出した燃料ガスについては、開弁状態であるブリード弁を介して外部へ放出して、安全性を保持することができる。
一方、燃料電池システムの起動時には、弁制御手段により、上流側遮断弁及び下流側遮断弁を開弁させると共にブリード弁を閉弁させる形態で、燃料ガス貯留部等の燃料ガス供給源から燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。そして、このような燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前には、弁制御手段により、上記パージ処理が実行される。このパージ処理では、空気(酸素)を略含まない上記パージガスが遮断弁間空間に供給されて当該遮断弁間空間がパージされる。すると、燃料ガスの供給停止時に外部から開弁状態であるブリード弁を介して遮断弁間空間に侵入した空気が、上記パージ処理の実行により適切に除去された上で、燃料電池装置への燃料ガスの供給が開始される。このことで、燃料電池装置のアノード側への空気の供給に起因する性能低下を防止することができる。
従って、本発明により、燃料ガス供給路を通じて燃料電池装置に燃料ガスを供給する燃料電池システムにおいて、運転停止時に安全且つ確実に燃料電池装置への燃料ガスの供給を停止しながら、起動時に燃料電池装置への空気の供給に起因する性能低下を防止することができる技術を提供することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記弁制御手段は、前記パージ処理を所定の設定パージ時間実行した後に前記燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始する点にある。
本構成によれば、弁制御手段によりパージ処理が所定の設定パージ時間実行された後に、燃料電池装置への燃料ガスの供給が開始される。よって、簡単な構成で、遮断弁間空間に滞留する空気を除去した上で燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。また、パージ処理を実行する設定パージ時間については、遮断弁間空間に滞留する空気が略完全に除去可能な時間として適宜設定することができ、例えば、各弁の開度、各流路の断面積、パージガスの供給圧力等をパラメータとして実験やシミュレーション等により適宜求めることができる。
本発明に係る燃料電池システムの第3特徴構成は、上記第1特徴構成乃至上記第2特徴構成の何れかに加えて、前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記ブリード弁を開弁状態に維持して、前記遮断弁間空間に供給された前記パージガスを前記ブリード弁を介して外部に放出する点にある。
本構成によれば、燃料ガスの供給停止時に開弁されたブリード弁が、燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前におけるパージ処理の実行時に開弁状態に維持される。即ち、このパージ処理では、遮断弁間空間に供給されたパージガスを、開放状態であるブリード弁を介して外部に放出させる形態で、遮断弁間空間をパージすることができる。このことで、遮断弁間空間において特にブリード弁近傍に滞留する空気を略完全に除去した上で、燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、前記弁制御手段が、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給開始時に、前記下流側遮断弁の開弁後に前記ブリード弁を閉弁させる点にある。
本構成によれば、パージ処理の実行時にブリード弁を開弁状態に維持して、パージ処理の実行後に下流側遮断弁を開弁させて燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始するにあたり、当該下流側遮断弁が開弁された後に、ブリード弁が閉弁される。すると、ブリード弁の閉弁時に下流側遮断弁が開弁状態であることから、弁の開閉切替時における燃料ガス供給路の過剰な圧力上昇を抑制することができる。また、下流側遮断弁の開弁直後において、遮断弁間空間に供給されたパージガスを、ブリード弁及び下流側遮断弁の両方に通過させることできる。このことで、遮断弁間空間において特にブリード弁近傍や下流側遮断弁近傍に滞留する空気をパージガスで遮断弁間空間から押し出した上で、燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第5特徴構成は、上記第1特徴構成乃至上記第4特徴構成の何れかに加えて、前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記上流側遮断弁を開弁させて当該上流側遮断弁を介して前記遮断弁間空間に前記パージガスとして燃料ガスを供給する点にある。
本構成によれば、燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に実行されるパージ処理において、遮断弁間空間に供給するパージガスとして、燃料ガスを利用することができる。即ち、当該パージ処理において、上流側遮断弁が開弁されるので、燃料ガス供給路に供給された燃料ガスをパージガスとして上流側遮断弁を介して遮断弁間空間に流入させて、当該遮断弁間空間を燃料ガスによりパージすることができる。このことで、パージ処理を実行して遮断弁間空間を燃料ガスで満たした状態で、当該遮断弁間空間を含む燃料ガス供給路を通じて燃料電池装置への燃料ガスの供給が開始されるので、燃料電池装置のアノード側への空気の供給に起因する性能低下を適切に防止することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、前記燃料ガス供給路での燃料ガスの流量を調整可能な流量調整手段を備え、
前記弁制御手段が、前記流量調整手段を制御して、前記パージ処理時における前記燃料ガス供給路での燃料ガスの流量を、前記燃料電池装置の通常運転時における前記燃料ガス供給路での燃料ガスの流量よりも小さく設定する点にある。
本構成によれば、燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に実行されるパージ処理が、上流側遮断弁を介して燃料ガス供給路に供給された燃料ガスをパージガスとして遮断弁間空間に流入させる処理である場合に、当該パージ処理の実行時における燃料ガス供給路での燃料ガスの流量が、弁制御手段による流量調整手段の制御により、燃料電池装置の通常運転時における燃料ガス供給路での燃料ガスの流量よりも小さく設定される。このことで、パージ処理による燃料ガスの消費量の増加を抑制すると共に、当該パージガスとしての外部へ放出する燃料ガスをできるだけ少なくして、外部での燃料ガス濃度を確実に爆発限界未満に維持して、安全性を確保することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第7特徴構成は、上記第5特徴構成又は上記第6特徴構成に加えて、前記燃料ガス供給路における前記下流側遮断弁よりも下流側に設けられた下流側開閉弁と、
前記燃料ガス供給路における前記下流側遮断弁と前記下流側開閉弁との間に形成される下流側弁間空間に接続されて当該空間を外部に開放可能な下流側逃し弁と、を備え、
前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記下流側開閉弁を閉弁すると共に前記下流側遮断弁及び前記下流側逃し弁を開弁させて、前記遮断弁間空間に供給された燃料ガスを前記下流側遮断弁を介して前記下流側弁間空間に供給すると共に、前記下流側弁間空間に供給された燃料ガスを前記下流側逃し弁を介して外部に放出する点にある。
本構成によれば、燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に実行されるパージ処理において、下流側開閉弁が閉弁されると共に下流側遮断弁及び下流側逃し弁が開弁される。よって、当該パージ処理において、上流側遮断弁を介してパージガスとして遮断弁間空間に流入した燃料ガスを、下流側遮断弁を介して下流側弁間空間に流入させた後に逃し弁を介して外部に放出させる形態で、遮断弁間空間及び下流側弁間空間を燃料ガスによりパージすることができる。このことで、遮断弁間空間において特に下流側遮断弁近傍に滞留する空気を略完全に除去した上で、燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第8特徴構成は、上記第7特徴構成に加えて、前記弁制御手段が、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給開始時に、前記下流側開閉弁の開弁後に前記下流側逃し弁を閉弁させる点にある。
本構成によれば、下流側開閉弁を閉弁すると共に下流側遮断弁及び下流側逃し弁を開弁させる形態でパージ処理を実行する場合において、当該パージ処理の実行後に下流側開閉弁を開弁させて燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始するにあたり、当該下流側開閉弁が開弁された後に、下流側逃し弁が閉弁される。すると、下流側開閉弁の開弁直後において、下流側弁間空間に供給されたパージガスとしての燃料ガスを、下流側逃し弁及び下流側開閉弁に通過させることできる。このことで、下流側弁間空間において特に下流側逃し弁近傍及び下流側開閉弁近傍に滞留する空気を燃料ガスで下流側弁間空間から押し出した上で、燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第9特徴構成は、上記第1特徴構成乃至上記第8特徴構成の何れかに加えて、前記燃料ガス供給路に接続されて当該燃料ガス供給路に不活性ガスを供給可能な不活性ガス供給路と、
前記不活性ガス供給路に設けられた不活性ガス供給弁と、を備え、
