JP7041881B1 - 掃除機ノズル - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、上記のような細部用のノズルは、吸込口が細部の表面へ容易に吸着するため、吸込口から吸い込まれる空気が減少して埃等の吸込効率が低下するという課題があった。
このような課題を解決するため、吸込口にブラシを植設して吸込口が細部の表面に吸着することを防止し、埃等の吸込効率を維持可能な細部用の掃除機ノズルに関する技術が開発されており、それに関してすでにいくつかの発明や考案が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、幅が狭い平面ほぼ矩形状の筒状で、底面にほぼ矩形状の吸込口を有し、この吸込口からの空気を、連結部を介して掃除機本体に送る吸込風路を備えたノズル部と、このノズル部の長手方向のいずれかの側に設けられ、ノズル部の側壁に設けられる空気取入れ部と、ノズル部の側壁の下端部に設けられ、吸込風路と空気取入れ部を連通する連通口とを備え、空気取入れ部は、その底面に、軟質材からなる複数のブラシ部材が等間隔に設けられたことを特徴とする。
このような特徴を有する発明においては、複数のブラシ部材が空気取入れ部の底面に設けられたことにより、ノズル部の底面が被清掃面に吸着されてもブラシ部材は被清掃面に吸着しない。よって、空気が吸込口付近で流れ、被清掃面に衝突することになる。そのため、被清掃面から細かい塵埃等が舞い上がるので、ノズル部がこの舞い上がった塵埃等を吸い込むことができる。したがって、特許文献1に開示された発明によれば、塵埃の吸引低下を防いで確実に塵埃を捕集することができる。
特許文献2に開示された考案は、電気掃除機の吸引管に接続できる吸い込み接続口を一端に備えて他端部を吸塵ヘッドが嵌挿できる大きな口径にされた内部が空洞の吸塵本体と、この吸塵本体の大きな口径部に嵌合保持される多数の可撓性の吸引チューブを備える吸塵ヘッドと、この吸塵ヘッドの周囲を取り囲むようにして吸塵本体の外周部に基部を被嵌装着されるリングブラシとを含み、このリングブラシに植設されるブラシは吸塵ヘッドに設けられる吸引チューブより長くされていることを特徴とする。
このような特徴を有する考案においては、可撓性の吸引チューブの先端の開口部から吸塵される。しかし、吸引チューブの周囲に、リングブラシに植設されるブラシが設けられることにより、吸引チューブの開口部が被清掃面に吸着しない。よって、特許文献1に開示された発明と同様に、埃等の吸込効率が低下することを防止できる。
また、吸塵ヘッドを被清掃面の状態に応じて押し付けると、屈曲したブラシによって、被清掃面に付着している埃等が掻き起こされて、吸引チューブから吸塵本体内に吸い込まれる。したがって、特許文献2に開示された考案によれば、細部の清掃効率も向上させることができる。
特許文献3に開示された発明は、ブラシホルダーと、このブラシホルダーの開口部に固着されかつ周縁に植設したブラシを設けたハウジングと、ハウジングの内壁の一部より中心方向に延設された保持体部に複数の細管体を設けるとともに、ハウジングの内壁と保持体部の外周との間に形成された吸込口で構成し、ブラシを、植設された面からの長さを徐々に変化させてなることを特徴とする。
このような特徴を有する発明においては、ブラシの植設された面からの長さが徐々に変化しているため、部屋の隅、溝の奥、狭い隙間等にブラシの先端を容易に接触させることができる。よって、こびりついた塵埃、あるいは細かな塵埃を掻き出し、細管体を通じて吸引することができる。
また、ブラシを吸込口の周縁に設けたため、掃除作業を行ったとき、ブラシがその弾性により吸込具の吸込口に向け塵埃を掃き出すことができる。したがって、より確実に素早く掃除を行うことが可能である。
また、吸引チューブがリング状のブラシの内側に配置されていることから、吸引チューブがブラシの外側に存在する埃等を吸い込み困難である。
