JP2000314326A - ガスタービンシステム - Google Patents

ガスタービンシステム

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JP2000314326A
JP2000314326A JP11123437A JP12343799A JP2000314326A JP 2000314326 A JP2000314326 A JP 2000314326A JP 11123437 A JP11123437 A JP 11123437A JP 12343799 A JP12343799 A JP 12343799A JP 2000314326 A JP2000314326 A JP 2000314326A
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fuel
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JP11123437A
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Kazuhiro Takeshita
和博 竹下
Koji Nishimura
幸次 西村
Mitsuo Yoneda
光生 米田
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービンの運転を停止することなく、燃料を
低カロリーガスから補助燃料に切り替えることができる
ガスタービンシステムを提供する。 【解決手段】 運転状態切替入力部72から燃料を低カ
ロリーガスから補助燃料に切替える旨の指示が送られる
と、制御装置80は、流量調整弁28,38を制御し
て、低カロリーガスの流量を減らすと共に低カロリーガ
スの減少した分の流量に応じて窒素の流量を増やす。次
に、流量調整弁28,38,48,68を制御して、低
カロリーガスと窒素との体積比を一定に保ったまま低カ
ロリーガスと窒素との混合ガスの流量を減らし、混合ガ
スの減少した分の流量に応じて且つ混合ガスの爆発限界
の範囲に入らないように空気の流量を増やすと共に、空
気の増加した分の流量に応じて補助燃料の流量を増や
す。かかる制御を繰返すことにより、第一圧縮機11に
空気のみを供給し、補助燃料による運転に切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高炉ガス等
の低カロリーガスを主燃料とし、主燃料圧縮機で圧縮し
た低カロリーガスを燃焼して、タービンを運転するガス
タービンシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄所においては、高炉ガスを使用して
タービンを運転するガスタービンシステムが利用されて
いる。例えば、特開昭59−176422号公報では、
高炉ガス圧縮機を吸込管路の切替えによって空気圧縮機
として使用し、高炉ガスの供給停止時にも補助燃料によ
って、本来の設備能力と同等の有効出力を得ることがで
きるガスタービンプラントのシステムが考案されてい
る。すなわち、このシステムでは、高炉ガスの供給が止
まったときには、例えば液化天然ガス等の補助燃料を用
いてタービンの運転を行う。補助燃料を燃焼するときに
必要な空気流量は、高炉ガスを燃焼するときに必要な空
気流量に比べて多く、予め設けられている空気圧縮機だ
けでは、補助燃料を燃焼するときに必要な空気流量のす
べてを圧縮することができない。このため、補助燃料で
タービンを運転する場合に、高炉ガス圧縮機を空気圧縮
機として使用している。また、燃料を高炉ガスから補助
燃料に切り替える場合、いきなり空気を高炉ガス圧縮機
に導入して、空気と高炉ガスとを混合すると、高炉ガス
圧縮機での圧縮過程において混合ガスの圧力・温度が上
昇し、高炉ガスが燃焼又は爆発する危険がある。かかる
危険を避けるため、燃料切替え時には、一旦プラントを
停止して、高炉ガス圧縮機を不活性ガスで置換してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガスタービンシステムでは、燃料を高炉ガスから補助燃
料に切り替える際に、一旦プラントを停止して高炉ガス
圧縮機を不活性ガスで置換しているため、この間、電力
の供給が停止してしまうという問題があった。しかも、
一旦停止したプラントを立ち上げるには時間がかかり、
燃料の切替えを迅速に行うことができない。また、高炉
ガス圧縮機を不活性ガスで置換する際に、高炉ガスは大
気中に放散するので、かかる高炉ガスを有効に利用する
ことができないという問題もある。
【0004】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、タービンの運転を停止することなく、燃料を低
カロリーガスから補助燃料に切り替えることができるガ
スタービンシステム及びガスタービンシステムにおける
燃料切替方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、低カロリーガスを主燃料として使用し、
主燃料圧縮機で圧縮された前記低カロリーガスを燃焼器
で燃焼し、前記燃焼器で得られた燃焼ガスによりタービ
ンを運転するガスタービンシステムにおいて、前記低カ
ロリーガス、不活性ガス及び空気を前記主燃料圧縮機に
供給するための主燃料供給設備と、補助燃料を前記燃焼
器に供給するための補助燃料供給設備と、前記低カロリ
ーガス、前記不活性ガス、前記空気及び前記補助燃料の
各々について流量を調整する流量調整手段と、前記低カ
ロリーガスによる前記タービンの運転から前記補助燃料
による前記タービンの運転に切り替える旨の指示を入力
するための入力手段と、前記入力手段から前記指示が入
力されたときに、前記低カロリーガスの流量を減らし、
前記低カロリーガスの減少した分の流量に応じて前記不
活性ガスの流量を増やすと共に、前記低カロリーガスと
