JP7042602B2 - コンクリートの硬化時間の制御方法、制御装置およびコンクリートの施工方法 - Google Patents

コンクリートの硬化時間の制御方法、制御装置およびコンクリートの施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばコンクリートスラブなどのコンクリートの硬化時間の制御方法、制御装置およびコンクリートの施工方法に関するものである。
従来、コンクリートスラブを施工する際には、プラントからミキサーで運ばれたフレッシュコンクリートを型枠上に打設した後、全体を決められた高さになるように均していく作業が行われている(例えば、特許文献1を参照)。コンクリートは時間の経過とともに硬化が進み、作業者が上に乗ることができる硬さになってから、ブリーディング水や端部の処理などを行い、手押しトロウェルや鏝などで表面を繰返し押えていく。
この繰返しの押え作業は、コンクリート表面の平滑化、緻密化に必要な作業であり、スラブの良し悪しに大きな影響を与える。ところが、この押えタイミングは、作業者がコンクリート表面を指で触った硬さ、見た目の色、ブリーディング水の発生具合などで判断している。したがって、スラブの平滑性などの仕上がりの良さ、表面の緻密さなどの品質は、特に施工が難しい環境条件では作業者の経験に左右されやすい。
コンクリートスラブの打設計画においては、施工当日の気温、打設面積、打設速度などの条件を考慮して、作業者の人数や配置、作業機械の数などを決定する。この決定は、作業者の経験的な判断に任されており、打設速度によってコンクリートの打設位置が大まかに決められている。その後の押え作業のタイミングは、施工当日のコンクリートの硬化具合を作業者が指触や目視で判断し、成り行きで進められていく。したがって、コンクリートの打設計画においては、コンクリートの硬化具合に応じた作業者数や施工手順を計画しない。押え開始時刻や終了時刻は、施工当日の成り行き次第であり、施工計画としては曖昧な部分が多い。
さらには、コンクリートスラブの施工は当日の温度条件に左右される。例えば、夏の暑い季節は気温が35℃にも達するケースは近年では珍しくなく、コンクリートの硬化速度が想定以上に早くなり、手配していた作業者数や施工機械では足りない状態になる。一方、冬の寒い季節は、コンクリートの硬化速度が遅くなり、作業者の待ち時間が長くなり、作業が深夜となるケースもある。現場作業がコンクリートの硬化次第となっており、コンクリートスラブの仕上がりの悪さや、作業環境の悪化につながる場合がある。
コンクリートスラブの仕上げ作業は、コンクリートの硬化具合に合わせて行っている。このコンクリートの硬化具合を把握する方法としては、JISの貫入抵抗試験(JIS A 1147:2007)がある。これは、コンクリートから粗骨材を除去したモルタルを試験体とし、規定の貫入針を垂直に刺した際の貫入抵抗値を求める方法である。この方法によれば、図1の測定例に示すように、測定結果をプロットしてコンクリートの始発時間(貫入抵抗値が例えば3.4N/mmになるまでの時間)、終結時間(貫入抵抗値が例えば28.0N/mmになるまでの時間)と、これらプロットの近似曲線から傾きAと切片Bおよび近似式を求めることができる。作業者は、経験的に貫入抵抗値0.5(N/mm)あたりの、網下駄を履いて少し足が沈む程度の硬さになってからコンクリートの上に乗ってブリーディング水の除去などの作業の前準備を始め、始発時間から押え作業を開始し、終結時間で作業を終えている。
ところが、この貫入抵抗値は硬化が進むコンクリートをその都度、リアルタイムに測定して得られるものであるため、この方法で予め押えタイミング(押え作業を開始できる時間)を予測することはできない。また、試験作業も手間が掛かり、現場での施工管理に使用するケースはほとんどなく、貫入抵抗試験はデータの取得が主目的となっている、といった問題がある。
こうした問題に対し、本特許出願人は、既に特許文献2、3に示すようなコンクリートの均し作業可能時期の予測技術を提案している。特許文献2は、フレッシュコンクリート作製時のセメントと水を混ぜる「注水時刻」と、コンクリートの導電率が低下する「導電率低下時刻」を基に、コンクリートの均し作業可能時期を予測する技術である。特許文献3は、施工時間帯の「予想気温」と「注水予定時刻」を基に、コンクリートの均し作業可能時期を予測する技術である。これらの技術によれば、コンクリート表面の均し作業を始める前に、押え作業開始時刻、押え作業終了時刻、押え作業可能時間を容易に把握することが可能である。
特開2015-203204号公報 特願2017-200254号(現時点で未公開) 特願2017-200255号(現時点で未公開)
しかしながら、上記の特許文献2、3の技術によって各時刻や時間を作業前に予測できたとしても、その時刻や時間に問題がある場合は、悪条件下での作業となるおそれがあった。これについて具体例を挙げて説明する。
図2は、上記の特許文献2の予測装置の入出力画面の一例である。予測装置のディスプレイ等の表示部には、図のような画面が表示される。入力部(INPUT)の「注水時刻」と「導電率低下時刻」の2つの項目を入力すると、図示しない演算部の演算処理により、「人が乗れる時刻」、「押え作業開始時刻」、「押え作業終了時刻」、「作業開始までの時間」、「押え作業可能時間」が算出され、出力部(OUTPUT)の各欄に瞬時に出力表示される。したがって、この予測装置の利用者は、この入出力画面を通じて、上記の時刻および時間を容易に把握することができる。なお、図の例では、「注水時刻」に9:00、「導電率低下時刻」に12:00を入力した場合の出力結果を示している。この場合は、押え作業終了時刻は16:21で、押え作業可能時間は1時間37分であり、作業としては余裕がある。
ところが、例えば夏季の気温の高い時期では、図3に示すように「注水時刻」が9:00、「導電率低下時刻」が11:10となるケースがある。このとき、押え作業開始時刻は12:05、押え作業終了時刻は12:37となる。押え作業可能時間は32分と極端に短いため、施工面積が広い場合は作業が間に合わない可能性がある。