さらに、複数の吸引チューブが吸塵本体の口径部に面状に分布しているため、吸塵本体を孔部へ差し込んだ後にやや傾斜させ、ブラシとこのブラシ寄りに分布する吸引チューブの各一部分を同時に隅に接触させようとしても、この各一部分以外のブラシと吸引チューブの存在が妨げとなる。よって、特許文献2に開示された考案においては、ブラシが孔部の隅に溜まった埃等を十分に掃き出し、掃き出した埃等をブラシの内側においても効率的に吸い込むことができないという課題もあると考えられる。
一方、ブラシの植設された面からの長さが徐々に変化しているため、ブラシと細管体を同時に孔部の隅に接触させることができる。よって、特許文献3に開示された発明においては、孔部の隅に溜まった埃等を十分に掃き出し、掃き出した埃等をブラシの内側において吸い込む効率は、特許文献2に開示された考案の場合よりも高いと考えられる。
しかし、ブラシは、ハウジングに沿って略リング状に設けられていることから、特許文献2に開示された考案と同様に、ユーザーが吸塵本体を持ち変える頻度は、特許文献1に開示された発明の場合と比べて大きく減少するとは考え難い。したがって、特許文献3に開示された発明においても、使い勝手が良好でない等の課題があると考えられる。
このような構成の発明においては、「第1の列」として、1本の完全な直線状をなして基準線に沿っているもののほか、波状やジグザグ状に変化しながら、ほぼ基準線に沿っているものが考えられる。「第2の列」も、1本の完全な直線状をなすほか、波状やジグザグ状に変化していてもよい。
また、基準線とは、先端面上に仮想される直線であって、先端面の面積を均等または不均等に二分割するものである。よって、第1の列と第2の列との交点は、必ずしも本体の先端面の中心点に配置されなくてもよい。さらに、第1の列の中点と、第2の列の中点が重なって交点となっているほか、第1の列の端部と、第2の列の端部が重なって交点となっていてもよい。そして、区画には、1本以上の可撓管が配置されてもよい。
なお、本願における固定部とは、可撓管が先端面に固定される部分を意味するが、固定は先端面と一体に固定されてもよいし、先端面に接続するように固定されてもよく、可撓管が先端面と隙間を生じないような固定であればその固定方法は問わない概念である。
なお、底部に対する壁部の構造、例えば隅の走行方向や、掃除機ノズルを隅に対して押し当てる向きによって、隅に沿って一列に配列されるものは、主に、第1の列か、第2の列か、または第1の列と第2の列の双方か、が異なってくる。しかし、ユーザーがブラシを隅へ無造作に押し当てた場合でも、上記の三通りのいずれかの作用が起こり、第1及び第2の列の各先端はすべて隅に沿って一列に集められる。
このような構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、可撓管は、複数の区画のすべてに配置されるから、第1の列と第2の列との交点を中心として、先端面の周方向について略均等に配置される。よって、清掃対象物が孔部である場合に、その底部の形状等に関わらず、隅の全周に亘って略均等に可撓管を隅へ接近させることができる。
このような構成の発明において、有角部は、可撓管の横断面上で、例えば二等辺三角形、扇形、しずく形をなすものが考えられる。なお、可撓管の横断面とは、先端面と平行をなす断面をいう。
上記構成の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加えて、角部において、可撓管が過度に屈曲することが防止される。また、屈曲した可撓管が元の直線的な形状に戻る復元力は、角部の方が角部以外の箇所よりも強い。そのため、角部が第1の列と第2の列との交点寄りに配置されることにより、屈曲した可撓管は、交点を通り先端面に直交する線方向に沿うように戻る。その結果、屈曲した可撓管は、屈曲前の本体の先端面から前方に向かって突出した形状へと確実に復元する。
このような構成の発明においては、第1乃至第3のいずれかの発明の作用に加えて、吸込口の端面がその全周において先端面と平行する場合では、例えば前述の孔部の隅へブラシを押し付けることで可撓管も屈曲するときに、端面と底部及び壁部との間に、それぞれ隙間が形成される。よって、吸込口が、この隙間を介して埃等を効率的に吸い込み可能である。
一方、吸込口の端面が傾斜している場合では、端面を底部及び壁部へより接近させることができるので、吸込口が、ブラシが隅へ接触する際の妨げになり難い。
