JP7046146B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板のレイアウト性の自由度を損なわず、完成品の確実な目視確認が行えるとともに、装置全体の小型化を図ることのできる電力変換装置を提供する。【解決手段】第1コネクタ5cはパワー系主回路部5を構成する第1基板5aの端部から設定された第1距離H1以上離れた位置に配置されるとともに、第2コネクタ6bは制御回路部6を構成する第2基板6aの端部から設定された第2距離H2以上離れた位置に配置され、配線部材7が第2基板6aに設けられた第1開口部6cを貫通した状態で第1コネクタ5cと第2コネクタ6bを接続する。【選択図】図1

Description

本願は、電力変換装置に関するものである。
例えば電気自動車又はハイブリッド自動車等のように、モータを駆動源の一つとする車両においては、電力変換装置が搭載されている。そして電力変換装置としては、商用の交流電源から直流電源に変換して高圧バッテリに充電する充電器、高圧バッテリの直流電源から補機用のバッテリの電圧(例えば12V等)に変換するDC/DCコンバータ、バッテリからの直流電力をモータへの交流電力に変換するインバータ等がある。これらの電力変換装置の内部構成においては、一般的にチョッパ回路又はブリッジ回路などの高周波ノイズの発生が大きいスイッチング回路が用いられている。そしてサージ電圧を含めた伝導ノイズ、輻射ノイズが増大、更には高周波化することから、ノイズがその周辺回路又は制御回路に重畳し、回路の安定的動作を損なうといった問題が発生する。このノイズ対策のため、様々なフィルタ回路又はシールド構造が用いられている。
一方近年電動車両における電力変換装置の実装スペースを縮小化するために、電動車両に搭載される各種電力変換装置の小型化及び低コスト化の要求が大きくなってきている。
電力変換装置の小型化技術として、複数の実装基板を積層配置し、各基板に実装された基板コネクタと後付けする電線により基板間を電気的に接続する技術が多く存在する。
これらの電力変換装置では、各基板に実装された基板コネクタが基板の中央部に配置された場合、後付けの電線を組付ける際に、基板コネクタが配置されている位置まで手が入る十分なスペースが基板間に必要になり、小型化を図ることが困難になる。さらに、基板コネクタの接続状態を目で確認することが困難となり、接続不良により品質が低下してしまうという課題がある。
このような課題を解決する手段としては、積層する側の基板を筐体に組付ける前に、コネクタの接続状態等を目で確認できることを確保させながら、後付けの電線を各基板コネクタに接続し、その後積層する側の基板を筐体に取り付ける方法がある。
しかしこの方法では、目で確認できることを確保させるために、基板間の距離を十分にとった状態で、電線の組付けが必要なため、長い電線が必要となり、後に積層する側の基板を組付けた際に、余分な電線を収容するスペースが必要となり、小型化を図ることが困難になる。さらに電線が長くなることによりコストの低減を図ることができなくなるという課題がある。
従来の電力変換装置として、電源回路基板は、伝熱支持部材による遮蔽部を自身側方に有し、制御回路基板は、外部コネクタが第一の辺近傍に配置されるとともに、第一の辺とは反対側の第二の辺近傍に基板間コネクタが配置され、電源回路基板は、制御回路基板の第二の辺と同じ側の辺であって且つ遮蔽部のない第三の辺近傍に基板間コネクタが配置されているものがある(特許文献1参照)。
国際公開番号WO2014/057622号公報
従来の技術において、コネクタの接続状態等を目で確認して確実な完成品の目視確認を行うために、各基板の基板コネクタを第一の辺近傍に配置する必要がある。そのため、基板の設計段階においてコネクタ配置位置に対応したレイアウト性が制約されることが多く、パターン配線が複雑化してしまい基板が大型化してしまう。更にはパターンが延長することによりパターンの損失が増加してしまうという問題点があった。
さらに基板位置より高い筐体壁を設けた場合は、手が入る十分なスペースを基板端部と筐体壁との間に設ける必要があり、小型化が図れなくなる。
本願は上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、基板のレイアウト性の自由度を損なわず、確実な完成品の目視確認が行えるとともに、装置全体の小型化を図ることのできる電力変換装置を提供することを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、スイッチング素子及び第1コネクタが搭載されたパワー系主回路部を構成する第1基板と、
