以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての宿泊管理システム100について、図1を用いて説明する。宿泊管理システム100は、宿泊者の開錠を管理するシステムである。
図1に示すように、宿泊管理システム100は、登録部101と、撮像部102と、照合部103と、制御部104と、を含む。登録部101は、宿泊者の宿泊証となる物体152に筆記具で記載された点153から抽出した点識別子111と、宿泊情報112とを対応付けて登録する。撮像部102は、来訪者が所持する物体152に筆記具で記載された点153を撮像する。照合部103は、撮像部102で撮像された点153から抽出した点識別子121と、登録部101に登録された点識別子111とを照合する。制御部104は、照合部103の照合結果131に基づいて、来訪者151を宿泊者であると特定する。
本実施形態によれば、物体に付与され筆記具で記載された点から抽出した点識別子を用いて宿泊者を特定するので、費用や手間をかけず簡易に宿泊を管理することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る宿泊管理システムについて説明する。本実施形態に係る宿泊管理システムは、宿泊の宿泊施設への入退場、すなわち宿泊施設の開錠を、来訪者の所有物に筆記具で記載された点に基づいて管理する。本実施形態では、任意の場所で宿泊日時前に宿泊予約が行なわれて宿泊者の所有物に記載した点により宿泊証機能を付加し、宿泊当日時に点による宿泊者認証が成功すると宿泊施設を開錠する場合を説明する。なお、本実施形態において、点を記載する物体は、宿泊者の所有物であり、筆記具で点が記載できる物体であれば限定されるものではないが、旅行中に常時携帯する物が望ましい。また、本実施形態においては、宿泊情報として宿泊日時を代表させて説明するが、宿泊日時の他に宿泊場所および宿泊関連の入場可能な場所などの関連情報を含んでもよい。さらに、宿泊情報に宿泊予約をした日時(宿泊日時前)や場所(任意の位置)などの関連情報を含んでもよい。その場合には、来訪者を特定の場所へ入退場可能な宿泊者と特定する。
《宿泊管理システム》
図2A~図3Cを参照して、本実施形態に係る宿泊管理システムの構成および動作について説明する。
(概要)
図2Aは、本実施形態に係る宿泊管理システム200の概要を示す図である。
宿泊管理システム200は、ネットワーク240を介して接続された、種々の予約装置210と、情報処理装置としての宿泊管理サーバ220と、開錠装置230と、を備える。予約装置210は、例えば、旅行会社の窓口における、端末211と高解像度カメラ212とプリンタ213とを有する構成であっても、宿泊予約をする宿泊者が有する高解像度カメラ212を搭載する携帯端末(スマートフォンなど)であってもよい。旅行会社の窓口では、プリンタ213で印刷された宿泊券である物体252に点253が記載されて高解像度カメラ212で撮像される。そして、撮像された点画像から抽出された点識別子が宿泊日時(期間)と対応付けられて宿泊管理サーバ220の宿泊管理データベース221に登録されることで、宿泊予約が完了する。宿泊者自身での予約の場合は、宿泊管理アプリケーションが起動された携帯端末で、宿泊者の所有物(図2Aでは口紅)である物体252に点253を記載して高解像度カメラ212で撮像する。そして、撮像された点画像から抽出された点識別子が宿泊日時(期間)と対応付けられて宿泊管理サーバ220の宿泊管理データベース221に登録されることで、宿泊予約が完了する。
宿泊者が宿泊施設254の入口255に着いた時には、開錠装置230が有する高解像度カメラ232で宿泊者が保持する物体252に記載された点253を撮像する。そして、撮像された点画像から抽出された点識別子が宿泊管理データベース221に登録された予約の点識別子と一致し、かつ、対応する宿泊日時も一致する場合に、開錠装置230の制御部(図2Aには不図示)により入口255の錠を開錠する。なお、点識別子の一致は、照合結果が所定の閾値以下である場合に一致と判定する構成でもよい。点識別子が不一致し、または、対応する宿泊日時が不一致の場合、入口255の錠は開錠しない。
なお、図2Aにおいては、各入退場口の開錠装置230が高解像度カメラ232を有する構成を示したが、宿泊施設の入退場口にある高解像度カメラ232によって、対応する各部屋や各場所の開錠制御を行なう構成であってもよい。
(点識別子抽出方法)
図2Bは、本実施形態に係る点識別子となる点特徴量を抽出可能な点の生成方法を示す図である。
図2Bの上図は、本実施形態において物体(所有物)上に筆記具で点を記載する状態の模式図である。なお、各要素の寸法関係は正確でない。物体(所有物)252の任意の表面位置に、筆記具260により微小の粒256を含む点253を記載する。筆記具260には、微小の粒256を含むインク261が充填されている。なお、点の記載媒体はインクに限定されない。固体の鉛筆芯や墨などであってもよい。
物体252の任意の表面位置に記載した点253は、微小な粒256をランダムな位置に含有している。微小な粒256としては、金属粉やガラス粉などの微粒子や、タガン卜などが使用できる。微小な粒256は、点253を構成する材料(微小な粒256を除く)と反射特性が異なる粒であることが望ましい。また、微小な粒256は、点253に不均一に含有していることが望ましい。即ち、点253における微小な粒256の分布は、不均一であることが望ましい。また、点253の平面形状は不定形状である。点253の平面形状とは、点253の真上から見た形状のことである。このような点253は、例えば、微小な粒256を混入した印刷インク、塗料などを、ペン等の筆記具260を使用して物体の表面に1滴だけ滴下させて、固化させることにより形成することができる。ただし、点253の形成方法は、そのような方法に限定されず、微小な粒256を混入した印刷インク、塗料などを刷毛などにより塗布する等、他の任意の方法を使用してよい。
図2Bの下図は、本実施形態において物体(所有物)上に筆記具で、点識別子を抽出可能な点の記載方法と、点識別子の抽出方法の例を示す図である。なお、点識別子を抽出可能な点の記載方法は図2Bに限定されない。
点の記載材料271としては、微小粒を含む材料(以下、インクパターンとも言う)、表面反射や色模様に特徴がある材料、媒体(紙)の模様が透過する材料、媒体(紙)上のにじみが出る材料、などがある。それぞれの、点の記載媒体272の制限や点の撮像方法273の相違、点識別子としての点画像の特徴量抽出方法274は図示のようになる。以下、本実施形態では、広範囲の媒体に点識別子を抽出可能な点を記載でき、撮像部が携帯可能で撮像画像が安定し、かつ、識別可能な点識別子が容易に抽出可能な材料として、微小粒を含む材料を使用する。しかしながら、点の材料や点の記載方法、点の撮像方法、点識別子の抽出方法はこれに限定されず、識別可能な点識別子を生成できるものであれば、図2Bに記載のものであっても、その他のものであってもよい。
(動作シーケンス)
図3Aは、本実施形態に係る宿泊管理システム200の動作手順を示すシーケンス図である。図3Aは、点識別子を宿泊管理サーバ220が抽出する宿泊管理システム200の動作シーケンスである。なお、既に、宿泊券となる物体上に筆記具で点が記載されているものとする。
宿泊管理システム200の動作準備として、ステップS310において、宿泊管理システム200に参加する予約装置210と開錠装置230とは、宿泊管理サーバ220から宿泊管理アプリケーションをダウンロードする。
宿泊予約動作(識別子の登録)について説明する。予約装置210の撮像部(カメラ)212は、ステップS311において、宿泊券となる物体上の点画像を撮像する。予約装置210の端末211は、ステップS313において、撮像部(カメラ)212が物体上から撮像した点画像を、宿泊管理サーバ220に送信する。宿泊管理サーバ220は、ステップS315において、予約装置210から取得した点画像から点識別子を抽出する。そして、宿泊管理サーバ220は、ステップS317において、抽出した点識別子と宿泊日時(期間)とを対応付けて、宿泊管理データベース221に登録する。また、宿泊管理サーバ220は、ステップS317において、点識別子および宿泊日時の登録完了(すなわち、宿泊予約完了)を予約装置210に送信する。予約装置210の端末211は、ステップS319において、宿泊予約完了を通知する。
開錠制御動作について説明する。開錠装置230の撮像部(カメラ)232は、ステップS321において、物体上の点画像を撮像する。開錠装置230の制御部231は、ステップS323において、撮像部(カメラ)232が物体上から撮像した点画像を、宿泊管理サーバ220に送信する。宿泊管理サーバ220は、ステップS325において、開錠装置230から取得した点画像から点識別子を抽出する。そして、宿泊管理サーバ220は、ステップS327において、宿泊管理データベース221に既に登録された点識別子および対応付けられた宿泊日時を読み出す。宿泊管理サーバ220は、ステップS329において、抽出した点識別子が登録された点識別子中にあり、かつ、対応する宿泊日時が一致するか、そうでないかを照合する。そして、宿泊管理サーバ220は、照合結果を開錠装置230の制御部231に通知する。開錠装置230の制御部231は、ステップS331において、開錠制御を実施する。すなわち、抽出した点識別子が登録された点識別子中にあり、かつ、対応する宿泊日時が一致する場合は来訪者の入場を許可し、抽出した点識別子が登録された点識別子中にない場合、または、対応する宿泊日時が一致しない場合は来訪者の入場を不許可とする。
宿泊予約キャンセル動作(点識別子の削除)について説明する。予約装置210の撮像部(カメラ)212は、ステップS345において、物体上の点画像を撮像する。予約装置210の端末211は、ステップS347において、撮像部(カメラ)212が物体上から撮像した点画像およびキャンセル日時を、宿泊管理サーバ220に送信する。宿泊管理サーバ220は、ステップS349において、予約装置210から取得した点画像から点識別子を抽出する。そして、宿泊管理サーバ220は、ステップS351において、宿泊管理データベース221に一致する点識別子が登録されていれば削除する。なお、この削除動作は必須ではなく、他の種々のタイミングで宿泊管理データベース221から点識別子を削除することで、宿泊予約はキャンセルされる。
図3Bは、本実施形態に係る宿泊管理システム200の他の動作手順を示すシーケンス図である。図3Bは、点識別子を予約装置210および開錠装置230が抽出する宿泊管理システム200の動作シーケンスである。なお、既に、宿泊証となる物体上に筆記具で点が記載されているものとする。また、図3Bにおいて、図3Aと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
宿泊予約動作について説明する。予約装置210の端末211は、ステップS361において、撮像部(カメラ)212が物体上から撮像した点画像から点識別子を抽出する。そして、予約装置210の端末211は、ステップS363において、抽出した点識別子および対応する宿泊日時を宿泊管理サーバ220に送信する。
開錠制御動作について説明する。開錠装置230の制御部231は、ステップS371において、撮像部(カメラ)232が物体上から撮像した点画像から点識別子を抽出する。そして、開錠装置230の制御部231は、ステップS373において、抽出した点識別子および現日時を宿泊管理サーバ220に送信する。
宿泊予約キャンセル動作について説明する。予約装置210の撮像部(カメラ)212は、ステップS385において、撮像部(カメラ)212が物体上から撮像した点画像から点識別子を抽出する。そして、予約装置210の撮像部(カメラ)212は、ステップS387において、抽出した点識別子およびキャンセル日時を宿泊管理サーバ220に送信する。なお、この削除動作は必須ではなく、他の種々のタイミングで宿泊管理データベース221から点識別子を削除することで、宿泊予約はキャンセルされる。
図3Cは、本実施形態に係る宿泊管理システム200のさらに他の動作手順を示すシーケンス図である。図3Cは、開錠装置230が自機で点識別子の照合を行なう宿泊管理システム200の動作シーケンスである。なお、既に、宿泊証となる物体上に筆記具で点が記載されているものとする。また、図3Cにおいて、図3Aおよび図3Bと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
宿泊予約動作について説明する。宿泊管理サーバ220は、ステップS391において、抽出した点識別子および宿泊日時を開錠装置230に設定する。また、宿泊管理サーバ220は、ステップS391において、宿泊予約完了を予約装置210に送信する。開錠装置230の制御部231は、ステップS393において、設定された点識別子および宿泊日時を格納する。
開錠制御動作について説明する。開錠装置230の制御部231は、ステップS395において、抽出した点識別子が格納された点識別子中にあり、かつ、対応する宿泊日時が一致するか、そうでないかを照合する。そして、開錠装置230の制御部231は、ステップS331において、開錠制御を実施する。
宿泊予約キャンセル動作について説明する。開錠装置230の制御部231は、ステップS397において、抽出された点識別子に一致する点識別子が格納されていれば削除する。なお、この削除動作は必須ではなく、他の種々のタイミングで開錠装置230の制御部231から点識別子を削除することで、宿泊予約はキャンセルされる。
なお、図3A乃至図3Cの動作シーケンスでは、宿泊場所や宿泊部屋は予め設定されているものとした。宿泊場所や宿泊部屋を登録時に予約装置210から設定する場合は、宿泊場所や宿泊部屋の入力および登録を行なう。また、宿泊者識別子(ID)による管理をする場合は、宿泊者識別子(ID)の入力および登録を行なう。かかる宿泊場所や宿泊部屋、宿泊者識別子(ID)の入力は、予約装置210からからの操作入力、あるいは、それらを記載した物体の撮像画像から文字認識して、宿泊管理データベース221に登録してもよい。さらに、他の記載内容を点識別子に対応付けて宿泊管理データベース221に登録してもよい。
《宿泊管理サーバ》
図4は、本実施形態に係る情報処理装置としての宿泊管理サーバ220の機能構成を示すブロック図である。
宿泊管理サーバ220は、通信制御部401と、予約情報取得部402と、宿泊予約部403と、宿泊管理データベース221と、予約完了通知部404と、点識別子および日時照合部405と、開錠制御指示部406と、宿泊予約削除部407と、宿泊管理アプリケーション提供部408と、を備える。