このような構成の発明においては、第1乃至第4のいずれかの発明の作用に加えて、第1及び第2の列の各先端がすべて隅に集められた場合において、可撓管の吸込口が、第1及び第2の列の各先端、さらに孔部の底部や壁部といった清掃対象物によって閉止されることが防止される。したがって、第1及び第2の列の各先端が掃き出した埃等を、可撓管が直ちに吸い込むことができる。
なお、吸込口の端面が、先端面上の交点から先端面の周面へ向かう方向に沿って、先端面へより近づくように傾斜している場合において、可撓管の先端面からの最大長さとは、先端面から、先端面上の交点に最も近い端面までの長さをいう。
このような構成の発明においては、第1乃至第5のいずれかの発明の作用に加えて、複数の可撓管がそれぞれ先細形状をなしているため、吸込口から吸い込まれた埃等が可撓管の内部の空間に詰まることがない。
また、底部の形状等に関わらず、第1及び第2の列の各先端は隅に押し付けられるのみで自然に一列になり隅に集められることになるので、ユーザーが清掃中に底部の形状等に応じて掃除機ノズルを意識的に持ち変える必要がない。そのため、掃除機ノズルが連結される掃除機の吸い込みホース等の取り回しに煩わされることがなく使い勝手が良好であり、清掃にかかる手間や時間を減らすことができる。
さらに、底部の形状等に関わらず、可撓管が隅に集められた第1及び第2の列の各先端と重ならないように位置する場合が多いから、埃等の掃き出し方向に関わらず、可撓管が埃等を効率的に吸い込み可能である。
また、角部が先端面の中心点寄りに配置されることにより、屈曲した可撓管が屈曲前の本体の先端面から前方に向かって突出した形状へ確実に復元するため、復元後に複数の可撓管のすべての開口方向が揃い易い。よって、掃除機ノズルを連続して異なる移動方向に移動させた後であっても、掃除機ノズルを中心としてムラなく埃等を吸い込むことができる。
また、吸込口の端面が傾斜している場合では、吸込口が底部及び壁部に接触し難くなるため、ブラシが隅に届き易くなって隅に溜まった埃等を一層掃き出し易くなる。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る掃除機ノズル1は、掃除機の吸込パイプ(図示せず)に接続口2aが接続される本体2と、本体2の円形をなす先端面3から前方に向かって突出する4本の可撓性を有する可撓管4及びブラシ5を備える。なお、前方とは、先端面3に対して直交する方向(図中Z方向)である。また、A方向は、Z方向の逆方向である。
また、可撓管4は、柔軟性と復元力を有する合成樹脂製であって、その先端に開口する吸込口4aと、本体2の先端面3に固定される固定部4bを備える。そして、可撓管4は、その内部の空間が固定部4bから吸込口4aに向かうにつれて狭まる先細形状をなしている。
さらに、ブラシ5は、埃やゴミを掃き出すために必要な適度な硬さと復元力を有する合成樹脂製であって、先端5aと、先端面3に植設される基端5bを備える。また、ブラシ5は、先端面3上の基準線L1に沿って配列される第1の列6と、この第1の列6と交点O(図2(a)参照)において交わる1本の第2の列7を備える。なお、第2の列7は、基準線L1と直交する直交線L2に沿って配列される。また、Z方向は、基準線L1と直交し、かつ直交線L2と直交する方向である。
さらに、本体2の先端面3は、第1の列6及び第2の列7で区画され、かつ交点Oを中心として、放射状に均等の面積となるように区画される複数の区画S1~S4が形成される。
そして、可撓管4は、複数の区画S1~S4のすべてに、それぞれ1本ずつ配置される。なお、交点Oは、基準線L1の中点と、直交線L2の中点とが交わる点であり、先端面3の中心点に位置している。
また、図2(b)に示すように、複数の可撓管4の先端面3からの最大長さL4は、ブラシ5の先端面3からの長さL5よりも短い。具体的には、最大長さL4と長さL5の比率は、9:10であるが、これ以外の比率、例えば7:10や8:10であってもよい。また、可撓管4の吸込口4aの端面E4は、その全周において先端面3と平行をなしている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、掃除機ノズル1の試作品においては、可撓管4の吸込口4aの端面E4は、円形状の全周において先端面3と平行をなしている。しかし、可撓管4の長手方向(すなわち、Z方向)のうち、固定部4b寄りの一部は、図9(c)に示すような、横断面上で扇状をなす有角部8が形成されている。これ以外の試作品の構成は、図1及び図2に示した掃除機ノズル1の構成と同様である。
