JP6399377B1 - フィルタープレス装置の濾板構造及びフィルタープレス装置 - Google Patents
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Abstract
Description
板厚方向に凹となる中央側凹部と、前記中央側凹部を囲んで枠状に形成されるとともに前記板厚方向に凸となる形状をなし且つ前記中央側凹部の周りに環状に配置される周縁側凸部とが、前記板厚方向の一方面側及び他方面側にそれぞれ形成された濾板を複数備える濾板構造であって。
各々の前記濾板において、
前記一方面側の前記中央側凹部と前記他方面側の前記中央側凹部との間を前記板厚方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記一方面側の前記周縁側凸部には、前記中央側凹部の周りに環状に配置される第1押圧面と、前記中央側凹部の周りに環状に配置されるとともに前記第1押圧面から突出した構成をなす環状凸部と、が形成され、
前記他方面側の前記周縁側凸部には、前記中央側凹部の周りに環状に配置される第2押圧面と、前記中央側凹部の周りに環状に配置されるとともに前記第2押圧面から窪んだ構成をなす環状凹部と、が形成されており、
複数の前記濾板のうちの一の濾板と他の濾板とが重ねられたとき、前記一の濾板の前記環状凸部が前記他の濾板の前記環状凹部内に入り込んで当該環状凹部内を押圧し、前記一の濾板の前記第1押圧面と前記他の濾板の前記第2押圧面とが互いに押圧し合う構成をなす。
このようにすれば、環状凸部が環状凹部内に入り込んで押圧する際に、環状凸部が環状凹部付近の形状に合わせて変形しやすくなり、環状凸部と環状凹部との間での密着性をより高めることができる。
このようにすれば、環状凸部がより一層弾性変形しやすくなり、環状凸部と環状凹部との間での密着性をより一層高めやすくなる。
そして、保持装置が第1保持状態で保持しているときに、第2切替部が第2停止状態に切り替えた状態で第1注入装置が濾板群の内部に固液混合体を注入し、第1注入装置による固液混合体の注入後、保持装置が第1保持状態で保持されているときに、第1切替部が第1停止状態に切り替えた状態で第2注入装置が濾板群の内部にエアを注入することで、他端部の貫通孔側から各々の濾板の排水路側へとエアを流し、濾板群の内部に存在する固液混合体の液体をエアと共に排水路を介して濾板群の外部に排出するようになっていてもよい。
このようにすれば、固液混合体を高圧で注入することによる排水路からの排水だけでなく、固液混合体の内部にエアを通すことによる強制的な排水効果も加味され、より含水率の低いケーキを形成することができる。このように固液混合体の内部にエアを通す場合、極めて高圧でエアを供給する必要があるため、隣り合う濾板間の周縁部付近のパッキン効果が弱いと、隣り合う濾板間の周縁部からエアとともに固液混合体が漏れてしまう虞がある。しかし、本構成では、「隣り合う濾板間において片方の濾板の環状凸部がもう片方の濾板の環状凹部内に入り込んでパッキン効果を高める」という特徴と、「濾板群の内部に存在する固液混合体の液体をエアと共に排水路を介して濾板群の外部に排出する」という特徴が相乗効果を発揮し、濾板の周縁部からのエア及び固液混合体の漏れを抑えながら、より含水率を抑えたケーキを形成することができる。
このように、各々の濾板の両側部に対向するように一対の規制部がそれぞれ配置され、各々の濾板の厚さ方向(各々の濾板の移動方向)に延びるように一対の規制部がそれぞれ設けられ、それら規制部が各々の濾板における上下方向中央位置よりも上側の位置に設けられていれば、複数の濾板を接触状態にして固液混合体を注入した後、隣り合う濾板間の距離を大きくしてケーキを下方に落とすような排出動作を行うときに、排出されるケーキが傾きながら横に外れるように落ちようとしても、一対の規制部によってケーキの傾斜及び横への移動を規制しながら下方に落とすことができる。