一方、例えば冬季の気温の低い時期では、図4に示すように「注水時刻」が9:00、「導電率低下時刻」が12:50となるケースがある。このとき、押え作業開始時刻は20:56、押え作業終了時刻は1:48、押え作業可能時間は4時間51分となる。作業者とともに現場管理者も遅い時間まで現場に残ることになり、作業環境としては極めて過酷である。
このため、予測された時刻や時間に、押え作業を実施する上で問題があることが判明した場合、作業に無理が生じないようにコンクリートの硬化時間を制御することのできる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、均し作業可能時期を調節することのできるコンクリートの硬化時間の制御方法、制御装置およびコンクリートの施工方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御方法は、施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する方法であって、フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、または、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測ステップと、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整ステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御方法は、上述した発明において、予測ステップは、施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求めるステップと、求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御方法は、上述した発明において、予測ステップは、施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定するステップと、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御装置は、施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する装置であって、フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、または、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測手段と、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定手段と、所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御装置は、上述した発明において、予測手段は、施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求める手段と、求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御装置は、上述した発明において、予測手段は、施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定する手段と、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリートの施工方法は、上述したコンクリートの硬化時間の制御方法を用いてコンクリートを施工する方法であって、予測した均し作業可能時期に基づいて硬化速度を調整した後でコンクリートの表面に対する均し作業を実施するステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御方法によれば、施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する方法であって、フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、または、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測ステップと、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整ステップとを備えるので、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合に、コンクリートの硬化速度を調整することで、均し作業を適切に行えるように均し作業可能時期を調節することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御方法によれば、予測ステップは、施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求めるステップと、求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなるので、コンクリートの注水時刻と導電率低下時刻から、導電率低下時刻の時点において均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御方法によれば、予測ステップは、施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定するステップと、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなるので、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻から、施工前に均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御装置によれば、施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する装置であって、フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、または、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測手段と、