JP7044510B2 - 酸化セリウム含有複合研磨材 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化セリウム含有複合研磨材、及びこれを用いた研磨液組成物、並びに研磨液組成物を用いた半導体基板の製造方法、研磨方法、及び半導体装置の製造方法に関する。
ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)技術とは、加工しようとする被研磨基板の表面と研磨パッドとを接触させた状態で研磨液をこれらの接触部位に供給しつつ被研磨基板及び研磨パッドを相対的に移動させることにより、被研磨基板の表面凹凸部分を化学的に反応させると共に機械的に除去して平坦化させる技術である。
CMP技術のパフォーマンスは、CMPの工程条件、研磨液の種類、研磨パッドの種類等によって決められる。これらの中でも、特に、研磨液は、CMP工程のパフォーマンスに最も大きな影響を及ぼす因子である。この研磨液に含まれる研磨粒子としては、シリカ(SiO2)やセリア(CeO2)が広く用いられている。
現在では、半導体素子等の半導体装置の製造工程における、層間絶縁膜の平坦化、シャロートレンチ素子分離構造(以下「素子分離構造」ともいう)の形成、プラグ及び埋め込み金属配線の形成等を行う際には、このCMP技術が必須の技術となっている。近年、半導体素子の多層化、高精細化が飛躍的に進み、半導体素子の歩留まり及びスループット(収量)の更なる向上が要求されるようになってきている。それに伴い、CMP工程に関しても、研磨傷フリーで且つより高速な研磨が望まれるようになってきている。
特に、汎用的に用いられるメモリ分野では、スループット向上が重要な課題であり、スループット向上に向け、研磨剤の改良も進んでいる。例えば研磨粒子としてセリアを用いた場合、被研磨膜(酸化珪素膜)の研磨速度を向上させるためには、研磨粒子の粒子径を大きくすることが一般的に知られているが、粒子径を大きくすると、研磨傷の増加により品質面で劣るようになり、歩留まりを低下させる結果となる。
そこで、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示の酸化珪素膜研磨用研磨液組成物では、シリカ粒子とシリカ粒子表面の少なくとも一部を覆う粒状セリアとを含むセリアコートシリカ粒子を、砥粒として含むことにより、粉砕法で形成された粉砕セリアを用いた場合と比較して、研磨速度の向上と研磨傷の低減を可能としている。しかしながら、更なる研磨速度の向上が望まれていた。
特許文献3には、台金の表面に超砥粒が結合材により単層固着された、金属膜のCMP研磨パッド用のコンディショナであって、超砥粒には、結晶面が{100}面及び{111}面の両方から構成される六八面体をなす超砥粒が40重量%以上含有される、研磨パッド用のコンディショナが開示されている。超砥粒としては、ダイヤモンド砥粒が記載されている。
特開2015-231029号公報 WO2016/104611号公報 特開2009-136926号公報
近年の半導体分野においては高集積化が進んでおり、配線の複雑化や微細化がより一層求められている。そのため、特許文献1及び特許文献2に記載の組成物を用いる場合よりも酸化珪素膜等の被研磨対象の研磨をより高速で進行させることへの要求がますます高まっている。
本発明は、研磨速度を向上できる酸化セリウム含有複合研磨材、これを用いた研磨液組成物、半導体基板の製造方法、研磨方法及び半導体装置の製造方法を提供する。
本発明は、コア粒子と、前記コア粒子の少なくとも一部を覆うように前記コア粒子表面に固着された酸化セリウム粒子とを含み、前記酸化セリウム子表面における{100}面の露出量が10%以上である、酸化セリウム含有複合研磨材に関する。
本発明は、本発明の酸化セリウム含有複合研磨材、及び水系媒体を含む、研磨液組成物に関する。
本発明は、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法に関する。
本発明は、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、基板の研磨方法に関する。
本発明は、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体装置の製造方法に関する。
本発明によれば、研磨速度を向上できる酸化セリウム含有複合研磨材を提供できるという効果を奏し得る。
通常、酸化セリウム(以下、「セリア」ともいう)をビルドアップ法で合成した場合、{111}面、{100}面、{110}面といった結晶面が表面に露出することが知られている。本発明者らが鋭意検討した結果、コア粒子と前記コア粒子の少なくとも一部を覆うように前記コア粒子表面に固着された酸化セリウム粒子とを含む酸化セリウム含有複合研磨材において、酸化セリウム粒子表面における{100}面の露出量が10%以上であると、研磨速度を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明において{100}面とは、酸化セリウムのX線回折測定で検出される33°付近に現れるピークに対応する{200}面に相当する。
すなわち、本発明の酸化セリウム含有複合研磨材の一例(以下、「本発明の複合研磨材」という。)は、研磨材として使用される砥粒であって、コア粒子と前記コア粒子の少なくとも一部を覆うように前記コア粒子表面に固着された酸化セリウム粒子とを含み、前記酸化セリウム粒子表面における{100}面の露出量が10%以上である、酸化セリウム含有複合研磨材に関する。また、本発明の複合研磨材の他の一例は、コア粒子と、前記コア粒子表面の少なくとも一部を覆うように前記コア粒子に固着された酸化セリウム粒子とを含み、前記複合研磨材は、前記コア粒子又は前記コア粒子の前駆体の表面の少なくとも一部を、粒子表面における{100}面の露出量が10%以上の前記酸化セリウム粒子で覆った後、これらを焼成することにより得たものであり、前記コア粒子の前駆体は、前記焼成により前記コア粒子となるものである。本発明の複合研磨材によれば、研磨速度を向上できる。
[酸化セリウム含有複合研磨材]
本発明の複合研磨材は、好ましくは、コア粒子の表面に、微細な酸化セリウム粒子が、不均一に固着することにより、粒子表面が微細な凹凸を有する構造をしている。本発明の複合研磨材は、より好ましくは金平糖型粒子である。
前記金平糖型粒子は、球状のコア粒子表面にセリアからなり特異な疣状突起を有する粒子をいう。前記金平糖型粒子は、好ましくは、コア粒子と、粒径がコア粒子の1/5以下である1個以上の酸化セリウム粒子とが、固着した形状である。前記金平糖型粒子は、好ましくは粒径の小さい複数の酸化セリウム粒子が粒径の大きな1個のコア粒子に一部埋没した状態である。
本発明の複合研磨材の平均一次粒子径は、研磨速度向上の観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上であり、更に好ましくは50nm以上であり、そして、研磨傷の低減の観点から、好ましくは350nm以下、より好ましくは200nm以下である。本発明の複合研磨材の平均一次粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
[コア粒子]
コア粒子としては、シリカ粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタン粒子、及びポリマー粒子から選ばれる少なくとも1種の、従来から研磨材として使用される粒子が挙げられるが、研磨速度向上の観点から、好ましくはシリカ粒子であり、より好ましくはコロイダルシリカである。