通信制御部401は、ネットワーク240を介した予約装置210および開錠装置230との通信を制御する。予約情報取得部402は、点画像および日時取得部421と、点識別子抽出部422と、点識別子および日時受信部423と、を有する。そして、予約装置210または開錠装置230から点画像が送信された場合は、点画像および日時取得部421で点画像を受信して点識別子抽出部422で点画像から点識別子を抽出する。一方、予約装置210または開錠装置230から点識別子が送信された場合は、点識別子および日時受信部423で点識別子を受信する。また、予約装置210から取得または受信する日時は予約する宿泊日時であり、開錠装置230から取得または受信する日時は現日時である。なお、予約情報取得部402は、点画像および日時取得部421および点識別子抽出部422、あるいは、点識別子および日時受信部423のいずれかで一方のみあってもよい。宿泊予約部403は点識別子および宿泊日時登録部であって、点識別子抽出部422が抽出した点識別子または点識別子および日時受信部423が受信した点識別子と、対応する宿泊日時とを宿泊管理データベース221に登録する。予約完了通知部404は登録完了通知部であって、宿泊管理データベース221への点識別子および宿泊日時の登録完了を予約装置210に通知する。
点識別子および日時照合部405は、予約情報取得部402が開錠装置230から取得した点識別子と、宿泊管理データベース221に登録された点識別子とが一致するか否かを照合する。かつ、点識別子および日時照合部405は、点識別子に対応付いた、予約情報取得部402が開錠装置230から取得した現日時と、宿泊管理データベース221に登録された宿泊日時とが一致するか否か、を照合する。なお、点識別子の一致は照合結果の差が所定閾値以内であれば一致と判断してもよい。開錠制御指示部406は、点識別子および日時照合部405の照合結果に基づいて、開錠装置230に開錠制御を指示する。オプションである宿泊予約削除部407は、予約装置210からの点識別子と一致する、宿泊管理データベース221に登録された点識別子を削除することで、宿泊予約をキャンセルする。
なお、図4には図示しないが、宿泊者識別子(ID)による管理をする場合、宿泊管理サーバ220が撮像画像から文字認識して、登録処理時には宿泊者識別子(ID)を宿泊管理データベース221に登録し、開錠制御時に宿泊者識別子(ID)を照合してもよい。また、入場により宿泊者を記憶し、退場により宿泊者を削除する処理をするための宿泊者記憶部を、宿泊管理データベース221内に設けても、別途に設けてもよい。
(宿泊管理データベース)
図5は、本実施形態に係る宿泊管理データベース221の構成を示す図である。宿泊管理データベース221は、予約者の点識別子と宿泊日時とを登録して宿泊の管理に使用される。
宿泊管理データベース221には、構成510、構成520、構成530、などが登録される。構成510は、登録済点識別子511と宿泊日時(期間)512とを記憶する。また、構成520は、登録済点識別子521と宿泊者識別子(ID)522と宿泊日時(期間)523とを対応付けて記憶する。構成530は、異なる点識別子抽出方式531に対応付けて、点識別子532と宿泊日時(期間)533とを記憶する。
構成510を使用する場合、本実施形態の宿泊証を持っている来訪者は当日時の宿泊許可とする最も単純な宿泊者の認証となる。構成520を使用する場合、宿泊者を別途確認することが可能となる。なお、宿泊オーナーへの通知などの説明は本例では削除するが、宿泊オーナー識別子や通知先などを登録してもよい。
なお、宿泊管理データベース221の構成は、図5に限定されず点識別子と宿泊日時にさらに他の付加情報と対応付けて登録しても、用途に応じてこれらを組み合わせて登録してもよい。また、宿泊管理データベース221に含まれる情報は図5に限定されない。他の宿泊管理の確実性を高める、あるいは、宿泊管理をより効率的に実現する、あるいは、宣伝効果などの他の効果を奏する、ために有用な情報が加えられてもよい。
《予約装置の機能構成》
図6は、本実施形態に係る予約装置210の機能構成を示すブロック図である。
予約装置210は、端末211と、撮像部(カメラ)212と、表示部621と、操作部622と、を備える。端末211は、通信制御部601と、入出力インタフェース602と、予約情報送信部603と、オプションの宿泊者識別子(ID)送信部604と、予約完了受信部605と、予約完了処理部606と、を備える。そして、撮像部(カメラ)212と、表示部621と、操作部622とは、端末211の入出力インタフェース602に接続されている。
通信制御部601は、ネットワーク240を介した宿泊管理サーバ220との通信を制御する。入出力インタフェース602は、入出力機器とのインタフェースを行なう。予約情報送信部603は、点画像および宿泊日時取得部631と、点画像および宿泊日時送信部632と、点識別子抽出部633と、点識別子および宿泊日時送信部634と、を有する。そして、宿泊管理サーバ220に点画像を送信する場合は、点画像および宿泊日時取得部631で取得した点画像と宿泊日時とを点画像および宿泊日時送信部632から送信する。一方、宿泊管理サーバ220に点識別子を送信する場合は、点画像および宿泊日時取得部631で取得した点画像から点識別子抽出部633で点識別子を抽出し、点識別子と宿泊日時とを点識別子および宿泊日時送信部634から送信する。オプションの宿泊者識別子(ID)送信部604は、例えば、宿泊者識別子(ID)による認証も行なう場合に、操作部622から入力された宿泊者識別子(ID)を送信する。予約完了受信部605は、宿泊管理サーバ220から点識別子および宿泊日時の宿泊管理データベース221への登録完了通知を受信する。そして、予約完了処理部606は、表示部621への予約完了報知などの予約完了処理を行なう。なお、図6には、オプションの予約キャンセル関連の機能構成部は図示されていない。
なお、予約装置210において、予約情報送信部603と、宿泊者ID送信部604と、予約完了受信部605と、予約完了処理部606とは、宿泊管理サーバ220からダウンロードする宿泊管理アプリケーション610に含まれてもよい。また、図6には図示しないが、宿泊者識別子(ID)による管理をする場合、予約装置210からに入力操作や物体の撮像画像から文字認識して、宿泊者識別子(ID)を宿泊管理サーバ220に送信し、宿泊管理データベース221に登録してもよい。
《開錠装置の機能構成》
図7は、本実施形態に係る開錠装置230の機能構成を示すブロック図である。
開錠装置230は、制御部231と、撮像部(カメラ)232と、開錠機構721と、必要であれば表示部/操作部722と、を備える。制御部231は、通信制御部701と、入出力インタフェース702と、開錠情報送信部703と、オプションの点識別子および宿泊日時格納部704と、オプションの点識別子および日時照合部705と、開錠制御指示受信部706と、開錠制御処理部707と、を備える。そして、撮像部(カメラ)232と、開錠機構721と、表示部/操作部722と、制御部231の入出力インタフェース702に接続されている。
通信制御部701は、ネットワーク240を介した宿泊管理サーバ220との通信を制御する。入出力インタフェース702は、入出力機器とのインタフェースを行なう。開錠情報送信部703は、点画像および現日時取得部731と、点画像および現日時送信部732と、点識別子抽出部733と、点識別子および現日時送信部734と、を有する。そして、宿泊管理サーバ220に点画像を送信する場合は、点画像および現日時取得部731で取得した点画像および現日時を点画像および現日時送信部732から送信する。一方、宿泊管理サーバ220に点識別子を送信する場合は、点画像および現日時取得部731で取得した点画像から点識別子抽出部733で点識別子を抽出し、抽出した点識別子と現日時とを点識別子および現日時送信部734から送信する。オプションの点識別子および宿泊日時格納部704は、制御部231で点識別子および日時の照合を行なう場合に、宿泊管理サーバ220から送信された点識別子と宿泊日時とを格納する。そして、オプションの点識別子および日時照合部705は、点識別子抽出部733で抽出された点識別子と、点識別子および宿泊日時格納部704に格納された点識別子とを照合する。かつ、点識別子および日時照合部705は、点画像および現日時取得部731で取得された現日時と、点識別子および宿泊日時格納部704に格納された宿泊日時とを照合する。開錠制御指示受信部706は、宿泊管理サーバ220からの点識別子および日時の照合に基づく開錠制御の指示を受信する。開錠制御処理部707は、開錠制御指示受信部706が受信した開錠制御の指示、または、点識別子および日時照合部705の照合結果に基づく開錠制御の指示に対応して、開錠機構721に対する開錠制御の処理を行なう。
なお、予約装置210において、開錠情報送信部703と、点識別子および宿泊日時格納部704と、点識別子および日時照合部705と、開錠制御指示受信部706と、開錠制御処理部707とは、宿泊管理サーバ220からダウンロードする宿泊管理アプリケーション710に含まれてもよい。また、図7には図示しないが、宿泊者識別子(ID)による管理をする場合、開錠装置230が物体の撮像画像から文字認識して、宿泊者識別子(ID)を宿泊管理サーバ220に送信し、宿泊管理データベース221に登録された宿泊者識別子(ID)と照合してもよい。また、図7では各予約装置210が撮像部(カメラ)232を有する構成をしめしたが、撮像部(カメラ)232と制御部231を備える1つの予約装置と、各開錠位置に設置された開錠機構721と、の構成であってもよい。
《点識別子抽出部の一例》
図8Aは、本実施形態に係る点識別子抽出部422、633、733の機能構成の一例を示すブロック図である。図8Aには、点識別子抽出部422、633、733を含む宿泊管理サーバ220、予約装置210、開錠装置230の一部を示している。図8Aを参照すると、本実施形態に係る点識別子抽出部422、633、733は、物体252の点識別子を抽出する機能を有する。
図8Aにおいて、物体としての物体252、その面上に形成されている筆記具で記載された点253、この点253に含まれる微小な粒256は、図2Bを参照して説明した物体252、点253、微小な粒256と同じである。
撮像部(カメラ)212、232は、物体252上の点253の画像を光学的に取得する機能、即ち撮像機能を有する。撮像部(カメラ)212、232は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide)イメージセンサを使用したカメラを使用することができる。
図8Aの点画像取得部811は、点画像および日時取得部421、点画像および宿泊日時取得部631、点画像および現日時取得部731に含まれる。点画像取得部811は、宿泊管理サーバ220の場合はネットワーク240を介して、予約装置210、開錠装置230の場合は撮像部(カメラ)212、232から、点画像を取得する。点画像取得部811は、撮像部(カメラ)212、232を使用して物体252の点253の画像を取得し、画像記憶部832に保存する機能を有する。点画像取得部811は、物体252上の点253の平面形状が写っている画像を取得する。また、点画像取得部811は、点253に存在する粒256の分布に依存する特徴量を抽出できる品質の画像を取得する。
点識別子抽出部422、633、733は、点画像から点識別子を抽出する機能を有する。点識別子抽出部422、633、733は、主な機能部として、画像記憶部832、座標系決定部833、正規化画像生成部834、正規化画像記憶部835、固定領域決定部836、および特徴量抽出部837を有する。
なお、点識別子抽出部422、633、733は、例えば、1以上のマイク口プロセッサ等の演算処理部と、画像記憶部832および正規化画像記憶部835等として用いるメモリやハードディスク等の記憶部とを有する情報処理部と、プログラムとで実現されてよい。プログラムは、情報処理部の立ち上げ時等に外部のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリに読み込まれ、演算処理部の動作を制御することにより、演算処理部上に、座標系決定部833、正規化画像生成部834、固定領域決定部836、および特徴量抽出部837といった機能構成部を実現する。
座標系決定部833は、画像記憶部832に記憶されている点253の画像の全体から、点253の画像に固有の座標系を決定する機能を有する。点253の画像に固有の座標系は、原点の位置、軸の方向、スケールの3つのパラメータによって定義される。点253の画像に固有の座標系は、点253の画像の全体から決定されるため、点253の平面形状に依存するものとなる。
正規化画像生成部834は、画像記憶部832に記憶されている点253の画像を、正規化座標系に正規化し、正規化した画像を正規化画像記憶部835に保存する機能を有する。正規化座標系は、原点の位置、軸の方向、スケールの3つのパラメータによって定義されている。
固定領域決定部836は、正規化画像記憶部835に記憶された点253の正規化画像におけるあらかじめ定められた領域を、特徴量抽出領域に定める機能を有する。あらかじめ定められた領域は、固定領域であれば、その形状、サイズ、領域の個数は任意である。上述したように、点253の画像に固有の座標系は、点253の平面形状に依存するため、正規化画像およびその中の固定領域である特徴量抽出領域は、点253の平面形状に依存する領域となる。
ここで、座標系決定部833、正規化画像生成部834、および固定領域決定部836は、点253の画像から、層の平面形状に依存する領域を決定する領域決定部838を構成している。
特徴量抽出部837は、正規化画像記憶部835に記憶された点253の正規化画像中の上記特徴量抽出領域における粒256の分布に依存する特徴量を点識別子として抽出し、出力する機能を有する。
(点識別子抽出処理)
図8Bは、本実施形態に係る点識別子抽出処理の一例の手順を示すフローチャートである。以下、図8Aおよび図8Bを参照して点識別子抽出部422、633、733の動作を説明する。点識別子抽出部422、633、733の構成および動作は同様なので、以下、点識別子抽出部633を代表させて説明する。
点画像取得部811が、撮像部(カメラ)212、232を用いて物体252上の点253の画像を取得し、点識別子抽出部633は点画像を画像記憶部832に保存する(ステップS801)。
次に、点識別子抽出部633の座標系決定部833は、画像記憶部832から点253の画像を入力して解析し、点253の画像に固有の座標系を決定し、固有の座標系の原点の位置、軸の方向、スケールを正規化画像生成部834に伝達する(ステップS802)。
次に、点識別子抽出部633の正規化画像生成部834は、座標系決定部833で決定された点253の画像に固有の座標系と正規化座標系とに基づいて、画像記憶部832に記憶されている点253の画像を正規化し、正規化した画像を正規化画像記憶部835に保存する(ステップS803)。
