JP2023095733A - フィルタープレス装置用の濾板及びフィルタープレス装置 - Google Patents

フィルタープレス装置用の濾板及びフィルタープレス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタープレス装置においてケーキを円滑に離脱させる。【解決手段】フィルタープレス装置用の濾板10は、濾室40内で固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、濾室構成部の周囲に配置される密封部14と、を備えた濾板本体11を有する。濾板10は、濾板本体11に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、濾板本体11に対して変位可能に設けられた変位部101を有する。濾板10は、濾板本体11が接近相手に接近した接近状態において、変位部101が濾室40内に配置され且つ濾室構成部によって固液混合体を受ける。【選択図】図1

Description

本開示は、フィルタープレス装置用の濾板、フィルタープレス装置、及びフィルタープレス装置用のシート体に関するものである。
従来から提供されているフィルタープレス装置では、複数枚の濾板を重ねて配置し、濾板間に構成された空間内に泥水を流し込み、濾板間で泥水を圧搾して固体分を液体分とを分離するといった構成が採用されている。この種のフィルタープレス装置で用いられる濾板の例としては、特許文献1のような技術が提案されている。特許文献1で開示される濾板は、基板の中央部の前後両面に額縁状凸部が設けられ、複数の濾板が重なる状態では、隣り合う濾板の中央側の凹部同士が対向することで濾室を構成し、隣り合う濾板の額縁状凸部同士が押圧し合うことで濾室の周縁部を密封する構成をなす。
特開平8-281016号公報
フィルタープレス装置は、複数の濾板を有しており、各濾板が、接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされる。この種のフィルタープレス装置では、濾板と上記接近相手とが近接した状態で、これらによって構成される濾室内に固液混合体を注入して脱水するような方式が一般的である。この方式のものでは、濾板と上記接近相手とを離間させることにより、固液混合体が脱水されてなるケーキを濾室から落下させる。
フィルタープレス装置では、ケーキを濾室から落下させる際に、濾板と上記接近相手を離間させた後でもケーキの一部が濾室の内壁部に保持されたままになってしまうことが懸念される。例えば、ケーキの粘着性が高いと、上記の離間動作後でもケーキが上記接近相手に密着したままになってしまいやすく、円滑な落下が阻害されやすい。
本開示は、フィルタープレス装置においてケーキを円滑に離脱させやすい技術を提供することを目的の一つとする。
本開示の一つであるフィルタープレス装置用の濾板は、
固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われ、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体と押圧し合うように接近した接近状態において前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記濾板本体を備えて構成されるフィルタープレス装置用の濾板であって、
前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が前記被覆材の外側において前記被覆材の表面から離間可能且つ変位可能に設けられる変位部を有し、
前記接近状態のときに前記濾室内に前記固液混合体が注入された場合に、前記変位部が前記濾室内において記固液混合体内に埋没する。
本開示の一つであるフィルタープレス装置用の濾板は、
固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われるように構成され、前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記濾板本体を備えて構成されるフィルタープレス装置用の濾板であって、
前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられる変位部を有し、
前記変位部は、自身の少なくとも一部が撓み変形可能に構成されるとともに前記被覆材の外側に延びるように配置される。
本開示の一つであるフィルタープレス装置用の濾板は、
濾室に注入される固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、前記濾室構成部の周囲に配置される密封部と、を備えた濾板本体を有し、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされるフィルタープレス装置において用いられるフィルタープレス装置用の濾板であって、
前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が前記濾板本体に対して変位可能に設けられた変位部を有し、
前記濾板本体が前記接近相手に接近した接近状態において前記変位部が前記濾室内に配置される。
本開示の一つであるフィルタープレス装置は、
上記のフィルタープレス装置用の濾板を有する。
本開示の一つであるフィルタープレス装置用のシート体は、
固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われ、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体と押圧し合うように接近した接近状態において前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記被覆材を備えて構成されるフィルタープレス装置用のシート体であって、
前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
前記変位部の少なくとも一部が前記被覆材の外側において前記被覆材の表面から離間可能且つ変位可能に設けられ、
前記接近状態のときに前記濾室内に前記固液混合体が注入された場合に、前記変位部が前記濾室内において記固液混合体内に埋没する。
本開示の一つであるフィルタープレス装置用のシート体は、
固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われるように構成され、前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記被覆材を備えて構成されるフィルタープレス装置用のシート体であって、
前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
前記変位部は、自身の少なくとも一部が撓み変形可能に構成されるとともに前記被覆材の外側に延びるように配置される。
本開示の一つであるフィルタープレス装置用のシート体は、
濾室に注入される固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、前記濾室構成部の周囲に配置される密封部と、を備えた濾板本体を有し、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされるフィルタープレス装置において用いられるフィルタープレス装置用のシート体であって、
前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
前記変位部の少なくとも一部が前記被覆材に対して変位可能に設けられ、
前記濾板本体が前記接近相手に接近した接近状態において前記変位部が前記濾室内に配置される。
本開示に係る技術は、フィルタープレス装置においてケーキを円滑に離脱させやすい。
第1実施形態に関するフィルタープレス装置の濾板構造を概略的に例示する断面図である。 図1の濾板構造において一の濾板と他の濾板が密着した状態を例示する説明図である。 図1の濾板構造の1つの濾板の正面図である。 図3の濾板から濾布及び変位部等を省略した状態を例示する正面図である。 図3の濾板の背面図である。 図5の濾板から濾布及び変位部等を省略した状態を例示する背面図である。 図1の濾板構造の一部を拡大しつつ大部分を省略して示す拡大図である。 図2の状態の濾板構造の一部を拡大しつつ大部分を省略して概念的に示す拡大図である。 図1の濾板構造を有するフィルタープレス装置を概念的に示す側面図である。 図9のフィルタープレス装置の一部を具体化した一例を示す説明図である。 図10のフィルタープレス装置の一部を上側から見た構成を概念的に例示する説明図である。 図11のフィルタープレス装置の一部を前側から見た構成を概念的に例示する説明図である。 図1の濾板構造において一の濾板と他の濾板が密着した状態で固液混合体が注入された様子を概念的に説明する説明図である。 (A)は、図13の状態のときの隣り合う濾板の組の一つを上側から見た様子を例示する説明図であり、(B)は、その濾板の組を離間させてケーキを落下させる様子を例示する説明図である。 図13の状態の後に一の濾板と他の濾板を離間させてケーキを落下させようとする過程を説明する説明図である。 (A)は、規制部が無い場合にケーキが傾きながら落下する例を説明する説明図であり、(B)は、規制部がある場合にケーキが傾きながら落下する例を説明する説明図である。 他の実施形態の例1に係る濾板を例示する正面図である。 図17の濾板を備えた濾板構造を概略的に例示する断面図である。 他の実施形態の例2に係る濾板を例示する正面図である。 他の実施形態の例3に係る濾板を例示する正面図である。 図20の濾板を備えた濾板構造を概略的に例示する断面図である。 他の実施形態の例4に係る濾板を備えた濾板構造を概略的に例示する断面図である。 他の実施形態の例5に係る濾板を例示する正面図である。 他の実施形態の例6に係る濾板における濾布に対する変位部の取付構造を説明する説明図1である。 他の実施形態の例6に係る濾板における濾布に対する変位部の取付構造を説明する説明図2である。 他の実施形態の例7に係る濾板を備えた濾板構造を概略的に例示する断面図である。 第1実施形態に係るフィルタープレス装置でのケーキの排出動作の具体例を説明する説明図1である。 第1実施形態に係るフィルタープレス装置でのケーキの排出動作の具体例を説明する説明図2である。 第1実施形態の変更例に係るフィルタープレス装置でのケーキの排出動作の具体例を説明する説明図1である。 第1実施形態の変更例に係るフィルタープレス装置でのケーキの排出動作の具体例を説明する説明図2である。 他の実施形態の例8に係る濾板を例示する正面図である。