掃除機ノズル1を用いて、底部50aと、壁部50bを備える孔部50を清掃する場合を想定する。まず、図4(a)に示すように、掃除機ノズル1の可撓管4及びブラシ5を、例えば底部50aと壁部50bとの隅50cに押し付ける前においては、可撓管4、第1の列6及び第2の列7は、いずれも先端面3に対して直交する方向、すなわちZ方向に向かって突出した状態にある。なお、底部50aと壁部50bがなす角度は、90°である。
また、第1の列6の先端6aと、第2の列7の先端7aは、いずれも先端面3からの長さが等しい。
次に、図4(d)に示すように、可撓管4及びブラシ5を隅50cに押し付けると、第1の列6と、第2の列7は先端面3の周面3aに近い部分ほど隅50cに向かってそれぞれ屈曲するため、先端6aと、先端7aは、すべて隅50cに向かって集められた状態になる。このとき、可撓管4はわずかに屈曲するが、吸込口4aと隅50cとの間には、やはり隙間が発生している。
図5(a)に示すように、可撓管4及びブラシ5を、底部50aと壁部50bとの隅50c(図4参照)に押し付ける前は、可撓管4S1~4S4、第1の列6及び第2の列7は、図4(a)に示したとおり、いずれも先端面3に対して直交するZ方向(図1参照)に向かって突出した状態にある。また、第1の列6及び第2の列7は、それぞれ基準線L1及び直交線L2に沿って配列されている。なお、可撓管4S1~4S4とは、それぞれ区画S1~S4に配置される可撓管4を意味している。
次に、図5(b)に示すように、第1の列6を隅50cに沿わせるように、可撓管4S1~4S4、第1の列6及び第2の列7を隅50cに押し付けると、第1の列6の先端6aは、基準線L1方向の長さが変化することなく、隅50cに集められる。ここで、隅50cの走行方向をL3とすると、この走行方向L3は、区画S1と区画S4、及び区画S2と区画S3を形成する基準線L1と重複する。よって、区画S1と区画S4を形成する基準線L1に対する走行方向L3の角度をθとすると、θは0°である。
これに対し、第2の列7は、その先端7aが底部50aと壁部50bとに当接するため、Z方向に対して屈曲する。よって、先端7aの直交線L2方向の長さが狭められて、先端7aが隅50cへ集められる。したがって、先端6a及び先端7aのいずれもが、隅50cへ集められる。
これに対し、第1の列6は、その先端6aが底部50aと壁部50bとに当接して隅50cへ集められる。よって、先端6aの基準線L1方向の長さが狭められる。したがって、図5(b)の場合と同様に、先端6a及び先端7aのいずれもが、隅50cへ集められる。
したがって、図5(b)及び図5(c)の場合と同様に、先端6a及び先端7aが、隅50cへ集められる。すなわち、θが交点Oを中心として反時計回りに0°、45°、90°のいずれであっても、先端6a及び先端7aが、隅50cへ集められる。これは、θが、135°、180°、225°、270°、315°の場合と、これら以外の場合においても同様である。
このように、第1の列6が配列される基準線L1に対する隅50cの走行方向L3の角度θの大きさに関わらず、先端6a及び先端7aが隅50cへ集められることが分かる。
図6(a)は、図5(a)に対応する画像であって、可撓管4S1~4S4と、第1の列6及び第2の列7を、底部50aと壁部50bとの隅50cに押し付ける前のものである。
次に、図6(b)は、図5(b)に対応する押し付け後の画像であって、第1の列6の先端6aは、基準線L1方向の長さが変化することなく、隅50cに集められる。
このように、やはり第1の列6及び第2の列7のいずれもが、隅50cへ集められることが分かる。このとき、隅50cを挟んだ一対の可撓管4S1,4S2と、もう一対の可撓管4S3,4S3の各吸込口4aは、それぞれ隅50cに向かってやや傾いた状態となっていることに加えて、底部50a及び壁部50bとの間に隙間Sp1が形成されていることを確認できる。よって、四個すべての吸込口4aは、やはり第1の列6及び第2の列7によって閉止されない。