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定手段と、所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整手段とを備えるので、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合に、コンクリートの硬化速度を調整することで、均し作業を適切に行えるように均し作業可能時期を調節することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御装置によれば、予測手段は、施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求める手段と、求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなるので、コンクリートの注水時刻と導電率低下時刻から、導電率低下時刻の時点において均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御装置によれば、予測手段は、施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定する手段と、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなるので、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻から、施工前に均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るコンクリートの施工方法によれば、上述したコンクリートの硬化時間の制御方法を用いてコンクリートを施工する方法であって、予測した均し作業可能時期に基づいて硬化速度を調整した後でコンクリートの表面に対する均し作業を実施するステップとを備えるので、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たさない場合に、均し作業を適切に行えるように均し作業可能時期を調節することができる。これにより、安定した品質のコンクリートを施工することが可能になるという効果を奏する。
図1は、JISによる貫入抵抗試験の測定例を示す図である。 図2は、コンクリートの均し作業可能時期の予測装置の一例を示す入出力画面図である。 図3は、夏季の気温の高い場合の一例を示す図である。 図4は、冬季の気温の低い場合の一例を示す図である。 図5は、コンクリートの温度Tと傾きAとの関係を示す図である。 図6は、硬化遅延剤および硬化促進剤による傾きAの調節例を示す図である。 図7は、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御方法の実施の形態を示すフローチャート図である。
以下に、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御方法、制御装置およびコンクリートの施工方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[コンクリートの硬化時間の制御方法]
まず、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御方法の実施の形態について説明する。
(基本原理)
まず、本発明の基本原理について説明する。
一般に、凝結過程にあるコンクリートについて、例えばJIS A 1147に記載の貫入抵抗試験を行い、経過時間ごとに貫入抵抗値をプロットすると、図1に示すような散布図が得られる。これらのプロットから、貫入抵抗値Pと経過時間tの関係は、t=A×Ln(P)+Bという対数近似式で表すことができる。ここで、Aは傾き(傾き情報)、Bは切片である。
一方、上記の特許文献2の予測技術では、コンクリートの注水時刻と導電率低下時刻から上記の傾きAを求めて、求めた傾きAに基づいて人が乗れる時刻、押え作業開始時刻、押え作業終了時刻、作業開始までの時間、押え作業可能時間(均し作業可能時期)を予測する。また、上記の特許文献3の予測技術では、施工時間帯の予想気温と注水予定時刻から上記の傾きAを求めて、求めた傾きAに基づいてこれらの時刻と時間を予測する。このように、上記の特許文献2、3の予測技術では、傾きAに基づく予測を行っている。
図5は、コンクリートの温度Tと傾きAの関係を例示したものである。この図に示すように、コンクリートの温度Tは、傾きAと相関が高いことがわかる。したがって、夏季や冬季のような温度環境で最適な作業時間を確保するには、図6に示すように、温度の低い時は傾きAが小さくなるように、温度の高い時は傾きAが大きくなるように調節できればよい。傾きAを調節すると、この調節量に応じて、上記の特許文献2、3の予測技術によって予測される各時刻と時間も調整されるため、夏季や冬季のような温度環境での最適な作業時間の確保が可能となる。
例えば、上記の特許文献2を用いて各時刻と時間を予測する場合、温度が低い時は、「導電率低下時刻」が測定された時点において、コンクリート表面に硬化促進剤を散布してコンクリートの硬化を早めればよい。一方、温度の高い時は、「導電率低下時刻」が測定された時点において、コンクリート表面に硬化遅延剤を散布して硬化を遅らせればよい。コンクリートの硬化が早い時期において、例えば図3の場合には「導電率低下時刻」から押え作業開始時刻までは55分あるので、「導電率低下時刻」が測定された時点で硬化遅延剤を散布すれば、55分が経過するまでに硬化遅延剤の効果が加えられるので、後の作業に余裕ができることになる。
なお、硬化促進剤および硬化遅延剤の種類や散布量などの組み合わせについては、予め実験などにより、図5に示すようなコンクリートの温度と傾きAとの関係、図6に示すような硬化促進剤および硬化遅延剤の散布による傾きAの調節量との関係などのデータベースを構築しておき、必要に応じて適宜選択可能にしておけばよい。
(具体的な制御手順)
次に、本実施の形態に係るコンクリートの硬化時間の制御方法の具体的な手順を説明する。