コア粒子の形状は、研磨速度向上の観点から、好ましくは、球状である。本発明においては「球状」とは、TEMを用いて観察を行い、TEMにより観測される一次粒子の最大長さに対して、最大長さ方向に対して垂直な方向の長さが、0.6倍以上となる形状であり、より好ましくは0.8倍以上となる形状をいう。
コア粒子の平均一次粒子径は、研磨速度向上の観点から、好ましくは15nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは40nm以上であり、そして、研磨傷の低減の観点から、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下である。コア粒子の平均一次粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
[酸化セリウム粒子]
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子の形状は、例えば、球状、多面体形状が挙げられ、研磨速度向上の観点から、四角形に囲まれた六面体形状が好ましく、平行六面体状がより好ましく、直方体形状が更に好ましく、立方体形状が更により好ましい。
研磨時に被研磨基板に接する酸化セリウム粒子の面は、研磨速度向上の観点から、{100}面であると好ましく、酸化セリウム粒子表面における{100}面の露出量が高いほど好ましい。本発明の複合研磨材は、研磨速度向上の観点から、酸化セリウム粒子表面における{100}面の露出量が、10%以上であって、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましく、100%が更により好ましい。{100}面の露出量が高くなるほど、酸化セリウム粒子の形状は四角形に囲まれた六面体形状に近づいていき、露出量が100%のときの酸化セリウム粒子の形状は、四角形に囲まれた六面体形状である。本発明において{100}面の露出量は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)観察等による画像解析から算出でき、具体的には、1個又は無作為に選んだ複数個の粒子についてSEM等にて観察し、観察画像中の1個の粒子の表面積に対する四角形部分の面積の割合、又は、複数個の各粒子それぞれの表面積に対する四角形部分の面積の割合の平均値から算出でき、さらに具体的には、実施例に記載の方法により測定できる。本発明において、SEM観察等により得られる画像中の粒子の四角形部分を{100}面とみなすことができる。
前記{100}面の露出量の制御方法としては、例えばJ.Phys.Chem.B 2005, 109, p24380-24385やCrystal Growth & Design, Vol.9, No.12, p5297-5303, 2009に記載の方法を採用することができる。例えば、高濃度かつ強アルカリ条件下での水熱処理による特定結晶形状の酸化セリウムを生成する方法、又は、予めセリウム原料とアルカリから生成した水酸化物を超臨界条件(例えば、400℃、38MPa)にて結晶化させて酸化セリウムを生成させる方法が挙げられる。結晶成長過程において、デカン酸やドデカン酸等のモノカルボン酸、アジピン酸やピメリン酸等のジカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸系ポリマー、及びリン酸3ナトリウム等のリン酸化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を適宜添加することで、特定結晶面にこれら化合物が吸着するため、最終的に得られる結晶の形状においては、これら化合物が吸着した面が選択的に保護されて残存し、結晶形状の制御が可能になると考えられる。
粒子表面における{100}面の露出量が10%以上である酸化セリウム粒子は、一実施形態において、別の言い方をすれば、所定の還元特性を有し、前記還元特性により、研磨速度の向上を可能としている。前記還元特性は、昇温還元法(Temperature-Programmed-Reaction。以下、「TPR」ともいう。)により測定される300℃以下の水生成量により評価でき、本発明の複合粒子を構成する酸化セリウム粒子は、一態様において、昇温還元法により測定される300℃以下の水生成量が、酸化セリウム粒子の単位表面積あたり、好ましくは1mmol/m2以上である。
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子は、研磨速度向上の観点から、TPRにより測定される300℃以下の水生成量が、酸化セリウム粒子の単位表面積あたり、1mmol/m2以上が好ましく、3mmol/m2以上がより好ましく、5mmol/m2以上が更に好ましく、8mmol/m2以上が更に好ましく、9mmol/m2以上がより好ましく、10mmol/m2以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、80mmol/m2以下が好ましい。本発明においてセリア砥粒の水生成量は、実施例に記載の方法により測定できる。
水生成量は、例えば、J.Phys.Chem.B 2005, 109, p24380-24385に記載の方法で、制御することができる。例えば、高濃度かつ強アルカリ条件下での水熱処理による特定結晶形状の酸化セリウムを製造する方法の結晶成長過程において、水熱処理の時間及び反応温度、並びにアルカリ剤の添加量を変更することにより、還元特性を変化させ、水生成量を制御することができる。
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子の窒素吸着(BET)法によって算出されるBET比表面積は、研磨速度向上の観点から、9.8m2/g以上が好ましく、9.9m2/g以上がより好ましく、10.0m2/g以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、150m2/g以下が好ましい。本発明においてBET比表面積は、実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子の平均一次粒子径は、研磨速度向上の観点から、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、30nm以上が更により好ましく、そして、スクラッチ低減の観点から、150nm以下が好ましく、130nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましく、80nm以下が更に好ましく、40nm以下が更により好ましい。本発明において酸化セリウム粒子の平均一次粒子径は、実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子の結晶子径は、研磨速度向上の観点から、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、15nm以上が更に好ましく、そして、50nm以下が好ましく、45nm以下がより好ましく、40nm以下が更に好ましく、30nm以下が更により好ましい。より好ましくは結晶子径とSEM或いはTEMより測定される一次粒子径が同一、つまり単結晶状である。本発明において酸化セリウム粒子の結晶子径は、実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子は、研磨速度向上の観点から、コロイダルセリアが好ましい。コロイダルセリアは、例えば、特表2010-505735号公報に記載されているようなビルドアッププロセスにより得ることができる。
