JP2001040797A - 合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材及びその製造法 - Google Patents

合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材及びその製造法

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JP2001040797A
JP2001040797A JP11301766A JP30176699A JP2001040797A JP 2001040797 A JP2001040797 A JP 2001040797A JP 11301766 A JP11301766 A JP 11301766A JP 30176699 A JP30176699 A JP 30176699A JP 2001040797 A JP2001040797 A JP 2001040797A
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synthetic resin
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fiber mat
absorbing material
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Hiroshi Ohashi
宏 大橋
Yoshimi Yamamoto
芳実 山本
Yuichi Iguma
雄一 猪熊
Kazumi Kimoto
和己 木元
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Nippon Muki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材
において、無機質繊維マットからの無機質繊維の飛散に
よる取扱者の不快感を防止する。 【解決手段】 無機質繊維マットの表裏面に二枚の合成
樹脂フィルムを重合させ、かつ、該二枚の合成樹脂フィ
ルムの両側を、前記無機質繊維マットの長辺方向に沿っ
た両側面及び短辺方向に沿った両側面からそれぞれ延出
させ、かつ、前記二枚の合成樹脂フィルムの前記無機質
繊維マットの長辺方向に沿った両側の延出面を重合して
接着し、さらに前記二枚の合成樹脂フィルムの前記無機
質繊維マットの短辺方向に沿った両側の延出面を互いに
全面的に接着することにより前記無機質繊維マットの全
面が被覆されており、かつ、前記合成樹脂フィルムに開
口を設け、該開口と、前記無機質繊維マットの両側面の
間に形成される未接着部分とにより、空気の流通を可能
とした合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質繊維の飛散
による取扱者の不快感を防止するとともに、取扱いを容
易にすることを目的とする合成樹脂フィルム被覆無機質
繊維断熱吸音材とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラスウール、ロックウール等の無機質
繊維からなる無機質繊維マットは、住宅等の建築物の断
熱吸音材として広く使用されている。この無機質繊維断
熱吸音材は、取扱時に無機質繊維が飛散して取扱者にチ
クチクした刺激を伴う不快感を与えることを防止するた
めと、無機質繊維マットに防湿性を付与するために、該
無機質繊維マットの表裏面及び長辺方向に沿った両側面
を表被材で被覆しているのが一般的である。
【0003】すなわち、上記の一般的な無機質繊維断熱
吸音材は、連続して供給される無機質繊維マットの表裏
面に表被材をそれぞれ供給し、該表被材の長手方向の両
側部を接合して無機質繊維マットの表裏面及び長辺方向
に沿った両側面を表被材で被覆した後、所定の長さに切
断することによって製造されている。
【0004】しかしながら、上記のような方法で製造さ
れた一般的な無機質繊維断熱吸音材は、所定の長さに切
断した端面、すなわち短辺方向に沿った両側面が表被材
で被覆されず、無機質繊維マットが露出した状態を呈し
ており、その結果、この部分からの無機質繊維の飛散に
よる不快感が避けられなかった。
【0005】また、前記のような無機質繊維マットが露
出した無機質繊維断熱吸音材を、住宅の壁等の断熱吸音
材として用いた場合、湿気が室内から室外側に向かって
壁内に侵入すると、その湿気が無機質繊維マットの上記
露出部分から断熱吸音材の内部に侵入して滞留し、外気
温度の低下に伴って結露するおそれがあり、この結露に
よって、断熱性能が低下し、また、結露が長期に及ぶ
と、住宅の土台、桁等が腐食することがあった。
【0006】この問題を解決する手段として、特許第2
854847号公報には、無機質繊維マットの表裏面及
び長辺方向に沿った両側面が合成樹脂フィルムで被覆さ
れると共に、前記表面側の合成樹脂フィルムと裏面側の
合成樹脂フィルムとが前記無機質繊維マットの短辺方向
に沿った両側面から延出されて接着されることにより、
前記無機質繊維マットの短辺方向に沿った両側面も合成
樹脂フィルムで被覆されており、前記無機質繊維マット
と前記合成樹脂フィルム、及び前記合成樹脂フィルム同
士が、接着剤を用いて、無機質繊維マットの短辺方向に
おいて部分的に接着され、前記合成樹脂フィルム同士の
未接着部分において空気の流通が可能とされている合成
樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材が提案されてい
る。
【0007】しかしながら、この特許第2854847
号公報の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材
は、無機質繊維マットと裏面の合成樹脂フィルムが部分
的に接着剤で接着されているため、無機質繊維マットと