また、本発明の一つであるフィルタープレス装置によっても、同様の効果を得ることができる。
以下、本発明に係るフィルタープレス装置の濾板構造及びフィルタープレス装置の各一例を具現化した第1実施形態について、図面に基づいて説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下に記載されている装置の構造などは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
まず、フィルタープレス装置1の概要を説明する。
図1で示す濾板構造3は、例えば、図9のようなフィルタープレス装置1に用いられる。図9で示すフィルタープレス装置1は、固液混合体(例えば、汚泥、掘削土、セメントなどが水中にまざったスラリーなど)を脱水し、固液混合体を脱水した残余物を固めた物体(ケーキ)を排出し得る装置である。
次に、濾板構造3を詳述する。
図1のように、濾板構造3は、複数の濾板10によって構成される構造である。各々の濾板10は、自身の板厚方向の一方面側及び他方面側に中央側凹部12及び周縁側凸部14がそれぞれ形成されている。
基板部11において各々の排水板13よりも板厚方向(濾板10の板厚方向)の内側には、各々の排水板13によって板厚方向の両側が覆われる板状体11Aが設けられている。そして、図1、図4のように、一方の周縁側凸部14Aは、この板状体11Aの一方面側において板状体11Aの周縁部に沿って固定される矩形状の枠体となっている。また、他方の周縁側凸部14Bは、この板状体11Aの他方面側において板状体11Aの周縁部に沿って固定される矩形状の枠体となっている。一方の排水板13Aは、その周縁部が板状体11Aと周縁側凸部14Aを構成する枠体の内縁部との間に挟み込まれた形で固定される。一方の排水板13Bは、その周縁部が板状体11Aと周縁側凸部14Bを構成する枠体の内縁部との間に挟み込まれた形で固定される。
次に、本構成の効果を例示する。
上述した濾板構造3では、図2のように、一の濾板10と他の濾板10とが重ねられたとき、一の濾板10の環状凸部24が他の濾板10の環状凹部34内に入り込んで当該環状凹部34内を押圧し、一の濾板10の第1押圧面22と他の濾板10の第2押圧面32とが互いに押圧し合うようになっている。このような構成であるため、両濾板10を密着させて濾室40(一の濾板10の中央側凹部12及び他の濾板10の中央側凹部12によって構成される固液混合体の流入領域)を構成したときに、より強固な密着性を確保し得る領域を、濾室40を構成する部分を取り囲むように環状に配置することができる。
このように構成されていれば、濾板群5が第1保持状態で保持されているとき(隣り合う濾板間において片方の濾板10の環状凸部24がもう片方の濾板10の環状凹部34内に入り込んでパッキン効果が高められているとき)に固液混合体7を注入して濾板間でケーキを形成する動作を行うことができることに加え、濾板群5が第1保持状態で保持されているときにエアを注入して濾板群5の内部にエアを流動させる動作を行うことも可能となる。隣り合う濾板間において片方の濾板10の環状凸部24がもう片方の濾板10の環状凹部34内に入り込んでパッキン効果が高められていれば、濾板群5の内部でエアを流動させるときに、各濾板10の周縁部の所定位置(上述したパッキン効果が得られる位置)からエアが漏れることを確実に抑えることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施例の特徴や後述する実施例の特徴は矛盾しない範囲で様々に組み合わせることが可能である。
3…濾板構造
5…濾板群
7…固液混合体
10…濾板
11…基板部
11A…板状体
12…中央側凹部
13…排水板
14…周縁側凸部
15…環状板部
16…貫通孔
17…貫通孔側突起部
18…濾布
19…排水板側突起部
22…第1押圧面
24…環状凸部
24A…空隙部
28…排水路
32…第2押圧面
34…環状凹部
50…保持装置
