JP7041767B2 - エピガロカテキンガレート抱合体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、硫酸抱合体については、非特許文献1に開示されている、硫酸化試薬としてクロロ硫酸TCEエステル(Cl3CCH2OSO2Cl)を用いる方法ではガレート部の水酸基は硫酸化できず、2,2,2-トリクロロエトキシ-スルフリル-1,2-ジメチルイミダゾリウムトリフレート(SDIS)を用いることによって、ベンジル化エピガロカテキンガレート(v)からTCE硫酸化物(Ia)を高収率で得ることができ、当該TCE硫酸化物を水素化触媒存在下で加水素分解反応に付すことにより、一段階でエピガロカテキンガレート硫酸化物(Ib)に変換できることを見出した。
1)下記一般式(v):
で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートに2,2,2-トリクロロエトキシ-スルフリル-1,2-ジメチルイミダゾリウムトリフレートを反応させる工程、又はグルクロン酸供与体を反応させる工程を含む、一般式(Id):
で表されるエピガロカテキンガレート抱合体の製造方法。
2)下記一般式(v):
で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートに2,2,2-トリクロロエトキシ-スルフリル-1,2-ジメチルイミダゾリウムトリフレートを反応させる、下記一般式(Ia):
で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートTCE硫酸化物の製造方法。
3)2)で得られた、一般式(Ia)で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートTCE硫酸化物を、水素化触媒存在下で加水素分解する、一般式(Ib):
で表されるエピガロカテキンガレート硫酸化物の製造方法。
4)下記一般式(v):
〔式中、R1d及びR2dはそれぞれR1a及びR2aに対応し、いずれか一方が水素原子で他方がグルクロノシル基を示す。〕
で表されるエピガロカテキンガレートグルクロン酸化物の製造方法。
5)下記一般式(I):
で表されるエピガロカテキンガレート硫酸化物又はその誘導体。
6)下記一般式(II):
式(i)で表されるエピガロカテキン中のフェノール性水酸基のベンジル化は、公知の方法に従って又は準じて行うことができる。
すなわち、エピガロカテキンを塩基の存在下でハロゲン化ベンジルと反応させることにより行うことができる。
ハロゲン化ベンジルの使用量は、エピガロカテキン1当量に対して、通常4~20当量、好ましくは4.5~16当量、さらに好ましくは4.75~15当量、さらに好ましくは5.0~13.5当量である。
得られたベンジル化エピガロカテキン(ii)に、水酸基をベンジル基で保護したアリルエーテル没食子酸エステル(iii)を添加して、縮合反応に供する。
縮合反応は、適宜な溶媒及び縮合剤の存在下で通常の方法により行うことができる。
反応は通常、室温下、又は冷却若しくは加熱下で、好ましくは24~27℃の条件下、2~18時間行われる。
式(iv)で表されるアリル化エピガロカテキンガレート化合物のアリル基の脱離は、例えば、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム等のパラジウム触媒存在下、ギ酸又はそのアンモニウム塩等の水素源やモルホリン等の求核試薬を用いることにより行うことができる。
触媒の使用量は、式(iv)で表される化合物1当量に対して好ましくは0.01~1当量、さらに好ましくは0.02~0.8当量、さらに好ましくは0.05~0.66当量、さらに0.1~0.5当量が好ましく、水素源やモルホリン等の求核試薬の使用量は、式(iv)で表される化合物1当量に対して0.1~5当量が好ましく、さらには0.25~4当量が好ましく、さらには0.5~3当量が好ましく、1~2当量がさらに好ましい。
この工程で使用する溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランや1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒が例示される。
所定の水酸基をベンジル基で保護した式(v)で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートの3”位又は4”位の水酸基をTCE硫酸化する反応である。ここで用いられるTCE硫酸化試薬としては、2,2,2-トリクロロエトキシ-スルフリル-1,2-ジメチルイミダゾリウムトリフレート(2,2,2-trichloroethoxy-sulfuryl-1,2-dimethylimidazolium triflate;SDIS)が用いられる。
SDISは、J.Org.Chem.2009、74、6479.に記載の方法に従って製造することができる。すなわち、2,2,2-トリクロロエタノールと塩化スルフリルから2,2,2-トリクロロエチルクロロサルフェート(TCE-OSO2Cl)を得、これに2-メチルイミダゾールを反応させて2,2,2-トリクロロエチルイミダゾールサルフェート(TCE-OSO2Im)とし、次いでトリフルオロメタンスルホン酸メチルを反応させることによりSDISを製造することができる(参考例3)。
