以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の遮蔽装置を説明する。尚、本願明細書中、図1に示す遮蔽装置の正面図に対して、図示上方及び図示下方を遮蔽材の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を遮蔽装置の左側、及び、図示右方向を遮蔽装置の右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、図1に示す遮蔽装置の正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
(全体構成)
まず、本発明に係る遮蔽装置の構成において、一対の駆動軸を軸方向に連結する駆動軸連結器を備えるものであればよく、電動操作であるか手動操作であるかを問わないが、以下の説明では、電動遮蔽装置を例に、特に、その代表例として電動プリーツスクリーンを例示して説明する。
図1(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の電動遮蔽装置の概略構成を示す平面図及び正面図である。尚、図1(a),(b)に示す一実施形態の電動プリーツスクリーンでは、複数種の昇降コード3U,3Lによって個別に昇降可能な上部遮蔽材としての上部スクリーン6U及び下部遮蔽材としての下部スクリーン6Lを備えるものとして構成しているが、一種の昇降コードによって一種の遮蔽材を昇降可能とする遮蔽装置としてもよい。
図1(a),(b)に示す一実施形態の電動プリーツスクリーンは、ヘッドボックス1からジグザグ状に折り曲げ可能とした上部スクリーン6Uが吊下支持され、そのスクリーン6Uの下端は中間レール4の上面に取着される。ヘッドボックス1は天井面等の取付面に対しブラケット15を介して固定される。
中間レール4の下面には、同じくジグザグ状に折り曲げ可能とした下部スクリーン6Lの上端が取着され、その下部スクリーン6Lの下端は、ボトムレール7に取着される。
ヘッドボックス1内にて適所(本例では左右2箇所)に配設された各支持部材5に対し巻取ドラム51A,51Bが前後に並設されて回転可能に支持される。そして、それぞれの巻取ドラム51A,51Bの軸方向一端部には、それぞれカムクラッチ52A,52Bが設けられる。それぞれの巻取ドラム51A及びカムクラッチ52A、並びに、それぞれの巻取ドラム51B及びカムクラッチ52Bは、それぞれ同形状に構成される。
それぞれの巻取ドラム51Aには、昇降コード3L(本例では紐状コードであるが、テープ状の昇降テープでもよい)の上端が巻き取り、或いは巻き戻し可能に取着され、昇降コード3Lの下端は、本例では上部スクリーン6U、中間レール4、及び下部スクリーン6Lを貫通し、ボトムレール7に取着される。巻取ドラム51Aは軸方向の一方に向かって径が徐々に細くなるように形成され、本例では紐状の昇降コード3Lが巻取ドラム51Aに順次螺旋状に巻かれていくようになっている。
また、それぞれの巻取ドラム51Bには、昇降コード3U(本例では紐状コードであるが、テープ状の昇降テープでもよい)の上端が巻き取り、或いは巻き戻し可能に取着され、昇降コード3Uの下端は、本例では上部スクリーン6Uを貫通し、中間レール4に取着される。巻取ドラム51Bは軸方向の一方に向かって径が徐々に細くなるように形成され、本例では紐状の昇降コード3Uが巻取ドラム51Bに順次螺旋状に巻かれていくようになっている。
それぞれの巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aの中心軸には駆動軸2Aが挿通され、カムクラッチ52Aは駆動軸2Aの回転を巻取ドラム51Aに伝達し、且つ巻取ドラム51Aの駆動力を駆動軸2Aに伝達するようになっている。
同様に、それぞれの巻取ドラム51B及びカムクラッチ52Bの中心軸には駆動軸2Bが挿通され、カムクラッチ52Bは駆動軸2Bの回転を巻取ドラム51Bに伝達し、且つ巻取ドラム51Bの駆動力を駆動軸2Bに伝達するようになっている。
駆動軸2Aの一端は、駆動軸連結器20Aを介してモーター9Aの出力軸に連結され、モーター9Aの出力軸の回転が駆動軸2Aに伝達される。従って、モーター9Aの駆動力で駆動軸2Aを回転させ、駆動軸2Aの回転に基づいて昇降コード3Lを当該巻取ドラム51Aで巻き取り、或いは巻き戻すことにより、ボトムレール7を昇降可能とし、これにより下部スクリーン6Lを昇降させ、更には上部スクリーン6U及び中間レール4を昇降させることができる。尚、巻取ドラム51Aは、下部スクリーン6Lの下降時に昇降コード3Lに係る張力(各スクリーン及び各レールの自重)を利用しているため、その駆動力がカムクラッチ52Aを介して巻取ドラム51Aから駆動軸2Aに伝達し、この駆動軸2Aに係る駆動力を調節して下降制御される。
また、駆動軸2Bの一端は、駆動軸連結器20Bを介してモーター9Bの出力軸に連結され、モーター9Bの出力軸の回転が駆動軸2Bに伝達される。従って、モーター9Bの駆動力で駆動軸2Bを回転させ、駆動軸2Bの回転に基づいて昇降コード3Uを当該巻取ドラム51Bで巻き取り、或いは巻き戻すことにより、中間レール4を昇降可能とし、これにより上部スクリーン6Uを昇降させることができる。尚、巻取ドラム51Bは、上部スクリーン6Uの下降時に昇降コード3Uに係る張力(上部スクリーン6U及び中間レール4の自重)を利用しているため、その駆動力がカムクラッチ52Bを介して巻取ドラム51Bから駆動軸2Aに伝達し、この駆動軸2Bに係る駆動力を調節して下降制御される。
モーター9A,9Bの各々の駆動制御は、ヘッドボックス1内に配設される制御装置10によって行われる。そして、ヘッドボックス1内には、モーター9A,9B、及び制御装置10へと電力供給するDC電源11が配設されている。