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される〔1〕~〔11〕の特徴は、矛盾しない組み合わせでどのように組み合わされてもよい。
〔1〕濾室内で固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、前記濾室構成部の周囲に配置される密封部と、を備えた濾板本体を有し、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされるフィルタープレス装置用の濾板であって、
前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が前記濾板本体に対して変位可能に設けられた変位部を有し、
前記濾板本体が前記接近相手に接近した接近状態において、前記変位部が前記濾室内に配置され且つ前記濾室構成部によって前記固液混合体を受ける
フィルタープレス装置用の濾板。
〔1〕のフィルタープレス装置用の濾板は、濾板本体が接近相手(他の濾板又は他の枠体)に接近した上記接近状態で濾室内に固液混合体が注入された場合に、変位部が固液混合体内部に埋没する。そして、固液混合体内部に変位部が配置された状態で脱水がなされると、脱水後のケーキの内部に変位部が埋まった状態となる。この状態で、濾板本体が上記接近相手から離間すると、仮に離間の際にケーキの広範囲にわたる部分が上記接近相手に密着したまま保持されてしまい、そのままケーキと上記接近相手とが一体的に移動してしまったとしても、濾板が上記接近相手から離間しようとする際にケーキ内に埋まった変位部が濾板によって引っ張られ、それに伴って、変位部が埋まったケーキにおいて接近相手から剥がれようとする力が生じやすい。よって、この濾板は、ケーキを接近相手から円滑に剥離しやすく、フィルタープレス装置においてケーキを円滑に離脱させやすい。
〔2〕前記変位部は、前記濾板本体又は前記濾板本体に取り付けられた付属物に対して垂れ下がるように取り付けられる
〔1〕に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、変位部の上端側を取り付けた状態で、取付位置から垂れ下がる下端側を濾板本体から遠ざかる側に移動させやすい。
〔3〕前記濾室構成部は、前記固液混合体が入り込む窪み部を有し、
前記変位部は、前記窪み部の内側と外側とに変位可能である
〔1〕又は〔2〕に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、窪み部の内側及び外側に変位部を移動させることができる。例えば、濾板本体と接近相手とが離間する際にケーキが窪み部から離脱した場合に、離脱したケーキの内部に変位部が埋まっている状態で、濾板本体によって変位部を引っ張るような動作が可能になる。
〔4〕前記変位部は、前記窪み部内に固定される
〔3〕に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、変位部の固定部位が窪み部内に配置されるため、上記接近状態のときに固定部位の近傍が窪み部内に収まりやすく、ひいては、変位部の大部分又は全体が濾室内に収まりやすい。
〔5〕前記変位部は、前記密封部に固定される
〔1〕から〔3〕のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、密封部を起点として変位部を移動させることができる。
〔6〕前記濾室構成部及び前記密封部を覆う濾布を有し、
前記変位部は前記濾布を貫通して設けられる
〔1〕から〔5〕のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、変位部が引っ張られても濾布に与える影響を抑えることができる。
〔7〕前記濾室構成部及び前記密封部を覆う濾布を有し、
前記変位部は前記濾布に固定される
〔1〕から〔4〕のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、濾室構成部及び密封部を覆う濾布に対して変位部を取り付けることができるため、取り付けの簡易化を図りやすい。
〔8〕前記変位部は、撓み変形する部材である
〔1〕から〔7〕のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、変位部をより自由に移動させやすい。
〔9〕前記変位部は、金属線、樹脂線、糸、紐の少なくともいずれかである
〔1〕から〔8〕のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板。
このフィルタープレス装置用の濾板は、変位部が細く構成されるため、固液混合体の注入後に変位部が固液混合体の内部に入り込みやすく、脱水後に、変位部をケーキの内部に埋没させやすい。
〔10〕〔1〕から〔9〕のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板を複数備えた濾板構造であって、
複数の前記濾板は、隣り合う2つの前記濾板のうちの一の濾板の一方面と他の濾板の他方面とが互いに向かい合い、前記一の濾板と前記他の濾板が互いに接近した状態で前記一方面と前記他方面との間に前記濾室内の空間が構成され、
前記一の濾板の前記一方面側及び前記他の濾板の前記他方面側のそれぞれに前記変位部が設けられ、
前記一の濾板と前記他の濾板が互いに接近した状態で前記空間内に前記一方面側の前記変位部と前記他方面側の前記変位部が配置される
フィルタープレス装置用の濾板構造。
このフィルタープレス装置用の濾板構造は、一の濾板と他の濾板の双方からケーキを引くように力を及ぼしやすいため、一の濾板と他の濾板を離間させる際に、両濾板の間に配されたケーキを各々の濾板から剥離しやすい。
〔11〕〔1〕から〔9〕のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板を有するフィルタープレス装置。
このフィルタープレス装置は、〔1〕の濾板と同様の効果を生じ得る。
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に係るフィルタープレス装置の濾板及びこの濾板を用いたフィルタープレス装置に関する。第1実施形態を説明する図面は、第1実施形態に係る技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下に記載されている装置の構造などは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
1.フィルタープレス装置の概要
次の説明は、フィルタープレス装置1の概要に関する。
図1で示す濾板構造3は、例えば、図9のような単式のフィルタープレス装置1に用いられる。図9で示すフィルタープレス装置1は、固液混合体(例えば、汚泥、掘削土、セメントなどが水中にまざったスラリーなど)を脱水し、固液混合体を脱水した残余物を固めた物体(ケーキ)を排出し得る装置である。
フィルタープレス装置1は、図1等で示す濾板構造3を用いており、この濾板構造3は、濾板10を直列に配置した構成をなしており、濾板10は、中心部に貫通孔としての孔部16が形成された板状の濾板本体11を覆うように濾布18を張った構成をなしている。濾布18は、被覆材の一例に相当する。図9で示すフィルタープレス装置1は、濾板構造3を構成する複数の濾板10を互いに接近及び離間し得る接近離間装置(図9では、詳細な図示は省略)を有しており、固液混合体の供給時には、隣り合う濾板10を互いに密着させた積層状態(図2、図8参照)で、固液混合体(例えば、泥水等のスラリー)をポンプによって各濾板10の孔部16に流し込むように加圧圧入する。圧入された固液混合体は、内圧が高い状態で図2、図8等で示す濾室(濾過室)40内に溜まり、水分が濾布18の微少の隙間から排出される。そして、隣り合う濾板10の間(具体的には、隣り合う濾板10における濾布18の間)には、ポンプから供給された固液混合体から大量の水分を除去した残余物を固めた固形物(脱水ケーキ)が形成される。なお、図1、図2等では、濾布18の目を通って濾板10の内部に流入する水の流路の詳細(排水路28の詳細)は省略しているが、実際には、濾布18の目を通って濾板10の内部に流入した水は、濾板10内の排水路28を通って濾板10の外部(下部)に排出されるようになっている。
2.濾板構造
次に、濾板構造3を詳述する。
図1のように、濾板構造3は、複数の濾板10によって構成される構造である。各々の濾板10は、同一の構造をなしている。
以下の説明では、一つおきに配置される所定の複数の濾板10を濾板部8とし、これら複数の濾板部8の間に介在するように一つおきに配置される複数の濾板10を密着部9とする。濾板構造3では、全ての濾板部8と全ての密着部9が同一の構造となっている。各々の密着部9は、濾板部8と対向して配置され、濾板部8に対する相対位置が濾板部8に密着する密着位置と濾板部8から変位した開放位置とに切り替わる構成をなすものであり、内部に収容空間が構成されてなるものである。濾板構造3では、密着部9が密着位置にある密着状態のときに濾板部8及び密着部9とによって濾室が構成されるようになっている。
ここで、濾板部8及び密着部9のうちの1つの構成(濾板10の構成)について説明する。濾板10は、濾板部8又は密着部9となる板状部であり、主に、濾板本体11及び濾布18によって構成されている。
濾板本体11は、全体として板状の形態をなしており、厚さ方向両側に設けられた2つの中央側凹部12と、厚さ方向両側に設けられた2つの密封部14と、孔部16と、を備えている。濾板本体11は、固液混合体を受ける板状部である基板部として機能する。
2つの中央側凹部12は、いずれも、濾板本体11の周縁から離れた中央側の位置において濾板本体11の厚さ方向に凹となる部分であり、図1等では、各濾板10に形成された2つの中央側凹部12のうち、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の凹部を一方の中央側凹部12A(又は、単に中央側凹部12A)とし、他方面側(環状凹部34が形成された面側)の凹部を他方の中央側凹部12B(又は、単に中央側凹部12B)とする。図4のように一方の中央側凹部12Aは、正面側から見て外径が矩形状の凹部となっており、図6のように他方の中央側凹部12Bは、背面側から見て外径が矩形状の凹部となっている。