塩素系溶媒としては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン(塩化メチレン)、クロロホルム等が挙げられ、好ましくはジクロロメタンが挙げられる。
非プロトン性溶媒としては、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、好ましくはアセトニトリルが挙げられる。
上記溶媒中、より好ましくは塩素系溶媒であり、その中でもジクロロメタンを使用することがさらに好ましい。
塩基の使用量は、式(v)で表される化合物1当量に対して、通常1~5当量、好ましくは1.25~4当量、さらに好ましくは1.5~3.5当量、より好ましくは2~3当量である。
当該工程は、式(Ia)で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートTCE硫酸化物から、保護基を外す脱保護工程である。
すなわち、式(Ia)で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートTCE硫酸化物を、水素化触媒存在下で加水素分解することにより、ベンジル基とTCE基を、同時に脱離させて、式(Ib)で表されるエピガロカテキンガレート硫酸化物を得ることができる。
溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ギ酸、酢酸等の酸性溶媒及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
したがって、本発明においては、下記一般式(I)で表されるエピガロカテキンガレート硫酸化物又はその誘導体もまた提供される。
また、Mで示されるアルカリ金属原子としてはカリウム、ナトリウムが挙げられるがナトリウムが好ましい。また、Mで示されるアルカリ土類金属原子としてはマグネシウム、カルシウム等が挙げられ、より好ましくはナトリウムである。
また、Z1がベンジル基であり、R1及びR2のいずれか一方がベンジル基で他方が-SO3CH2CCl3(2,2,2-トリクロロエチル基(TCE)で保護された硫酸基)である化合物(ベンジル化エピガロカテキンガレートTCE硫酸化物)は、脱離容易な保護基を有する当該エピガロカテキンガレート硫酸物の誘導体であり、1工程でエピガロカテキンガレート硫酸物へ誘導できるエピガロカテキンガレート硫酸物の製造中間体(製造前駆体)として有用である。
ルイス酸の使用量は、式(v)で表される化合物1当量に対して、通常1~10当量、好ましくは3~8当量、さらに好ましくは4~6当量、より好ましくは4.8~5.2当量である。
エステル残基の脱離は加水分解反応によって行うことができ、例えば酸又は塩基の存在下、反応生成物と水とを適宜溶媒中で接触させることにより実施することができる。使用可能な酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸の如き無機酸や、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムの如き金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、更には酢酸ナトリウム等が挙げられる。
溶媒としては、例えば、エタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水混和性有機溶媒が水とともに用いられる。
反応は、通常、約0~100℃、好ましくは室温~50℃で、0.5~3時間、好ましくは0.5~2時間行われる。
以下の工程により、没食子酸エステルから化合物A3を合成した。
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコに没食子酸メチル(化合物A1)(1.00g、5.43mmol)を加えた後、アセトニトリル(50mL)を加え撹拌し、淡黄な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.07mL、5.97mmol)と臭化アリル(2.31mL、27mmol)、ヨウ化アリル(触媒量)を氷浴での冷却下で順次加えた。その後室温まで昇温し、48~72時間撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(100mL)により希釈し、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、目的化合物A2を得た。
1H-NMR(600MHz、acetone-d6)δ 7.08(s、2H)、6.06-6.13(m、1H)、5.29(ddt、J=17、1.6、1.6Hz、1H)、5.29(ddt、J=10、1.8、1.2Hz、1H)、5.15(ddd、J=6、1.5、1.2Hz、1H)、3.80(s、3H).