図1(b)において、有線スイッチ21は、制御装置10に対し有線接続することで操作信号を制御装置10に出力する操作スイッチである。赤外線リモコン22は、制御装置10に対し赤外線による無線接続することで操作信号を制御装置10に出力するリモートコントローラである。無線リモコン23は、制御装置10に対し無線LAN(近距離無線通信を含む)による無線接続することで操作信号を制御装置10に出力するリモートコントローラである。また、図示していないが、制御装置10に対しパーソナルコンピュータ(PC)などの外部機器を有線接続することで(或いは無線LANにより無線接続することで)、操作信号を制御装置10に出力する構成とすることもできる。
ここで、操作信号には、各遮蔽材(各スクリーン及び各レール)の上昇操作を指示する上昇コマンド、各遮蔽材の下降操作を指示する下降コマンド、各遮蔽材の昇降動作を停止指示する停止コマンド、及び各遮蔽材の上下限位置の設定コマンドを少なくとも含む。また、これらの各遮蔽材の昇降を指示する各種のコマンドは、各遮蔽材の開度割合を示す「%指示操作」にも対応づけたものとすることができる。
そして、制御装置10は、有線リモコン21、赤外線リモコン22、無線リモコン23、或いはパーソナルコンピュータ(PC)などの外部機器(図示せず)から操作信号を受信すると、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドに対応する電動プリーツスクリーンの各種制御を行う。例えばモーター9A,9BをそれぞれDCモーターで構成することで、制御装置10からモーター9A,9Bに供給するパルス信号のデューティ比を制御することにより、制御装置10は、モーター9A,9Bの回転速度を制御することができる。また、ヘッドボックス1内には駆動軸2A,2Bのそれぞれの回転速度及び回転量を検出するエンコーダー8A,8Bが配設され、制御装置10は、各エンコーダー8A,8Bから出力されるパルス信号に基づいて、そのエンコーダーパルスの速度及びパルス数のカウント値を管理して、モーター9A,9Bの回転速度及び回転量が制御される。このような動作により、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドに対応して、制御装置10は、上部スクリーン6U、又は下部スクリーン6Lの昇降速度を適宜に調整するとともに、上部スクリーン6U、又は下部スクリーン6Lの昇降停止位置を制御する。
このように構成された本実施形態の電動プリーツスクリーンでは、中間レール4をヘッドボックス1の直下まで引き上げて、ヘッドボックス1と中間レール4との間に上部スクリーン6Uを折り畳んだ状態で、ボトムレール7を下降させれば、ヘッドボックス1から下部スクリーン6Lが吊下支持された状態となる。
また、ボトムレール7を下限まで下降させた状態で、中間レール4をボトムレール7上まで下降させると、中間レール4とボトムレール7との間で下部スクリーン6Lが折り畳まれ、ヘッドボックス1と中間レール4との間で上部スクリーン6Uが吊下支持された状態となる。従って、例えば上部スクリーン6Uを採光性生地とし、下部スクリーン6Lを遮光性生地とすれば、採光量調節の自由度を高めることができる。
そして、ボトムレール7を下限まで下降させ、中間レール4をヘッドボックス1とボトムレール7との中間に位置させれば、採光性生地とした上部スクリーン6Uを透過した柔らかな光を採光することができる。
また、ボトムレール7を上限まで引き上げて開放する場合には、中間レール4を引き上げることなくボトムレール7を引き上げ、ヘッドボックス1とボトムレール7との間に上部スクリーン6Uと下部スクリーン6Lとを折り畳んだ状態とすることができる。
(クラッチ式の障害物検知停止装置)
ところで、中間レール4又はボトムレール7が障害物に接触し、その下降が妨げられると、クラッチ式の障害物検知停止装置が作動して、駆動軸2A又は2Bがロックするようになっている。つまり、中間レール4又はボトムレール7が障害物に接触したとき、支持部材5に支持される巻取ドラム51A及びカムクラッチ52A、並びに巻取ドラム51B及びカムクラッチ52Bは、それぞれ各レールに対する「障害物検知」及び各駆動軸の「停止」を機械的に行うクラッチ式の障害物検知停止装置として機能する。即ち、支持部材5に支持される巻取ドラム51A及びカムクラッチ52A、並びに巻取ドラム51B及びカムクラッチ52Bは、図2に示すようなクラッチ式の障害物検知停止装置として構成される。
以下、簡潔にクラッチ式の障害物検知停止装置について説明する。
尚、巻取ドラム51B及びカムクラッチ52Bは、それぞれ巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aと同様の構造を有しているため、図2(a)には、代表して、支持部材5に支持されるクラッチ式の障害物検知停止装置として機能する巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aの構成について、その断面図を示している。
図2(a)に示すように、クラッチ式の障害物検知停止装置は、支持部材5におけるサポート部位50にて巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aが支持され、カムクラッチ52Aは、回転ドラム53を介して巻取ドラム51Aに連結されている。
尚、支持部材5は、その底面に突出形成されるスナップフィット501がヘッドボックス1に嵌合されることで固定されている。そして、カムクラッチ52A、回転ドラム53及び巻取ドラム51Aは、サポート部位50の左右両端に形成される貫通孔502,503間で回転可能に支持されている。より具体的には、貫通孔502に対しカムクラッチ52Aの筒部521が回転可能に軸支され、貫通孔503に対し巻取ドラム51Aの図示右端に嵌着されるプーリキャップ54が回転可能に軸支されている。
スナップフィット501には、昇降コード3Lを所定の位置から巻き取り、或いは巻き戻しするために導出する導出口が形成されている。また、サポート部位50の図示左辺の底面には制動凸部504が形成されている。