本構成では、濾板部8として機能する濾板10の一方の中央側凹部12Aが窪み部8Aとして機能し、濾板部8として機能する濾板10の他方の中央側凹部12Bが窪み部8Bとして機能する。中央側凹部12A,12Bは濾室構成部の一例に相当する。即ち、窪み部8A,8Bは濾室構成部の一例に相当する。濾室構成部は、固液混合体7が濾室40に注入される場合に被覆材(図1では濾布18)とともに固液混合体7からの圧力を受けるように機能する部分である。濾室構成部は、濾室40側から被覆材(図1では濾布18)を通って被覆材の裏側(濾板本体側)へと抜けた水を受ける部分である。
中央側凹部12A,12Bはいずれも、濾室40の内壁部を構成する部分であり、具体的には、自身の内面によって濾布18を透過した液体を受けるように機能する部分である。窪み部8A,8Bは、濾板部8を構成する濾板本体11において両側の外面部(具体的には、両密着部9に対向する両板面部)にそれぞれ形成され、後述する濾室40の一部を構成する。更に、密着部9として機能する濾板10の一方の中央側凹部12Aが収容部9Aとして機能し、密着部9として機能する濾板10の他方の中央側凹部12Bが収容部9Bとして機能する。収容部9Aは、凹状に構成され、密着部9が収容部9Aに対向する側の濾板部8に密着する密着状態のときには、その濾板部8の窪み部8Bと共に濾室40を構成する。収容部9Bは、凹状に構成され、密着部9が収容部9Bに対向する側の濾板部8に密着する密着状態のときには、その濾板部8の窪み部8Aと共に濾室40を構成する。
密封部14は、中央側凹部12を囲んで環状に配置される部分である。このうち、各濾板10の一方の密封部14Aは、他の濾板10における他方の密封部14Bと対向して互いに押圧し合う部分であり、濾室40から外側への漏れを塞ぐように密封する部分である。図4のように一方面側(環状凸部24が形成された面側)の密封部14Aは、正面側から見て矩形状の枠部となっており、濾板10の周縁部に沿うように四角形状(具体的には正方形状)に配置される。図6のように他方面側(環状凹部34が形成された面側)の密封部14Bは、正面から見て矩形状の枠部となっており、濾板10の周縁部に沿うように四角形状(具体的には正方形状)に配置される。
濾板部8として機能する濾板10に設けられた密封部14は、一方側の密封部14Aが第1押圧部8Cとして機能し、他方側の密封部14Bが第1押圧部8Dとして機能する。第1押圧部8Cは、濾板本体11における板厚方向片側(一方の密着部9側)の外面部において窪み部8Aを囲んで配置され、密着状態のときには、第1押圧部8Cに対向する密着部9を押圧するように機能する。第1押圧部8Dは、濾板本体11における板厚方向片側(他方の密着部9側)の外面部において窪み部8Bを囲んで配置され、密着状態のときには、第1押圧部8Dに対向する密着部9を押圧するように機能する。
密着部9として機能する濾板10に設けられた密封部14は、一方側の密封部14Aが第2押圧部9Cとして機能し、他方側の密封部14Bが第2押圧部9Dとして機能する。第2押圧部9Cは、濾板本体11における板厚方向片側(一方の濾板部8側)の外面部において収容部9Aを囲んで配置され、密着状態のときには、第2押圧部9Cに対向する濾板部8の第1押圧部8Dを押圧するように機能する。第2押圧部9Dは、濾板本体11における板厚方向片側(他方の濾板部8側)の外面部において収容部9Bを囲んで配置され、密着状態のときには、第2押圧部9Dに対向する濾板部8の第1押圧部8Cを押圧するように機能する。
図4、図7のように、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の密封部14Aには、中央側凹部12Aの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置される対向部22と、中央側凹部12Aの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置されるとともに対向部22の表面から突出した構成をなす環状凸部24と、が形成されている。
環状凸部24は、ゴム、ゴム以外のエラストマーなどの弾性材料によって構成されており、密封部14Aの対向部22に形成された溝(中央側凹部12Aを囲むように形成された溝)内に嵌り込んだ構成で密封部14Aに固定されている。図7のように、環状凸部24は、当該環状凸部24が延びる方向と直交する平面方向に切断した断面の外形が外側に凸となるように湾曲した形状をなしている。また、環状凸部24は、内部に空隙部24Aが形成された中空状をなしている。空隙部24Aは、濾板10の厚さ方向において対向部22の位置よりも外側(厚さ方向の中心よりも遠い側)に形成され、環状凸部24が延びる方向に沿って延びた構成且つ中央側凹部12の周りに環状に配置された構成となっている。
図6、図7のように、他方面側(環状凹部34が形成された面側)の密封部14Bには、中央側凹部12Bの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置される対向部32と、中央側凹部12Bの周りに環状(具体的には、四角枠状)に配置されるとともに対向部32の表面から窪んだ構成をなす環状凹部34と、が形成されている。
本構成では、濾板部8として機能する濾板10の一方の対向部22が第1対向部8Eとして機能し、濾板部8として機能する濾板10の他方の対向部32が第1対向部8Fとして機能する。第1対向部8E,8Fの各々は、窪み部8A,8Bの周囲にそれぞれ配置され、密着状態のときに表面が第2押圧部9D,9Cの各々の側に面する部分である。同様に、密着部9として機能する濾板10の一方の対向部22が第2対向部9Eとして機能し、密着部9として機能する濾板10の他方の対向部32が第2対向部9Fとして機能する。第2対向部9E,9Fの各々は、収容部9A,9Bの周囲にそれぞれ配置され、密着状態のときに表面が第1押圧部8D,8Cの各々の側に面する部分である。
図1のように、各々の濾板10において、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の中央側凹部12Aと他方面側(環状凹部34が形成された面側)の中央側凹部12Bとの間を板厚方向に貫通するように孔部16が形成されている。孔部16は、濾板10の内部を通すように固液混合体を濾板10の厚さ方向に流動させる流路として機能する。濾板部8として機能する濾板10の孔部16は、濾板本体11の内部を通る構成で窪み部8A,8Bへと続く流路となる。同様に、密着部9として機能する濾板10の孔部16は、濾板本体11の内部を通る構成で収容部9A,9Bへと続く流路となる。
図1、図3のように、板厚方向一方面側において孔部16の外側の領域を覆うように濾布18が配置されており、図1、図5のように、板厚方向他方面側において孔部16の外側の領域を覆うように濾布18が配置されている。なお、図2、図8では、対向部22と対向部32との間及び環状凸部24と環状凹部34との間に介在する2つの濾布18を省略して示している。図1~図8では、濾布18のうち一方面側(環状凸部24が形成された面側)を覆うものを濾布18Aとし、他方面側(環状凹部34が形成された面側)のものを濾布18Bとしている。
図3のように、一方面側(環状凸部24が形成された面側)の濾布18Aは、後述する環状板部15Aに固定され、環状板部15Aの外側の領域において濾板本体11の周縁部に至るまで全体的に配置されている。図5のように、他方面側(環状凹部34が形成された面側)の濾布18Bは、後述する環状板部15Bに固定され、環状板部15Bの外側の領域において濾板本体11の周縁部に至るまで全体的に配置されている。図1、図2、図7、図8等では、濾布18を二点鎖線にて概念的に示しており、図3、図5では、濾布18を模様の領域として概念的に示している。図2、図8の例では、密封部14A,14Bに挟まれた部分にも濾布18A,18Bが存在するが、この部分の濾布18A,18Bの図示(二点鎖線の図示)は省略している。図1等の例では、各々の濾板10において、濾布18Aの周縁部と濾布18Bの周縁部とが連結されているが、各々の周縁部が連結されていなくてもよい。濾布18Aは、少なくとも、孔部16を外れた領域において中央側凹部12Aの内面を覆うように配置されていればよく、濾布18Aの被覆領域は図1、図3等の構成に限定されない。
本構成では、濾板部8として機能する濾板10に配置された濾布18は、窪み部8A,8Bの内面を覆い、第1押圧部8C,8Dの表面を覆うように配置され、一方側の濾布18Aは、窪み部8Aと第1押圧部8Cとに跨って配置され、他方側の濾布18Bは、窪み部8Bと第1押圧部8Dとに跨って配置される。密着部9として機能する濾板10に配置された濾布18は、収容部9A,9Bの内面を覆い、第2押圧部9C,9Dの表面を覆うように配置され、一方側の濾布18Aは、収容部9Aと第2押圧部9Cとに跨って配置され、他方側の濾布18Bは、収容部9Bと第2押圧部9Dとに跨って配置される。
上記構成では、第1押圧部8Cに設けられる環状凸部24が第1シール部8Gとして機能し、窪み部8Aの周囲に配置され、第1対向部8Eの表面から凸となる。第1押圧部8Dに設けられる環状凹部34が第1シール部8Hとして機能し、窪み部8Bの周囲に配置され、第1対向部8Fの表面から凹となる。
第2押圧部9Cに設けられる環状凸部24は第2シール部9Gとして機能する。第2シール部9Gは、収容部9Aの周囲に配置され、第2対向部9Eの表面から凸となり、密着状態のときに第1シール部8Hと押圧し合う。第2押圧部9Dに設けられる環状凹部34は第2シール部9Hとして機能する。第2シール部9Hは、収容部9Bの周囲に配置され、第2対向部9Fの表面から凹となり、密着状態のときに第1シール部8Gと押圧し合う。
3.変位部
