JP7045033B2 - 毛髪用化粧料 - Google Patents
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Description
1.アリトール、タリトールのいずれか、または両方を含有することを特徴とする毛髪用化粧料。
2.前記アリトール、タリトールのいずれか、または両方を、0.01質量%以上20質量%以下含むことを特徴とする1.に記載の毛髪用化粧料。
3.ヘアトリートメント、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアミスト、整髪料のいずれかであることを特徴とする1.または2.に記載の毛髪用化粧料。
アリトール(Allitol)、タリトール(Talitol)は、自然界にその存在量が少ない単糖(希少糖)の誘導体であり、希少糖糖アルコールの一種である。アリトールは、D体とL体とが同一化合物である。タリトールは、D体とL体が存在し、本発明においては、D-タリトール、L-タリトール、およびこれらの混合物であるDL-タリトールのいずれも用いることができる。本発明において、アリトール、タリトールは、市販の試薬を用いることができる。
本発明の毛髪用化粧料は、ヘアトリートメント、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアミスト、整髪料等とすることができる。
毛髪がダメージを受けて酸化されるとシステイン酸が生成する。そのため、毛髪中のシステイン酸量は、毛髪の酸化劣化の指標とすることができる。
試験溶液は、精製水(基準)、5%アリトール水溶液(実施例)、5%D-グルコース水溶液(比較例)の3種類を用意した。
市販の人毛黒髪(同一人)を三つの毛束に分け、下記a.~e.の操作を10回繰り返した。
a.試験溶液に毛束を30秒浸漬し、ドライヤーで熱風を当てて乾かした。
b.リングコームで20回くし通しをし、200℃のストレートアイロンで一定の速さで5回アイロンスルーした。
c.常温の1.5%ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDSという)水溶液に5分浸漬した。
d.40℃の水道水に5分浸漬した。
e.流水で2分洗浄し、ドライヤーで熱風を当てて乾かした。
水(基準)で処理したときのシステイン酸量は0.143であるのに対して、アリトール(実施例)で処理したときのシステイン酸量は0.134となり、危険率p<0.01で有意にシステイン酸量が少なかった。すなわち、毛髪をアリトールで処理することにより、ドライヤーとくし通しによる損傷が抑制できた。一方、D-グルコース(比較例)で処理したときのシステイン酸量は0.147であり、水(基準)と有意差はなかった。
毛髪が劣化するとタンパク質の溶出量が増加する。そのため、タンパク質の溶出量は、毛髪の劣化の指標とすることができる。
試験溶液は、精製水(基準)、5%アリトール水溶液(実施例)、5%D-タリトール水溶液(実施例)の3種類を用意した。
市販の人毛黒髪(同一人)を二つに分け、一方をブリーチ(脱色)した。なお、ブリーチは、6%の過酸化水素と0.5%のアンモニアを含有する常温の水溶液に毛束を20分間浸漬し、水洗し、ドライヤーで乾かす操作を3回繰り返して行った。
熱ダメージを与えた部分の毛髪を5~10mm程度の長さに刻み、遠沈チューブに100mg秤取した。この遠沈チューブに溶出液として、1.5%のSDSと50mMのTris-HClを含有する水溶液を1mL加え、37℃で2.5時間静置し、タンパク質を溶出させた。
静置後、遠心分離器で5000rpm、25℃、5minで毛髪を沈降させ、上清を採取し、上清中のタンパク質量をBCA法にて測定した。毛髪秤取-タンパク質溶出-BCA法によるタンパク質量の測定は3回行い、平均値を求めた。通常の毛髪、ブリーチした毛髪での結果を、それぞれ図2、3に示す。
[通常の毛髪]
熱ダメージを与えていない毛髪からのタンパク質の溶出量は29.6μg/mLであったのに対して、熱ダメージを与えた毛髪からのタンパク質の溶出量は101.7μg/mLであり、約3.4倍に増加した。一方、アリトールで処理したのちに熱ダメージを与えた毛髪からのタンパク質の溶出量は19.9μg/mL、D-タリトールで処理したのちに熱ダメージを与えた毛髪からのタンパク質の溶出量は19.4μg/mLであり、どちらも熱ダメージを与えていない毛髪からのタンパク質量と変わらず、劣化が全く生じていないことが確認できた。
熱ダメージを与えていないブリーチをした毛髪からのタンパク質の溶出量は181.0μg/mLであったのに対して、熱ダメージを与えたブリーチした毛髪からのタンパク質の溶出量は351.1μg/mLであり、約1.9倍に増加した。一方、アリトールで処理したのちに熱ダメージを与えたブリーチをした毛髪からのタンパク質の溶出量は168.8μg/mLであり、熱ダメージを与えていないブリーチをした毛髪からのタンパク質溶出量と変わらず、劣化が全く生じていないことが確認できた。D-タリトールで処理したのちに熱ダメージを与えたブリーチをした毛髪からのタンパク質の溶出量は231.7μg/mLであり、熱ダメージを与えていないブリーチをした毛髪からのタンパク質の溶出量の約1.3倍であり、アリトールやD-タリトールで処理していない熱ダメージを与えた毛髪のタンパク質溶出量の増加比率である約1.9倍と比べて、顕著に増加比率が小さく、D-タリトール処理による熱劣化抑制効果が確認できた。
実施例2と同条件で、使用する毛髪と試験溶液を変えて、通常毛について実験した。
試験溶液は、精製水(基準)、5%D-ソルビトール水溶液(比較例)、5%アリトール水溶液(実施例)、の3種類を用意した。
市販の人毛黒髪(実験例2と別人)を用いた。
熱ダメージを与えた部分の毛髪を5~10mm程度の長さに刻み、遠沈チューブに100mg秤取した。この遠沈チューブに溶出液として、1.5%のSDSと50mMのTris-HClを含有する水溶液を1mL加え、37℃で2.5時間静置し、タンパク質を溶出させた。
静置後、遠心分離器で5000rpm、25℃、5minで毛髪を沈降させ、上清を採取し、上清中のタンパク質量をBCA法にて測定した。毛髪秤取-タンパク質溶出-BCA法によるタンパク質量の測定は3回行い、平均値を求めた。結果を、図4に示す。
熱ダメージを与えていない毛髪からのタンパク質の溶出量は15.0μg/mLであったのに対して、熱ダメージを与えた毛髪からのタンパク質の溶出量は32.9μg/mLであり、約2.2倍に増加した。D-ソルビトールで処理したのちに熱ダメージを与えた毛髪からのタンパク質の溶出量は29.5μg/mLであり、熱処理前と比べて約2.0倍に増加した。D-ソルビトールには、熱ダメージによる劣化の抑制効果が殆ど認められなかった。一方、アリトールで処理したのちに熱ダメージを与えた毛髪からのタンパク質の溶出量は15.6μg/mLであり、熱ダメージを与えていない毛髪からのタンパク質量と殆ど変わらず、劣化が生じていないことが確認できた。