前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記不活性ガス供給弁を開弁させて前記不活性ガス供給路から前記遮断弁間空間に前記パージガスとして不活性ガスを供給する点にある。
本構成によれば、上記不活性ガス供給路と上記不活性ガス供給弁とを備えることで、燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に実行されるパージ処理において、遮断弁間空間に供給するパージガスとして、窒素ガス等の不活性ガスを利用することができる。即ち、当該パージ処理において、不活性ガス供給弁が開弁されるので、当該不活性ガス供給弁を介して不活性ガス供給路から燃料ガス供給路に不活性ガスをパージガスとして流入させ、その不活性ガスを遮断弁間空間に流入させて、当該遮断弁間空間を不活性ガスによりパージすることができる。このことで、パージ処理を実行して遮断弁間空間を不活性ガスで満たした状態で、当該遮断弁間空間を含む燃料ガス供給路を通じて燃料電池装置への燃料ガスの供給が開始されるので、燃料電池装置のアノード側への空気の供給に起因する性能低下を適切に防止することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第10特徴構成は、上記第9特徴構成に加えて、前記不活性ガス供給路が、前記燃料ガス供給路における前記下流側遮断弁の下流側に形成される下流側空間に接続されており、
前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記不活性ガス供給弁及び前記下流側遮断弁を開弁させて前記不活性ガス供給路から前記下流側空間を介して前記遮断弁間空間に不活性ガスを供給する点にある。
本構成によれば、不活性ガス供給路が、燃料ガス供給路における下流側遮断弁の下流側に形成される下流側空間に接続されており、燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に実行されるパージ処理において、その不活性ガス供給路に設けられた不活性ガス供給弁及び下流側遮断弁が開弁される。よって、当該パージ処理において、不活性ガス供給路から下流側空間にパージガスとして供給された不活性ガスを、下流側遮断弁を介して遮断弁間空間に流入させる形態で、当該遮断弁間空間を不活性ガスによりパージすることができる。このことで、遮断弁空間において特に下流側遮断弁近傍に滞留する空気を略完全に除去した上で、燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。
本発明に係る燃料電池システムの第11特徴構成は、上記第10特徴構成に加えて、前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記上流側遮断弁を開弁させて当該上流側遮断弁を介して前記遮断弁間空間に前記パージガスとして燃料ガスを供給する点にある。
本構成によれば燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に実行されるパージ処理において、下流側空間にパージガスとして供給された不活性ガスをパージガスとして下流側遮断弁を介して遮断弁間空間に流入させると共に、燃料ガス供給路に供給された燃料ガスをパージガスとして上流側遮断弁を介して遮断弁間空間に流入させて、当該遮断弁間空間を不活性ガス及び燃料ガスの両方によりパージすることができる。このことで、遮断弁間空間において上流側遮断弁近傍及び下流側遮断弁近傍に滞留する空気を燃料ガス及び不活性ガスで略完全に除去した上で、燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始することができる。
第1実施形態の燃料電池システムの概略構成及び作動状態を示すブロック図 第2実施形態の燃料電池システムの概略構成及び作動状態を示すブロック図 第2実施形態の燃料電池システムの概略構成及び作動状態を示すブロック図 第3実施形態の燃料電池システムの概略構成及び作動状態を示すブロック図 第4実施形態の燃料電池システムの概略構成及び作動状態を示すブロック図 別実施形態における燃料電池システムの概略構成を示すブロック図 燃料電池船の概略構成を示す図
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について、図1等に基づいて説明する。
図1に示す燃料電池システム50は、水素ガス(燃料ガスの一例)の電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック41を有する燃料電池装置40と、燃料電池装置40に水素ガスG1を供給する燃料ガス供給路10と、運転を制御する運転制御装置60等とを備えて構成されている。
また、本実施形態において、燃料電池装置40は、上記燃料電池スタック41を備えて構成されており、上記燃料ガス供給路10から燃料電池スタック41のアノード41Aに水素ガスG1が供給される。
燃料ガス供給路10は、水素ガスG1を貯留する水素ボンベ1(燃料ガス貯留部の一例)と、燃料電池装置40の燃料電池スタック41のアノード41Aとを接続する管路として構成されている。この燃料ガス供給路10には、当該供給路10を遮断可能な開閉弁である遮断弁11A,11Bが設けられている。また、この燃料ガス供給路10における上記遮断弁11A,11Bよりも上流側には、燃料ガス供給路10での水素ガスG1の流量を調整可能な流量調整弁25(流量調整手段の一例)が設けられている。
そして、運転制御装置60は、遮断弁11A,11Bを閉弁させて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止し、遮断弁11A,11Bを開弁させて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始する形態で、遮断弁11A,11Bの作動を制御する弁制御手段として機能する。
即ち、燃料電池システム50の運転停止時には、燃料電池スタック41での発電が停止されて、例えば図1(a)に示すように、運転制御装置60により遮断弁11A,11Bが閉弁されて、燃料電池スタック41のアノード41Aへの水素ガスG1の供給が停止される。一方、燃料電池システム50の起動時には、例えば図1(d)に示すように、運転制御装置60により遮断弁11A,11Bが開弁されることで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの水素ガスG1の供給が開始されて、当該燃料電池スタック41での発電が開始される。また、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給時に、運転制御装置60は、流量調整弁25の開度を調整して、燃料ガス供給路10における水素ガスG1の流量、言い換えれば燃料電池装置40への水素ガスG1の供給量を、通常運転時における所望の設定供給量に設定する。
本実施形態における燃料電池システム50は、図7に示すように、燃料電池船100に動力源として搭載されている。即ち、かかる燃料電池船100は、燃料電池システム50と、燃料電池システム50に供給される水素ガスG1を貯留する水素ボンベ1と、を備え、推進用プロペラ56を回転駆動する電動モータ55等の船内の電力負荷に対して燃料電池システム50の発電電力を供給するように構成されている。尚、船内の電力負荷としては、駆動用の電動モータ55以外に、照明やポンプ等の船内の付帯設備(図示省略)がある。そして、燃料電池システム50は、電動モータ55や付帯設備の少なくとも一部に対して発電電力を供給するものとして船内に設置することができる。例えば、電動モータ55のみ、又は付帯設備のみ、或いは電動モータ55と付帯設備の両方に対して、燃料電池システム50の発電電力を供給することができる。
このように燃料電池船100に搭載される燃料電池システム50では、遮断弁11A,11Bの遮断不良等に起因する燃料電池装置40側への水素ガスG1の漏洩を確実に防止することが要求される。
そこで、本実施形態の燃料電池システム50では、水素ボンベ1から燃料ガス供給路10を通じて燃料電池装置40へ水素ガスG1を供給するにあたり、水素ガスG1の供給を確実且つ安全に遮断するための構成としてDBB(ダブルブロックアンドブリード)が採用されている。
上記DBBでは、燃料ガス供給路10に直列状態で設けられて当該供給路10を遮断可能な上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bが、上記遮断弁11A,11Bとして設けられている。更に、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとの間に形成される遮断弁間空間10Bに接続されて当該空間10Bを大気(外部の一例)に開放可能なブリード弁21が設けられている。即ち、ブリード弁21は、燃料ガス供給路10の遮断弁間空間10Bから分岐して大気に通じる分岐路20に設けられた開閉弁として構成されている。
そして、運転制御装置60は、図1(d)に示すように、遮断弁11A,11Bを開弁させて燃料電池装置40へ水素ガスG1を供給して当該燃料電池装置40での発電を行う通常運転時には、ブリード弁21を閉弁させた状態とする。一方、運転制御装置60は、図1(a)に示すように、遮断弁11A,11Bを閉弁させて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止して当該燃料電池装置40での発電を停止する運転停止時には、ブリード弁21を開弁させた状態とする。