変位部101,102は、濾板本体11に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が濾板本体11に対して変位可能に設けられる。濾板10は、濾板本体11が接近相手(本実施形態では他の濾板10)に接近した接近状態において、変位部101及び変位部102が各濾室40内に配置され且つ濾室構成部(中央側凹部12A,12B)によって固液混合体を受けるようになっている。例えば、図2のように、一の濾板10である濾板部8が他の濾板10である密着部9(接近相手)と密着するような接近状態では、濾板部8の変位部101が濾室40内に配置され、密着部9の変位部102が濾室40内に配置され、この状態で濾板部8の中央側凹部12Aと密着部9の中央側凹部12Bとによって固液混合体を受けるようになっている。具体的には、濾板部8の中央側凹部12Aが濾布18Aによって覆われた構成をなす第1内壁部と密着部9の中央側凹部12Bが濾布18Bによって覆われた構成をなす第2内壁部とが内壁をなす形で濾室40が構成され、この濾室40内に固液混合体が注入された場合に上記第1内壁部及び上記第2内壁部が固液混合体を受けるようになっている。図2は、1つの濾板間に着目しているが、他の濾板間でも同様な配置がなされる。
変位部101,102は、濾板本体11又は濾板本体11に取り付けられた付属物(例えば濾布)に対して垂れ下がるように取り付けられる。図1、図2で示される代表例では、変位部101,102は、濾板本体11に取り付けられる。図2の例では、一の濾板10である濾板部8において、中央側凹部12Aが窪み部8Aとなっており、中央側凹部12Bが窪み部8Bとなっている。濾板部8において、変位部101は、窪み部8A内に固定され、窪み部8Aの内側と外側とに変位可能とされている。濾板部8において、変位部102は、窪み部8B内に固定され、窪み部8Bの内側と外側とに変位可能とされている。図1の例では、変位部101,102のいずれも、濾布18を貫通して設けられる。
変位部101,102は、撓み変形する部材である。例えば、変位部101,102は、金属線、樹脂線、糸、紐の少なくともいずれかである。
図1に示される複数の濾板10の例では、例えば、図2のように、隣り合う2つの濾板10のうちの一の濾板である濾板部8の一方面と他の濾板である密着部9の他方面とが互いに向かい合い、図2のように一の濾板(濾板部8)と他の濾板(密着部9)が互いに接近した状態で濾板部8の一方面と密着部9の他方面との間に濾室40内の空間が構成される。図2の接近状態では、濾板部8の密封部14と密着部9の密封部14とが互いに押圧し合い、これらの両密封部14の間を通って液体が漏れ出すことを抑制又は遮断する。図2の例では、一の濾板(濾板部8)の一方面側に変位部101が設けられ、他の濾板(密着部9)の他方面側に変位部102が設けられ、図2のように一の濾板(濾板部8)と他の濾板(密着部9)が互いに接近した状態で濾室40の空間内に上記一方面側の変位部101(濾板部8における密着部9側の変位部)と他方面側の変位部102(密着部9における濾板部8側の変位部)が配置される。このような状態で、図13のように濾室40内に固液混合体が注入されると、変位部101,102が固液混合体内部に埋没する。
4.フィルタープレス装置の動作
図1等で示す濾板構造3は、図1、図7のように隣り合う濾板10が離間している状態と、図2、図8のように隣り合う濾板10が密着する状態とに切り替え得る。なお、複数の濾板10は、図1等において図示していないレールによって図1のように厚さ方向が揃えられ(即ち、各々の濾板10の厚さ方向が同方向となるように揃えられ)且つ各々の濾板10における外周縁の位置(厚さ方向と直交する平面方向における外周縁の位置)が揃えられており、このように揃えられた状態でレールに沿って動くことにより、複数の濾板10において隣り合う濾板が互いに接近及び離間し得るようになっている。
複数の濾板10は、図2、図8のように、一の濾板10と他の濾板10とが密着するように重ねられたとき、一の濾板10の環状凸部24が他の濾板10の環状凹部34内に入り込んで当該環状凹部34内の内面を押圧し、一の濾板10の対向部22と他の濾板10の対向部32とが互いに押圧し合う構成をなす。図8の例では、一の濾板10の対向部22と他の濾板10の対向部32との間に2つの濾板10をそれぞれ覆う2つの濾布18A,18Bが介在し、この状態で、一の濾板10の対向部22と他の濾板10の対向部32とが押圧し合う。つまり、一の濾板10の対向部22と他の濾板10の対向部32とが、一の濾板10の濾布18A及び他の濾板10の濾布18Bを介して互いに押圧し合う。そして、環状凸部24と環状凹部34との間にも2つの濾板10をそれぞれ覆う2つの濾布18A,18Bが介在し、この状態(即ち、環状凸部24の外面と環状凹部34の内面との間に濾布18A,18Bが介在した状態)で、環状凸部24と環状凹部34とが押圧し合う。即ち、一の濾板10の環状凸部24が、一の濾板10の濾布18A及び他の濾板10の濾布18Bを介して環状凹部34内の内面を押圧する。
図8のように隣り合う濾板10を密着させた積層状態で、図10で示す第1注入装置60(例えば、ポンプを含んだスラリー供給装置)により孔部16を介して固液混合体を流し込めば、圧入された固液混合体は、内圧が高い状態で図2、図8等で示す濾室(濾過室)40内に溜まり(図10も参照)、水分が濾布18の微少の隙間から濾板本体11側(即ち、濾布18の裏側)に排出される。そして、隣り合う濾板10の間(具体的には、隣り合う濾板10における濾布の間)には、脱水ケーキが形成される。なお、脱水ケーキは、図2のように濾室40内に注入された固液混合体7からある程度の水分が除去された物体である。
本構成では、各々の濾板10において濾板本体11が設けられ、濾板本体11は、板状に構成されるとともに、2つの中央側凹部12のうちの一方の中央側凹部12Aと2つの密封部14のうちの一方の密封部14Aとが一方の板面側(上述の一方面側)に形成され、2つの中央側凹部12のうちの他方の中央側凹部12Bと2つの密封部14のうちの他方の密封部14Bとが他方の板面側(上述の他方面側)に形成されている。そして、一方の中央側凹部12Aの内壁部を覆うように濾布18Aが設けられ、他方の中央側凹部12Bの内壁部を覆うように濾布18Bが設けられている。一方の中央側凹部12A及び他方の中央側凹部12Bにおいて濾布18の裏側には、濾板10の外部に通じる排水路28(一方の排水路28A及び他方の排水路28B)が設けられている。
濾板10の一方の中央側凹部12A及び他方の中央側凹部12Bの各々において、各々の深さ方向最深部側の内壁部(内面部)には、液体を自身の板厚方向に通過させる通水部を備えた排水板13(一方の排水板13A及び他方の排水板13B)がそれぞれ設けられている。排水板13A,13Bのいずれの通水部も、多数の孔部によって構成されていてもよく、溝や切欠きによって構成されていてもよい。排水板13A,13Bは、表面側で濾布18を支持している状態で表面側から裏面側に水が通過し得る構成であればよく、板状体に複数の貫通孔を多数形成したような構成であってもよく、網状の構成などであってもよい。
濾板本体11において各々の排水板13よりも板厚方向(濾板10の板厚方向)の内側には、各々の排水板13によって板厚方向の両側が覆われる板状体11Aが設けられている。そして、図1、図4のように、一方の密封部14Aは、この板状体11Aの一方面側において板状体11Aの周縁部に沿って固定される矩形状の枠体となっている。また、他方の密封部14Bは、この板状体11Aの他方面側において板状体11Aの周縁部に沿って固定される矩形状の枠体となっている。一方の排水板13Aは、その周縁部が板状体11Aと密封部14Aを構成する枠体の内縁部との間に挟み込まれた形で固定される。一方の排水板13Bは、その周縁部が板状体11Aと密封部14Bを構成する枠体の内縁部との間に挟み込まれた形で固定される。
各々の排水板13(一方の排水板13A及び他方の排水板13B)と板状体11Aとの間には、濾板10の外側に通じる排水路28A,28Bがそれぞれ構成されている。排水路28A,28Bはいずれも水を通す通水路として構成されている。
一方の中央側凹部12Aにおいて濾布18Aの裏側に形成された排水路28Aは、例えば、図3~図6のようになっている。図3~図6の例では、濾板本体11の一方面側の下端側(設置時における鉛直方向下端側)において、複数の排水路28Aが溝状に形成されており、各々の排水路28Aにおいて水が流れ得る構成となっている。複数の排水路28Aは、一方の端部(上端部)側が排水板13Aの裏側に位置し、排水板13Aの裏面の一部が各々の排水路28Aの内部空間に面している。そして、各々の排水路28Aの他方の端部(下端部)側は濾板10の下端部まで達しており、各々の排水路28Aの内部空間が濾板10の外側の空間に連通している。なお、排水板13Aの裏面と板状体11Aの表面との間には空間が存在し、この空間が各々の排水路28Aに連通するようになっていることが望ましく、このように構成されていれば、排水板13Aの裏面側に流れ込んだ水分が各々の排水路28Aを介して濾板10の外側に流れやすくなる。
一方の中央側凹部12Bにおいて濾布18Bの裏側に形成された排水路28Bは、例えば、図3~図6のようになっている。図3~図6の例では、濾板本体11の一方面側の下端側(設置時における鉛直方向下端側)において、複数の排水路28Bが溝状に形成されており、各々の排水路28Bにおいて水が流れ得る構成となっている。複数の排水路28Bは、一方の端部(上端部)側が排水板13Bの裏側に位置し、排水板13Bの裏面の一部が各々の排水路28Bの内部空間に面している。そして、各々の排水路28Bの他方の端部(下端部)側は濾板10の下端部まで達しており、各々の排水路28Bの内部空間が濾板10の外側の空間に連通している。なお、排水板13Bの裏面と板状体11Bの表面との間には空間が存在し、この空間が各々の排水路28Bに連通するようになっていることが望ましく、このように構成されていれば、排水板13Bの裏面側に流れ込んだ水分が各々の排水路28Bを介して濾板10の外側に流れやすくなる。
なお、図3~図6の例では、濾板10の下端部側に複数の排水路28を設けた構成を例示したが、濾布18を通って排水板13側に流れ込んだ水を濾板10の外部に排出し得る流路であればよい。
