JP7045062B2 - 断熱材表皮被覆装置 - Google Patents
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Description
本発明にかかる断熱材表皮被覆装置によって作製される表皮被覆断熱材は、図1に示すように、断熱材Aの上下両面に配置された二種類の表皮シートB,Cによって袋状に被覆されたものであり、両表皮シートB,Cは、断熱材Aを中心として、その四方において貼着部D1,D2,D3,D4として貼着されるものである。また、両表皮シートB,Cのいずれか一方または双方には、その一部の貼着部D3,D4の近傍において、比較的大きめの貫通孔X,Yが穿設されており、袋状に形成された被覆の内部を外部との通気を可能にしている。この貫通孔X,Yは、円形に穿孔される場合のほか、円形の一部が連続した弧状の切断部が形成される場合を含むものである。
上述の表皮被覆断熱材を作製するための装置(本発明の実施形態)の概略を図2に示す。この図2に記されるように、本実施形態は、概ね断熱材供給部1と、シート供給部2,3と、被覆処理部4とで構成されるものであり、断熱材供給部1から供給される断熱材Aに対し、その上面側および底面側に配置されたシートローラ21,31から引き出された表皮シートB,Cによって被覆するものである。
断熱材供給部1は、連続する所定幅の断熱シートAaが、シートローラ11から引き出され、搬送レーン12に沿って展開される。搬送レーン12の上面側には、断熱シートAaの長手方向(連続方向)に切断する縦方向カッタ13と、短手方向(幅方向)に切断する横方向カッタ14とが設けられている。縦方向カッタ13は、断熱シートAaを所定の幅寸法に切断するものであり、細長に連続するシート状Abに加工する。横方向カッタ14は、細長の断熱シートAbを所定の長さに切断するものであり、この切断によって、当初の断熱シートAaを個別の断熱材Aに形成するものである。なお、断熱シートAa,Abは、断続的に搬送されるものであって、横方向カッタ14によって切断される際には、一時的に搬送が中断されるものである。
シート供給部2,3は、表皮シートB,Cを被覆処理部4に供給するためのものであり、一方(第1のシート供給部)2が断熱材Aの供給位置よりも上方に設けられ、他方(第2のシート供給部)3が断熱材Aの供給位置よりも下方に設けられる。それぞれのシート供給部2,3から供給される表皮シートB,Cは、一方(第1の表皮シート)Bが断熱材Aの上面側に供給され、他方(第2の表皮シート)Cが断熱材Aの底面側に供給され、断熱材Aの上面および底面にそれぞれ表皮シートB,Cが積層される状態となる。
被覆処理部4は、搬送部(搬送用ローラ)41を備え、上述のように二枚の表皮シートB,Cが積層された断熱材(積層体)Aを断続的に搬送させることができるものである。搬送部41は、専ら積層体が搬送される経路の下部に複数設定した搬送用ローラによって構成され、当該積層体を搭載した状態で移動可能としている。なお、搬送用ローラに限定するものではなく、全体または一部にベルトコンベア状の搬送部を設置してもよい。また、適宜位置に複数の搬送用ローラ41を設ける場合には、全体が同期して作動するものであり、搬送および停止のタイミングを一致させている。また、搬送時における搬送距離(ピッチ)も同じとなるように各搬送用ローラ41の回転量を調整するものとしている。
被覆処理部4に対する表皮シートB,Cの供給は、上述のように、断熱材Aの上面側には第1の表皮シートBが供給され、底面側には第2の表皮シートCが供給される。ところが、底面側に供給される第2の表皮シートCは、断熱材Aが搭載されることから、当該表皮シートCと断熱材Aとの密着性は良好であるが、第1の表皮シートBは、断熱材Aの上面に積層された状態であるため、当該表皮シートBが浮き上がり、密着性が不良な状態となりえる。そこで、被覆処理部4において、第1の表皮シートBが供給される(到達する)位置に押圧ローラ7が設置されるものである。
押圧ローラ7は、上記のような構成であるから、図4および図5に示すように、断熱材Aの上面側に供給された表皮シートBは、押圧ローラ7の棒状部材72~75によって断熱材Aの上面に押圧される状態となる。この押圧を効果的に作用させるためには、断熱材Aの上面が、押圧ローラ7のローラ本体71の最下部に接する程度の位置関係となるように、当該押圧ローラ7の上下方向の位置を調整する。このような状態で断熱材Aを搬送させ、押圧ローラ7を回転させることにより、棒状部材72~75によって、断続的に断熱材Aの上面を押圧することとなり、その押圧により、断熱材Aは部分的に変形することとなる。この断続的な押圧が所定の間隔による断熱材Aの変形を伴うことから、第1の表皮シートBは、断熱材Aの上面における変形を伴って強力に押圧されることとなる。この所定間隔における変形を伴う押圧により、第1の表皮シートBは、その間隙ごとに密着され、その供給が円滑に行われるとともに、浮き上がりが抑えられるのである。