即ち、運転停止時には、遮断弁間空間10Bが大気に開放された状態で上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとが閉弁されて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止される。このことで、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bのうちの何れかに遮断不良が生じた場合であっても、燃料ガス供給路10における水素ボンベ1側と燃料電池装置40側とが大気に開放された遮断弁間空間10Bで隔離されることになる。よって、これら遮断弁11A,11Bの遮断不良に起因する水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止される。更に、運転停止時に遮断弁間空間10Bに流出した水素ガスG1については、開弁状態であるブリード弁21を介して大気へ放出されるので、安全性が保持される。
上記DBBを採用した燃料電池システム50において、図1(a)に示すように、運転停止時には、分岐路20を通じて遮断弁間空間10Bに空気が侵入した状態となっている。そして、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が開始する燃料電池システム50の起動時に、遮断弁間空間10Bに存在する空気中の酸素が燃料電池装置40のアノード41A側に供給されると、燃料電池スタック41の腐食電流の発生等により燃料電池装置40の性能が低下するという問題が生じる。
そこで、本実施形態の燃料電池システム50では、運転停止状態から通常運転に移行する起動時において、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下を防止する。そのために、詳細については後述するが、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に遮断弁間空間10Bに対して空気(酸素)を略含まないパージガスPGを供給して当該遮断弁間空間10Bをパージするパージ処理が、運転制御装置60により実行される。即ち、このようなパージ処理が、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に実行されると、遮断弁間空間10Bに侵入した空気が適切に燃料ガス供給路10から除去された上で、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が開始される。このことで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
本実施形態における上記パージ処理の詳細構成について、本実施形態の燃料電池システム50の運転を開始する起動時における燃料ガス供給路10における状態変化の詳細と共に、以下に説明を加える。
尚、本実施形態の燃料電池システム50では、起動時に、運転制御装置60により行われる弁制御により、燃料ガス供給路10の状態が、供給停止状態(図1(a)を参照)、パージ状態(図1(b)を参照)、移行状態(図1(c)を参照)、供給継続状態(図1(d)を参照)の順に変化する。以下では、夫々の状態について詳細を説明する。
(供給停止状態)
図1(a)は、燃料電池システム50の運転を停止している運転停止時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止している供給停止状態を示す。
この供給停止状態では、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bが閉弁され、ブリード弁21が開弁される。
すると、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aよりも上流側に形成されて水素ボンベ1に通じる上流側空間10Aについては、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。また、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bよりも下流側に形成されて燃料電池装置40に通じる下流側空間10Cについても、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。一方、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとの間に形成される遮断弁間空間10Bについては、開弁状態のブリード弁21を通じて大気に開放された状態となるため、大気から侵入した空気が存在する状態となる。
そして、このように燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止されることで、上述したように、水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止され、安全性が保持される。
(パージ状態)
運転制御装置60は、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始する前にパージ処理を実行する。そして、図1(b)は、パージ処理が実行された際の燃料ガス供給路10の状態であるパージ状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、パージ処理が実行されることで、燃料ガス供給路10の状態は上記供給停止状態からこのパージ状態に遷移する。
供給停止状態からパージ状態に遷移するにあたっては、下流側遮断弁11Bが閉弁状態に維持され、且つ、ブリード弁21が開弁状態に維持されたままで、上流側遮断弁11Aが開弁される。すると、水素ボンベ1から供給された水素ガスG1が、開弁された上流側遮断弁11Aを介して遮断弁間空間10BにパージガスPGとして供給される。同時に、当該遮断弁間空間10Bに供給された水素ガスG1が、開弁状態に維持されたブリード弁21を介して分岐路20を通じて外部に放出される。そして、このような形態で、遮断弁間空間10Bが水素ガスG1によりパージされることになる。即ち、本実施形態では、遮断弁間空間10Bに供給するパージガスPGとして水素ガスG1が利用され、この水素ガスG1により遮断弁間空間10Bがパージされる。
このようなパージ処理が実行されると、上記供給停止状態において大気からブリード弁21を介して遮断弁間空間10Bに侵入した空気は、分岐路20のブリード弁21を介して大気に放出されて、燃料ガス供給路10から除去されることになる。そして、この状態に続いて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始することで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
運転制御装置60は、流量調整弁25を制御して、パージ処理時における燃料ガス供給路10での水素ガスG1の流量を、燃料電池装置40の通常運転時における燃料ガス供給路10での水素ガスG1の流量よりも小さく設定する。即ち、このパージ状態及び後述する移行状態における遮断弁間空間10Bへの水素ガスG1の供給量が、後述する供給継続状態での燃料電池装置40への水素ガスG1の設定供給量よりも小さく設定される。このことで、パージ処理によりパージガスPGとして消費される水素ガスG1の消費量の増加が抑制される。更に、分岐路20を通じて大気に放出される水素ガスG1が少なくなって、当該大気での水素ガスG1の濃度が確実に爆発限界未満に維持されて、安全性が確保されている。
また、運転制御装置60は、パージ処理の実行時間を、遮断弁間空間10Bに滞留する空気を略完全に除去可能な時間として適切な設定パージ時間に設定する。この適切な設定パージ時間は、例えば各弁の開度、各流路の断面積や流路長、水素ガスG1の供給圧力等をパラメータとして実験やシミュレーション等により適宜求めることができる。また、遮断弁間空間10Bの酸素濃度を計測する酸素濃度センサを設け、酸素濃度センサで計測された酸素濃度が0又は一定値以下となるまでの間、パージ処理を実行するように構成しても構わない。
本実施形態の燃料電池システム50では、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bの配置位置が、分岐路20への分岐部と近接して配置されている。即ち、遮断弁間空間10Bにおいて分岐路20への分岐部から下流側遮断弁11Bに至る空間ができるだけ小さくなるように、下流側遮断弁11Bが配置されている。このことで、パージ処理において、上流側遮断弁11A側から分岐路20に流入する形態でパージガスPGとしての水素ガスG1が遮断弁間空間10Bを通流する際に、下流側遮断弁11B近傍に空気が残留することが抑制されている。
(移行状態)
運転制御装置60は、パージ処理を終了時における燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始時には、下流側遮断弁11Bの開弁後にブリード弁21を閉弁させる。そして、図1(c)は、このときの燃料ガス供給路10の状態である移行状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時において上記パージ処理が終了される際に、燃料ガス供給路10の状態は、上記パージ状態からこの移行状態に遷移する。
パージ状態から移行状態に遷移するにあたっては、上流側遮断弁11A及びブリード弁21が開弁状態に維持されたままで、下流側遮断弁11Bが開弁される。すると、上流側遮断弁11Aを介して遮断弁間空間10Bに供給された水素ガスG1は、下流側遮断弁11Bの開弁直後において、ブリード弁21及び下流側遮断弁11Bの両方を通過することになる。このことで、遮断弁間空間10Bにおいて特にブリード弁21近傍や下流側遮断弁11B近傍に滞留する空気を、遮断弁間空間10Bから押し出した状態で、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が開始されることになる。また、後の供給継続状態においてブリード弁21を閉弁する際に、下流側遮断弁11Bが開弁状態であることから、ブリード弁21の閉弁時における燃料ガス供給路10の過剰な圧力上昇が抑制される。
(供給継続状態)