本実施の形態は、施工中のコンクリートの表面に対する押え作業(均し作業)を実施する前に、押え作業行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が押え作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する方法であって、予測ステップと、判定ステップと、調整ステップとを備える。
予測ステップは、後述する所定のパラメータに基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測するものである。予測ステップとしては、上記の特許文献2または特許文献3に記載の予測方法を利用することができる。
判定ステップは、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定するものである。
調整ステップは、所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整するものである。
以下では、予測ステップとして、特許文献2に記載の予測方法を利用する場合を実施の形態1、特許文献3に記載の予測方法を利用する場合を実施の形態2として説明する。
<実施の形態1>
まず、実施の形態1を説明する。本実施の形態1は、コンクリートの「注水時刻」と「導電率低下時刻」を基にして、「導電率低下時刻」において予めコンクリートの押え作業開始時刻、終了時刻および作業可能時間を予測し、その時刻および時間に無理がある場合は、コンクリートの硬化時間を制御する場合である。
本実施の形態1の予測原理(特許文献2を参照)を以下に概略的に説明する。
コンクリートに導電率計の電極を設置し、導電率を測定すると、導電率は徐々に上昇していくが、ある時刻から低下を開始する。この導電率低下時刻は、コンクリート中のセメントの反応に関係しており、0.1(N/mm)の貫入抵抗値が発現する時刻と一致することがわかっている。
一方、コンクリートの注水時刻(フレッシュコンクリート作製の際にプラントでセメントと水を混ぜた時間)から導電率低下時刻までの時間tは、傾きAと相関が高いことがわかっている。注水時刻は、現場に搬入されるコンクリートの製品情報として必ず付属しているため、導電率低下時刻がわかれば、注水時刻から導電率低下時刻までの時間tから傾きAを求めることができる。そこで、予め注水時刻から導電率低下時刻までの時間tと傾きAの関係を把握しておき、この関係に注水時刻から導電率低下時刻までの時間を当てはめることで、傾きAを求めることができる。
求めた傾きAを図1の近似式に代入して、貫入抵抗値と経過時間の関係を求める。ただし、上述したように、導電率低下時刻は貫入抵抗値0.1(N/mm)となる時刻と一致するため、この時刻を原点(0分)として貫入抵抗値と経過時間の関係を求める。この関係を用いて、貫入抵抗値が0.5(N/mm)に達する経過時間、始発時間の貫入抵抗値3.4(N/mm)に達する経過時間、終結時間の貫入抵抗値28.0(N/mm)に達する経過時間をそれぞれ求める。求めた経過時間を導電率低下時刻に加算することで各貫入抵抗値における時刻を算出する。なお、これらの時刻は、導電率低下時刻が得られた時点で求められるため、作業を開始するまでには十分な時間がある。これにより、以下の作業時刻(均し作業可能時期)および時間を施工前に予測することが可能となる。
すなわち、コンクリートスラブ表面に人が乗れる時刻、押え作業開始時刻、押え作業終了時刻といった作業時刻を予測することが可能となる。人が乗れる時刻から押え作業開始時刻までの時間は、ブリーディング水除去、コンクリートスラブ端部の直しなどの前準備が可能な時間である。押え作業開始時刻から押え作業終了時刻までの時間は、押え作業可能時間である。
本実施の形態1では、この予測原理を用いて各時刻と時間を予測し、予測された各時刻と時間が押え作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合に、コンクリートの硬化時間を制御する。この具体的手順について、図7のフローチャート図を参照しながら説明する。
図7に示すように、まず、ステップS1において、コンクリートサンプルを採取し、採取したコンクリートサンプルに導電率計を設置して導電率の測定を開始する。
次に、ステップS2(予測ステップ)において、注水時刻と導電率低下時刻から、上記の各時刻と時間を予測する。より具体的には、注水時刻から導電率低下時刻までの時間を算出し、上記の関係に当てはめて傾きAを算出する。傾きAを用いて貫入抵抗値と経過時間の関係を算出し、この関係を用いて、導電率低下時刻に経過時間を加算することで、各貫入抵抗値における時刻を算出する。これにより、ステップS3のように、上記の各時刻と時間を施工前に予測することができる。
この予測方法によれば、コンクリートの導電率低下時刻を測定することで、コンクリートスラブの押えタイミングを施工前に容易に予測することができる。これにより、施工に適切な作業者や施工機械の数、配置を計画することが可能となり、さらに、施工準備および施工管理に活かすことが可能となる。このため、安定した品質のコンクリートスラブを施工することができる。
次に、ステップS4(判定ステップ)において、予測した各時刻や時間に問題があるか否かを判定する。この判定は、予測した各時刻や時間が、予め設定した所定の時期的条件を満たすか否かを判定することによって行う。この判定の結果、所定の時期的条件を満たす場合は処理を終了し(ステップS4で問題「なし」)、満たさない場合はステップS5(調整ステップ)に進める(ステップS4で問題「あり」)。なお、この判定は、導電率低下時刻が測定された時点の直後から実施可能である。
例えば、予測した押え作業可能時間が施工面積に対して極端に短い場合(例えば30分程度以下)には、作業が間に合わない可能性がある。そこで、例えば施工面積に対して極端に短い時間(例えば40分)を押え作業可能時間に関する時期的条件の閾値として予め設定しておく。予測した押え作業可能時間が図3の例のように32分であった場合には、閾値(40分)未満のため時期的要件を満たさないと判定し、例えば予測した押え作業可能時間が1時間であった場合は、閾値(40分)以上のため時期的要件を満たすと判定する。