裏面の合成樹脂フィルムの間の接着強度が弱く、そのた
め圧縮梱包、開包後の復元等により接着部がはがれて、
合成樹脂フィルムが破れたり、無機質繊維マットが露出
するなどして、無機質繊維が飛散する問題、これによる
人体へのチクチクする刺激に対する問題、さらには、結
露により初期の性能が得られない問題等々を有してい
る。
【0008】また、表面と裏面の合成樹脂フィルムが、
接着剤で部分的に接着されているため、無機質繊維マッ
トの長辺方向に沿った両側面の延出部と、短辺方向に沿
った両側面の延出部における合成樹脂フィルム同士の接
着強度が弱く、従ってハガレを生じて破れることがあ
る。また、合成樹脂フィルム同士の接着部に腰がないた
め、折れ曲がったりして、住宅の壁等における施工時に
柱にタッカー留めする際に、前記折れ曲がり部分を延ば
す等の余分な作業が増えて作業効率が低下する等の問題
もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてなされたもので、その目的は、前記のような
無機質繊維の飛散の問題、人体へのチクチクする刺激を
防止する問題、結露の問題等々を解決するため、無機質
マットの全面を合成樹脂フィルムで被覆した断熱吸音材
に関し、該断熱吸音材における合成樹脂フィルムの無機
質繊維マットからの破れ、ハガレ等を生じることのない
製品と、該製品を生産性よく製造できるようにした製造
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の合成樹脂フィルム被覆無
機質繊維断熱吸音材は、請求項1記載の通り、無機質繊
維マットの表裏面に二枚の合成樹脂フィルムを重合さ
せ、かつ、該二枚の合成樹脂フィルムの両側を、前記無
機質繊維マットの長辺方向に沿った両側面及び短辺方向
に沿った両側面からそれぞれ延出させ、かつ、前記二枚
の合成樹脂フィルムの前記無機質繊維マットの長辺方向
に沿った両側の延出面を重合して接着し、さらに前記二
枚の合成樹脂フィルムの前記無機質繊維マットの短辺方
向に沿った両側の延出面を互いに全面的に接着すること
により前記無機質繊維マットの全面が被覆されており、
かつ、前記合成樹脂フィルムに開口を設け、該開口と、
前記無機質繊維マットの両側面の間に形成される未接着
部分とにより、空気の流通が可能とされていることを特
徴とする。また、請求項2記載の合成樹脂フィルム被覆
無機質繊維断熱吸音材は、請求項1記載の合成樹脂フィ
ルム被覆無機質繊維断熱吸音材において、前記無機質繊
維マットの表裏いずれか一方の面と、前記合成樹脂フィ
ルムが接着剤により全面的に接着されていることを特徴
とする。また、請求項3記載の合成樹脂フィルム被覆無
機質繊維断熱吸音材は、請求項1または2記載の合成樹
脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材において、前記開
口が、前記合成樹脂フィルムと前記無機質繊維マットの
短辺方向に沿った両側面の未接着部分に設けられた空気
抜きの穴あるいは切り欠きであることを特徴とする。ま
た、請求項4記載の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断
熱吸音材は、請求項1乃至3のいずれかに記載の合成樹
脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材において、前記開
口が、前記合成樹脂フィルムと前記無機質繊維マットの
長辺方向に沿った両側面の未接着部分に設けられた空気
抜きの穴あるいは切り欠きであることを特徴とする。ま
た、請求項5記載の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断
熱吸音材は、請求項1乃至4のいずれかに記載の合成樹
脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材において、前記合
成樹脂フィルム同士が、前記無機質繊維マットの長辺方
向に沿った両側面から延出された延出面において断続的
に接着され、その未接着部分において空気の流通が可能
になるように構成されていることを特徴とする。また、
請求項6記載の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸
音材は、請求項1乃至5のいずれかに記載の合成樹脂フ
ィルム被覆無機質繊維断熱吸音材において、前記無機質
繊維マットの表裏いずれか一方の面と、前記合成樹脂フ
ィルムが接着剤により全面的に接着されているとともに
前記無機質繊維マットの表裏いずれか他方の面と、前記
合成樹脂フィルムが接着剤により前記無機質繊維マット
の短辺方向において部分的に接着されていることを特徴
とする。また、本発明の合成樹脂フィルム被覆無機質繊
維断熱吸音材の製造方法は、請求項7記載の通り、無機
質繊維に熱硬化性樹脂を主成分とするバインダを付与し
て堆積させ、前記バインダを加熱硬化させてマット状に
成形し、所定寸法に切断して複数の無機質繊維マットと
し、該無機質繊維マットを所定間隔をおいて供給する工
程と、二枚の合成樹脂フィルムを、その少なくとも一方
に連続的にあるいは断続的に接着剤を塗布しながら、前
記無機質繊維マットの両面を挟むように供給する工程
と、前記無機質繊維マットと前記合成樹脂フィルムの接
着剤塗布面とを連続的に押圧して両者を接着させる工程
と、前記無機質繊維マットの長辺方向に沿った両側面の
延出部同士を連続的あるいは非連続的に押圧し、該部分
に塗布された接着剤により合成樹脂フィルム同士を接着
させる工程と、前記無機質繊維マット同士の長辺方向に
沿った両側面の前記延出部の接着部分を全長手方向にわ
たって切断する工程と、前記無機質繊維マット同士の短
辺方向に沿った両側面の延出部の間で前記合成樹脂フィ
ルム同士を押圧して全面的に接着させる工程と、前記接
