JP7042290B2 - 組合せオイルリング - Google Patents
組合せオイルリング Download PDFInfo
- Publication number
- JP7042290B2 JP7042290B2 JP2020006067A JP2020006067A JP7042290B2 JP 7042290 B2 JP7042290 B2 JP 7042290B2 JP 2020006067 A JP2020006067 A JP 2020006067A JP 2020006067 A JP2020006067 A JP 2020006067A JP 7042290 B2 JP7042290 B2 JP 7042290B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- side rail
- groove
- upper side
- spacer expander
- oil ring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
前記スペーサエキスパンダは、前記上部サイドレールと対向する上面側に、前記スペーサエキスパンダの径方向内側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記上部サイドレールを径方向外側に付勢する上耳部と、前記スペーサエキスパンダの径方向外側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記上部サイドレールを支持する上支持部と、前記上耳部と前記上部サイドレールとの接触部と前記上支持部と前記上部サイドレールとの接触部との間で形成され、前記スペーサエキスパンダの周方向に延在するスペーサエキスパンダ上側溝とを備え、
さらに、前記下部サイドレールと対向する下面側に、前記スペーサエキスパンダの径方向内側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記下部サイドレールを径方向外側に付勢する下耳部と、前記スペーサエキスパンダの径方向外側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記下部サイドレールを支持する下支持部と、前記下耳部と前記下部サイドレールとの接触部と前記下支持部と前記下部サイドレールとの接触部との間で形成され、前記スペーサエキスパンダの周方向に延在するスペーサエキスパンダ下側溝とを備え、
前記上部サイドレールの下面には、前記スペーサエキスパンダ上側溝と対向するように前記上部サイドレールの周方向に延在する上部サイドレール下側溝が設けられることを特徴とする。
ので、ピストンの動きに起因する段差の根部の亀裂を防ぐことができる。
(図1における下方向)を「下側」と定義する。
以下、図面を参照しながら、実体形態1に係る組合せオイルリングについて説明する。図1に示すように、組合せオイルリング100は、ピストンに形成されたオイルリング溝Gに装着され、ピストンの軸方向における燃焼室側である上側に配置される上部サイドレール10と、上部サイドレール10と独立して下側に配置される下部サイドレール30と、これらサイドレールの間に配置されるスペーサエキスパンダ20と、からなる。
3及び図4に示すように、横軸はエンジンが停止してからの経過時間(h)であり、縦軸は残留オイル面積率(%)である。図3では、0.0[h]~2.0[h]における残留オイル面積率が示されており、図4では、0.00[h]~0.20[h]における残留オイル面積率が示されている。ここで、残留オイル面積率とは、残留オイル面積が全面積に占める割合である。図5は、残留オイル面積率を説明するための図であって、図5(A)は組合せオイルリングがピストンに装着された状態の周方向に直交する断面図であり、図5(B)は図5(A)のB-B方向から観察した図である。残留オイル面積率は、具体的には、残留オイル面積OSがシリンダ内壁面C1からオイルリング溝Gの溝底G1までの全面積WSに占める割合である。従って、残留オイル面積率をDとすると、以下のように表すことができる。
図3及び図4に示す「○」は、従来仕様の組合せオイルリングのオイル排出効果を示す。従来仕様の組合せオイルリングとは、上部サイドレール及び下部サイドレールには、両方とも溝が設けられていない仕様である。また、「△」は上部サイドレールに深さdが0.03mmである上部サイドレール下側溝が設けられ、且つ下部サイドレールに溝が設けられていない仕様の組合せオイルリングのオイル排出効果を示す。また、「□」は上部サイドレールに深さdが0.06mmである上部サイドレール下側溝が設けられ、且つ下部サイドレールに溝が設けられていない仕様の組合せオイルリングのオイル排出効果を示す。また、「◇」は上部サイドレールに深さdが0.15mmである上部サイドレール下側溝が設けられて、下部サイドレールに溝が設けられていない仕様の組合せオイルリングのオイル排出効果を示す。