次に、点識別子抽出部633の固定領域決定部836は、正規化画像記憶部835に記憶された正規化画像中のあらかじめ定められた固定領域を特徴量抽出領域に決定し、特徴量抽出部837に伝達する(ステップS804)。
次に、点識別子抽出部633の特徴量抽出部837は、正規化画像記憶部835に記憶された点253の正規化画像中の上記特徴量抽出領域における粒256の分布に依存する特徴量を点識別子として抽出し、出力する(ステップS805)。
(座標決定部の一例)
図9Aは、本実施形態に係る座標系決定部833の機能構成の一例を示すブロック図である。
本例の座標系決定部833は、低解像度化部951、低解像度画像記憶部952、キーポイン卜・スケール検出部953、方向検出部954、および統計処理部955を有する。
低解像度化部951は、画像記憶部832に記憶された点253の画像をあらかじめ定められた基準で低解像度化し、低解像度画像記憶部952に保存する機能を有する。点253に粒256が不均一に含有されており、粒256の反射特性が点253他の材料と相違する場合、点253の画像を低解像度化すると、粒256の密度に応じた濃淡パターンが出現する。低解像度化部951は、点253の画像から、粒256の密度に応じた濃淡パターンを生成するための機能構成部である。
キーポイン卜・スケール検出部953は、低解像度画像記憶部952に記憶された濃淡パターンを有する画像から、キーポイン卜とスケールとを検出する機能を有する。ここで、キーポイン卜は、スケールが変わっても画像上に特徴的に現れる点や領域を意味し、検出するスケールはスケール変化に最も強い最適なスケールを意味する。キーポイン卜・スケール検出部953によるキーポイン卜とスケールの検出は、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)記述子を生成する過程で行われるキーポイン卜とスケールの検出に相当する。一般にSIFTは、微小な粒256が点在する画像には不向きであるが、上述のように低解像度化して生成した濃淡パターンからはキーポイン卜とスケールとを安定して抽出することが可能である。
方向検出部954は、キーポイン卜・スケール検出部953によって検出されたキーポイン卜ごとに、そのキーポイン卜を特徴付ける“方向"を決定する機能を有する。方向検出部954による方向の検出は、SIFT記述子を生成する過程で行われるオリエンテーションの検出に相当する。
統計処理部955は、キーポイン卜・スケール検出部953で検出されたキーポイン卜とスケール、および方向検出部954で検出されたキーポイン卜毎の方向に基づいて、固有の座標系の原点、軸、およびスケールを決定する機能を有する。例えば、統計処理部955は、複数のキーポイン卜の分布に基づいて固有の座標系の原点を決定する。具体的には、統計処理部955は、検出された複数のキーポイン卜の重心を固有の座標系の原点とする。また、統計処理部955は、複数のキーポイン卜のスケール、方向の分布に基づいて固有の座標系のスケール、軸を決定する。具体的には、統計処理部955は、複数のキーポイン卜のスケール、方向の分布の中心を、固有の座標系のスケール、軸とする。即ち、複数のキーポイン卜のスケールの分布の中心を固有の座標系のスケールとし、複数のキーポイン卜の方向の分布の中心を固有の座標系の軸とする。分布の中心としては、例えば最頻値を使用してよい。ただし、最頻値に限定されず、平均値や中央値を使用してもよい。
図9Bは、本実施形態に係る座標系決定部833の動作を説明するための模式図である。 図9Bにおいて、画像G911は、画像記憶部832に記憶されている点253の画像を示している。低解像度化部951は、画像G911から、画像G912に示すような、点253における粒256の密度に依存する濃淡パターンを有する画像を生成する。図9Bでは、便宜上、濃淡の相違をハッチングの種別の相違で表現している。次に、キーポイン卜・スケール検出部953は、画像G912から、キーポイン卜とスケールとを検出する。画像G912上に描かれている円はスケール、円の中心がキーポイン卜である。次に、方向検出部954は、キーポイン卜ごとに方向を検出する。画像G912上に描かれた円内の線分が方向を示している。
次に、統計処理部955は、検出されたキーポイン卜のスケール、方向の分布に基づいて固有の座標系のスケール、軸を決定するために、ヒストグラムG913に示すような、横軸がスケール、縦軸が頻度であるヒストグラムと、ヒストグラムG914に示すような、横軸が方向、縦軸が頻度であるヒストグラムを作成する。次に、統計処理部955は、ヒストグラムG913から最頻値のスケールを求め、これを固有の座標系のスケールとする。また、統計処理部955は、ヒストグラムG914から最頻値の方向を求め、この方向を固有の座標系の軸の方向とする。さらに、統計処理部955は、検出されたキーポイン卜の重心を求め、これを固有の座標系の原点とする。図9Bにおいて、画像G915に描かれている円は固有の座標系のスケール、円の中心が固有の座標系の原点、円内の矢印が固有の座標系の軸の方向をそれぞれ示している。
図9Bには、画像G911と比較して点の平面形状、点内の粒の分布が相違する他の画像G921と、その画像G921から生成された低解像度な画像G922、検出されたキーポイン卜とスケール、生成されたヒストグラムG923、G924、決定された固有の座標系を描いた画像G925が記載されている。このように、固有の座標系は、層の平面形状、層内の粒の分布が相違すると、多くの場合、異なるものとなる。
(座標決定部の他例)
図9Cは、本実施形態に係る座標系決定部833の機能構成の他例を示すブロック図である。
本例の座標系決定部833は、2値化部961、2値化画像記憶部962、塗りつぶし画像生成部963、塗りつぶし画像記憶部964、および形状処理部965を有する。
2値化部961は、画像記憶部832に記憶された点253の画像を2値化し、2値化画像記憶部962に保存する機能を有する。これにより、背景領域のほとんどの画素が白画素(値0)、点253の領域は粒256の分布に応じて白画素(値0)と黒画素(値1)とが混在する2値化画像が得られる。
塗りつぶし画像生成部963は、2値化画像記憶部962に記憶された2値化画像から、点253の平面形状と同一の形状を有し、内部が全て黒画素で埋め尽くされた画像(塗りつぶし画像)を生成し、塗りつぶし画像記憶部964に保存する機能を有する。2値化画像から塗りつぶし画像を生成する方法は任意である。例えば、塗りつぶし画像生成部963は、2値化画像記憶部962に記憶された2値化画像に対して、モルフォ口ジー演算を行うことにより、塗りつぶし画像を生成してよい。また、塗りつぶし画像生成部963は、あらかじめ定められた画素長をnとし、n画素の膨張処理とn画素の収縮処理を実行することにより、2値化画像から塗りつぶし画像を生成してよい。ここで、n画素の膨張処理とは、注目中の画素の値が“1”である場合、注目画素からn画素長以内に存在する全ての画素の値を“1”にする操作を、2値化画像の全面素に注目して行う処理を意味する。また、n画素の収縮処理とはn画素の膨張処理を施した後の2値画像に対して、注目中の画素の値が“0”である場合、注目画素からn画素長以内に存在する全ての画素の値を“0”にする操作を、2値化画像の全面素に注目して行う処理を意味する。
形状処理部965は、塗りつぶし画像記憶部964に記憶された塗りつぶし画像の特徴から、固有の座標系を決定する機能を有する。例えば、形状処理部965は、塗りつぶし画像の重心を固有の座標系の原点に決定する。また、形状処理部965は、例えば、上記重心を通り画像面に平行な軸であって、軸の周りの2次モーメン卜が最小または最大となる軸を固有の座標系の軸に決定する。さらに、形状処理部965は、例えば、上記塗りつぶし画像の面積を固有の座標系のスケールに決定する。
図9Dは、本実施形態に係る座標決定部の動作を説明するための模式図である。
図9Dにおいて、画像G931は、画像記憶部832に記憶されている点253の画像を示している。2値化部961は、画像G931から、2値化画像G932を生成する。図9Dでは、便宜上、黒画素はハッチングで示し、白画素は白丸で示している。次に、塗りつぶし画像生成部963は、2値化画像G932から、黒画素で塗りつぶした塗りつぶし画像G933を生成する。次に、形状処理部965は、塗りつぶし画像G933の重心、モーメン卜、面積を抽出し、それらを固有の座標系の原点、軸、スケールとする。
(正規化画像生成部)
正規化画像生成部834は、座標系決定部833により決定された点253の画像に固有の座標系の原点を、正規化座標系の原点とみなす。また、正規化画像生成部834は、固有の座標系の軸が正規化座標系の軸と一致するように、点253の画像を、原点を中心に回転させる。さらに、正規化画像生成部834は、固有の座標系のスケールが正規化座標系のスケールと一致するように、点253の画像を拡大あるいは縮小する。換言すれば、正規化画像生成部834は、固有の座標系を変換前の座標系、正規化座標系を変換後の座標系とする座標変換を点253の画像に施して、正規化された画像を生成する。
図10Aは、本実施形態に係る正規化画像生成部834の動作を説明するための模式図である。図10Aにおいて、画像G1016、G1026は、図9Bに示した画像G911、G921に固有の座標系を描いた画像である。即ち、画像G1016、G1026に実線で描かれている円は固有の座標系のスケール、その円の中心が固有の座標系の原点、円内の矢印が固有の座標系の軸をそれぞれ示している。
正規化画像生成部834は、固有の座標系の軸が正規化座標系の軸に一致し、かつ、固有の座標系のスケールが正規化座標系のスケールと一致するように、画像G1016、G1026を、原点を中心に回転させ、また拡大あるいは縮小することにより正規化画像を生成する。図10Aにおいて、画像G1017、G1027は、そのようにして生成された画像G1016、G1026の正規化画像を示している。画像G1017、G1027に描かれた円は正規化座標系のスケール、円内の矢印が正規化座標系の軸をそれぞれ示している。
(固定領域決定部)
固定領域決定部836は、正規化座標系を使用して、正規化画像中に固定領域を定義する。例えば、固定領域決定部836は、正規化座標系の原点を重心とし、正規化座標系のスケールを辺のサイズとし、正規化座標系の軸に平行な2辺を有する正方形を、固定領域とする。勿論、固定領域の形状は正方形に限定されず、長方形などの他の形状であってもよい。また辺のサイズは正規化座標系のスケールに一致させる必要はなく、固定値であれば任意でよい。
図10Bは、本実施形態に係る固定領域決定部836の動作を説明するための模式図である。図10Bにおいて、画像G1018、G1028は、図10Aに示した画像G1017、G1027に特徴量抽出領域を付記した画像の例である。即ち、画像G1018、G1028に描かれている円は正規化座標系のスケール、その円の中心が正規化座標系の原点、円内の矢印が正規化座標系の軸をそれぞれ示している。そして、画像G1018、G1028に実線で描かれている正方形が、特徴量を抽出する領域となる固定領域である。
(特徴量抽出部)
特徴量抽出部837は、正規化画像記憶部835に記憶された点253の正規化画像中の上記特徴量抽出領域における粒256の分布に依存する特徴量を点識別子として抽出し、出力する機能を有する。
特徴量抽出部837が抽出する特徴量としては、例えば以下のような固定次元数のベクトルが考えられる。
特徴量の例1:特徴量抽出部837は、点253の正規化画像中の特徴量抽出領域を正規化座標系の軸に平行な方向にn等分し、その軸に垂直な方向にm等分することにより、特徴量抽出領域を(n×m)個のブロックに分割する。次に、特徴量抽出部837は、各ブロックの輝度を抽出する。次に、特徴量抽出部837は、各ブロックの輝度を闇値と比較し、輝度が闇値以上であれば例えば値1、そうでなければ値0とすることにより、各ブロックの輝度を2値に量子化する。そして、特徴量抽出部837は、各ブロックの量子化値を所定の順序に並べたビット列を、点識別子を構成する(n×m)次元の特徴量として出力する。
特徴量の例2:特徴量抽出部837は、点253の正規化画像中の特徴量抽出領域から固定ビット長のBRIEF(Binary Robust Independent Elementary Features)を抽出し、個体識別子を構成する固定次元数の特徴量として出力する。
ただし、特徴量抽出部837が抽出する特徴量は上記の例に限定されない。例えば、特徴量抽出部837は、点253の正規化画像中の特徴量抽出領域からSIFT特徴量を点識別子として抽出してもよい。この場合、特徴量抽出領域の画像から直接にSIFT特徴量を抽出すると、粒256の1つが最小スケールになって方向が出ず、ディスクリプタが不安定になる。そのため、特徴量抽出領域の画像を所定の基準で低解像度化して濃淡パターンを有する画像を生成し、上記濃淡パターンを有する画像からSIFT特徴量を抽出することが望ましい。しかし、識別力および識別照合の高速化の観点からは、SIFT特徴量よりも上述した固定次元数の特徴量を抽出する方が好ましい。
《点識別子抽出部の他例》
図11Aは、本実施形態に係る点識別子抽出部422、633、733の機能構成の他例を示すブロック図である。図11Aには、点識別子抽出部422、633、733を含む宿泊管理サーバ220、予約装置210、開錠装置230の一部を示している。図11Aを参照すると、本実施形態に係る点識別子抽出部422、633、733は、物体252の点識別子を抽出する機能を有する。なお、図11Aにおいて、図8Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明は省略する。
点識別子抽出部422、633、733は、点画像から点識別子を抽出する機能を有する。本例の点識別子抽出部422、633、733は、主な機能部として、点領域決定部1133、および特徴量抽出部1134を有する。点識別子抽出部422、633、733のプログラムは、情報処理部の立ち上げ時等に外部のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリに読み込まれ、演算処理部の動作を制御することにより、演算処理部上に、点領域決定部1133、および特徴量抽出部1134といった機能構成部を実現する。
点領域決定部1133は、画像記憶部832に記憶されている点253の平面形状の全体を、特徴量抽出領域として決定する機能を有する。
特徴量抽出部1134は、画像記憶部832に記憶されている点253の画像中の上記特徴量抽出領域から、粒256の分布に依存する特徴量を抽出し、点識別子として出力する機能を有する。
