JP7042151B2 - 停止制御方法および制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、有害性を有する燃料ガスを燃料ガスに用いるガスタービンの停止作業に掛かる時間を低減する停止制御方法および制御装置を提供することにある。
図1は、第1の実施形態に係るガスタービンプラントの構成を示す概略図である。
第1の実施形態に係るガスタービンプラント1は、製鉄所の高炉Bおよびコークス炉Cから供給される燃料ガスによって稼働する。
ガスタービンプラント1は、BFGライン101、COGライン102、パージガスタンク103、第1パージガスライン104、第2パージガスライン105、混合器106、低圧燃料ガスライン107、空気ライン108、ガス圧縮機109、バイパスライン110、高圧燃料ガスライン111、増速歯車112、ガスタービン113、発電機114、熱量調整装置200、停止制御装置300を備える。
COGライン102は、燃料ガスであるCOG(Coke Oven Gas)を発生するコークス炉Cと混合器106とを接続する。COGライン102には、COGの流量を調節するCOG流量調節弁1021が設けられている。
第2パージガスライン105は、パージガスタンク103とCOGライン102とを接続する。第2パージガスライン105には、不活性ガスの流量を調節する第2パージガス流量調節弁1051が設けられる。
低圧燃料ガスライン107は、混合器106とガス圧縮機109の吸込口とを接続する。低圧燃料ガスライン107には、電気集塵器1071および熱量計1072が設けられる。電気集塵器1071は、混合器106によって混合された燃料ガスから煤塵を除去する。熱量計1072は、低圧燃料ガスライン107を通る燃料ガスの単位量当たりの発熱量(完全燃焼時に発生する熱量)である単位発熱量を計測する。
空気ライン108は、低圧燃料ガスライン107のうち、混合器106の後段かつ電気集塵器1071の前段の箇所に接続され、大気を低圧燃料ガスライン107に供給する。空気ライン108には、低圧燃料ガスライン107に流入する空気の流量を調節する空気流量調節弁1081が設けられる。
発電機114は、ガスタービン113の駆動で発電する。
図2は、第1の実施形態に係る停止制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
停止制御装置300は、増加制御部301、タイマ部302、停止制御部303、濃度取得部304、ガスパージ制御部305、空気パージ制御部306、を備える。
停止制御部303は、タイマ部302が計測する経過時間が所定の時間閾値に達した場合に、ガスタービン113を停止させる停止制御を行う。例えば、停止制御部303は、COG流量調節弁1021を徐々に閉じることで、燃焼器1132への燃料の供給を遮断し、タービン1133の回転を停止させる。なお、時間閾値は、ガスタービンプラント1の配管(特にバイパスライン110)におけるBFG濃度が十分に低下するまでに要する時間に基づいて決定される。
ガスパージ制御部305は、第2パージガス流量調節弁1051を開き、COGライン102内の燃料ガスを不活性ガスに置換する。また、ガスパージ制御部305は、濃度取得部304が取得する各排出管1001の一酸化炭素濃度の値が所定の許容濃度未満となる開度で、排出量調節弁1002を開く。
停止制御装置300が作業者からガスタービンプラント1の停止指示を受け付けると、停止制御装置300の増加制御部301は、BFG流量調節弁1011を閉じ、第1パージガス流量調節弁1041を開くことで、不活性ガスをBFGライン101に供給する(ステップS1)。これにより、BFGライン101および低圧燃料ガスライン107を通る燃料ガスにおいて、BFGの濃度が低下して不活性ガスの濃度が増加する。タイマ部302は、停止指示を受け付けた時刻からの経過時間の計測を開始する(ステップS2)。
第2の実施形態に係る停止制御装置300について説明する。第2の実施形態に係る停止制御装置300は、第1の実施形態と同様の構成を有する。第2の実施形態に係る停止制御装置300は、各処理部の処理が第1の実施形態と異なる。なお、第2の実施形態に係る停止制御装置300は、タイマ部302を備えなくてもよい。
停止制御装置300が作業者からガスタービンプラント1の停止指示を受け付けると、停止制御装置300の増加制御部301は、熱量調整装置200によるCOGの供給に係る単位発熱量目標値を、通常の単位発熱量目標値である第1単位発熱量目標値(例えば、4000kJ/m3N)より大きい第2単位発熱量目標値(例えば、4500kJ/m3N)に書き換える(ステップS51)。熱量調整装置200は、書き換えられた単位発熱量目標値(すなわち第2単位発熱量目標値)に基づいて、COG流量調節弁1021の開度を制御する。これにより、熱量調整装置200は、燃料ガスの熱量を増加させるために、COG流量調節弁1021が開き気味に制御される。ガスタービン113の運転に必要な熱量は一定であり、増加した単位発熱量に合わせてガスタービン113に投入される燃料流量を減少するようガス圧縮機109の後段からガス冷却器1102に戻すバイパスライン110を通る燃料流量を増加させる。これにより、低圧燃料ガスライン107を通る燃料ガスにおけるCOGの割合が増加し、相対的にBFGの割合が減少する。