ールとスペーサエキスパンダとの固着を抑制する観点から好ましい。但し、上部サイドレール下側溝の深さdを必要以上に深くすると、上部サイドレール10の一部が薄くなってしまい、使用中、上部サイドレール10に亀裂が生じる虞がある。そのような状況を考えると、上部サイドレール下側溝の深さdは、0.05mm以上0.2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.15mm以下であることがより好ましい。但し、上部サイドレール下側溝の深さdは、これに限定されない。
次に、従来仕様との対比で、実施形態に係る組合せオイルリング100による作用及び効果について説明する。従来仕様と比べると、本実施形態の組合せオイルリング100は、その上部サイドレール10の形状を工夫することによって、上部サイドレール10とスペーサエキスパンダ20との間の隙間を大きくすることで、エンジンが停止した後、上部サイドレール10とスペーサエキスパンダ20との間のオイルを十分かつ速やかに排出させ、固着を防止できる。
実施例1-1に係る組合せオイルリング100は、上部サイドレール下面12に上部サイドレール下側溝12Aを設ける。上部サイドレール上面11、下部サイドレール上面31及び下部サイドレール下面32は平坦面である。即ち、下部サイドレール30の構成は従来の通りである。
図6に示すように、比較例1-1に係る組合せオイルリング200は、上部サイドレール上面211及び上部サイドレール下面212、下部サイドレール上面231及び下部サイドレール下面232は平坦面である。即ち、上部サイドレール210と下部サイドレール230との構成は従来の通りである。それ以外は、スペーサエキスパンダ220も実施例1-1と同様にして作製された。
図7に示すように、比較例1-2に係る組合せオイルリング300は、下部サイドレール上面331に実施例1-1の上部サイドレール下側溝12Aと同じような下部サイドレール上側溝331Aを設ける。下部サイドレール下面332、上部サイドレール上面311及び上部サイドレール下面312は平坦面である。即ち、上部サイドレール310の構成は従来の通りである。それ以外は、スペーサエキスパンダ320も実施例1-1のスペーサエキスパンダ20と同様にして作製された。
以下、実施例1-1に係る組合せオイルリング100(以下、「実施例1-1」とも称する)と、比較例1-1に係る組合せオイルリング200(以下、「比較例1-1」とも称する)及び比較例1-2に係る組合せオイルリング300(以下、「比較例1-2」とも称する)とのオイル排出率について、比較検討する。
る残留オイル面積率が示されている。図8及び図9に示すように、横軸は経過時間(h)であり、縦軸は残留オイル面積率(%)である。「○」は比較例1-1に係る組合せオイルリング200のオイル排出率を示す。「□」は実施例1-1に係る組合せオイルリング100のオイル排出率を示す。「*」は比較例1-2に係る組合せオイルリング300の
オイル排出率を示す。
図10は変形例1-1に係る組合せオイルリング400がピストンに装着された状態の周方向に直交する断面図である。図10に示すように、変形例1-1に係る組合せオイルリング400は、上部サイドレール下面412に上部サイドレール下側溝412Aを設け、更に、上部サイドレール上面411に上部サイドレール下側溝412Aと同様の断面形状を有する上部サイドレール上側溝411Aを設ける点で、実施例1-1に係る組合せオイルリング100と相違する。それ以外は、スペーサエキスパンダ420は実施例1-1のスペーサエキスパンダ20と同様にして作製された。
ねじれることを避けられるため、上部サイドレール410とシリンダ内壁面C1との密封性が高められる。しかしながら、上部サイドレール410における上部サイドレール上側溝411Aの形状は、これに限定されない。上部サイドレール410のバランスを考慮して、上部サイドレール上側溝411Aの形状を適宜調整すればよい。
図11~12は、本発明に係る組合せオイルリングの実施形態2を示す。以下、この実施形態2に係る組合せオイルリング500について説明する。図中、図1~図2と同符号は、同一のものを示す。
図11は本発明の別の実施形態に係る組合せオイルリング500の周方向に直交する断面図である。図12はスペーサエキスパンダ520の一部分を示す斜視図である。図11に示すように、実施形態2に係る組合せオイルリング500は、上部サイドレール下面12に上部サイドレール下側溝12Aを設け、当該上部サイドレール下側溝12Aは上部サイドレール10の周方向に沿って伸び、下部サイドレール上面31は平坦面である点で実施形態1における上部サイドレール10及び下部サイドレール30と同じである。
この実施形態2に係る組合せオイルリング500は、以上の構成からなることで、前記実施形態1に係る組合せオイルリング100により、上部サイドレール10及び下部サイドレール30とスペーサエキスパンダ520との間のオイルを更に速やかに排出できる。
イドレールとスペーサエキスパンダとの固着を抑制できる。
図11及び図12に示すように、スペーサエキスパンダ520におけるスペーサエキスパンダ上側溝522に設ける凹溝522A及びスペーサエキスパンダ520におけるスペーサエキスパンダ下側溝525に設ける凹溝525Aは、径方向に曲率を有している。より具体的には、凹溝525Aは、径方向外側の周縁と径方向内側の周縁とが、曲率を有するR部分(曲面部R1)によって形成されている。但し、凹溝525Aは、径方向外側と径方向内側とのうちの何れか一方のみにR部分(曲面部R1)を有する形状であってもよい。