図11Bは、本実施形態に係る点識別子抽出処理の他例の手順を示すフローチャートである。以下、図11Aおよび図11Bを参照して点識別子抽出部422、633、733の動作を、点識別子抽出部633の動作を代表させて説明する。なお、図11Bにおいて、図8Bと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明は省略する。
点識別子抽出部633の点領域決定部1133は、点253の平面形状の全体を、特徴量抽出領域として決定する(ステップS1102)。点領域決定部1133は、点253の平面形状の全体は、例えば、点253の画像を2値化し、この2値化画像に対してモルフォ口ジー演算を行うことにより抽出することができる。
次に、点識別子抽出部633の特徴量抽出部1134は、画像記憶部832に記憶されている点253の画像中の上記特徴量抽出領域から、粒256の分布に依存する特徴量を抽出し、点識別子として出力する(ステップS1103)。
本実施形態では、座標系の正規化を行わないため、特徴量抽出部1134は画像の回転等に頑健な特徴量、例えばSIFT特徴量を抽出する。ただし、特徴量抽出部1134が抽出する特徴量はSIFT特徴量に限定されない。また、画像から直接にSIFT特徴量を抽出すると、粒256の1つが最小スケールになって方向が出ず、ディスクリプタが不安定になり、インライア比率が小さくなって、マッチングが困難になる。そこで、本例では、以下のようにしてSIFT特徴量を抽出する。
特徴量抽出部1134は、まず、点253の特徴量抽出領域の画像を所定の基準で低解像度化する。これにより、点253における粒256の密度に依存する濃淡パターンを有する画像が生成される。次に、特徴量抽出部1134は、上記濃淡パターンを有する画像からSIFT特徴量を抽出する。
《点識別子抽出部のさらに他例》
図12Aは、本実施形態に係る点識別子抽出部422、633、733の機能構成のさらに他例を示すブロック図である。図12Aには、点識別子抽出部422、633、733を含む宿泊管理サーバ220、予約装置210、開錠装置230の一部を示している。図12Aを参照すると、本実施形態に係る点識別子抽出部422、633、733は、物体252の点識別子を抽出する機能を有する。なお、図12Aにおいて、図8Aまたは図11Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明は省略する。
点識別子抽出部422、633、733は、点画像から点識別子を抽出する機能を有する。本例の点識別子抽出部422、633、733は、主な機能部として、画像記憶部832、第1の特徴量抽出部1233、第2の特徴量抽出部1234、および特徴量統合部1235を有する。点識別子抽出部422、633、733のプログラムは、情報処理部の立ち上げ時等に外部のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリに読み込まれ、演算処理部の動作を制御することにより、演算処理部上に、第1の特徴量抽出部1233、第2の特徴量抽出部1234、および特徴量統合部1235といった機能構成部を実現する。
第1の特徴量抽出部1233は、点253の画像から、点253の平面形状および粒256の分布に依存する特徴量を第1の特徴量として抽出する機能を有する。第1の特徴量抽出部1233は、例えば、図8Aを参照して説明した座標系決定部833、正規化画像生成部834、正規化画像記憶部835、固定領域決定部836、および特徴量抽出部837によって実現することができる。あるいは第1の特徴量抽出部1233は、例えば、図11Aを参照して説明した点領域決定部1133、および特徴量抽出部1134によって実現することができる。
第2の特徴量抽出部1234は、点253の画像から、点253の平面形状に依存する特徴量を第2の特徴量として抽出する機能を有する。例えば、第2の特徴量抽出部1234は、点253の画像から、点253の平面形状に依存するが、粒256の分布に依存しない特徴量を第2の特徴量として抽出する機能を有する。第2の特徴量抽出部1234が抽出する特徴量としては、例えば、図9Cを参照して説明した座標系決定部833が固有の座標系の軸を決定する過程で算出した最小または最大の2次モーメン卜を使用することができる。ただし、第2の特徴量抽出部1234が抽出する特徴量は、上記に限定されず、点253の平面形状の面積、周囲長など、他の特徴量を使用してもよい。
特徴量統合部1235は、第1の特徴量抽出部1233によって抽出された第1の特徴量と第2の特徴量抽出部1234によって抽出された第2の特徴量とから点識別子を生成する機能を有する。例えば、特徴量統合部1235は、第1の特徴量と第2の特徴量とを連結した特徴量を点識別子とする。
図12Bは、本実施形態に係る点識別子抽出処理のさらに他例の手順を示すフローチャートである。以下、図12Aおよび図12Bを参照して点識別子抽出部422、633、733の動作を、点識別子抽出部633の動作を代表させて説明する。なお、図12Bにおいて、図8B、図11Bと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明は省略する。
点識別子抽出部633の第1の特徴量抽出部1233は、点253の画像から、点253の平面形状および粒256の分布に依存する第1の特徴量を抽出する(ステップS1202)。
次に、点識別子抽出部633の第2の特徴量抽出部1234は、点253の画像から、点253の平面形状に依存する第2の特徴量を抽出する(ステップS1203)。
次に、点識別子抽出部633の特徴量統合部1235は、第1の特徴量と第2の特徴量とを統合することにより点識別子を生成し、出力する(ステップS1204)。
このように本例では、点識別子は、第1の特徴量と第2の特徴量とを有する。このため、本例で抽出された点識別子を使用する照合識別では、点識別子どうしの比較は、第1の特徴量どうしの比較、第2の特徴量どうしの比較、第1の特徴量と第2の特徴量とをあわせた全体どうしの比較という3パターンのいずれか1つあるいは2つあるいは3つ全ての組み合わせで実施することができる。そのため、例えば、最初に第2の特徴量どうしを比較して、同一または類似しない候補を除外し、残りの候補について第1の特徴量どうしを比較して最終的に識別照合するといった形態が可能になる。
《宿泊管理サーバのハードウェア構成》
図13は、本実施形態に係る情報処理装置としての宿泊管理サーバ220のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、図13において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する機能構成などは省略している。
図13で、CPU(Central Processing Unit)1310は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図4の機能構成部を実現する。CPU1310は1つであっても複数であってもよい。ROM(Read Only Memory)1320は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。ネットワークインタフェース1330は、ネットワーク240を介して、予約装置210や開錠装置230との通信を制御する。
RAM(Random Access Memory)1340は、CPU1310が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM1340には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。点画像および日時データ1341は、予約装置210や開錠装置230から受信した点画像のデータ、および、予約装置210から受信した宿泊日時や開錠装置230から受信した現日時のデータである。抽出された点識別子1342は、予約装置210や開錠装置230から受信した点識別子のデータ、あるいは、点画像および日時データ1341の点画像から抽出された点識別子のデータである。登録済点識別子および宿泊日時1343は、宿泊管理データベース221から読み出された登録済点識別子および宿泊日時のデータである。点識別子および日時照合結果1344は、抽出された点識別子1342と登録済点識別子、かつ、開錠装置230から受信した現日時と登録済宿泊日時との照合結果を示すデータである。開錠制御指示命令1345は、点識別子および日時照合結果1344に基づいて開錠装置230に指示する開錠制御命令のデータである。送受信データ1346は、ネットワーク240を介して送受信されるデータを記憶し、本例では点画像、点識別子、開錠制御命令などを含む。
ストレージ1350は、CPU1310が使用する、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。宿泊管理データベース221は、図5に示したように、点識別子および宿泊日時(期間)を含むデータを登録する。点識別子抽出アルゴリズム1351は、使用される点識別子抽出のアルゴリズムである。ストレージ1350には、以下のプログラムが格納される。宿泊管理サーバ制御プログラム1352は、本宿泊管理サーバ220の全体を制御するプログラムである。点画像/点識別子および宿泊日時管理モジュール1353は、予約装置210や開錠装置230から受信した点画像や点識別子と宿泊日時や現日時、あるいは、点識別子抽出モジュール1354が抽出した点識別子と、宿泊日時や現日時とを管理するモジュールである。点識別子抽出モジュール1354は、点画像から点識別子を抽出モジュールである。点識別子および日時照合モジュール1355は、宿泊管理データベース221から読み出された登録済点識別子と、新たに点画像から抽出された点識別子とを照合し、かつ、宿泊管理データベース221から読み出された宿泊日時と、新たに点画像が撮像された現日時とを照合するモジュールである。開錠制御指示モジュール1356は、点識別子および日時照合モジュール1355の照合結果に基づいて、開錠装置230に開錠制御を指示するモジュールである。
なお、図13のRAM1340やストレージ1350には、宿泊管理サーバ220が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関連するプログラムやデータは図示されていない。
《宿泊管理サーバの処理手順》
図14は、本実施形態に係る情報処理装置としての宿泊管理サーバ220の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図13のCPU1310がRAM1340を使用して実行し、図4の機能構成部を実現する。なお、図14のフローチャートは、宿泊管理サーバが点識別子を抽出する図3Aの動作シーケンスに対応する。また、図14における「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図14において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
宿泊管理サーバ220は、ステップS1411において、宿泊予約処理(点識別子の登録)であるか否かを判定する。例えば、予約装置210からの点画像や点識別子の受信、あるいは、予約指示命令により、予約処理と判定する。予約処理と判定すると、宿泊管理サーバ220は、ステップS1413において、予約装置210から点画像および宿泊日時を受信する。宿泊管理サーバ220は、ステップS1415において、受信した点画像から点識別子を抽出する。そして、宿泊管理サーバ220は、ステップS1417において、抽出した点識別子および宿泊日時を対応付けて宿泊管理データベース221に登録する。
宿泊予約でないと判定した場合、宿泊管理サーバ220は、ステップS1421において、開錠制御の処理であるか否かを判定する。例えば、開錠装置230からの点画像や点識別子の受信、あるいは、開錠制御指示命令により、開錠制御の処理と判定する。開錠制御の処理であると判定すると、宿泊管理サーバ220は、ステップS1423において、開錠装置230から点画像および現日時を受信する。宿泊管理サーバ220は、ステップS1425において、受信した点画像から点識別子を抽出する。そして、宿泊管理サーバ220は、ステップS1427において、宿泊管理データベース221から登録済みの点識別子および宿泊日時を読み出して、受信した点画像から抽出した点識別子および開錠装置230からからの現日時を、それぞれ照合する。
宿泊管理サーバ220は、ステップS1429において、点識別子の照合が一致し、かつ、現日時が宿泊日時に含まれるか、そうでないかを判定する。なお、点識別子の照合が一致するか否かの判定は、照合結果の差が所定閾値以内の場合に一致と判定してもよい。点識別子および日時が一致すると判定した場合、宿泊管理サーバ220は、ステップS1431において、開錠の許可を開錠装置230に通知する。一方、点識別子が一致しない、または、日時が一致しないと判定した場合、宿泊管理サーバ220は、ステップS1433において、宿泊管理データベース221に登録済みで照合すべき点識別子および宿泊日時の照合が完了したか否かを判定する。照合が完了したと判定した場合、宿泊管理サーバ220は、ステップS1435において、開錠の不許可を開錠装置230に通知する。一方、照合が完了してないと判定した場合、宿泊管理サーバ220は、ステップS1427から、他の点識別子および宿泊日時との照合を継続する。
宿泊予約でなく、開錠制御の処理でないと判定した場合、宿泊管理サーバ220は、ステップS1441において、予約キャンセルであるか否かを判定する。例えば、予約装置210からの削除要請、あるいは、所定予約期間や宿泊日時を過ぎた場合などにより、予約を削除してよい。あるいは、宿泊オーナーによる削除指示が行なわれてもよい。以下、予約装置210からのキャンセル要請の場合の手順を説明する。予約キャンセル処理と判定すると、宿泊管理サーバ220は、ステップS1443において、予約装置210から点画像およびキャンセル日時を受信する。宿泊管理サーバ220は、ステップS1445において、受信した点画像から点識別子を抽出する。そして、抽出した点識別子が宿泊管理データベース221に登録されていれば、宿泊管理サーバ220は、ステップS1447において、これを削除して予約キャンセルする。なお、点識別子のみでなく付加情報を参照してキャンセルを決めてもよい。また、キャンセル日時が宿泊日時に近い場合に、キャンセル不可としてもよい。
《予約装置のハードウェア構成》
図15は、本実施形態に係る予約装置210のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、図15において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する機能構成などは省略している。