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子は、酸化セリウム単独からなる酸化セリウム粒子であってもよいし、酸化セリウム粒子中のセリウム原子(Ce)の一部がその他の原子に置換された複合酸化物粒子であってもよい。その他の原子としては、例えば、ジルコニウム原子(Zr)が挙げられる。すなわち、酸化セリウム粒子は、例えば、セリア砥粒中のCeの一部がZrに置換された複合酸化物粒子、Ce及びZrを含む複合酸化物粒子、又は、セリア(CeO2)結晶格子中にZrが固溶した複合酸化物粒子が挙げられる。酸化セリウム粒子が該砥粒中のCeの一部がZrに置換された複合酸化物粒子である場合、研磨速度向上の観点から、酸化セリウム粒子中のZrの含有量(モル%)は、CeとZrの合計量(100モル%)に対して、15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、そして、35モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。前記複合酸化物粒子の製造方法としては、例えば、特開2009-007543号記載の方法が採用できる。
本発明の複合研磨材を構成する酸化セリウム粒子は、一実施形態において、ケイ素(Si)を実質的に含まない。この場合、酸化セリウム粒子中のSi含有量は、SiO2換算で、例えば、1質量%以下又は0質量%が挙げられる。
[酸化セリウム含有複合研磨材の製造方法]
本発明の複合研磨材の製造方法の一例としては、酸化セリウム粒子で、コア粒子又は焼成により結晶化してコア粒子となるコア粒子前駆体(以下、コア粒子とコア粒子前駆体を「被固着粒子」と総称する。)の表面の少なくとも一部、好ましくは一部を覆った後、焼成することにより、コア粒子に酸化セリウム粒子を固着させ方法が挙げられる。具体的には、その表面に非晶質体が沈着した被固着粒子の水分散液を攪拌しながら、酸化セリウム粒子の水分散液を滴下して、被固着粒子表面の少なくとも一部、好ましくは一部を酸化セリウム粒子で覆い、好ましくは40℃以上100℃以下の温度で、好ましくは0.5~12時間加熱した後、固形分を濾別し、前記固形分を好ましくは200℃以上800℃以下の温度で、0.25~12時間焼成することで、製造できる。非晶質体は、酸化セリウム粒子をコア粒子に固着させるためのバインダーとして機能する。焼成により、酸化セリウム粒子とコア粒子とが強固に固着される。被固着粒子が、コア粒子前駆体であり、例えば、シリカゾル粒子等の非晶質粒子である場合、焼成により結晶化して、コア粒子となる。被固着粒子は、例えば、加熱前後及び焼成前後で変質しないコア粒子であり、例えば、結晶性粒子であってもよい。バインダーとして機能する前記非晶質体と被固着粒子の材料は、非晶質シリカとシリカゾル粒子の関係のように同種であってもよいが、非晶質シリカとアルミナゾル粒子の関係のように異種であってもよい。被固着粒子表面への非晶質体の沈着は、例えば、非晶質体が非晶質シリカである場合、被固着粒子の水分散液と、ケイ酸エチル等の酸化珪素供給源をエタノール等の水系溶媒に溶解して得た表面処理剤水溶液とを混合し、これらを攪拌下で、所定時間加熱することにより行える。
すなわち、本発明の複合研磨材の製造方法の一例は、コア粒子と、前記コア粒子の少なくとも一部、好ましくは一部を覆うように前記コア粒子表面に直接又は間接的に固着された酸化セリウム粒子とを含む複合研磨材の製造方法であり、被固着粒子表面の少なくとも一部、好ましくは一部を、粒子表面における{100}面の露出量が10%以上の前記酸化セリウム粒子で覆った後、これらを焼成する工程を含み、前記被固着粒子は、前記コア粒子、又は焼成により前記コア粒子となるコア粒子前駆体である。本発明の複合研磨材の製造方法の好ましい一例では、前記工程において、被固着粒子表面の少なくとも一部に、好ましくは一部に、非晶質体を介して前記酸化セリウム粒子を固着させる。
本発明の複合研磨材の製造方法の好ましい一例では、前記工程において、被固着粒子水分散液と、非晶質体を媒体に溶解させて得た溶液との混合液を加熱して、被固着粒子表面に非晶質体が沈着した被固着粒子の分散液を得、当該非晶質体が沈着した被固着粒子の分散液に、酸化セリウム粒子分散液を滴下した後、加熱、固液分離をこの順で行い、当該固形物を焼成する。
前記酸化セリウム粒子と前記コア粒子の質量比(酸化セリウム粒子の質量/コア粒子の質量)は、研磨速度向上の観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.33以上、更に好ましくは0.4以上であり、そして、コア粒子上に被覆できずに遊離状態となった酸化セリウム粒子の凝集体の生成を抑制して研磨傷の発生を抑制する観点から、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.2以下である。
[研磨液組成物]
本発明は、本発明の複合研磨材、及び水系媒体を含む、研磨液組成物(以下、「本発明の研磨液組成物」ともいう)に関する。
本発明の研磨液組成物中の本発明の複合研磨材の含有量は、研磨速度向上の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、5質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれる水系媒体としては、例えば、水、及び水と水に可溶な溶媒との混合物等が挙げられる。水に可溶な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールが挙げられ、研磨工程での安全性の観点から、エタノールが好ましい。水系媒体としては、半導体基板の品質向上の観点から、イオン交換水、蒸留水、超純水等の水からなるとより好ましい。本発明の研磨液組成物における水系媒体の含有量は、本発明の複合研磨材と下記任意成分と水系媒体との合計質量を100質量%とすると、本発明の複合研磨材及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
[任意成分]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、研磨助剤として、アニオン性基を有する化合物(以下、単に「化合物A」ともいう)を含有することが好ましい。
化合物Aのアニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸基等が挙げられる。これらのアニオン性基は中和された塩の形態を取ってもよい。アニオン性基が塩の形態を取る場合の対イオンとしては、金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられ、半導体基板の品質向上の観点から、アンモニウムイオンが好ましい。