そして、図6(d)は、図5(d)に対応する画像であって、第1の列6と第2の列7の双方を隅50cに沿わせないように、それぞれ底部50a及び壁部50bに押し付けると、実際に、その先端6a,7aが隅50cにほぼ集められることが分かる。このとき、隅50cを挟んで一対の可撓管4S2,4S4の各吸込口4aは、それぞれ隅50cに向かって傾いた状態となっており、底部50a及び壁部50bとの間に隙間Sp1が形成されるため、第1の列6及び第2の列7によって閉止されない。また、残りの一対の可撓管4S1,4S3の各吸込口4aは、隅50cの直下に配列されているが、やはり隅50cとの間に隙間Sp1が形成されるため、第1の列6及び第2の列7によって閉止されない。
掃除機ノズル1を用いて、図4及び図5に示した孔部50を清掃する場合を想定する。孔部50は、円形かつ平面状の底部50aと、壁部50bと、底部50aと壁部50bとの隅50cを備える。このうち、底部50aは水平であり、底部50aに対し壁部50bがなす角度は90°である。
図7に示すように、孔部50に対する掃除機ノズル1の使用方法は、まず、掃除機ノズル1を孔部50へ差し込んだ後、可撓管4と、第1の列6及び第2の列7を、隅50cの(1)で示す位置に押し付ける。次いで、そのまま掃除機ノズル1を持ち変えることなく(1)から(3)のように、この隅50cに沿わせてスライド移動させるとよい。
詳細には、(1)の区画S1と区画S4を形成する基準線L1に対する隅50cの走行方向L3の角度θが0°の場合では、図5(b)で説明したとおり、第1の列6の先端6aが隅50cに集められる。また、第2の列7の先端7aは、直交線L2に沿った長さが狭まり、隅50cに集められる。
したがって、隅50cに集められた先端6a及び先端7aによって、隅50cに溜まった埃等が掃き出される。掃き出された埃等は、可撓管4S1,4S4の各吸込口4aと、可撓管4S2,4S3の各吸込口4aが、いずれも第1の列6及び第2の列7を挟んで開口し、かつ隙間Sp1(図6参照)が形成されているため、直ちに可撓管4S1~4S4によって吸い込まれる。
したがって、隅50cに集められた先端6a及び先端7aによって、隅50cに溜まった埃等が掃き出される。掃き出された埃等は、可撓管4S2,4S4の各吸込口4aが走行方向L3に接近するように開口し、かつ隙間Sp1が形成されているため、直ちに可撓管4S2,4S4によって吸い込まれる。なお、可撓管4S1,4S3の各吸込口4aは、走行方向L3の直上に開口しているが、隙間Sp1が形成されているため、各吸込口4aが先端6aと先端7aによって閉止されるおそれはない。よって、先端6aと先端7aの間に存在する埃等も、直ちに可撓管4S1,4S3によって吸い込まれる。
よって、隅50cに集められた先端6a及び先端7aによって、隅50cに溜まった埃等が掃き出される。掃き出された埃等は、可撓管4S1~4S4によって直ちに吸い込まれる。
そして、掃除機ノズル1を持ち変えることなく(3)から(1)へ戻るよう、隅50cに沿わせて反時計回りにスライドさせるとき、可撓管4、先端6a及び先端7aの変化は、θが180°の場合に(1)と同様であり、θが135°、225°及び315°の場合に(2)と同様であり、θが270°の場合に(3)と同様である。
なお、掃除機ノズル1を用いて、先端面3の面積に対して広めの面積を有する底部50aを清掃する場合においても、図11及び図12で説明する掃除機ノズル1Aの作用と同様に、この底部50aを効率的に清掃できる。
また、角度θの大きさがいずれであっても、ユーザーが掃除機ノズル1を持ち変える必要がないため、使い勝手が良好で、清掃にかかる手間や時間を減らすことができる。
加えて、図7から分かるように、可撓管4S1~4S2の吸込口4aのうち、少なくとも二個の吸込口4aが、常に第1の列6及び第2の列7を挟んで開口していることから、第1の列6及び第2の列7の外側及び内側に存在する埃等を、確実に吸い込むことができる。