図15で、CPU1510は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図6の機能構成部を実現する。CPU1510は1つであっても複数であってもよい。ROM1520は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。ネットワークインタフェース1530は、ネットワーク240を介して、宿泊管理サーバ220との通信を制御する。
RAM1540は、CPU1510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM1540には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。撮像データ1541は、撮像部(カメラ)212が撮像した物体252上に記載された点253を含む画像データである。点画像および宿泊日時データ1542は、撮像データ1541から抽出した点画像のデータおよび操作部622から入力された宿泊日時のデータである。なお、撮像部(カメラ)212が点画像の抽出機能を有する場合は、撮像部(カメラ)212から受信した点画像のデータである。点識別子および宿泊日時1543は、予約装置210が点画像から点識別子を抽出する機能を有する場合に、点画像および宿泊日時データ1542の点画像から抽出された点識別子のデータ、および、操作部622から入力された宿泊日時のデータである。開錠対象情報1544は、点識別子の照合の他に認証のための付加情報を用いる場合に付加する、宿泊者識別子(ID)や宿泊場所などの情報である。点識別子管理情報1545は、点識別子の宿泊管理データベース221への予約通知、あるいは、予約装置210から点識別子の宿泊管理データベース221からの削除指示(予約キャンセル)などの場合に使用する、点識別子管理の情報である。送受信データ1546は、ネットワーク240を介して送受信されるデータを記憶し、本例では点画像、点識別子、宿泊日時(期間)、予約完了通知などを含む。入出力データ1547は、入出力インタフェース602を介した入出力機器と入出力するデータである。
ストレージ1550は、CPU1510が使用する、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。点識別子抽出アルゴリズム1551は、予約装置210が点識別子抽出機能を有する場合、使用される点識別子抽出のアルゴリズムである。ストレージ1550には、以下のプログラムが格納される。予約装置制御プログラム1552は、本予約装置210の全体を制御するプログラムである。予約装置用宿泊管理アプリケーション1553は、予約装置210として宿泊管理を行なうためのアプリケーションプログラムである。点画像および宿泊日時取得モジュール1554は、撮像部(カメラ)212が撮像した画像から点画像を取得する点画像の拡大などを含む処理や、予約する宿泊日時を取得するモジュールである。点識別子抽出モジュール1555は、予約装置210が点識別子抽出機能を有する場合、点画像から点識別子を抽出するモジュールである。予約管理通知モジュール1556は、点識別子の宿泊管理データベース221への登録通知(予約完了通知)、あるいは、予約装置210から点識別子の宿泊管理データベース221からの削除指示(予約キャンセル指示)などを管理するモジュールである。
入出力インタフェース602は、入出力デバイスとのデータ入出力を制御するためのインタフェースを行なう。本実施形態においては、入出力インタフェース602には、図6に示したように、撮像部(カメラ)212、表示部621、操作部622、GPS((Global Positioning System))位置算出部623などが接続される。
なお、図15のRAM1540やストレージ1550には、予約装置210が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関連するプログラムやデータは図示されていない。
《予約装置の処理手順》
図16は、本実施形態に係る予約装置210の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図15のCPU1510がRAM1540を使用して実行し、図6の機能構成部を実現する。なお、図16における「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図16において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
予約装置210は、ステップS1611において、宿泊予約処理(点識別子の登録)であるか否かを判定する。例えば、予約装置210における点画像や点識別子の取得、あるいは、予約指示命令により、宿泊予約処理と判定する。宿泊予約処理と判定すると、予約装置210は、ステップS1613において、撮像部(カメラ)212により点画像を撮像する。
ここで、予約装置210が点識別子抽出機能を有しない場合、予約装置210は、ステップS1615において、撮像した点画像および宿泊日時を宿泊管理サーバ220に送信する。一方、予約装置210が点識別子抽出機能を有する場合、予約装置210は、ステップS1625において、撮像した点画像から点識別子を抽出する。そして、予約装置210は、ステップS1626において、抽出した点識別子および宿泊日時を宿泊管理サーバ220に送信する。
次に、予約装置210は、ステップS1617において、宿泊管理サーバ220からの予約済み(点識別子登録済み)の通知を待つ。予約済みの通知があれば、予約装置210は、ステップS1619において、予約完了を表示などで通知する。
宿泊予約処理でないと判定した場合、予約装置210は、ステップS1631において、予約キャンセル処理(点識別子の削除)か否かを判定する。なお、予約装置210における予約キャンセル処理は必須でなくオプションである。例えば、予約装置210で予約済みの点識別子が再度、抽出される場合に予約キャンセルと判断して、点識別子を削除してよい。旅行会社カウンターのオペレータによる削除処理が行なわれてもよい。予約キャンセル処理と判定すると、予約装置210は、ステップS1633において、撮像部(カメラ)212により点画像を撮像する。
ここで、予約装置210が点識別子抽出機能を有しない場合、予約装置210は、ステップS1635において、撮像した点画像および予約済日時を宿泊管理サーバ220に送信する。一方、予約装置210が点識別子抽出機能を有する場合、予約装置210は、ステップS1645において、撮像した点画像から点識別子を抽出する。そして、予約装置210は、ステップS1646において、抽出した点識別子および予約済日時を宿泊管理サーバ220に送信する。
次に、予約装置210は、ステップS1637において、宿泊管理サーバ220からの予約キャンセル完了(点識別子削除済み)の通知を待つ。予約キャンセル完了の通知があれば、予約装置210は、ステップS1639において、予約キャンセル完了を表示などで通知する。
《開錠装置のハードウェア構成》
図17は、本実施形態に係る開錠装置230のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、図17において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する機能構成などは省略している。
図17で、CPU1710は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図7の機能構成部を実現する。CPU1710は1つであっても複数であってもよい。ROM1720は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。ネットワークインタフェース1730は、ネットワーク240を介して、宿泊管理サーバ220との通信を制御する。
RAM1740は、CPU1710が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM1740には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。撮像データ1741は、撮像部(カメラ)232が撮像した物体252上に記載された点253を含む画像データである。点画像および現日時データ1742は、撮像データ1741から抽出した点画像のデータ、および、不図示のタイマから取得した現日時のデータである。なお、撮像部(カメラ)232が点画像の抽出機能を有する場合は、撮像部(カメラ)232から受信した点画像のデータである。点識別子および現日時1743は、開錠装置230が点画像から点識別子を抽出する機能を有する場合に、点画像および現日時データ1742の点画像から抽出された点識別子のデータ、および、現日時のデータである。格納済点識別子および宿泊日時1744は、開錠装置230が点識別子の照合処理機能を有する場合、点識別子および宿泊日時格納部704から読み出された点識別子および宿泊日時のデータである。点識別子および日時照合結果1745は、開錠装置230が点識別子の照合処理機能を有する場合、抽出された点識別子と、点識別子および宿泊日時格納部704から読み出された格納済点識別子との照合、かつ、取得した現日時と格納された宿泊日時との照合による、照合結果のデータである。開錠機構制御情報1746は、点識別子および宿泊日時の照合結果に基づいて開錠機構721の開錠制御を指示する情報である。送受信データ1747は、ネットワーク240を介して送受信されるデータを記憶し、本例では点画像、抽出された点識別子、開錠指示情報、格納指示点識別子および宿泊日時などを含む。入出力データ1748は、入出力インタフェース602を介した入出力機器と入出力するデータである。
ストレージ1750は、CPU1710が使用する、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。点識別子および宿泊日時格納部704は、開錠装置230が点識別子の照合処理機能を有する場合、宿泊管理サーバ220から送信された点識別子および宿泊日時を、開錠装置230での照合処理のために格納する。点識別子抽出アルゴリズム1751は、開錠装置230が点識別子抽出機能を有する場合、使用される点識別子抽出のアルゴリズムである。ストレージ1750には、以下のプログラムが格納される。開錠装置プログラム1752は、本開錠装置230の全体を制御するプログラムである。開錠装置用宿泊管理アプリケーション1753は、開錠装置230として宿泊管理を行なうためのアプリケーションプログラムである。点画像および現日時取得モジュール1754は、撮像部(カメラ)232が撮像した画像から点画像を取得する点画像の拡大などを含み、かつ、不図示のタイマから現日時を取得するモジュールである。点識別子抽出モジュール1755は、開錠装置230が点識別子抽出機能を有する場合、点画像から点識別子を抽出モジュールである。点識別子および日時照合モジュール1756は、開錠装置230が点識別子の照合処理機能を有する場合、抽出された点識別子と、点識別子および宿泊日時格納部704から読み出された格納済点識別子との照合を行ない、かつ、取得した現日時と格納された宿泊日時との照合を行なうモジュールである。開錠機能制御モジュール1757は、宿泊管理サーバ220からの開錠制御指示、あるいは、点識別子および日時の照合結果に基づいて、開錠機構721の開錠制御を指示するモジュールである。
入出力インタフェース702は、入出力デバイスとのデータ入出力を制御するためのインタフェースを行なう。本実施形態においては、入出力インタフェース702には、図7に示したように、撮像部(カメラ)232、開錠機構721、表示部/操作部722、などが接続される。
なお、図17のRAM1740やストレージ1750には、開錠装置230が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関連するプログラムやデータは図示されていない。
《開錠装置の処理手順》
図18Aは、本実施形態に係る開錠装置230の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図17のCPU1710がRAM1740を使用して実行し、図7の機能構成部を実現する。図18Aのフローチャートは、開錠装置230が点識別子および日時の照合機能を有しない場合のフローチャートである。なお、図18Aにおける「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。
開錠装置230は、ステップS1811において、開錠制御処理であるか否かを判定する。例えば、開錠装置230における点画像や点識別子の取得、あるいは、開錠制御指示命令により、開錠制御処理と判定する。開錠制御処理と判定すると、開錠装置230は、ステップS1813において、撮像部(カメラ)232により点画像を撮像する。
ここで、開錠装置230が点識別子抽出機能を有しない場合、開錠装置230は、ステップS1815において、撮像した点画像およびタイマから取得した現日時を宿泊管理サーバ220に送信する。一方、開錠装置230が点識別子抽出機能を有する場合、開錠装置230は、ステップS1822において、撮像した点画像から点識別子を抽出する。そして、開錠装置230は、ステップS1823において、抽出した点識別子および現日時を宿泊管理サーバ220に送信する。
次に、開錠装置230は、ステップS1817において、宿泊管理サーバ220からの開錠許可か否かの通知を待つ。開錠許可の通知があれば、開錠装置230は、ステップS1819において、開錠機構721に対し開錠許可の指示をする。一方、開錠不許可の通知があれば、開錠装置230は、ステップS1821において、開錠機構721に対し開錠不許可の指示をする。
《開錠装置の他の処理手順》
図18Bは、本実施形態に係る開錠装置230の他の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図17のCPU1710がRAM1740を使用して実行し、図7の機能構成部を実現する。図18Bのフローチャートは、開錠装置230が点識別子および日時照合機能を有する場合のフローチャートである。なお、図18Bにおける「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図18Bにおいて、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
開錠装置230は、ステップS1841において、宿泊管理サーバ220から送信された本開錠装置230に関連する予約情報(点識別子および宿泊日時)の格納指示であるか否かを判定する。予約情報の格納指示であると判定すると、開錠装置230は、ステップS1843において、宿泊管理サーバ220から予約情報として点識別子および宿泊日時を受信する。そして、開錠装置230は、ステップS1845において、受信した点識別子および宿泊日時を点識別子および宿泊日時格納部704に格納して、当該開錠装置230に対する予約情報の格納とする。