図1(d)は、燃料電池システム50の運転を行っている通常運転時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を継続している供給継続状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、燃料ガス供給路10の状態は、上記移行状態からこの供給継続状態に遷移する。
移行状態から供給継続状態に遷移するにあたっては、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bが開弁状態に維持されたままで、ブリード弁21が閉弁される。すると、ブリード弁21を介した大気への水素ガスG1の放出が停止される。その状態で、水素ボンベ1から供給された水素ガスG1が、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bを介して燃料電池装置40に供給されて、当該燃料電池装置40において所望の発電が行われることになる。そして、この供給継続状態への遷移時に、事前にパージ処理が実行されているので、燃料ガス供給路10は空気が存在せずに水素ガスG1で満たされた状態となっている。よって、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下が好適に防止されることになる。
尚、本実施形態では、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始時のパージ処理を終了時に、下流側遮断弁11Bの開弁後にブリード弁21を閉弁させて、燃料ガス供給路10の状態をパージ状態(図1(b)を参照)から移行状態(図1(c)を参照)を経て供給継続状態(図1(d)を参照)に遷移させた。しかし、これら下流側遮断弁11B及びブリード弁21等の開閉タイミングについては適宜変更することができる。例えば、下流側遮断弁11Bの開弁と同時又はその直前にブリード弁21を閉弁させることで、燃料ガス供給路10の状態をパージ状態(図1(b)を参照)から直接供給継続状態(図1(d)を参照)に遷移させるように構成しても構わない。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態について、図2及び図3等に基づいて説明する。
尚、上述の実施形態と同様の構成については、詳細な説明を割愛する場合がある。
図2及び図3に示す燃料電池システム50は、上述の実施形態と同様に、燃料電池装置40と燃料ガス供給路10と運転制御装置60等とを備え、燃料ガス供給路10から燃料電池スタック41のアノード41Aに水素ガスG1が供給される。
また、本実施形態の燃料電池システム50は、上述の実施形態と同様に、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及びブリード弁21で構成されたDBB(ダブルブロックアンドブリード)が採用されている。
更に、燃料ガス供給路10には、下流側遮断弁11Bよりも下流側に下流側開閉弁13が設けられている。また、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bと下流側開閉弁13との間に形成される下流側弁間空間10C1に接続されて当該空間10Cを外部に開放可能な下流側逃し弁23が設けられている。即ち、下流側逃し弁23は、燃料ガス供給路10の下流側弁間空間10C1から分岐して大気に通じる分岐路22に設けられた開閉弁として構成されている。
そして、運転制御装置60は、図3(e)に示すように、遮断弁11A,11Bを開弁させて燃料電池装置40へ水素ガスG1を供給して当該燃料電池装置40での発電を行う通常運転時には、下流側開閉弁13を開弁させると共に、ブリード弁21及び下流側逃し弁23を閉弁させた状態とする。一方、運転制御装置60は、図2(a)に示すように、遮断弁11A,11Bを閉弁させて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止して当該燃料電池装置40での発電を停止する運転停止時には、ブリード弁21を開弁させると共に、下流側開閉弁13を閉弁させ、下流側逃し弁23を閉弁させた状態とする。このとき、遮断弁11Bが故障して遮断弁間空間10Bの空気が遮断弁11Bの下流側に漏れた場合でも、下流側開閉弁13が閉状態であれば、燃料電池装置40への空気流入が防止される。また、ブリード弁23が故障して、下流側弁間空間10C1に大気側から空気が流入した場合でも、下流側開閉弁13が閉状態であれば、燃料電池装置40への空気流入が防止される。尚、運転停止時において下流側開閉弁13は開弁させても構わない。
即ち、運転停止時には、遮断弁間空間10Bが大気に開放された状態で上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとが閉弁されて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止される。このことで、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bのうちの何れかに遮断不良が生じた場合であっても、燃料ガス供給路10における水素ボンベ1側と燃料電池装置40側とが大気に開放された遮断弁間空間10Bで隔離されることになる。よって、これら遮断弁11A,11Bの遮断不良に起因する水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止される。更に、運転停止時に遮断弁間空間10Bに流出した水素ガスG1については、開弁状態であるブリード弁21を介して大気へ放出されるので、安全性が保持される。
更に、本実施形態の燃料電池システム50では、運転停止状態から通常運転に移行する起動時において、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下を防止する。そのために、詳細については後述するが、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に遮断弁間空間10Bに対して空気(酸素)を略含まないパージガスPGを供給して当該遮断弁間空間10Bをパージするパージ処理としての第1パージ処理及び第2パージ処理が、運転制御装置60により実行される。即ち、このようなパージ処理が、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に実行されると、遮断弁間空間10Bに侵入した空気が適切に燃料ガス供給路10から除去された上で、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が開始される。このことで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
本実施形態における上記パージ処理の詳細構成について、本実施形態の燃料電池システム50の運転を開始する起動時における燃料ガス供給路10における状態変化の詳細と共に、以下に説明を加える。
尚、本実施形態の燃料電池システム50では、起動時に、運転制御装置60により行われる弁制御により、燃料ガス供給路10の状態が、供給停止状態(図2(a)を参照)、第1パージ状態(図2(b)を参照)、第2パージ状態(図2(c)を参照)、移行状態(図3(d)を参照)、供給継続状態(図3(e)を参照)の順に変化する。以下では、夫々の状態について詳細を説明する。
(供給停止状態)
図2(a)は、燃料電池システム50の運転を停止している運転停止時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止している供給停止状態を示す。
この供給停止状態では、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bが閉弁され、ブリード弁21が開弁される。更に、この供給停止状態では、下流側開閉弁13は閉弁され、下流側逃し弁23は閉弁される。
すると、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aよりも上流側に形成されて水素ボンベ1に通じる上流側空間10Aについては、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。また、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bよりも下流側に形成されて燃料電池装置40に通じる下流側空間10C1,10C2についても、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。一方、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとの間に形成される遮断弁間空間10Bについては、開弁状態のブリード弁21を通じて大気に開放された状態となるため、大気から侵入した空気が存在する状態となる。
そして、このように燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止されることで、上述したように、水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止され、安全性が保持される。
(第1パージ状態)
運転制御装置60は、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始する前にパージ処理として第1パージ処理と第2パージ処理とを順に実行する。そして、図2(b)は、第1パージ処理が実行された際に燃料ガス供給路10の状態である第1パージ状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、第1パージ処理が実行されることで、燃料ガス供給路10の状態は上記供給停止状態からこの第1パージ状態に遷移する。