13C-NMR(150MHz、CDCl3)δ 166.88、151.37、138.64、135.26、126.38、118.44、109.69、73.89、52.15.
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに化合物A2(4.90g、22mmol)とテトラブチルアンモニウムヨージド(8.00g、22mmol)を加えた後、テトラヒドロフラン(50mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%水素化ナトリウム(水素化ナトリウムとして1.68g、66mmol)と臭化ベンジル(13mL、109mmol)を氷浴での冷却下で順次加えた。その後50℃まで加温し、8時間撹拌した。この時、エタノール(32mL)と水(16mL)、7mol/L水酸化ナトリウム水溶液(16mL)を加え、引き続き60℃まで加温し、18時間撹拌した。撹拌後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留で得られる白色個体を濾過、水で洗浄、アセトンで溶出し、濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣より、白色固体として化合物A3(6.90g、17mmol、収率81%)を得た。
1H-NMR(600MHz、DMSO-d6)δ 7.46-7.47(m、4H)、7.39-7.41(m、4H)、7.32-7.36(m、4H)、5.95-6.01(m、1H)、5.28(ddt、J=17、1.7、1.7Hz、1H)、5.17(s、4H)、5.14(ddt、J=10、1.2Hz、1H)、4.54(ddd、J=5.6、1.2Hz、1H).
以下の工程により、没食子酸エステルから化合物A5を合成した。
アルゴン雰囲気下、500mL丸底フラスコに没食子酸メチル(化合物A1)(5g、27mmol)を加えた後、アセトニトリル(250mL)を加え撹拌し、淡黄な溶液を得た。続いて、N,Nージイソプロピルエチルアミン(9.5mL、57mmol)と臭化ベンジル(13mL、114mmol)を氷浴での冷却下で順次加えた。その後室温まで昇温し、96時間撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(250mL)により希釈し、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物A4(4.8g、13mmol、49%)を得た。
1H-NMR(600MHz、acetone-d6)δ 7.54-7.56(m、2H)、7.34-7.44(m、5H)、7.28-7.30(m、4H)、7.20(d、J=1.9Hz、1H)、5.22(s、2H)、5.13(s、2H)、3.83(s、3H).
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに化合物A4(260mg、0.71mmol)とテトラブチルアンモニウムヨージド(230mg、0.71mmol)を加えた後、テトラヒドロフラン(20mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、60%水素化ナトリウム(81mg、2.1mmol)と臭化アリル(121μL、1.4mmol)を氷浴での冷却下で順次加えた。その後50℃まで加温し、9時間撹拌した。この時、エタノール(20mL)と水(13mL)、7mol/L水酸化ナトリウム水溶液(7mL)を加え、引き続き60℃まで加温し、9時間撹拌した。撹拌後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留で得られる白色個体を濾過、水で洗浄、アセトンで溶出し、濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣より、白色固体として化合物A5(383mg、0.53mmol、収率76%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CD3CN)δ 7.18-7.43(m、12H)、5.99-6.05(m、1H)、5.36(ddt、J=17、1.8Hz、1H)、5.10(ddt、J=6.6、1.5Hz、1H)、5.11(s、2H)、5.02(s、2H)、4.56(ddd、J=17、1.8Hz、1H).
