JP2009504960A

JP2009504960A - 内燃機関のための二部構造の油かきリング

Info

Publication number: JP2009504960A
Application number: JP2008525378A
Authority: JP
Inventors: フンメルミヒャエル; ミゾグロウアレクサンドロス
Original assignee: Mahle International GmbH
Current assignee: Mahle International GmbH
Priority date: 2005-08-06
Filing date: 2006-07-18
Publication date: 2009-02-05
Also published as: CN101238313A; DE102005037205A1; BRPI0614384A2; US20080309022A1; EP1910717A1; WO2007016894A1

Abstract

本発明は、内燃機関のための二部構造の油かきリング（１０）であって、半径方向外側に向けられたばね弾性の脚部（３，４）の形成のために横断面Ｕ字形に形成されかつ軸線方向の切れ目（２）を備えた開拡ばねリング（１）及び、互いに平行な側面（７ａ，７ｂ）及び摺動面（９）を備えた環状体（７）を有している形式のものに関し、軸線方向の最小の構成高さ並びに油掻き取り作用の改善を達成するために、本発明に基づき、前記環状体の側面（７ａ，７ｂ）は、前記油かきリングの定格構成高さを前記環状体（７）の構成高さによってのみ規定するために、半径方向内側の領域に形成された切欠部（１１）を有しており、該切欠部は受容面（１２）でもって前記開拡ばねリングのばね弾性の脚部（３，４）を受容している。

Description

本発明は、内燃機関のための二部構造の油かきリングであって、半径方向外側に向けられたばね弾性の脚部の形成のために横断面Ｕ字形に形成されかつ軸線方向の切れ目を備えた開拡ばねリング及び、互いに平行な側面及び摺動面を備えた環状体を有しており、該環状体は、前記開拡ばねリングのばね弾性の脚部間に配置されており、組み込まれた状態では環状体のみがシリンダー壁に接触している形式のものに関する。

横断面Ｕ字形の拡開ばねリングを含む二部構造の油かきリングは、ドイツ連邦共和国特許出願公告第１９７０４７５４Ｃ１号明細書により公知である。拡開ばねリングの脚部間に配置された唯一の薄片は、油かきリングの約１．５ｍｍの構成高さ（厚さ）を有している。別の公知の例えばドイツ連邦共和国特許出願公告第２７１１０１８Ｃ２号明細書に記載の二部構造の油かきリングの構成においては利点として、十分な接線方向力を拡開ばねによって薄片に生ぜしめるようになっており、これによって油かき作用を十分なものにしようとしている。構成高さを１．５ｍｍ以下に減少させると、掻き取り作用が低下することは、ドイツ連邦共和国特許出願公告第１９７９４７５４Ｃ２号明細書に記載されており、従ってこのような構成高さは三部構造のリング（３つの構成部分から成るリング）にとって実施され得ないものであると認識されている。

本発明の課題は、冒頭に述べた形式の二部構造の油かきリングを改善して、従来の油かきリングに比べて著しく改善された油掻き取り作用並びに構成高さのさらなる減少を達成することである。

前記課題を解決するために本発明に基づき請求項１に記載の構成では、環状体の側面は、油かきリングの定格構成高さを前記環状体の構成高さによってのみ規定するために、半径方向内側の領域に形成された切欠部を有しており、該切欠部は受容面でもって前記開拡ばねリングのばね弾性の脚部を受容している。

横断面Ｕ字形の開拡ばねリング及び、該拡開ばねリングの脚部間に配置された環状体から成る油かきリングの前述の構成により、利点として一面において、例えばドイツ連邦共和国特許出願公告第１９７０４７５４Ｃ１号明細書により公知の二部構造の油かきリングの構成高さを下回る構成高さを達成している。他面において、使用している拡開ばねリングによって環状体に接線方向力を生ぜしめるようになっており、該接線方向力は、拡開ばねリング脚部に対する支持面の所定の形状によって増大させられるものであり、その結果環状体に生ぜしめられる接線方向の付加的な力成分は油掻き取り作用の改善につながっている。さらに支持面の前記所定の形状は薄片の極めて簡単な組立を可能にしている。

本発明の有利な実施態様を従属請求項に記載してある。

次に本発明を図示の実施例に基づき詳細に説明する。図面において、
図１は、本発明に基づく油かきリングの斜視図であり、
図２は、第１の実施例の油かきリングの断面図であり、
図３は、第２の実施例の油かきリングの断面図であり、
図４は、第３の実施例の油かきリングの断面図である。

図１に斜視図で示してある本発明に基づく油かきリング１０は、横断面Ｕ字形の開拡ばねリング１、及び該開拡ばねリングの半径方向外側へ向けられたばね弾性の脚部３，４間に配置された環状体７によって形成されており、前記環状体（リング本体）は摺動面９を備えている。開拡ばねリング１は、半径方向内側にスリット２を有しており、脚部３と４とは、ばねリング背部を成すウエブ５によって互いに結合されている。開拡ばねリング１は、半径方向内側のスリット２によって周方向でばね弾性的に形成されている。