10,210,310,410…上部サイドレール
30,230,330,430…下部サイドレール
20,220,320,420,520…スペーサエキスパンダ
11,211,311,411…上部サイドレール上面
12,212,312,412…上部サイドレール下面
31,231,331,431…下部サイドレール上面
32,232,332,432…下部サイドレール下面
21,521…上耳部
22,522…スペーサエキスパンダ上側溝
23,523…上支持部
24,524…下耳部
25,525…スペーサエキスパンダ下側溝
26,526…下支持部
12A,412A…上部サイドレール下側溝
411A…上部サイドレール上側溝
G…オイルリング溝
331A…下部サイドレール上側溝
522A,525A…凹溝
d…上部サイドレール溝の深さ
D…残留オイル面積率
OS…残留オイル面積
WS…全面積
Claims (7)
- ピストンに形成されたオイルリング溝に装着され、前記ピストンの軸方向における燃焼室側である上側に配置される上部サイドレールと、前記上部サイドレールと独立して下側に配置される下部サイドレールと、これらサイドレールの間に配置されるスペーサエキスパンダとからなる組合せオイルリングであって、
前記スペーサエキスパンダは、
前記上部サイドレールと対向する上面側に、前記スペーサエキスパンダの径方向内側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記上部サイドレールを径方向外側に付勢する上耳部と、前記スペーサエキスパンダの径方向外側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記上部サイドレールを支持する上支持部と、前記上耳部と前記上部サイドレールとの接触部と前記上支持部と前記上部サイドレールとの接触部との間で形成され、前記スペーサエキスパンダの周方向に延在するスペーサエキスパンダ上側溝と、
を備え、
さらに、前記下部サイドレールと対向する下面側に、前記スペーサエキスパンダの径方向内側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記下部サイドレールを径方向外側に付勢する下耳部と、前記スペーサエキスパンダの径方向外側に前記組合せオイルリングの軸方向に突出して形成され、前記下部サイドレールを支持する下支持部と、前記下耳部と前記下部サイドレールとの接触部と前記下支持部と前記下部サイドレールとの接触部との間で形成され、前記スペーサエキスパンダの周方向に延在するスペーサエキスパンダ下側溝と、
を備え、
前記上部サイドレールの下面には、前記スペーサエキスパンダ上側溝と対向するように前記上部サイドレールの周方向に延在する上部サイドレール下側溝が設けられており、
前記下部サイドレールの上面は、溝が設けられていない平坦面であり、
前記上部サイドレールの上面には前記上部サイドレールの周方向に延在する上部サイドレール上側溝が設けられることを特徴とする、
組合せオイルリング。 - 前記上部サイドレール下側溝の周方向の長さが前記スペーサエキスパンダ上側溝の周方向の長さより長い、
請求項1に記載の組合せオイルリング。 - 前記上部サイドレール下側溝の深さが0.05mm以上0.2mm以下である、
請求項1又は2に記載の組合せオイルリング。 - 前記上部サイドレール下側溝の深さが0.1mm以上0.15mm以下である、
請求項3に記載の組合せオイルリング。 - 前記スペーサエキスパンダ上側溝の底面に開口し、前記スペーサエキスパンダの周方向に延在する凹溝が更に形成されている、
請求項1から4の何れか一項に記載の組合せオイルリング。 - 前記凹溝が前記スペーサエキスパンダ上側溝の径方向の中央部に位置する、
請求項5に記載の組合せオイルリング。 - 前記スペーサエキスパンダ上側溝における前記凹溝は、径方向に曲率を有する、
請求項5又は6に記載の組合せオイルリング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020006067A JP7042290B2 (ja) | 2020-01-17 | 2020-01-17 | 組合せオイルリング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020006067A JP7042290B2 (ja) | 2020-01-17 | 2020-01-17 | 組合せオイルリング |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021113576A JP2021113576A (ja) | 2021-08-05 |
JP7042290B2 true JP7042290B2 (ja) | 2022-03-25 |
Family