前記第1基板の表面に対して垂直な方向である第1方向の上側において前記第1基板と間隔をあけて設けられるとともに前記パワー系主回路部の動作を制御する制御回路部を構成する第2基板とを有する電力変換装置であって、
第2コネクタが前記第2基板の前記第1方向上側の面に取り付けられ、
前記第1コネクタは前記第1基板の端部から設定された第1距離以上離れた位置に配置されるとともに、前記第2コネクタは前記第2基板の端部から設定された第2距離以上離れた位置に配置され、
配線部材が前記第2基板に設けられた第1開口部を貫通した状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタを接続し、
前記第1コネクタは、前記第1開口部の前記第1方向下側の位置であって、かつ前記第1基板における前記第2基板と対向する前記第1基板の前記第1方向上側の面に配置され、前記第2コネクタは、前記第1開口部の縁部に沿い、かつ前記第2基板の前記第1方向上側の面に配置されているものである。
本願に開示される電力変換装置によれば、基板のレイアウト性の自由度を損なわず、確実な完成品の目視確認が行えるとともに、装置全体の小型化を図ることができる。
実施の形態1による電力変換装置の要部を示す断面模式図である。 実施の形態1による電力変換装置の要部を示す分解斜視図である。 実施の形態1による電力変換装置の要部を示す斜視図である。 実施の形態1による電力変換装置の基板間コネクタを示す側面図である。 実施の形態1による電力変換装置の組立方法を示す斜視図である。 実施の形態1による電力変換装置の組立方法を示す斜視図である。 実施の形態1による電力変換装置の組立方法を示す斜視図である。 実施の形態1による電力変換装置の組立方法を示す斜視図である。 実施の形態1による電力変換装置の組立方法を示す斜視図である。 比較例となる基板間のコネクタを嵌合する方法を示す側面図である。 比較例となる基板間のコネクタを嵌合する方法を示す側面図である。 比較例となる基板間のコネクタを嵌合する方法を示す側面図である。 実施の形態2による電力変換装置における第1基板を示す平面図である。 実施の形態2による電力変換装置における第1基板を示す平面図である。 実施の形態2による電力変換装置の要部を示す分解斜視図である。
実施の形態1.
本実施の形態は、車両に搭載される電力変換装置に関するものである。以下、本実施の形態の電力変換装置について説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
以下、実施の形態1を図1~図3に基づいて説明する。図1は、実施の形態1による電力変換装置の要部を示す断面模式図であり、図2におけるA-A線断面図である。図2は、実施の形態1による電力変換装置の要部を示す分解斜視図である。図3は、実施の形態1による電力変換装置の要部を示す斜視図である。尚図1、図2において、後述する第1基板5a及び第2基板6aの表面に対して垂直な方向を第1方向とし、図1、図2において、矢印側を第1方向上側、矢印と反対側の方向を第1方向下側とする。更に図1において第1方向と直交する方向を水平方向(第2方向)とする。よって第1基板5a及び第2基板6aの表面に対して平行な方向が第2方向としての水平方向となる。
図において、電力変換装置1は、モータを駆動源の一つとする電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両に搭載されている。また、電力変換装置1は、ある電力(例えば、補機用バッテリからの直流電力等)を別の電力(例えば交流電力等)に変換するための電力変換部2と、構成部品を収容し、外部に熱を放散する筐体3と、筐体3の開口部を覆い密閉状態を形成するカバー4とを有している。
電力変換部2は、電力の変換を行うパワー系主回路部5と、パワー系主回路部5の動作を制御する制御回路部6と、パワー系主回路部5と制御回路部6とを電気的に接続する基板間コネクタ(配線部材)7と、パワー系主回路部5で発生したノイズが制御回路部6及び基板間コネクタ7に重畳するのを防止するための遮蔽板8とで構成されている。
筐体3は、熱伝導率の優れた導電性の金属材料(例えばアルミニウム)で構成されており、例えば、アルミダイカスト成形により形成されている。また筐体3は、搭載面3aと、外壁3bと、搭載面3aから第1方向上側の開口部に向けて垂直に延びた同一高さを有する複数のボス3cで構成されており、外壁3b及びボス3cの第1方向上側先端面には、ねじ穴(図示なし)が設けられている。
カバー4は、金属材料(例えばアルミニウム)で構成され、例えば板金により形成されており、制御回路部6が設置された位置よりも高い外壁3bの先端面で支持され、締結具9で固定されている。