縦方向処理部5は、図6に示すように、主として加熱ローラ51と加熱カッタ52で構成されている。加熱ローラ51は、全体として適宜な幅のローラで構成され、電気ヒータによる熱源をローラ表面に伝熱させたものである。この加熱ローラ51の表面は、全体を同時に所定幅で加熱するものであってもよいが、図示のように、適宜間隔を有して二つの当接領域50a,50bを形成したものとすることができる。いずれも場合においても加熱ローラ51の表面当接部(当接領域50a,50b)が表皮シートB,Cに当接することにより、両シートB,Cを熱溶着することができるものである。
縦方向処理部5は、上記のような構成としたことから、図8に示すように、加熱ローラ51(および加熱カッタ52)を上昇させている状態では、搬送部41(特にテーブル42)の表面に搭載される積層体(断熱材Aおよび両表皮シートB,C)に当接することがなく、溶着等も行うことがない(図8(a)参照)。
横方向処理部6は、専ら長尺な溶着部61と、切断カッタ62とで構成される。溶着部61の底面は、断面コ字状としており、中央の凹状部分63は、切断カッタ62の歯先カバーとして機能させ、その両側の下端面64,65が加熱部となっている。搬送部41の間にテーブル66が設けられ、このテーブル66には、切断カッタ62の歯が挿入できる溝部67が設けられている。
横方向処理部6は、上記構成のような構成であるから、図12(a)に示すように、溶着部61を上昇させた状態においては、搬送部(搬送用ローラ)41を作動させることにより、積層体(断熱材Aおよび両表皮シートB,C)は、溶着部61が設置される位置を通過することができる。このとき、切断カッタ62も下降させるか、または幅方向において断熱材A等が通過しない位置まで移動させておくこととなる。
本実施形態は、以上のような構成であるから、搬送部41に積層体(断熱材Aおよび両表皮シートB,C)を搭載した状態によって、当該搬送部(搬送用ローラ)41の作動によって搬送が可能であり、その搬送の途上において縦方向処理を行うことができる。従って、全体的には駆動機構を多用しないことから安価な装置となり得る。
本発明の実施形態は上記のとおりであるが、上記の実施形態は、本発明の一例を示すものであって、本発明が上記の実施形態に限定される趣旨ではない。従って、上記実施形態における各要素を変更し、または他の要素を付加する構成とすることができる。
2 第1のシート供給部
3 第2のシート供給部
4 被覆処理部
5 縦方向処理部
6 横方向処理部
7 押圧ローラ
8 穿孔部
9 穿孔ローラ体
11 シートローラ
12,12a,12b,12c,12d 搬送レーン
13 縦方向カッタ
14 横方向カッタ
15 ストッパ
16 搬送ローラ
21,31 シートローラ
41 搬送部(搬送ローラ)
50a,50b 加熱ローラの当接領域
51 加熱ローラ
52 加熱カッタ
53 下位ローラ
54 駆動軸
55,56 保護部
57,58 フランジ
59 電気ヒータ
61 溶着部
62 切断カッタ
63 溶着部底面の凹状部分
64,65 溶着部底面の加熱部
66 テーブル
67 溝部
68 走行レール
71 押圧ローラのローラ本体
72,73,74,75 押圧ローラの棒状部材
80 穿孔体の頭部
81 規制プレート
82 穿孔体
83 穿孔体の尖端部
84 受部
91 穿孔ローラ体の主ローラ
92 針状突起
93 穿孔ローラ体の副ローラ
94 穴
A,A1,A2,A3,A4 断熱材
Aa,Ab 断熱シート
B 第1の表皮シート
C 第2の表皮シート
D1,D2,D3,D4 貼着部
X,Y 貫通孔
Z 袋状に被覆された状態の断熱材
Claims (9)
- 所定の大きさに形成された断熱材を表皮シートによって袋状に被覆するための装置であって、被覆処理部と、この被覆処理部に断熱材を間欠供給する断熱材供給部と、前記断熱材の上面に積層する第1の表皮シートを前記被覆処理部に供給する第1のシート供給部と、前記断熱材の底面に積層する第2の表皮シートを前記被覆処理部に供給する第2のシート供給部とを備え、前記被覆処理部により第1および第2の表皮シートを前記断熱材の周囲において貼着しつつ、その貼着された領域を切断するものである断熱材表皮被覆装置において、