図1、図2、図3、図5のように、濾板10は、濾板本体11の一方の中央側凹部12A内及び他方の中央側凹部12B内にそれぞれ固定される一対の環状板部15A,15Bを有する。そして、環状板部15A,15Bには、濾板10の板厚方向に突出する貫通孔側突起部17A,17Bが形成されている。一方面側の環状板部15Aからは、一方面側の貫通孔側突起部17Aが複数突出しており、複数の貫通孔側突起部17Aは、図3のように、孔部16の周囲において孔部16を囲むように配置されている。同様に、他方面側の環状板部15Bからは、他方面側の貫通孔側突起部17Bが複数突出しており、複数の貫通孔側突起部17Bは、図5のように、孔部16の周囲において孔部16を囲むように配置されている。孔部16は、一対の環状板部15A,15Bのうちの一方の環状板部15A側から他方の環状板部15B側に連通する構成で形成されており、具体的には、一対の環状板部15A,15Bを連結する筒状部の内部が孔部16となっている。この構成では、図2のように、一の濾板10の一方面側と他の濾板10の他方面側とが押圧し合うように重ねられたとき、一の濾板10の一方面側の貫通孔側突起部17Aと他の濾板10の他方面側の貫通孔側突起部17Bとが互いに対向する構成となっている。図2のように一の濾板10の一方面側の貫通孔側突起部17Aと他の濾板10の他方面側の貫通孔側突起部17Bとが対向したとき、これら貫通孔側突起部17A,17Bの間隔(先端部の間隔)は、環状板部15A,15Bの板面間隔よりも小さくなっており、0であってもよい(即ち、対向する貫通孔側突起部17A,17Bが接触していてもよい)。なお、図2等の例では、対向する貫通孔側突起部17A,17Bの間には濾布18が介在しない。
一方の中央側凹部12A内及び他方の中央側凹部12B内には、各々の排水板13よりも板厚方向に突出する排水板側突起部19(一方の排水板側突起部19A及び他方の排水板側突起部19B)がそれぞれ形成されている。一方の排水板側突起部19Aは、排水板13A又は板状体11Aの少なくともいずれかに固定され、排水板13Aの表面よりも板厚方向(濾板10の板厚方向)に突出した構成をなす。排水板側突起部19Aは、自身の突出方向の先端側に近づくにつれて細くなる先細り形状をなしている。図4の例では、このような構成をなす複数の排水板側突起部19Aが孔部16を囲むように配置されている。他方の排水板側突起部19Bは、排水板13B又は板状体11Aの少なくともいずれかに固定され、排水板13Bの表面よりも板厚方向(濾板10の板厚方向)に突出した構成をなす。排水板側突起部19Bは、自身の突出方向の先端側に近づくにつれて細くなる先細り形状をなしている。図6の例では、このような構成をなす複数の排水板側突起部19Bが孔部16を囲むように配置されている。そして、図2のように一の濾板10の一方面側と他の濾板10の他方面側とが押圧し合うように重ねられたとき、一の濾板10の一方面側の各々の排水板側突起部19Aと他の濾板10の他方面側の各々の排水板側突起部19Bとが互いに対向する構成となっている。図2のように一の濾板10の一方面側の排水板側突起部19Aと他の濾板10の他方面側の排水板側突起部19Bとが対向したとき、これら排水板側突起部19A,19Bの間隔(先端部の間隔)は、互いに対向する排水板13A、3Bの間隔よりも小さくなっている。なお、図2等の例では、対向する排水板側突起部19A,19Bの間に濾布18A,18Bが介在しており、対向する排水板側突起部19A,19Bによって濾布18A,18Bが挟み込まれている。
図9で示すフィルタープレス装置1は、このような濾板構造3を有しており、具体的には、図10、図11のように、濾板構造3を構成する複数の濾板10を所定の姿勢(即ち、各々の濾板10の厚さ方向が同方向となる姿勢且つ各々の濾板10の外周縁の位置が揃えられた姿勢)で揃えた状態で、ガイドレール90(ガイドレール90A,90B)に沿って複数の濾板10を移動させ得るようになっており、このような移動動作によって、複数の濾板10において隣り合う濾板が互いに接近及び離間し得るようになっている。
図1~図6では図示は省略しているが、図11、図12のように、各々の濾板10には、各々の濾板10における濾板本体11の左右両側部から側方に張り出す一対の張出部41,42が設けられている。そして、これら一対の張出部41,42が一対の被支持部として機能し、それぞれがガイドレール90A,90B上に載置されつつ支持される。一対の張出部41,42がガイドレール90A,90B上に載置されながら移動することで、各々の濾板10は所定姿勢を保ちながら所定方向(各々の濾板10の板厚方向)に移動するようになっている。
フィルタープレス装置1は、上述した濾板構造3に加え、保持装置50、第1注入装置60(以下、スラリー供給装置とも称する)、第2注入装置70(以下、エア供給装置とも称する)、固液混合体7を供給する供給路62、エアを供給する供給路72、供給路62の開放と遮断を切り替える第1切替部81、供給路72の開放と遮断を切り替える第2切替部82、などを備える。なお、図示はしていないが、保持装置50、第1注入装置60、第2注入装置70、第1切替部81、第2切替部82の動作(動作タイミングや制御量など)を制御する制御装置(例えばコンピュータなどの情報処理装置)も設けられている。
保持装置50は、一対のガイドレール90(ガイドレール90A,90B)と、駆動装置54と、固定壁51,52とを備えてなり、これらが一体的に組み付けられた構成をなす。駆動装置54は、濾板群5の端部(固定壁52側の端部)の濾板10に作用する作用部54Cと、作用部54Cに連結される駆動軸54Bと、駆動軸54Bを所定方向(濾板群5の各濾板10の板厚保方向)に移動させる駆動部54Aとを備える。駆動部54Aが駆動軸54Bを介して作用部54Cを固定壁51側に移動させることで、複数の濾板10が所定姿勢を保ちながら固定壁51側に押し付けられ、図10、図11のように、濾板群5において隣り合う濾板間が互いに接触した状態となる。一方、駆動部54Aが駆動軸54Bを介して作用部54Cを固定壁52側に移動させることで、濾板群5において隣り合う濾板間が互いに離間した状態となる。例えば、複数の濾板10において隣り合う濾板間の最大間隔が所定間隔となるように間隔を規制する間隔規制部(図示略)が設けられていれば、作用部54Cが濾板群5の端部(固定壁52側の端部)の濾板10と係合又は保持しながらその濾板10を固定壁52側に移動させようと動作したときに、それぞれの濾板間において隣り合う濾板が離間するように各濾板が移動するようになる。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、複数の濾板10を所定姿勢(即ち、各々の濾板10の厚さ方向が同方向となる姿勢且つ各々の濾板10の外周縁の位置が揃えられた姿勢)で揃えつつ各々の濾板間を接近及び離間し得る構成であれば、保持装置は他の構成としてもよい。
このように、保持装置50は、作用部54Cを固定壁51側に移動させることにより、図10、図11のように、複数の濾板10を重ねた状態で配置しつつ、隣り合う濾板間において片方の濾板10の環状凸部24がもう片方の濾板10の環状凹部34内に入り込んで当該環状凹部34内を押圧し且つ片方の濾板10の対向部22ともう片方の濾板10の対向部32とが互いに押圧し合う保持状態(第1保持状態)で保持することができる(隣り合う濾板間の具体的な状態は図2、図8を参照)。
第1注入装置60は、図示しない固液混合体収容部(例えば、スラリー収容槽など)から濾板群5側へ固液混合体を移送する移送装置であり、第1切替部81が開放状態となっており且つ供給路62が濾板群5の端部の孔部16に連通しているときに、供給路62を介して濾板群5の内部に固液混合体を注入し得る。具体的には、第1注入装置60は、図10、図11のように保持装置50によって複数の濾板10からなる濾板群5が第1保持状態で保持されているときに、濾板群5の一端部の濾板10の孔部16から複数の濾板10の内部に固液混合体7を注入するようになっている。なお、第1切替部81は、濾板群5における一端部側での流体の流出入を停止する第1停止状態と、第1停止状態を解除する第1解除状態とに切り替える装置であり、供給路62(管路)を開放状態と遮断状態とに切り替える公知の電磁弁によって構成されており、第1切替部81の開放及び遮断は図示しない制御装置によって制御される。
第2注入装置70は、エア(空気)を圧送し得る公知のエア(空気)供給装置として構成されており、第2切替部82が開放状態となっており且つ供給路72が濾板群5の端部の孔部16に連通しているときに、供給路72を介して濾板群5の内部にエア(空気)を注入し得る。具体的には、第2注入装置70は、図10、図11のように保持装置50によって複数の濾板10からなる濾板群5が第1保持状態で保持されているときに、濾板群5における一端部とは反対側の他端部の孔部16から複数の濾板10の内部にエアを注入するようになっている。なお、第2切替部82は、濾板群5における他端部側での流体の流出入を停止する第2停止状態と、第2停止状態を解除する第2解除状態とに切り替える装置であり、供給路72(管路)を開放状態と遮断状態とに切り替える公知の電磁弁によって構成されており、第2切替部82の開放及び遮断は図示しない制御装置によって制御される。
フィルタープレス装置1では、図11のように保持装置50が第1保持状態で保持しているときに、第2切替部82が第2停止状態(供給路72を遮断した状態)に切り替えた状態且つ第1切替部81が第1解除状態(供給路62を開放した状態)に切り替えた状態で第1注入装置60が濾板群5の内部に固液混合体7を注入する。そして、第1注入装置60による固液混合体7の注入後、図10、図11のように保持装置50が第1保持状態で保持されているときに、第1切替部81が第1停止状態(供給路62を遮断した状態)に切り替えた状態且つ第2切替部82が第2開放状態(供給路72を開放した状態)に切り替えた状態で第2注入装置70が濾板群5の内部にエアを注入することで、他端部の孔部16側から各々の濾板10の排水路28側へとエアを流し、濾板群5の内部に存在する固液混合体7の液体(水分)をエアと共に排水路28を介して濾板群5の外部に排出するようになっている。なお、各装置の動作タイミングや動作時間等は図示しない制御装置によって制御される。
更に、本構成では、図11、図12のように、一対のガイドレール90A,90Bのそれぞれの上方側に一対の規制部94(規制部94A,94B)が配置されている。一対のガイドレール90A,90Bは、それぞれが各々の濾板10の両側部に対向してそれぞれ配置されるとともに厚さ方向に沿って延びる構成をなしている。そして、一対の規制部94A,94Bは、それぞれが各々の濾板10における上下方向中央位置よりも上側の位置において各々の濾板10の両側部に対向してそれぞれ配置されるとともに厚さ方向に沿って延びる構成をなしている。具体的には、各々の濾板10に形成された一対の張出部41,42の上面部にそれぞれ凹部41A,42Aが形成されており、これら凹部41A,42A内にそれぞれ配置されつつ凹部41A,42Aに支持される形で一対の規制部94A,94Bがそれぞれ設けられている。