パワー系主回路部5は、多層プリント基板(第1基板)5aにスイッチング素子5b及び基板実装コネクタ(第1コネクタ)5c等が半田付けにより実装され、各々が電気的に接続されることで構成されている。又パワー系主回路部5は、当該パワー系主回路部5が設定された高さに位置するように、その高さが調整されたボス3c上に配置され、搭載面3aと対向するようになっている。更にパワー系主回路部5は、締結具10で固定されて、各ボス3c上において支持される。これによりパワー系主回路部5は筐体3の内部に収容される。なお、多層プリント基板5aは、基板外周端部と外壁3bとの間で一定の絶縁距離が保てるように、筐体3の内部に収容されている。
多層プリント基板5aは、電気絶縁性を有する樹脂材料(例えばエポキシ樹脂)で形成され、表層には適切な部位にレジスト膜(図示なし)が形成されている。また、多層プリント基板5aは、筐体3の開口部側(第1方向上側)の表層の一部にレジスト膜を持たないGND(グランド)パターン(第1GNDパターン)5dを有し、少なくとも内層1層にGNDパターン(第2GNDパターン)5eを有する。表層のGNDパターン5dと内層のGNDパターン5eは、スルーホール5fで電気的に接続される。更に多層プリント基板5aを複数のボス3cに固定するためのねじ貫通孔は、スルーホール5gで構成され、スルーホール5gは内層のGNDパターン5eと電気的に接続されており、多層プリント基板5aをボス3cへ固定することにより、GNDパターン5d及びGNDパターン5eが筐体3を介して接地される。
スイッチング素子5bは、例えば、MOSFET(METAL-OXIDE-SEMICONDUCTOR FIELD-EFFECT TRANSISTOR)で構成される。なお、スイッチング素子5bは、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(INSULATED GATE BIPOLAR TRANSISTOR)等の自己消弧型半導体スイッチング素子で構成してもよい。スイッチング素子5bの大きさ、形状、個数については既知のものを使用する。
基板実装コネクタ5cは、多層プリント基板5aにおいて、制御回路部6と第1方向において対向する面側(第1方向上側の面)の中央付近に実装されており、基板実装コネクタ5cの端子(ピン)のうちの少なくとも1つのピンが、スルーホール(図示なし)を介して、内層のGNDパターン5eと電気的に接続されている。これにより接地を強化することができ、ノイズの影響を低減させることができる。
GNDパターン5dは、レジスト膜が形成されていないレジスト欠陥部(図示なし)であり、遮蔽板8の厚みと同等以上のパターン幅を有しており、基板実装コネクタ5cの第2方向における周囲4方向を囲うように配置されている。
締結具10は、金属材料(例えば鉄)で構成され、一端が雄ねじであり、他端がねじ穴(図示なし)で形成されている。
遮蔽板8は、金属材料(例えばアルミニウム)で形成され、例えば板金により形成されている。また遮蔽板8は、制御回路部6の第1方向下側において配置され、第1方向下側において制御回路部6を覆うように設けられた遮蔽平板8aと、遮蔽平板8aに設けられ、基板実装コネクタ5cと同等以上の大きさを有する少なくとも1つの開口部(第2開口部)8bから構成されている。そして開口部8bの中心は基板実装コネクタ5cの中心と一致するようになっており、即ち開口部8bは基板実装コネクタ5cと第1方向において同軸上に位置するようになっている。更に遮蔽板8は、遮蔽平板8aの端部であって開口部8bの周囲からパワー系主回路部5に向けて垂直に延びた(第1方向下側に向けて伸びた)遮蔽壁8cと、遮蔽平板8aから制御回路部6に向けて(第1方向上側に向かって)突出して形成される複数の固定部8dとで構成されている。
このように遮蔽板8の固定部8dはパワー系主回路部5の第1方向上側において、多層プリント基板5aと対向するように、締結具10の高さにより決められた位置に、締結具10により支持、固定される。これにより遮蔽板8は、筐体3の内部に収容されると共に、筐体3と電気的に接続されている。
また遮蔽壁8cの第1方向下側の先端部が、直接、あるいは導電性の隙間緩衝材(例えば、スポンジ、シート、接着剤など)を介して、多層プリント基板5a上のGNDパターン5dと電気的に接続されて接地されており、遮蔽壁8c、GNDパターン5d、GNDパターン5e、スルーホール5fで囲まれたスイッチング素子5bからのノイズを遮断できる電磁気的な閉空間Pが形成される。