ヘアシャンプー
(配合成分) (質量%)
1.BG 6
2.ペンチレングリコール 2
3.アリトール 5
4.タリトール 5
5.ココイルグルタミン酸K 8
6.ココイルアラニンNa 5
7.ココアンホ酢酸Na 5
8.セテアレス-60ミリスチルグリコール 3
9.ポリクオタニウム-10 0.5
10.クエン酸 0.7
11.精製水 残余
(1)80℃に加熱混合した3~8,11に、先に混合した1,2,9を徐々に添加し80℃で均一撹拌する。
(2)(1)を30℃まで冷却し10を加えて均一混合しヘアシャンプーとした。
ヘアトリートメント
(配合成分) (質量%)
1.水添ナタネ油アルコール 12
2.ベヘナミドプロピルジメチルアミン 3
3.ジメチコン 6
4.ステアリン酸イソセチル 3
5.BG 6
6.ペンチレングリコール 2
7.アリトール 3
8.タリトール 3
9.乳酸 0.8
10.精製水 残余
(1)80℃に加熱混合した5~10に、80℃に加熱混合した1~4を徐々に添加し均一撹拌する。
(2)(1)を撹拌しながら30℃まで冷却しヘアトリートメントとした。
ヘアクリーム
(配合成分) (質量%)
1.エチルヘキサン酸セチル 3
2.ジメチコン 2
3.シア脂 1
4.ステアリン酸グリセリル(SE) 3
5.ステアリン酸ポリグリセリル-10 2
6.BG 6
7.ペンチレングリコール 2
8.アリトール 1
9.タリトール 1
10.カルボマー 0.2
11.精製水 残余
12.pH調整剤 適量
(1)80℃に加熱混合した6~11に、80℃に加熱混合した1~5を徐々に添加し均一撹拌する。
(2)(1)を撹拌しながら30℃まで冷却し12を加えてヘアクリームとした。
ヘアミスト
(配合成分) (質量%)
1.BG 6
2.ペンチレングリコール 2
3.アリトール 0.05
4.タリトール 0.05
5.エタノール 6
6.PEG-11メチルエーテルジメチコン 3
7.精製水 残余
(1)1~7を均一混合し、ヘアミストとした。
Claims (3)
- アリトール、タリトールのいずれか、または両方を含有し、酸化及び熱ダメージによる劣化抑制用であることを特徴とする毛髪用化粧料。
- 前記アリトール、タリトールのいずれか、または両方を、0.01質量%以上20質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の毛髪用化粧料。
- ヘアトリートメント、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアミスト、整髪料のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の毛髪用化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017206925A JP7045033B2 (ja) | 2017-10-26 | 2017-10-26 | 毛髪用化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017206925A JP7045033B2 (ja) | 2017-10-26 | 2017-10-26 | 毛髪用化粧料 |
Publications (2)
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---|---|
JP2019077651A JP2019077651A (ja) | 2019-05-23 |
JP7045033B2 true JP7045033B2 (ja) | 2022-03-31 |
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ID=66626340
Family Applications (1)
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JP2017206925A Active JP7045033B2 (ja) | 2017-10-26 | 2017-10-26 | 毛髪用化粧料 |
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Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011081814A1 (de) | 2011-08-30 | 2012-07-19 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Mittel für keratinhaltige Fasern enthaltend mindestens ein festigendes Polymer, mindestens einen festen Zuckeralkohol und spezielle Polyalkylenglykole |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8914905D0 (en) * | 1989-06-29 | 1989-08-23 | Unilever Plc | Cosmetic composition |
-
2017
- 2017-10-26 JP JP2017206925A patent/JP7045033B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011081814A1 (de) | 2011-08-30 | 2012-07-19 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Mittel für keratinhaltige Fasern enthaltend mindestens ein festigendes Polymer, mindestens einen festen Zuckeralkohol und spezielle Polyalkylenglykole |
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JP2019077651A (ja) | 2019-05-23 |
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