以下の工程により、2,2,2-トリクロロエタノールから化合物B4を合成した。
アルゴン雰囲気下、300mL丸底フラスコに2、2、2-トリクロロエタノール(化合物B1)(5.9mL、61mmol)とピリジン(4.97mL、61mmol)を加えた後、ジエチルエーテル(100mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、塩化スルフリル(5mL、61mmol)を、反応容器を-78℃で冷却下1時間かけて滴下した。その後室温まで昇温し、3時間撹拌した。撹拌後、得られた白色個体をジエチルエーテル20mLで2回洗浄、濾液を25℃下エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣より、澄明な液体として化合物B2(12.0g、48mmol、収率79%)を得た。
アルゴン雰囲気下、300mL丸底フラスコに2-メチルイミダゾール(18.2g、172mmol)を加えた後、テトラヒドロフラン(50mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、テトラヒドロフラン(50mL)で希釈した化合物B2(12.0g、48mmol)を氷浴での冷却下1時間かけて滴下した。その後室温まで昇温し、1時間撹拌した。撹拌後、得られた白色個体をテトラヒドロフラン20mLで2回洗浄、濾液を25℃下エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1、v/v))により精製し、澄明な液体として化合物B3(9.70g、32mmol、68%)を得た。
アルゴン雰囲気下、300mL丸底フラスコに化合物B3(9.70g、32mmol)を加えた後、ジエチルエーテル(100mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、トリフルオロメタンスルホン酸メチル(3.8mL、33mmol)を氷浴での冷却下滴下し、3時間撹拌した。その後-20℃まで冷却した。得られた白色個体を冷却したジエチルエーテルで洗浄し、白色固体として化合物B4(12.9g、27mmol、85%)を得た。
以下の工程により、(-)-エピガロカテキン(EGC)から、4”-硫酸化エピガロカテキンガレート(化合物6)を合成した。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに60%水素化ナトリウム(342mg、8.4mmol)を加えた後、N,N-ジメチルホルムアミド(8mL)を加え撹拌し、懸濁液を得た。続いて、(-)-エピガロカテキン(化合物1)(500mg、1.6mmol)と臭化ベンジル(13mL、109mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(8mL)で調製した溶液を-50℃冷却下で滴下、その後室温まで昇温し48時間撹拌した。撹拌後、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、ヘキサンー酢酸エチル(1:1、v/v)にて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサンー酢酸エチル(4:1、v/v))により精製し、白いアモルファスとして化合物2(710mg、4.78mmol、収率57%)を得た。
1H-NMR(600MHz、acetone-d6)δ 7.26-7.52(m、25H)、7.04(s、2H)、6.36(d、J=2.2Hz、1H)、6.23(d、J=2.2Hz、1H)、5.14(s、4H)、5.12(d、J=2.8Hz、2H)、5.08(s、2H)、5.03(s、2H)、5.01(m、1H)、4.31-4.33(m、1H)、2.86-2.96(m、2H).
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコに化合物2(828mg、1.41mmol)と参考例1で製造したベンジル化没食子酸アリルエーテル(化合物A3)(828mg、2.12mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.6g、8.48mmol)、そしてN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(172mg、2.12mmol)を加えた後、アセトニトリル(40mL)を加え撹拌し、淡黄な溶液を得た。引き続き、室温で1時間撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(80mL)により希釈し、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。続いて、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(4:1、v/v))により精製し、目的化合物3を得た。
1H-NMR(600MHz、acetone-d6)δ7.20-7.49(m、37H)、6.99(s、2H)、6.49(d、J=2.1Hz、1H)、6.44(d、J=2.3Hz、1H)、5.93-6.00(m、1H)、5.73-5.75(m、1H)、5.31(m、1H)、5.25(ddt、J=17、1.6、1.6Hz、1H)、5.17(s、2H)、5.11(s、2H)、5.04-5.11(m、7H)、4.94(d、J=10Hz、2H)、4.87(d、J=11Hz、2H)、4.73(d、J=11Hz、1H)、4.40-4.42(m、1H)、3.19(dd、J=17、4.3Hz、1H)、3.06(dd、J=18、2.1Hz、1H).
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコにアリル化合物(化合物3)(670mg、0.59mmol)を加えた後、テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(106μL、1.18mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(69mg、0.06mmol)を加え、1時間撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(20mL)により希釈し、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサンー酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、目的化合物4を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3)δ 7.15-7.37(m、37H)、6.64(s、2H)、6.35(d、J=2.2Hz、1H)、6.30(d、J=1.9Hz、1H)、5.60-5.62(m、1H)、4.97-5.00(m、9H)、4.91(d、J=12Hz、2H)、4.68(d、J=11Hz、2H)、4.54(d、J=11Hz、2H)、3.07(dd、J=17、4.3Hz、1H)、3.01(dd、J=17、2.0Hz、1H).