遮蔽壁8cの先端部が多層プリント基板5aに対して物理的に接触することにより隙間を無くして輻射ノイズ等を遮断することができる。
そして基板実装コネクタ5cは、水平方向(第2方向)において遮蔽壁8cで囲われた領域の内部に配置されると共に、スイッチング素子5bは、この領域の外部に配置されている。このように遮蔽壁8cは水平方向(第2方向)において基板実装コネクタ5cとスイッチング素子5bとの間に設けられている。
このように電磁気的な閉空間Pの中に基板実装コネクタ5cが収容されている。即ち遮蔽壁8c、GNDパターン5d、GNDパターン5e、スルーホール5fで囲まれることにより、囲まれた閉空間Pの外側で発生したノイズは遮蔽壁8c、GNDパターン5d、GNDパターン5e、スルーホール5fに吸収され、グランドへ流れることにより、閉空間Pの内側に配置された基板実装コネクタ5cに重畳され、影響を及ぼすことを抑制できる。
制御回路部6は、多層プリント基板6a(第2基板)にマイコン(図示なし)等、及び基板実装コネクタ(第2コネクタ)6bが半田付けにより実装され、各々が電気的に接続されるように構成されている。そして多層プリント基板6aは、締結具10の高さにより決定される位置に、遮蔽板8を介して多層プリント基板5aと対向するように配置され、締結具10に対して遮蔽板8の固定部8dと共に締結具11で支持、固定されることにより、筐体3の内部に収容される。なお、多層プリント基板6aは、基板外周端部と外壁3bとの間に一定の絶縁距離が保てるように、筐体3の内部に収容されている。
多層プリント基板6aは、電気絶縁性を有する樹脂材料(例えばエポキシ樹脂)で形成されている。又多層プリント基板6aは、開口部8bと第1方向において同軸上に位置する少なくとも1つの開口部(第1開口部)6cを持っており、即ち開口部8bの第1方向における中心軸は開口部6cの第1方向における中心軸と一致するようになっている。更に電力変換装置1を組み立てる際に基板実装コネクタ6bに嵌合される挿入コネクタ7g(図4参照)を開口部6cに通す必要があるため、開口部8bは基板実装コネクタ6bと同等以上の大きさが必要となる。この場合の大きさは、基板実装コネクタ6bの幅と奥行き部分に相当する大きさとなる。
基板実装コネクタ6bが多層プリント基板6aに実装されている面は、多層プリント基板6aが多層プリント基板5aに対向している面とは反対側の面(第1方向上側の面)であり、基板実装コネクタ6bは開口部6cの近傍に配置されている。即ち基板実装コネクタ6bは開口部6cの縁部に沿って配置されている。そして基板実装コネクタ6bは多層プリント基板6aの端部から設定された第2距離H2以上離れた位置に配置されるとともに、基板実装コネクタ5cは多層プリント基板5aの端部から設定された第1距離H1以上離れた位置に配置されている。そして第2距離H2は、多層プリント基板6aの端部と多層プリント基板6aの中心との間の距離の1/4であり、第1距離H1は多層プリント基板5aの端部と多層プリント基板5aの中心との間の距離の1/4である。
図4に示すように、基板間コネクタ7は、電線7aと、基板実装コネクタ5c及び基板実装コネクタ6bとに各々嵌合される挿入コネクタ7f、7gで構成されており、電線7aは開口部8b及び開口部6cを貫通した状態で、挿入コネクタ7f、7gが基板実装コネクタ5c及び基板実装コネクタ6bと各々嵌合され、電気的に接続されている。
次に図5~図9において、多層プリント基板5a、基板実装コネクタ5c、遮蔽板8、基板間コネクタ7、電線7a、多層プリント基板6a、基板実装コネクタ6bの組立方法について説明する。先ず図5に示すように、パワー系主回路部5を締結具10で筐体3に取り付ける。次に図6に示すように、基板間コネクタ7の挿入コネクタ7fを基板実装コネクタ5cに取り付ける。次に図7に示すように、遮蔽板8の開口部8b及び制御回路部6の開口部6cに対して基板間コネクタ7(挿入コネクタ7g)を通過させる。次に図8に示すように、遮蔽板8と制御回路部6を締結具11で取り付ける。次に図9に示すように、基板間コネクタ7(挿入コネクタ7g)を基板実装コネクタ6bに取り付ける。
本実施の形態の電力変換装置によれば、基板実装コネクタ5c及び基板実装コネクタ6bが各々基板端部から第1距離H1及び第2距離H2だけ離れた位置に配置され、基板間コネクタ7が多層プリント基板6aの開口部6cを貫通した状態で基板実装コネクタ5c及び基板実装コネクタ6bと接続されている。そして基板実装コネクタ5c及び基板実装コネクタ6bが多層プリント基板5a及び多層プリント基板6aの第1方向上側の面に配置されているので、筐体3の外壁3bの高さが大きい場合であっても、後付け作業を上方から目視確認することが容易となる。更に基板実装コネクタ5c及び基板実装コネクタ6bが基板端部に存在せず、上記のように基板の中央部に配置されているので、基板レイアウト性を向上させることができる。更に基板間コネクタ7が多層プリント基板6aの開口部6cを貫通した状態で基板実装コネクタ5c及び基板実装コネクタ6bと接続されているので、余分な作業スペースを必要とせず、短い電線で基板間の電気的な接続ができるようになり、品質を維持しつつ、小型化、低コスト化を実現可能にする。