一方、例えば予測した押え作業開始時刻や押え作業終了時刻が夜間の遅い時間帯(例えば深夜1:00頃など)になる場合には、作業者、現場管理者を遅い時間まで現場に拘束し、過酷な作業環境となる可能性がある。そこで、例えば夜間の遅い時間帯(20:00~5:00)を押え作業開始時刻や押え作業終了時刻に関する時期的条件を満たさない悪条件の時間帯として予め設定しておく。予測した押え作業終了時刻が図4の例のように1:48であった場合には、悪条件の時間帯(20:00~5:00)のため時期的要件を満たさないと判定し、例えば予測した押え作業終了時刻が19:50であった場合は、悪条件の時間帯ではないため時期的要件を満たすと判定する。
次に、ステップS5(調整ステップ)において、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中のコンクリート表面に散布して、コンクリートの硬化速度を調整する。硬化促進剤を散布すればコンクリートの硬化速度が速まり硬化時間が短くなる。硬化遅延剤を散布すればコンクリートの硬化速度が遅くなり硬化時間が長くなる。
例えば、図3の場合には、導電率低下時刻から押え作業開始時刻までは55分あるので、導電率低下時刻が測定された時点で硬化遅延剤を散布すれば、55分が経過するまでに硬化遅延剤の効果が加えられるので、後の作業に余裕ができることになる。
硬化速度の調整度合は、硬化促進剤および硬化遅延剤の種類や散布量などに応じて決まる。種類や散布量の組み合わせについては、予め実験などにより、図5に示すようなコンクリートの温度と傾きAとの関係、図6に示すような硬化促進剤および硬化遅延剤の散布による傾きAの調節量との関係などのデータベースを構築しておき、必要に応じて適宜選択可能にしておく。
このステップS5の処理後、ステップS2に進める。ただし、所定の時期的要件が満たされることが確実視される場合には処理を終了してもよい。ステップS2に進める場合には、予め把握してある硬化促進剤および硬化遅延剤の散布による傾きAの調節量との関係などを用いて、散布後の傾きAを求める。その後、ステップS2において、この傾きAを用いて貫入抵抗値と経過時間の関係を算出し、この関係を用いて、導電率低下時刻に経過時間を加算することで、各時刻および時間を予測し、所定の時期的条件を満たすまでステップS2~S5を繰り返してもよい。
このように、本実施の形態1によれば、コンクリートの注水時刻と導電率低下時刻から、導電率低下時刻を測定した時点においてコンクリートの押え作業開始時刻、押え作業終了時刻および押え作業可能時間を予測し、その時刻および時間に問題がある場合は、硬化促進剤や硬化遅延剤をコンクリート表面に散布することで、押え作業に無理のないようにコンクリートの硬化時間を制御することができる。これにより、施工環境を改善することができ、安定した品質のコンクリートスラブを施工することが可能となる。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2を説明する。本実施の形態2は、施工時間帯の「予想気温」と「注水時刻」を基にして、予めコンクリートの押え作業開始時刻、終了時刻および作業可能時間を予測し、その時刻および時間に無理がある場合は、コンクリートの硬化時間を制御する場合である。
本実施の形態2の予測原理(特許文献3を参照)を以下に概略的に説明する。
図5に示すように、コンクリートの温度Tは、傾きAと相関が高いことがわかる。したがって、施工時間帯(例えば施工当日)の予想気温が得られれば、コンクリートの温度と大きく異ならないことを前提として、この図から傾きAを求めることができる。
一方、コンクリートに導電率計の電極を設置し、導電率を測定すると、導電率は徐々に上昇していくが、ある時刻から低下を開始する。この導電率低下時刻は、コンクリート中のセメントの反応に関係しており、0.1(N/mm)の貫入抵抗値が発現する時刻と一致することがわかっている。
他方、コンクリートの注水時刻から導電率低下時刻までの時間tは、傾きAと相関が高いことがわかっている。すなわち、傾きAがわかれば、注水時刻から導電率低下時刻までの時間tが求められる。そこで、図5のような関係を用いて、施工時間帯の予想気温から傾きAを求め、求めた傾きAに対応する「注水時刻から導電率低下時刻までの時間t」を、予め把握された「傾きAと注水時刻から導電率低下時刻までの時間tの関係」から求める。そして、注水時刻を所定の時刻に設定し、この注水時刻に対応する導電率低下時刻を「注水時刻から導電率低下時刻までの時間t」から求める。注水時刻は、注水前であれば注水予定時刻を、注水後であればコンクリートの製品情報に付属の注水時刻を用いることができる。
予想気温から求めた傾きAを図1の近似式に代入して、貫入抵抗値と経過時間の関係を求める。ただし、上述したように、導電率低下時刻は、導電率低下時刻は傾きAと注水時刻とから求められる。この導電率低下時刻は、貫入抵抗値0.1(N/mm)となる時刻と一致するため、この時刻を原点(0分)として貫入抵抗値と経過時間の関係を求める。この関係を用いて、貫入抵抗値が0.5(N/mm)に達する経過時間、始発時間の貫入抵抗値3.4(N/mm)に達する経過時間、終結時間の貫入抵抗値28.0(N/mm)に達する経過時間をそれぞれ求める。求めた経過時間を導電率低下時刻に加算することで各貫入抵抗値における時刻を算出する。なお、これらの時刻は、予想気温と注水時刻を設定した時点(例えば施工日よりも前の時点)で求められるため、作業を開始するまでには十分な時間がある。これにより、上述した作業時刻および時間を施工前に予測することが可能となる。
本実施の形態2では、この予測原理を用いて各時刻と時間を予測し、予測された各時刻と時間が押え作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合に、コンクリートの硬化時間を制御する。この具体的手順は、上記の実施の形態1(図7を参照)とほぼ同様であるが、詳述すると以下のとおりである。
まず、施工時間帯の予想気温を天気予報などにより取得するとともに、注水時刻を設定する。次に、予想気温と注水時刻から、上記の各時刻と時間を予測する(予測ステップ)。より具体的には、図5のような関係を用いて予想気温から傾きAを求める。続いて、「傾きAと注水時刻から導電率低下時刻までの時間tの関係」を用いて傾きAと注水時刻から、導電率低下時刻を求める。傾きAを用いて貫入抵抗値と経過時間の関係を算出し、この関係を用いて、導電率低下時刻に経過時間を加算することで、各貫入抵抗値における時刻を算出する。これにより、上記の各時刻と時間を施工前に予測することができる。