図1のように、各々の濾板10において濾板本体11が設けられ、濾板本体11は、板状に構成されるとともに、2つの中央側凹部12のうちの一方の中央側凹部12Aと2つの密封部14のうちの一方の密封部14Aとが一方の板面側に形成され、2つの中央側凹部12のうちの他方の中央側凹部12Bと2つの密封部14のうちの他方の密封部14Bとが他方の板面側に形成されている。そして、一方の中央側凹部12Aの内壁部を覆うように濾布18Aが設けられ、他方の中央側凹部12Bの内壁部を覆うように濾布18Bが設けられている。一方の中央側凹部12A及び他方の中央側凹部12Bにおいて濾布18の裏側には、濾板10の外部に通じる排水路28が設けられている。このような構成であるため、図2のように、一の濾板10の一方面側と他の濾板10の他方面側とが押圧し合う構成で重ねられた状態で、一の濾板10の一方の中央側凹部12Aと他の濾板10の他方の中央側凹部12Bの間(具体的には、これらの内壁部を覆う両濾布18A,18Bの間)に濾室40が構成される。そして、この濾室40内の領域に対し、図13のように孔部16からのスラリー(泥水等)が高い圧力で流れ込んだときに、濾室40よりも周縁部側は密着性が高められた状態でシールされるため、周縁部からのスラリーの漏れや吹き出し等が生じることが確実に抑えられ、このように周縁部からの漏れ等を確実に抑えた状態で、濾室40内に供給されたスラリーの水分については濾布18A,18Bを通過させて排水路28A,28B側に導き、スラリーの固形物(濾布18A,18Bを通過できない粒子のもの)については、濾室40内に残留させるようにして、濾布18A,18Bによって水分と固形物とに分離することができる。濾布18A,18Bを通過したスラリー内の水分については、排水路28A,28Bを介して濾板10の外部に排出することができ、濾布18A,18Bを通過できない固体は濾室40内の領域に残留させ、脱水されたケーキとして構成することができる。
図13のように濾室40内に固液混合体が注入されると、濾室40内に配置された変位部101,102は固液混合体内部に埋没する。そして、固液混合体内部に変位部101,102が配置された状態で脱水がなされると、脱水後のケーキの内部に変位部が埋まった状態となる。この状態で、図15のように濾板部8の濾板本体11が密着部9(接近相手)から離間すると、濾板部8が密着部9(濾板部8にとっての接近相手)から離間しようとする際にケーキ7A内に埋まった変位部101が濾板部8によって引っ張られ、それに伴って、変位部101が埋まったケーキ7Aにおいて密着部9(接近相手)から剥がれようとする力が生じやすい。同様に、密着部9が濾板部8(密着部9にとっての接近相手)から離間しようとする際にケーキ7A内に埋まった変位部102が密着部9によって引っ張られ、それに伴って、変位部102が埋まったケーキ7Aにおいて密着部9(接近相手)から剥がれようとする力が生じやすい。なお、図15のような離間動作が行われると、濾板部8及び密着部9によって変位部101,102のそれぞれを摩擦力に抗してケーキ7Aから引き抜こうとする力が生じるとともにケーキ7Aが自重によって落下しようとする力が生じているため、ある程度離間した状態で変位部101,102がケーキ7Aから抜けてケーキ7Aが落下する。なお、図13のように固液混合体が注入される際には、図27のように複数の濾板10が密集した状態で固液混合体7が注入される。そして、図28のように、密集した濾板群の一方側から濾板10が順番に離間することで、離間するように変位した濾板10と濾板群の残りの部分との間からケーキが離脱する。なお、図27、図28では、一部の濾板10が二点鎖線によって仮想的に示されている。
フィルタープレス装置1は、複数の濾板10をそれぞれの濾板10の厚さ方向に並べた状態で各々の濾板10の移動方向が上記厚さ方向となるようにガイドする一対のガイドレール90と、一対のガイドレール90のそれぞれの上方側に配置される一対の規制部94と、を有していてもよい。そして、フィルタープレス装置は、一対のガイドレール90のそれぞれが、各々の濾板10の両側部に対向してそれぞれ配置されるとともに上記厚さ方向に沿って延びる構成をなしている。そして、一対の規制部94のそれぞれが、各々の濾板10における上下方向中央位置よりも上側の位置において各々の濾板10の両側部に対向してそれぞれ配置されるとともに上記厚さ方向に沿って延びる構成をなしている。このように、各々の濾板10の両側部に対向するように一対の規制部94がそれぞれ配置され、各々の濾板10の厚さ方向(各々の濾板10の移動方向)に延びるように一対の規制部94がそれぞれ設けられ、それら規制部94が各々の濾板10における上下方向中央位置よりも上側の位置に設けられていれば、複数の濾板10を接触状態にして固液混合体7を注入した後、図14(A)の状態から図14(B)の状態に変化させて隣り合う濾板間の距離を大きくしてケーキ7Aを下方に落とすような排出動作を行うときに、図16(B)のように排出されるケーキが傾きながら横に外れるように落ちようとしても、一対の規制部94A,94Bによってケーキの傾斜及び横への移動を規制しながら下方に落とすことができる。このような規制部94A,94Bが存在しないと、図16(A)のように、ガイドレール90の上面部にケーキが落ちてしまう虞がある。代表例では、このような規制部94を上述の変位部101,102と併用しているため、より有効である。
上述のフィルタープレス装置は、濾室に注入される固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われ、濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体と押圧し合うように接近した接近状態において被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するようになっている。このようなフィルタ―プレス装置において、上記の濾板は、濾板本体を備えて構成される。変位部は、濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が被覆材の外側において被覆材の表面から離間可能且つ変位可能に設けられる。この変位部は、自身の少なくとも一部が濾室内において濾板本体に対して変位可能とされる。具体的には、変位部は、自身の少なくとも一部が撓み変形可能に構成されるとともに被覆材の外側に延びるように配置される。そして、濾板本体が接近相手に接近した接近状態において変位部が濾室内に配置される。そして、上記接近状態のときに濾室内に固液混合体が注入された場合に、変位部が濾室内において記固液混合体内に埋没するようになっている。このような構成であるため、変位部が設けられた濾板と、接近相手(例えば、他の濾板)とが離間する場合に、ケーキ内に埋没した変位部がケーキを引くように作用し、接近相手に接触したケーキを接近相手から離脱させやすい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態の特徴や後述する実施形態の特徴は矛盾しない範囲で様々に組み合わせることが可能である。
上述の実施形態では、濾板10において濾布18に覆われる部分として濾板本体が構成されるが、上述又は後述のいずれの変位部も、濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられていればよく、上述又は後述の接近状態において濾室内に少なくとも一部が配置されるように(望ましくは、濾室内に配置される部分の少なくとも一部が濾布から離間し得るように配置されるように)構成されていればよい。濾板本体に対する変位部の固定構造は、密封部14に固定されていてもよく、板状体11Aを覆う被覆部(排水板13)に固定されていてもよく、濾布18に固定されていてもよく、その他の部位に固定されていてもよい。固定構造は、接着剤等によって固定される構造であってもよく、ねじ等の固定部材によって固定される構造であってもよく、変位部自体が縛られる構造であってもよい。変位部の材質は、金属、樹脂材料、繊維材料など、様々な材料が採用され得るが、変位部が撓み変形可能とされていることが望ましい。変位部の幅は、濾室の幅よりも小さいことが望ましく、濾室の幅の1/2よりも小さいことがより望ましい。上述の例では、被覆材として濾布18が例示されたが、濾板本体を覆い得るシート状の構成のものであって通水性を有するものであれば布に限定されない。例えば、樹脂材料からなるシートに多数の小さい孔が形成されたものであってもよい。変位部の少なくとも一部は、被覆材(例えば濾布18)を起点として、又は被覆材(例えば、濾布18)に挿し通される形で、被覆材の外側(具体的には、被覆材に対し当該被覆材に覆われる濾板本体とは反対側の空間側)に延びるように構成されているとよい。
上述の実施形態では、外縁形状が矩形状(四角形状)の濾板10が用いられるが、濾板の外縁形状は円形状であってもよく、楕円形状や、略矩形状などであってもよく、それ以外の他の形状であってもよい。
上述の実施形態では、各濾板10の接触相手が他の濾板10であったが、各濾板10の接触相手が他の濾板10ではなく、枠体であってもよい。例えば、図1のような構成を変更し、図1のような複数の濾板10の濾板間に密封部14に接触するような矩形状の枠体を設け、この枠体が各濾板10に対して接近及び離間するような複式のフィルタープレス装置として構成されていてもよい。この例では、濾室構成部は、図1に示される中央側凹部12A,12Bのような構成であってもよく、凹部ではない平坦部として構成されていてもよい。
上述の実施形態では、変位部の一端が一の濾板の濾板本体に固定され、変位部の他端が固定されない構成であったが、変位部の他端が隣り合う他の濾板や他の枠体に固定されててもよい。
上述の実施形態では、変位部101,102の一端が濾室構成部である中央側凹部12A,12Bに固定されたが、変位部101,102の一端が密封部14に固定されてもよい。或いは、変位部101,102の一端が濾布18に固定されてもよい。
第1実施形態の図1、図3で示される変位部を変更し、図18、図17のようにしてもよい。或いは、図19のようにしてもよい。図17~図19の例は、第1実施形態とは変位部の長さのみが異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。
第1実施形態の図1、図3で示される変位部を変更し、図21、図20のようにしてもよい。図20、図21の例は、第1実施形態とは変位部の長さのみが異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。或いは、図22のようにしてもよい。図22は、変位部の両端が濾布又は濾板本体に固定されている。