そして、可撓管4S1~4S4へ流入した埃等は、可撓管4S1~4S4の内部の空間が固定部4bから吸込口4aに向かうにつれて狭まる先細形状をなしているため、埃等は可撓管4S1~4S4の内部の空間に詰まることがなく、掃除機本体へ速やかに移送される。よって、掃除機ノズル1によれば、埃等の吸込効率や清掃時間の短縮といった清掃効率を高い状態に維持することができる。
図8に示すように、実施例の第1の変形例に係る掃除機ノズル1Aは、実施例に係る掃除機ノズル1が備える可撓管4の代わりに、可撓管9を備える。可撓管9は、その先端に開口する吸込口9aと、先端面3に固定される固定部9bを備え、複数の区画S1~S4(図9(b)参照)のすべてにそれぞれ1本ずつ配置される。これ以外の掃除機ノズル1Aの構成は、掃除機ノズル1の構成と同様である。
また、図9(a)に示すように、複数の可撓管9の先端面3からの最大長さL9は、ブラシ5の先端面3からの長さL5よりも短い。
さらに、図9(b)及び図9(c)に示すように、可撓管9の長手方向のすべてに亘って、可撓管9の横断面上で交点O寄りに設けられる角部K1を有する有角部10が形成される。この有角部10は、可撓管9の横断面上で、角部K1のほかにも角部K2,K2を備える。すなわち、可撓管9は、固定部9b寄りの横断面上で略扇状をなしており、角部K1が扇形の中心角、角部K2と角部K2間の辺が扇形の円弧に相当する。これ以外にも、有角部10は、可撓管9の長手方向のうち、固定部9b寄りの一部に形成されてもよい。
また、図10(a)に示すように、可撓管9の先端面3から角部K1における端面E9までの長さが最大長さL9である。これ以外の試作品の構成は、図1及び図2に示した掃除機ノズル1の構成と同様である。
図11及び図12に示すように、掃除機ノズル1Aを用いて、底部50aと、壁部50bを備える孔部50を清掃する場合を想定する。まず、図11(a)及び図11(c)に示すように、可撓管9、第1の列6及び第2の列7を、底部50aと壁部50bとの隅50cに押し付ける前は、これらは、それぞれ図6(a)で説明した実施例に係る掃除機ノズル1の場合と同様の作用を有する。
よって、第1の列6及び第2の列7が隅50cに集められる場合に、4本の可撓管9の各端面E9が、いずれも隅50cから必要以上に遠ざかることなく、かつ底部50a及び壁部50bに密着することのない位置に配置され易くなる。
なお、図示は省略するが、掃除機ノズル1Aを図9(b)におけるG方向と、Z方向に対し、ともに直交する方向(基準線L1及び直交線L2に対していずれも45°をなす方向)からみた場合の、角部K1における可撓管9の外周面に対する端面E9の角度は、およそ50°である。また、この場合における端面E9は、やや下に凸の屈曲した線形状となっている。
図12(a)及び図12(c)に示すように、可撓管9、第1の列6及び第2の列7を、底部50aと壁部50bとの隅50cに押し付ける前は、これらの状態は図6(a)で説明した実施例に係る掃除機ノズル1の状態と同様である。
次に、図12(c)及び図12(d)に示すように、第1の列6と第2の列7の双方を隅50cに沿わせないように隅50cに押し付ける場合でも、やはり吸込口9aと隅50cとの間には隙間Sp2が発生する。また、図12(d)に示すように、第1の列6の先端6aと第2の列7の先端7aに挟まれる吸込口9aの端面E9は、その全周に亘って先端6aと先端7aによって取り囲まれているわけではない。そのため、先端6aと先端7aに挟まれている吸込口9aであっても、隅50cに溜まった埃等を十分に吸い込み可能である。
図13(a)に示すように、掃除機ノズル1Aを平面51上で、X1方向へ移動させた場合において、図13(b)及び図13(c)に示すように、主に先端6a全体のうち、X1方向寄りの前方に位置する半分と、先端7aの全体が、平面51上に接触し、平面51上に溜まった埃等をX1方向へ掃き出すことができる。
また、図13(b)に示すように、先端6a,7a,7aよりも方向X1寄りの前方には二つの吸込口9aが存在するため、この二つの吸込口9aが掃き出された埃等を直ちに吸い込むことができる。
さらに、掃除機ノズル1Aを平面51上で、X1方向と逆の方向や、X1方向と直交する二方向へ移動させた場合においても、各方向寄りの前方には、常に二つの吸込口9aが存在することから、進行方向がいずれであるかに関わらず二つの吸込口9aが掃き出された埃等を直ちに吸い込むことができる。
加えて、四つの吸込口9aと平面51の間には隙間Sp2が発生しているため、可撓管9が、掃き出された埃等を隙間Sp2を介して吸い込むことができる。
また、図14(b)に示すように、先端6a,7aよりも方向X2寄りの前方には一つの吸込口9aが存在するため、この一つの吸込口9aが掃き出された埃等を直ちに吸い込むことができる。
さらに、掃除機ノズル1Aを平面51上で、X2方向と逆の方向や、X2方向と直交する二方向へ移動させた場合においても、各方向寄りの前方には、常に一つの吸込口9aが存在することから、進行方向がいずれであるかに関わらず一つの吸込口9aが掃き出された埃等を直ちに吸い込むことができる。
加えて、可撓管9の最大長さL9がブラシ5の長さL5よりも短いことと、吸込口9aの端面E9が傾斜していることから、四つの吸込口9aと平面51の間には隙間Sp2が発生する。よって、可撓管9が、掃き出された埃等を隙間Sp2を介して吸い込むことができる。
掃除機ノズル1Aを用いて、正方形かつ平面状の底部52aと、壁部52bと、底部52aと壁部52bとの隅52cを備える孔部52を清掃する場合を想定する。なお、底部52aは水平であり、底部52aに対し壁部52bがなす角度は90°である。
図15に示すように、まず、掃除機ノズル1Aを、孔部52へ差し込んだ後、可撓管4、第1の列6及び第2の列7を、隅52cの(1)で示す位置に押し付ける。次いで、そのまま掃除機ノズル1を持ち変えることなく(1)から(4)のように、四辺の隅52cに沿わせてスライドさせるとよい。
したがって、隅52cに集められた先端6a及び先端7aによって、隅50cに溜まった埃等が掃き出される。掃き出された埃等は、4本の可撓管9の各吸込口9aが、第1の列6及び第2の列7を挟んで開口し、かつ隙間Sp2(図11(d)参照)が形成されているため、直ちに4本の可撓管9によって吸い込まれる。
次に、掃除機ノズル1を反時計回りにスライドさせ、(2)乃至(4)のように順次配置した場合も、(1)の場合と同様に、隅52cに集められた先端6a及び先端7aによって埃等が掃き出され、掃き出された埃等は直ちに4本の可撓管9によって吸い込まれる。
さらに、四隅52dの上方の、壁部52bと壁部52bとの壁部隅52eについても、この壁部隅52eに第1の列6及び第2の列7を押し当てた後、例えば掃除機ノズル1Aを上下にスライドさせることにより、(1)乃至(4)の場合と同様に、壁部隅52eに集められた先端6a及び先端7aによって埃等が掃き出され、掃き出された埃等は直ちに少なくとも1本の可撓管9によって吸い込まれる。
したがって、掃除機ノズル1Aによれば、孔部の底部が四隅を有するか否か、または底部の面積の大小に関わらず、孔部の清掃を確実に実施することができる。
また、角部K1が先端面3の中心点、すなわち交点O寄りに配置されることにより、屈曲した可撓管9が屈曲前の本体2の先端面3から前方(Z方向)に向かって突出した形状へ確実に復元するため、復元後に複数の可撓管9のすべての開口方向が揃い易い。よって、掃除機ノズル1Aを連続して異なる移動方向に移動させた後であっても、掃除機ノズル1Aを中心としてムラなく埃等を吸い込むことができる。
これ以外の掃除機ノズル1Aの作用及び効果は、実施例に係る掃除機ノズル1の作用及び効果と同様である。
図16(a)に示すように、実施例の第2の変形例に係る掃除機ノズル1Bは、先端面3上の基準線L1に沿って配列される1本の第1の列6と、この第1の列6と交点Oにおいて交わる2本の第2の列7を備える。詳細には、1本の第1の列6と、2本の第2の列7は、それぞれの一方の端部6b,7bが交点Oにおいて交わっている。
さらに、3本の可撓管4が、それぞれ区画S1~S3に、交点Oを中心として120°毎に1本ずつ配置される。よって、3本の可撓管4は交点Oを中心として、先端面3の周方向に沿って均等に配置され、1本の第1の列6及び2本の第2の列7も交点Oを中心としてこれと同様に配置される。これ以外の掃除機ノズル1Bにおける構成は、実施例に係る掃除機ノズル1の構成と同様である。