次に本実施の形態とは別の比較例となる基板間のコネクタを嵌合する方法について、図10~図12に基づいて説明する。先ず図10に示すように、筐体100内に収容された第1基板101の中央部にコネクタ102を実装し、第2基板103を筐体100に組付ける前に、電線104をコネクタ102、105に対して先に付ける方法がある。この方法では、図10に示すように、レイアウト性の自由度があり、コネクタの接続状態等の目視確認が容易となり、余分な着脱用作業スペースが不要となる。しかし第2基板103を筐体100に組付ける前に、筐体100の外部で電線104をコネクタ105接続する必要があるため、長い電線104が必要となり、第2基板103を組付けた後に、電線104を収容するスペースも必要になる。したがって、製品が大型化してしまう。
次に図11に示すように、第1基板110の端部にコネクタ111を実装するととともに、第2基板112の端部にコネクタ113を実装し、第1基板110及び第2基板112を筐体115に組付けた後に、電線114を後付けする方法がある。
この方法では、図11に示すように、コネクタの接続状態等の目視確認が容易となり、電線114も短くできる。しかし基板端部にコネクタを配置する必要があり、基板のレイアウト性が制約され、また、着脱の作業スペースとして基板の外側と筐体115との間の隙間が必要となる。したがって、製品が大型化してしまう。
次に図12に示すように、第1基板120の中央部にコネクタ121を実装するとともに、第2基板122の中央部にコネクタ123を実装し、第1基板120及び第2基板122を筐体125に組付けた後に、電線124を後付けする方法がある。
この方法では、図12に示すように、レイアウト性の自由度がある。しかし着脱の作業用スペースXを確保する為には、基板間の距離をあける必要があり、長い電線124が必要になり、さらに、製品の高さが大きくなり、製品が大型化する。また、目視確認がし難く、確実に嵌合されたことを確認できないため、品質低下をもたらす。
本実施の形態においては、上記のような課題を解決するためになされたものである。
即ち本実施の形態においては、第2基板に貫通穴をあけ、電線を貫通させて後付けで基板の第1方向上側でコネクタと接続できるので、コネクタの接続状態等の目視確認が容易となり、余分な作業スペースも不要となる。また、基板間の距離も作業スペースにより制約されず、他の部品の高さなどに応じた距離にでき、短い距離で基板間を接続できる為、電線も短くなる。さらに、コネクタの実装位置に左右されず、コネクタの実装位置が中央部であっても、上記のような課題を同時に解決することができ、基板のレイアウト性の悪化も防止できる。
更に図10~図12においては、第2基板に取り付けられているコネクタは第2基板の下側にあるが、本実施の形態を示す図1においては、基板実装コネクタ6bは多層プリント基板6aの第1方向上側に載置されており構成が異なる。
即ちコネクタが第2基板の第1方向下側に配置された場合、基板間コネクタの着脱作業ができるように、第2基板に設けられる穴を指(手)の入る大きさに拡大する必要がある。これに対して基板の第1方向上側にコネクタを配置することで、第2基板の穴を挿入コネクタと同等のサイズにすることができ、着脱作業のための余分なスペースも不要となる。
また本実施の形態においては、遮蔽板8が、パワー系主回路部5と制御回路部6の間に位置し、遮蔽平板8aが制御回路部6の第1方向下側を覆うと共に、遮蔽板8の固定部8dが締結具10により支持され、筐体3と電気的に接続されている。従ってパワー系主回路部5で発生したノイズが遮蔽板8、筐体3を介して地面に流れる(アースされている)こととなり、パワー系主回路部5で発生したノイズが制御回路部6に重畳して影響を及ぼすのを抑制できる。
さらに、基板実装コネクタ5cは、遮蔽壁8c、GNDパターン5d及びGNDパターン5e、スルーホール5fで囲まれた電磁気的な閉空間Pの中に収容されているので、パワー系主回路部5で発生したノイズが基板実装コネクタ5c及び基板間コネクタ7に重畳するのを抑制できる。