着部分を全幅方向にわたって切断する工程と、前記の各
工程のいずれかの間で、前記合成樹脂フィルムと前記無
機質繊維マットの両側面の間の未接着部分に開口を設け
る工程とを含むことを特徴とする。
【0011】すなわち、本発明の第1の発明の合成樹脂
フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材によれば、無機質繊
維マットの表裏面及び側面の全てが合成樹脂フィルムに
よって被覆されているので、取扱時に、無機質繊維が取
扱者の肌に直接触れることがなく、また、無機質繊維が
飛散して、取扱者がチクチクした刺激を受けて不快感を
感じる程度を著しく低減することができる。さらに、住
宅の壁等の断熱吸音材として使用した場合、室内の湿気
が断熱吸音材に侵入することがなく、従って断熱吸音材
内での結露を防止することができ、断熱性能の低下や、
土台、桁等の腐食の発生を防止することが可能となる。
また、無機質繊維マットの両側面と合成樹脂フィルムと
の間の未接着部分の開口において、空気の流通が可能と
なっているので、梱包時の圧縮、施工時の復元に必要な
空気の流通が十分に行われる。
【0012】さらに、合成樹脂フィルムが、無機質繊維
マットの長辺方向及び短辺方向に沿った両側面、すなわ
ち四側面の全てから延出されているので、住宅の壁等の
断熱吸音材として使用する際、この延出部分の全てを、
柱、間柱、土台、桁等にステープル留めすることがで
き、従来の二側面に形成された耳部のみを固定するもの
に比して強固に固定することができる。また、前記のよ
うに無機質繊維マットの四側面から延出されている合成
樹脂フィルムの全てをステープル留めすると、該合成樹
脂フィルムで覆われた空間に湿気が侵入することを防止
することができ、結露の防止を図ることができる。
【0013】また、合成樹脂フィルムの四側面の延出部
が、接着剤で補強されているため、合成樹脂フィルム同
士の接着部の破れ、ハガレ等の事故を生じることがな
い。特に、表裏の合成樹脂フィルムの材質が異なる場合
は、接着後に温度、湿分等により、収縮、膨張してカー
ルすることがあるが、前記四側面の延出部を全面接着す
ることで、前記の現象を防止できる。
【0014】本発明の第2の発明は、無機質繊維マット
の表裏どちらか一方の面と合成樹脂フィルムが接着剤に
より全面的に接着されているため、無機質繊維マットの
四側面から延出部の破れ、ハガレ等の事故を生じること
がない。
【0015】本発明の第3の発明は、前記開口が、合成
樹脂フィルムと無機質繊維マットの短辺方向の両側面の
間のみ接着部分に設けられた空気抜き穴または切り欠き
であること、また本発明の第4の発明は、前記開口が、
合成樹脂フィルムと無機質繊維マットの長辺方向の両側
面の間のみ接着部分に設けられた空気抜き穴または切り
欠きであること、さらに本発明の第5の発明は、合成樹
脂フィルムが、無機質繊維マットの長辺方向に沿って断
続的に接着され、合成樹脂フィルム同士の未接着部分に
おいて空気の流通が十分になされる、等々の特徴を有す
ることにより、それぞれ梱包時の圧縮、施工時の復元に
必要な空気の流出、流入が十分に行われる。
【0016】本発明の第6の発明は、前記無機質繊維マ
ットの表裏どちらか他方の面と前記合成樹脂フィルム
が、接着剤により、該無機質繊維マットの短辺方向にお
いて部分的に接着されているので、複数の無機質繊維マ
ットを同時に合成樹脂フィルムで被覆する際の位置決
め、ズレ防止となる。
【0017】本発明の第7の発明は、複数の無機質繊維
マットを同時に合成樹脂フィルムで被覆することがで
き、しかも、合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音
材の製造を効率的に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において使用される無機質
繊維は、特に限定されるものではなく、通常の無機質繊
維断熱吸音材に使用されているグラスウール、ロックウ
ール等を使用することができる。また、無機質繊維マッ
トも、特に限定されるものではなく、通常の無機質繊維
断熱吸音材に使用されているもの、すなわち、無機質繊
維に熱硬化性樹脂を主成分とするバインダを付与して堆
積させ、バインダを加熱硬化させてマット状に成形した
ものを用いることができる。また、前記無機質繊維マッ
トの密度も、通常の無機質繊維断熱吸音材に使用されて
いる程度とすればよく、例えば5〜100kg/m3
度とするのが好ましい。
【0019】また、本発明において使用される合成樹脂
フィルムは、通常の無機質繊維断熱吸音材の被覆に使用
されているものを用いることができる。例えば、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエ
ステル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂のフィル
ム、これらの積層品、または、これらにアルミニウム等
の金属を蒸着したもの、異種の合成樹脂フィルムやアル
ミニウム箔等をラミネートしたもの等を用いるのが好ま
しく、中でも高密度ポリエチレンフィルムがより好まし
い。また、前記合成樹脂フィルムの厚さは9〜50μm
が好ましく、9〜30μmがより好ましい。厚さが9μ
m未満の場合は、引裂強度が不十分であり、50μmを
超えると、重量が重くなり過ぎて好ましくない。
【0020】さらに、本発明においては、無機質繊維マ
ットの表面側を被覆する合成樹脂フィルムに、梱包時の
圧縮、施工時の復元に必要な空気の流通を容易にするた
めと内部の湿気を逃がすために、直線状、十字状、V字
状等適宜な形状の穴を多数設けて置く。
【0021】本発明において使用される接着剤は、合成
樹脂を接着できる機能を有するものであればよく、例え
ばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のホットメルト
系接着剤、クロロプレンゴムやスチレン−ブタジエンゴ
ム等の合成ゴム系接着剤、天然ゴム系接着剤、アクリル
樹脂やポリビニルアルコール等の水溶性接着剤またはエ
マルジョン系接着剤等を用いるのが好ましいが、接着に
要する時間が短いことから、粘着系のホットメルト系接
着剤を用いるのがより好ましい。また、接着強度とイニ
シャルコストの点では合成ゴム系接着剤を用いるのがよ
り好ましい。
【0022】また、接着剤を裏面の合成樹脂フィルムに
塗布する方法は、均一に塗布できれば特に限定されず、
例えば、スプレーを用いる方法、ロールコーターを用い
る方法等を採用することができるが、接着剤を連続的に
あるいは断続的に全面に塗布する場合には、エアアトマ
イズ方式、スバイラルスプレー方式、広幅スプレー方式
等のスプレーを用いる方法が好ましく、塗布幅を一定に
保ち易いことから広幅スプレー方式のものを複数本併用
する方法が特に好ましい。
【0023】また、複数列のグラスウールを一定間隔を
保ちつつ搬送供給するため、無機質繊維マットと表面の
合成樹脂フィルムも接着剤により部分的に接着する。そ
の塗布位置は、無機質繊維マットの表面に、長手方向に
沿って、無機質繊維マットの短辺方向の略中央部等とす
ることが好ましい。このとき、接着剤の塗布幅は、無機
質繊維断熱吸音材の幅の1/5〜1/2程度とするのが
好ましく、例えば、通常の住宅用無機質繊維断熱吸音材
の場合は100mm程度とするのが好ましい。なお、上
記の場合、単位面積当たりの接着剤の塗布量は1〜10
g/m2 が好ましく、1〜5g/m2 とするのがより好
ましい。
【0024】さらに、本発明においては、合成樹脂フィ
ルムで無機質繊維マットの全面を被覆し、無機質繊維マ
ットと合成樹脂フィルム、及び合成樹脂フィルム同士
を、上記のように接着剤で接着したとき、合成樹脂フィ
ルムを無機質繊維マットの短辺方向及び長辺方向に沿っ
た両側面からそれぞれ耳状(フランジ状)に延出させる
が、短辺方向の延出部の長さは10〜200mmが好ま
しく、70〜170mmがより好ましい。この延出部の
長さが10mm未満の場合には、製造工程において、押
圧切断装置による接着及び切断が困難であるとともに、
断熱吸音材としての施工時にステープル留めし難くなる
ので好ましくない。また、延出長さが200mmを超え
る場合には、断熱吸音材の包装や施工の際に邪魔になる
ことがあるとともに、合成樹脂フィルムの必要長さが増
え、経済的に不利になる。
【0025】また、前記合成樹脂フィルムの長辺方向の
延出部の長さは10〜100mmが好ましく、20〜5
0mmがより好ましい。この延出部の長さが10mm未
満の場合には、断熱吸音材の施工時にステープル留めし
にくくなり、また100mmを超える場合には、幅の広
い合成樹脂フィルムが必要となるので経済的に不利にな
るので好ましくない。
【0026】また、無機質繊維マットの長辺方向及び短
辺方向に沿った両側面と合成樹脂フィルムの未接着部分
に設ける空気抜き用の穴または切り欠きは、1〜20m
mの円形状、1〜60mmの直線状、コ字状等のスリッ
ト、5〜40mmの十字状、V字状等の形状とし、等間
隔で単列あるいは複数列設けることが好ましい。この空
気抜き用の穴または切り欠きの開口率は、全側面の表面
積に対して3〜20重量%設けることが好ましい。な
お、前記スリットを十字状の形状にした場合は、圧縮に
より空気が抜けるときは花びら状に大きく開口し、開放
により復元するときは十字状の形状に復元するので〔図
5(ア)(イ)(ウ)参照〕、空気の流通が十分に行わ
れるのみならず、外観上も優れており、しかも被覆材も
破れにくいという好結果が得られる。
【0027】
【実施例】次に、図面を参照して、本発明の好ましい例
を説明する。なお、無機質繊維マットの合成樹脂による
被覆方法及び接着位置等は、以下に挙げる例に限定され
るものではない。図1は本発明の合成樹脂フィルム被覆
無機質繊維断熱吸音材の実施例の一つを示す斜視図、図
2は図1におけるA−A線による縦断正面図、図3は図
1におけるB−B線による縦断側面図、図4は図1にお
けるC−C線による縦断側面図、図5(ア)(イ)
(ウ)は本発明における空気抜き用の穴または切り欠き
を十字状の形状に形成した場合の作動状態を示す説明
図、図6は本発明の他の実施例を示す斜視図、図7は図
6におけるD−D線による縦断正面図、図8は本発明の
さらに他の実施例を示す斜視図、図9は図8におけるE
−E線による縦断正面図、図10は図8におけるF−F
線による縦断正面図、図11は本発明のさらに他の実施
例を示す斜視図、図12は図11におけるG−G線によ
る縦断正面図、図13は図11におけるH−H線による
縦断正面図、図14は本発明の合成樹脂フィルム被覆無
機質繊維断熱吸音材を製造するための装置の一例を示す
平面図、図15は図14におけるI−I線による縦断側
面図である。
【0028】図14及び図15は本発明の合成樹脂フィ
ルム被覆無機質繊維断熱吸音材を製造するための装置
で、予め、図示しない製造工程により、無機質繊維に熱
硬化性樹脂を主成分とするバインダを付与して堆積さ
せ、該バインダを加熱硬化させてマット状に成形し、図
示しない幅カッターにより所定の長さに切断することに
より、無機質繊維マット1を製造しておく。この無機質
繊維マット1は、図14及び図15に示す製造装置にお
けるコンベア40に載って所定の間隔を設けて搬送され
る。さらに、この無機質繊維マット1は、図14の通
り、長さカッター48により裁断されて2列に分割処理
され、幅方向に所定間隔を開けて前記コンベア40で搬
送される。このコンベア40とそれに隣接するコンベア
41との間には、前記無機質繊維マット1を被覆するた
めの表面側合成樹脂フィルム2が上方から、また、裏面
側合成樹脂フィルム3が下方から供給されるように構成
されている。この表面側合成樹脂フィルム2は、ロール
64から帯状をなして供給され、前記表面側合成樹脂フ
ィルム2にノコ刃42を当てて、短辺方向に所定間隔を
開けて十字状スリット4を、また長辺方向に直線状スリ
ット5を複数列開口させるとともに、同時に2本のスプ
レーガン46aにより合成ゴム系接着剤6aを長辺方向
に連続的に塗布する。また、4本のスプレーガン46b
により合成ゴム系接着剤6bを前記表面側合成樹脂フィ
ルム2の短辺方向の全幅にわたり間歇的に塗布する。こ
の間歇的塗布は、例えば、赤外センサーにより、前記無
機質繊維マット1、1の切れ目を検知して、合成ゴム系
接着剤6bが該マット1の表面1cと接触して、該マッ
ト1と前記表面側合成樹脂フィルム2が押えロール43
によって接着されない部分に行われる。また、裏面側合
成樹脂フィルム3は、ロール65から帯状をなして供給
され、スプレーガン47によって、ホットメルト接着剤
7が連続的に塗布され、さらに前記無機質繊維マット1
の裏面に当接されて、前記コンベア41と無機質繊維マ
ット1との間に挿入される。
【0029】このようにして、表裏面を合成樹脂フィル
ム2、3で挟まれた無機質繊維マット1は、該マット1
及び合成樹脂フィルム2の接着剤6aが塗布された部分
に対応する部分を、押えロール43で連続的に押圧し
て、無機質繊維マット1と合成繊維フィルム2とを接着
する。次に、前記無機質繊維マット1の長辺方向に沿っ
た両側面1aの延出部8で前記合成樹脂フィルム2及び
3の接着剤7が塗布された部分に対応する部分を連続的
に押えロール44で押圧して、前記合成樹脂フィルム2
及び3同士を接着する。さらに、前記無機質繊維マット
1、1の長辺方向に沿った両側面1a、1aの延出部
8、8の合成樹脂フィルム2と合成樹脂フィルム3とが
接着された部分で、全長手方向にわたって長さカッター
49により切断する。次に、前記無機質繊維マット1、
1の短辺方向に沿った両側面1b、1bの延出部9、9
の間の合成樹脂フィルム2及び3の接着剤6b、7を、
押圧板45aを下降させて押圧板受け45bに押圧して
接着させる。前記接着剤6bは、前述のように、例え
ば、赤外センサーにより、前記無機質繊維マット1、1
の切れ目を検知して、該マット1と前記表面側合成樹脂
フィルム2が押えロール43によって接着されない部分
に間歇的に塗布されている。従って、前記接着剤6b
は、該マット1の表面1cと接触することなく押圧板4
5aにより押圧される位置まで運ばれてくるので、合成
樹脂フィルム2及び3の、前記無機質繊維マット1を被
覆する長さの違いから、合成樹脂フィルム2がダブつい
て合成樹脂フィルム3との未接着部分が発生したとして
も、押圧板45aを押圧板受け45bに押圧すること
で、合成樹脂フィルム2の未接着部分を確実に接着でき
る。また、図示していないが、押圧板45aにヒーター
を埋め込み、135〜140℃に加熱することで、合成
樹脂フィルム2及び3を熱融着して、上記押圧接着に加
えて更に確実に両者を接着できる。また、押えロール4
4、押圧板45a、カッター49に60〜70℃加熱を
付与することで、ダブついた合成樹脂フィルム2が、接
着剤6a、6b、7が関与してからみつき、製品不良と
なることを防止することもできる。
【0030】このようにして、無機質繊維マット1の表
面1c、裏面1d、長辺方向に沿った両側面1a、短辺
方向に沿った側面1bを合成樹脂フィルム2及び3によ
り被覆することができる。最後に、前記無機質繊維マッ
ト1、1同士の短辺方向に沿った両側面1b、1bの延
出部9、9の合成樹脂フィルム2及び3同士が接着され
た部分を、全幅方向にわたって幅カッター56により切
断することにより、無機質繊維マット1の全周を合成樹
脂フィルム2及び3で被覆され、無機質繊維の飛散を防
止できるようにした合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断
熱吸音材60が製造される。なお、上記実施例において
は、表面側合成樹脂フィルム2をロールから供給した際
に、十字状スリット4等の開口を形成させるようにして
いるが、該開口の形成はこの時点に限定されることはな
く、合成樹脂フィルム2を無機質繊維マット1へ供給す
る工程から、前記合成樹脂フィルム2を被覆した無機質
繊維マット1を全幅方向にわたって切断する工程の間の
いずれかで、合成樹脂フィルム2と無機質繊維マット1
の側面1a、1bの間の未接着部分に設けることができ
る。また、上記実施例においては、表面側合成樹脂フィ
ルム2をロール64から供給した際に、合成ゴム系接着
剤6aを塗布して、該合成樹脂フィルム2を無機質繊維
マット1を接着させるようにしているが、上記の手段に
限定されることはなく、前記裏面側合成樹脂フィルム3
と前記無機質繊維マット1のホットメルト接着剤7の接
着だけでもよい。
【0031】また、上記実施例においては、無機質繊維
マット1の長辺方向に沿った両側面1aの延出部8で、
前記合成樹脂フィルム2及び3同士の接着剤7が塗布さ
れた部分に対応する部分を連続的に押えロール44で押
圧して、合成樹脂フィルム2及び3を接着したが、これ
に限定されることなく、断続的に押えロール44で押圧
して、前記合成樹脂フィルム2及び3同士を接着するこ
とにより、長辺方向に沿った両側面1aの延出部8に未
接着部分が形成され、該未接着部分により空気抜きがで
き、スリット5の空気抜きを助けて製品の圧縮、復元を
スムーズに行うことができる。
【0032】図1乃至図13は、上記のようにして得ら
れた本発明の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音
材の好ましい実施例を示すものである。図1は合成樹脂
フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材60の一実施例であ
る。密度10kg/m3 、厚さ50mm、幅430m
m、長さ1370mmのグラスウール板を無機質繊維マ
ット1として用い、その表面側を、厚さ9μm、幅62
5mm、長さ1620mmのアルミニウム蒸着ポリエチ
レンフィルム2で、また、裏面側を、厚さ15μm、幅
500mm、長さ1620mmのポリエチレンフィルム
3で被覆した。このとき前記アルミニウム蒸着ポリエチ
レンフィルム2には合成ゴム系接着剤6aがその中央部
に幅100mmで単位面積当りの塗布量5g/m2で、
長手方向にわたり塗布されており、一方、前記ポリエチ
レンフィルム3は全面にわたりホットメルト接着剤7が
塗布されている。
【0033】また、前記無機質繊維マット1の長辺方向
に沿った両側面1aから幅30mm延出された延出部
8、8が設けられ、前記表面側のアルミニウム蒸着ポリ
エチレンフィルム2と、前記裏面側のポリエチレンフィ
ルム3がホットメルト接着剤7で接着されることによ
り、前記無機質繊維マット1の長辺方向に沿った両側面
1aが前記アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム2で
被覆される。また、前記無機質繊維マット1の短辺方向
に沿った両側面1bも前記表面側のアルミニウム蒸着ポ
リエチレンフィルム2と、前記裏面側のポリエチレンフ
ィルム3がホットメルト接着剤7で接着されることによ
り、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム2で被覆さ
れる。このとき、前記無機質繊維マット1の両側面1b
に対応する前記アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム
2には、40mm×40mmの十字状のスリット4が6
0mm間隔で7個形成されている。
【0034】また、断熱吸音材60を圧縮梱包する際
に、前記無機質繊維マット1とアルミニウム蒸着ポリエ
チレンフィルム2の未接着部分に存在する空気が、十字
状のスリット4を花びら状に押し開き空気抜きされる。
また、梱包の開放により断熱吸音材60が復元する際に
は、前記スリット4は元に戻る。図5(ア)(イ)
(ウ)はその作動状態を示すものである。
【0035】図6及び図7は、本発明の合成樹脂フィル
ム被覆無機質繊維断熱吸音材の他の実施例を示すもので
ある。この実施例においては、前記の実施例に加えて、
前記グラスウール板からなる無機質繊維マット1の両側
面1aに対応するアルミニウム蒸着ポリエチレンフィル
ム2に、2mm長、4mm高さ間隔の直線状スリット5
を、無機質繊維マット1の両側面1aの長手方向にわた
り、5mm間隔で26列形成している(図7はこの直線
状スリット5の配置を示すための図6におけるD−D線
による断面図である)。この実施例においては、無機質
繊維の飛散を防止できるとともに、断熱吸音材40を圧
縮梱包する際に、前記無機質繊維マット1とアルミニウ
ム蒸着ポリエチレンフィルム2の未接着部に存在する空
気が、十字状のスリット4を花びら状に押し開き、空気
抜きされる際に、前記直線状スリット5からも空気抜き
ができるので、空気抜き性能が向上する。
【0036】図8乃至図10は、本発明の合成樹脂フィ
ルム被覆無機質繊維断熱吸音材の上記とは異なる実施例
を示すものである。この実施例においては、前記の実施
例に加えて、前記グラスウール板からなる無機質繊維マ
ット1の長辺方向に沿った両側面1aから幅30mm延
出された延出部8、8において、前記表面側のアルミニ
ウム蒸着ポリエチレンフィルム2と、裏面側のポリエチ
レンフィルム3がホットメルト接着剤7で接着される際
に、延出部9を100mm長と、該延出部9に接する無
機質繊維マット1と裏面側のポリエチレンフィルム3の
接着部(隣接する前記表面側のアルミニウム蒸着ポリエ
チレンフィルム2と、裏面側のポリエチレンフィルム3
の接着部を含む)50を125mm長とを、前記ポリエ
チレンフィルム2及び3の両端に設け、両者の接着部5
0、50間については、接着部10が15mm長、未接
着部11が20mm長、と接着部と未接着部とを交互に
設けるようにした。なお、図9は図8のE−E線による
断面図で、前記の接着部を示し、また、図10は図8の
F−F線による断面図で、前記の未接着部を示すもので
ある。その結果、該未接着部11から空気抜きを行うこ
とができる。なお、この場合、上記のように接着部10
と未接着部11とを交互に設けるには、押さえロール4
4をカム式や、エアシリンダ式によって間歇昇降運転さ
せることにより、表面側のアルミニウム蒸着ポリエチレ
ンフィルム2と、裏面側のポリエチレンフィルム3の接
着、非接着を交互に繰り返すことで可能である。このよ
うに構成された本実施例の合成樹脂フィルム被覆無機質
繊維断熱吸音材においては、断熱吸音材60を圧縮梱包
する際に、無機質繊維マット1と前記のアルミニウム蒸
着ポリエチレンフィルム2の未接着部に存在する空気
が、上記の各実施例の場合と同様に、十字状のスリット
4を花びら状に押し開き、さらに、前記直線状スリット
5と前記未接着部11からも空気抜きができるので、空
気抜き性能が向上する。
【0037】図11乃至図13は、本発明の合成樹脂フ
ィルム被覆無機質繊維断熱吸音材のさらに上記の各実施
例とは異なる実施例を示すものである。この実施例にお
いては、前記の実施例に代えて、グラスウール板からな
る無機質繊維マット1と前記裏面側のポリエチレンフィ
ルム3とを全面接着することなく、100mm長の延出
部9、9と、該延出部9、9に接する125mm長の前
記無機質繊維マット1と裏面側のポリエチレンフィルム
3の接着部(隣接する前記表面側のアルミニウム蒸着ポ
リエチレンフィルム2と、裏面側のポリエチレンフィル
ム3の接着部を含む)51、51と、前記アルミニウム
蒸着ポリエチレンフィルム2と前記ポリエチレンフィル
ム3の延出部8に設けた100mm幅、30mm長の未
接着部52を挟み、100mm幅、860mm長の接着
部53にホットメルト接着剤7が塗布されている。塗布
方法は、複数本のスプレー47の間歇吹きが可能であ
る。このように構成された本実施例においては、前記の
ホットメルト接着剤7を付着されたポリエチレンフィル
ム3と、スプレー46aにより、中央部100mm幅で
合成ゴム系接着剤6aが塗布されたアルミニウム蒸着ポ
リエチレンフィルム2とにより無機質繊維マット1を被
覆することで、該無機質繊維マット1の裏面中央部54
と未接着部52、52、52、52を除く周辺が接着さ
れる。その結果、未接着部52から空気抜きを行うこと
ができる。図12は、上記の全面接着部51を示すもの
で、図11におけるG−G線による断面図、図13は同
じく接着部53を示すもので、図11におけるH−H線
による断面図である。なお、上記表面側のアルミニウム
蒸着ポリエチレンフィルム2には、ロールから巻き戻し
た際に、長辺方向に連続して端部から延出部8の幅30
mmの間隔を隔てて、150mm幅で1.4mm×2.
0mmのコ字状のスリット5を8mm間隔で形成し、全
側面1a,1a,1b,1bの表面積に対して7%とな
るように開口する。このスリット5は、該アルミニウム
蒸着ポリエチレンフィルム2により前記無機質繊維マッ
ト1を被覆した際に、該無機質繊維マット1の両側面1
a、1aと、表面1cの端部に位置することになる。従
って、該スリット5は、前記未接着部52の空気抜きと
合わせて梱包・開梱時の圧縮、復元を容易にする作用を
行うことになる。また、前記の表面側のアルミニウム蒸
着ポリエチレンフィルム2には、ロールから巻き戻した
際に、長辺方向に連続して、中央部に幅300mmの間
隔を隔てて、ノコ刃による穴55を形成しておくと、本
実施例の無機質繊維断熱吸音材を、住宅の壁等の所要箇
所に施工したとき、その後の製品の湿分を外気側に放出
させて結露を防止することができる。なお、後の実施例
の場合も、前記無機質繊維マット1は、その全面を合成
樹脂フィルム2及び3により被覆されているので、無機
質繊維の飛散を防止できることは勿論のことである。な
お、前記実施例では、未接着部52,52,52,52
の間に接着部53,53を設けているが、スプレー47
からの接着剤7の間歇吹き運転をすることにより、空気
抜きを更に補助する目的で接着部53,53の長さを短
くして未接着部52を増やしたり、また、接着部53,
53の代わりに5〜15mm径の点状の接着部とするこ
ともできる。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の合成樹
脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材及びその製造法に
よれば、取り扱い時に無機質繊維が飛散して、取扱者に
チクチクした不快感を与えることなく、取り扱いを快適
に行うことができる。また、本発明断熱吸音材を、住宅
の壁等に施工した場合に、該断熱吸音材の内部に湿気が
侵入して結露することを防止することができる。また、
従来、部分的に接着することによる接着部のハガレよる
外観不良、延出部(耳部)の折り曲がり、カール等によ
る施工時のタッカー留めに手間取る問題等々、従来品に
おける種々の問題を解消することができるとともに、梱
包時における圧縮に起因する空気抜き、開梱時における
復元等の問題に対しても、空気抜きの開口を十分に形成
しているので、十分に対処することができる等々、その
効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱
吸音材の実施例の一つを示す斜視図。
【図2】図1におけるA−A線による縦断正面図。
【図3】図1におけるB−B線による縦断側面図。
【図4】図1におけるC−C線による縦断側面図。
【図5】(ア)(イ)(ウ)は本発明における空気抜き
の用の穴または切り欠きを十字状に形成した場合の作動
状態を示す説明図。
【図6】本発明の他の実施例を示す斜視図。
【図7】図6におけるD−D線による縦断を示す正面
図。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図。
【図9】図8におけるE−E線による縦断正面図。
【図10】図8におけるF−F線による縦断正面図。
【図11】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図。
【図12】図11におけるG−G線による縦断正面図。
【図13】図11におけるH−H線による縦断正面図。
【図14】本発明の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断
熱吸音材を製造するための装置の一例を示す平面図。
【図15】図14におけるI−I線による縦断側面図。
【符号の説明】
1 無機質繊維マット 1a 両側面(長辺方向) 1b 両側面(短辺方向) 1c 表面 1d 裏面 2 表面側合成樹脂フィルム 3 裏面側合成樹脂フィルム 4 十字状スリット 5 スリット 6a 合成ゴム系接着剤 6b 合成ゴム系接着剤 7 ホットメルト接着剤 8 延出部 9 延出部 10 接着部 11 未接着部 40 コンベア 41 コンベア 42 ノコ刃 43 押えロール 44 押えロール 45a 押圧板 45b 押圧板受け 46a スプレー 46b スプレー 47 スプレー 48 長さカッター 49 長さカッター 50 接着部 51 接着部 52 未接着部 53 接着部 54 中央部 55 穴 56 幅カッター 60 合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材 64 ロール 65 ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪熊 雄一 岐阜県不破郡垂井町630 日本無機株式会 社垂井工場内 (72)発明者 木元 和己 岐阜県不破郡垂井町630 日本無機株式会 社垂井工場内 Fターム(参考) 2E001 DD01 DF04 FA03 GA23 GA29 GA42 HA32 HA33 HB04 HD11 HD13 HD14 JD08 LA04 4F100 AA01B AB10 AG00 AK01A AK01C AK04 AN02G BA03 BA07 BA10A BA10C BA32 CB03 DC12A DC13A DC23A DG01B DG11B EA061 EG002 EH012 EH462 EH66 EJ182 EJ302 EJ33 EK09 GB07 JH01 JJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質繊維マットの表裏面に二枚の合成
    樹脂フィルムを重合させ、かつ、該二枚の合成樹脂フィ
    ルムの両側を、前記無機質繊維マットの長辺方向に沿っ
    た両側面及び短辺方向に沿った両側面からそれぞれ延出
    させ、かつ、前記二枚の合成樹脂フィルムの前記無機質
    繊維マットの長辺方向に沿った両側の延出面を重合して
    接着し、さらに前記二枚の合成樹脂フィルムの前記無機
    質繊維マットの短辺方向に沿った両側の延出面を互いに
    全面的に接着することにより前記無機質繊維マットの全
    面が被覆されており、かつ、前記合成樹脂フィルムに開
    口を設け、該開口と、前記無機質繊維マットの両側面の
    間に形成される未接着部分とにより、空気の流通が可能
    とされていることを特徴とする合成樹脂フィルム被覆無
    機質繊維断熱吸音材。
  2. 【請求項2】 前記無機質繊維マットの表裏いずれか一
    方の面と、前記合成樹脂フィルムが接着剤により全面的
    に接着されていることを特徴とする請求項1記載の合成
    樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材。
  3. 【請求項3】 前記開口が、前記合成樹脂フィルムと前
    記無機質繊維マットの短辺方向に沿った両側面の未接着
    部分に設けられた空気抜きの穴あるいは切り欠きである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂フィ
    ルム被覆無機質繊維断熱吸音材。
  4. 【請求項4】 前記開口が、前記合成樹脂フィルムと前
    記無機質繊維マットの長辺方向に沿った両側面の未接着
    部分に設けられた空気抜きの穴あるいは切り欠きである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の合
    成樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材。
  5. 【請求項5】 前記合成樹脂フィルム同士が、前記無機
    質繊維マットの長辺方向に沿った両側面から延出された
    延出面において断続的に接着され、その未接着部分にお
    いて空気の流通が可能になるように構成されていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の合成樹
    脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材。
  6. 【請求項6】 前記無機質繊維マットの表裏いずれか一
    方の面と、前記合成樹脂フィルムが接着剤により全面的
    に接着されているとともに前記無機質繊維マットの表裏
    いずれか他方の面と、前記合成樹脂フィルムが接着剤に
    より前記無機質繊維マットの短辺方向において部分的に
    接着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれかに記載の合成樹脂フィルム被覆無機質繊維断
    熱吸音材。
  7. 【請求項7】 無機質繊維に熱硬化性樹脂を主成分とす
    るバインダを付与して堆積させ、前記バインダを加熱硬
    化させてマット状に成形し、所定寸法に切断して複数の
    無機質繊維マットとし、該無機質繊維マットを所定間隔
    をおいて供給する工程と、二枚の合成樹脂フィルムを、
    その少なくとも一方に連続的にあるいは断続的に接着剤
    を塗布しながら、前記無機質繊維マットの両面を挟むよ
    うに供給する工程と、前記無機質繊維マットと前記合成
    樹脂フィルムの接着剤塗布面とを連続的に押圧して両者
    を接着させる工程と、前記無機質繊維マットの長辺方向
    に沿った両側面の延出部同士を連続的あるいは非連続的
    に押圧し、該部分に塗布された接着剤により合成樹脂フ
    ィルム同士を接着させる工程と、前記無機質繊維マット
    同士の長辺方向に沿った両側面の前記延出部の接着部分
    を全長手方向にわたって切断する工程と、前記無機質繊
    維マット同士の短辺方向に沿った両側面の延出部の間で
    前記合成樹脂フィルム同士を押圧して全面的に接着させ
    る工程と、前記接着部分を全幅方向にわたって切断する
    工程と、前記の各工程のいずれかの間で、前記合成樹脂
    フィルムと前記無機質繊維マットの両側面の間の未接着
    部分に開口を設ける工程とを含むことを特徴とする合成
    樹脂フィルム被覆無機質繊維断熱吸音材の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019202455A (ja) * 2018-05-22 2019-11-28 株式会社ホウセン 断熱材表皮被覆装置
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