化合物Aとしては、例えば、クエン酸及びアニオン性ポリマーから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。化合物Aがアニオン性ポリマーである場合の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸とモノメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体、アニオン基を有する(メタ)アクリレートとモノメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸とモノメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体、これらのアルカリ金属塩、及びこれらのアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、半導体基板の品質向上の観点から、ポリアクリル酸及びそのアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
化合物Aの重量平均分子量は、研磨速度向上の観点から、1,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、20,000以上が更に好ましく、そして、550万以下が好ましく、100万以下がより好ましく、10万以下が更に好ましい。
本発明において化合物Aの重量平均分子量は、液体クロマトグラフィー(株式会社日立製作所製、L-6000型高速液体クロマトグラフィー)を使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって下記条件で測定できる。
<測定条件>
検出器:ショーデックスRI SE-61示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製のG4000PWXLとG2500PWXLを直列につないだものを使用した。
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=90/10(容量比)で0.5g/100mLの濃度に調整し、20μLを用いた。
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
標準ポリマー:分子量が既知の単分散ポリエチレングリコール
本発明の研磨液組成物中の化合物Aの含有量は、研磨速度向上の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.0015質量%以上がより好ましく、0.0025質量%以上が更に好ましく、そして、1質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下が更に好ましい。
本発明の研磨液組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、pH調整剤、化合物A以外の研磨助剤等のその他の任意成分を含有することができる。本発明の研磨液組成物中の前記その他の任意成分の含有量は、研磨速度確保の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.0025質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
pH調整剤としては、例えば、酸性化合物及びアルカリ化合物が挙げられる。酸性化合物としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸、クエン酸、及びリンゴ酸等の有機酸;等が挙げられる。なかでも、汎用性の観点から、塩酸、硝酸及び酢酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、塩酸及び酢酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。アルカリ化合物としては、例えば、アンモニア、及び水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物;アルキルアミン、及びアルカノールアミン等の有機アルカリ化合物;等が挙げられる。なかでも、半導体基板の品質向上の観点から、アンモニア及びアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、アンモニアがより好ましい。
化合物A以外の研磨助剤としては、化合物A以外のアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤等が挙げられる。化合物A以外のアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル酢酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、及びアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリアクリルアミド等のノニオン性ポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等が挙げられる。
本発明の研磨液組成物は、本発明の複合研磨材、水系媒体、並びに所望により上述した化合物A及びその他の任意成分を公知の方法で配合する工程を含む製造方法によって製造できる。例えば、本発明の研磨液組成物は、少なくとも本発明の複合研磨材及び水系媒体を配合してなるものとすることができる。本発明において「配合する」とは、本発明の複合研磨材、水系媒体、並びに必要に応じて上述した任意成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は特に限定されない。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。本発明の研磨液組成物の製造方法における各成分の配合量は、上述した本発明の研磨液組成物中の各成分の含有量と同じとすることができる。
本発明の研磨液組成物の実施形態は、全ての成分が予め混合された状態で市場に供給される、いわゆる1液型であってもよいし、使用時に混合される、いわゆる2液型であってもよい。
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度向上の観点から、3.5以上が好ましく、4以上がより好ましく、4.5以上が更に好ましく、そして、10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8以下が更に好ましい。本発明において、研磨液組成物のpHは、25℃における値であって、pHメータを用いて測定した値である。本発明の研磨液組成物のpHは、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の「研磨液組成物中の各成分の含有量」とは、研磨液組成物を研磨に使用する時点での前記各成分の含有量をいう。本発明の研磨液組成物は、その安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存および供給されてもよい。この場合、製造・輸送コストを低くできる点で好ましい。そしてこの濃縮液は、必要に応じて前述の水系媒体で適宜希釈して研磨工程で使用することができる。希釈割合としては5~100倍が好ましい。
本発明の研磨液組成物の研磨対象としては、例えば、酸化珪素膜が挙げられる。したがって、本本発明の研磨液組成物は、半導体基板の素子分離構造を形成する工程で行われる酸化珪素膜の研磨に好適に使用できる。
[研磨液キット]