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコに化合物4(660mg、0.60mmol)と参考例3で製造した硫酸化試薬(B4)(691mg、1.51mmol)を加えた後、ジクロロメタン(12mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2ージメチルイミダゾール(145mg、1.51mmol)を加え、1時間撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(24mL)により希釈し、水(24mL)を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサンー酢酸エチル(4:1、v/v))により精製し、目的化合物5を得た。
1H-NMR(600MHz、CD3CN)δ 7.13(m、37H)、6.63(s、2H)、6.31(d、J=2.1Hz、1H)、6.27(d、J=2.4Hz、1H)、5.59-5.60(m、1H)、4.89-4.98(m、11H)、4.76(d、J=11Hz、2H)、4.65(d、J=11Hz、2H)、4.52(s、2H)、2.97-3.06(m、2H).
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコにトリクロロエチル硫酸化合物(化合物5)(50mg、39μmol)とパラジウム炭素(10mg)、ギ酸アンモニウム(24mg、390μmol加えた後、テトラヒドロフランーメタノール(4mL、3:1、v/v)を加え撹拌し、懸濁液を得た。続いて、得られた懸濁液に対し、水素置換を行った後、終夜撹拌した。撹拌後、不要物を濾過、テトラヒドロフランーメタノール(8mL、3:1、v/v)と水(2mL)で洗浄した。引き続き、濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を逆相分取薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:水-メタノール(9:1、v/v))により精製し、目的化合物6を得た。
1H-NMR(600MHz、D2O:MeOH(=200:1))δ 6.93(s、2H)、6.51(s、2H)、6.09(d、J=2.1Hz、1H)、6.06(d、J=1.9Hz、1H)、5.56-5.56(m、1H)、5.04-5.04(m、1H)、3.00(dd、J=17.9、5.2、Hz、1H)、2.89(d、J=17.2Hz、1H).
13C-NMR(150MHz、D2O:MeOH(=200:1))δ 167.07、156.15、156.03、155.90、150.69、145.85、132.76、132.42、130.31、128.31,110.57,107.03,99.73,96.70,95.84,77.73、70.06、25.46.
HRMS calcd. for C22H18O14SNa+ [M+Na]+:561.0315;found:561.0315
以下の工程により、製造例1(1)と同様に(-)-エピガロカテキン(EGC)から、化合物2を合成し、これと参考例2で製造したアリルエーテル没食子酸エステル(化合物A5)を製造例1(2)と同様に縮合反応に付して化合物7を得、次いで製造例1(3)と同様にアリル基を脱離して化合物8とし、製造例1(4)と同様の方法でトリクロロエチル硫酸エステル化して化合物9を得、次いで製造例1(5)と同様に脱保護反応に付して、3”-硫酸化エピガロカテキンガレート(化合物10)を合成した。
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコに化合物2(258g、0.34mmol)と参考例2で製造したアリルエーテル没食子酸エステル(化合物A5)(200g、0.51mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(196mg、1.00mmol)、そしてN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(63mg、0.34mmol)を加えた後、アセトニトリル(10mL)を加え撹拌し、淡黄な溶液を得た。引き続き、室温で1時間撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(20mL)により希釈し、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。続いて、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(4:1、v/v))により精製し、目的化合物7を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3)δ 7.20-7.42(m、37H)、6.74(s、2H)、6.36(d、J=2.2Hz、1H)、6.32(d、J=2.2Hz、1H)、5.89-5.95(m、1H)、5.65-5.66(m、1H)、5.30(ddt、J=17、1.4Hz、1H)、5.19(ddt、J=10、1.3Hz、1H)、5.14(m、1H)、4.83-5.04(m、12H)、4.72(d、J=11Hz、2H)、4.48-4.49(m、2H)、3.04-3.13(m、2H).