この予測方法によれば、予想気温と注水時刻によって、コンクリートスラブの押えタイミングを施工前に容易に予測することができる。これにより、施工に適切な作業者や施工機械の数、配置を計画することが可能となり、さらに、施工準備および施工管理に活かすことが可能となる。このため、安定した品質のコンクリートスラブを施工することができる。
次に、予測した各時刻や時間に問題があるか否かを判定する(判定ステップ)。この判定は、予測した各時刻や時間が、予め設定した所定の時期的条件を満たすか否かを判定することによって行う。この判定の結果、所定の時期的条件を満たす場合は処理を終了し、満たさない場合は調整ステップに進める。判定に用いる時期的条件の閾値や、調整ステップの処理内容については、上記の実施の形態1の場合と同様である。
なお、上記の判定項目は、予想気温と注水時刻の両方を設定した時点の直後から判定可能である。このため、例えば施工日前に予想気温と注水時刻の両方を設定した場合には、施工日前に時期的条件を満たすか否かを判定することができる。判定の結果、時期的条件を満たさないことが予想される場合には、打設前のコンクリートに予め硬化促進剤または硬化遅延剤を添加しておくことで、打設後のコンクリートの硬化速度を調整してもよい。また、このようにする代わりに、打設後のコンクリート表面に硬化促進剤または硬化遅延剤を散布して硬化速度を調整してもよい。
このように、本実施の形態2によれば、コンクリートの注水時刻と予想気温から、注水時刻と予想気温を設定した時点においてコンクリートの押え作業開始時刻、押え作業終了時刻および押え作業可能時間を予測し、その時刻および時間に問題がある場合は、硬化促進剤や硬化遅延剤を施工前のコンクリートに予め添加したり、施工中のコンクリート表面に散布することで、押え作業に無理のないようにコンクリートの硬化時間を制御することができる。これにより、施工環境を改善することができ、安定した品質のコンクリートスラブを施工することが可能となる。
[コンクリートの硬化時間の制御装置]
次に、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御装置の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係るコンクリートの硬化時間の制御装置は、上述したコンクリートの硬化時間の制御方法を装置として具現化したものであり、予測手段と、判定手段と、調整手段とを備える。ここでは、上記の実施の形態1のコンクリートの硬化時間の制御方法を具現化したものを例にとり説明する。
予測手段は、上記の予測ステップに対応するものであり、例えば入力部、出力部、演算部、表示部とにより構成することができる。この予測手段は、例えばCPUを有するコンピュータ、メモリ、ディスプレイ等のハードウェア、これらハードウェア上で稼働するコンピュータプログラム等のソフトウェアにより構成することができる。この予測手段の表示部は、例えば図2のような入出力画面で構成可能である。この画面には、入力部(INPUT)と、出力部(OUTPUT)が配置される。
入力部(INPUT)は、フレッシュコンクリート作製時のセメントと水を混ぜる「注水時刻」を入力するための欄と、コンクリートの導電率が低下する「導電率低下時刻」を入力するための欄からなる。各欄に対する入力値は、演算部の演算処理に使用される。
出力部(OUTPUT)は、中間出力項目である「(注水-低下)時間」(注水時刻から導電率低下時刻までの時間)と「傾きA」を出力するための欄と、最終出力項目である「人が乗れる時刻」、「押え作業開始時刻」、「押え作業終了時刻」、「作業開始までの時間」、「押え作業可能時間」を出力するための欄からなる。各欄には、演算部の演算処理によって算出された算出値が出力される。
入力部の「注水時刻」と「導電率低下時刻」の2つの項目を入力すると、演算部の演算処理により、注水時刻から導電率低下時刻までの時間が算出されるとともに、傾きAが算出される。そして、これらの算出値から「人が乗れる時刻」、「押え作業開始時刻」、「押え作業終了時刻」、「作業開始までの時間」、「押え作業可能時間」が算出される。これらの算出値は出力部の各欄に瞬時に出力表示される。したがって、この予測装置の利用者は、この入出力画面を通じて、上記の作業時刻および時間を容易に把握することができる。なお、図の例では、注水時刻に9:00、導電率低下時刻に12:00を入力した場合の出力結果を示している。
判定手段は、上記の判定ステップに対応するものであり、例えばCPUを有するコンピュータ、メモリ等のハードウェア、これらハードウェア上で稼働するコンピュータプログラム等のソフトウェアにより構成することができる。この判定手段は、例えばメモリ等に格納された時期的条件の閾値等に基づいて、所定の時期的条件を満たすか否かを判定する。
調整手段は、上記の調整ステップに対応するものであり、例えば硬化促進剤や硬化遅延剤を散布するための散布装置などにより構成することができる。この調整手段は、所定の時期的条件を満たさない場合に、例えば散布装置などでコンクリート表面に硬化促進剤や硬化遅延剤を散布する。
本実施の形態によれば、各時刻および時間を予測し、その時刻および時間に問題がある場合は、硬化促進剤や硬化遅延剤を施工中のコンクリート表面に散布することで、押え作業に無理のないようにコンクリートの硬化時間を制御することができる。これにより、施工環境を改善することができ、安定した品質のコンクリートスラブを施工することが可能となる。
[コンクリートの施工方法]
次に、本発明に係るコンクリートの施工方法の実施の形態について、上記の実施の形態1を用いてコンクリートスラブを施工する場合を例にとり説明する。