本発明は、研磨液組成物を製造するためのキットであって、本発明の複合研磨材を含む分散液が容器に収納された容器入り複合研磨材分散液を含む、研磨液キットに関する。本発明の研磨液キットによれば、研磨速度を向上可能な研磨液組成物が得られうる研磨液キットを提供できる。
本発明の研磨液キットの一実施形態としては、例えば、本発明の複合研磨材及び水系媒体を含有する分散液(第1液)と、添加剤及び水系媒体を含む溶液(第2液)とを、相互に混合されていない状態で含み、これらが使用時に混合され、必要に応じて水系媒体で希釈される、研磨液キット(2液型研磨液組成物)が挙げられる。添加剤としては、例えば、研磨助剤、酸、酸化剤、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、糖類化合物等が挙げられる。前記第1液及び前記第2液にはそれぞれ、必要に応じて、pH調整剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、研磨速度向上剤等が含まれていてもよい。前記第1液と前記第2液との混合は、研磨対象の表面への供給前に行われてもよいし、別々に供給されて被研磨基板の表面上で混合されてもよい。
[半導体基板の製造方法]
本発明は、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本発明の半導体基板の製造方法」ともいう。)に関する。本発明の半導体基板の製造方法によれば、本発明の研磨液組成物を用いることで、研磨工程における研磨速度を向上できるため、半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。
本発明の半導体基板の製造方法の具体例としては、まず、シリコン基板を酸化炉内で酸素に晒すことよりその表面に二酸化シリコン層を成長させ、次いで、当該二酸化シリコン層上に窒化珪素(Si34)膜又はポリシリコン膜等の研磨ストッパ膜を、例えばCVD法(化学気相成長法)にて形成する。次に、シリコン基板と前記シリコン基板の一方の主面側に配置された研磨ストッパ膜とを含む基板、例えば、シリコン基板の二酸化シリコン層上に研磨ストッパ膜が形成された基板に、フォトリソグラフィー技術を用いてトレンチを形成する。次いで、例えば、シランガスと酸素ガスを用いたCVD法により、トレンチ埋め込み用の被研磨膜である酸化珪素(SiO2)膜を形成し、研磨ストッパ膜が被研磨膜(酸化珪素膜)で覆われた被研磨基板を得る。酸化珪素膜の形成により、前記トレンチは酸化珪素膜の酸化珪素で満たされ、研磨ストッパ膜の前記シリコン基板側の面の反対面は酸化珪素膜によって被覆される。このようにして形成された酸化珪素膜のシリコン基板側の面の反対面は、下層の凸凹に対応して形成された段差を有する。次いで、CMP法により、酸化珪素膜を、少なくとも研磨ストッパ膜のシリコン基板側の面の反対面が露出するまで研磨し、より好ましくは、酸化珪素膜の表面と研磨ストッパ膜の表面とが面一になるまで酸化珪素膜を研磨する。本発明の研磨液組成物は、このCMP法による研磨を行う工程に用いることができる。
CMP法による研磨では、被研磨基板の表面と研磨パッドとを接触させた状態で、本発明の研磨液組成物をこれらの接触部位に供給しつつ被研磨基板及び研磨パッドを相対的に移動させることにより、被研磨基板の表面の凹凸部分を平坦化させる。本発明の半導体基板の製造方法において、シリコン基板の二酸化シリコン層と研磨ストッパ膜との間に他の絶縁膜が形成されていてもよいし、被研磨膜(例えば、酸化珪素膜)と研磨ストッパ膜(例えば、窒化珪素膜)との間に他の絶縁膜が形成されていてもよい。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨パッドの回転数は、例えば、30~200r/分、被研磨基板の回転数は、例えば、30~200r/分、研磨パッドを備えた研磨装置に設定される研磨荷重は、例えば、20~500g重/cm2、研磨液組成物の供給速度は、例えば、10~500mL/分に設定できる。研磨液組成物が2液型研磨液組成物の場合、第1液及び第2液のそれぞれの供給速度(又は供給量)を調整することで、被研磨膜及び研磨ストッパ膜のそれぞれの研磨速度や、被研磨膜と研磨ストッパ膜との研磨速度比(研磨選択性)を調整できる。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において、被研磨膜(例えば、酸化珪素膜)の研磨速度は、生産性向上の観点から、好ましくは600nm/分以上、より好ましくは650nm/分以上、更に好ましくは700nm/分以上、更により好ましくは900nm/分以上である。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨ストッパ膜(例えば、窒化珪素膜)の研磨速度は、研磨選択性向上及び研磨時間の短縮化の観点から、好ましくは50nm/分以下、より好ましくは30nm/分以下、更に好ましくは15nm/分以下である。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨速度比(被研磨膜の研磨速度/研磨ストッパ膜の研磨速度)は、研磨時間の短縮化の観点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましく、40以上が更により好ましい。本開示において研磨選択性は、研磨ストッパの研磨速度に対する被研磨膜の研磨速度の比(被研磨膜の研磨速度/研磨ストッパ膜の研磨速度)で評価することができ、研磨選択性が高いとは、研磨速度比が大きいことを意味する。
[研磨方法]
本発明は、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程を含む、基板の研磨方法(以下、本発明の研磨方法ともいう)に関し、好ましくは半導体基板を製造するための基板の研磨方法に関する。本発明の研磨方法を使用することにより、研磨工程における研磨速度を向上できるため、半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。具体的な研磨の方法及び条件は、上述した本発明の半導体基板の製造方法と同じようにすることができる。
[半導体装置の製造方法]
本発明は、一態様において、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程を含む、半導体装置の製造方法に関する。本発明の半導体装置の製造方法によれば、半導体基板を効率よく得て、半導体装置の生産性を向上できるという効果が奏されうる。研磨工程の具体的な研磨方法及び条件は、上述した本発明の半導体基板の製造方法と同じようにすることができる。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.各パラメータの測定
[複合研磨材の平均一次粒子径]
複合研磨材の平均一次粒子径は、TEM観察から得られる画像より算出した。具体的には、複合研磨材が0.01質量%となるように複合研磨材をイオン交換水に分散させた分散スラリーをグリッド上に滴下し、それを風乾後TEMにて観察し、得られた画像中の各粒子の外接円の直径を100個計測した平均値を平均一次粒子径とした。
[コア粒子の平均一次粒子径]