第1実施形態の図1、図3で示される変位部を変更し、図23のようにしてもよい。図23の例では、変位部が帯状に構成されている。
いずれの実施形態でも、変位部は図24、図25のように取り付けられてもよい。図24、図25の例では、棒状の軸部材190に対して変位部101が固定されており、軸部材190の両端部が挿入対象部18Y,18Zにそれぞれ挿入されて保持されるようになっている。具体的には、図25のように離脱した状態の軸部材190を図24のように挿入し保持されるようにすることで、軸部材190及び変位部101を濾布18に固定することができる。図24の濾布18では、シート状の布部18Xに対して、布などによって構成される挿入対象部18Y,18Zが固定されており、挿入対象部18Yの端部18D及び挿入対象部18Zの端部18Hが固定されずに開放した状態となっている。挿入対象部18Yの端部18E、18G、18Fは、布部18Xに固定されている。挿入対象部18Zの端部18I、18J、18Kは、布部18Xに固定されている。
第1実施形態の図1、図3で示される変位部を変更し、図26のようにしてもよい。図29の例では、変位部111が上側と下側にそれぞれ設けられており、各々の変位部111の両端が濾板本体又は濾布に固定されている。
上述の実施形態では、濾板の両側に変位部が設けられていたが、図29、図30のように、濾板10の一方側のみに変位部(図29、図30では、変位部102)が設けられていてもよい。図29、図30の例でも、固液混合体7が注入される際には、図29のように複数の濾板10が密集した密着状態で固液混合体7が注入される。そして、図30のように、密集した濾板群の片側から濾板10が順番に離間することで、離間するように変位した濾板10と濾板群の残りの部分との間からケーキ7Aが離脱する。図29、図30の例では、各々の濾板10が濾板群から離間する際に、濾板群の端から順番に濾板10が所定方向に移動して離間するようになっており、各々の濾板10において離間時の移動方向とは反対側の面に変位部102が設けられる。なお、図29、図30では、一部の濾板10が二点鎖線によって仮想的に示されている。図29、図30のような例では、図30のように濾板群の端の濾板10が離間する際に、ケーキ7Aは、移動する濾板10からは離脱しやすいが、移動する濾板10と対向するように濾板群に設けられる濾板10(移動しない又は移動量の小さい)からは離脱しにくい。しかし、図30の例では、ケーキ7A内に埋まった変位部102がケーキ7Aを引っ張るように作用するため、ケーキ7Aを離脱させやすい。
変位部の固定方法は、図31のようにされてもよい。図31の方法では、軸部材190が保持部180を通されて保持されている。
(付記)
本発明は以下の[1]~[24]の態様を含み得るものである。
[1]固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われ、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体と押圧し合うように接近した接近状態において前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記濾板本体を備えて構成されるフィルタープレス装置用の濾板であって、
前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が前記被覆材の外側において前記被覆材の表面から離間可能且つ変位可能に設けられる変位部を有し、
前記接近状態のときに前記濾室内に前記固液混合体が注入された場合に、前記変位部が前記濾室内において記固液混合体内に埋没する
フィルタープレス装置用の濾板。
[2]固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われるように構成され、前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記濾板本体を備えて構成されるフィルタープレス装置用の濾板であって、
前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられる変位部を有し、
前記変位部は、自身の少なくとも一部が撓み変形可能に構成されるとともに前記被覆材の外側に延びるように配置される
フィルタープレス装置用の濾板。
[3]濾室に注入される固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、前記濾室構成部の周囲に配置される密封部と、を備えた濾板本体を有し、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされるフィルタープレス装置において用いられるフィルタープレス装置用の濾板であって、
前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が前記濾板本体に対して変位可能に設けられた変位部を有し、
前記濾板本体が前記接近相手に接近した接近状態において前記変位部が前記濾室内に配置される
フィルタープレス装置用の濾板。
[4]前記変位部は、撓み変形可能に設けられる
[1]から[3]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[5]前記濾板本体を覆う通水性の被覆材を有し、
前記変位部は、自身の少なくとも一部が前記被覆材の外側に延びるように配置される
[1]から[4]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[6]前記変位部は、前記濾板本体又は前記濾板本体に取り付けられた付属物に対して垂れ下がるように取り付けられる
[1]から[5]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[7]前記濾室構成部は、前記固液混合体が入り込む窪み部を有し、
前記変位部は、前記窪み部の内側と外側とに変位可能である
[1]から[6]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[8]前記変位部は、前記濾板本体に固定される
[1]から[7]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[9]前記変位部は、前記窪み部内に固定される
[7]に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[10]前記変位部は、前記密封部に固定される
[1]から[8]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[11]前記フィルタープレス装置において、前記濾室構成部及び前記密封部を覆う濾布が設けられ、
前記変位部は前記濾布を貫通して配置される
[1]から[10]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[12]前記濾板本体を覆う通水性の被覆材を有し、
前記変位部は前記被覆材に固定される
[1]から[7]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[13]前記被覆材は濾布であり、
前記変位部は前記濾布に固定される
[1]から[7]のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[14]前記変位部は、前記濾室の幅よりも幅が小さい細長の部分である
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[15]前記変位部は、金属線、樹脂線、糸、紐、帯の少なくともいずれかである
[1]から[14]のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用の濾板。
[16][1]から[15]のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置の濾板を有するフィルタープレス装置。
[17]固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われ、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体と押圧し合うように接近した接近状態において前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記被覆材を備えて構成されるフィルタープレス装置用のシート体であって、
前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
前記変位部の少なくとも一部が前記被覆材の外側において前記被覆材の表面から離間可能且つ変位可能に設けられ、
前記接近状態のときに前記濾室内に前記固液混合体が注入された場合に、前記変位部が前記濾室内において記固液混合体内に埋没する
フィルタープレス装置用のシート体。
[18]固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われるように構成され、前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記被覆材を備えて構成されるフィルタープレス装置用のシート体であって、
前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
前記変位部は、自身の少なくとも一部が撓み変形可能に構成されるとともに前記被覆材の外側に延びるように配置される
フィルタープレス装置用のシート体。
[19]濾室に注入される固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、前記濾室構成部の周囲に配置される密封部と、を備えた濾板本体を有し、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされるフィルタープレス装置において用いられるフィルタープレス装置用のシート体であって、
前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
前記変位部の少なくとも一部が前記被覆材に対して変位可能に設けられ、
前記濾板本体が前記接近相手に接近した接近状態において前記変位部が前記濾室内に配置される