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコにアリル化合物(化合物7)(390mg、0.34mmol)を加えた後、テトラヒドロフラン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、モルホリン(61μL、0.69mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(40mg、34μmol)を加え、45分撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(20mL)により希釈し、氷浴での冷却下1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性にすることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(3:1、v/v))により精製し、目的化合物8を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3)δ 7.17-7.44(m、37H)、6.79(s、2H)、6.34(d、J=2.3Hz、1H)、6.30(d、J=2.2Hz、1H)、5.60-5.61(m、1H)、5.14(m、1H)、4.93-5.08(m、12H)、4.81(d、J=11Hz、2H)、3.06-3.16(m、2H).
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコに化合物8(190mg、0.17mmol)と参考例3で製造した硫酸化試薬(B4)(398mg、0.87mmol)を加えた後、ジクロロメタン(10mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、1,2ージメチルイミダゾール(84mg、0.87mmol)を加え、終夜撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(20mL)により希釈し、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサンー酢酸エチル(4:1、v/v))により精製し、目的化合物9(白色アモルファス)を得た(収率:69%)。
アルゴン雰囲気下、丸底フラスコにトリクロロエチル硫酸化合物(化合物9)(50mg、38μmol)とパラジウム炭素(5mg)、ギ酸アンモニウム(24mg、380μmol)を加えた後、テトラヒドロフランーメタノール(4mL、3:1、v/v)を加え撹拌し、懸濁液を得た。続いて、得られた懸濁液に対し、水素置換を行った後、18時間撹拌した。撹拌後、不要物を濾過、テトラヒドロフランーメタノール(8mL、3:1、v/v)と水(2mL)で洗浄した。引き続き、濾液をエバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を逆相分取薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:水-メタノール(9:1、v/v))により精製し、目的化合物10を得た。
1H-NMR(600MHz、D2O:MeOH(=200:1))δ 7.44(d、J=1.4Hz、1H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、6.54(s、2H)、6.11(d、J=1.9Hz、1H)、6.06(d、J=1.5Hz、1H)、5.53-5.53(m、1H)、5.06-5.06(m、1H)、3.00(dd、J=17.6、3.9、Hz、1H)、2.89(d、J=17.3Hz、1H).
13C-NMR(150MHz、D2O:MeOH(=200:1)) δ 167.14、156.14、156.03、155.94、145.81、145.78、143.36、139.54、132.73、120.73,117.17,115.21,107.12,99.73,96.70,95.87、77.81、69.88、25.55.
HRMS calcd. for C22H19O14S+ [M+H]+:539.0496;found:539.0483
製造例1(4)の化合物5の製造において、硫酸化試薬として、前記非特許文献1に記載のクロロ硫酸2,2,2-トリクロロエチル(Cl3CCH2OSO2Cl)を用いる方法により、化合物4の硫酸化反応を試みた。