60…第1注入装置
70…第2注入装置
81…第1切替部
82…第2切替部
90…ガイドレール
94…規制部
Claims (12)
- 板厚方向に凹となる中央側凹部と、前記中央側凹部を囲んで枠状に形成されるとともに前記板厚方向に凸となる形状をなし且つ前記中央側凹部の周りに環状に配置される周縁側凸部とが、前記板厚方向の一方面側及び他方面側にそれぞれ形成された濾板を複数備えた濾板構造であって、
各々の前記濾板において、
前記一方面側の前記中央側凹部と前記他方面側の前記中央側凹部との間を前記板厚方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記一方面側の前記周縁側凸部には、前記中央側凹部の周りに環状に配置される第1押圧面と、前記中央側凹部の周りに環状に配置されるとともに前記第1押圧面から突出した構成をなす環状凸部と、が形成され、
前記他方面側の前記周縁側凸部には、前記中央側凹部の周りに環状に配置される第2押圧面と、前記中央側凹部の周りに環状に配置されるとともに前記第2押圧面から窪んだ構成をなす環状凹部と、が形成されており、
複数の前記濾板のうちの一の濾板と他の濾板とが重ねられたとき、前記一の濾板の前記環状凸部が前記他の濾板の前記環状凹部内に入り込んで当該環状凹部内を押圧し、前記一の濾板の前記第1押圧面と前記他の濾板の前記第2押圧面とが互いに押圧し合う
フィルタープレス装置の濾板構造。 - 前記環状凸部が弾性材料によって構成されている請求項1に記載のフィルタープレス装置の濾板構造。
- 前記環状凸部は、内部に空隙部が形成された中空状をなし、
前記空隙部は、前記環状凸部が延びる方向に沿って延びており、前記中央側凹部の周りに環状に配置される
請求項1又は請求項2に記載のフィルタープレス装置の濾板構造。 - 前記濾板は、
板状に構成されるとともに、2つの前記中央側凹部のうちの一方の中央側凹部と2つの前記周縁側凸部のうちの一方の周縁側凸部とが一方の板面側に形成され、2つの前記中央側凹部のうちの他方の中央側凹部と2つの前記周縁側凸部のうちの他方の周縁側凸部とが他方の板面側に形成された基板部と、
前記基板部の前記一方の中央側凹部内及び前記他方の中央側凹部内にそれぞれ固定される一対の環状板部と、
を有し、
前記環状板部には、前記板厚方向に突出する貫通孔側突起部が形成され、
前記一対の環状板部のうちの一方の環状板部側から他方の環状板部側に連通する構成で前記貫通孔が形成され、
前記一の濾板の前記一方面側と前記他の濾板の前記他方面側とが押圧し合うように重ねられたとき、前記一の濾板の前記一方面側の前記貫通孔側突起部と前記他の濾板の前記他方面側の前記貫通孔側突起部とが互いに対向する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置の濾板構造。 - 前記濾板は、板状に構成されるとともに、2つの前記中央側凹部のうちの一方の中央側凹部と2つの前記周縁側凸部のうちの一方の周縁側凸部とが一方の板面側に形成され、2つの前記中央側凹部のうちの他方の中央側凹部と2つの前記周縁側凸部のうちの他方の周縁側凸部とが他方の板面側に形成された基板部を有し、
前記基板部は、
前記一方の中央側凹部及び前記他方の中央側凹部の各々において各々の深さ方向最深部側に、液体を板厚方向に通過させる通水部が形成された排水板がそれぞれ設けられ、
前記排水板の裏面側から前記濾板の外部に連通する排水路が形成されている
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置の濾板構造。 - 前記一方の中央側凹部内及び前記他方の中央側凹部内には、各々の前記排水板よりも前記板厚方向に突出する排水板側突起部がそれぞれ形成されており、
前記一の濾板の前記一方面側と前記他の濾板の前記他方面側とが押圧し合うように重ねられたとき、前記一の濾板の前記一方面側の前記排水板側突起部と前記他の濾板の前記他方面側の前記排水板側突起部とが互いに対向する