前記不活性ガスとの体積比を一定に保ったまま前記低カ
ロリーガスと前記不活性ガスとからなる混合ガスの流量
を減らし、前記混合ガスの減少した分の流量に応じて且
つ前記混合ガスの爆発限界の範囲に入らないように前記
空気の流量を増やし、前記空気の増加した分の流量に応
じて前記補助燃料の流量を増やすようにして、前記各流
量調整手段を制御することにより、前記主燃料圧縮機に
前記空気のみを供給し、前記補助燃料による前記タービ
ンの運転に切り替える制御手段と、を具備することを特
徴とするものである。また、上記の目的を達成するため
の本発明に係るガスタービンシステムにおける燃料切替
方法は、主燃料である低カロリーガス、不活性ガス及び
空気を主燃料圧縮機に供給するための主燃料供給設備
と、補助燃料を燃焼器に供給するための補助燃料供給設
備とを有し、前記低カロリーガス又は前記補助燃料を燃
焼器で燃焼し、前記燃焼器で得られた燃焼ガスによりタ
ービンを運転するガスタービンシステムにおいて、前記
低カロリーガスで前記タービンを運転しているときに、
前記低カロリーガスの流量を減らし、前記低カロリーガ
スの減少した分の流量に応じて前記不活性ガスの流量を
増やすと共に、前記低カロリーガスと前記不活性ガスと
の体積比を一定に保ったまま前記低カロリーガスと前記
不活性ガスとからなる混合ガスの流量を減らし、前記混
合ガスの減少した分の流量に応じて且つ前記混合ガスの
爆発限界の範囲に入らないように前記空気の流量を増や
し、前記空気の増加した分の流量に応じて前記補助燃料
の流量を増やすことにより、前記主燃料圧縮機に前記空
気のみを供給し、前記低カロリーガスによる前記タービ
ンの運転から前記補助燃料による前記タービンの運転に
切り替えることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
であるガスタービンシステムの概略構成図である。
【0007】本実施形態のガスタービンシステムは、図
1に示すように、第一圧縮機(主燃料圧縮機)11と、
歯車装置12と、負荷13と、第二圧縮機(空気圧縮
機)14と、燃焼器15と、タービン16と、主燃料供
給設備20と、補助燃料供給設備60と、入力装置70
と、制御装置80とを備えるものである。第一圧縮機1
1は、負荷13とともに、歯車装置12を介してタービ
ン16と軸で結合されている。また、第二圧縮機14も
タービン16と軸で結合されている。燃焼器15は、主
燃料又は補助燃料を燃焼して、高温、高圧の燃焼ガスを
タービン16に送るものである。このとき、燃焼ガスが
膨張してタービン翼にあたり、その燃焼ガスのエネルギ
ーがタービン翼の回転エネルギーに変換することによ
り、動力が得られる。
【0008】また、本実施形態では、かかるガスタービ
ンシステムを、蒸気タービンシステム(不図示)と組み
合わせて使用することにする。すなわち、タービン16
からの排気ガスをボイラで回収し、そのボイラで得られ
た蒸気を用いて蒸気タービンを運転している。このよう
なシステムは、ガスタービンコンバインドシステム(ga
s turbine conbined system )と称される。
【0009】本実施形態のガスタービンシステムでは、
主燃料として、低カロリーガスを用いている。具体的に
は、高炉ガス(blast furnace gas (BFG))とコー
クス炉ガス(coke oven gas (COG))とを混合した
低カロリーガスを用いる。高炉ガスとは、製鉄所の高炉
から発生するガスのことである。すなわち、高炉に投入
されたコークス等が空気によって部分燃焼し、一酸化炭
素や窒素等を主成分とする還元性のガスとなり、これが
鉄鉱石を還元して生じたものである。本実施形態では、
高炉ガスとして、例えば、CO:22.2%、CO2
21.0%、H 2 :4.2%、N2 :52.6%という
組成を持ち、約750kcal/Nm3であるものを用
いる。ここで、「Nm3 」は、0℃、1atmの基準状
態に換算したときの体積を示す。また、コークス炉ガス
とは、石炭をコースク炉で乾留したときに得られるガス
のことである。本実施形態では、コークス炉ガスとし
て、約4500kcal/Nm3 であるものを用いる。
上述のように、高炉ガスは約750kcal/Nm3
あまりに低カロリーであるため、その高炉ガスを主燃料
として燃焼することが困難な場合もある。このため、本
実施形態では、コークス炉ガスを高炉ガスに少し混合し
て、約1000kcal/Nm3 のカロリーをもつよう
に調整された低カロリーガスを主燃料として使用するこ
とにしている。尚、本実施形態においては、低カロリー
ガスとは、600kcal/Nm3 以上1500kca
l/Nm3 以下のカロリーをもつ燃料ガスのことをい
う。
【0010】ところで、高炉ガスの発生源である高炉は
操業上、停止することがあり、この場合、高炉ガスの供
給が停止される。かかる場合には、主燃料から補助燃料
に切り替えて、ガスタービンの運転を行う。本実施形態
では、補助燃料として、高カロリー燃料である液化天然
ガス(liquefied natural gas (LNG))を用いる。
【0011】主燃料供給設備20は、図1に示すよう
に、低カロリーガスを第一圧縮機11に供給するための
主燃料供給管21と、不活性ガスである窒素を第一圧縮
機11に供給するための窒素供給管31と、空気を第一
圧縮機11に供給するための空気供給管41と、第一圧
縮機11で圧縮された圧縮ガスを燃焼器15に供給する
ための圧縮ガス供給管51とを有する。主燃料供給管2
1、窒素供給管31及び空気供給管41にはそれぞれ、
流量計25,35,45と、温度計26,36,46
と、圧力計27,37,47と、流量調整弁(流量調整
手段)28,38,48とが設けられている。また、圧
縮ガス供給管51には、温度計56と、圧力計57とが
設けられている。一方、補助燃料供給設備60は、図1
に示すように、液化天然ガスを燃焼器15に供給するた
めの補助燃料供給管61を有する。この補助燃料供給管
61にも、流量計65と、温度計66と、圧力計67
と、流量調整弁(流量調整手段)68とが設けられてい
る。
【0012】一般に、補助燃料としての液化天然ガス
は、例えば60kg/cm2 程度の圧力をもっている。
そして、かかる液化天然ガスでタービン16を運転する
ときに、燃焼器15からタービン16に入っていく液化
天然ガスの圧力は約20kg/cm2 である。これに比
べて、高炉ガス又は低カロリーガスの圧力はとても低
い。このため、低カロリーガスでタービン16を運転す
るときには、主燃料供給管21から低カロリーガスを第
一圧縮機11に導き、第一圧縮機11で圧縮されて圧力
が高められた低カロリーガスを燃焼器15に供給するこ
とにしている。
【0013】また、第二圧縮機14は空気専用の圧縮機
であり、第二圧縮機14で圧縮された空気は燃焼器15
に供給される。この第二圧縮機14を空気専用としたの
は、タービン翼内部冷却用空気として清浄な空気の供給
を確保する必要があるためである。
【0014】以下では、主燃料である低カロリーガスで
ガスタービンを運転している状態を運転状態Aと称し、
一方、補助燃料である液化天然ガスでガスタービンを運
転している状態を運転状態Bと称することにする。ま
た、本実施形態では、1000kcal/Nm3 の低カ
ロリーガスを用いて、上述のガスタービンコンバインド
システムを稼働することにより、150メガワット(M
W)の出力を得る場合を考える。ここで、タービン入口
温度T0 は1300℃とする。
【0015】次に、運転状態A,Bにおける燃料流量バ
ランス及び空気流量バランスについて説明する。図2は
150MWの出力を得る場合にタービン入口温度T0
応じた燃料流量バランスを説明するための図、図3は図
2の場合にタービン入口温度T0 に応じた空気流量バラ
ンスを説明するための図である。
【0016】運転状態A,Bの切替え前後で、タービン
翼を一定の速度で回転して、出力を一定に維持するため
には、運転状態に応じて所定流量の燃焼ガスをタービン
16に供給する必要がある。かかる燃焼ガスの流量から
逆算することにより、図2に示すように、運転状態Aの
場合に第一圧縮機11に供給すべき低カロリーガスの流
量と、運転状態Bの場合に燃焼器15に供給すべき液化
天然ガスの流量とが求められる。本実施形態では、ター
ビン入口温度T0 が1300℃である場合を考えている
ので、1000kcal/Nm3 の低カロリーガスの流
量割合については、図2に示すように、高炉ガスの流量
が262.61kNm3 /h、コークス炉ガスの流量が
14.49kNm3 /hとなるようにする。すなわち、
低カロリーガス全体では、277.10kNm3 /hの
流量を必要とする。かかる流量の低カロリーガスを燃焼
することにより、ガスタービンコンバインドシステムに
おいて150MWの出力を得ることができる。一方、液
化天然ガスを用いて、タービン入口温度T0 が1300
℃であって150MWの出力を得るためには、図2に示
すように、27.67kNm3 /hの流量の液化天然ガ
スを必要とする。液化天然ガスは低カロリーガスに比べ
てカロリーが高いため、液化天然ガスの流量は、低カロ
リーガスの流量の約10分の1と少なくて済む。
【0017】また、両運転状態A,Bにおいてタービン
16に供給する燃焼ガスの流量を合わせるために、低カ
ロリーガスの流量と液化天然ガスの流量との相違に応じ
て、液化天然ガスに対する空気流量を、低カロリーガス
に対する空気量に比べて多くしなければならない。ター
ビン入口温度T0 が1300℃であるときに、流量27
7.10kNm3 /hの低カロリーガスに対する空気流
量は、図3に示すように、534.2kNm3 /hであ
り、一方、流量27.67kNm3 /hの液化天然ガス
に対する空気流量は、714.5kNm3 /hである。
すなわち、低カロリーガスに対する空気流量と液化天然
ガスに対する空気流量との比は、1対1.34である。
このように、運転状態Bのときには、運転状態Aのとき
に比べて、多くの空気流量を必要とするので、運転状態
Bでは、大きな容量の圧縮機を用いる必要がある。本実
施形態では、運転状態Bのときには、第二圧縮機14に
加えて、第一圧縮機11を空気圧縮機として使用する。
これにより、第二圧縮機14としては容量の小さいもの
用いることができるという利点がある。
【0018】尚、図3に示す空気流量には、低カロリー
ガス又は液化天然ガスを燃焼するために必要な空気量だ
けでなく、タービン翼を冷却するための空気量、燃焼器
15を冷却するための空気量やガス温度を調整するため
の空気量等も含まれている。また、図3では、低カロリ
ーガスに対する空気流量は、空気比を2.24と設定し
て算出し、一方、液化天然ガスに対する空気流量は、空
気比を2.36と設定して算出した。ここで、空気比と
は、理論的に必要な空気流量に対して実際に必要な空気
流量の比のことである。
【0019】次に、運転状態A,Bのときに、燃料及び
空気を第一圧縮機11及び第二圧縮機14にどのように
振り分けるかについて説明する。図4(a)は運転状態
Aのときに各圧縮機に振り分けられる燃料及び空気の流
量を説明するための図、図4(b)は運転状態Bのとき
の各圧縮機に振り分けられる燃料及び空気の流量を説明
するための図である。
【0020】運転状態Aのときには、第一圧縮機11
に、277.10kNm3 /hの低カロリーガスと所定
流量の空気とを供給する。この第一圧縮機11に供給す
る空気流量は、277.10kNm3 /hの低カロリー
ガスと混合しても低カロリーガスの爆発限界の範囲に入
らない流量とする。ここでは、その爆発限界の範囲に入
らないような低カロリーガスの流量と空気の流量との比
を75対25と設定し、92.4kNm3 /hの空気を
第一圧縮機11に供給することにする。爆発限界につい
ては後に詳述する。また、第二圧縮機14には、53
4.2kNm3 /hの全空気流量から第一圧縮機11に
供給される空気流量を引いた流量、すなわち、441.
8kNm3 /hの空気を供給する。
【0021】一方、運転状態Bのときには、714.5
kNm3 /hの全空気流量を第一圧縮機11と第二圧縮
機14とに次のように振り分ける。上述したように、こ
の全空気流量には、タービン翼冷却用の空気等も含まれ
ている。運転状態A時の第一圧縮機11は低カロリーガ
スを圧縮しているため、運転状態B時に第一圧縮機11
を空気圧縮機として使用しても、その第一圧縮機11で
圧縮された空気には埃等が含まれ、綺麗な空気とは言え
ない。特に、タービン翼冷却のためには、綺麗な空気を
用いることが望ましい。このため、本実施形態では、運
転状態Bのときには、第一圧縮機11は、液化天然ガス
を燃焼するために必要な空気を圧縮し、第二圧縮機14
は、液化天然ガスを燃焼するのに必要な残りの空気やタ
ービン翼冷却用の空気等を圧縮するものとする。具体的
には、27.67kNm3 /hの液化天然ガスに対する
理論燃焼空気流量は302.8kNm3 /hであり、こ
れだけの空気流量を第一圧縮機11に供給する。そし
て、第二圧縮機14には、714.5kNm3 /hの全
空気流量から第一圧縮機11に供給される空気流量を引
いた量、すなわち、411.7kNm3 /hの空気を供
給する。尚、当然のことであるが、運転状態Aのときに
も、第二圧縮機14で圧縮された空気の一部がタービン
翼冷却用等として用いられる。
【0022】また、上記のようにして各運転状態A,B
のときに燃料及び空気を各圧縮機11,14に振り分け
ることにしたが、第二圧縮機14には、運転状態A及び
運転状態Bのいずれのときであっても、略同じ流量の空
気が供給される。
【0023】尚、第一圧縮機11、第二圧縮機14とし
ては、運転状態Aのときに供給される全流量及び運転状
態Bのときに供給される全流量のいずれにも対応できる
容量を有するものを用いる必要がある。したがって、第
一圧縮機11としては、運転状態Aのときに供給される
流量277.1+92.4=369.5kNm3 /hに
対応できる容量のものを使用する。また、第二圧縮機1
4としては、運転状態Aのときに供給される流量44
1.8kNm3 /hに対応できる容量のものを使用す
る。
【0024】次に、爆発限界について説明する。可燃ガ
スはそれだけでは燃焼又は爆発を起こさないが、酸素又
は空気とある割合で混合すると、燃焼又は爆発を起こ
す。例えば、可燃ガスを空気で薄めていくと、はじめは
燃焼しないが、ある混合割合になると燃焼又は爆発する
ようになる。しかし、さらに薄めていくと、再び燃焼又
は爆発しなくなる。このように、燃焼又は爆発しうる、
可燃ガスと酸素又は空気との混合割合の限界を、爆発限
界(又は燃焼限界)という。この爆発限界は、混合気中
における可燃ガスの体積%(濃度)で表され、燃焼又は
爆発しうる最高濃度を上限、最低濃度を下限という。
尚、一般に、爆発限界は、温度や圧力に依存する。
【0025】図5は可燃ガスと不燃ガスとの混合ガスの
空気中における爆発限界を説明するための図である。こ
こでは、一酸化炭素と二酸化炭素との混合ガス、一酸化
炭素と窒素との混合ガス、水素と二酸化炭素との混合ガ
ス、及び水素と窒素との混合ガスについての爆発限界を
示している。また、図5において、横軸は可燃ガスに対
する不燃ガスの体積比を表し、縦軸は爆発限界(混合ガ
ス×100/(混合ガス+空気))を表す。図5で曲線
と縦軸とで囲まれる範囲が燃焼又は爆発しうる爆発限界
の範囲である。図5に示すように、爆発限界の範囲は可
燃ガスに対する不燃ガスの体積比に応じて変化する。例
えば、一酸化炭素と二酸化炭素との混合ガスについて
は、一酸化炭素に対する二酸化炭素の体積比が0から徐
々に大きくなると、爆発限界の範囲はだんだん狭くな
り、その体積比がある臨界値に達すると、爆発限界の上
限と下限とが一致する。その体積比が臨界値よりも大き
いときには、爆発限界は現れず、その混合ガスにどんな
量の空気を混ぜても、燃焼又は爆発しなくなる。
【0026】また、二種以上のガスを含む混合ガスにつ
いての爆発限界は、ル・シャトリエの式を用いることに
より、容易に求めることができる。このル・シャトリエ
の式は、混合ガスの爆発限界(上限又は下限)をLとす
ると、L=100/{(P1/M1 )+(P2 /M2
+(P3 /M3 )+・・・ }で与えられる。ここで、M
1 ,M2 ,M3 ,・・・ は各可燃ガスの爆発限界(上限又
は下限)、P1 ,P2 ,P3 ,・・・ は混合ガス中の各可
燃ガスの体積(%)である。
【0027】図6は本実施形態において主燃料として用
いられる低カロリーガスと窒素との混合ガスの空気中に
おける爆発限界を定性的に示す図である。この図は上記
図5及びル・シャトリエの式に基づいて作成したもので
ある。横軸は低カロリーガスに対する窒素の体積比rを
表し、縦軸は低カロリーガスと窒素との混合ガスについ
ての爆発限界を表す。図6に示すように、低カロリーガ
スに窒素を混合しないとき(r=0)には、低カロリー
ガスの爆発限界の上限は、約71%である。したがっ
て、上述したように、運転状態Aでは、低カロリーガス
の流量と空気の流量との比を75対25として、低カロ
リーガスと空気とを第一圧縮機11に供給しても燃焼又
は爆発することはない。一方、体積比r=0のとき、低
カロリーガスの爆発限界の下限は、約38%である。ま
た、低カロリーガスに窒素を混合していくと、その混合
ガスについての爆発限界の上限は小さくなり、その下限
は大きくなるので、爆発限界の範囲はだんだん狭くな
る。このため、その爆発限界の上限が減少した分だけ、
混合ガスに空気を混ぜることができる。そして、低カロ
リーガスに対する窒素の体積比rが臨界値rC に達する
と、爆発限界の上限と下限とが一致し、さらに体積比r
が臨界値rC よりも大きくなると、その混合ガスに任意
の量の空気を導入することが可能となる。ここで、この
臨界値rC は0.67であり、このときの爆発限界は6
8.9%である。
【0028】入力装置70は、図1に示すように、MW
設定部71と、運転状態切替入力部72とを有する。M
W設定部71は、本実施形態のガスタービンシステムを
用いたガスタービンコンバインドシステムにおける出力
値を設定するためのものである。例えば、オペレータ
は、出力値を150MWと入力する。また、運転状態切
替入力部72は、運転状態を切り替える旨の命令を入力
するためのものである。
【0029】制御装置80は、図1に示すように、四つ
の流量演算部81a,81b,81c,81dと、流量
比演算部82と、燃料/空気のクロスリミット制御部8
3と、MW設定値補正部84と、発電機出力制御部85
と、運転状態切替制御部86と、燃料負荷配分選択部8
7と、四つの流量調節部88a,88b,88c,88
dとを有する。
【0030】四つの流量演算部81a,81b,81
c,81dはそれぞれ、供給管21,31,41,61
に設けられた流量計、温度計及び圧力計からの計測値に
基づいて、基準状態における流体の流量を算出するもの
である。各流量演算部81a,81b,81c,81d
で得られた結果は、流量比演算部82に送られると共
に、それぞれ対応する流量調節部88a,88b,88
c,88dに送られる。流量比演算部82は、各流量演
算部81a,81b,81c,81dで算出された結果
に基づいて、各流体の流量比を求めるものである。
【0031】燃料/空気のクロスリミット制御部83
は、流量比演算部82で求められた各流体の流量比に基
づいて、燃料/空気のクロスリミットを制御する。すな
わち、出力を増加するときには、空気を燃料よりも先に
増やすように、逆に、出力を減少するときには、燃料を
空気よりも先に減らすように、制御を行う。これは、常
に、空気リッチ状態で、燃料を増減しなければ、爆発の
危険があるからである。また、MW設定値補正部84
は、MW設定部71で出力値が設定されたときに、クロ
スリミット制御や運転状態切替制御等の種々の制約に基
づいて、その設定された出力値を補正するものである。
かかる燃料/空気のクロスリミット制御、MW設定値補
正は、通常行われている制御である。
【0032】発電機出力制御部85は、MW設定値補正
部84で補正された設定値に基づいて、当該設定値を得
るために必要な各流体の流量を具体的に算出する。この
算出した流量は、燃料負荷配分選択部87に送られる。
【0033】運転状態切替制御部86は、運転状態切替
入力部72から運転状態をAからBに切り替える旨の指
示を受けたときに、流量比演算部82で求められた各流
体の流量比、圧縮ガス供給管51に設けられた温度計5
6及び圧力計57からの計測値に基づいて、切替え時に
おける各流体の流量を算出する。そして、かかる算出し
た流量に基づいて、燃料負荷配分選択部87及び流量調
節部88a,88b,88c,88dを介して各流量調
整弁28,38,48,68を制御することにより、第
一圧縮機11に空気のみを供給し、液化天然ガスによる
タービン16の運転に切り替える。具体的には、低カロ
リーガスの流量を減らし、その低カロリーガスの減少し
た分の流量に応じて窒素の流量を増やすと共に、低カロ
リーガスと窒素との体積比を一定に保ったまま低カロリ
ーガスと窒素とからなる混合ガスの流量を減らし、その
混合ガスの減少した分の流量に応じて且つ混合ガスの爆
発限界の範囲に入らないように空気の流量を増やし、そ
の空気の増加した分の流量に応じて液化天然ガスの流量
を増やすという制御を行う。
【0034】燃料負荷配分選択部87は、運転状態A又
は運転状態Bのときには発電機出力制御部85から送ら
れる命令にしたがって、一方、運転状態を切り替えると
きには運転状態切替制御部86から送られる命令にした
がって、各流体についての流量設定値(SV)をそれぞ
れ対応する流量調節部88a,88b,88c,88d
に送る。流量調節部88a,88b,88c,88dは
それぞれ、流量演算部81a,81b,81c,81d
から送られた現在の流量値(PV)と燃料負荷配分選択
部86から送られた流量設定値(SV)とに基づいて、
現在の流量値(PV)が流量設定値(SV)に近づき、
その差が縮まるように、流量調整弁28,38,48,
68を制御する。尚、流量調整弁28,38,48,6
8を制御する際には、流体に大きな外乱を与えないよう
に、変化率リミッタ等により流体の流量を少しずつ増加
又は減少させるようにする。これは、出力値変更時又は
運転状態切替時に、タービン入口温度T0 が変動するの
を防止するためである。
【0035】次に、運転状態を切り替えるときの制御の
仕方について説明する。図7は本実施形態のガスタービ
ンシステムにおいて運転状態をAからBに切り替えると
きの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0036】まず、運転状態Aから運転状態Bに切り替
える旨の命令が運転状態切替入力部72から送られる
と、運転状態切替制御部86は、現在の流量値LCGの
低カロリーガスを一定流量ΔLCGだけ減らすように、
燃料負荷配分選択部87に命令を送る(S11)。する
と、燃料負荷配分選択部87は流量調節部88aに流量
設定値LCG−ΔLCGを送る。そして、流量調節部8
8aはその流量設定値LCG−ΔLCGに基づいて流量
調整弁28を制御することにより、低カロリーガスが一
定流量ΔLCGだけ減少する。尚、減少させるべき低カ
ロリーガスの流量ΔLCGは、外乱を与えない範囲で任
意に設定することができる。
【0037】低カロリーガスの流量が減少したというこ
とは、現在、第一圧縮機11及び第二圧縮機14に供給
している空気流量は、その減少後の低カロリーガスに対
して必要な空気流量よりも多く、したがって、余分の空
気流量が発生する。このため、かかる余分の空気流量を
液化天然ガスに対する空気流量として使用することにす
る。具体的には、運転状態切替制御部86は、流量比演
算部82から送られる各流体の流量比に基づいて、余分
の空気流量を算出する。そして、その余分の空気流量に
対応する液化天然ガスの流量ΔLNG(1) を算出し、液
化天然ガスをその算出した流量ΔLNG(1) だけ増やす
ように、燃料負荷配分選択部87に命令を送る(S1
2)。すると、燃料負荷配分選択部87は流量調節部8
8dに流量設定値LNG+ΔLNG(1) を送る。ここ
で、LNGは液化天然ガスの現在の流量値であり、切替
え動作の当初はLNG=0である。そして、流量調節部
88dはその流量設定値LNG+ΔLNG(1) に基づい
て流量調整弁68を制御することにより、液化天然ガス
が一定流量ΔLNG(1) だけ増加する。
【0038】次に、運転状態切替制御部86は、低カロ
リーガスの減少した分の流量ΔLCGに応じて所定の流
量ΔN2 だけ窒素を増やすように、燃料負荷配分選択部
87に命令を送る(S13)。すると、燃料負荷配分選
択部87は流量調節部88bに流量設定値N2 +ΔN2
を送る。ここで、N2 は窒素の現在の流量値であり、切
替え動作の当初はN2 =0である。そして、流量調節部
88bはその流量設定値N2 +ΔN2 に基づいて流量調
整弁38を制御することにより、窒素が一定流量ΔN2
だけ増加する。尚、図6から分かるように、窒素を導入
するにつれて、低カロリーガスと窒素とからなる混合ガ
スについての爆発限界の上限がだんだん小さくなる。し
かも、第一圧縮機11に供給される空気の流量は一定の
ままであるので、窒素導入時に、かかる混合ガスの爆発
限界を考慮する必要はない。
【0039】このステップS13の処理が行われた段階
では、一定流量ΔLCGだけ減少した低カロリーガス
と、一定流量ΔN2 だけ増加した窒素と、ステップS1
1の処理を行う前と同じ流量の空気とが第一圧縮機11
に供給される。ここで、この時点での低カロリーガスと
窒素とからなる混合ガスの流量は、MG−ΔLCG+Δ
2 である。ここで、MGとは、ステップS11の処理
が行われる前に第一圧縮機11に供給されていた低カロ
リーガスと窒素とからなる混合ガスの流量である。
【0040】次に、運転状態切替制御部86は、第一圧
縮機11に現在供給されている低カロリーガスと窒素と
からなる混合ガスについての爆発限界を算出する(S1
4)。ここで、爆発限界は、図5又は図6に示すような
爆発限界のグラフについてのデータやル・シャトリエの
式を使って算出する。これらのデータ等は予め所定のメ
モリに記憶されている。また、一般に、爆発限界は混合
ガスの温度及び圧力に依存するので、運転状態切替制御
部86は、圧縮ガス供給管51に設けられた温度計56
及び圧力計57からの計測値に基づいて爆発限界を補正
して、爆発限界を正確に算出する。ここで、第一圧縮機
11の出口側での温度と圧力を用いることにしているの
は、かかる出口側において混合ガスの温度・圧力の条件
が最も厳しいことを前提としているからである。
【0041】また、この時点での混合ガスの爆発限界の
上限は、ステップS11の処理を行う前の爆発限界の上
限よりも小さくなっているので、その混合ガスにはさら
に所定流量の空気を混合することが可能である。このた
め、運転状態切替制御部86は、まず、燃料負荷配分選
択部87に命令を送ることにより、現在の混合ガス中の
低カロリーガスと窒素との体積比をそのままにして、す
なわち、爆発限界が変動しないようにして、低カロリー
ガスと窒素とをそれぞれ所定流量だけ削減する(S1
5)。次に、運転状態切替制御部86は、ステップS1
4の処理で算出した爆発限界に基づいて、現在の混合ガ
スの爆発限界の範囲に入らないようにしてさらに混合す
ることができる空気の最大流量を算出する。そして、そ
の算出した空気の最大流量の範囲内で、上記の混合ガス
の削減した分の流量に応じた所定流量ΔAirだけ空気
を増やすように、燃料負荷配分選択部87に命令を送る
(S16)。すると、燃料負荷配分選択部87は流量調
節部88cに流量設定値Air+ΔAirを送る。ここ
で、Airは空気の現在の流量値である。そして、流量
調節部88cはその流量設定値Air+ΔAirに基づ
いて流量調整弁48を制御することにより、空気が一定
流量ΔAirだけ増加する。
【0042】その後、運転状態切替制御部86は、ステ
ップS16の処理により空気の増加した分の流量ΔAi
rを用いて燃焼することができる液化天然ガスの流量Δ
LNG(2) を算出し、液化天然ガスをその算出した流量
ΔLNG(2) だけ増やすように、燃料負荷配分選択部8
7に命令を送る(S17)。すると、燃料負荷配分選択
部87は流量調節部88dに流量設定値LNG+ΔLN
(2) を送る。そして、流量調節部88dはその流量設
定値LNG+ΔLNG(2) に基づいて流量調整弁68を
制御することにより、液化天然ガスが一定流量ΔLNG
(2) だけ増加する。
【0043】次に、運転状態切替制御部86は、現在の
混合ガス中の低カロリーガスに対する窒素の体積比r
が、爆発限界の臨界値rC よりも大きいか否かを判断す
る(S18)。その体積比rが臨界値rC 以下であると
判断されると、運転状態切替制御部86は、ステップS
11に移行し、上述の各処理を繰り返す。
【0044】一方、現在の混合ガス中の低カロリーガス
に対する窒素の体積比rが臨界値r C よりも大きいと判
断されると、その混合ガスには任意の量の空気を混合し
ても燃焼又は爆発することはないので、運転状態切替制
御部86は、上記各ステップS11〜S17のように各
流体の流量を個別に制御することなく、流体の置換制御
を行う。具体的には、低カロリーガスの流量と窒素の流
量とをともに減らすと共に、それらの減少した分の流量
に応じて空気の流量を増やすように、燃料負荷配分選択
部87に命令を送る。また、運転状態切替制御部86
は、その空気の増加した分の流量を用いて燃焼すること
ができる液化天然ガスの流量を算出し、液化天然ガスを
その算出した流量だけ増やすように、燃料負荷配分選択
部87に命令を送る(S19)。こうして、最終的に、
第一圧縮機11には302.8kNm3 /hの空気のみ
が供給され、一方、燃焼器15には27.67kNm3
/hの液化天然ガスが供給される。以上で、運転状態が
AからBに切り替わる。
【0045】本実施形態のガスタービンシステムでは、
制御装置が、運転状態をAからBに切り替えるときに、
低カロリーガスの流量を減らし、その低カロリーガスの
減少した分の流量に応じて窒素の流量を増やすと共に、
低カロリーガスと窒素との体積比を一定に保ったまま低
カロリーガスと窒素とからなる混合ガスの流量を減ら
し、その混合ガスの減少した分の流量に応じて且つ混合
ガスの爆発限界の範囲に入らないように空気の流量を増
やし、その空気の増加した分の流量に応じて補助燃料の
流量を増やすように、各流量調整弁を制御することによ
り、タービンの運転を停止することなく、燃料を低カロ
リーガスから補助燃料に切り替えることができる。ま
た、かかる切替え動作の間でも、低カロリーガスを第一
圧縮機に供給しているので、低カロリーガスを有効に利
用することができる。
【0046】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。
【0047】例えば、上記の実施形態では、高炉ガスと
コースク炉ガスとを混合した低カロリーガスを主燃料と
して用いた場合について説明したが、高炉ガスからなる
低カロリーガスを用いてもよい。
【0048】また、上記の実施形態では、運転状態をA
からBに切り替える際に、窒素を用いて低カロリーガス
の爆発限界の上限を下げる場合について説明したが、窒
素以外の不活性ガスを用いてもよい。
【0049】更に、上記の実施形態において、次のよう
に制御することにより、運転状態をAからBに切り替え
ることも可能である。すなわち、まず、低カロリーガス
の流量を減らすと共に、その低カロリーガスの減少した
分の流量に応じて窒素の流量を増やす。かかる動作を繰
り返し、低カロリーガスと窒素との混合ガスについてそ
の爆発限界が現れないような状態にする。その後、混合
ガスの流量を減らすと共に、その混合ガスの減少した分
の流量に応じて空気の流量を増やし、その空気の増加し
た分の流量に応じて液化天然ガスの流量を増やしてい
く。この制御方法では、上記の実施形態の方法に比べて
制御が簡単であるという利点がある。しかし、最初に窒
素のみを導入して、混合ガスについてその爆発限界が現
れないような状態にするため、この間は、低カロリーガ
スが燃焼しにくく、タービン入口温度T0 が低下してし
まうという欠点がある。この点から考えると、上記実施
形態に示したような、最初から空気と液化天然ガスを少
しずつ導入しながら運転状態をAからBに切り替える方
法は、システムにとって好ましい制御方法であると言え
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明のガスタービ
ンシステムによれば、制御手段が、入力手段から所定の
指示が入力されたときに、低カロリーガスの流量を減ら
し、その低カロリーガスの減少した分の流量に応じて不
活性ガスの流量を増やすと共に、低カロリーガスと不活
性ガスとの体積比を一定に保ったまま低カロリーガスと
不活性ガスとからなる混合ガスの流量を減らし、その混
合ガスの減少した分の流量に応じて且つ混合ガスの爆発
限界の範囲に入らないように空気の流量を増やし、その
空気の増加した分の流量に応じて高カロリーガスの流量
を増やすように、各流量調整手段を制御することによ
り、タービンの運転を停止することなく、燃料を低カロ
リーガスから補助燃料に切り替えることができる。ま
た、かかる切替え動作の間でも、低カロリーガスを主燃
料圧縮機に供給しているので、低カロリーガスを有効に
利用することができる。
【0051】また、以上説明したように本発明のガスタ
ービンシステムにおける燃料切替方法によれば、同様
に、タービンの運転を停止することなく、燃料を低カロ
リーガスから補助燃料に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるガスタービンシステ
ムの概略構成図である。
【図2】150MWの出力を得る場合にタービン入口温
度T0 に応じた燃料流量バランスを説明するための図で
ある。
【図3】図2の場合にタービン入口温度T0 に応じた空
気流量バランスを説明するための図である。
【図4】運転状態A,Bのときに各圧縮機に振り分けら
れる燃料及び空気の流量を説明するための図である。
【図5】可燃ガスと不燃ガスとの混合ガスの空気中にお
ける爆発限界を説明するための図である。
【図6】本実施形態において主燃料として用いられる低
カロリーガスと窒素との混合ガスの空気中における爆発
限界を定性的に示す図である。
【図7】本実施形態のガスタービンシステムにおいて運
転状態をAからBに切り替えるときの処理手順を説明す
るためのフローチャートである。
【符号の説明】
11 第一圧縮機 12 歯車装置 13 負荷 14 第二圧縮機 15 燃焼器 16 タービン 20 主燃料供給設備 21 主燃料供給管 25 流量計 26 温度計 27 圧力計 28 流量調整弁 31 窒素供給管 35 流量計 36 温度計 37 圧力計 38 流量調整弁 41 空気供給管 45 流量計 46 温度計 47 圧力計 48 流量調整弁 51 圧縮ガス供給管 56 温度計 57 圧力計 60 補助燃料供給設備 61 補助燃料供給管 65 流量計 66 温度計 67 圧力計 68 流量調整弁 70 入力装置 71 MW設定部 72 運転状態切替入力部 80 制御装置 81a,81b,81c,81d 流量演算部 82 流量比演算部 83 燃料/空気のクロスリミット制御部 84 MW設定値補正部 85 発電機出力制御部 86 運転状態切替制御部 87 燃料負荷配分選択部 88a,88b,88c,88d 流量調節部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低カロリーガスを主燃料として使用し、
    主燃料圧縮機で圧縮された前記低カロリーガスを燃焼器
    で燃焼し、前記燃焼器で得られた燃焼ガスによりタービ
    ンを運転するガスタービンシステムにおいて、 前記低カロリーガス、不活性ガス及び空気を前記主燃料
    圧縮機に供給するための主燃料供給設備と、 補助燃料を前記燃焼器に供給するための補助燃料供給設
    備と、 前記低カロリーガス、前記不活性ガス、前記空気及び前
    記補助燃料の各々について流量を調整する流量調整手段
    と、 前記低カロリーガスによる前記タービンの運転から前記
    補助燃料による前記タービンの運転に切り替える旨の指
    示を入力するための入力手段と、 前記入力手段から前記指示が入力されたときに、前記低
    カロリーガスの流量を減らし、前記低カロリーガスの減
    少した分の流量に応じて前記不活性ガスの流量を増やす
    と共に、前記低カロリーガスと前記不活性ガスとの体積
    比を一定に保ったまま前記低カロリーガスと前記不活性
    ガスとからなる混合ガスの流量を減らし、前記混合ガス
    の減少した分の流量に応じて且つ前記混合ガスの爆発限
    界の範囲に入らないように前記空気の流量を増やし、前
    記空気の増加した分の流量に応じて前記補助燃料の流量
    を増やすように、前記各流量調整手段を制御することに
    より、前記主燃料圧縮機に前記空気のみを供給し、前記
    補助燃料による前記タービンの運転に切り替える制御手
    段と、 を具備することを特徴とするガスタービンシステム。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記不活性ガスの流量
    を増やすことによって前記混合ガスの爆発限界が現れな
    くなったときには、前記混合ガスの流量を減らし、前記
    混合ガスの減少した分の流量に応じて前記空気の流量を
    増やすと共に、前記空気の増加した分の流量に応じて前
    記補助燃料の流量を増やすように、前記各流量調整手段
    を制御することを特徴とすることを特徴とする請求項1
    記載のガスタービンシステム。
  3. 【請求項3】 前記低カロリーガスは、高炉ガスを含む
    ものであることを特徴とする請求項1又は2記載のガス
    タービンシステム。
  4. 【請求項4】 主燃料である低カロリーガス、不活性ガ
    ス及び空気を主燃料圧縮機に供給するための主燃料供給
    設備と、補助燃料を燃焼器に供給するための補助燃料供
    給設備とを有し、前記低カロリーガス又は前記補助燃料
    を燃焼器で燃焼し、前記燃焼器で得られた燃焼ガスによ
    りタービンを運転するガスタービンシステムにおいて、 前記低カロリーガスで前記タービンを運転しているとき
    に、前記低カロリーガスの流量を減らし、前記低カロリ
    ーガスの減少した分の流量に応じて前記不活性ガスの流
    量を増やすと共に、前記低カロリーガスと前記不活性ガ
    スとの体積比を一定に保ったまま前記低カロリーガスと
    前記不活性ガスとからなる混合ガスの流量を減らし、前
    記混合ガスの減少した分の流量に応じて且つ前記混合ガ
    スの爆発限界の範囲に入らないように前記空気の流量を
    増やし、前記空気の増加した分の流量に応じて前記補助
    燃料の流量を増やすことにより、前記主燃料圧縮機に前
    記空気のみを供給し、前記補助燃料による前記タービン
    の運転に切り替えることを特徴とするガスタービンシス
    テムにおける燃料切替方法。
  5. 【請求項5】 前記不活性ガスの流量を増やすことによ
    って前記混合ガスの爆発限界が現れなくなったときに
    は、前記混合ガスの流量を減らし、前記混合ガスの減少
    した分の流量に応じて前記空気の流量を増やすと共に、
    前記空気の増加した分の流量に応じて前記補助燃料の流
    量を増やすことを特徴とする請求項4記載のガスタービ
    ンシステムにおける燃料切替方法。
  6. 【請求項6】 前記低カロリーガスは、高炉ガスを含む
    ものであることを特徴とする請求項4又は5記載のガス
    タービンシステムにおける燃料切替方法。
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