コア粒子の平均一次粒子径(nm)は、TEM観察から得られる画像より算出した。具体的には、コア粒子濃度が0.01質量%となるようにコア粒子をイオン交換水に分散させた分散スラリーをグリッド上に滴下し、それを風乾後TEMにて観察し、得られた画像中の各粒子の外接円の直径を100個計測した平均値を平均一次粒子径とした。同様にして、酸化セリウム粒子が固着した状態のコア粒子についてTEM観察を行ったが、コア粒子の平均一次粒子径は、コア粒子への固着前後で変動はなかった。
[酸化セリウム粒子の平均一次粒子径]
酸化セリウム粒子の平均一次粒子径(nm)は、TEM観察から得られる画像より算出した。具体的には、酸化セリウム粒子濃度が0.01質量%となるように酸化セリウム粒子をイオン交換水に分散させた分散スラリーをグリッド上に滴下し、それを風乾後TEMにて観察し、得られた画像中の各粒子の外接円の直径を100個計測した平均値を一次粒子径とした。同様にして、コア粒子に固着された状態の酸化セリウム粒子についてTEM観察を行ったが、酸化セリウム粒子の平均一次粒子径は、コア粒子への固着前後で変動はなかった。
[酸化セリウムの結晶面方位解析]
TEMにより、酸化セリウムの結晶面方位解析を行った。具体的には、TEMにより得られる電子回折像より、酸化セリウムの結晶構造が蛍石型構造であることを確認し、結晶格子間距離(面間隔)を同定した。次に、TEMにより得られる結晶格子像を、Fourierフィルターを適用して強調し、得られた結晶格子像と結晶軸方位、及びその結晶格子間距離(面間隔)の関係から、結晶面方位マップを作製した。作製した結晶面方位マップ中の粒子の四角形部分が{100}面である。
[{100}面の露出量]
酸化セリウム粒子の{100}面の露出量は、以下の方法で測定した。酸化セリウム粒子濃度が0.01質量%となるように酸化セリウム粒子をイオン交換水に分散させた分散スラリーを、グリッド上に滴下して風乾し、無作為に選んだ100個の粒子について、SEMにて観察した。得られた画像中の粒子表面の四角形部分を{100}面として、SEM観察画像中の100個の各粒子それぞれの全表面積に対する四角形部分の面積の割合を算出し、その平均値を{100}面の露出量として算出した。
なお、SEM観察画像中の粒子の形状は、一方向のみから観察される形状であるが、ここでは、粒子の形状は対称形状と仮定、すなわち、SEMにより一方向のみから観察される粒子の形状(表面形状)と該一方向とは反対方向から観察される粒子の形状(裏面形状)とが同一であると仮定して、上記露出量の算出を行った。
[酸化セリウム粒子の水生成量]
昇温還元法(TPR)により測定される300℃以下の酸化セリウム粒子の水生成量は、以下のようにして算出した。
<測定試料の調製>
酸化セリウム粒子をイオン交換水に分散させた酸化セリウム粒子水分散液を、120℃で3時間熱風乾燥し、必要に応じてメノウ乳鉢で解砕して、粉末状の酸化セリウム粒子試料を得た。得られた試料を80℃で3時間乾燥し、直後に0.1g秤量し、試料管(反応室)に入れた。
次いで、純アルゴンガスを50cc/分の流量で、反応室へ供給した。純アルゴンガスを供給した状態で、反応室に入れた0.1gの試料を一定の昇温速度で25℃から300℃まで50分かけて昇温し、300℃で60分間保ち、100℃まで自然冷却し、そして100℃で10分間保持した。
<昇温還元法(TPR)による水生成量の測定>
次に、昇温還元装置(日本ベル社製「BELCAT-B」)を用いて以下の条件でTPRによる水生成量を測定した。
反応室へ5体積%の水素ガスと95体積%のアルゴンガスとの混合ガスを30cc/分の流量で供給しながら、昇温速度を5℃/分に設定して、試料を100℃から950℃まで昇温した。そして、この昇温の間、ガス分析装置「BELMass」により、300℃までの温度範囲において、4価のセリウムから3価のセリウムの還元に伴い生成する、単位重量あたりの水生成量A(mmol/g)を検出した。ここで、水生成量Aの検出は、測定温度に対する水生成量A(mmol/g)の関係を取った時に、5mmol/g以上の連続した一連のピークを有するものを水生成量(mmol/g)として検出し、ベースラインに由来する水生成量A(mmol/g)は、0mmol/gとして扱うこととした。測定原理上、同一温度において、複数の水生成量A(mmol/g)が観測される場合があり、この場合は、同一温度における複数の水生成量A(mmol/g)の平均値を、測定温度に対する水生成量A(mmol/g)とした。
そして、検出した水生成量A(mmol/g)を、下記BET法により測定されるBET比表面積B(m2/g)で除すことにより、単位表面積あたりの水生成量A/B(mmol/m2)、すなわち、TPRにより測定される300℃以下の水生成量を求めた。
[酸化セリウム粒子のBET比表面積]
酸化セリウム粒子をイオン交換水に分散させた酸化セリウム粒子分散液を、120℃で3時間熱風乾燥し、必要に応じてメノウ乳鉢で解砕して、粉末状の酸化セリウム粒子試料を得た。得られた試料を、BET比表面積の測定直前に120℃で15分間乾燥し、マイクロメリティック自動比表面積測定装置「フローソーブIII2305」、(島津製作所製)を用いてBET法によりBET比表面積(m2/g)を測定した。
[酸化セリウム粒子の結晶子径]
酸化セリウム粒子を粉末X線回折測定にかけ、29~30°付近に出現する酸化セリウム粒子の(111)面のピークの半値幅、回折角度を用い、シェラー式より酸化セリウム粒子の結晶子径(nm)を算出した。
シェラー式:結晶子径(Å)=K×λ/(β×cosθ)
K:シェラー定数、λ:X線の波長=1.54056Å、β:半値幅、θ:回折角2θ/θ
[研磨液組成物のpH]
研磨液組成物の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜電波工業社製、「HM-30G」)を用いて測定した値であり、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して1分後の数値である。
2.研磨材の製造方法又はその詳細
[非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)の調製]
シリカ粒子として、日揮触媒化成(株)製シリカゾル(カタロイドSI-80P、固形分濃度:40質量%、平均一次粒子径:80nm) 50gと、イオン交換水と、pH調整剤である10%硝酸水溶液とを混合して、合計100gのpH4.5のシリカゾル分散液(固形分濃度20質量%)を得た。一方、表面処理剤としてケイ酸エチル(和光純薬製、Si(OEt)4) 5.55gをエタノール10gに溶解し、これを先のシリカゾル分散液に混合し、その後、還流管のついた容器にて撹拌下、90℃12時間、加熱してシリカゾル表面上に非晶質シリカを沈着させた。その後、この非品質シリカがシリカゾル表面に沈着したシリカゾル分散液を遠心分離にて固液分離し、得られた固形分:21.6g (非晶質シリカを沈着させたシリカゾル)を硝酸にてpH4.5に調整したイオン交換水に再分散させて、10質量%非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)を得た。
[非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(2)の調製]
シリカ粒子として、日揮触媒化成(株)製シリカゾル(カタロイドSI-80P、固形分濃度:40質量%、平均一次粒子径:80nm)に代えて、日揮触媒化成(株)製シリカゾル(カタロイドSS-120、平均一次粒子径:120nm)を用いたこと以外は、前記[非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)の調製]と同様にして、非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(2)を得た。