請求項5に記載のフィルタープレス装置の濾板構造。 - 前記排水板側突起部は、先端側に近づくにつれて細くなる先細り形状をなす
請求項6に記載のフィルタープレス装置の濾板構造。 - 前記一方の中央側凹部内及び前記他方の中央側凹部内のそれぞれにおいて、前記排水板及び前記排水板側突起部を覆うように濾布が設けられている
請求項6又は請求項7に記載のフィルタープレス装置の濾板構造。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置の濾板構造を有するフィルタープレス装置。
- 複数の前記濾板を重ねた状態で配置しつつ、隣り合う濾板間において片方の濾板の前記環状凸部がもう片方の濾板の前記環状凹部内に入り込んで当該環状凹部内を押圧し且つ前記片方の濾板の前記第1押圧面と前記もう片方の濾板の前記第2押圧面とが互いに押圧し合う第1保持状態で保持する保持装置と、
前記保持装置によって複数の前記濾板からなる濾板群が前記第1保持状態で保持されているときに、前記濾板群の一端部の前記濾板の前記貫通孔から前記濾板群の内部に固液混合体を注入する第1注入装置と、
前記濾板群が前記第1保持状態で保持されているときに、前記濾板群における前記一端部又は前記一端部とは反対側の他端部の前記貫通孔から前記濾板群の内部にエアを注入する第2注入装置と、
を有する請求項9に記載のフィルタープレス装置。 - 請求項5から請求項8のいづれか一項に記載のフィルタープレス装置の濾板構造と、
複数の前記濾板を重ねた状態で配置しつつ、隣り合う濾板間において片方の濾板の前記環状凸部がもう片方の濾板の前記環状凹部内に入り込んで当該環状凹部内を押圧し且つ前記片方の濾板の前記第1押圧面と前記もう片方の濾板の前記第2押圧面とが互いに押圧し合う第1保持状態で保持する保持装置と、
複数の前記濾板からなる濾板群の一端部の前記濾板の前記貫通孔から前記濾板群の内部に固液混合体を注入する第1注入装置と、
前記濾板群における前記一端部側での流体の流出入を停止する第1停止状態と、前記第1停止状態を解除する第1解除状態とに切り替える第1切替部と、
前記濾板群における前記一端部とは反対の他端部の前記貫通孔から前記濾板群の内部にエアを注入する第2注入装置と、
前記濾板群における前記他端部側での流体の流出入を停止する第2停止状態と、前記第2停止状態を解除する第2解除状態とに切り替える第2切替部と、
を有し、
前記保持装置によって前記濾板群が前記第1保持状態で保持しているときに、前記第2切替部が前記第2停止状態に切り替えた状態で前記第1注入装置が前記濾板群の内部に前記固液混合体を注入し、
前記第1注入装置による前記固液混合体の注入後、前記保持装置によって前記濾板群が前記第1保持状態で保持されているときに、前記第1切替部が前記第1停止状態に切り替えた状態で前記第2注入装置が前記濾板群の内部にエアを注入することで、前記他端部の前記貫通孔側から各々の前記濾板の前記排水路側へとエアを流し、前記濾板群の内部に存在する前記固液混合体の液体をエアと共に前記排水路を介して前記濾板群の外部に排出する
フィルタープレス装置。 - 複数の前記濾板をそれぞれの前記濾板の厚さ方向に並べた状態で各々の前記濾板の移動方向が前記厚さ方向となるようにガイドする一対のガイドレールと、
一対の前記ガイドレールのそれぞれの上方側に配置される一対の規制部と、
を有し、
一対の前記ガイドレールのそれぞれが、各々の前記濾板の両側部に対向してそれぞれ配置されるとともに前記厚さ方向に沿って延びる構成をなし、
一対の規制部のそれぞれが、各々の前記濾板における上下方向中央位置よりも上側の位置において各々の前記濾板の両側部に対向してそれぞれ配置されるとともに前記厚さ方向に沿って延びる構成をなす
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置。
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