予約情報の格納指示でないと判定した場合、開錠装置230は、ステップS1851において、開錠制御処理であるか否かを判定する。開錠制御処理と判定すると、開錠装置230は、ステップS1853において、撮像部(カメラ)232により点画像を撮像する。開錠装置230は、ステップS1855において、撮像した点画像から点識別子を抽出する。そして、開錠装置230は、ステップS1857において、点識別子および宿泊日時格納部704から格納済みの点識別子および宿泊日時を読み出して、撮像した点画像から抽出した点識別子および取得した現日時と照合する。
開錠装置230は、ステップS1859において、点識別子および日時の照合が一致するか否かを判定する。なお、点識別子の照合が一致するか否かの判定は、照合結果の差が所定閾値以内の場合に一致と判定してもよい。点識別子および日時が一致すると判定した場合、開錠装置230は、ステップS1861において、開錠許可を開錠機構721に通知する。一方、点識別子と日時とのいずれかが一致しないと判定した場合、開錠装置230は、ステップS1863において、点識別子および宿泊日時格納部704に格納済みで照合すべき点識別子および宿泊日時の照合が完了したか否かを判定する。照合が完了したと判定した場合、開錠装置230は、ステップS1865において、開錠不許可を開錠機構721に通知する。一方、照合が完了してないと判定した場合、開錠装置230は、ステップS1857から、他の点識別子と宿泊日時との組との照合を継続する。
本実施形態によれば、物体に付与され筆記具で記載された点から抽出した点識別子を用いるので、費用や手間をかけず簡易に宿泊を管理することができる。例えば、所有物に点によって宿泊宿泊証としての機能を付加するので、本人認証情報を含む宿泊証を新たに発行する費用や手間を削減することができる。また、電子透かしなどを印刷する場合の印刷装置などが必要ない。また、他人には物体が宿泊証であると認識できないので、盗難や他人の使用を防ぐことができる。さらに、点画像および点識別子には個人情報に関わる情報が一切含まれていないので、個人情報の保護も完璧である。
このように、本実施形態によれば、下記の従来技術の問題点を解決できる。すなわち、宿泊の場合、宿泊施設の鍵の受け渡しが煩雑になる場合がある。例えば、インターネットを通じて宿泊を予約し、来訪した際に物件の入退場に用いる鍵を、物理的に授受する(面会して手渡しする、あるいは、郵便で送付する)のは時間やコストがかかる。また、紛失時の補てんや回収作業にもコストがかかる。また、番号ロック鍵の番号を通知した場合、番号が漏えいしたり、宿泊契約者本人以外に乱用されるおそれがある。バーコードも同様で、コピーが容易である。さらに、古典的な錠前鍵を使用する場合、無断複製のリスクがあるが、錠前の交換や、電子鍵への変更を行うのにコストがかかる。特に、施錠する部屋やドアの数が多い施設の場合、多数の鍵の交換には多大なコストを要する。低コストで物理鍵の複製を防止することが必要である。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る宿泊管理システムについて説明する。本実施形態に係る宿泊管理システムは、上記第2実施形態と比べると、開錠装置において宿泊日時を照合することなく宿泊者の本人認証を行なうことができる構成とした点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《宿泊管理システム》
図19、図20Aおよび図20Bを参照して、本実施形態の宿泊管理システム1900の構成および動作を説明する。
(概要)
図19は、本実施形態に係る宿泊管理システム1900の概要を示す図である。なお、図2Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
宿泊管理システム1900において、宿泊予約が完了すると、情報処理装置としての宿泊管理サーバ1920が有する宿泊管理データベース1921には、宿泊予約の点識別子が宿泊日時によってソートされて登録されている。なお、ここでは、宿泊場所情報については処理が煩雑となるので省いて説明する。
したがって、宿泊者が宿泊施設254の入口255に着いた時に、点識別子抽出および照合機能を有しない開錠装置230の場合、開錠装置230が有する高解像度カメラ232で宿泊者が保持する物体252に記載された点253を撮像して点画像を宿泊管理サーバ1920に送信する。宿泊管理サーバ1920は、撮像された点画像から抽出された点識別子を宿泊管理データベース1921に登録された当日予約の点識別子と照合すれば、開錠装置230の制御部(図19には不図示)により入口255の錠を開錠制御できる。
一方、点識別子抽出および照合機能を有する開錠装置1930の場合、宿泊当日(あるいは時間)に、宿泊管理サーバ1920から当日予約の点識別子を開錠装置1930の当日時の点識別子格納部1932に格納しておく。そして、開錠装置1930において、撮像された点画像から抽出された点識別子を点識別子格納部1932に格納された当日(時間)予約の点識別子と照合すれば、開錠装置1930の制御部(図19には不図示)により入口255の錠を開錠制御できる。
(動作シーケンス)
図20Aは、本実施形態に係る宿泊管理システム1900の動作手順を示すシーケンス図である。なお、図20Aにおいて、端末211や制御部231は点画像から点識別子を抽出する機能を有するとして説明する。また、図3Bと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
宿泊予約処理動作では、ステップS2017において、宿泊管理サーバ1920は、受信した点識別子を宿泊日時でソートして、宿泊管理データベース1921に登録する。なお、宿泊期間による予約は予約日ごとに分けてソートするのが望ましい。
開錠処理動作では、ステップS2073において、制御部231から宿泊管理サーバ1920に抽出した点識別子を送信すると、宿泊管理サーバ1920は、ステップS2027において、宿泊管理データベース1921から現日時の点識別子を読み出し、ステップS2019において、抽出した点識別子と読出した点識別子とを照合する。そして、点識別子のみの照合結果により、宿泊日時も考慮した開錠制御ができる。
図20Bは、本実施形態に係る宿泊管理システム1900の他の動作手順を示すシーケンス図である。なお、図20Bにおいて、端末211は点画像から点識別子を抽出する機能を有しない、制御部1931は点画像から点識別子を抽出する機能を有するとして説明する。また、図3Cまたは図20Aと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
宿泊管理サーバ1920は、ステップS2091において、現日時(当日)の点識別子を制御部1931の格納部に設定する。制御部1931は、ステップS2093において、現日時(当日)の点識別子を格納部に格納する。そして、制御部1931は、ステップS2095において、抽出した点識別子と格納した当日の点識別子とを照合する。そして、点識別子のみの照合結果により、宿泊日時も考慮した開錠制御ができる。
なお、図20Aおよび図20Bの動作シーケンスでは、宿泊場所や宿泊部屋は予め設定されているものとした。宿泊場所や宿泊部屋を登録時に予約装置210から設定する場合は、宿泊場所や宿泊部屋の入力および登録を行なう。また、宿泊者識別子(ID)による管理をする場合は、宿泊者識別子(ID)の入力および登録を行なう。かかる宿泊場所や宿泊部屋、宿泊者識別子(ID)の入力は、予約装置210からからの操作入力、あるいは、それらを記載した物体の撮像画像から文字認識して、宿泊管理データベース1921に登録してもよい。さらに、他の記載内容を点識別子に対応付けて宿泊管理データベース1921に登録してもよい。
(宿泊管理データベース)
図21は、本実施形態に係る宿泊管理データベース1921の構成を示す図である。宿泊管理データベース1921は、予約者の点識別子を宿泊日時でソートして登録し、宿泊の管理に使用される。
宿泊管理データベース1921には、構成2110、構成2120、などが登録される。構成2101は、宿泊日時2111に対応付けて、宿泊日時2111でソートされた点識別子2112を記憶する。また、構成2120は、宿泊日時2121に対応付けて、宿泊日時2121でソートされた点識別子2122と宿泊者識別子(ID)2123との組を記憶する。
構成2110を使用する場合、本実施形態の宿泊証を持っている来訪者は当日時の点識別子の照合により宿泊許可とする最も単純な宿泊者の認証となる。構成2120を使用する場合、宿泊者を別途確認することが可能となる。なお、宿泊オーナーへの通知などの説明は本例では省略するが、宿泊オーナー識別子や通知先などを登録してもよい。
なお、宿泊管理データベース1921の構成は、図21に限定されず、宿泊日時にソートされた、点識別子とさらに他の付加情報との組を登録しても、用途に応じてこれらを組み合わせて登録してもよい。また、宿泊管理データベース1921に含まれる情報は図21に限定されない。他の宿泊管理の確実性を高める、あるいは、宿泊管理をより効率的に実現する、あるいは、宣伝効果などの他の効果を奏する、ために有用な情報が加えられてもよい。
(点識別子格納部)
図22は、本実施形態に係る点識別子格納部1932の構成を示す図である。点識別子格納部1932は、宿泊当日(あるいは時間)における予約者の点識別子を格納し、宿泊の管理に使用される。
なお、点識別子格納部1932の構成は、図22に限定されず、宿泊日時にソートされた、点識別子とさらに他の付加情報との組を登録しても、用途に応じてこれらを組み合わせて登録してもよい。また、点識別子格納部1932に含まれる情報は図22に限定されない。他の宿泊管理の確実性を高める、あるいは、宿泊管理をより効率的に実現する、あるいは、宣伝効果などの他の効果を奏する、ために有用な情報が加えられてもよい。
《宿泊管理サーバの処理手順》
図23Aは、本実施形態に係る情報処理装置としての宿泊管理サーバ1920の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、宿泊管理サーバ1920で点識別子の照合を行なう場合を示し、図13のCPU1310がRAM1340を使用して実行し、宿泊管理サーバ1920の機能構成部を実現する。なお、図23Aにおいて、図14と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。また、図23Aにおける「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図23Aにおいて、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
宿泊予約処理では、宿泊管理サーバ1920は、ステップS2317において、抽出された点識別子を宿泊日時でソートして、宿泊日時に対応付けて宿泊管理データベース1921に登録する。
また、開錠制御処理では、宿泊管理サーバ1920は、ステップS2323において、開錠装置230から撮像した点画像を受信する。宿泊管理サーバ1920は、ステップS2327において、宿泊管理データベース1921から現日時に対応付けられた点識別子を読み出す。そして、宿泊管理サーバ1920は、ステップS2329において、抽出された点識別子と現日時に対応付けられた点識別子とが一致するか否かを判定する。
《開錠装置の処理手順》
図23Bは、本実施形態に係る開錠装置1930の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、開錠装置1930で点識別子の照合を行なう場合を示し、図17のCPU1710がRAM1740を使用して実行し、開錠装置1930の機能構成部を実現する。なお、図23Bにおいて、図18Bと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。また、図23Bにおける「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図23Bにおいて、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
予約情報格納処理では、開錠装置1930は、ステップS2343において、宿泊管理サーバ1920から現日時予約の点識別子を受信する。そして、開錠装置1930は、ステップS2345において、受信した点識別子を点識別子格納部1932に格納する。
開錠制御処理では、開錠装置1930は、ステップS2357において、撮像部(カメラ)により点画像を撮像する。開錠装置1930は、ステップS2357において、点識別子格納部1932から現日時に宿泊予約の点識別子を読み出す。そして、開錠装置1930は、ステップS2359において、抽出された点識別子と現日時宿泊予約の点識別子とが一致するか否かを判定する。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加えて、予約登録した点識別子のみの照合にもとづいて宿泊管理ができるので、さらに宿泊管理の費用や手間を削減することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る宿泊管理システムについて説明する。本実施形態に係る宿泊管理システムは、上記第2実施形態および第3実施形態と比べると、点識別子と他の認証情報との組、あるいは、複数の点識別子の組を用いて宿泊管理を実施する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態または第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《宿泊管理システムの概要》
図24は、本実施形態に係る宿泊管理システム2400の概要を示す図である。
宿泊管理システム2400は、予約装置2410と、情報処理装置としての宿泊管理サーバ2420と、宿泊施設2430に設置された開錠装置2431、2432と、を備える。
上方に図示された予約装置2410では、宿泊者の所有物である口紅を物体2452とし、この口紅である物体2452に記載した点2453を撮像すると共に、暗証番号2454などの他の本人認証を取得する。そして、宿泊の予約処理では、宿泊管理サーバ2420の宿泊管理データベース2421に、取得した暗証番号と、点2453の点画像から抽出した点識別子との組を登録する。宿泊施設2430においては、例えば、暗証番号に基づいて宿泊施設2430の入口に設置された開錠装置2431の開錠制御を行ない、点識別子に基づいて各部屋の入口に設置された開錠装置2432の開錠制御を行なう。