さらに、多層プリント基板5aを複数のボス3cに固定するねじ貫通孔はスルーホール5gであり、内層のGNDパターン5eと電気的に接続されている。そして多層プリント基板5aをボス3cに固定することにより、GNDパターン5d及びGNDパターン5eが筐体3に接地されることとなり、接地が強化され、ノイズが重畳することを抑制する効果が向上する。
さらに、基板実装コネクタ5cは、多層プリント基板5aにおける制御回路部6と対向する第1方向上側の面に実装され、基板実装コネクタ5cは、開口部6cの第1方向下側における真下の位置に配置され、基板実装コネクタ6bは、開口部6cの縁部に沿って、開口部6cの直近に配置されている。従って基板間コネクタ7の電線7aを短くすることができ、電力変換装置1全体の小型化、低コスト化を実現することができる。
さらに、多層プリント基板6aの開口部6cと遮蔽板8の開口部8bの第1方向における中心軸が一致し、即ち両者が第1方向において同軸上に位置しているので、基板間コネクタ7の電線7aをさらに短くでき、小型化、低コスト化を実現することができる。
なお、本実施の形態において、GNDパターン5eは、少なくとも1つの内層で構成されているが、第1方向上側の表層にあるGNDパターン5dの反対側の第1方向下側の表層に構成されていてもよい。
また、多層プリント基板5aを複数のボス3cに固定するためのねじ貫通孔は、スルーホール5gで構成され、内層のGNDパターン5eと電気的に接続されているが、表層のGNDパターン5dをねじ貫通孔まで延長し、スルーホール5gと電気的に接続してもよい。即ちGNDパターン5d及びGNDパターン5eのうちの少なくとも1つが筐体3と電気的に接続されている。
上記のように構成することにより、基板のレイアウト性の自由度を損なわず、又コネクタが基板の上面に配置されているので、コネクタの実装位置に関わらずコネクタの接続状態等を目で確認することを確保できる。即ちコネクタが基板端部から離れた位置(レイアウト性に優れた場所)に配置されていても、コネクタの接続状態等を目視確認することができる。更に短い電線により、且つ小さなスペースで基板間の電気接続を可能にする。そしてノイズが重畳することを防止できるとともに、装置全体の小型化、低コスト化を実現することができる。さらにシールド構造(遮蔽壁8c等)を設けているので、基板で発生したノイズが制御回路部又は電線に重畳することがなく、回路の安定動作を保つことができる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、基板実装コネクタ5cの端子(ピン)のうちの少なくとも1つのピンがスルーホール(図示なし)を介して、内層のGNDパターン5eと電気的に接続されている。これに対して基板実装コネクタ5cの端子(ピン)が表層のGNDパターン5dと直接電気的に接続されていてもよい。即ち基板実装コネクタ5cは、GNDパターン5d又はGNDパターン5eと電気的に接続されている。
また図2においては、GNDパターン5dは、基板実装コネクタ5cの周囲である4方向を囲うように配置されている例を示している。これに対して図13、図14に示すように、電磁気的に結合しない場合、即ちノイズ源からのノイズの放射がコネクタおよび電線に影響を与えない場合、スイッチング素子5b又は他のノイズ源の位置に合わせて、図13に示すように、第1基板130において、ノイズ源131に対し、グランドパターン132をコネクタ133の2方向のみを囲うように配置しても良い。又図14に示すように、第1基板140において、ノイズ源141に対し、グランドパターン142をコネクタ143の3方向のみを囲うように配置しても良い。
また、上記説明においては、開口部6c及び開口部8bは、矩形形状で形成されている例を示したが、正方形、円形、楕円形などの穴で構成しても良い。更に図15に示すように、遮蔽板8及び多層プリント基板6aの端部から方形状に所定の位置まで切り欠かれた切り欠き形状になるよう開口部を形成してもよい。あるいはU字形状で所定の位置まで切り欠かれた切り欠き形状に形成してもよい。この場合も図15に示すように、基板実装コネクタ6bは多層プリント基板6aの端部から設定された第2距離H2以上離れた位置に配置されている。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 電力変換装置、3 筐体、5 パワー系主回路部、5a 第1基板、
5b スイッチング素子、5c 第1コネクタ、5d 第1GNDパターン、
5e 第2GNDパターン、5f スルーホール、6 制御回路部、6a 第2基板、
6b 第2コネクタ、6c 第1開口部、7 配線部材、8 遮蔽板、8a 遮蔽平板、
8b 第2開口部、8c 遮蔽壁。

Claims (10)

  1. スイッチング素子及び第1コネクタが搭載されたパワー系主回路部を構成する第1基板と、
    前記第1基板の表面に対して垂直な方向である第1方向の上側において前記第1基板と間隔をあけて設けられるとともに前記パワー系主回路部の動作を制御する制御回路部を構成する第2基板とを有する電力変換装置であって、
    第2コネクタが前記第2基板の前記第1方向上側の面に取り付けられ、
    前記第1コネクタは前記第1基板の端部から設定された第1距離以上離れた位置に配置されるとともに、前記第2コネクタは前記第2基板の端部から設定された第2距離以上離れた位置に配置され、
    配線部材が前記第2基板に設けられた第1開口部を貫通した状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタを接続し、
    前記第1コネクタは、前記第1開口部の前記第1方向下側の位置であって、かつ前記第1基板における前記第2基板と対向する前記第1基板の前記第1方向上側の面に配置され、前記第2コネクタは、前記第1開口部の縁部に沿い、かつ前記第2基板の前記第1方向上側の面に配置されている電力変換装置。
  2. 前記第1距離は前記第1基板の端部と前記第1基板の中心との間の距離の1/4であるとともに、
    前記第2距離は前記第2基板の端部と前記第2基板の中心との間の距離の1/4である請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記第1基板及び前記第2基板を収容する導電性の筐体と、
    前記第2基板の前記第1方向下側に前記第1基板と前記第2基板の間に介在して配置された遮蔽平板と、前記遮蔽平板に設けられた第2開口部と、前記遮蔽平板から前記第2基板に向けて前記第1方向上側に突出して前記第2基板を支持するように形成される複数の固定部とを有する遮蔽板を備え、
    前記固定部が前記筐体と電気的に接続され、
    前記配線部材が、前記第1開口部と前記第2開口部を貫通した状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタを接続する請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記遮蔽板は、前記第2開口部の周囲から前記第1方向下側に向けて延びた遮蔽壁を備え、
    前記第1コネクタは、前記第1方向に直交する方向である第2方向において前記遮蔽壁により囲われた領域の内部に配置されると共に、前記スイッチング素子は、前記領域の外部に配置されている請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記遮蔽壁は前記第2方向において前記第1コネクタと前記スイッチング素子との間に設けられた請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記遮蔽壁の前記第1方向下側の先端部が前記第1基板に接触している請求項4又は請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記第1基板は、前記第1コネクタの周囲を囲うように前記第1方向上側の表面に配置されたレジスト膜を持たない第1GNDパターンと、内層あるいは前記第1GNDパターンが設けられた面とは反対側の前記第1方向下側の表面に設けられた第2GNDパターンとを備え、
    前記第1GNDパターンと前記第2GNDパターンとがスルーホールにより電気的に接続されると共に、前記遮蔽壁の前記第1方向下側の先端部が前記第1GNDパターンに電気的に接触することにより、前記第1GNDパターン、前記第2GNDパターン、前記スルーホール及び前記遮蔽壁で囲まれた空間内部に前記第1コネクタを収容した請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記第1GNDパターン及び前記第2GNDパターンのうちの少なくとも1つが前記筐体と電気的に接続されている請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記第1コネクタは、前記第1GNDパターン又は前記第2GNDパターンと電気的に接続されている請求項7に記載の電力変換装置。
  10. 前記第1開口部の前記第1方向の中心軸と前記第2開口部の前記第1方向の中心軸は一致している請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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