すなわち、アルゴン雰囲気下、10mL丸底フラスコに2、2、2-トリクロロエタノール(化合物B1)(9μL、92μmol)とピリジン(8μL、92μmol)を加えた後、ジエチルエーテル(1mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、塩化スルフリル(8μL、61mmol)を-78℃で冷却下滴下し、1時間撹拌した。撹拌後、得られた白色個体をジエチルエーテル1mLで2回洗浄、濾液を25℃下エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣にジクロロメタン(1mL)を氷浴で冷却下、フェノール化合物(化合物4)(10mg、9.2μmol)と1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)(2μL、9.2μmol)を加え、1~24時間撹拌した。撹拌後、酢酸エチル(2mL)により希釈し、水を加えることで反応を停止した。引き続き、酢酸エチルにて3回抽出、得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィーで確認を行ったところ、トリクロロエチル硫酸化合物(化合物5)は得られず、フェノール化合物(化合物4)のみが得られる結果となった。
以下の工程により、製造例1で製造した化合物4又は製造例2で製造した化合物8から、それぞれ4”-グルクロン酸化エピガロカテキンガレート(化合物11)及び3”-グルクロン酸化エピガロカテキンガレート(化合物12)を合成した。
分取カラム:L-column ODS、 size20mm x 259mm 5μm
溶離液:A(0.1%ギ酸水)、B(メタノール)
流速:20mL/min
注入量:500μL
温度:40℃
検出波長:280nm
グラジエント条件B(%):3→20%(5分)、20→30%(10分)、30→97(0.1分)、97%(2.9分)、97→3%(2分)
分取時間:8-9分(3″-β-glucuronate EGCg:化合物12)
8.5-9.5分(4″-β-glucuronate EGCg:化合物11)
1H NMR(600MHz,D2O(1%acetic acid))δ6.93(s,2H),6.52(s,2H),6.10(d,J=2.1Hz,1H),6.07(d,J=1.8Hz,1H),5.55-5.55(m,1H),5.07-5.07(m,1H),4.97(d,J=7.8Hz,1H),3.65(dd,=5.0,4.1Hz,1H),3.58(dd,=9.6,8.2Hz,1H),3.51-3.49(m,2H),3.01(dd,J=18.3,4.9,Hz,1H),2.89(d,J=17.2Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,D2O(1%acetic acid))δ165.78,165.76,154.75,154.73,148.52,144.41,135.76,131.33,128.90,125.61,109.10,105.61,102.49,98.30,95.27,94.42,76.30,75.82,74.47,72.32,70.89,68.57,67.26,24.03
HRMS calcd. for C28H27O17 +[M+H]+:635.1248;found:635.1261.
1H NMR(600MHz,D2O(1%acetic acid))δ 7.08(d,J=1.5Hz,1H),7.07(d,J=1.5Hz,1H),6.51(s,2H),6.13(d,J=1.9Hz,1H),6.07(d,J=1.8Hz,1H),5.56-5.56(m,1H),5.11-5.1(m,1H),4.93(d,J=6.4Hz,1H),3.71(d,=9.4Hz,1H),3.57(d,=7.8Hz,1H),3.50-3.53(m,2H),2.99(dd,J=17.4,3.9,Hz,1H),2.90(dd,J=17.7,2.2Hz,1H)
13C-NMR(150MHz,D2O(1%acetone-d6))δ166.96,155.82,155.78,155.73,155.64,155.60,145.61,145.39,145.17,140.52,132.45,130.30,120.76,112.85,110.44,106.60,101.59,99.14,96.45,95.64,77.10,75.47,72.93,72.16,69.87,25.29
HRMS calcd, for C28H27O17 +[M+H]+:635.1248;found:635.1261.
1.ヒト試験内容
本ヒト試験は社内倫理委員会の承認を得た後に実施した。前日よりカテキン及びその類縁体成分の摂取を控えた10名の健常男性(平均年齢:33.7±2.7歳、平均身長:171.1±2.3cm、平均体重:60.1±2.1kg)が、緑茶飲料350mL(カテキン及びその類縁体を540 mg、EGCgを150mg含有)を摂取、経時的に採血を行った。採血は摂取後0.5、1、1.5、2、3及び6時間の時点で行い、採取した血液サンプルは直ちに遠心分離処理(3000×g、10分間)を施し、血漿を分離した。血漿サンプルには、その体積の10%に相当する量の、20w/v%アスコルビン酸と0.1w/v%エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム塩を含有する0.4mol/Lりん酸緩衝液(pH3.6)を添加した後に-80℃で保管した。