ID=77076790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020006067A Active JP7042290B2 (ja) | 2020-01-17 | 2020-01-17 | 組合せオイルリング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7042290B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016200191A (ja) | 2015-04-09 | 2016-12-01 | 株式会社リケン | 組合せオイルコントロールリング |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6114604Y2 (ja) * | 1978-01-18 | 1986-05-07 | ||
JPS59107952U (ja) * | 1983-01-13 | 1984-07-20 | トヨタ自動車株式会社 | ピストン用オイルリング装置 |
JPS6199654U (ja) * | 1984-12-07 | 1986-06-25 |
-
2020
- 2020-01-17 JP JP2020006067A patent/JP7042290B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016200191A (ja) | 2015-04-09 | 2016-12-01 | 株式会社リケン | 組合せオイルコントロールリング |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021113576A (ja) | 2021-08-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8371585B2 (en) | Oil wiper ring | |
US6523456B1 (en) | Sliding members and piston for internal combustion engine | |
CN107407412B (zh) | 侧轨 | |
JP6211332B2 (ja) | 組合せオイルリング | |
JP2009091927A (ja) | 往復動機関のピストンリング | |
BR112012012519A2 (pt) | pistão e anel de pistão raspador de óleo para motor de combustão interna | |
JP7042290B2 (ja) | 組合せオイルリング | |
FR2979135A1 (fr) | Joint a brosse comprenant une plaque d'appui pourvue d'une dent | |
JP6817374B2 (ja) | ピストンリング | |
JP6074578B2 (ja) | 車両用圧縮空気を発生する往復ピストン圧縮機用の往復ピストン | |
TWI238233B (en) | Combined oil control ring | |
JP2013528757A (ja) | 内燃機関用の鉄ボディのオイル制御リング | |
JP2004293684A (ja) | スラスト軸受 | |
JP2007504417A (ja) | 内燃機関のピストンのための油かきリング−リング溝−アッセンブリ | |
JP2009504960A (ja) | 内燃機関のための二部構造の油かきリング | |
JP5707496B2 (ja) | 内燃機関のクランクシャフトのクランクシャフトベアリング | |
RU2727816C2 (ru) | Двухкомпонентное маслосъемное кольцо с ребрами, оказывающими давление на масло | |
JP6820283B2 (ja) | ピストンリング | |
CN110925113A (zh) | 用于活塞杆的刮油环 | |
JP2003328852A (ja) | 内燃機関のピストンリング | |
JP2009228793A (ja) | 玉軸受用保持器およびその製造方法 | |
JP2006233823A (ja) | ピストン | |
JP2019515190A (ja) | 非対称の上部燃焼表面を有するピストンおよびその製造方法 | |
JP6702537B2 (ja) | コンプレッションリング及び内燃機関の組み立て方法 | |
JP6835785B2 (ja) | コンプレッションリング |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200819 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210907 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211101 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211221 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220314 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7042290 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |