以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される〔1〕~〔18〕の特徴は、矛盾しない範囲でどのように組み合わされてもよい。
〔1〕所定方向に移動する複数の濾板を備えた濾板群を有し、前記複数の濾板が互いに接近しつつ前記所定方向に重なって配置された接近状態のときに前記濾板群の内部に構成される収容部内に固液混合体が注入され、前記複数の濾板が互いに離間した離間状態のときに前記収容部内に収容された前記固液混合体の残存物が排出されるフィルタープレス装置に用いられるガイド器具であって、
前記収容部から側方に排出された前記残存物を受けるガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、少なくとも表面部が回転自在である
フィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔1〕のガイド器具は、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出された場合に、ガイド部材に当たる位置であれば、ガイド部材によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材の表面部が回転自在であるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に表面部が回転しやすい。このため、上記のガイド器具は、ガイド部材上に残存物の一部が載ったままになったり、ガイド部材からの反力によって残存物に大きな衝撃が加わったりすることを、抑えやすい。よって、上記のガイド器具は、フィルタープレス装置において残存物を排出する際に、残存物を円滑に下方に案内することができる。なお、ガイド部材の表面部は、少なくとも一部が回転自在であればよい。
〔2〕前記ガイド部材は、前記所定方向の一方側から他方側に延びて架設される架設部と、筒部と、を有し、
前記架設部が前記筒部の内部を通っており、
前記筒部は、前記架設部の周りで回転自在とされる
〔1〕に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔2〕のガイド器具は、架設部の周りで筒部が回転しやすいため、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出され、この残存物が筒部に当たった場合には、筒部の回転によって残存物が円滑に下方に案内されやすい。
〔3〕複数の前記筒部を有し、
複数の前記筒部が、前記架設部に沿って並ぶ
〔2〕に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔3〕のガイド器具は、複数の筒部が架設部に沿って並ぶ構成であるため、各々の筒部の長さを低減しやすく、各々の筒部がより回転しやすくなる。よって、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出され、この残存物がいずれかの筒部に当たった場合には、この筒部が一層回転しやすく、残存物がより円滑に下方に案内されやすい。
〔4〕前記架設部は、可撓性を有する可撓性部材からなる
〔2〕又は〔3〕に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔3〕のガイド器具は、架設部が可撓性部材からなるため、架設部が撓みやすい。よって、残存物がガイド部材に当たった場合に、残存物に対する衝撃が緩和されやすい。
〔5〕前記ガイド部材は、少なくとも表面部が揺動自在である
〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔5〕のガイド器具は、ガイド部材の表面部が揺動自在であるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に表面部において揺れ動きが生じやすい。このため、上記のガイド器具は、ガイド部材上に残存物の一部が載ったままになったり、ガイド部材からの反力によって残存物に大きな衝撃が加わったりすることを、より一層抑えやすい。
〔6〕所定方向に移動する複数の濾板を備えた濾板群を有し、前記複数の濾板が互いに接近しつつ前記所定方向に重なって配置された接近状態のときに前記濾板群の内部に構成される収容部内に固液混合体が注入され、前記複数の濾板が互いに離間した離間状態のときに前記収容部内に収容された前記固液混合体の残存物が排出されるフィルタープレス装置に用いられるガイド器具であって、
前記収容部から側方に排出された前記残存物を受けるガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、少なくとも表面部が揺動自在である
フィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔6〕のガイド器具は、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出された場合に、ガイド部材に当たる位置であれば、ガイド部材によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材の表面部が揺動自在であるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に表面部において揺れ動きが生じやすい。このため、上記のガイド器具は、ガイド部材上に残存物の一部が載ったままになったり、ガイド部材からの反力によって残存物に大きな衝撃が加わったりすることを、抑えやすい。よって、上記のガイド器具は、フィルタープレス装置において残存物を排出する際に、残存物を円滑に下方に案内することができる。なお、ガイド部材の表面部は、少なくとも一部が揺動自在であればよい。
〔7〕複数の前記濾板は、側方に突出する突出部を備え、
前記フィルタープレス装置は、前記所定方向に延びるとともに前記突出部を支持する支持部材を有し、
前記ガイド部材は、前記突出部の上方側において前記突出部から離れて配置される
〔1〕から〔6〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔7〕のガイド器具は、ガイド部材が突出部から離れて配置されるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に、残存物に対して突出部に起因する反力が加わることを抑えることができる。
〔8〕所定方向に移動する複数の濾板を備えるとともに側方に突出する突出部を備える濾板群と、前記所定方向に延びるとともに前記突出部を支持する支持部材と、を有し、前記複数の濾板が互いに接近しつつ前記所定方向に重なって配置された接近状態のときに前記濾板群の内部に構成される収容部内に固液混合体が注入され、前記複数の濾板が互いに離間した離間状態のときに前記収容部内に収容された前記固液混合体の残存物が排出されるフィルタープレス装置に用いられるガイド器具であって、
前記収容部から側方に排出された前記残存物を受けるガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記突出部の上方側において前記突出部から離れて配置される
フィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔8〕のガイド器具は、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出された場合に、ガイド部材に当たる位置であれば、ガイド部材によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材が突出部から離れて配置されるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に、残存物に対して突出部に起因する反力が加わることを抑えることができる。このため、上記のガイド器具は、ガイド部材から上記残存物に大きな衝撃が加わることを、抑えやすい。よって、上記のガイド器具は、フィルタープレス装置において残存物を排出する際に、残存物を円滑に下方に案内することができる。
〔9〕前記ガイド部材は、前記残存物を受けるとともに前記濾板群を側方から覆う板材又はシート材からなる被覆部を有する
〔1〕から〔8〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔9〕のガイド器具は、残存物を受けるとともに濾板群を側方から覆う板材又はシート材からなる被覆部を有するため、板材又はシート材によって残存物を円滑に案内することができる。しかも、上記のガイド器具は、被覆部が濾板群を側方から覆うため、被覆部付近において液体などが濾板群側から側方へ飛散することを抑えやすい。
〔10〕所定方向に移動する複数の濾板を備えた濾板群を有し、前記複数の濾板が互いに接近しつつ前記所定方向に重なって配置された接近状態のときに前記濾板群の内部に構成される収容部内に固液混合体が注入され、前記複数の濾板が互いに離間した離間状態のときに前記収容部内に収容された前記固液混合体の残存物が排出されるフィルタープレス装置に用いられるガイド器具であって、
前記収容部から側方に排出された前記残存物を受けるガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記残存物を受けるとともに前記濾板群を側方から覆う板材又はシート材からなる被覆部を有する
フィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔10〕のガイド器具は、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出された場合に、ガイド部材に当たる位置であれば、ガイド部材によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材は、残存物を受けるとともに濾板群を側方から覆う板材又はシート材からなる被覆部を有するため、板材又はシート材によって残存物を円滑に案内することができる。しかも、上記のガイド器具は、被覆部が濾板群を側方から覆うため、被覆部付近において液体などが濾板群側から側方へ飛散することを抑えやすい。
〔11〕前記ガイド部材は、一端側が前記濾板群よりも前記所定方向の一方側の第1支持位置に支持され、他端側が前記濾板群よりも前記所定方向の他方側の第2支持位置に支持され、前記第1支持位置と前記第2支持位置との間で架け渡されている
〔1〕から〔10〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔11〕のガイド器具では、ガイド部材が濾板群よりも所定方向一方側の第1支持位置と所定方向他方側の第2支持位置との間で架け渡されるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に表面部において揺れ動きが一層生じやすい。
〔12〕前記ガイド部材は、前記複数の濾板の各々の側部に対向して配置される
〔1〕から〔11〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔12〕のガイド器具は、複数の濾板の各々の側部に対向するようにガイド部材が配置されるため、濾板の側部よりも側方に残留物が排出された場合に、この残留物がガイド部材に当たりやすい。
〔13〕前記ガイド部材は、前記濾板群の側部に接触して配置される
〔1〕から〔12〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔13〕のガイド器具は、濾板群の側部により近い位置にガイド部材を配置することができるため、濾板群の側部から側方に排出されようとする残留物を、より濾板群に近い位置で受けて下方側に案内しやすい。
〔14〕少なくとも前記濾板群の一方の側方において、複数の前記ガイド部材が位置をずらして配置される〔1〕から〔13〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具。
上記〔14〕のガイド器具は、残留物をより円滑に案内し得るガイド部材を実現しつつ、ガイド部材によって受けることができる範囲をより広くすることができる。
〔15〕〔1〕から〔14〕のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のガイド器具を有するフィルタープレス装置。
上記〔15〕のフィルタープレス装置は、〔1〕から〔14〕のいずれかのガイド器具と同様の効果を奏するフィルタープレス装置を実現することができる。
〔16〕所定方向に移動する複数の濾板を備えた濾板群を有し、前記複数の濾板が互いに接近しつつ前記所定方向に重なって配置された接近状態のときに前記濾板群の内部に構成される収容部内に固液混合体が注入され、前記複数の濾板が互いに離間した離間状態のときに前記収容部内に収容された前記固液混合体の残存物が排出されるフィルタープレス装置において、前記残存物の排出を案内するガイド方法であって、
表面部が回転自在又は揺動自在に設けられたガイド部材を前記濾板群の側方に配置し、
前記濾板群から前記残存物が前記ガイド部材に向かって排出された場合に、前記残存物を前記ガイド部材の前記表面部で受けて案内する
フィルタープレス装置における残存物のガイド方法。
上記〔16〕のガイド方法は、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出された場合に、ガイド部材に当たる位置であれば、ガイド部材によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材の表面部が回転自在又は揺動自在であるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に表面部が回転又は揺動しやすい。このため、上記のガイド器具は、ガイド部材上に残存物の一部が載ったままになったり、ガイド部材からの反力によって残存物に大きな衝撃が加わったりすることを、抑えやすい。よって、上記のガイド方法は、フィルタープレス装置において残存物を排出する際に、残存物を円滑に下方に案内することができる。
〔17〕所定方向に移動する複数の濾板を備えるとともに側方に突出する突出部を備える濾板群と、前記所定方向に延びるとともに前記突出部を支持する支持部材と、を有し、前記複数の濾板が互いに接近しつつ前記所定方向に重なって配置された接近状態のときに前記濾板群の内部に構成される収容部内に固液混合体が注入され、前記複数の濾板が互いに離間した離間状態のときに前記収容部内に収容された前記固液混合体の残存物が排出されるフィルタープレス装置において、前記残存物の排出を案内するガイド方法であって、
ガイド部材を、前記濾板群の側方且つ前記突出部の上方側において前記突出部から離して配置し、
前記濾板群から前記残存物が前記ガイド部材に向かって排出された場合に、前記残存物を前記ガイド部材で受けて案内する
フィルタープレス装置における残存物のガイド方法。
上記〔17〕のガイド方法は、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出された場合に、ガイド部材に当たる位置であれば、ガイド部材によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材が突出部から離れて配置されるため、ガイド部材の表面部に残存物が当たった場合に、残存物に対して突出部に起因する反力が加わることを抑えることができる。このため、上記のガイド方法は、ガイド部材から上記残存物に大きな衝撃が加わることを、抑えやすい。よって、上記のガイド方法は、フィルタープレス装置において残存物を排出する際に、残存物を円滑に下方に案内することができる。
〔18〕所定方向に移動する複数の濾板を備えた濾板群を有し、前記複数の濾板が互いに接近しつつ前記所定方向に重なって配置された接近状態のときに前記濾板群の内部に構成される収容部内に固液混合体が注入され、前記複数の濾板が互いに離間した離間状態のときに前記収容部内に収容された前記固液混合体の残存物が排出されるフィルタープレス装置において、前記残存物の排出を案内するガイド方法であって、
前記残存物を受けるとともに前記濾板群を側方から覆う板材又はシート材からなる被覆部を有するガイド部材を前記濾板群の側方に配置し、
前記濾板群から前記残存物が前記ガイド部材に向かって排出された場合に、前記残存物を前記ガイド部材で受けて案内する
フィルタープレス装置における残存物のガイド方法。
上記〔18〕のガイド方法は、フィルタープレス装置の収容部から残存物が側方に排出された場合に、ガイド部材に当たる位置であれば、ガイド部材によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材は、残存物を受けるとともに濾板群を側方から覆う板材又はシート材からなる被覆部を有するため、板材又はシート材によって残存物を円滑に案内することができる。しかも、上記のガイド方法は、被覆部が濾板群を側方から覆うため、被覆部付近において液体などが濾板群側から側方へ飛散することを抑えやすい。
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に係るフィルタープレス装置用のガイド器具100、フィルタープレス装置1、及びガイド器具100を用いたガイド方法に関する。なお、以下の説明で参照される各図面は、技術的特徴を説明するために用いられるものであり、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
(フィルタープレス装置の概要)
次の説明は、フィルタープレス装置1の概要に関する。
図1、図10で示されるガイド器具100は、例えば、図11、図12のようなフィルタープレス装置1に用いられる。図11、図12で示されるフィルタープレス装置1は、固液混合体(例えば、汚泥、掘削土、セメントなどが水中にまざったスラリーなど)を脱水し、固液混合体を脱水した残余物を固めた物体(ケーキ)を排出し得る装置である。
図11~図5に示されるように、フィルタープレス装置1は、所定方向に移動する複数の濾板10を備えた濾板群5を有する。なお、以下の説明では、複数の濾板10が移動する方向(所定方向)が前後方向である。図5等で示される例では、複数の濾板10が接近状態となったとき(隣り合う濾板同士が接触する状態となったとき)の各濾板10の厚さ方向が前後方向とされている。図5等の例では、前後方向において、供給路62側(固液混合体が注入される側)が前側であり、それとは反対側が後ろ側である。更に、上記前後方向と直交する方向のうち、所定の第1方向が上下方向である。図6等で示される例では、矩形状(具体的には、正面視四角形状)に構成される濾板10において両側部が延びる方向(縦方向)が上下方向とされている。上下方向は、鉛直上下方向であることが望ましいが、鉛直上下方向に対して若干傾いた方向であってもよい。そして、上記前後方向及び上記上下方向と直交する方向が左右方向である。図6等で示される例では、矩形状に構成される濾板10の上端部及び下端部が延びる方向が左右方向である。
フィルタ―プレス装置1では、図5、図9のように複数の濾板10が互いに接近しつつ所定方向(前後方向)に重なって配置された接近状態のときに濾板群5の内部に構成される濾室40(収容部)内に固液混合体が注入される。そして、フィルタープレス装置1では、複数の濾板10が互いに離間した離間状態のときに濾室40(収容部)内に収容された固液混合体の残存物が排出される。
図3~図5等で示されるように、フィルタープレス装置1は、濾板構造3を用いており、この濾板構造3は、濾板10を直列に配置した構成をなす。濾板10は、中心部に貫通孔16が形成された板状の基板部11を覆うように濾布18を張った構成をなしている。フィルタープレス装置1は、濾板構造3を構成する複数の濾板10を互いに接近及び離間し得る接近離間装置(図3、図4では、詳細な図示は省略)を有している。フィルタープレス装置1は、固液混合体の供給時には、隣り合う濾板10を互いに密着させた積層状態(図1、図4、図9等参照)で、固液混合体(例えば、泥水等のスラリー)をポンプによって各濾板10の貫通孔16に流し込むように加圧圧入する。圧入された固液混合体は、内圧が高い状態で図4、図9等で示される濾室(濾過室)40内に溜まり、水分が濾布18の微少の隙間から排出される。そして、隣り合う濾板10の間(具体的には、隣り合う濾板10における濾布18の間)には、ポンプから供給された固液混合体から大量の水分を除去した残余物を固めた固形物(脱水ケーキ)が形成される。なお、濾布18の目を通って濾板10の内部に流入した水は、濾板10内の排水路28を通って濾板10の外部(下部)に排出されるようになっている。
(濾板構造)
次の説明は、濾板構造3の詳細に関する。
図9のように、濾板構造3は、複数の濾板10によって構成される構造である。各々の濾板10は、自身の板厚方向の一方面側及び他方面側に中央側凹部12及び周縁側凸部14がそれぞれ形成されている。
中央側凹部12は、貫通孔16の周辺において板厚方向に凹となる部分である。図9等では、各濾板10に形成された2つの中央側凹部12のうち、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の凹部を一方の中央側凹部12A(又は、単に中央側凹部12A)とし、他方面側(環状凹部34が形成された面側)の凹部を他方の中央側凹部12B(又は、単に中央側凹部12B)とする。図10、図11のように一方の中央側凹部12Aは、正面側から見て外径が矩形状の凹部となっている。図12、図13のように他方の中央側凹部12Bは、背面側から見て外径が矩形状の凹部となっている。
周縁側凸部14は、中央側凹部12を囲んで枠状に形成されるとともに板厚方向に凸となる形状をなし且つ少なくとも一部が中央側凹部12の周りに環状に配置される部分である。図10、図11のように一方面側(環状凸部24が形成された面側)の周縁側凸部14Aは、正面側から見て矩形状の枠部となっており、濾板10の周縁部に沿うように四角形状(具体的には正方形状)に配置される。図12、図13のように他方面側(環状凹部34が形成された面側)の周縁側凸部14Bは、正面から見て矩形状の枠部となっており、濾板10の周縁部に沿うように四角形状(具体的には正方形状)に配置される。
図10、図11のように、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の周縁側凸部14Aには、中央側凹部12Aの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置される第1押圧面22と、中央側凹部12Aの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置されるとともに第1押圧面22から突出した構成をなす環状凸部24と、が形成されている。
環状凸部24は、ゴム、ゴム以外のエラストマーなどの弾性材料によって構成されており、周縁側凸部14Aの第1押圧面22に形成された溝(中央側凹部12Aを囲むように形成された溝)内に嵌り込んだ構成で周縁側凸部14Aに固定されている。図9のように、環状凸部24は、当該環状凸部24が延びる方向と直交する平面方向に切断した断面の外形が外側に凸となるように湾曲した形状をなしている。また、環状凸部24は、内部に空隙部24Aが形成された中空状をなしている。空隙部24Aは、濾板10の厚さ方向において第1押圧面22の位置よりも外側(厚さ方向の中心よりも遠い側)に形成され、環状凸部24が延びる方向に沿って延びた構成且つ中央側凹部12の周りに環状に配置された構成となっている。
図12、図13のように、他方面側(環状凹部34が形成された面側)の周縁側凸部14Bには、中央側凹部12Bの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置される第2押圧面32と、中央側凹部12Bの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置されるとともに第2押圧面32から窪んだ構成をなす環状凹部34と、が形成されている。
図9~図13に示されるように、各々の濾板10において、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の中央側凹部12Aと他方面側(環状凹部34が形成された面側)の中央側凹部12Bとの間を板厚方向に貫通するように貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、濾板10の内部を通すように固液混合体を濾板10の厚さ方向に流動させる流路として機能する。
図9、図10のように、板厚方向一方面側において貫通孔16の外側の領域を覆うように濾布18が配置されており、図9、図12のように、板厚方向他方面側において貫通孔16の外側の領域を覆うように濾布18が配置されている。なお、図9では、第1押圧面22と第2押圧面32との間及び環状凸部24と環状凹部34との間に介在する2つの濾布18を省略して示している。図9、図10、図12では、濾布18のうち一方面側(環状凸部24が形成された面側)を覆うものを濾布18Aとし、他方面側(環状凹部34が形成された面側)のものを濾布18Bとしている。
図9、図10のように、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の濾布18Aは、後述する環状板部15Aに固定され、環状板部15Aの外側の領域において基板部11の周縁部に至るまで全体的に配置されている。図9、図12のように、他方面側(環状凹部34が形成された面側)の濾布18Bは、後述する環状板部15Bに固定され、環状板部15Bの外側の領域において基板部11の周縁部に至るまで全体的に配置されている。図9では、濾布18を二点鎖線にて概念的に示しており、図10、図12では、濾布18を模様の領域として概念的に示している。図9の例では、周縁側凸部14A,14Bに挟まれた部分にも濾布18A,18Bが存在するが、この部分の濾布18A,18Bの図示(二点鎖線の図示)は省略している。図9等の例では、各々の濾板10において、濾布18Aの周縁部と濾布18Bの周縁部とが連結されているが、各々の周縁部が連結されていなくてもよい。濾布18Aは、少なくとも、貫通孔16を外れた領域において中央側凹部12Aの内面を覆うように配置されていればよく、濾布18Aの被覆領域は図9、図10、図12等の構成に限定されない。
フィルタープレス装置1は、図4、図5、図9等で示される濾板構造3を、図7(A)、図9のように隣り合う濾板10が互いに密着する状態と、図7(B)のように隣り合う濾板10が離間する状態とに切り替え得る。なお、図7は、濾板構造3の一部及び一対のガイド部材102を上方側から見た構成を簡略的に示す図である。図7(A)は、隣り合う濾板10が互いに接触する状態を示す図である。図7(A)、図9は、固液混合体が濾板群5内に注入されるときの状態である。図7(B)は、濾板群5から残存物(脱水ケーキ)が排出されるときの状態である。
複数の濾板10は、図1、図4、図5のように厚さ方向が揃えられ(即ち、各々の濾板10の厚さ方向が同方向となるように揃えられ)且つ各々の濾板10における外周縁の位置(厚さ方向と直交する平面方向における外周縁の位置)が揃えられており、このように揃えられた状態で各濾板10がレールに沿って動くことにより、複数の濾板10において隣り合う濾板10が互いに接近及び離間し得るようになっている。複数の濾板10が移動する過程では、各濾板10の左右方向への移動は規制され、各濾板10の上下方向の移動も規制され、各濾板10は、例えば厚さ方向を前後方向とする姿勢を保ちながら移動し得る。
複数の濾板10は、図7(A)、図9のように、一の濾板10と他の濾板10とが密着するように重ねられたとき、図9のように一の濾板10の環状凸部24が他の濾板10の環状凹部34内に入り込んで当該環状凹部34内の内面を押圧し、一の濾板10の第1押圧面22と他の濾板10の第2押圧面32とが互いに押圧し合う構成をなす。図9の例では、一の濾板10の第1押圧面22と他の濾板10の第2押圧面32との間に2つの濾板10をそれぞれ覆う2つの濾布18A,18Bが介在し、この状態で、一の濾板10の第1押圧面22と他の濾板10の第2押圧面32とが押圧し合う。つまり、一の濾板10の第1押圧面22と他の濾板10の第2押圧面32とが、一の濾板10の濾布18A及び他の濾板10の濾布18Bを介して互いに押圧し合う。そして、環状凸部24と環状凹部34との間にも2つの濾板10をそれぞれ覆う2つの濾布18A,18Bが介在し、この状態(即ち、環状凸部24の外面と環状凹部34の内面との間に濾布18A,18Bが介在した状態)で、環状凸部24と環状凹部34とが押圧し合う。即ち、一の濾板10の環状凸部24が、一の濾板10の濾布18A及び他の濾板10の濾布18Bを介して環状凹部34内の内面を押圧する。
図4、図5、図9のように、固液混合体の投入の際には、濾板群5の各濾板10が隣り合う濾板10と密着した積層状態で、図4で示される第1注入装置60(例えば、ポンプを含んだスラリー供給装置)により貫通孔16を介して固液混合体が流し込まれる。すると、濾板群5に対して貫通孔16を介して圧入された固液混合体は、内圧が高い状態で図9等で示される濾室(濾過室)40内に溜まり、濾室40では、水分が濾布18の微少の隙間から基板部11側(即ち、濾布18の裏側)に排出される。そして、隣り合う濾板10の間(具体的には、隣り合う濾板10における濾布の間)には、残存物としての脱水ケーキが形成される。なお、脱水ケーキは、濾室40内に注入された固液混合体7からある程度の水分が除去された物体である。
図9のように、各々の濾板10には、基板部11が設けられる。基板部11は、板状に構成される。基板部11は、2つの中央側凹部12のうちの一方の中央側凹部12Aと2つの周縁側凸部14のうちの一方の周縁側凸部14Aとが一方の板面側(上述の一方面側)に形成されている。更に、基板部11は、2つの中央側凹部12のうちの他方の中央側凹部12Bと2つの周縁側凸部14のうちの他方の周縁側凸部14Bとが他方の板面側(上述の他方面側)に形成されている。そして、濾板10には、一方の中央側凹部12Aの内壁部を覆うように濾布18Aが設けられ、他方の中央側凹部12Bの内壁部を覆うように濾布18Bが設けられる。一方の中央側凹部12A及び他方の中央側凹部12Bにおいて濾布18の裏側には、濾板10の外部に通じる排水路28(一方の排水路28A及び他方の排水路28B)が設けられている。
濾板10の一方の中央側凹部12A及び他方の中央側凹部12Bの各々において、各々の深さ方向最深部側の内壁部(内面部)には、液体を自身の板厚方向に通過させる通水部を備えた排水板13(一方の排水板13A及び他方の排水板13B)がそれぞれ設けられている。排水板13A,13Bのいずれの通水部も、多数の孔部によって構成されていてもよく、溝や切欠きによって構成されていてもよい。排水板13A,13Bは、表面側で濾布18を支持している状態で表面側から裏面側に水が通過し得る構成であればよく、板状体に複数の貫通孔を多数形成したような構成であってもよく、網状の構成などであってもよい。
基板部11において各々の排水板13よりも板厚方向(濾板10の板厚方向)の内側には、各々の排水板13によって板厚方向の両側が覆われる板状体11Aが設けられている。そして、図9のように、一方の周縁側凸部14Aは、この板状体11Aの一方面側において板状体11Aの周縁部に沿って固定される矩形状の枠体となっている。また、他方の周縁側凸部14Bは、この板状体11Aの他方面側において板状体11Aの周縁部に沿って固定される矩形状の枠体となっている。一方の排水板13Aは、その周縁部が板状体11Aと周縁側凸部14Aを構成する枠体の内縁部との間に挟み込まれた形で固定される。一方の排水板13Bは、その周縁部が板状体11Aと周縁側凸部14Bを構成する枠体の内縁部との間に挟み込まれた形で固定される。
板状体11Aにおいて各々の排水板13(一方の排水板13A及び他方の排水板13B)の裏側の所定位置には、濾板10の外側に通じる排水路28A,28Bがそれぞれ構成されている。排水路28A,28Bはいずれも水を通す通水路として構成されている。
一方の中央側凹部12Aにおいて濾布18Aの裏側に形成された排水路28Aは、例えば、図9~図11のようになっている。図9~図11の例では、基板部11の一方面側の下端側(設置時における鉛直方向下端側)において、複数の排水路28Aが溝状に形成されており、各々の排水路28Aにおいて水が流れ得る構成となっている。複数の排水路28Aは、一方の端部(上端部)側が排水板13Aの裏側に位置し、排水板13Aの裏面の一部が各々の排水路28Aの内部空間に面している。排水板13Aにおいて排水路28Aの内部空間と連通する隙間は、当該隙間を通る水が排水路28Aに流れ込むような構成となっている。そして、各々の排水路28Aの他方の端部(下端部)側は濾板10の下端部まで達しており、各々の排水路28Aの内部空間が濾板10の外側の空間に連通している。なお、排水板13Aの裏面と板状体11Aの表面との間には空間が存在し、この空間が各々の排水路28Aに連通するようになっていることが望ましく、このように構成されていれば、排水板13Aの裏面側に流れ込んだ水分が各々の排水路28Aを介して濾板10の外側に流れやすくなる。
一方の中央側凹部12Bにおいて濾布18Bの裏側に形成された排水路28Bは、例えば、図9、図12、図13のようになっている。図9、図12、図13の例では、基板部11の一方面側の下端側(設置時における鉛直方向下端側)において、複数の排水路28Bが溝状に形成されており、各々の排水路28Bにおいて水が流れ得る構成となっている。複数の排水路28Bは、一方の端部(上端部)側が排水板13Bの裏側に位置し、排水板13Bの裏面の一部が各々の排水路28Bの内部空間に面している。排水板13Bにおいて排水路28Bの内部空間と連通する隙間は、当該隙間を通る水が排水路28Bに流れ込むような構成となっている。そして、各々の排水路28Bの他方の端部(下端部)側は濾板10の下端部まで達しており、各々の排水路28Bの内部空間が濾板10の外側の空間に連通している。なお、排水板13Bの裏面と板状体11Bの表面との間には空間が存在し、この空間が各々の排水路28Bに連通するようになっていることが望ましく、このように構成されていれば、排水板13Bの裏面側に流れ込んだ水分が各々の排水路28Bを介して濾板10の外側に流れやすくなる。
なお、図9~図13の例では、濾板10の下端部側に複数の排水路28を設けた構成を例示したが、濾布18を通って排水板13側に流れ込んだ水を濾板10の外部に排出し得る流路であればよい。
図9~図13のように、濾板10は、基板部11の一方の中央側凹部12A内及び他方の中央側凹部12B内にそれぞれ固定される一対の環状板部15A,15Bを有する。そして、環状板部15A,15Bには、濾板10の板厚方向に突出する貫通孔側突起部17A,17Bが形成されている。一方面側の環状板部15Aからは、一方面側の貫通孔側突起部17Aが複数突出しており、複数の貫通孔側突起部17Aは、図10、図11のように、貫通孔16の周囲において貫通孔16を囲むように配置されている。同様に、他方面側の環状板部15Bからは、他方面側の貫通孔側突起部17Bが複数突出しており、複数の貫通孔側突起部17Bは、図12、図13のように、貫通孔16の周囲において貫通孔16を囲むように配置されている。貫通孔16は、一対の環状板部15A,15Bのうちの一方の環状板部15A側から他方の環状板部15B側に連通する構成で形成されており、具体的には、一対の環状板部15A,15Bを連結する筒状部の内部が貫通孔16となっている。この構成では、図9のように、一の濾板10の一方面側と他の濾板10の他方面側とが押圧し合うように重ねられたとき、一の濾板10の一方面側の貫通孔側突起部17Aと他の濾板10の他方面側の貫通孔側突起部17Bとが互いに対向する構成となっている。図2のように一の濾板10の一方面側の貫通孔側突起部17Aと他の濾板10の他方面側の貫通孔側突起部17Bとが対向したとき、これら貫通孔側突起部17A,17Bの間隔(先端部の間隔)は、環状板部15A,15Bの板面間隔よりも小さくなっており、0であってもよい(即ち、対向する貫通孔側突起部17A,17Bが接触していてもよい)。なお、図2等の例では、対向する貫通孔側突起部17A,17Bの間には濾布18が介在しない。
一方の中央側凹部12A内及び他方の中央側凹部12B内には、各々の排水板13よりも板厚方向に突出する排水板側突起部19(一方の排水板側突起部19A及び他方の排水板側突起部19B)がそれぞれ形成されている。一方の排水板側突起部19Aは、排水板13A又は板状体11Aの少なくともいずれかに固定され、排水板13Aの表面よりも板厚方向(濾板10の板厚方向)に突出した構成をなす。排水板側突起部19Aは、自身の突出方向の先端側に近づくにつれて細くなる先細り形状をなしている。図10、図11の例では、このような構成をなす複数の排水板側突起部19Aが貫通孔16を囲むように配置されている。他方の排水板側突起部19Bは、排水板13B又は板状体11Aの少なくともいずれかに固定され、排水板13Bの表面よりも板厚方向(濾板10の板厚方向)に突出した構成をなす。排水板側突起部19Bは、自身の突出方向の先端側に近づくにつれて細くなる先細り形状をなしている。図12、図13の例では、このような構成をなす複数の排水板側突起部19Bが貫通孔16を囲むように配置されている。そして、図9のように一の濾板10の一方面側と他の濾板10の他方面側とが押圧し合うように重ねられたとき、一の濾板10の一方面側の各々の排水板側突起部19Aと他の濾板10の他方面側の各々の排水板側突起部19Bとが互いに対向する構成となっている。図9のように一の濾板10の一方面側の排水板側突起部19Aと他の濾板10の他方面側の排水板側突起部19Bとが対向したとき、これら排水板側突起部19A,19Bの間隔(先端部の間隔)は、互いに対向する排水板13A、13Bの間隔よりも小さくなっている。なお、図9等の例では、対向する排水板側突起部19A,19Bの間に濾布18A,18Bが介在しており、対向する排水板側突起部19A,19Bによって濾布18A,18Bが挟み込まれている。
図3~図5で示されるフィルタープレス装置1は、このような濾板構造3を有している。図4、図5のように、フィルタープレス装置1は、濾板構造3を構成する複数の濾板10を所定の姿勢(即ち、各々の濾板10の厚さ方向が同方向となる姿勢且つ各々の濾板10の外周縁の位置が揃えられた姿勢)で揃えた状態で、ガイドレール90(ガイドレール90A,90B)に沿って複数の濾板10を前後方向に移動させ得るようになっており、このような移動動作によって、複数の濾板10において隣り合う濾板が互いに接近及び離間し得るようになっている。
図10~図13では図示は省略されているが、図1、図2、図5、図6のように、各々の濾板10には、各々の濾板10における基板部11の左右両側部から側方に突出するように張り出す一対の突出部41,42が設けられている。これら一対の突出部41,42は、一対の被支持部として機能する。一対の突出部41,42は、それぞれがガイドレール90A,90B上に載置されつつ支持される。複数の濾板10では、一対の突出部41,42がガイドレール90A,90B上に載置されながら移動する。一対のガイドレール90A,90Bは、支持部材の一例に相当し、突出部41,42を支持するように機能する。各濾板10は、このような移動時に、図5、図6等で示される所定姿勢を保ちながら前後方向(各々の濾板10の板厚方向)に移動する。なお、フィルタープレス装置1は、図5、図6のような構成に加え、濾板10の姿勢を保つための追加機構が設けられていてもよい。
図4、図5のように、フィルタープレス装置1は、上述された濾板構造3に加え、保持装置50、第1注入装置60、第2注入装置70、供給路62、供給路72、第1切替部81、第2切替部82、などを備える。図4等では、第1注入装置60は、スラリー供給装置とも称され、第2注入装置70は、エア供給装置とも称される。供給路62は、第1注入装置60から濾板群5へ固液混合体7を供給する経路である、供給路72は、第2注入装置70から濾板群5へエアを供給する経路である。第1切替部81は、供給路62を第1注入装置60から濾板群5への固液混合体の供給が可能な状態(開放状態)と固液混合体の供給が不能な状態(遮断状態)とに切り替える装置である。第2切替部82は、供給路72を第2注入装置70から濾板群5へのエアの供給が可能な状態(開放状態)とエアの供給が不能な状態(遮断状態)とに切り替える装置である。なお、図4、図5では図示はされていないが、フィルタープレス装置1は、保持装置50、第1注入装置60、第2注入装置70、第1切替部81、第2切替部82の動作(動作タイミングや制御量など)を制御する制御装置(例えばコンピュータなどの情報処理装置)も備える。
保持装置50は、一対のガイドレール90(ガイドレール90A,90B)と、駆動装置54と、固定壁51,52とを備えてなり、これらが一体的に組み付けられた構成をなす。駆動装置54は、濾板群5の端部(固定壁52側の端部)の濾板10に作用する作用部54Cと、作用部54Cに連結される駆動軸54Bと、駆動軸54Bを所定方向(濾板群5の各濾板10の板厚保方向)に移動させる駆動部54Aとを備える。駆動部54Aが駆動軸54Bを介して作用部54Cを固定壁51側に移動させることで、複数の濾板10が所定姿勢を保ちながら固定壁51側に押し付けられ、図4、図5のように、濾板群5において隣り合う濾板間が互いに接触した状態となる。一方、駆動部54Aが駆動軸54Bを介して作用部54Cを固定壁52側に移動させることで、濾板群5において隣り合う濾板間が互いに離間した状態となる。例えば、複数の濾板10において隣り合う濾板間の最大間隔が所定間隔となるように間隔を規制する間隔規制部(図示略)が設けられていれば、作用部54Cが濾板群5の端部(固定壁52側の端部)の濾板10と係合又は保持しながらその濾板10を固定壁52側に移動させようと動作したときに、それぞれの濾板間において隣り合う濾板が離間するように各濾板が移動するようになる。なお、ここで説明される例はあくまで一例であり、複数の濾板10を所定姿勢(即ち、各々の濾板10の厚さ方向が同方向となる姿勢且つ各々の濾板10の外周縁の位置が揃えられた姿勢)で揃えつつ各々の濾板間を接近及び離間し得る構成であれば、保持装置は他の構成としてもよい。
このように、保持装置50は、作用部54Cを固定壁51側に移動させることにより、図4、図5のように、複数の濾板10を重ねた状態で配置しつつ、隣り合う濾板間において片方の濾板10の環状凸部24がもう片方の濾板10の環状凹部34内に入り込んで当該環状凹部34内を押圧し且つ片方の濾板10の第1押圧面22ともう片方の濾板10の第2押圧面32とが互いに押圧し合う保持状態(第1保持状態)で保持することができる。
第1注入装置60は、図示しない固液混合体収容部(例えば、スラリー収容槽など)から濾板群5側へ固液混合体を移送する移送装置であり、第1切替部81が開放状態となっており且つ供給路62が濾板群5の端部の貫通孔16に連通しているときに、供給路62を介して濾板群5の内部に固液混合体を注入し得る。第1注入装置60は、図4、図5のように保持装置50が濾板群5を第1保持状態で保持しているときに、濾板群5の一端部の濾板10の貫通孔16から複数の濾板10の内部に固液混合体7を注入するように動作する。第1切替部81は、濾板群5における一端部側での流体の流出入を停止する第1停止状態と、第1停止状態を解除する第1解除状態とに切り替わる装置である。第1切替部81は、供給路62(管路)を開放状態と遮断状態とに切り替える公知の電磁弁によって構成されている。第1切替部81の開放動作及び遮断動作は、例えば図示しない制御装置によって制御される。
第2注入装置70は、エア(空気)を圧送し得る公知のエア(空気)供給装置として構成されており、第2切替部82が開放状態となっており且つ供給路72が濾板群5の端部の貫通孔16に連通しているときに、供給路72を介して濾板群5の内部にエア(空気)を注入し得る。第2注入装置70は、図4、図5のように保持装置50が濾板群5を第1保持状態で保持しているときに、濾板群5における上記一端部とは反対側の他端部の貫通孔16から複数の濾板10の内部にエアを注入するように動作する。第2切替部82は、濾板群5における他端部側での流体の流出入を停止する第2停止状態と、第2停止状態を解除する第2解除状態とに切り替わる装置である。第2切替部82は、供給路72(管路)を開放状態と遮断状態とに切り替える公知の電磁弁によって構成されている。第2切替部82の開放動作及び遮断動作は、例えば図示しない制御装置によって制御される。
(注入動作及び排出動作)
フィルタープレス装置1では、固液混合体7を注入する前に、保持装置50が濾板群5を動作させ、濾板群5を上述の第1保持状態で保持する。第1保持状態では、図4、図5、図9のように、複数の濾板10の各々が、隣り合う濾板10と互いに密着した状態となる。フィルタープレス装置1では、図5、図9のように保持装置50が濾板群5を第1保持状態で保持しているときに、第2切替部82が第2停止状態(供給路72を遮断した状態)とされ且つ第1切替部81が第1解除状態(供給路62を開放した状態)とされ、このような状態で、第1注入装置60が濾板群5の内部に固液混合体7を注入するように固液混合体注入動作を行う。このような固液混合体注入動作により、濾板群5内に構成された各濾室40内には固液混合体7が充満し、固液混合体7に含有された水の一部は排水路28から排出される。なお、各装置の動作タイミングや動作時間等は図示しない制御装置によって制御される。
フィルタープレス装置1では、第1注入装置60が濾板群5に固液混合体7を注入した後、保持装置50が、図4、図5、図9のような第1保持状態を保ちつつ、第1切替部81が第1停止状態(供給路62を遮断した状態)に切り替えられ、第2切替部82が第2開放状態(供給路72を開放した状態)に切り替えられ、このような状態で、第2注入装置70が濾板群5の内部にエアを注入するようにエア注入動作を行う。このようなエア注入動作により、濾板群5内に構成された各濾室40内にはエアが供給され、エアの圧力により、濾室40内に残存する固液混合体7からの水の排出が促進される。具体的には、エア注入動作の際には、濾板群5の他端部の貫通孔16側から各々の濾板10の排水路28側へとエアが流され、濾板群5の内部に存在する固液混合体7の液体(水分)がエアと共に排水路28を介して濾板群5の外部に排出される。なお、各装置の動作タイミングや動作時間等は図示しない制御装置によって制御される。
フィルタープレス装置1は、固液混合体注入動作の後(具体的にはエア注入動作の後)に濾室40内に残存する残存物(脱水ケーキ)を排出する排出動作を行う。フィルタープレス装置1では、エア注入動作の後、保持装置50の駆動部54Aが駆動軸54Bを介して作用部54Cを前後方向他方側(固定壁52側)に移動させることで、濾板群5において隣り合う濾板間が互いに離間した状態となる。具体的には、排出動作の際には、保持装置50は、濾板群5の端部の濾板10から各濾板10を順番に前後方向他方側(駆動部54A側)に移動させる。この排出動作時には、保持装置50が各濾板10を順番に前後方向他方側に移動させる過程において、各濾板10の付近において図7(A)から図7(B)のように変化し、直近に前後方向他方側への移動を開始した濾板10とその濾板10の前後方向一方側に隣接する濾板10(次に前後方向他方側への移動が予定される濾板10)との間で残留物(脱水ケーキ7A)が下方に排出される。即ち、直近に移動し始めた濾板10が、静止状態で維持されている次の濾板10から離間した際に、それら2つの濾板10の間に保持されていた残留物(脱水ケーキ7A)が下方に落下する。保持装置50は、排出動作の際に、直近に前後方向他方側に移動し始めた濾板10と、次の濾板10(直近に前後方向他方側に移動し始めた濾板10の前後方向一方側に隣接する濾板10)との間隔が最大間隔になると、複数の濾板10に取り付けられた間隔規制部材が次の濾板10を前後方向他方側に移動させるように、各濾板10を順番に前後方向他方側に移動させる。
このような排出動作により、図7(B)のように隣り合う濾板間の距離を大きくして残存物(脱水ケーキ7A)を下方に落とすような排出動作を行うことができる。図7(A)(B)のように、隣り合う2つの濾板10,10が接近状態から離間状態に変化する過程では、各濾板10の左右方向への移動は規制され、各濾板10の上下方向の移動も規制され、各濾板10は、例えば板厚方向を前後方向とし且つ図6のように両側部10Aが延びる方向を上下方向とする姿勢を保ちながら移動し得る。なお、各濾板10が移動する過程では、各濾板10の若干の姿勢変化は許容されてもよい。各濾板10の側部10Aは、濾板群5の側部5Aを構成する。具体的には、複数の濾板10の一方側の側部10Aが前後に並んで配置され、濾板群5の一方側の側部5Aを構成する。同様に、複数の濾板10の他方側の側部10Aが前後に並んで配置され、濾板群5の他方側の側部5Aを構成する。
(ガイド器具)
次の説明は、第1実施形態に係るガイド器具100及びガイド方法に関する。
フィルタープレス装置1では、ガイド器具100を用いたガイド方法によって濾室40から排出される残存物(脱水ケーキ)をガイドすることができる。このガイド方法では、フィルタープレス装置1の本体部(フィルタープレス装置1の全体からガイド器具100を除いた部分)に対し、表面部が回転自在且つ揺動自在に設けられたガイド部材102を濾板群5の側方に配置する。具体的には、ガイド部材102を、濾板群5の側方且つ突出部42の上方側において突出部42から離して配置する。そして、上述の排出動作の際に、例えば、図8(B)のように、濾板群5から残存物がガイド部材102に向かって排出された場合に、この残存物をガイド部材102の表面部で受けつつ下方に落とすように案内する。残存物は、例えば上述の脱水ケーキ7Aである。
図1、図2等で示されるガイド器具100は、上述の排出動作の際に濾室40(収容部)から残存物(脱水ケーキ)が排出された場合において、残存物(脱水ケーキ)がガイド器具100に当たる程度に側方に排出された場合に、残存物がガイド器具100よりも更に側方に移動することを抑える器具である。図1のように、ガイド器具100は、主として、ガイド部材102と、ガイド部材102を保持する保持部130とを有する。
ガイド部材102は、濾室40(収容部)から残存物(脱水ケーキ)が側方に排出された場合に、この残存物を受ける部材であり、残存物の側方への移動を抑制するように案内するガイド具である。ガイド部材102は、少なくとも表面部が回転自在である。また、ガイド部材102は、少なくとも表面部が揺動自在である。ガイド部材102は、架設部110と筒部120とを有する。
図1、図5のように、架設部110は、所定方向(前後方向)の一方側から他方側に延びて架設される部分である。架設部110は、可撓性を有する可撓性部材からなる。可撓性部材は、索、紐、縄、綱、鎖など、どのような概念のものであってもよく、これらのうちの1種又は2種以上のものがまとめられた構成であってもよい。以下の代表例では、架設部110は、例えば、ワイヤーロープによって構成されている。
図5のように、各ガイド部材102の各架設部110は、濾板群5の前後方向一方側に配置された固定壁51と濾板群5の前後方向他方側に配置された固定壁52との間に架け渡されている。架設部110は、若干の撓みや若干の揺動が許容される。保持部130は、前後方向一方側の保持部131と前後方向他方側の保持部132とを有する。架設部110の一端は、濾板群5よりも前後方向一方側において保持部131によって所定の高さ且つ左右方向所定位置に固定されている。架設部110の他端は、濾板群5よりも前後方向他方側において保持部132によって所定の高さ且つ左右方向所定位置に固定されている。保持部131,132は、架設部110を固定壁51に固定し得る構成のものであればよい。保持部131,132は、ねじやボルト等の締結部材によって架設部110を固定壁51,52にそれぞれ固定する構成であってもよく、固定壁51に形成された係止部(凸部等)によって架設部110を固定壁51,52に引っ掛ける構成であってもよく、溶接などによって架設部110を固定壁51,52に接合する構成であってもよく、その他の方法で固定されていてもよい。架設部110は、筒部120の内部を通っている。
図1、図2のように、筒部120は、ガイド部材102の表面部を構成する部分である。具体的には、筒部120の外周部がガイド部材102の表面部である。図1、図2等の例では、各筒部120は、円筒として構成されている。筒部120の外面及び内面は、所定の中心軸を中心とする円筒面である。筒部120は、前後方向に沿って配置された状態で、架設部110の周りを回転し得る。このように、筒部120が架設部110の周りで回転自在とされるため、ガイド部材102の表面部が回転可能となっている。ガイド部材102は、複数の筒部120を有する。複数の筒部120は、いずれも前後方向に沿って配置される。具体的には、複数の筒部120は、いずれも濾板群5の側部5Aに沿って配置され、架設部110に沿って並ぶ。複数の筒部120における各々の筒部120は、隣り合う筒部120と端部を対向させた状態で並ぶ。各々の筒部120は、他の筒部120とは独立して回転し得る。各々の筒部120は、他の筒部120とは独立して揺動し得る。
図5のように、フィルタープレス装置1は、一対のガイドレール90A,90Bのそれぞれが、各々の濾板10の両側部10A,10Aに対向してそれぞれ配置されるとともに上記厚さ方向(前後方向)に沿って延びている。具体的には、ガイドレール90Aは、濾板群5の一方側の側部5Aに対向して配置されるとともに前後方向に沿って延び、ガイドレール90Bは、濾板群5の他方側の側部5Aに対向して配置されるとともに前後方向に沿って延びている。一対のガイドレール90A,90Bは、各濾板10の厚さ方向が前後方向に沿った向きとなるように複数の濾板10を並べた状態で、各濾板10の姿勢を所定姿勢(厚さ方向が前後方向となり、側部10Aが上下方向に沿った向きとなる姿勢)から大きく変化させないように保ちながら、各々の濾板10の移動方向が上記前後方向となるようにガイドする。具体的には、濾板群5を構成する各濾板10は、左右方向一方側に突出する突出部41と、左右方向他方側に突出する突出部42とを備えている。そして、各濾板10の各突出部41は、ガイドレール90A上に載置されている。各濾板10の各突出部42は、ガイドレール90B上に載置されている。ガイドレール90Aの上面(載置面)は、例えば上下方向と直交する平面方向の平坦面である。ガイドレール90Bの上面(載置面)は、例えば上下方向と直交する平面方向の平坦面である。各濾板10の各突出部41は、ガイドレール90Aの上面に載置され、当該上面に支持されながら当該上面に沿って移動する。各濾板10の各突出部42は、ガイドレール90Bの上面に載置され、当該上面に支持されながら当該上面に沿って移動する。
濾板群5の左右方向両側に配置される一対のガイド部材102,102は、それぞれが前後方向一方側から他方側に向かうように前後方向に沿って延びている。一対のガイド部材102,102は、それぞれが各々の濾板10における上下方向中央位置よりも上側の位置において各々の濾板10の両側部10A,10Aに対向してそれぞれ配置される。
図5、図6のように、濾板群5の左右方向一方側に配置されるガイド部材102は、各濾板10の左右方向一方側に突出する各突出部41の上方側において各突出部41から離れて配置される。従って、左右方向一方側に配置されるガイド部材102は、左右方向一方側に突出する各突出部41と上下に対向しつつ、これら突出部41に接触しない位置関係をなす。より具体的には、左右方向一方側に配置されるガイド部材102は、濾室40の上端よりも下位置に配置され、各突出部41よりも上位置に配置される。左右方向一方側のガイド部材102は、濾板群5の左右方向一方側の側部5Aに接触して配置されている。具体的には、左右方向一方側のガイド部材102は、左右方向一方側に設けられた複数の側部10Aに跨って配置され、各々の側部10Aにそれぞれ接触して配置されている。
図1、図2、図5、図6のように、濾板群5の左右方向他方側に配置されるガイド部材102は、各濾板10の左右方向他方側に突出する各突出部42の上方側において各突出部41から離れて配置される。従って、図1のように、左右方向他方側に配置されるガイド部材102は、左右方向他方側に突出する各突出部42と上下に対向しつつ、これら突出部42に接触しない位置関係をなす。より具体的には、左右方向他方側に配置されるガイド部材102は、濾室40の上端よりも下位置に配置され、各突出部42よりも上位置に配置される。左右方向他方側のガイド部材102は、濾板群5の左右方向他方側の側部5Aに接触して配置されている。具体的には、左右方向他方側のガイド部材102は、左右方向他方側に設けられた複数の側部10Aに跨って配置され、各々の側部10Aにそれぞれ接触して配置されている。
一対のガイド部材102,102はいずれも、一端側が濾板群5よりも所定方向(前後方向)の一方側の第1支持位置に支持され、他端側が濾板群5よりも所定方向(前後方向)の他方側の第2支持位置に支持されている。そして、一対のガイド部材102,102はいずれも、上記第1支持位置と上記第2支持位置との間で架け渡されている。第1支持位置は、一対の保持部131,131の各位置である。第2支持位置は、一対の保持部132,132の各位置である。具体的には、左右方向一方側のガイド部材102は、左右方向一方側の第1支持位置(左右方向一方側の保持部131の位置)と左右方向一方側の第2支持位置(左右方向一方側の保持部132の位置)との間で架け渡されている。同様に、左右方向他方側のガイド部材102は、左右方向他方側の第1支持位置(左右方向他方側の保持部131の位置)と左右方向他方側の第2支持位置(左右方向他方側の保持部132の位置)との間で架け渡されている。具体的には、左右方向一方側の架設部110は、左右方向一方側の第1支持位置(左右方向一方側の保持部131の位置)と左右方向一方側の第2支持位置(左右方向一方側の保持部131の位置)に架け渡されている。左右方向他方側の架設部110は、左右方向他方側の第1支持位置(左右方向他方側の保持部131の位置)と左右方向他方側の第2支持位置(左右方向他方側の保持部132の位置)に架け渡されている。一対のガイド部材102,102のいずれにおいても、各架設部110の一端(前端)が濾板群5よりも前側の位置において各保持部131固定され、各架設部110の他端が濾板群5よりも後ろ側の位置において各保持部132に固定されている。
フィルタープレス装置1は、上述の排出動作を行う場合、複数の濾板10が順番に移動することで、各濾板10が隣り合う濾板10と離間する。そして、2つの濾板10が互いに離間する際に、各濾板10が姿勢を大きく変えずに所定姿勢(各濾板10の側部10Aの向きを上下方向に沿った向きで維持する姿勢)を保ちながら離間すれば、残存物(脱水ケーキ)は姿勢を大きく変えずに落下しやすい。しかし、水分、摩擦、固化度合いなどの影響を受け、図8(B)のように残存物(脱水ケーキ7A)が傾きながら落下したり、側方に移動しながら落下することも想定される。しかし、排出される残存物(脱水ケーキ7A)が傾きながら横に外れるように落ちようとしても、図8(B)のように、ガイド部材102に当たる位置であれば、ガイド部材102によって残存物(脱水ケーキ)の傾斜及び横への移動を規制しながら下方に落とすことができる。このようなガイド部材102,102が存在しないと、図8(A)のように、ガイドレール90の上面部や側方に多量のケーキが落ちてしまう虞があるが、図8(A)のような構成によれば、このような問題が抑えられる。
(効果の例示)
次の説明は、本実施形態の効果の一例に関する。
図8(B)のように、ガイド器具100は、フィルタープレス装置1の収容部(濾室40)から残存物(脱水ケーキ7A)が側方に排出された場合に、ガイド部材102に当たる位置であれば、ガイド部材102によって残存物(脱水ケーキ7A)を受け、残存物(脱水ケーキ7A)がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材102の表面部が回転自在であるため、図8(B)のようにガイド部材102の表面部に残存物が当たった場合に表面部が回転しやすい。このため、ガイド器具100は、ガイド部材102上に残存物(脱水ケーキ7A)の一部が載ったままになったり、ガイド部材102からの反力によって残存物(脱水ケーキ7A)に大きな衝撃が加わったりすることを、抑えやすい。よって、ガイド器具100は、フィルタープレス装置1において残存物(脱水ケーキ7A)を排出する際に、残存物(脱水ケーキ7A)を円滑に下方に案内することができる。
ガイド器具100は、架設部110の周りで筒部120が回転しやすいため、フィルタープレス装置1の収容部(脱水ケーキ7A)から残存物(脱水ケーキ7A)が側方に排出され、この残存物(脱水ケーキ7A)が筒部120に当たった場合には、筒部120の回転によって残存物(脱水ケーキ7A)が円滑に下方に案内されやすい。
ガイド器具100は、複数の筒部120が架設部110に沿って並ぶ構成であるため、各々の筒部120の長さを低減しやすく、各々の筒部120がより回転しやすくなる。よって、フィルタープレス装置1の収容部(濾室40)から残存物(脱水ケーキ7A)が側方に排出され、この残存物(脱水ケーキ7A)がいずれかの筒部120に当たった場合には、この筒部120が一層回転しやすく、残存物(脱水ケーキ7A)がより円滑に下方に案内されやすい。
ガイド器具100は、架設部110が可撓性部材からなるため、架設部110が撓みやすい。よって、残存物(脱水ケーキ7A)がガイド部材102に当たった場合に、残存物(脱水ケーキ7A)に対する衝撃が緩和されやすい。
ガイド器具100は、ガイド部材102の表面部が揺動自在であるため、ガイド部材102の表面部に残存物が当たった場合に表面部において揺れ動きが生じやすい。このため、ガイド器具100は、ガイド部材102上に残存物(脱水ケーキ7A)の一部が載ったままになったり、ガイド部材102からの反力によって残存物(脱水ケーキ7A)に大きな衝撃が加わったりすることを、より一層抑えやすい。
ガイド器具100は、ガイド部材102が突出部42から離れて配置されるため、ガイド部材102の表面部に残存物(脱水ケーキ7A)が当たった場合に、残存物(脱水ケーキ7A)に対して突出部42に起因する反力が加わることを抑えることができる。
ガイド器具100は、ガイド部材102が濾板群5よりも所定方向(前後方向)一方側の第1支持位置と所定方向他方側の第2支持位置との間で架け渡される構成である。このため、ガイド部材102の表面部に残存物(脱水ケーキ7A)が当たった場合に表面部において揺れ動きが一層生じやすい。
ガイド器具100は、複数の濾板10の各々の側部10Aに対向するようにガイド部材102が配置されるため、濾板10の側部10Aよりも側方に残留物が排出された場合に、この残留物がガイド部材102に当たりやすい。
ガイド器具100は、濾板群5の側部5Aに対し、より近い位置にガイド部材102を配置することができるため、濾板群5の側部5Aから側方に排出されようとする残留物(脱水ケーキ7A)を、より濾板群5に近い位置で受けて下方側に案内しやすい。
<第2実施形態>
次の説明は、第2実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具200に関する。第2実施形態に関する説明では、主に、図14が参照される。第2実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具200に変更した点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第2実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
第2実施形態のフィルタープレス装置1では、ガイド器具200を用いたガイド方法によって濾室40から排出される残存物(脱水ケーキ)をガイドすることができる。このガイド方法では、フィルタープレス装置1の本体部(フィルタープレス装置1の全体からガイド器具200を除いた部分)に対し、表面部が回転自在且つ揺動自在に設けられたガイド部材202を濾板群5の側方に配置する。具体的には、ガイド部材202を、濾板群5の側方且つ突出部42の上方側において突出部42から離して配置する。そして、フィルタープレス装置1での排出動作の際に、濾板群5から残存物(脱水ケーキ)がガイド部材202に向かって排出された場合に、この残存物(脱水ケーキ)をガイド部材202の表面部で受けつつ下方に落とすように案内する。
図14のガイド器具200のガイド部材202は、複数のガイド部材202A,202Bによって構成される。複数のガイド部材202A,202Bは、濾板群5の一方(左右方向他方側)の側方において位置をずらして配置される。具体的には、2つのガイド部材202A,202Bは、左右方向に位置をずらして配置される。一方のガイド部材202Aは、第1実施形態における左右方向他方側のガイド器具100のガイド部材102と構成及び配置が同一である。他方のガイド部材202Bは、第1実施形態のガイド部材102と構成が同一であり、このガイド部材102とは配置が異なる。具体的には、他方のガイド部材202Bは、一方のガイド部材202Aよりも濾板群5の側部5Aから遠い位置に配置される。なお、図14の例では、一方のガイド部材202Aと他方のガイド部材202Bが同一の高さとなっていたが、互いに高さが異なっていてもよい。例えば、他方のガイド部材202Bのほうが高く配置され、ガイド部材202Bとガイド部材202Aとが、内側(濾板群5側)が下がるような段差状態となっていてもよい。このようになっていれば、両ガイド部材202A,202Bに接触するように残存物が当たった場合に、内側の下方に滑るように案内されやすい。
なお、図14の例では、濾板群5の左右方向他方側にガイド器具200が設けられているが、濾板群5の左右方向一方側に図14と同様のガイド器具200が設けられていてもよい。
<第3実施形態>
次の説明は、第3実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具300に関する。第3実施形態に関する説明では、主に、図15が参照される。第3実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具300に変更した点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第3実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
第3実施形態のフィルタープレス装置1では、ガイド器具300を用いたガイド方法によって濾室40から排出される残存物(脱水ケーキ)をガイドすることができる。このガイド方法では、フィルタープレス装置1の本体部(フィルタープレス装置1の全体からガイド器具300を除いた部分)に対し、表面部が回転自在且つ揺動自在に設けられたガイド部材302を濾板群5の側方に配置する。具体的には、ガイド部材302を、濾板群5の側方且つ突出部42の上方側において突出部42から離して配置する。そして、フィルタープレス装置1での排出動作の際に、濾板群5から残存物(脱水ケーキ)がガイド部材302に向かって排出された場合に、この残存物(脱水ケーキ)をガイド部材302の表面部で受けつつ下方に落とすように案内する。フィルタープレス装置1での排出動作は、第1実施形態と同様である。なお、排出動作時に残存物(脱水ケーキ)がガイド部材302側に向かわずにそのまま落下する場合には、ガイド部材302によるガイドは、なされなくてよい。
図15で示されるガイド器具300は、フィルタープレス装置1が行う上述の排出動作の際に濾室40(収容部)から残存物(脱水ケーキ)が排出された場合において、残存物(脱水ケーキ)がガイド器具300に当たる程度に側方に排出された場合に、残存物がガイド器具300よりも更に側方に移動することを抑える器具である。ガイド器具300は、主として、ガイド部材302と、ガイド部材302を保持する保持部とを有する。
ガイド部材302は、複数のガイド部材302A,302Bを有する。複数のガイド部材302A,302Bの各々は、第1実施形態に関して説明された上述のガイド部材102(図1等)と同一の構成をなす。一方のガイド部材302Bは、第1実施形態における左右方向他方側のガイド部材102(図1等)と構成及び配置が同一である。他方のガイド部材302Aは、上記の左右方向他方側のガイド部材102(図1等)と構成が同一であり、このガイド部材102とは配置が異なる。図15のガイド器具300は、複数のガイド部材302A,302Bが、濾板群5の一方(左右方向他方側)の側方において上下方向に位置をずらして配置される。他方のガイド部材302Aは、一方のガイド部材302Bよりも下位置であって且つ各突出部42よりも上位置に配置される。複数のガイド部材302A,302Bはいずれも、濾室40の上端よりも下位置に配置される。図15の例では、一方のガイド部材302Bは、複数の濾板10の各々の側部10Aに対向して配置され、複数の濾板10の各々の側部10Aにそれぞれ接触する構成で、濾板群5の側部5Aに接触して配置される。他方のガイド部材302Aも、複数の濾板10の各々の側部10Aに対向して配置され、複数の濾板10の各々の側部10Aにそれぞれ接触する構成で、濾板群5の側部5Aに接触して配置される。
ガイド部材302A,302Bは、濾室40(収容部)から残存物(脱水ケーキ)が側方に排出された場合に、この残存物を受ける部材であり、残存物の側方への移動を抑制するように案内するガイド具である。ガイド部材302A,302Bはいずれも、少なくとも表面部が回転自在である。また、ガイド部材302A,302Bはいずれも、少なくとも表面部が揺動自在である。そして、ガイド部材302A,302Bはいずれも、突出部42の上方側において突出部42から離れて配置される。
ガイド部材302Aは、一端側が濾板群5よりも所定方向(前後方向)の一方側の第1支持位置に支持され、他端側が濾板群5よりも所定方向(前後方向)の他方側の第2支持位置に支持され、第1支持位置と第2支持位置との間で架け渡されている。ガイド部材302Bも、一端側が濾板群5よりも所定方向(前後方向)の一方側の第1支持位置に支持され、他端側が濾板群5よりも所定方向(前後方向)の他方側の第2支持位置に支持され、第1支持位置と前記第2支持位置との間で架け渡されている。なお、ガイド部材302Aに着目した場合の第1支持位置とガイド部材302Bに着目した場合の第1支持位置は異なり、ガイド部材302Aに着目した場合の第2支持位置とガイド部材302Bに着目した場合の第2支持位置は異なる。
ガイド部材302A,302Bはいずれも、架設部110と筒部120とを有する。いずれの架設部110も、第1実施形態に係る上述のガイド部材102(図1等)の架設部110と同一の構成をなし、所定方向(前後方向)の一方側から他方側に延びて架設される可撓性部材からなる。ガイド部材302A,302Bのいずれの架設部110も、第1実施形態に係る保持部130(図5)と同様の構成によって固定壁51及び固定壁52に固定されている。ガイド部材302A,302Bのいずれの筒部120も、第1実施形態に係る上述の筒部120(図1等)と同一の構成をなす。ガイド部材302A,302Bのいずれにおいても、架設部110が筒部120の内部を通っており、筒部120は、架設部110の周りで回転自在とされる。ガイド部材302A,302Bの各々は、複数の筒部120を有しており、ガイド部材302A,302Bのいずれにおいても複数の筒部120が、架設部110に沿って並ぶ。
本実施形態では、少なくとも濾板群5の一方の側方において、複数のガイド部材302A,302Bが位置をずらして配置される。このような構成であるため、ガイド器具300は、残留物(脱水ケーキ)をより円滑に案内し得るガイド部材を実現しつつ、ガイド部材302A,302Bによって受けることができる範囲をより広くすることができる。より具体的には、ガイド部材302A,302Bが、上下に位置をずらして配置されているため、残留物(脱水ケーキ)を受けることができる上下の範囲をより広くすることができる。
なお、図15の例では、一方のガイド部材302Aと他方のガイド部材302Bとが左右方向において同じ位置になっていたが、左右方向の位置がずれていてもよい。
また、図15の例では、濾板群5に対して左右方向他方側にガイド器具300が設けられているが、濾板群5に対して左右方向一方側に図15の例と同様の構成をなすガイド器具300が設けられていてもよい。
<第4実施形態>
次の説明は、第4実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具400に関する。第4実施形態に関する説明では、主に、図16が参照される。第4実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具400に変更した点及び突出部42に凹部42Aを設けた点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第4実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
図16に開示されるガイド器具400は、第1実施形態に関して説明されたガイド部材102と同一のガイド部材102を有するが、第1実施形態とはガイド部材102の配置が異なっている。図16の例でも、ガイド部材102は、少なくとも表面部が回転自在とされている。具体的には、各筒部120が各突出部42上に載置されつつ各突出部42上で回転可能とされている。図16の例では、ガイド部材102が各濾板10の各突出部42上に載置されている。ガイド部材102の両端は、図5における保持部130(固定部)と同様の構成で固定壁51,52に固定されている。
<第5実施形態>
次の説明は、第5実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具500に関する。第5実施形態に関する説明では、主に、図17が参照される。第5実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具500に変更した点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。例えば、第5実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
第5実施形態のフィルタープレス装置1では、ガイド器具500を用いたガイド方法によって濾室40から排出される残存物(脱水ケーキ)をガイドすることができる。このガイド方法では、フィルタープレス装置1の本体部(フィルタープレス装置1の全体からガイド器具500を除いた部分)に対し、回転可能且つ揺動可能に設けられたガイド部材502を濾板群5の側方に配置する。具体的には、ガイド部材502を、濾板群5の側方且つ突出部42の上方側において突出部42から離して配置する。そして、フィルタープレス装置1での排出動作の際に、濾板群5から残存物(脱水ケーキ)がガイド部材502に向かって排出された場合に、この残存物(脱水ケーキ)をガイド部材502の表面部で受けつつ下方に落とすように案内する。フィルタープレス装置1での排出動作は、第1実施形態と同様である。なお、排出動作時に残存物(脱水ケーキ)がガイド部材502側に向かわずにそのまま落下する場合には、ガイド部材502によるガイドは、なされなくてよい。