他方、一酸化炭素濃度の値が第1濃度閾値未満である場合(ステップS53:YES)、停止制御部303は、燃料ガス調節弁1134を閉じ、高圧燃料流量調節弁1101を開き、混合比率を一定に保ったままガス圧縮機109が停止するまで燃料ガスをバイパスライン110に循環させる。燃料ガス調節弁1134が閉じてから20分から30分の間、ガスタービン113は慣性により回転を継続し、ガスタービン113に連結されたガス圧縮機109も回転を継続する。この間、燃料ガスはバイパスライン110を循環する。徐々にガスタービンは回転を弱め、最終的に停止する(ステップS54)。ガスタービン113が停止すると、ガスパージ制御部305は、BFG流量調節弁1011を閉じ、第1パージガス流量調節弁1041を開く。また、ガスパージ制御部305は、COG流量調節弁1021を閉じ、第2パージガス流量調節弁1051を開く。これにより、ガスパージ制御部305は、不活性ガスをBFGライン101およびCOGライン102に供給する(ステップS55)。
一部の濃度計1003から取得した一酸化炭素濃度の値が第2濃度閾値以上である場合(ステップS58:NO)、停止制御装置300は、ステップS56に処理を戻し、再度、一酸化炭素濃度の判定を行う。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述の実施形態では、第1燃料ガスの例がBFGであり、第2燃料ガスの例がCOGであるが、これに限られない。他の実施形態においては、BFGおよびCOGと異なる燃料ガスを用いてもよい。例えば、他の実施形態においては、第1燃料ガスがCOGであってもよい。この場合、第2燃料ガスは、COGより有害性が低い燃料ガス(例えば、LPG:Liquefied Petroleum Gas)である。
コンピュータ900は、プロセッサ901、メインメモリ902、ストレージ903、インタフェース904を備える。
上述の熱量調整装置200および停止制御装置300は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ903に記憶されている。プロセッサ901は、プログラムをストレージ903から読み出してメインメモリ902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
111 高圧燃料ガスライン
101 BFGライン
1011 BFG流量調節弁
102 COGライン
1021 COG流量調節弁
103 パージガスタンク
104 第1パージガスライン
1041 第1パージガス流量調整弁
105 第2パージガスライン
1051 第2パージガス流量調整弁
107 低圧燃料ガスライン
1072 熱量計
108 空気ライン
1081 空気流量調節弁
109 ガス圧縮機
110 バイパスライン
113 ガスタービン
114 発電機
1001 排出管
1002 排出量調整弁
1003 濃度計
200 熱量調整装置
300 停止制御装置
301 増加制御部
302 タイマ部
303 停止制御部
305 ガスパージ制御部
304 濃度取得部
306 空気パージ制御部
Claims (6)
- 第1燃料ガスと前記第1燃料ガスより単位発熱量が大きくかつ一酸化炭素濃度が低い第2燃料ガスとを混合した燃料ガスの単位発熱量が単位発熱量目標値に近づくように前記第2燃料ガスの供給量を調整する熱量調整装置を備え、前記燃料ガスによって駆動するガスタービンの停止制御方法であって、
前記ガスタービンの運転中に、前記第1燃料ガスを不活性ガスに切り替え、または前記単位発熱量目標値を増加させることで、前記熱量調整装置に前記第2燃料ガスの混合の比率を増加させるステップと、
前記第2燃料ガスの混合の比率の増加後に前記ガスタービンを停止するステップと
を備える停止制御方法。 - 前記第2燃料ガスの比率を増加させるステップにおいて、前記単位発熱量目標値を第1単位発熱量目標値から、前記第1単位発熱量目標値より大きい第2単位発熱量目標値に設定することで、前記単位発熱量目標値を前記第2単位発熱量目標値に設定する前より前記ガスタービンに供給される燃料ガスにおける前記第2燃料ガスの混合の比率を増加させる 請求項1に記載の停止制御方法。
- 前記第2燃料ガスの比率を増加させるステップの開始時刻からの経過時間を計測するステップをさらに備え、
前記ガスタービンを停止するステップにおいて、前記経過時間が所定時間に達した場合に、前記ガスタービンを停止する
請求項1または請求項2に記載の停止制御方法。 - 前記ガスタービンの管路における、前記第1燃料ガスの成分の濃度を検出するステップをさらに備え、
前記ガスタービンを停止するステップにおいて、前記濃度が所定濃度未満になった場合に、前記ガスタービンを停止する
請求項1または請求項2に記載の停止制御方法。 - 前記ガスタービンの停止後に、前記ガスタービンの管路に不活性ガスを供給するステップと、
前記不活性ガスを供給するステップにおける前記不活性ガスの供給中に、前記第1燃料ガスの成分の濃度が所定濃度未満になった場合に前記不活性ガスを空気に置換するステップと、
をさらに備える請求項1から請求項4の何れか1項に記載の停止制御方法。 - 第1燃料ガスと前記第1燃料ガスより単位発熱量が大きくかつ一酸化炭素濃度が低い第2燃料ガスとを混合した燃料ガスの単位発熱量が単位発熱量目標値に近づくように前記第2燃料ガスの供給量を調整する熱量調整装置を備え、前記燃料ガスによって駆動するガスタービンを制御する制御装置であって、
前記ガスタービンの運転中に、前記第1燃料ガスを不活性ガスに切り替え、または前記単位発熱量目標値を増加させることで、前記熱量調整装置に前記第2燃料ガスの混合の比率を増加させる増加制御部と、
前記第2燃料ガスの混合の比率の増加後に前記ガスタービンを停止する停止制御部と
を備える制御装置。
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