供給停止状態から第1パージ状態に遷移するにあたっては、下流側遮断弁11B及び下流側逃し弁23が閉弁状態に維持され、且つ、ブリード弁21及び下流側開閉弁13が開弁状態に維持されたままで、上流側遮断弁11A及び下流側開閉弁13が開弁される。すると、水素ボンベ1から供給された水素ガスG1が、開弁された上流側遮断弁11Aを介して遮断弁間空間10BにパージガスPGとして供給される。同時に、当該遮断弁間空間10Bに供給された水素ガスG1が、開弁状態に維持されたブリード弁21を介して分岐路20を通じて外部に放出される。そして、このような形態で、遮断弁間空間10Bが水素ガスG1によりパージされることになる。即ち、本実施形態では、遮断弁間空間10Bに供給するパージガスPGとして水素ガスG1が利用され、この水素ガスG1により遮断弁間空間10B等がパージされる。
このような第1パージ処理が実行されると、上記供給停止状態において大気からブリード弁21を介して遮断弁間空間10Bに侵入した空気は、分岐路20のブリード弁21を介して大気に放出されて、遮断弁間空間10Bから除去されることになる。
また、運転制御装置60は、第1パージ処理の実行時間を、遮断弁間空間10Bに滞留する空気を略完全に除去可能な時間として適切な設定第1パージ時間に設定する。この適切な設定第1パージ時間は、例えば各弁の開度、各流路の断面積や流路長、水素ガスG1の供給圧力等をパラメータとして実験やシミュレーション等により適宜求めることができる。また、遮断弁間空間10Bの酸素濃度を計測する酸素濃度センサを設け、酸素濃度センサで計測された酸素濃度が0又は一定値以下となるまでの間、パージ処理を実行するように構成しても構わない。
(第2パージ状態)
図2(c)は、第2パージ処理が実行された際に燃料ガス供給路10の状態であるパージ状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、第2パージ処理が実行されることで、燃料ガス供給路10の状態は上記第1パージ状態からこの第2パージ状態に遷移する。
第1パージ状態から第2パージ状態に遷移するにあたっては、下流側逃し弁23が閉弁状態に維持され、且つ、上流側遮断弁11A及びブリード弁21が開弁状態に維持されたままで、下流側開閉弁13が閉弁され、下流側逃し弁23が開弁された上で、下流側遮断弁11Bが開弁される。すると、開弁された下流側遮断弁11Bを介して遮断弁間空間10Bから下流側弁間空間10C1に、パージガスPGとしての水素ガスG1が供給される。同時に、当該下流側弁間空間10C1に供給された水素ガスG1が、開弁状態に維持された下流側逃し弁23を介して分岐路22を通じて外部に放出される。このような形態で、遮断弁間空間10B並びに下流側弁間空間10C1が水素ガスG1によりパージされることになる。
そして、このような第2パージ処理が実行されると、上記第1パージ処理の実行後においても遮断弁間空間10Bにおける下流側遮断弁11B近傍に滞留する空気は、下流側弁間空間10C1及び分岐路22の下流側逃し弁23を介して大気に放出されて、燃料ガス供給路10から除去されることになる。そして、この状態に続いて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始することで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
また、運転制御装置60は、第2パージ処理の実行時間を、下流側弁間空間10C1に滞留する空気を略完全に除去可能な時間として適切な設定第2パージ時間に設定する。この適切な設定第2パージ時間は、例えば各弁の開度、各流路の断面積や流路長、水素ガスG1の供給圧力等をパラメータとして実験やシミュレーション等により適宜求めることができる。また、下流側弁間空間10C1の酸素濃度を計測する酸素濃度センサを設け、酸素濃度センサで計測された酸素濃度が0又は一定値以下となるまでの間、パージ処理を実行するように構成しても構わない。
(移行状態)
運転制御装置60は、第2パージ処理を終了時における燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始時には、下流側開閉弁13の開弁後に下流側逃し弁23を閉弁させる。そして、図3(d)は、このときの燃料ガス供給路10の状態である移行状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時において上記パージ処理が終了される際に、燃料ガス供給路10の状態は、上記第2パージ状態からこの移行状態に遷移する。
第2パージ状態から移行状態に遷移するにあたっては、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び下流側逃し弁23が開弁状態に維持されたままで、下流側開閉弁13が開弁されると共に、ブリード弁21が閉弁される。すると、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bを介して下流側弁間空間10C1に供給された水素ガスG1は、下流側遮断弁11Bの開弁直後において、下流側逃し弁23及び下流側開閉弁13の両方を通過することになる。このことで、下流側弁間空間10C1において特に下流側逃し弁23近傍や下流側開閉弁13近傍に滞留する空気を、下流側弁間空間10C1から押し出した状態で、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が開始されることになる。また、後の供給継続状態において下流側逃し弁23を閉弁する際に、下流側開閉弁13が開弁状態であることから、下流側逃し弁23の閉弁時における燃料ガス供給路10の過剰な圧力上昇が抑制される。
(供給継続状態)
図3(e)は、燃料電池システム50の運転を行っている通常運転時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を継続している供給継続状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、燃料ガス供給路10の状態は、上記移行状態からこの供給継続状態に遷移する。
移行状態から供給継続状態に遷移するにあたっては、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び下流側開閉弁13が開弁状態に維持されたままで、下流側逃し弁23が閉弁される。すると、下流側逃し弁23を介した大気への水素ガスG1の放出が停止される。その状態で、水素ボンベ1から供給された水素ガスG1が、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び下流側開閉弁13を介して燃料電池装置40に供給されて、当該燃料電池装置40において所望の発電が行われることになる。そして、この供給継続状態への遷移時に、事前に第1パージ処理及び第2パージ処理が実行されているので、燃料ガス供給路10は空気が存在せずに水素ガスG1で満たされた状態となっている。よって、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下が好適に防止されることになる。
尚、本実施形態では、第2燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始時のパージ処理を終了時に、下流側開閉弁13の開弁後に下流側逃し弁23を閉弁させて、燃料ガス供給路10の状態を第2パージ状態(図2(c)を参照)から移行状態(図3(d)を参照)を経て供給継続状態(図3(e)を参照)に遷移させた。しかし、これら下流側開閉弁13及び下流側逃し弁23等の開閉タイミングについては適宜変更することができる。例えば、下流側開閉弁13の開弁と同時又はその直前に下流側逃し弁23を閉弁させることで、燃料ガス供給路10の状態を第2パージ状態(図2(c)を参照)から直接供給継続状態(図3(e)を参照)に遷移させるように構成しても構わない。
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態について、図4等に基づいて説明する。
尚、上述の実施形態と同様の構成については、詳細な説明を割愛する場合がある。
図4に示す燃料電池システム50は、上述の実施形態と同様に、燃料電池装置40と燃料ガス供給路10と運転制御装置60等とを備え、燃料ガス供給路10から燃料電池スタック41のアノード41Aに水素ガスG1が供給される。
また、本実施形態の燃料電池システム50は、上述の実施形態と同様に、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及びブリード弁21で構成されたDBB(ダブルブロックアンドブリード)が採用されている。
更に、燃料ガス供給路10には、下流側遮断弁11Bよりも下流側に下流側開閉弁13が設けられている。
燃料ガス供給路10に接続されて当該燃料ガス供給路10に窒素ガスNG(不活性ガスの一例)を供給可能な窒素ガス供給路31(不活性ガス供給路の一例)が設けられている。当該窒素ガス供給路31は、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bよりも下流側に形成される下流側空間、具体的には燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bと下流側開閉弁13との間に形成される下流側弁間空間10C1に接続されている。即ち、この窒素ガス供給路31は、窒素ガスNGを貯留する窒素ガスボンベ30と、燃料ガス供給路10における下流側弁間空間10C1とを接続する管路として構成されている。尚、本実施形態では、不活性ガスとして窒素ガスNGを利用するが、別の不活性ガスを利用しても構わない。
窒素ガス供給路31には、窒素ガス供給弁32(不活性ガス供給弁の一例)が設けられている。運転制御装置60は、この窒素ガス供給弁32の開閉作動を制御することにより、窒素ガス供給路31から燃料ガス供給路10の下流側弁間空間10C1への窒素ガスNGの供給を断続させることができる。
そして、運転制御装置60は、図4(c)に示すように、遮断弁11A,11Bを開弁させて燃料電池装置40へ水素ガスG1を供給して当該燃料電池装置40での発電を行う通常運転時には、下流側開閉弁13を開弁させると共に、ブリード弁21及び窒素ガス供給弁32を閉弁させた状態とする。一方、運転制御装置60は、図4(a)に示すように、遮断弁11A,11Bを閉弁させて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止して当該燃料電池装置40での発電を停止する運転停止時には、ブリード弁21を開弁させると共に、下流側開閉弁13を開弁させ、窒素ガス供給弁32を閉弁させた状態とする。
即ち、運転停止時には、遮断弁間空間10Bが大気に開放された状態で上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとが閉弁されて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止される。このことで、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bのうちの何れかに遮断不良が生じた場合であっても、燃料ガス供給路10における水素ボンベ1側と燃料電池装置40側とが大気に開放された遮断弁間空間10Bで隔離されることになる。よって、これら遮断弁11A,11Bの遮断不良に起因する水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止される。更に、運転停止時に遮断弁間空間10Bに流出した水素ガスG1については、開弁状態であるブリード弁21を介して大気へ放出されるので、安全性が保持される。
更に、本実施形態の燃料電池システム50では、運転停止状態から通常運転に移行する起動時において、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下を防止する。そのために、詳細については後述するが、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に遮断弁間空間10Bに対して空気(酸素)を略含まないパージガスPGを供給して当該遮断弁間空間10Bをパージするパージ処理が、運転制御装置60により実行される。即ち、このようなパージ処理が、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に実行されると、遮断弁間空間10Bに侵入した空気が適切に燃料ガス供給路10から除去された上で、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が開始される。このことで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
本実施形態における上記パージ処理の詳細構成について、本実施形態の燃料電池システム50の運転を開始する起動時における燃料ガス供給路10における状態変化の詳細と共に、以下に説明を加える。
尚、本実施形態の燃料電池システム50では、起動時に、運転制御装置60により行われる弁制御により、燃料ガス供給路10の状態が、供給停止状態(図4(a)を参照)、パージ状態(図4(b)を参照)、供給継続状態(図4(c)を参照)の順に変化する。以下では、夫々の状態について詳細を説明する。
(供給停止状態)
図4(a)は、燃料電池システム50の運転を停止している運転停止時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止している供給停止状態を示す。
この供給停止状態では、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bが閉弁され、ブリード弁21が開弁される。更に、この供給停止状態では、下流側開閉弁13は開弁され、窒素ガス供給弁32は閉弁される。
すると、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aよりも上流側に形成されて水素ボンベ1に通じる上流側空間10Aについては、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。また、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bよりも下流側に形成されて燃料電池装置40に通じる下流側空間10C1,10C2についても、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。一方、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとの間に形成される遮断弁間空間10Bについては、開弁状態のブリード弁21を通じて大気に開放された状態となるため、大気から侵入した空気が存在する状態となる。
そして、このように燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止されることで、上述したように、水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止され、安全性が保持される。
(パージ状態)
運転制御装置60は、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始する前にパージ処理を実行する。そして、図4(b)は、パージ処理が実行された際に燃料ガス供給路10の状態であるパージ状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、パージ処理が実行されることで、燃料ガス供給路10の状態は上記供給停止状態からこのパージ状態に遷移する。
供給停止状態からパージ状態に遷移するにあたっては、上流側遮断弁11Aが閉弁状態に維持され、且つ、ブリード弁21が開弁状態に維持されたままで、下流側開閉弁13が閉弁され、且つ、下流側遮断弁11B及び窒素ガス供給弁32が開弁される。すると、窒素ガスボンベ30から供給された窒素ガスNGが、開弁された窒素ガス供給弁32を介して下流側弁間空間10C1にパージガスPGとして供給され、その窒素ガスNGが、開弁された下流側遮断弁11Bを介して遮断弁間空間10BにパージガスPGとして供給される。同時に、当該遮断弁間空間10Bに供給された窒素ガスNGが、開弁状態に維持されたブリード弁21を介して分岐路20を通じて外部に放出される。そして、このような形態で、遮断弁間空間10Bが窒素ガスNGによりパージされることになる。即ち、本実施形態では、遮断弁間空間10Bに供給するパージガスPGとして窒素ガスNGが利用され、この窒素ガスNGにより遮断弁間空間10B等がパージされる。
このようなパージ処理が実行されると、上記供給停止状態において大気からブリード弁21を介して遮断弁間空間10Bに侵入した空気は、分岐路20のブリード弁21を介して大気に放出されて、遮断弁間空間10Bから除去されることになる。そして、この状態に続いて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始することで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
(供給継続状態)
図4(c)は、燃料電池システム50の運転を行っている通常運転時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を継続している供給継続状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、燃料ガス供給路10の状態は、上記パージ状態からこの供給継続状態に遷移する。
パージ状態から供給継続状態に遷移するにあたっては、下流側遮断弁11Bが開弁状態に維持されたままで、窒素ガス供給弁32及びブリード弁21が閉弁され、且つ、上流側遮断弁11A及び下流側開閉弁13が開弁される。すると、燃料ガス供給路10への窒素ガスNGの供給とブリード弁21を介した大気への窒素ガスNGの放出とが停止される。その状態で、水素ボンベ1から供給された水素ガスG1が、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び下流側開閉弁13を介して燃料電池装置40に供給されて、当該燃料電池装置40において所望の発電が行われることになる。そして、この供給継続状態への遷移時に、事前にパージ処理が実行されているので、燃料ガス供給路10は空気が存在せずに水素ガスG1又は窒素ガスNGで満たされた状態となっている。よって、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下が好適に防止されることになる。
尚、本実施形態では、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始時のパージ処理を終了時に、窒素ガス供給弁32及びブリード弁21の閉弁と同時に、上流側遮断弁11A及び下流側開閉弁13を開弁させるが、各弁の開閉タイミングについては適宜変更することができる。例えば、下流側開閉弁13を開弁させた後に、窒素ガス供給弁32及びブリード弁21の閉弁と上流側遮断弁11Aの開弁を行うこともできる。
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態について、図5等に基づいて説明する。
尚、上述の実施形態と同様の構成については、詳細な説明を割愛する場合がある。
図5に示す燃料電池システム50は、上述の実施形態と同様に、燃料電池装置40と燃料ガス供給路10と運転制御装置60等とを備え、燃料ガス供給路10から燃料電池スタック41のアノード41Aに水素ガスG1が供給される。
また、本実施形態の燃料電池システム50は、上述の実施形態と同様に、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及びブリード弁21で構成されたDBB(ダブルブロックアンドブリード)が採用されている。
更に、燃料ガス供給路10には、下流側遮断弁11Bよりも下流側に下流側開閉弁13が設けられている。
燃料ガス供給路10に接続されて当該燃料ガス供給路10に窒素ガスNG(不活性ガスの一例)を供給可能な窒素ガス供給路31(不活性ガス供給路の一例)が設けられている。当該窒素ガス供給路31は、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bよりも下流側に形成される下流側空間、具体的には燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bと下流側開閉弁13との間に形成される下流側弁間空間10C1に接続されている。即ち、この窒素ガス供給路31は、窒素ガスNGを貯留する窒素ガスボンベ30と、燃料ガス供給路10における下流側弁間空間10C1とを接続する管路として構成されている。
窒素ガス供給路31には、窒素ガス供給弁32(不活性ガス供給弁の一例)が設けられている。運転制御装置60は、この窒素ガス供給弁32の開閉作動を制御することにより、窒素ガス供給路31から燃料ガス供給路10の下流側弁間空間10C1への窒素ガスNGの供給を断続させることができる。
そして、運転制御装置60は、図5(c)に示すように、遮断弁11A,11Bを開弁させて燃料電池装置40へ水素ガスG1を供給して当該燃料電池装置40での発電を行う通常運転時には、下流側開閉弁13を開弁させると共に、ブリード弁21及び窒素ガス供給弁32を閉弁させた状態とする。一方、運転制御装置60は、図5(a)に示すように、遮断弁11A,11Bを閉弁させて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止して当該燃料電池装置40での発電を停止する運転停止時には、ブリード弁21を開弁させると共に、下流側開閉弁13を開弁させ、窒素ガス供給弁32を閉弁させた状態とする。
即ち、運転停止時には、遮断弁間空間10Bが大気に開放された状態で上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとが閉弁されて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止される。このことで、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bのうちの何れかに遮断不良が生じた場合であっても、燃料ガス供給路10における水素ボンベ1側と燃料電池装置40側とが大気に開放された遮断弁間空間10Bで隔離されることになる。よって、これら遮断弁11A,11Bの遮断不良に起因する水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止される。更に、運転停止時に遮断弁間空間10Bに流出した水素ガスG1については、開弁状態であるブリード弁21を介して大気へ放出されるので、安全性が保持される。
更に、本実施形態の燃料電池システム50では、運転停止状態から通常運転に移行する起動時において、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下を防止する。そのために、詳細については後述するが、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に遮断弁間空間10Bに対して空気(酸素)を略含まないパージガスPGを供給して当該遮断弁間空間10Bをパージするパージ処理が、運転制御装置60により実行される。即ち、このようなパージ処理が、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始前に実行されると、遮断弁間空間10Bに侵入した空気が適切に燃料ガス供給路10から除去された上で、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が開始される。このことで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
本実施形態における上記パージ処理の詳細構成について、本実施形態の燃料電池システム50の運転を開始する起動時における燃料ガス供給路10における状態変化の詳細と共に、以下に説明を加える。
尚、本実施形態の燃料電池システム50では、起動時に、運転制御装置60により行われる弁制御により、燃料ガス供給路10の状態が、供給停止状態(図5(a)を参照)、パージ状態(図5(b)を参照)、供給継続状態(図5(c)を参照)の順に変化する。以下では、夫々の状態について詳細を説明する。
(供給停止状態)
図5(a)は、燃料電池システム50の運転を停止している運転停止時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を停止している供給停止状態を示す。
この供給停止状態では、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bが閉弁され、ブリード弁21が開弁される。更に、この供給停止状態では、下流側開閉弁13は開弁され、窒素ガス供給弁32は閉弁される。
すると、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aよりも上流側に形成されて水素ボンベ1に通じる上流側空間10Aについては、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。また、燃料ガス供給路10における下流側遮断弁11Bよりも下流側に形成されて燃料電池装置40に通じる下流側空間10C1,10C2についても、供給停止状態となる前の供給継続状態において通流していた水素ガスG1が満たされた状態となる。一方、燃料ガス供給路10における上流側遮断弁11Aと下流側遮断弁11Bとの間に形成される遮断弁間空間10Bについては、開弁状態のブリード弁21を通じて大気に開放された状態となるため、大気から侵入した空気が存在する状態となる。
そして、このように燃料電池装置40への水素ガスG1の供給が停止されることで、上述したように、水素ボンベ1から燃料電池装置40への水素ガスG1の漏洩が確実に防止され、安全性が保持される。
(パージ状態)
運転制御装置60は、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始する前にパージ処理を実行する。そして、図5(b)は、パージ処理が実行された際に燃料ガス供給路10の状態であるパージ状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、パージ処理が実行されることで、燃料ガス供給路10の状態は上記供給停止状態からこのパージ状態に遷移する。
供給停止状態からパージ状態に遷移するにあたっては、ブリード弁21が開弁状態に維持されたままで、下流側開閉弁13が閉弁され、且つ、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び窒素ガス供給弁32が開弁される。すると、水素ボンベ1から供給された水素ガスG1が、開弁された上流側遮断弁11Aを介して遮断弁間空間10BにパージガスPGとして供給される。更に、窒素ガスボンベ30から供給された窒素ガスNGが、開弁された窒素ガス供給弁32を介して下流側弁間空間10C1にパージガスPGとして供給され、その窒素ガスNGが、開弁された下流側遮断弁11Bを介して遮断弁間空間10BにパージガスPGとして供給される。同時に、当該遮断弁間空間10Bに供給された水素ガスG1及び窒素ガスNGが、開弁状態に維持されたブリード弁21を介して分岐路20を通じて外部に放出される。そして、このような形態で、遮断弁間空間10Bが水素ガスG1及び窒素ガスNGによりパージされることになる。即ち、本実施形態では、遮断弁間空間10Bに供給するパージガスPGとして水素ガスG1及び窒素ガスNGが利用され、この水素ガスG1及び窒素ガスNGにより遮断弁間空間10B等がパージされる。
このようなパージ処理が実行されると、上記供給停止状態において大気からブリード弁21を介して遮断弁間空間10Bに侵入した空気は、分岐路20のブリード弁21を介して大気に放出されて、遮断弁間空間10Bから除去されることになる。そして、この状態に続いて燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を開始することで、燃料電池スタック41のアノード41Aへの空気の供給に起因する性能低下が防止される。
尚、本実施形態では、パージ処理において、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び窒素ガス供給弁32を同時に開弁させて、遮断弁間空間10BへのパージガスPGとしての水素ガスG1及び窒素ガスNGの供給を同時に行うように構成した。しかし、上流側遮断弁11Aの開弁タイミングと、下流側遮断弁11B及び窒素ガス供給弁32の開弁タイミングとを、異なるタイミングに設定しても構わない。例えば、上流側遮断弁11Aの開弁タイミングを、下流側遮断弁11B及び窒素ガス供給弁32の開弁タイミングよりも早くすることで、遮断弁間空間10Bに水素ガスG1をパージガスPGとして供給した後に、その遮断弁間空間10Bに窒素ガスNGをパージガスPGとして供給することができる。逆に、下流側遮断弁11B及び窒素ガス供給弁32の開弁タイミングを、上流側遮断弁11Aの開弁タイミングよりも早くすることで、遮断弁間空間10Bに窒素ガスNGをパージガスPGとして供給した後に、その遮断弁間空間10Bに水素ガスG1をパージガスPGとして供給することができる。また、遮断弁間空間10Bに対するパージガスPGとしての水素ガスG1の供給と、遮断弁間空間10Bに対するパージガスPGとしての窒素ガスNGの供給とについて、一方を終了させた後に他方を開始するように、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び窒素ガス供給弁32の開閉タイミングを設定しても構わない。
(供給継続状態)