また、3本の第2の列7は、基準線L1に対して反時計回りにそれぞれ45°から135°まで45°毎に走行する直線L45,L90,L135に沿って配列される。よって、先端面3は、交点Oを中心として45°毎に区画されるため、八個の均等な面積を有する区画S1~S8が形成される。
さらに、4本の可撓管4が、それぞれ区画S1,S3,S5,S7に、交点Oを中心として90°毎に1本ずつ配置される。よって、4本の可撓管4は交点Oを中心として、先端面3の周方向に沿って均等に配置され、1本の第1の列6及び3本の第2の列7も交点Oを中心としてこれと同様に配置される。これ以外の掃除機ノズル1Cにおける構成は、実施例に係る掃除機ノズル1の構成と同様である。
さらに、3本の第2の列7のうち、直線L45,L135に沿ってそれぞれ配列する2本の第2の列7の先端7a,7aもそれぞれ円弧状に連なり、隅50cに集められる。
よって、先端6aと、すべての先端7aが隅50cに集められ、隅50cに溜まった埃等を掃き出すことができる。そして、掃き出された埃等は、隅50cの外側に開口する2本の可撓管4と、隅50cの内側に開口する2本の可撓管4によって、吸い込まれる。
また、掃除機ノズル1の可撓管4は、区画S1~S4において、それぞれ1本以上設けられればよいほか、それぞれ同一本数が設けられなくても良い。さらに、掃除機ノズル1Aにおいて、図9(b)におけるG方向に対して直交する方向からみた場合の端面E9は、やや上に凸の屈曲した線形状をなすほか、直線状をなしていてもよい。
そして、掃除機ノズル1の試作品の有角部8や掃除機ノズル1Aの有角部10は、それぞれ可撓管4,9の横断面状で扇形をなす代わりに、二等辺三角形やしずく形に形成されてもよい。
このほか、掃除機ノズル1,1A,1B,1Cは、孔部50,52以外の清掃対象物、例えば、床面のほか、本、食器、洋服等を収納する収納棚の内部や、各種の道具を収納する道具箱の内部、部屋の隅やドア、天井等の清掃に用いることができる。
Claims (4)
- 掃除機の吸込パイプに接続口が接続される本体と、前記本体の先端面から前方に向かって突出する複数の可撓管及びブラシを備え、孔部の清掃に用いられる掃除機ノズルであって、
前記孔部は、底部と、壁部と、前記底部と前記壁部との隅を備え、
前記ブラシは、前記先端面上の基準線に沿って配列される1の第1の列と、この第1の列と交点において交わり、かつ前記第1の列に対し直交して配列される1の第2の列を備え、
前記先端面は、前記第1の列及び前記第2の列で区画され、かつ前記交点を中心として区画される複数の区画が形成され、
前記可撓管は、その先端に開口する吸込口と、前記先端面に固定される固定部を備え、複数の前記区画のすべてに配置され、
前記第1の列又は前記第2の列が屈曲し、これらの先端が前記隅に沿って一列に集められる一方で、複数の前記吸込口のうちの少なくとも二個が、一列に集められる前記第1の列及び前記第2の列の前記先端を挟んで開口可能とするため、前記可撓管の前記先端面からの最大長さは、前記ブラシの前記先端面からの長さよりも短いことを特徴とする掃除機ノズル。 - 前記可撓管の長手方向のうち、少なくとも前記固定部寄りの一部に、前記可撓管の横断面上で前記交点寄りに設けられる角部を、少なくとも有する有角部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の掃除機ノズル。
- 前記吸込口の端面は、その全周において前記先端面と平行、または前記先端面上の前記交点から前記先端面の周面へ向かう方向に沿って、前記先端面へより近づくように傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の掃除機ノズル。
- 複数の前記可撓管は、それぞれ内部の空間が前記固定部から前記吸込口に向かうにつれて狭まる先細形状をなしていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。
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