下方に図示された予約装置2410では、宿泊者の所有物である口紅である物体2452を物体とし、この口紅である物体2452に記載した点2453を撮像すると共に、宿泊者の手を物体2452とし、この手である物体2452の爪に記載した点2453を撮像する。そして、宿泊の予約処理では、宿泊管理サーバ2420の宿泊管理データベース2421に、異なる物体に記載された複数の点2453の点画像から抽出した点識別子との組を登録する。宿泊施設2430においては、例えば、口紅に記載した点の点識別子に基づいて宿泊施設2430の入口に設置された開錠装置2431の開錠制御を行ない、爪に記載した点の点識別子に基づいて各部屋の入口に設置された開錠装置2432の開錠制御を行なう。なお、点を記載する物体は、図24の例に限定されない。また、点を記載した物体の紛失や盗難を防ぐため、複数の点を同じ物体に記載してもよい。また、宿泊管理をより確実に行なうため、あるいは、誘導効果や宣伝効果を高めるため、種々の所有物に点を記載し宿泊証機能を付与してもよい。
なお、図24においては、各入退場口の開錠装置2431、2432が高解像度カメラを有する構成であっても、宿泊施設の入退場口にある開錠装置2431の高解像度カメラによって、対応する各部屋や各場所の開錠制御を行なう構成であってもよい。
(宿泊管理データベース)
図25は、本実施形態に係る宿泊管理データベース2421の構成を示す図である。宿泊管理データベース2421は、点識別子と他の認証情報との組、あるいは、複数の点識別子の組に基づいて宿泊管理を行なうために使用される。
宿泊管理データベース2421は、図24の上方に図示された予約装置2410によって予約されたデータの構成2510と、図24の下方に図示された予約装置2410によって予約されたデータの構成2520と、を登録する。
構成2510は、宿泊施設の建物への入場用の暗証番号2511と、各部屋用の点識別子2512と、宿泊日時(期間)2514と、を記憶する。さらに、宿泊施設の特別領域への入場用の点識別子2513を記憶してもよい。
構成2520は、宿泊施設の建物への入場用の点識別子2521と、各部屋用の点識別子2522と、宿泊日時(期間)2524と、を記憶する。さらに、宿泊施設の特別領域への入場用の点識別子2523を記憶してもよい。
なお、宿泊管理データベース2421の構成は、図25に限定されず、さらに点識別子や他の付加情報を登録しても、用途に応じてこれらを組み合わせて登録してもよい。また、宿泊管理データベース2421に含まれる情報は図25に限定されない。他の宿泊管理の確実性を高める、あるいは、宿泊管理をより効率的に実現する、あるいは、宣伝効果などの他の効果を奏する、ために有用な情報が加えられてもよい。
《宿泊管理サーバの処理手順》
図26は、本実施形態に係る情報処理装置としての宿泊管理サーバ2420の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図24の上方に図示された予約装置2410による予約であって、宿泊管理サーバが点識別子を抽出する場合であり、図13のCPU1310がRAM1340を使用して実行し、宿泊管理サーバ2420の機能構成部を実現する。なお、図26において、図14と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。また、図26における「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図26において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
宿泊予約処理では、宿泊管理サーバ2420は、ステップS2613において、予約装置2410から暗証番号、点画像および宿泊日時を受信する。そして、宿泊管理サーバ2420は、ステップS2617において、暗証番号、点画像から抽出された点識別子および宿泊日時を対応付けて、宿泊管理データベース2421に登録する。
部屋開錠制御処理では、図14の開錠制御処理(S1421~S1435)と同様の処理を実行する。一方、ステップS2641において建物開錠制御処理と判定された場合、宿泊管理サーバ2420は、ステップS2643において、宿泊者が入力した暗証番号を建物開錠装置から受信する。そして、宿泊管理サーバ2420は、ステップS2645において、宿泊管理データベース2421に登録された暗証番号と照合する。宿泊者が入力した暗証番号と宿泊管理データベース2421に登録された暗証番号とが一致すれば、宿泊管理サーバ2420は、ステップS2643において、建物入口の開錠装置の開錠を許可する。
なお、図24の下方に図示された予約装置2410による予約の場合は、図14の開錠制御処理(S1421~S1435)と同様の処理が、建物開錠制御用として、ステップS2641~S2647に置き換えられる。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加えて、例えば、フロアと部屋など、宿泊の宿泊施設を本人認証の重要度に従い階層的に管理することにより、より確実な宿泊管理を費用や手間を削減することにより実現できる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る宿泊管理システムについて説明する。本実施形態に係る宿泊管理システムは、上記第2実施形態乃至第4実施形態と比べると、複数の宿泊者が宿泊施設を共用する場合の宿泊管理を実施する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第4実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《宿泊管理システムの概要》
図27は、本実施形態に係る宿泊管理システム2700の概要を示す図である。
宿泊管理システム2700は、ネットワーク240を介して接続された、予約装置2711~2714と、情報処理装置としての宿泊管理サーバ2720と、開錠装置2730と、を備える。情報処理装置としての宿泊管理サーバ2720は、宿泊施設を共用する複数の宿泊者に対応する複数の点識別子と宿泊日時(期間)とを対応付けて登録する宿泊管理データベース2721を有する。
図27の上方にある予約装置2711~2714は、例えば、3人の宿泊者が同じ宿泊施設(本例の場合は、同じ部屋とする)を予約する例を示す。予約装置2711に接続された高解像度カメラ2712は、1人目の宿泊者が所有する物体としての口紅2751に記載された点2761を撮像する。また、予約装置2713に搭載されたカメラは、2人目の宿泊者が所有する物体としての手2752に記載された点2762を撮像する。また、予約装置2714に搭載されたカメラは、3人目の宿泊者が所有する物体としての切符2753に記載された点2763を撮像する。これらの撮像した点画像から点識別子が抽出されて、宿泊管理データベース2721に登録され、宿泊予約が完了する。なお、家族旅行などにおいては、同じ予約装置により3つの点を撮像してもよい。この場合、各人が所有する物体にそれぞれ点を記載して予約してもよいし、1つの物体に複数の点を記載して予約してもよい。
図27の右方にある宿泊施設の開錠装置2730においては、高解像度カメラ2732によって上記3つの点2761~2763が撮像されて、各点画像から点識別子が抽出されて、その照合結果に基づいて開錠制御が行なわれる。なお、開錠装置2730の開錠制御は、3つの点識別子の1つの照合結果に基づいてもよいし、2つの点識別子の照合結果に基づいてもよいし、3つの点識別子の照合結果に基づいてもよい。その照合結果の組み合わせは、開錠許可アルゴリズムとして宿泊管理データベース2721に記憶されてもよい。
なお、図27においては、各入退場口の開錠装置が高解像度カメラを有する構成であっても、宿泊施設の入退場口にある開錠装置の高解像度カメラによって、対応する各部屋や各場所の開錠制御を行なう構成であってもよい。
(宿泊管理データベース)
図28は、本実施形態に係る宿泊管理データベース2721の構成を示す図である。宿泊管理データベース2721は、宿泊施設を共用する複数の宿泊者にそれぞれ対応する複数の点識別子を登録して、宿泊管理を行なうために使用される。
宿泊管理データベース2721は、複数の宿泊者にそれぞれ対応する複数の点識別子2801~2803に対応付けて、宿泊場所2804と、宿泊日時(期間)2805と、複数の点識別子2801~2803の組み合わせ条件を示す開錠許可アルゴリズム2806と、を記憶する。
なお、開錠許可アルゴリズム2806は、宿泊者の優先順位(例えば、1人でも開錠できる宿泊者と複数人の組み合わせでしか開錠できない宿泊者など)を記憶してもよい。また、全宿泊施設あるいは1つの宿泊施設の全部屋で共通の開錠許可アルゴリズムを使用する場合には、開錠許可アルゴリズム2806の記憶は必要としない。また、図28において、図5に示したように、点識別子のみでなく他の付加情報を登録してもよい。また、宿泊管理データベース2721に含まれる情報は図25に限定されない。他の宿泊管理の確実性を高める、あるいは、宿泊管理をより効率的に実現する、あるいは、宣伝効果などの他の効果を奏する、ために有用な情報が加えられてもよい。
《宿泊管理サーバの処理手順》
図29は、本実施形態に係る情報処理装置としての宿泊管理サーバ2720の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、宿泊管理サーバが点識別子を抽出する場合であり、図13のCPU1310がRAM1340を使用して実行し、宿泊管理サーバ2720の機能構成部を実現する。なお、図29において、図14と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。また、図29における「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図29において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
宿泊予約処理では、宿泊管理サーバ2720は、ステップS2913において、予約装置2710から点画像、宿泊場所および宿泊日時を受信する。そして、宿泊管理サーバ2720は、ステップS2917において、点画像から抽出された点識別子を、宿泊場所および宿泊日時でソートして、同じ宿泊場所で同じ宿泊日時の場合は宿泊施設の共用であると判断して、宿泊管理データベース2721に図28の構成で登録する。
開錠制御処理では、宿泊管理サーバ2720は、ステップS2923において、開錠装置2730から撮像部(カメラ)2732により撮像した点画像および現日時を受信する。宿泊管理サーバ2720は、ステップS2927において、宿泊管理データベース2721から開錠許可アルゴリズム2806に従って、点識別子の組み合わせおよび宿泊日時を読み出す。そして、宿泊管理サーバ2720は、ステップS2929において、抽出された点識別子と開錠許可アルゴリズム2806に従った組み合わせの点識別子とが一致するか否か、かつ、日時が一致するか否かを判定する。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加えて、複数の宿泊者が宿泊施設を共用する場合にも対応できる種々の宿泊管理ができるので、さらに宿泊管理の費用や手間を削減することができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る宿泊管理システムについて説明する。本実施形態に係る宿泊管理システムは、上記第2実施形態乃至第5実施形態と比べると、本人認証がされた宿泊者の所有物に記載された点から抽出された点識別子を用いて宿泊管理を実施する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第5実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《宿泊管理システムの概要》
図30は、本実施形態に係る宿泊管理システム3000の概要を示す図である。
宿泊管理システム3000は、ネットワーク240を介して接続された、高解像度の撮像部(カメラ)を内蔵する予約装置3011~3013と、情報処理装置としての宿泊管理サーバ3020と、開錠装置3031~303nと、を備える。宿泊管理サーバ3020は、宿泊者が所有する本人認証がされた所有物(例えば、許可証としてのパスポートや旅行券である搭乗処理済みの航空券などを含む)と、本人認証がされた所有物に記載された点から抽出された点識別子と、宿泊日時(期間)とを対応付けて登録する宿泊管理データベース3021を有する。
図30において、例えば、アメリカや、中国、オーストラリアなどで予約装置3011~3013により、パスポートや搭乗処理後の航空券などの本人認証がされた所有物に点を記載して撮像する。そして、予約装置3011~3013から、点画像あるいは点画像から抽出した点識別子を宿泊管理サーバ3020の宿泊管理データベース3021に登録することで、宿泊予約を行なう。したがって、上記実施形態のように宿泊証となる物体を別途用意することなく、パスポートや搭乗処理後の航空券などの宿泊に関連する常時携帯する物体で宿泊証を兼用でき、宿泊証の紛失や盗難を防ぐことができる。
そして、宿泊先の開錠装置3031~303nにおいては、予約時に登録された点識別子および宿泊日時との照合により、簡単に開錠許可を得ることができる。
なお、図30では、外国から日本に来て宿泊する場合の宿泊管理を説明したが、国内においてもパスポートや他の本人認証がされた所有物による宿泊管理が可能である。また、なお、図30においては、各入退場口の開錠装置3031~303nが高解像度カメラを有する構成であっても、宿泊施設の入退場口にある1つの開錠装置の高解像度カメラによって、対応する各部屋や各場所の開錠制御を行なう構成であってもよい。
(宿泊管理データベース)
図31は、本実施形態に係る宿泊管理データベース3021の構成を示す図である。宿泊管理データベース3021は、点識別子に加えて、本人認証された点記載用物体を考慮した宿泊管理を行なうために使用される。
図31の宿泊管理データベース3021には、点識別子3101に対応付けて、点識別子3101を抽出した点が記載された本人認証済みの点記載物体3102と、宿泊日時(期間)3103と、を記憶する。本人認証済みの点記載物体3102には、例えば、パスポート(そのID)や航空券(そのID)が含まれる。
なお、宿泊管理データベース3021の構成は、図31に限定されず、さらに点識別子や他の付加情報を登録しても、用途に応じてこれらを組み合わせて登録してもよい。また、宿泊管理データベース3021に含まれる情報は図31に限定されない。他の宿泊管理の確実性を高める、あるいは、宿泊管理をより効率的に実現する、あるいは、宣伝効果などの他の効果を奏する、ために有用な情報が加えられてもよい。