まず、フレッシュコンクリートを型枠上に打設してコンクリートスラブを施工する。この施工中に、上述したコンクリートの硬化時間の制御方法の予測ステップによって導電率低下時刻を測定し、「人が乗れる時刻」、「押え作業開始時刻」、「押え作業終了時刻」、「作業開始までの時間」、「押え作業可能時間」を予測する。次に、判定ステップを用いて、予測した各時刻と時間が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する。この結果、所定の時期的条件を満たさない場合は、調整ステップの処理を進める。すなわち、硬化促進剤や硬化遅延剤を施工中のコンクリート表面に散布して、コンクリートの硬化速度を調整する。その後、硬化促進剤や硬化遅延剤の種類や散布量に応じて傾きAを更新し、予測ステップにより再度、各時刻と時間を予測する。そして、判定ステップで所定の時期的条件を満たすと判定された場合、その際の各時刻と時間に基づいてコンクリート表面に対する押え作業を実施する。
より具体的には、「人が乗れる時刻」になったら、作業者が硬化中のコンクリートスラブ上に乗り、ブリーディング水や端部の処理などの作業を行う。この作業は、「作業開始までの時間」内に終えるように計画的に実施する。その後、「押え作業開始時刻」になったら、手押しトロウェルや鏝などで表面を繰返し押えていく。この作業は「押え作業可能時間」内に終えるように計画的に実施し、「押え作業終了時刻」で作業を終了する。
このように、本実施の形態によれば、予測した各時刻や時間が所定の時期的条件を満たさない場合に、押え作業を適切に行えるように各時刻や時間を調節することができる。これにより、安定した品質のコンクリートスラブを施工することが可能になる。
以上説明したように、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御方法によれば、施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する方法であって、フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、または、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測ステップと、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整ステップとを備えるので、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合に、コンクリートの硬化速度を調整することで、均し作業を適切に行えるように均し作業可能時期を調節することができる。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御方法によれば、予測ステップは、施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求めるステップと、求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなるので、コンクリートの注水時刻と導電率低下時刻から、導電率低下時刻の時点において均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができる。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御方法によれば、予測ステップは、施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定するステップと、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなるので、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻から、施工前に均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができる。
また、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御装置によれば、施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する装置であって、フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、または、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測手段と、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定手段と、所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整手段とを備えるので、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合に、コンクリートの硬化速度を調整することで、均し作業を適切に行えるように均し作業可能時期を調節することができる。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御装置によれば、予測手段は、施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求める手段と、求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなるので、コンクリートの注水時刻と導電率低下時刻から、導電率低下時刻の時点において均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができる。
また、本発明に係る他のコンクリートの硬化時間の制御装置によれば、予測手段は、施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定する手段と、求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなるので、施工時間帯に予想される予想気温と注水時刻から、施工前に均し作業可能時期を予測して、その結果、所定の時期的条件を満たさない場合に、硬化促進剤または硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して硬化速度を調整することで、均し作業可能時期を調節することができる。