図17の例では、ガイド部材502は、軸状且つ中実の棒状に構成された軸状部520を有する。軸状部520は、固定壁51,52(図5)に設けられた軸受に支持されつつ回転可能とされている。軸状部520は、固定壁51と固定壁52との間に架設されている。ガイド部材502を構成する軸状部520は、突出部42の上方側において突出部42から離れて配置される。ガイド部材502を構成する軸状部520は、若干の撓み変形(例えば弾性変形)が許容された構成をなし、少なくとも表面部が揺動自在である。ガイド部材502は、複数の濾板10の各々の側部10Aに対向して配置される。具体的には、ガイド部材502は、複数の濾板10の各々の側部10Aにそれぞれ接触する構成で、濾板群5の側部5Aに接触して配置される。
図17に基づく代表例では、ガイド部材502が回転自在(回転可能)とされていたが、ガイド部材502が回転自在でなくてもよい。例えば、ガイド部材502の両端部が固定壁51,52において回転不能に固定された状態でガイド部材502が固定壁51,52の間に架け渡されていてもよい。
図17に基づく代表例では、ガイド部材502が揺動自在とされていたが、ガイド部材502は、揺動自在でなくてもよい。例えば、軸状部520は、撓み変形不能または撓み変形が極めて小さい構成をなしていてもよい。
図17に基づく代表例では、軸状部520が中実状の構成をなしていたが、軸状部520は、中空状の筒部として構成されていてもよい。
<第6実施形態>
次の説明は、第6実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具600に関する。第6実施形態に関する説明では、主に、図18が参照される。第6実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具600に変更した点及び突出部42に凹部42Aを設けた点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第6実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
図18に開示されるガイド器具600は、第5実施形態に係るガイド部材502(図17)と同様のガイド部材602を有する。ガイド部材602を構成する軸状部620は、第5実施形態の軸状部520と同様の構成をなす。図18の例でも、ガイド部材602は、少なくとも表面部が回転自在とされている。但し、第6実施形態のガイド部材602は、第5実施形態のガイド部材502とは配置が異なっている。具体的には、ガイド部材602を構成する軸状部620が各突出部42上に載置されつつ各突出部42上で回転可能とされている。軸状部620の両端は、固定壁51,52において回転可能に保持されていてもよく、固定壁51,52に保持されない形態であってもよい。
図18に基づく代表例では、軸状部520が中実状の構成をなしていたが、軸状部520は、中空状の筒部として構成されていてもよい。
<第7実施形態>
次の説明は、第7実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具700に関する。第7実施形態に関する説明では、主に、図19、図20が参照される。第7実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具700に変更した点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第7実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
図19、図20のように、第7実施形態のフィルタープレス装置1も、第1実施形態と同様に、所定方向(前後方向)に移動する複数の濾板10を備えた濾板群5を有する。そして、第1実施形態と同様に、図4、図5のように、複数の濾板10が互いに接近しつつ所定方向(前後方向)に重なって配置された接近状態のときに濾板群5の内部に構成される濾室40(収容部)内に固液混合体が注入される。なお、フィルタープレス装置1の本体部においてなされる注入動作及び排出動作は、第1実施形態のフィルタープレス装置1の本体部においてなされる各動作と同様である。本実施形態のフィルタープレス装置1でも、複数の濾板10が互いに離間した離間状態のときに濾室40(収容部)内に収容された固液混合体の残存物(脱水ケーキ)が排出されるように動作する。
第7実施形態のフィルタープレス装置1に用いられるガイド器具700は、図9等で示される濾室40(収容部)から側方に排出された残存物(脱水ケーキ)を受けるガイド部材702を有する。図20のように、第7実施形態のフィルタープレス装置1は、左右方向両側にガイド器具700がそれぞれ配置される。ガイド部材702は、主として、第1ガイド部材702A及び第2ガイド部材702Bを備える。第1ガイド部材702A及び第2ガイド部材702Bは、濾板群5を側方から覆う被覆部として機能する。第1ガイド部材702Aはシート材740Aからなる。第2ガイド部材702Bはシート材740Bからなる。シート材740A及びシート材740Bはいずれも、突出部41,42よりも薄く構成され、撓み変形可能なシート材料によって構成されている。
第7実施形態のフィルタープレス装置1では、ガイド器具700を用いたガイド方法によって濾室40(図9等)から排出される残存物(脱水ケーキ)をガイドすることができる。このガイド方法では、フィルタープレス装置1の本体部(フィルタープレス装置1の全体からガイド器具700を除いた部分)に対し、ガイド部材702を濾板群5の側方に配置する。具体的には、第1ガイド部材702Aを、濾板群5の側方且つ突出部42の上方側において突出部42から離して配置する。なお、第1ガイド部材702Aの下端部は、突出部42に接触していてもよい。また、第2ガイド部材702Bを、濾板群5の側方且つ突出部42の下方側において突出部42から離して配置する。なお、第2ガイド部材702Bの上端部は、突出部42に接触していてもよい。そして、フィルタープレス装置1での排出動作の際に、濾板群5から残存物(脱水ケーキ)がガイド部材702に向かって排出された場合に、この残存物(脱水ケーキ)をガイド部材702の表面部(具体的には、濾板群5側のシート面)で受けつつ下方に落とすように案内する。フィルタープレス装置1での排出動作は、第1実施形態と同様である。なお、排出動作時に残存物(脱水ケーキ)がガイド部材702側に向かわずにそのまま落下する場合には、ガイド部材702によるガイドは、なされなくてよい。
第1ガイド部材702Aを構成するシート材740A及び第2ガイド部材702Bを構成するシート材740Bは、樹脂材料などからなる防水性シートを好適に用いることができる。なお、シート材740A及びシート材740Bは、シート状の構成であれば材料は限定されず、例えば、金属材料であってもよく、布などであってもよい。第1ガイド部材702Aを構成するシート材740A及び第2ガイド部材702Bを構成するシート材740Bはいずれも、両端部が固定壁51,52にそれぞれ固定され、固定壁51,52の間に架設されている。即ち、第1ガイド部材702A及び第2ガイド部材702Bはいずれも、濾板群5よりも前後方向一方側の第1支持位置と濾板群5よりも前後方向他方側の第2支持位置との間に架け渡されている。シート材740A及びシート材740Bの端部を固定壁51,52に固定するための方法は特に限定されない。シート材740A及びシート材740Bは、ねじやボルト等の締結部材によって固定壁51,52に固定されていてもよく、接着剤等の接着媒体によって固定壁51,52に接合されていてもよく、その他の方法で固定壁51,52に固定されていてもよい。
図20の例では、第1ガイド部材702A及び第2ガイド部材702Bは、濾板群5の側部5Aに接触して配置されている。具体的には、シート材740A及びシート材740Bの各々において、一方側のシート面が濾板群5の側部5Aに接触している。但し、この構成に限定されず、第1ガイド部材702A及び第2ガイド部材702Bの一方又は両方が濾板群5の側部5Aから少し離れて配置されていてもよい。図19のように、第1ガイド部材702Aの上端は、前後方向に沿って延びている。また、第1ガイド部材702Aの下端も、前後方向に沿って延びている。図20のように、第1ガイド部材702Aの上端は、濾室40(図9等)の上端よりも上位置にあることが望ましい。第1ガイド部材702Aの下端は、濾室40の上端よりも下位置にあることが望ましい。図19のように、第2ガイド部材702Bの上端は、前後方向に沿って延びている。また、第2ガイド部材702Bの下端も、前後方向に沿って延びている。第2ガイド部材702Bは、ガイドレール90と濾板群5の間に配置される。
第7実施形態に係るガイド器具700及びガイド器具700を用いたガイド方法によれば、フィルタープレス装置1の濾室40(収容部)から残存物(脱水ケーキ)が側方に排出された場合に、ガイド部材702に当たる位置であれば、ガイド部材702によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材702は、残存物(脱水ケーキ)を受けるとともに濾板群5を側方から覆うシート材からなる被覆部を有するため、シート材によって残存物を円滑に案内することができる。しかも、ガイド器具700は、シート材からなる被覆部が濾板群5を側方から覆うため、被覆部付近において液体などが濾板群5側から側方へ飛散することを抑えやすい。
<第8実施形態>
次の説明は、第8実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具800に関する。第8実施形態に関する説明では、主に、図21、図22が参照される。第8実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具800に変更した点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第8実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
図21、図22のように、第8実施形態のフィルタープレス装置1も、第1実施形態と同様に、所定方向(前後方向)に移動する複数の濾板10を備えた濾板群5を有する。そして、第1実施形態と同様に、図4、図5のように、複数の濾板10が互いに接近しつつ所定方向(前後方向)に重なって配置された接近状態のときに濾板群5の内部に構成される濾室40(収容部)内に固液混合体が注入される。なお、フィルタープレス装置1の本体部においてなされる注入動作及び排出動作は、第1実施形態のフィルタープレス装置1の本体部においてなされる各動作と同様である。本実施形態のフィルタープレス装置1でも、複数の濾板10が互いに離間した離間状態のときに濾室40(収容部)内に収容された固液混合体の残存物(脱水ケーキ)が排出されるように動作する。
第8実施形態のフィルタープレス装置1に用いられるガイド器具800は、図9等で示される濾室40(収容部)から側方に排出された残存物(脱水ケーキ)を受けるガイド部材802を有する。図22のように、第8実施形態のフィルタープレス装置1は、濾板群5の左右方向両側にガイド器具800がそれぞれ配置される。各ガイド部材802は、濾板群5を側方から覆う被覆部として機能する。各ガイド部材802は、所定の厚さの板材840からなる。図21、図22の例では、板材840は、板面が平坦である所定厚さの平板によって構成されている。
第8実施形態のフィルタープレス装置1では、ガイド器具800を用いたガイド方法によって濾室40(図9等)から排出される残存物(脱水ケーキ)をガイドすることができる。このガイド方法では、フィルタープレス装置1の本体部(フィルタープレス装置1の全体からガイド器具800を除いた部分)に対し、ガイド部材802を濾板群5の側方に配置する。具体的には、図22のように、左右方向一方側のガイド部材802を構成する板材840を、濾板群5の一方側の側方且つ突出部41の上方側において突出部41から離して配置する。そして、左右方向他方側のガイド部材802を構成する板材840を、濾板群5の他方側の側方且つ突出部42の上方側において突出部42から離して配置する。なお、両板材840は、少なくも一部が濾室40の上端よりも下位置に配置される。そして、フィルタープレス装置1での排出動作の際に、濾板群5から残存物(脱水ケーキ)が板材840に向かって排出された場合に、この残存物(脱水ケーキ)を板材840の表面部(具体的には、濾板群5側の板面)で受けつつ下方に落とすように案内する。フィルタープレス装置1での排出動作は、第1実施形態と同様である。なお、排出動作時に残存物(脱水ケーキ)がガイド部材802側に向かわずにそのまま落下する場合には、ガイド部材802によるガイドは、なされなくてよい。