《宿泊管理サーバの処理手順》
図32は、本実施形態に係る情報処理装置としての宿泊管理サーバ3020の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、宿泊管理サーバ3020が点識別子を抽出する場合であり、図13のCPU1310がRAM1340を使用して実行し、宿泊管理サーバ3020の機能構成部を実現する。なお、図32において、図14と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。また、図32における「点画像から点識別子抽出」の処理は、図2Bや図8A~図12Bに提示された点識別子抽出処理から選択され、例えば、図8B、図11B、図12Bのフローチャートに従った処理を実行する。また、図32において、宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)を考慮するため、物体の撮像画像から宿泊日時や宿泊場所、宿泊者識別子(ID)などを文字認識する処理などは省略している。
宿泊予約処理では、宿泊管理サーバ3020は、ステップS3213において、予約装置3011~3013から、本人認証物に記載された点画像および宿泊日時を受信する。そして、宿泊管理サーバ3020は、ステップS3217において、点画像から抽出された点識別子と、本人認証物識別子(ID)および宿泊日時を、宿泊管理データベース3021に登録する。
開錠制御処理では、宿泊管理サーバ3020は、ステップS3223において、開錠装置3031~303nから、撮像部(カメラ)により撮像した本人認証物に記載された点画像および現日時を受信する。宿泊管理サーバ3020は、ステップS3227において、宿泊管理データベース3021から、点識別子と、本人認証物識別子(ID)および宿泊日時を読み出す。そして、宿泊管理サーバ3020は、ステップS3229において、抽出された点識別子と登録された点識別子とが一致するか否か、かつ、日時が一致するか否かを判定する。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加えて、旅行において宿泊者が常時携帯する本人認証された物体(例えば、パスポートや航空券など)に記載された点から抽出された点識別子を用いることにより、より簡単でセキュアな宿泊管理ができる。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る宿泊管理システムについて説明する。本実施形態に係る宿泊管理システムは、上記第2実施形態乃至第6実施形態と比べると、点識別子の種類や付加情報の適切な組合せに基づいて宿泊管理を実施する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第6実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《宿泊管理システムの概要》
図33は、本実施形態に係る宿泊管理システム3300の概要を示す図である。
宿泊管理システム3300は、ネットワーク240を介して接続された、予約装置3311~331m、3341~334n、3351と、情報処理装置としての宿泊管理サーバ3320と、開錠装置3331~3334と、を備える。予約装置3311~331m、3341~334n、3351は、撮像部(カメラ)を有するあるいは撮像部(カメラ)を接続可能な各種端末であり、宿泊証となる物体に筆記具で記載された点を撮像する。予約装置3311~331m、3341~334n、3351は、点画像から点識別子を抽出する点識別子抽出部を有するのが望ましい。
宿泊管理サーバ3320は、宿泊管理データベース3321を有し、登録した点識別子と開錠装置3331~3334が撮像した点の点識別子とを照合して、照合結果を開錠装置3331~3334に通知する。開錠装置3331~3334は、宿泊管理サーバ3320から登録した点識別子と撮像した点の点識別子とが一致が通知された場合は各施設のドア(あるいは錠)を開いて入場許可する。一方、宿泊管理サーバ3320から登録した点識別子と撮像した点の点識別子とが不一致であると通知された場合は各施設のドア(あるいは錠)を閉じたままとし入場を拒否する。
なお、本実施形態においては、予約装置3311~331m、3341~334n、3351の点識別子抽出部が、種々の物体に筆記具で記載された点の材料や、材料に対応した点識別子抽出方法を有しており、対応する開錠装置3331~3334が撮像した点の点識別子抽出方法とそれぞれ対応付けられているとする。また、複数の点識別子の組み合わせの一致が照合される。
なお、図33においては、各入退場口の開錠装置3331~3334が高解像度カメラを有する構成であっても、宿泊施設の入退場口にある開錠装置3331の高解像度カメラによって、対応する各部屋や各場所の開錠制御を行なう構成であってもよい。
(宿泊管理データベース)
図34は、本実施形態に係る宿泊管理データベース3321の構成を示す図である。宿泊管理データベース3321は、本実施形態の点識別子の照合のために使用される。
宿泊管理データベース3321は、点識別子情報3401と、付加情報3402と、開錠対象情報3403と、を記憶する。点識別子情報3401は、点識別子と、点材料と点識別子の生成方法との、複数の組みを含む。また、付加情報3402は、点記載の物体、予約(点登録)の日時や場所、天気などを含む予約時の環境、宿泊者とオーナーとの間で交わしたパスワードや合い言葉、などを含む。また、開錠対象情報3403は、宿泊管理をする建物(フロア)、建物内の部屋、宿泊日時、などを含む。
なお、宿泊管理データベース3321に含まれる情報は図34に限定されない。宿泊管理の確実性を高める、あるいは、宿泊管理をより効率的に実現する、あるいは、宣伝効果などの他の効果を奏するために、他の有用な情報が加えられてもよい。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加えて、点識別子の種類や付加情報の適切な組合せに基づいて宿泊管理を実施することにより、より適切で確実な宿泊管理を費用や手間を削減することにより実現できる。さらに、点識別子の種類や付加情報の適切な組合せを宿泊施設の属性と関連付けることにより、開錠時の間違いを減らし、かつ、宿泊管理のさらなる効率化を奏することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点から抽出した点識別子と、前記宿泊施設への宿泊情報とを対応付けて登録する登録手段と、
来訪者が所持する前記物体に筆記具で記載された点を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された点から抽出した点識別子と、前記登録手段に登録された点識別子とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記来訪者を宿泊者であると特定する制御手段と、
を備える宿泊管理システム。
(付記2)
前記宿泊証となる物体は、前記宿泊者の所有物である付記1に記載の宿泊管理システム。
(付記3)
前記宿泊情報は、前記宿泊者が予約した宿泊施設、前記宿泊施設への宿泊日時、前記宿泊施設のうち前記予約者が使用可能な場所の少なくともいずれか1つを含む付記1または2に記載の宿泊管理システム。
(付記4)
前記照合手段は、
前記撮像手段で撮像された点から抽出した点識別子と前記登録手段に登録された点識別子とを照合し、
前記撮像手段で撮像された点から抽出した点識別子と前記登録手段に登録された点識別子とが一致した場合、前記照合手段により照合を行う日時が、一致した前記登録手段に登録された点識別子に対応する前記宿泊施設への宿泊日時に含まれるか、を照合する付記1乃至3のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記5)
前記照合手段は、前記撮像手段で撮像された点から抽出した点識別子と、前記撮像手段で点を撮像した日時を宿泊日時とする、前記登録手段に登録された点識別子とを照合する付記1乃至3のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記6)
前記物体は、前記宿泊者の本人認証がされた許可証、または、前記宿泊者の本人認証済の旅行券を含む付記1乃至5のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記7)
前記本人認証がされた許可証はパスポートを含み、前記本人認証済の旅行券は搭乗処理済みの航空券を含む付記6に記載の宿泊管理システム。
(付記8)
前記物体は旅行券であって、前記旅行券に点を記載して前記点から抽出した点識別子を前記登録手段に登録することによって、前記旅行券を宿泊証として兼用する付記1乃至5のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記9)
前記登録手段は、複数の宿泊者に対応する複数の点の点識別子または前記宿泊情報に含まれる複数の関連情報の組み合わせを登録し、
前記照合手段は、前記複数の点の点識別子または前記複数の関連情報に含まれる情報を組み合わせて照合し、
前記制御手段は、照合結果の組合せに基づいて、前記来訪者を特定の場所へ入退場可能な宿泊者と特定する付記1乃至8のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記10)
前記登録手段は、複数の宿泊者に対応する複数の点の点識別子を登録し、
前記撮像手段は、少なくとも2人の来訪者が所持する物体に筆記具で記載された少なくとも2つの点を撮像し、
前記照合手段は、前記少なくとも2つの点から抽出された点識別子を前記登録手段に登録された点識別子とそれぞれ照合し、
前記制御手段は、前記少なくとも2つの点識別子の照合結果の組合せに基づいて、前記少なくとも2人の来訪者を宿泊者であると特定する付記1乃至8のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記11)
前記制御手段は、前記照合手段の照合結果が一致を示す場合に前記来訪者による入場を許可し、前記照合手段の照合結果が不一致を示す場合に前記来訪者による入場を不許可にする付記1乃至10のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記12)
前記点識別子は、前記点に含まれる微小粒の分布を示す付記1乃至11のいずれか1項に記載の宿泊管理システム。
(付記13)
宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点から抽出した点識別子と、前記宿泊施設への宿泊情報とを対応付けて登録手段に登録する登録ステップと、
来訪者が所持する前記物体に筆記具で記載された点を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップにおいて撮像された点から抽出した点識別子と、前記登録手段に登録された点識別子とを照合する照合ステップと、
前記照合ステップにおける照合結果に基づいて、前記来訪者を宿泊者であると特定する制御ステップと、
を含む宿泊管理方法。
(付記14)
宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点から抽出した点識別子と、前記宿泊施設への宿泊情報とを対応付けて登録する登録手段と、
来訪者が所持する前記物体に筆記具で記載された点の撮像画像から抽出した点識別子を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された点識別子と、前記登録手段に登録された点識別子とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記来訪者を宿泊者であると特定する制御手段と、
を備える情報処理装置。
(付記15)
宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点から抽出した点識別子と、前記宿泊施設への宿泊情報とを対応付けて登録手段に登録する登録ステップと、
来訪者が所持する前記物体に筆記具で記載された点の撮像画像から抽出した点識別子を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された点識別子と、前記登録手段に登録された点識別子とを照合する照合ステップと、
前記照合ステップにおいける照合結果に基づいて、前記来訪者を宿泊者であると特定する制御ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
(付記16)
宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点から抽出した点識別子と、前記宿泊施設への宿泊情報とを格納する格納手段と、
来訪者が所持する前記物体に筆記具で記載された前記点を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された点から抽出した点識別子と、前記格納手段に格納された点識別子とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記来訪者を宿泊者であると特定する制御手段と、
を備える開錠装置。
(付記17)
宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点から抽出した点識別子と、前記宿泊施設への宿泊情報とを格納手段に格納する格納ステップと、
来訪者が所持する前記物体に筆記具で記載された前記点を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップにおいて撮像された点から抽出した点識別子と、前記格納手段に格納された点識別子とを照合する照合ステップと、
前記照合ステップにおける照合結果に基づいて、前記来訪者を宿泊者であると特定する制御ステップと、
をコンピュータに実行させる開錠装置の処理プログラム。
(付記18)
宿泊施設への宿泊情報を取得する取得手段と、
前記宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点を撮像する撮像手段と、
前記点から抽出した点識別子と、前記宿泊情報とを、前記点識別子と前記宿泊情報とを登録する登録手段を有する情報処理装置に送信する送信手段と、
を備える予約装置。
(付記19)
宿泊施設への宿泊情報を取得する取得ステップと、
前記宿泊施設への宿泊証となる物体に筆記具で記載された点を撮像する撮像ステップと、
前記点から抽出した点識別子と前記宿泊情報とを、前記点識別子と前記宿泊情報とを登録する登録手段を有する情報処理装置に送信する送信ステップと、
を備えるコンピュータに実行させる予約装置の処理プログラム。