前記被覆処理部は、前記断熱材の上面および底面に第1および第2の表皮シートが積層された状態の積層体を搭載しつつ所定の搬送方向へ所定のピッチで断続的に搬送する搬送部と、第1の表皮シートが前記断熱材の上面に到達する位置で、該第1の表皮シートを該断熱材の上面に対して押圧する押圧ローラとを備え、
前記押圧ローラは、前記断熱材の搬送速度に同期して回転する円形断面のローラ本体と、前記ローラ本体の軸と平行な軸線を有し、該ローラ本体の外周よりも外方において支持される複数の棒状部材とを備え、間欠供給される前記断熱材のそれぞれに対して前記棒状部材による押圧及び非押圧が繰り返され、単一の断熱材に対して断続的に押圧する構成となっていることを特徴とする断熱材表皮被覆装置。 - 前記第1および第2の表皮シートは、いずれも熱可塑性樹脂で構成されるものであり、前記被覆処理部は、前記搬送部による搬送方向に沿った向きに対して熱溶着および切断を処理する縦方向処理部と、該搬送方向に直交する向きに対して熱溶着および切断を処理する横方向処理部とを備えるものである請求項1に記載の断熱材表皮被覆装置。
- 前記縦方向処理部は、前記第1の表皮シートを前記第2のシートに押圧するとともに、前記断熱材の搬送方向に回転しつつ所定幅で熱溶着するための加熱ローラと、前記加熱ローラの近傍において溶着された所定幅の中央近傍を溶断するための加熱カッタとを備えるものである請求項2に記載の断熱材表皮被覆装置。
- 前記加熱ローラは、ローラ表面の中央において前記第1の表皮シートに当接しない非当接部を有し、該非当接部の両側に熱溶着のための加熱部が設けられるものであり、前記加熱カッタは、前記非当接部によって熱溶着されない部分を溶断するものである請求項3に記載の断熱材表皮被覆装置。
- 前記縦方向処理部は、搬送方向に対して直交する方向に複数配置されるとともに昇降可能に設けられ、下降するとき前記第1の表皮シートを押圧するものであり、搬送方向に対して直交方向に整列される断熱材の数に応じて適宜選択されたものが下降するものである請求項3または4に記載の断熱材表皮被覆装置。
- 前記横方向処理部は、前記断熱材の搬送方向に直交する方向に長尺に配置され、前記二枚の表皮シートを熱溶着するための溶着部と、回転しつつ前記加熱プレートに沿って移動する丸鋸状の切断カッタとを備え、前記溶着部は、前記断熱材の搬送方向に適宜間隔を有する二箇所に配置された二つの加熱プレートを有し、該加熱プレートを一体的に昇降可能としたものであり、前記切断カッタは、前記溶着部が表皮シートを熱溶着するために下降した状態において二枚の前記加熱プレートに形成される間隙を移動するものである請求項2~5のいずれかに記載の断熱材表皮被覆装置。
- 前記溶着部の近傍には、該溶着部の長手方向に沿って前記二枚の表皮シートに貫通孔を穿設する穿孔部を備え、前記穿孔部は、尖端部を下向きとする複数の穿孔体と、前記溶着部によって支持されて昇降可能に設けられ、前記穿孔体の下降方向への移動のみを規制する規制プレートと、この規制プレートが下降するとき、前記穿孔体を前記表皮シートの下方において支持するストッパとを備えるものであり、前記溶着部が前記表皮シートを溶着するために下降するとき、該支持プレートの下降によって支持される穿孔体の下降を許容するとともに、前記ストッパによって支持されることにより、該穿孔体の自重によって表皮シートを穿孔するものである請求項6に記載の断熱材表皮被覆装置。
- 前記第1および第2のシート供給部は、前記被覆処理部に供給される直前の表皮シートに対して微細な貫通孔を穿設する穿孔ローラ体を備え、該穿孔ローラ体は、針状突起を表面に備える主ローラと、該主ローラの針状突起の侵入を許容する穴を表面に備える副ローラとを備えるものである請求項1~7のいずれかに記載の断熱材表皮被覆装置。
- 前記断熱材供給部は、連続状の断熱シートを供給する断熱シート供給部と、前記断熱シートを供給方向に沿って切断する縦方向切断部と、前記縦方向切断部によって切断された断熱シートを相互に適宜間隔を形成しつつ搬送させる搬送レーンと、前記搬送レーンに沿って搬送される断熱シートを供給方向に対して直交方向に切断する横方向切断部と、前記被覆処理部への供給直前の位置で前記搬送レーンに出没可能に設けられ、個々の断熱材の先端位置を揃えるためのストッパとを備えるものである請求項1~8のいずれかに記載の断熱材表皮被覆装置。
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