図5(c)は、燃料電池システム50の運転を行っている通常運転時に、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給を継続している供給継続状態を示す。即ち、燃料電池システム50の起動時に、燃料ガス供給路10の状態は、上記パージ状態からこの供給継続状態に遷移する。
パージ状態から供給継続状態に遷移するにあたっては、上流側遮断弁11A及び下流側遮断弁11Bが開弁状態に維持されたままで、窒素ガス供給弁32及びブリード弁21が閉弁され、且つ、下流側開閉弁13が開弁される。すると、燃料ガス供給路10への窒素ガスNGの供給とブリード弁21を介した大気への水素ガスG1及び窒素ガスNGの放出とが停止される。その状態で、水素ボンベ1から供給された水素ガスG1が、上流側遮断弁11A、下流側遮断弁11B、及び下流側開閉弁13を介して燃料電池装置40に供給されて、当該燃料電池装置40において所望の発電が行われることになる。そして、この供給継続状態への遷移時に、事前にパージ処理が実行されているので、燃料ガス供給路10は空気が存在せずに水素ガスG1又は窒素ガスNGで満たされた状態となっている。よって、燃料電池装置40への空気の供給に起因する性能低下が好適に防止されることになる。
尚、本実施形態では、燃料電池装置40への水素ガスG1の供給開始時のパージ処理を終了時に、窒素ガス供給弁32及びブリード弁21の閉弁と同時に、下流側開閉弁13を開弁させるが、各弁の開閉タイミングについては適宜変更することができる。例えば、下流側開閉弁13を開弁させた後に、窒素ガス供給弁32及びブリード弁21の閉弁を行うこともできる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、燃料電池装置40を、燃料ガス供給路10からアノード41Aに水素ガスG1が供給される燃料電池スタック41を備えたものとして構成した。しかし、図6に示すように、燃料電池装置40を、メタンガスやプロパンガスなどの炭化水素ガスG2を改質して水素ガスG1を含む水素含有ガスを生成する改質器42と、当該生成された水素ガスG1の電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック41とを備えて構成しても構わない。この場合、燃料ガス供給路10には、炭化水素ガスG2が通流することになり、その炭化水素ガスG2が、燃料ガスとして、燃料ガス供給路10から改質器42に供給され、当該改質器42の改質により水素ガスG1を含む水素含有ガスとなる。そして、このような燃料電池装置40への炭化水素ガスG2の供給開始前において、燃料ガス供給路10においてパージ処理を実行することができる。この場合、パージ処理において炭化水素ガスG2をパージガスPGとして利用することができる。
(2)上記実施形態では、燃料電池システム50を燃料電池船100の動力源として搭載した例を説明したが、本発明はそのような構成に限定されるものではなく、他の輸送機械又はエネルギー機器に搭載された燃料電池システムにおいて本発明を適用することもできる。
1 水素ボンベ(燃料ガス貯留部)
10 燃料ガス供給路
10B 遮断弁間空間
10C 下流側空間
10C1 下流側弁間空間(下流側空間)
11A 上流側遮断弁
11B 下流側遮断弁
13 下流側開閉弁
21 ブリード弁
23 下流側逃し弁
25 流量調整弁(流量調整手段)
31 窒素ガス供給路(不活性ガス供給路)
32 窒素ガス供給弁(不活性ガス供給弁)
40 燃料電池装置
41 燃料電池スタック
50 燃料電池システム
55 電動モータ(船内の電力負荷)
60 運転制御装置(弁制御手段)
100 燃料電池船
G1 水素ガス(燃料ガス)
G2 炭化水素ガス(燃料ガス)
NG 窒素ガス(不活性ガス)
PG パージガス

Claims (12)

  1. 燃料ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックを有する燃料電池装置と、
    前記燃料電池装置に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、
    前記燃料ガス供給路に設けられて当該供給路を遮断可能な遮断弁と、
    前記遮断弁を閉弁させて前記燃料電池装置への燃料ガスの供給を停止し、前記遮断弁を開弁させて前記燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始する形態で前記遮断弁の作動を制御する弁制御手段と、を備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料ガス供給路に直列状態で設けられて当該供給路を遮断可能な上流側遮断弁及び下流側遮断弁を、前記遮断弁として備え、
    前記燃料ガス供給路における前記上流側遮断弁と前記下流側遮断弁との間に形成される遮断弁間空間に接続されて当該空間を外部に開放可能なブリード弁を備え、
    前記弁制御手段が、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給時に前記ブリード弁を閉弁させ、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給停止時に前記ブリード弁を開弁させる形態で前記ブリード弁の作動を制御すると共に、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給開始前に前記遮断弁間空間に対して燃料ガス及び不活性ガスの少なくとも一方であるパージガスを供給して当該遮断弁間空間をパージするパージ処理を実行する燃料電池システム。
  2. 前記弁制御手段は、前記パージ処理を所定の設定パージ時間実行した後に前記燃料電池装置への燃料ガスの供給を開始する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記ブリード弁を開弁状態に維持して、前記遮断弁間空間に供給された前記パージガスを前記ブリード弁を介して外部に放出する請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記弁制御手段が、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給開始時に、前記下流側遮断弁の開弁後に前記ブリード弁を閉弁させる請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記上流側遮断弁を開弁させて当該上流側遮断弁を介して前記遮断弁間空間に前記パージガスとして燃料ガスを供給する請求項1~4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料ガス供給路での燃料ガスの流量を調整可能な流量調整手段を備え、
    前記弁制御手段が、前記流量調整手段を制御して、前記パージ処理時における前記燃料ガス供給路での燃料ガスの流量を、前記燃料電池装置の通常運転時における前記燃料ガス供給路での燃料ガスの流量よりも小さく設定する請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料ガス供給路における前記下流側遮断弁よりも下流側に設けられた下流側開閉弁と、
    前記燃料ガス供給路における前記下流側遮断弁と前記下流側開閉弁との間に形成される下流側弁間空間に接続されて当該空間を外部に開放可能な下流側逃し弁と、を備え、
    前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記下流側開閉弁を閉弁すると共に前記下流側遮断弁及び前記下流側逃し弁を開弁させて、前記遮断弁間空間に供給された燃料ガスを前記下流側遮断弁を介して前記下流側弁間空間に供給すると共に、前記下流側弁間空間に供給された燃料ガスを前記下流側逃し弁を介して外部に放出する請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記弁制御手段が、前記燃料電池装置への燃料ガスの供給開始時に、前記下流側開閉弁の開弁後に前記下流側逃し弁を閉弁させる請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料ガス供給路に接続されて当該燃料ガス供給路に不活性ガスを供給可能な不活性ガス供給路と、
    前記不活性ガス供給路に設けられた不活性ガス供給弁と、を備え、
    前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記不活性ガス供給弁を開弁させて前記不活性ガス供給路から前記遮断弁間空間に前記パージガスとして不活性ガスを供給する請求項1~8の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記不活性ガス供給路が、前記燃料ガス供給路における前記下流側遮断弁の下流側に形成される下流側空間に接続されており、
    前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記不活性ガス供給弁及び前記下流側遮断弁を開弁させて前記不活性ガス供給路から前記下流側空間を介して前記遮断弁間空間に不活性ガスを供給する請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記弁制御手段が、前記パージ処理において、前記上流側遮断弁を開弁させて当該上流側遮断弁を介して前記遮断弁間空間に前記パージガスとして燃料ガスを供給する請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 請求項1~11の何れか1項に記載の燃料電池システムと、
    前記燃料電池システムに供給される燃料ガスを貯留する燃料ガス貯留部と、を備え、
    前記燃料電池システムの発電電力を船内の電力負荷に供給する燃料電池船。
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