また、本発明に係るコンクリートの施工方法によれば、上述したコンクリートの硬化時間の制御方法を用いてコンクリートを施工する方法であって、予測した均し作業可能時期に基づいて硬化速度を調整した後でコンクリートの表面に対する均し作業を実施するステップとを備えるので、予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たさない場合に、均し作業を適切に行えるように均し作業可能時期を調節することができる。これにより、安定した品質のコンクリートを施工することが可能になる。
以上のように、本発明に係るコンクリートの硬化時間の制御方法、制御装置およびコンクリートの施工方法は、コンクリートスラブの施工に有用であり、特に、予測した均し作業可能時期が、均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合に、均し作業可能時期を調節するのに適している。

Claims (7)

  1. 施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する方法であって、
    フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測ステップと、
    予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
    所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整ステップとを備えることを特徴とするコンクリートの硬化時間の制御方法。
  2. 予測ステップは、
    施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求めるステップと、
    求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求めるステップと、
    求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、
    推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの硬化時間の制御方法。
  3. 予測ステップは、
    施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求めるステップと、
    求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定するステップと、
    求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定するステップと、
    推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測するステップとからなることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの硬化時間の制御方法。
  4. 施工中のコンクリートの表面に対する均し作業を実施する前に、均し作業を行うのに好適な均し作業可能時期を予測して、予測した均し作業可能時期が均し作業を適切に行うための所定の時期的条件を満たさない場合にコンクリートの硬化時間を制御する装置であって、
    フレッシュコンクリートを作製するためにセメントと水を混ぜる際の注水時刻と、施工中のコンクリートの導電率を測定して得られる導電率低下時刻に基づいて、コンクリートの均し作業可能時期を予測する予測手段と、
    予測した均し作業可能時期が所定の時期的条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
    所定の時期的条件を満たさないと判定した場合に、コンクリートの硬化を促進するための硬化促進剤、または、コンクリートの硬化を遅延するための硬化遅延剤を施工中または施工前のコンクリートに添加して、コンクリートの硬化速度を調整する調整手段とを備えることを特徴とするコンクリートの硬化時間の制御装置。
  5. 予測手段は、
    施工中のコンクリートの導電率を測定し、導電率低下時刻を求める手段と、
    求めた導電率低下時刻を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報の関係に当てはめることで、求めた導電率低下時刻に対応する傾き情報を求める手段と、
    求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、
    推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、求めた導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなることを特徴とする請求項4に記載のコンクリートの硬化時間の制御装置。
  6. 予測手段は、
    施工時間帯の気温とコンクリートの温度が相関関係にあるとみなして、施工時間帯に予想される予想気温を、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、コンクリートの温度の関係に当てはめることで、予想気温に対応する傾き情報を求める手段と、
    求めた傾き情報を、予め把握された注水時刻からコンクリートの導電率低下時刻までの時間と、傾き情報の関係に当てはめることで、求めた傾き情報に対応する導電率低下時刻を推定する手段と、
    求めた傾き情報に対応する貫入抵抗値と経過時間の関係を推定する手段と、
    推定した貫入抵抗値と経過時間の関係と、推定した導電率低下時刻から、コンクリートの均し作業可能時期を予測する手段とからなることを特徴とする請求項4に記載のコンクリートの硬化時間の制御装置。
  7. 請求項1~3のいずれか一つに記載のコンクリートの硬化時間の制御方法を用いてコンクリートを施工する方法であって、
    予測した均し作業可能時期に基づいて硬化速度を調整した後でコンクリートの表面に対する均し作業を実施するステップとを備えることを特徴とするコンクリートの施工方法。
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