フィルタープレス装置用のシート体。
[20]前記変位部は、前記被覆材に対して垂れ下がるように取り付けられる
[17]から[19]のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用のシート体。
[21]前記変位部は、前記濾室の幅よりも幅が小さい細長の部分である
[17]から[20]のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用のシート体。
[22]前記変位部は、金属線、樹脂線、糸、紐、帯の少なくともいずれかである
[17]から[21]のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用のシート体。
[23]前記被覆材は、通水性を有する布である
[17]から[22]のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用のシート体。
[24][17]から[23]のいずれか一つに記載のフィルタープレス装置用のシート体を有するフィルタープレス装置。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 :フィルタープレス装置
3 :濾板構造(フィルタープレス装置用の濾板構造)
7 :固液混合体
7A :ケーキ
9 :密着部
10 :濾板(フィルタープレス装置用の濾板)
11 :濾板本体
12A :中央側凹部(濾室構成部)
12B :中央側凹部(濾室構成部)
14 :密封部
18 :濾布(被覆材)
40 :濾室

Claims (24)

  1. 固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われ、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体と押圧し合うように接近した接近状態において前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記濾板本体を備えて構成されるフィルタープレス装置用の濾板であって、
    前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が前記被覆材の外側において前記被覆材の表面から離間可能且つ変位可能に設けられる変位部を有し、
    前記接近状態のときに前記濾室内に前記固液混合体が注入された場合に、前記変位部が前記濾室内において記固液混合体内に埋没する
    フィルタープレス装置用の濾板。
  2. 固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われるように構成され、前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記濾板本体を備えて構成されるフィルタープレス装置用の濾板であって、
    前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられる変位部を有し、
    前記変位部は、自身の少なくとも一部が撓み変形可能に構成されるとともに前記被覆材の外側に延びるように配置される
    フィルタープレス装置用の濾板。
  3. 濾室に注入される固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、前記濾室構成部の周囲に配置される密封部と、を備えた濾板本体を有し、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされるフィルタープレス装置において用いられるフィルタープレス装置用の濾板であって、
    前記濾板本体に対して直接的に又は他部材を介して間接的に取り付けられ、自身の少なくとも一部が前記濾板本体に対して変位可能に設けられた変位部を有し、
    前記濾板本体が前記接近相手に接近した接近状態において前記変位部が前記濾室内に配置される
    フィルタープレス装置用の濾板。
  4. 前記変位部は、撓み変形可能に設けられる
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  5. 前記濾板本体を覆う通水性の被覆材を有し、
    前記変位部は、自身の少なくとも一部が前記被覆材の外側に延びるように配置される
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  6. 前記変位部は、前記濾板本体又は前記濾板本体に取り付けられた付属物に対して垂れ下がるように取り付けられる
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  7. 前記濾室構成部は、前記固液混合体が入り込む窪み部を有し、
    前記変位部は、前記窪み部の内側と外側とに変位可能である
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  8. 前記変位部は、前記濾板本体に固定される
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  9. 前記変位部は、前記窪み部内に固定される
    請求項7に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  10. 前記変位部は、前記密封部に固定される
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  11. 前記フィルタープレス装置において、前記濾室構成部及び前記密封部を覆う濾布が設けられ、
    前記変位部は前記濾布を貫通して配置される
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  12. 前記濾板本体を覆う通水性の被覆材を有し、
    前記変位部は前記被覆材に固定される
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  13. 前記被覆材は濾布であり、
    前記変位部は前記濾布に固定される
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  14. 前記変位部は、前記濾室の幅よりも幅が小さい細長の部分である
    請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  15. 前記変位部は、金属線、樹脂線、糸、紐、帯の少なくともいずれかである
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用の濾板を有するフィルタープレス装置。
  17. 固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われ、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体と押圧し合うように接近した接近状態において前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記被覆材を備えて構成されるフィルタープレス装置用のシート体であって、
    前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
    前記変位部の少なくとも一部が前記被覆材の外側において前記被覆材の表面から離間可能且つ変位可能に設けられ、
    前記接近状態のときに前記濾室内に前記固液混合体が注入された場合に、前記変位部が前記濾室内において記固液混合体内に埋没する
    フィルタープレス装置用のシート体。
  18. 固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と前記濾室構成部の周囲に配置される密封部とを備えた濾板本体を複数備え、各々の前記濾板本体が通水性の被覆材によってそれぞれ覆われるように構成され、前記被覆材の少なくとも一部が濾室の内面部を構成するフィルタープレス装置において、前記被覆材を備えて構成されるフィルタープレス装置用のシート体であって、
    前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
    前記変位部は、自身の少なくとも一部が撓み変形可能に構成されるとともに前記被覆材の外側に延びるように配置される
    フィルタープレス装置用のシート体。
  19. 濾室に注入される固液混合体からの力を受ける壁部をなす濾室構成部と、前記濾室構成部の周囲に配置される密封部と、を備えた濾板本体を有し、前記濾板本体が接近相手となる他の濾板又は他の枠体に対して接近及び離間可能とされるフィルタープレス装置において用いられるフィルタープレス装置用のシート体であって、
    前記被覆材に取り付けられる又は一体化される変位部を有し、
    前記変位部の少なくとも一部が前記被覆材に対して変位可能に設けられ、
    前記濾板本体が前記接近相手に接近した接近状態において前記変位部が前記濾室内に配置される
    フィルタープレス装置用のシート体。
  20. 前記変位部は、前記被覆材に対して垂れ下がるように取り付けられる
    請求項17から請求項19のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のシート体。
  21. 前記変位部は、前記濾室の幅よりも幅が小さい細長の部分である
    請求項17から請求項20のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のシート体。
  22. 前記変位部は、金属線、樹脂線、糸、紐、帯の少なくともいずれかである
    請求項17から請求項21のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のシート体。
  23. 前記被覆材は、通水性を有する布である
    請求項17から請求項22のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のシート体。
  24. 請求項17から請求項23のいずれか一項に記載のフィルタープレス装置用のシート体を有するフィルタープレス装置。
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