ガイド部材802を構成する板材840は、樹脂材料などからなる防水性板材であってもよく、木材であってもよく、金属材料からなる板材であってもよい。板材840は、板状の構成であれば材料は限定されない。両板材840はいずれも、両端部が固定壁51,52(図5等)にそれぞれ固定され、固定壁51,52の間に架設されている。即ち、両板材840はいずれも、濾板群5よりも前後方向一方側の第1支持位置と濾板群5よりも前後方向他方側の第2支持位置との間に架け渡されている。板材840の端部を固定壁51,52に固定するための方法は特に限定されない。板材840は、ねじやボルト等の締結部材によって固定壁51,52に固定されていてもよく、接着剤等の接着媒体によって固定壁51,52に接合されていてもよく、その他の方法で固定壁51,52に固定されていてもよい。
図22の例では、各板材840は、濾板群5の側部5Aに接触して配置されている。具体的には、各板材840において、片側の板面が複数の濾板10の各側部10Aにそれぞれ接触している。但し、この構成に限定されず、各板材840が濾板群5の側部5Aから少し離れて配置されていてもよい。図21のように、板材840の上端及び下端は、前後方向に沿って延びている。板材840の上端は、濾室40(図9等)の上端よりも上位置にあることが望ましい。板材840の下端は、濾室40の上端よりも下位置にあることが望ましい。
第8実施形態に係るガイド器具800及びガイド器具800を用いたガイド方法によれば、フィルタープレス装置1の濾室40(収容部)から残存物(脱水ケーキ)が側方に排出された場合に、ガイド部材802に当たる位置であれば、ガイド部材802によって残存物を受け、残存物がそれ以上側方に移動することを抑えるように案内することができる。しかも、ガイド部材802は、残存物(脱水ケーキ)を受けるとともに濾板群5を側方から覆う板材840からなる被覆部を有するため、板材840の板面によって残存物を円滑に案内することができる。しかも、ガイド器具700は、板材840からなる被覆部が濾板群5を側方から覆うため、被覆部付近において液体などが濾板群5側から側方へ飛散することを抑えやすい。
<第9実施形態>
次の説明は、第9実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具900に関する。第9実施形態に関する説明では、主に、図23、図24が参照される。第9実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具900に変更した点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第9実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、適宜これらの図が参照される。
ガイド器具900は、ガイド部材902を有する。ガイド部材902は、板材940からなる被覆部を有する。板材940は、残存物(脱水ケーキ)を受けるとともに濾板群5を側方から覆う構成をなす。図24のように、第9実施形態のフィルタープレス装置1は、濾板群5の左右方向両側にガイド器具900がそれぞれ配置される。各ガイド部材902は、濾板群5を側方から覆う被覆部として機能する。各ガイド部材902は、所定の厚さの板材940からなる。図23、図24の例では、板材940は、板面が平坦である所定厚さの平板によって構成されている。左右方向一方側のガイド部材902を構成する板材940は、左右方向一方側の突出部41の上方側において突出部41から離れて配置される。左右方向他方側のガイド部材902を構成する板材940は、左右方向他方側の突出部42の上方側において突出部42から離れて配置される。各板材940は、一部が濾板群5の側部5Aに接触して配置されていてもよく、少し離れて配置されていてもよい。
各板材940は、板面が平坦な平板であるが、上下方向に対して傾斜して配置されている。各板材940の上端部は前後方向に沿って延び、各板材940の下端部は前後方向に沿って延びている。各板材940における濾板群5側の板面は、前後方向に沿って延び、上下方向に対して傾斜した傾斜面とされている。各板材940における濾板群5側の板面は、上方側となるにつれて濾板群5から離れるように傾斜して配置される。
<第10実施形態>
次の説明は、第10実施形態に係るフィルタープレス装置1及びガイド器具1000に関する。第10実施形態に関する説明では、主に、図23、図24が参照される。第9実施形態のフィルタープレス装置1は、ガイド器具100をガイド器具800に変更した点のみが第1実施形態のフィルタープレス装置1と異なり、その他の点(構成、動作、その他の内容等)は、第1実施形態のフィルタープレス装置1と同一である。第8実施形態に係るフィルタープレス装置1においてガイド器具100以外の構成は、図3~図13に示されるフィルタープレス装置1と同一である。よって、ガイド器具100以外は、適宜これらの図を参照する。
ガイド器具1000は、ガイド部材1002を有する。ガイド部材1002は、板材1040からなる被覆部を有する。板材1040は、残存物(脱水ケーキ)を受けるとともに濾板群5を側方から覆う構成をなす。図26のように、第10実施形態のフィルタープレス装置1は、濾板群5の左右方向両側にガイド器具1000がそれぞれ配置される。各ガイド部材1002は、濾板群5を側方から覆う被覆部として機能する。各ガイド部材1002は、所定の厚さの板材1040からなる。図23、図24の例では、板材1040は、板面が曲面である所定厚さの湾曲板によって構成されている。左右方向一方側のガイド部材1002を構成する板材1040は、左右方向一方側の突出部41の上方側において突出部41から離れて配置される。左右方向他方側のガイド部材1002を構成する板材1040は、左右方向他方側の突出部42の上方側において突出部42から離れて配置される。各板材1040は、一部が濾板群5の側部5Aに接触して配置されていてもよく、少し離れて配置されていてもよい。
各板材1040は、板面が湾曲した板であるが、上下方向に対して傾斜して配置されている。各板材1040の上端部は前後方向に沿って延び、各板材1040の下端部は前後方向に沿って延びている。各板材1040における濾板群5側の板面(湾曲面)は、前後方向に沿って延び、上下方向に対して傾斜した傾斜面とされている。各板材1040における濾板群5側の板面は、上方側となるにつれて濾板群5から離れるように傾斜且つ湾曲して配置される。
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組合せが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更されてもよい。
上述の実施形態では、固液混合体の一例を説明したが、固液混合体は、上述した例以外のもので、少なくとも液体と固体(例えば、粉粒体、粉体、粒体の少なくともいずれか)とが混合したものであってもよい。
上述した実施形態では、濾板10は、正面視四角形状の構成であったが、濾板の形状は正面視四角形状のものに限定されない。濾板の外縁の形状は、四角形以外の多角形状であってもよく、一部又は全部が湾曲した外縁をなす構成であってもよく、その他の構成であってもよい。
上述した実施形態では、濾板群5は、同様の構成をなす複数の濾板10が並ぶ構成のものであったが、濾板群5の内部に濾室が構成される構成のものであればよい。例えば、フィルタープレス装置は、2種類以上の濾板を備えたものであってもよく、濾板間に枠体が介在する構成のものであってもよい。
上述した実施形態では、濾板構造3において環状凸部24と環状凹部34とが設けられ、複数の濾板10が密着したときに環状凹部34内に環状凸部24が入り込む構成であったが、この構成に限定されない。例えば、環状凸部24の位置が第1押圧面22と同様の平坦面であってもよい。即ち、環状凸部24が存在せずに環状凸部24の位置まで第1押圧面22が及んでいてもよい。同様に、環状凹部34の位置が第2押圧面32と同様の平坦面であってもよい。即ち、環状凹部34が存在せずに環状凹部34の位置まで第2押圧面32が及んでいてもよい。
上述した実施形態では、濾板構造3を構成する各濾板10において環状凸部24と環状凹部34とが設けられていたが、環状凸部24の部分が、第1押圧面22よりも突出する凸部と第1押圧面22よりも凹む凹部を備えた第1環状凹凸部として構成されていてもよく、環状凹部34の部分が、第2押圧面32よりも突出する凸部と第2押圧面32よりも凹む凹部を備えた第2環状凹凸部として構成されていてもよい。例えば、第1環状凹凸部は、中央側凹部12Aの周りに環状に配置され、周方向において凹部と凸部が交互に配される構成であってもよい。同様に、第2環状凹凸部は、中央側凹部12Bの周りに環状に配置され、周方向において凹部と凸部が交互に配される構成であってもよい。そして、この場合の濾板構造は、隣り合う濾板10が密着する際に、第1環状凹凸部の凸部が第2環状凹凸部の凹部内に入り込みつつ当該凹部を押圧し、第2環状凹凸部の凸部が第1環状凹凸部の凹部内に入り込みつつ当該凹部を押圧するような密封構造を有していてもよい。
第1実施形態等では、ガイド部材の表面部が回転自在且つ揺動自在である構成を例示したが、表面部が揺動せずに回転のみが可能な構成であってもよい。或いは、表面部が回転せずに揺動のみが可能な構成であってもよい。
いずれの実施形態においても、固定壁51と固定壁52の間でガイド部材を支えるように支持する中間支持部が設けられていてもよい。
図14、図15の構成は、回転可能且つ揺動可能であったが、いずれか一つ又は全部が回転不能であってもよく、いずれか一つ又は全部が揺動不能であってもよい。図14、図15の構成では、2つのガイド部材が前後方向に沿って延びていたが、3以上のガイド部材が前後方向に沿って延びていてもよい。
第1実施形態等では、筒部120が円筒である例を示したが、筒部120を用いるいずれの構成においても、筒部は円筒でなくてもよい。例えば、筒部120が、断面多角形状の角筒であってもよい。
第1実施形態等では、複数の筒部120が並んだ例を示したが、筒部120を用いるいずれの構成においても、ガイド部材を構成する筒部が1つの筒部のみによって構成されていてもよい。
第1実施形態等では、架設部110と筒部120とを備えた構成を例示したが、架設部110を用いるいずれの構成においても、筒部120が設けられずに、揺動可能な架設部110のみが設けられていてもよい。
図19等ではシート材が上下方向に沿って設けられた構成を例示したが、シート材を設けるいずれの構成においても、シート材が上下方向に対して傾斜して設けられていてもよい。例えば、濾板群5側の表面(シート面)が上方側となるにつれて濾板群5の側部5Aから離れるように傾斜した配置であってもよい。
ガイド部材としてシート材を用いるいずれの構成においても、シート材は、孔が形成されたものであってもよく、網状の構成であってもよい。
ガイド部材として板材を用いるいずれの構成においても、板材は孔が形成された構成であってもよく、網状の構成であってもよい。
上述した実施形態における異なる種類のガイド部材が併用されてもよい。ガイド部材を併用する場合、どのような組み合わせで併用されてもよい。例えば、図27で例示されるガイド器具1100は、第1実施形態のガイド部材102(図1等)と第8実施形態のガイド部材802が濾板群5の側方において上下に並ぶ構成で併用され、表面部が回転可能なガイド部材と板状又はシート状のガイド部材とが併用される構成をなす。
第1実施形態等では、ガイド部材102が突出部41,42の上方側に配置された例を示したが、図28に示されるガイド器具1200のように、ガイド部材1202が突出部42の下方側に配置されてもよい。ガイド部材1202は、配置以外はガイド部材102(図1等)と同一の構成をなす。
第5実施形態等では、ガイド部材502が突出部41,42の上方側に配置された例を示したが、図29に示されるガイド器具1300のように、ガイド部材1302が突出部42の下方側に配置されてもよい。ガイド部材1302は、配置以外はガイド部材502(図17等)と同一の構成をなす。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。