[酸化セリウム粒子分散液(1)の調製]
セリウム原料として硝酸セリウム(III) 6水和物O. 868g (0.002mol)をイオン交換水5mLに溶解して、硝酸セリウム水溶液を得た。次に水酸化ナトリウム8.5g (0. 2125mol) をイオン交換水35mLに溶解して(約6mol/L)、水酸化ナトリウム水溶液を得た。この水酸化ナトリウム水溶液中に先の硝酸セリウム水溶液を撹枠しながら添加し、撹枠を30分以上続行して沈殿物を生成させた。その後、沈殿物を含むスラリーを50mLのテフロン(登録商標)製容器に移し、このテフロン(登録商標)容器をステンレス製反応容器(三愛科学製オートクレーブ)中に入れて密封し、ステンレス容器ごと送風乾燥機に入れて180℃で12時間水熱処理を実施した。水熱処理終了後、室温まで冷却し、沈殿物をイオン交換水にて十分に洗浄したのち1OO℃の送風乾燥機にて乾燥し、粉体(酸化セリウム粒子) 0.34gを得た。
得られた粉体をX線回折したところ、酸化セリウムであることを確認した。また、得られた酸化セリウム粒子の平均一次粒子径は10nmであった。さらに、少量の酸化セリウム粒子をイオン交換水中に分散させ、TEM観察及びSEM観察を行った結果、得られた粉体は、[1 0 O]面のみが露出している四角形で固まれた六面体形状の酸化セリウム粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム粒子を硝酸にてpH4.5に調整したイオン交換水に分散させて固形分濃度1質量%の酸化セリウム粒子分散液(1)34gを調整した。
[酸化セリウム粒子分散液(2)の調製]
前記酸化セリウム粒子分散液(1)の調製において、水熱処理時間を15時間としたこと以外は、前記[酸化セリウム粒子分散液(1)の調製]と同様にして、[1 0 O]面露出量100%、平均一次粒子径:15nmの酸化セリウム粒子を得た。更に前記[酸化セリウム粒子分散液(1)の調製]と同様にして、固形分濃度1質量%の酸化セリウム粒子分散液(2)を得た。
[酸化セリウム粒子分散液(3)の調製]
セリウム原料として硝酸セリウム(III) 6水和物O. 868g (0.002mol)をイオン交換水5mLに溶解して、硝酸セリウム水溶液を得た。次に水酸化ナトリウム8.5g (0. 2125mol) をイオン交換水35mLに溶解して(約6mol/L)、水酸化ナトリウム水溶液を得た。この水酸化ナトリウム水溶液中に先の硝酸セリウム水溶液を撹枠しながら添加し、撹枠を30分以上続行して沈殿物を生成させた。次いで、沈殿物を含むスラリー中に、結晶制御剤(アジピン酸若しくは又はピメリン酸)を沈殿生成量の1/2mol(0.001mol)を添加し、攪拌を30分以上実施した。その後、沈殿物を含むスラリーを50mLのテフロン(登録商標)製容器に移し、このテフロン(登録商標)容器をステンレス製反応容器(三愛科学製オートクレーブ)中に入れて密封し、ステンレス容器ごと送風乾燥機に入れて180℃で15時間水熱処理を実施した。水熱処理終了後、室温まで冷却し、沈殿物をイオン交換水にて十分に洗浄したのち1OO℃の送風乾燥機にて乾燥し、粉体(酸化セリウム粒子) 0.34gを得た。得られた酸化セリウム粒子の平均一次粒子径は15nmであり、[1 0 O]面露出量は60%であった。その後、前記[酸化セリウム粒子分散液(1)の調製]と同様にして、酸化セリウム粒子分散液(3)を得た。
[酸化セリウム粒子分散液(4)の調製]
前記酸化セリウム粒子分散液(3)の調製において、結晶制御剤(アジピン酸若しくは又はピメリン酸)の添加量を沈殿生成量と同量の0.002molとしたこと以外は、[酸化セリウム粒子分散液(3)の調製]と同様にして、酸化セリウム粒子分散液(4)を得た。得られた酸化セリウム粒子の平均一次粒子径は15nmであり、[1 0 O]面露出量は45%であった。
[酸化セリウム粒子分散液(5)の調製]
前記酸化セリウム粒子分散液(4)の調製において、水熱処理時間を19時間としたこと以外は前記酸化セリウム粒子分散液(4)の調製法と同様にして、酸化セリウム粒子分散液(5)を得た。得られた酸化セリウムの平均一次粒子径は20nmであり、[1 0 O]面露出量は100%であった。
[実施例1の複合研磨材の製造例]
前記非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)3.4gを、pH4.5に調整したイオン交換水で希釈して1質量%非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液34gを得た。この分散液をマグネチックスターラーにて撹枠しながら、酸化セリウム粒子分散液(1)34gをゆっくり滴下して、シリカゾル表面を酸化セリウム粒子で被覆し、更に得られたスラリーを80℃にて2時間加熱した。その後、固液分離を行った後、固形物をマッフル炉にて500℃、1時間焼成してシリカとセリアを固着させ、実施例1の複合研磨材を得た。
[実施例2の複合研磨材の製造例]
前記非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)に代えて、非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(2)を用いたこと以外は、[実施例1の複合研磨材の製造例]と同様にして、実施例2の複合研磨材を得た。
[実施例3の複合研磨材の製造例]
前記酸化セリウム粒子分散液(1)に代えて、前記酸化セリウム粒子分散液(2)を用いたこと以外は、[実施例1の複合研磨材の製造例]と同様にして、実施例3の複合研磨材を得た。
[実施例4の複合研磨材の製造例]
複合研磨材における質量比(酸化セリウム粒子の質量/コア粒子の質量)が33/67となるように、前記非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)の使用量を3.4gとし、pH4.5に調整したイオン交換水で希釈して、1質量%非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液34gを得た。次に前記酸化セリウム粒子分散液(1)の使用量を16.7gとしたこと以外は、[実施例1の複合研磨材の製造例]と同様にして、実施例4の複合研磨材を得た。
[実施例5の複合研磨材の製造例]
前記酸化セリウム粒子分散液(1)に代えて、前記酸化セリウム粒子分散液(3)を用いたこと以外は、[実施例1の複合研磨材の製造例]と同様にして、実施例5の複合研磨材を得た。
[実施例6の複合研磨材の製造例]
前記酸化セリウム粒子分散液(1)に代えて、前記酸化セリウム粒子分散液(4)を用いたこと以外は、[実施例1の複合研磨材の製造例]と同様にして、実施例6の複合研磨材を得た。
[実施例7の複合研磨材の製造例]
複合研磨材における質量比(酸化セリウム粒子の質量/コア粒子の質量)が60/40となるように、前記非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)の使用量を2.7gとし、pH4.5に調整したイオン交換水で希釈して、1質量%非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液27gを得た。次に、前記酸化セリウム粒子分散液(1)の使用量を40.8gとしたこと以外は、[実施例1の複合研磨材の製造例]と同様にして、実施例7の複合研磨材を得た。
[実施例8の複合研磨材の製造例]
前記非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(1)に代えて、非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(2)を用い、前記酸化セリウム粒子分散液(1)に代えて、前記酸化セリウム粒子分散液(5)を用いたこと以外は、[実施例1の複合研磨材の製造例]と同様にして、実施例8の複合研磨材を得た。
[比較例1の複合研磨材の製造例]
平均一次粒子径が80nmの球状シリカ粒子(日揮触媒化成工業製、カタロイドSI-80PW)の20質量%水分散液を調製し、当該球状シリカ水分散液に、CeO2原料として硝酸セリウムを溶解させた水溶液を滴下し、同時に3質量%のアンモニア水溶液を別途滴下して、pHを約8に維持しながらセリウムをシリカ上に沈着させた。この滴下の間、球状シリカ水分散液は50℃に維持するために加温した。滴下終了後、反応液を100℃に4時間の加熱することにより熟成して、沈着させたセリアを結晶化させた。その後、得られた粒子を濾別、水での洗浄を十分に実施したのち、乾燥機にて100℃で乾燥させた。更に乾燥粉について1000℃で2時間焼成を行った後、焼成によって相互にくっついた粒子同士を分離するために得られた焼成粉末をほぐして平均一次粒子径が110nmの比較例1の複合研磨材を得た。比較例1の複合研磨材をTEMにて観察したところ、シリカ粒子表面に、不均一に、酸化セリウム粒子で被覆されていた。
[比較例2の研磨材]
前記酸化セリウム粒子分散液(1)中の酸化セリウム粒子を比較例2の研磨材とした。
[比較例3の研磨材]
前記非晶質シリカ沈着シリカゾル分散液(2)中のシリカ粒子を比較例3の研磨材とした。
3.研磨液組成物の調製(実施例1~8及び比較例1~3)
実施例1~8及び比較例1~3の研磨材O.68gを、硝酸にてpH4.5に調整したイオン交換水に分散させ、研磨材濃度O.5質量%の実施例1~8及び比較例1~3の研磨液組成物を136g得た。
4.研磨液組成物(実施例1~8及び比較例1~3)の評価
[試験片の作成]
シリコンウェーハの片面に、TEOS-プラズマCVD法で厚さ2,000nmの酸化珪素膜を形成したものから、40mm×40mmの正方形片を切り出し、酸化珪素膜試験片を得た。
[酸化珪素膜(被研磨膜)の研磨速度の測定]
研磨装置として、定盤径380mmのテクノライズ社製「TR15M-TRK1」を用いた。また、研磨パッドとしては、ニッタ・ハース社製の硬質ウレタンパッド「IC-1000/Suba400」を用いた。前記研磨装置の定盤に、前記研磨パッドを貼り付けた。前記試験片をホルダーにセットし、試験片の酸化珪素膜を形成した面が下になるように(酸化珪素膜が研磨パッドに面するように)ホルダーを研磨パッドに載せた。さらに、試験片にかかる荷重が300g重/cm2となるように、錘をホルダーに載せた。研磨パッドを貼り付けた定盤の中心に、研磨液組成物を50mL/分の速度で滴下しながら、定盤及びホルダーのそれぞれを同じ回転方向に90r/分で1分間回転させて、酸化珪素膜試験片の研磨を行った。研磨後、超純水を用いて洗浄し、乾燥して、酸化珪素膜試験片を後述の光干渉式膜厚測定装置による測定対象とした。
研磨前及び研磨後において、光干渉式膜厚測定装置(大日本スクリーン社製「ラムダエースVM-1000」)を用いて、酸化珪素膜の膜厚を測定した。酸化珪素膜の研磨速度は下記式により算出し、下記表1に示した。
酸化珪素膜の研磨速度(nm/分)
=[研磨前の酸化珪素膜厚さ(nm)-研磨後の酸化珪素膜厚さ(nm)]/研磨時間(分)
Figure 0007044510000001
表1に示されるように、{100}面の露出量が10%以上である酸化セリウム含有複合研磨材を含有する実施例1~8の研磨液組成物を用いた場合、比較例1~3の研磨液組成物を用いた場合よりも研磨速度が向上していた。また、TPR法による300℃以下の水生成量が1mmol/m2以上である酸化セリウム粒子を含んだ酸化セリウム含有複合研磨材を含有する実施例1~8の研磨液組成物を用いると、比較例1~3の研磨液組成物を用いるよりも研磨速度が向上していた。
本発明に係る研磨液組成物は、高密度化又は高集積化用の半導体基板の製造方法において有用である。

Claims (8)

  1. コア粒子と、前記コア粒子の少なくとも一部を覆うように前記コア粒子表面に固着された酸化セリウム粒子とを含み、
    前記酸化セリウム粒子表面における{100}面の露出量が70%以上であり、
    前記酸化セリウム粒子と前記コア粒子の質量比(酸化セリウム粒子の質量/コア粒子の質量)は、1以上2以下である、酸化セリウム含有複合研磨材。
  2. 前記酸化セリウム粒子は、昇温還元法により測定される300℃以下の水生成量が、前記酸化セリウム粒子の単位表面積あたり、10mmol/m2以上80mmol/m 2 以下である、請求項1に記載の酸化セリウム含有複合研磨材。
    ここで、昇温還元法により測定される300℃以下の酸化セリウム粒子の水生成量は、以下のようにして算出する。
    (1)酸化セリウム粒子をイオン交換水に分散させた酸化セリウム粒子水分散液を、120℃で3時間熱風乾燥し、粉末状の酸化セリウム粒子(試料)を得る。
    (2)得られた試料を80℃で3時間乾燥し、0.1g秤量し、反応室に入れる。
    (3)純アルゴンガスを50cc/分の流量で、反応室へ供給する。
    (4)純アルゴンガスを供給した状態で、反応室に入れた0.1gの試料を一定の昇温速度で25℃から300℃まで50分かけて昇温し、300℃で60分間保ち、100℃まで自然冷却し、そして100℃で10分間保持する。
    (5)反応室へ5体積%の水素ガスと95体積%のアルゴンガスとの混合ガスを30cc/分の流量で供給しながら、昇温速度を5℃/分に設定して、試料を100℃から950℃まで昇温する。
    (6)昇温の間、ガス分析装置により、300℃までの温度範囲において、4価のセリウムから3価のセリウムの還元に伴い生成する、単位重量あたりの水生成量A(mmol/g)を検出する。
    (7)検出した水生成量A(mmol/g)を、BET法により測定されるBET比表面積B (m 2 /g)で除すことにより、単位表面積あたりの水生成量A/B(mmol/m 2 )を昇温還元法による300℃以下の水生成量として算出する。
  3. 前記酸化セリウム粒子のBET比表面積が10.02/g以上150m 2 /g以下である、請求項1又は2に記載の酸化セリウム含有複合研磨材。
  4. 前記酸化セリウム粒子は、ケイ素を実質的に含まない、請求項1から3のいずれかの項に記載の酸化セリウム含有複合研磨材。
  5. 請求項1からのいずれかの項に記載の酸化セリウム含有複合研磨材、及び水系媒体を含む、研磨液組成物。
  6. 請求項に記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
  7. 請求項に記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、基板の研磨方法。
  8. 請求項に記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体装置の製造方法。
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