巻取ドラム51Aは略円筒形状に形成されており、係合部511と巻取部512とを備えている。
巻取ドラム51Aの巻取部512は、カムクラッチ52A側から図示右端側に向かうにつれて徐々にその径が小さくなるように設定されている。そして、巻取ドラム51Aの図示右端に嵌着されるプーリキャップ54の中心には駆動軸2Aが相対回転可能に貫通されている。
巻取ドラム51Aの係合部511の径方向内側にはカムクラッチ52Aが収容されている。カムクラッチ52Aは略円筒形状に形成された筒部521と該筒部521より大径に形成された制動部522とを備えている。
制動部522は外周面の径が巻取ドラム51Aの係合部511の内周面と摺動可能な大きさに設定されている。制動部522における筒部521側の端部には1つ又は複数の制動爪523が鋸歯状に突出して形成されており、サポート部位50の制動凸部504と係合可能とされている。
制動爪523は制動凸部504に係合することによって周方向への回転が防止されると、カムクラッチ52Aがサポート部位50に対し相対回転不能とされる。
カムクラッチ52Aは、制動部522の側壁が回転ドラム53を介して巻取ドラム51Aとは所定の回転遊びを有して相対回転不能に組み付けられ、且つ当該所定の回転遊びの範囲内で、軸線方向に沿って相対移動可能(スライド可能)とするカム構造を有している。
即ち、カムクラッチ52Aにおける制動部522の側壁にはカム構造としての摺動孔524が形成されており、この摺動孔524は制動部522の軸線に対して略45°傾斜するように形成されている。また、摺動孔524は、制動部522の周方向において略45°の角度範囲に亘って配設されるようにその長さが設定されている。
そして、回転ドラム53には、その径方向外側に向かって突出する摺動凸部531が形成されている。この摺動凸部531がカムクラッチ52Aの摺動孔524の内部に位置するよう回転ドラム53がカムクラッチ52Aに組み付けられ、回転ドラム53は摺動凸部531がカムクラッチ52Aの摺動孔524の内部を相対移動する範囲内においてのみ相対移動可能となる。
具体的には、摺動凸部531が摺動孔524の一端部に位置するときにはカムクラッチ52Aは最も巻取プーリ9側(図2(a)において右側)に位置することとなるため制動爪523と制動凸部504との係合状態が解除される。一方、摺動凸部531が摺動孔524の他端部に位置するときには、カムクラッチ52Aは、軸方向にスライド移動して最も反巻取プーリ9側(図2(a)において左側)に位置することとなるため、制動爪523と制動凸部504とは係合状態となる。
制動爪523と制動凸部504とが係合状態となると、カムクラッチ52Aの回転が阻止され、このとき摺動孔524の当該他端部まで移動された摺動凸部531もそれ以上の回転ができなくなるため回転ドラム53の回転が停止され、回転ドラム53と相対回転不能に連結する駆動軸2Aの回転も停止する。
従って、カムクラッチ52Aが巻取ドラム51Aの軸線方向に相対移動して、制動爪523が制動凸部504に係合されると、カムクラッチ52Aはサポート部位50に対し相対回転不能に係止される。また、制動爪523と制動凸部504との係合状態が解除されるとカムクラッチ52Aはサポート部位50に対して相対回転可能となる。
カムクラッチ52Aの径方向内側に回転ドラム53が収容され、回転ドラム53は略円筒状を有し巻取ドラム51Aに対し所定の回転遊びを有して相対回転不能、且つ軸線方向に相対移動しないように装着される。また、筒部515内には駆動軸2Aが相対回転可能に貫通しているが、回転ドラム53は駆動軸2Aに対し一体となって回転する。
このように、駆動軸2Aが遮蔽材(下部スクリーン6L)の引き上げ方向に回転されると、該回転は回転ドラム53に伝達される。このとき、回転ドラム53は、当該所定の回転遊びの間、巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aに対して相対回転される。
この場合、カムクラッチ52Aの制動爪523とサポート部位50の制動凸部504との係合状態が解除され、カムクラッチ52Aはサポート部位50に対して相対回転可能である。そして、回転ドラム53は当該所定の回転遊び以上の回転でカムクラッチ52A及び巻取ドラム51Aと相対回転不能となる。
従って、駆動軸2Aを更に引き上げ方向に回転させると、回転ドラム53はカムクラッチ52A及び巻取ドラム51Aと一体となって引き上げ方向に回転され、当該遮蔽材(下部スクリーン6L)の引き上げ駆動が行われる。
一方、駆動軸2Aが遮蔽材(下部スクリーン6L)の引き下げ時では、その下部スクリーン6L及びボトムレール7の自重を使って行われるため、引き下げ時の駆動力は巻取ドラム51Aから駆動軸2Aに向かって伝達される。
巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aが引き下げ方向に回転されると、カムクラッチ52Aの制動爪523とサポート部位50の制動凸部504との係合状態が解除された状態であるため、回転ドラム53及び駆動軸2Aは即座に引き下げ方向への回転が伝達される。
ここで、図2(b)乃至(e)には、遮蔽材(下部スクリーン6L)の引き下げ操作が行われている最中に、ボトムレール7が障害物に衝突したときの、図2(a)におけるクラッチ式の障害物検知停止装置として機能する巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aの動作について、概略図示している。尚、図2(d)及び図2(e)において、1つの制動爪523として簡略図示しているが、複数の制動爪523とすることができる。