鋼若しくは鋳鉄から成る環状体７は、溝付きオイルリングとも称され、互いに平行に向けられた側面７ａ，７ｂを有している。前記側面は、鋼環状体にとって表面あらさＲｚ＜２μｍを有し、かつ鋳鉄環状体にとって表面あらさＲｚ＜４μｍを有している。図２及び図３に示してあるように、環状体７は半径方向内側の端部に、つまり開拡ばねリング１の背部に向かう側に軸線方向上側の切欠部１１及び軸線方向下側の切欠部１１を備えており、該切欠部はそれぞれ支持面１２を有しており、該支持面に脚部３，４をばね弾性的に支持してある。第１の実施例では支持面１２は、側面７ａ，７ｂに対して平行に向けられており、図３に示す第２の実施例では、支持面１２は積層面に対して２°乃至２０°の負の角度αを成して延びている。これによって一面において環状体の容易な組立を可能にし、かつ他面において半径方向で環状体に作用して油かきの改善に寄与する付加的な力成分を生ぜしめるようになっている。

環状体７に設けられた切欠部は、対称面としての半径方向の仮想の中心軸線を基準として互いに鏡面対称的に形成されていて、かつ開拡ばねリング１の脚部の厚さＤ_iよりも大きな深さ（構成高さ）ｈ_aを有している。つまり、油かきリング１０の構成高さ（定格高さ寸法）は、前記公知技術と異なり、もっぱら環状体７の高さ（厚さ）ｈ_Lによって規定されている。開拡ばねリング１の脚部３，４の支持は、支持面１２の半径方向の幅Ｂにわたって行われており、前記幅は環状体の半径方向の全幅（寸法）の約三分の一に相当しており、十分な案内を保証している。環状体の下側の側面７ａに、半径方向へ延びるオイル溝６を２０°の角度間隔で、つまり全周に総数で１８個設けてあり、環状体７によってシリンダー壁から掻き落とすべき油は、前記オイル溝６を介して開拡ばねリングの半径方向内側に送られ、かつ切れ目２を通してクランク側のエンジン室内へ搬送されるようになっている。

本発明に基づく油かきリング１０の図４に示す第３の実施例では、環状体７の切欠部１１は、環状体７の摺動面９と逆の側の面１４が開拡ばねリング１の背部に接するように形成されており、これによって支持面１２の半径方向の幅Ｂは増大されている。この場合にシリンダー壁から掻き落とすべき油は、半径方向へ延びるオイル溝６から直接に切れ目２を介してクランク側のエンジン室内へ搬送されるようになっている。

環状体７は、窒化物層の形成のために一般的なガス・ニトロ化処理（ＧＮＳ）を施されていてよい。さらに摺動面９の耐摩耗被覆を、ＰＶＤ−処理、例えばＣｒＮ−被覆処理によって行うことも可能である。

油かきリング１０は、組み込まれた状態ではピストンのオイル溝内に十分な遊びでもって装着されており、組み込まれた状態では環状体のみがシリンダー壁に接触している。この場合に開拡ばねリング１は、周方向で圧縮されて直径を小さくされ、これによって応力に基づき生じる半径方向のばね力は、環状体７をシリンダー壁に向けて押圧しており、開拡ばねリング１の脚部３，４の受容のための切欠部１１の特殊な構造によって、二部構造の油かきリングの軸線方向の１．５ｍｍのよりも小さい構成高さを達成している。

本発明に基づく油かきリングの斜視図第１の実施例の油かきリングの断面図第２の実施例の油かきリングの断面図第３の実施例の油かきリングの断面図

符号の説明

１開拡ばねリング、２スリット、３，４脚部、５ウエブ、７環状体、１０油かきリング、１１切欠部、１２支持面、１４面

Claims

内燃機関のための二部構造の油かきリング（１０）であって、半径方向外側に向けられたばね弾性の脚部（３，４）の形成のために横断面Ｕ字形に形成されかつ軸線方向の切れ目（２）を備えた開拡ばねリング（１）及び、互いに平行な側面（７ａ，７ｂ）及び摺動面（９）を備えた環状体（７）を有しており、該環状体は、前記開拡ばねリングのばね弾性の脚部間に配置されている形式のものにおいて、
前記環状体の側面（７ａ，７ｂ）は、前記油かきリングの定格構成高さを前記環状体（７）の構成高さ（ｈ_L）によってのみ規定するために、半径方向内側の領域に形成された切欠部（１１）を有しており、該切欠部は受容面（１２）でもって前記開拡ばねリングのばね弾性の脚部（３，４）を受容していることを特徴とする、内燃機関のための二部構造の油かきリング。
切欠部（１１）は、ばね弾性の脚部（３，４）の支持のために環状体（７）の軸線方向で外側の側面（７ａ，７ｂ）内に形成されている請求項１に記載の油かきリング。
切欠部（１１）の支持面（１２）は環状体（７）の側面（７ａ，７ｂ）に対して平行に配置されており、前記支持面の半径方向の幅（Ｂ）は、油かきリングの半径方向の幅若しくは寸法の最大で三分の一であり、前記切欠部の軸線方向の深さ（ｈ_a）は、最大で各脚部（３，４）の厚さ（Ｄ_i）に相当している請求項１に記載の油かきリング。
軸線方向の深さ（ｈ_a）の切欠部（１１）の支持面（１２）は、半径方向内側で環状体の半径方向の中心軸線に向かって傾斜している請求項３に記載の油かきリング。
切欠部の支持面の傾斜角（α）は２°乃至２０°である請求項４に記載の油かきリング。
環状体（７）は、全周に分配されていてかつ半径方向の全幅にわたって油流出部まで延びる溝（６）を有している請求項１から５のいずれか１項に記載の油かきリング。
溝（６）は、環状体の軸線方向下側の側面（７ｂ）に形成されている請求項６に記載の油かきリング。
環状体（７）は鋼若しくは鋳鉄から成っている請求項１に記載の油かきリング。