まず、図2(b)に示すように遮蔽材(下部スクリーン6L)の引き下げ操作が行われているとき、ボトムレール7が障害物に衝突する前では、巻取ドラム51Aから昇降コード3Lが巻き戻され、下部スクリーン6Lが下降する。巻取ドラム51Aに巻き取られている昇降コード3Lにはボトムレール7等の自重により引き出し方向の張力が加わっており、カムクラッチ52Aの回転とともに巻取ドラム51Aは自重回転し、駆動軸2Aの回転制御により、その自重回転を制御している。このとき、摺動凸部531が摺動孔524の一端部に位置してカムクラッチ52Aは最も巻取プーリ9側(図2(a)において右側)に位置することとなるため制動爪523と制動凸部504との係合状態が解除されている。
そして、図2(c)に示すようにボトムレール7が障害物に衝突すると昇降コード3Lにおける引き出し方向の張力が失われ、巻取ドラム51Aの回転は停止するが、回転ドラム53、カムクラッチ52A及び駆動軸2Aは回転を維持するため回転差が生じる。ただし、回転ドラム53は、当該所定の回転遊びの間のみ巻取ドラム51Aに対して相対回転される。
すると、摺動凸部531が摺動孔524に案内されて、図2(d)に示すように、巻取ドラム51Aの回転停止に伴って回転ドラム53の当該所定の回転遊びの経過中、カムクラッチ52Aが回転しながら軸方向に相対移動(スライド)を開始する。
そして、図2(e)に示すように、巻取ドラム51Aの回転停止に伴って回転ドラム53の当該所定の回転遊びの経過中、カムクラッチ52Aにおける制動爪523が制動凸部504に係合することによって周方向への回転が防止され、カムクラッチ52Aがサポート部位50に対し相対回転不能とされる。カムクラッチ52Aの回転が阻止され、このとき摺動孔524の当該他端部まで移動された摺動凸部531もそれ以上の回転ができなくなるため回転ドラム53の回転が停止され、回転ドラム53と相対回転不能に連結する駆動軸2Aの回転も停止する。このようにカムクラッチ52Aがサポート部位50に対し相対回転不能とされ、回転ドラム53の当該所定の回転遊びが経過すると回転ドラム53の回転も停止し、駆動軸2Aの回転がロックされる。
図2に示す例では、カムクラッチ52Aは、制動部522の側壁が回転ドラム53を介して巻取ドラム51Aとは所定の回転遊びを有して相対回転不能に組み付けられ、且つ当該所定の回転遊びの範囲内で、カムクラッチ52Aに形成した摺動孔524が回転ドラム53に形成した摺動凸部531を案内することで、軸線方向に沿って相対移動可能(スライド可能)とするカム構造を有する例を説明したが、機械的に駆動軸2Aをロックするカム構造は本例に限定されず、巻取ドラム51Aの物理的な障害物による回転停止時に、駆動軸2Aの回転を機械的に停止させるカムクラッチ構造であればく、様々な形態が考えられる。
例えば、回転ドラム53及びカムクラッチ52Aの代わりに、制動凸部504と係合可能な制動爪523と摺動凸部531を形成したカムクラッチを構成し、該カムクラッチを巻取ドラム51Aの内周壁で支持させる構成とすることができる。この場合、該カムクラッチは、駆動軸2Aに対し相対回転不能であるが軸方向には巻取ドラム51Aに対し所定の範囲内で相対移動(スライド移動)を許容する構造とし、該摺動凸部531の回転を図2に例示した動作と同様に作動させるために、巻取ドラム51Aの内周壁に当該摺動孔524に相当する摺動溝を形成したカムクラッチ構造とすることができる。
しかし、このように機械的に駆動軸2Aをロックすると、駆動軸2Aの回転制御は継続しているため、駆動軸2Aへの負荷が生じ、負荷が生じたまま停止することになる。即ち、駆動軸2Aに対する機械的な「停止」が作動しているにも関わらず、モーター9Aの駆動を維持していると、電力的な無駄やモーター9Aの発熱、或いは損傷等を招くおそれが生じる。
総括するに、巻取ドラム51A及びカムクラッチ52Aの中心軸には駆動軸2Aが挿通され、駆動軸2Aが回転すると、常には(障害物非検知時には)、カムクラッチ52Aの大部分が巻取ドラム51Aの径方向内側に収容された状態にあり、駆動軸2Aに係合するカムクラッチ52Aが同方向に回転し、更に、昇降コード3Lに係る張力(各スクリーン及び各レールの自重)を利用しつつカムクラッチ52Aに係合する巻取ドラム51Aが同方向に回転する。これにより巻取ドラム51Aにて昇降コード3Lの巻き取り、或いは巻き戻しを行い、ボトムレール7を昇降させることができる。
ただし、下降するボトムレール7に障害物があると駆動軸2Aの回転と巻取ドラム51Aの回転とにおいて回転差が発生し、回転が阻止された巻取ドラム51Aと駆動軸2Aとの相対回転に基づいて、巻取ドラム51Aの径方向内側に大部分が収容されていた状態にあったカムクラッチ52Aの一部が巻取ドラム51Aから駆動軸2Aの軸方向に突出するようにスライドする。そして、当該スライドし巻取ドラム51Aから突出したカムクラッチ52Aの制動爪523が、巻取ドラム51Aを回転可能に支持する支持部材5に形成された制動凸部504と係合することにより、該駆動軸2Aの回転を機械的に阻止(ロック)する。尚、当該障害物が無くなるときを考慮して、制御装置10は、再び当該カムクラッチ52Aの大部分を巻取ドラム51Aの径方向内側に再び収容して当該駆動軸2Aの回転を機械的に阻止する状態を解除する程度に、駆動軸2Aをボトムレール7の上昇方向へ逆回転してから停止する制御を行う。
同様に、巻取ドラム51B及びカムクラッチ52Bの中心軸には駆動軸2Bが挿通され、駆動軸2Bが回転すると、常には(障害物非検知時には)、カムクラッチ52Bの大部分が巻取ドラム51Bの径方向内側に収容された状態にあり、駆動軸2Bに係合するカムクラッチ52Bが同方向に回転し、更に、昇降コード3Uに係る張力(上部スクリーン6U及び中間レール4の自重)を利用しつつカムクラッチ52Bに係合する巻取ドラム51Bが同方向に回転する。これにより巻取ドラム51Bにて昇降コード3Uの巻き取り、或いは巻き戻しを行い、中間レール4を昇降させることができる。
ただし、下降する中間レール4に障害物があると昇降コード3Uに弛みが生じ、昇降コード3Uに弛みが生じると駆動軸2Bの回転と巻取ドラム51Bの回転とにおいて回転差が発生し、回転が阻止された巻取ドラム51Bと駆動軸2Bとの相対回転に基づいて、巻取ドラム51Bの径方向内側に大部分が収容されていた状態にあったカムクラッチ52Bの一部が巻取ドラム51Bから駆動軸2Bの軸方向に突出するようにスライドする。そして、当該スライドし巻取ドラム51Bから突出したカムクラッチ52Bの制動爪523が、巻取ドラム51Bを回転可能に支持する支持部材5に形成された制動凸部504と係合することにより、該駆動軸2Bの回転を機械的に阻止(ロック)する。尚、当該障害物が無くなるときを考慮して、制御装置10は、再び当該カムクラッチ52Bの大部分を巻取ドラム51Bの径方向内側に再び収容して当該駆動軸2Bの回転を機械的に阻止する状態を解除する程度に、駆動軸2Bを中間レール4の上昇方向へ逆回転してから停止する制御を行う。
従って、本実施形態の遮蔽装置として構成される電動プリーツスクリーンには、各レールに対する「障害物検知」及び各駆動軸の「停止」を機械的に行うクラッチ式の障害物検知停止装置が設けられる。
そして、本実施形態の遮蔽装置として構成される電動プリーツスクリーンでは、ヘッドボックス1内にモーター9A,9Bが配設され、モーター9A,9Bの各々の出力軸を第1の駆動軸とし、それぞれの障害物検知停止装置の入力軸2A,2Bを第2の駆動軸とすると、それぞれの第1及び第2の駆動軸をそれぞれの駆動軸連結器20A,20Bを用いて軸方向に連結している。これにより、そのモーター9A(又は9B)の出力軸(第1の駆動軸)の回転が第2の駆動軸2A(又は2B)に伝達され、第2の駆動軸2A(又は2B)の回転に基づいて下部スクリーン6L(又は上部スクリーン6U)が昇降される。
尚、電動遮蔽装置ではなく手動操作のブラインド等の遮蔽装置においても、障害物検知停止装置を設けることができ、更に、手動操作に係る操作手段により回転される出力軸(第1の駆動軸)と、巻取ドラムを回転させる第2の駆動軸とを駆動軸連結器を用いて軸方向に連結する構成とすることもある。
即ち、電動操作又は手動操作によって回転する出力軸(第1の駆動軸)の駆動力で、障害物検知停止装置を作動可能とする第2の駆動軸を回転させるべく駆動軸連結器を用いて第1及び第2の駆動軸を軸方向に連結し、遮蔽材の移動(例えば昇降)を行う遮蔽装置を構成することができる。
しかし、電動操作又は手動操作によって回転する出力軸(第1の駆動軸)の振動が第2の駆動軸に伝達し、振動が伝達した第2の駆動軸の作用で、遮蔽材に障害物が接触していないにも関わらず、障害物検知停止装置が誤検知し、第2の駆動軸を阻止(ロック)するような誤動作を生じることがよくある。このような誤動作は更なる電動操作又は手動操作によって容易に解除できるものの、使い勝手としては好ましくない。
そこで、本実施形態に係る遮蔽装置においては、障害物検知停止装置の誤検知を抑制するよう駆動軸連結器20A(又は20B)を構成している。
以下、図3乃至図7を参照して、各実施例の駆動軸連結器20について説明する。図3乃至図7に示す各実施例の駆動軸連結器20は、図1に示す駆動軸連結器20A,20Bの各々に適用可能であり、図1に示すモーター9A(又は9B)の出力軸を第1の駆動軸90とし、図1に示す駆動軸2A(又は2B)を第2の駆動軸2として適用可能である。そして、図3乃至図7に示す各実施例の駆動軸連結器20は、手動操作のブラインド等の遮蔽装置においても適用できる点に留意する。
(実施例1の駆動軸連結器)
図3(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の遮蔽装置における実施例1の駆動軸連結器20の概略構成を示す斜視図及び分解斜視図である。また、図4(a),(b)は、実施例1の駆動軸連結器20の概略構成を示す部分断面正面図及び側面断面図である。
まず、図3(a)に示すように、実施例1の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する部材として構成される。ただし、実施例1の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90に対しては常に一体となって回転し、第2の駆動軸2に対しては所定の遊びを有して第1の駆動軸90の回転が伝達されるようになっている。
より具体的には、図3(b)に示すように、実施例1の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90の端部を相対回転不能に係合挿入する軸受部20aを有している。本例では第1の駆動軸90の断面を多角形状(図示する例では六角形状)としており、軸受部20aもこれに合わせて相対回転不能に係合挿入可能とする多角形状(図示する例では六角形状)としている。
また、実施例1の駆動軸連結器20は、第2の駆動軸2の端部を相対回転可能に挿入する軸受部20bを有し、その軸受部20bの周面上で、第2の駆動軸2の軸方向に対し垂直方向に位置して互いに対向する一対の遊び孔201が形成されている。一対の遊び孔201は、それぞれ第2の駆動軸2の回転方向に延びる長孔状に形成されている。
更に、第2の駆動軸2の端部の端部近傍には、軸方向に対し垂直方向に貫通するネジ孔2aが形成されている。そして、軸受部20bに第2の駆動軸2の端部が相対回転可能に挿入され、軸受部20bにおける一対の遊び孔201の間に第2の駆動軸2のネジ孔2aが位置する状態で、長ネジ202が一対の遊び孔201を介してネジ孔2aに螺合される。長ネジ202のネジ頭は遊び孔201の長孔の短径より大径であるために軸受部20bの外周面上、若しくはさらに外方に位置する。一方、長ネジ202のネジ先を含むネジ部の径は遊び孔201の長孔の長径及び短径のいずれに対しても小径であり、長ネジ202のネジ部は一対の遊び孔201に対し第2の駆動軸2の回転方向に遊びを持っている。
このため、図4(a)に示すように、第1の駆動軸90の端部は、軸受部20aに対し相対回転不能に係合挿入されるが軸方向の移動は許容される。一方で、第2の駆動軸2の端部は、長ネジ202によって軸受部20bに対し遊びのある範囲内で相対回転可能に連結され、尚且つ軸方向の移動は阻止される。そして、第2の駆動軸2の断面を多角形状(図示する例では六角形状)として例示しているが、軸受部20bは丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第2の駆動軸2を許容するものとなっている。特に、図4(b)に示すように、第2の駆動軸2の軸中心Oを通る長ネジ202の軸線CLに対し、第2の駆動軸2の回転方向に一対の遊び孔201の遊び角Paが形成される。この遊び角Paは適宜設定する。
このように、実施例1の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90の回転を第2の駆動軸2に対して所定の遊びを有して伝達するよう第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する構造となっている。このため、電動操作又は手動操作に係る第1の駆動軸90の振動が生じた場合でも、その振動が第2の駆動軸2に伝達されにくくなり、これにより、障害物検知停止装置の誤検知及び誤動作を抑制することができ、使い勝手が向上するようになる。
また、実施例1の駆動軸連結器20は、軸受部20aにて第1の駆動軸90の軸方向の移動を許容しているため、組み付け性が高いものとなっている。更に、実施例1の駆動軸連結器20は、軸受部20bにて第2の駆動軸2の軸方向の移動を阻止するようなっており、第2の駆動軸2の軸方向のブレを抑制し第2の駆動軸2の回転方向の遊びの安定性を高める作用がある。
(実施例2の駆動軸連結器)
図5(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の遮蔽装置における実施例3の駆動軸連結器20の概略構成を示す分解斜視図及び部分断面正面図である。尚、図5において、図3及び図4に示す実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
まず、実施例2の駆動軸連結器20は、実施例1と同様に、第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する部材として構成され、第1の駆動軸90に対しては常に一体となって回転し、第2の駆動軸2に対しては所定の遊びを有して第1の駆動軸90の回転が伝達されるようになっている。ただし、実施例2の駆動軸連結器20は、実施例1と比較して、軸受部20aの構造が異なる点で相違している。
より具体的には、図5(a)に示すように、実施例1の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90の端部を相対回転可能に挿入する軸受部20aを有し、その軸受部20aの周面上で、第1の駆動軸90の軸方向に対し垂直方向に位置する少なくとも1つ(本例では1つ)のネジ孔203が形成されている。本例では第1の駆動軸90の断面を多角形状(図示する例では六角形状)としているが、軸受部20aは第1の駆動軸90の端部を相対回転可能に挿入するようになっているため丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第1の駆動軸90を許容するものとなっている。
そして、短ネジ204がネジ孔203に螺合挿入されて、短ネジ204のネジ先204aで第1の駆動軸90の周面上の一部を押圧することで第1の駆動軸90の端部を軸受部20aに係止している。このように短ネジ204を利用して第1の駆動軸90の端部を軸受部20aに係止することで、実施例2の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90に対しては常に一体となって回転するようになる。
また、実施例2の駆動軸連結器20は、実施例1と同様に、第2の駆動軸2の端部を相対回転可能に挿入する軸受部20bを有し、その軸受部20bの周面上で、第2の駆動軸2の軸方向に対し垂直方向に位置して互いに対向する一対の遊び孔201が形成されている。一対の遊び孔201は、それぞれ第2の駆動軸2の回転方向に延びる長孔状に形成されている。
更に、第2の駆動軸2の端部の端部近傍には、軸方向に対し垂直方向に貫通するネジ孔2aが形成されている。そして、軸受部20bに第2の駆動軸2の端部が相対回転可能に挿入され、軸受部20bにおける一対の遊び孔201の間に第2の駆動軸2のネジ孔2aが位置する状態で、長ネジ202が一対の遊び孔201を介してネジ孔2aに螺合される。長ネジ202のネジ頭は遊び孔201の長孔の短径より大径であるために軸受部20bの外周面上、若しくはさらに外方に位置する。一方、長ネジ202のネジ先を含むネジ部の径は遊び孔201の長孔の長径及び短径のいずれに対しても小径であり、長ネジ202のネジ部は一対の遊び孔201に対し第2の駆動軸2の回転方向に遊びを持っている。
このため、図5(b)に示すように、軸受部20aは、丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第1の駆動軸90を許容し、尚且つ短ネジ204を利用して第1の駆動軸90の端部を軸受部20aに係止するようになっているため、第1の駆動軸90の端部の係止位置を任意に調節できる。一方、第2の駆動軸2の端部は、実施例1と同様に、長ネジ202によって軸受部20bに対し遊びのある範囲内で相対回転可能に連結され、尚且つ軸方向の移動は阻止されるようなっている。そして、第2の駆動軸2の断面を多角形状(図示する例では六角形状)として例示しているが、軸受部20bは丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第2の駆動軸2を許容するものとなっている。
このように、実施例2の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90の回転を第2の駆動軸2に対して所定の遊びを有して伝達するよう第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する構造となっている。このため、電動操作又は手動操作に係る第1の駆動軸90の振動が生じた場合でも、その振動が第2の駆動軸2に伝達されにくくなり、これにより、障害物検知停止装置の誤検知及び誤動作を抑制することができ、使い勝手が向上するようになる。
また、実施例2の駆動軸連結器20は、軸受部20aにて丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第1の駆動軸90を許容し、尚且つ第1の駆動軸90の端部の係止位置を任意に調節できるため、汎用性が高いものとなっている。更に、実施例2の駆動軸連結器20は、実施例1と同様に、軸受部20bにて第2の駆動軸2の軸方向の移動を阻止するようなっており、第2の駆動軸2の軸方向のブレを抑制し第2の駆動軸2の回転方向の遊びの安定性を高める作用がある。
(実施例1,2の変形例)
尚、実施例1,2の駆動軸連結器20の変形例として、軸受部20aについても軸受部20bと同様の構造とし、第1の駆動軸90の軸方向のブレを抑制し第1の駆動軸90に対する遊びを持たせる形態や、単に、遊びを持たせることなく第1の駆動軸90の軸方向のブレを抑制する形態とすることも可能である。
(実施例3の駆動軸連結器)
図6(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の遮蔽装置における実施例3の駆動軸連結器20の概略構成を示す分解斜視図及び部分断面正面図である。尚、図6において、図3及び図4に示す実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
まず、実施例3の駆動軸連結器20は、駆動軸連結器20‐1,20‐2の2部材構成とし、第1の駆動軸90に対し常に一体となって回転するよう係着される駆動軸連結器20‐1と、第2の駆動軸2に対し常に一体となって回転するよう係着される駆動軸連結器20‐2との双方の対向面上のカム部の噛合により、第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する部材として構成され、当該噛合が所定の遊びを有して第1の駆動軸90の回転が第2の駆動軸2に伝達されるようになっている。限定するものではないが、第1の駆動軸90の断面形状と第2の駆動軸2の断面形状とを同形状としたときは、駆動軸連結器20‐1,20‐2の双方を同形状とすることができる。
より具体的には、図6(a)に示すように、実施例3の駆動軸連結器20‐1は、第1の駆動軸90の端部を相対回転不能に係合挿入する軸受部20aを有している。本例では第1の駆動軸90の断面を多角形状(図示する例では六角形状)としており、軸受部20aもこれに合わせて相対回転不能に係合挿入可能とする多角形状(図示する例では六角形状)としている。駆動軸連結器20‐1の端面には比較的幅広の扇状の凹部205aと比較的幅狭の扇状の凸部205bが回転方向に一定角度間隔で配設されたカム部205が形成されている。
また、実施例3の駆動軸連結器20‐2は、第2の駆動軸2の端部を相対回転不能に係合挿入する軸受部20bを有している。本例では第2の駆動軸2の断面を多角形状(図示する例では六角形状)としており、軸受部20bもこれに合わせて相対回転不能に係合挿入可能とする多角形状(図示する例では六角形状)としている。駆動軸連結器20‐2の端面には、駆動軸連結器20‐1と同様に、比較的幅広の扇状の凹部205aと比較的幅狭の扇状の凸部205bが回転方向に一定角度間隔で配設されたカム部205が形成されている。
このため、図6(b)に示すように、駆動軸連結器20‐1と駆動軸連結器20‐2の双方の対向面上のカム部205の噛合により、第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する駆動軸連結器20が構成され、当該双方の対向面上のカム部205は、比較的幅広の扇状の凹部205aと比較的幅狭の扇状の凸部205bが回転方向に一定角度間隔で配設されているため、当該噛合が所定の遊びを有するようになり、尚且つ駆動軸連結器20‐1と駆動軸連結器20‐2の軸ズレも防止される。
このように、実施例3の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90の回転を第2の駆動軸2に対して所定の遊びを有して伝達するよう第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する構造となっている。このため、電動操作又は手動操作に係る第1の駆動軸90の振動が生じた場合でも、その振動が第2の駆動軸2に伝達されにくくなり、これにより、障害物検知停止装置の誤検知及び誤動作を抑制することができ、使い勝手が向上するようになる。
また、実施例3の駆動軸連結器20は、軸受部20a,20bの双方にてそれぞれ第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2の軸方向の移動を許容しているため、組み付け性が高いものとなっている。
(実施例4の駆動軸連結器)
図7(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の遮蔽装置における実施例4の駆動軸連結器20の概略構成を示す分解斜視図及び部分断面正面図である。尚、図7において、図6に示す実施例3と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
まず、実施例4の駆動軸連結器20は、駆動軸連結器20‐1,20‐2の2部材構成とし、第1の駆動軸90に対し常に一体となって回転するよう係着される駆動軸連結器20‐1と、第2の駆動軸2に対し常に一体となって回転するよう係着される駆動軸連結器20‐2との双方の対向面上のカム部の噛合により、第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する部材として構成され、当該噛合が所定の遊びを有して第1の駆動軸90の回転が第2の駆動軸2に伝達されるようになっている。ただし、実施例4の駆動軸連結器20は、実施例3と比較して、駆動軸連結器20‐1の軸受部20a、及び駆動軸連結器20‐2の軸受部20bの構造が異なる点で相違している。限定するものではないが、第1の駆動軸90の断面形状と第2の駆動軸2の断面形状とを同形状としたときは、駆動軸連結器20‐1,20‐2の双方を同形状とすることができる。
より具体的には、図7(a)に示すように、実施例4の駆動軸連結器20‐1は、第1の駆動軸90の端部を相対回転可能に挿入する軸受部20aを有し、その軸受部20aの周面上で、第1の駆動軸90の軸方向に対し垂直方向に位置する少なくとも1つ(本例では1つ)のネジ孔203が形成されている。本例では第1の駆動軸90の断面を多角形状(図示する例では六角形状)としているが、軸受部20aは第1の駆動軸90の端部を相対回転可能に挿入するようになっているため丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第1の駆動軸90を許容するものとなっている。駆動軸連結器20‐1の端面には比較的幅広の扇状の凹部205aと比較的幅狭の扇状の凸部205bが回転方向に一定角度間隔で配設されたカム部205が形成されている。
そして、軸受部20aにおいて、短ネジ204がネジ孔203に螺合挿入されて、短ネジ204のネジ先204aで第1の駆動軸90の周面上の一部を押圧することで第1の駆動軸90の端部を軸受部20aに係止している。このように短ネジ204を利用して第1の駆動軸90の端部を軸受部20aに係止することで、実施例4の駆動軸連結器20‐1は、第1の駆動軸90に対しては常に一体となって回転するようになる。
また、実施例4の駆動軸連結器20‐2は、第2の駆動軸2の端部を相対回転可能に挿入する軸受部20bを有し、その軸受部20bの周面上で、第2の駆動軸2の軸方向に対し垂直方向に位置する少なくとも1つ(本例では1つ)のネジ孔203が形成されている。本例では第2の駆動軸2の断面を多角形状(図示する例では六角形状)としているが、軸受部20bは第2の駆動軸2の端部を相対回転可能に挿入するようになっているため丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第2の駆動軸2を許容するものとなっている。駆動軸連結器20‐2の端面には、駆動軸連結器20‐1と同様に、比較的幅広の扇状の凹部205aと比較的幅狭の扇状の凸部205bが回転方向に一定角度間隔で配設されたカム部205が形成されている。
そして、軸受部20bにおいて、短ネジ204がネジ孔203に螺合挿入されて、短ネジ204のネジ先204aで第2の駆動軸2の周面上の一部を押圧することで第2の駆動軸2の端部を軸受部20bに係止している。このように短ネジ204を利用して第2の駆動軸2の端部を軸受部20bに係止することで、実施例4の駆動軸連結器20‐2は、第2の駆動軸2に対しては常に一体となって回転するようになる。
このため、図7(b)に示すように、駆動軸連結器20‐1と駆動軸連結器20‐2の双方の対向面上のカム部205の噛合により、第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する駆動軸連結器20が構成され、当該双方の対向面上のカム部205は、比較的幅広の扇状の凹部205aと比較的幅狭の扇状の凸部205bが回転方向に一定角度間隔で配設されているため、当該噛合が所定の遊びを有するようになり、尚且つ駆動軸連結器20‐1と駆動軸連結器20‐2の軸ズレも防止される。
このように、実施例4の駆動軸連結器20は、第1の駆動軸90の回転を第2の駆動軸2に対して所定の遊びを有して伝達するよう第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を軸方向に連結する構造となっている。このため、電動操作又は手動操作に係る第1の駆動軸90の振動が生じた場合でも、その振動が第2の駆動軸2に伝達されにくくなり、これにより、障害物検知停止装置の誤検知及び誤動作を抑制することができ、使い勝手が向上するようになる。
また、実施例4の駆動軸連結器20は、軸受部20a,20bの双方にてそれぞれ丸形や楕円形を含む多種の断面形状の第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2を許容し、尚且つ第1の駆動軸90及び第2の駆動軸2の各端部の係止位置を任意に調節できるため、汎用性が高いものとなっている。
(実施例1乃至4の変形例)
上述した実施例1,2、又はその変形例の駆動軸連結器20における技法を、実施例3,4の駆動軸連結器20に組み合わせた実施形態とすることができる。例えば、実施例3の駆動軸連結器20における軸受部20a,20bの一方又は双方を、実施例2における軸受部20a又は軸受部20bと同構造とする実施形態や、実施例4の駆動軸連結器20における軸受部20a,20bの一方双方を、実施例2における軸受部20bと同構造とする実施形態とすることができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、多角断面形状の駆動軸を例に限定したが、本発明に係る同様の作用・効果を生じる限りにおいて各駆動軸の断面形状は任意である。また、上述した実施形態では、特定の障害物検知停止装置を例に説明したが、これに限定する必要はない。更に、遮蔽装置は、電動操作に限らず、手動操作でもよく、駆動軸を用いて遮蔽材を移動するものであれば、プリーツスクリーンに限らず、横型ブラインド、縦型ブラインド等であってもよい。
従って、本発明に係る遮蔽装置は、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。