ヒト血漿サンプル中のEGCg及びその代謝物定量は、四重極オービトラップ型高分解能質量分析計(HRAM、Q-Exactive Focus、ThermoFIsher scientific社製)を備え付けた超高速高分離液体クロマトグラフ装置(Vanquish UHPLC、ThermoFIsher scientific社製)を用い、質量範囲150-1000m/zのフルスキャンモードで行った。質量分析計のパラメータは、シースガス圧力:40psi、補助ガス圧力:10psi、スプレー電圧:2.0kV、S-レンズRFレベル:50.0であった。UPLC分析カラムには、Poroshell 120 EC-C18(Agilent Technologies Inc.社製、粒径:2.7μm、カラム径:4.6mm、カラム長:50mm)、ガードカラムにはPoroshell 120 EC-C18 guard column(Agilent Technologies Inc.社製)を用い、カラム温度40℃とした。注入量は2μL、オートサンプラー温度は4℃、移動相にはA液:0.1体積%ぎ酸水溶液、B液:0.1体積%ぎ酸含有アセトニトリルを用い、流速:0.4mL/minで表1に示すグラジエントプログラムにより分析した。血漿中のEGCg及び4”-硫酸化EGCgは高純度サンプル(EGCgについては長良サイエンス株式会社の(-)-Epigallocatechin gallate、4”-硫酸化EGCgについては製造例1により合成した化合物6)を標品とした検量線(検量線範囲:0、5、10、20、50、100、250、500、1000ng/mL)を作成した上で定量した。
ヒト血漿サンプル試料100μLに0.4mоl/Lリン酸緩衝液(pH3.6)16 μL、0.4mоl/Lリン酸緩衝液(pH7.4)16μL、水24μL、内部標準液(エチルガレート40ng/mL)100μL、0.2mоl/L酢酸水溶液を0.6mL加え、攪拌した。ヒト血漿サンプル試料を水1mL、0.1体積%酢酸DMF0.1mLでコンディショニングした固相カートリッジ(Waters Oasis HLB 10mg/1cc)に供し、吸引法で処理した。サンプルを処理した固相カートリッジは水1mL、30%メタノール1mLで洗浄した後、0.1%酢酸DMF0.1mLで溶出した。
1.ラット試験内容
(動物)
SDラット(8週齢・雄性)を日本チャールス・リバー株式会社より購入した。1週間以上の環境馴化を行った後、試験に供した。試験群一群当たりの動物数は、本試験系で統計的優位を得るために最小で必要と考えられた7匹とした。
(試験溶液の調製)
本試験の投与サンプルであるEGCgは10mL/kgの水溶液として投与した。
(経口投与及び血漿の調製)
固形食(MF、オリエンタル酵母工業株式会社)の自由摂食下にて1週間当該施設で飼育したラットを用い試験を行った。投与16時間以上前から絶食させ、イソフルラン麻酔下で、ラット1個体あたり15mg/kg体重の投与量で、EGCg水溶液をゾンデを用いて胃内投与した。溶液投与後、5分、15分、30分、45分、1時間、1.5時間、2時間、4時間及び8時間の時点で頸静脈より採血した。得られた血液を直ちに遠心分離(8000×g、4℃、10分間)し、得られた血漿にその体積の10%に相当する量の、2w/v%アスコルビン酸、0.1w/v%エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム塩、25%メタノールを含有する0.4mol/Lりん酸緩衝液を添加した後に-80℃で保管した。
ラット血漿サンプル中のEGCg及びその代謝物定量は、トリプル四重極タンデム型高分解能質量分析計(QTRAP5000、ABSciex社製)を備え付けた超高速高分離液体クロマトグラフ装置(ExionLC、ABSciex社製)を用い、多重反応モニタリングモードで行った。質量分析計のパラメータは、カーテンガス圧力:25psi(窒素)、イオンソース1ガス圧力:50psi、イオンソース2ガス圧力:75psi、コリジョンガス:Medium、イオンスプレー電圧:-4500V、イオンソース温度:600℃であった。UPLC分析カラムには、Poroshell 120 EC-C18(Agilent Technologies Inc.社製、粒径:2.7μm、カラム径:4.6mm、カラム長:50mm)、ガードカラムにはPoroshell 120 EC-C18 guard column(Agilent Technologies Inc.社製)を用い、カラム温度40℃とした。注入量は5μL、オートサンプラー温度は4℃、移動相にはA液:0.1%ぎ酸水溶液、B液:0.1%ぎ酸含有アセトニトリルを用い、流速:0.5mL/minで表に示すグラジエントプログラムにより分析した。血漿中のEGCg及び3“-硫酸化EGCgは高純度サンプルを標品とし、内部標準物質として没食子酸エチルを用いた検量線を作成した上で定量した。各分析対象は、いずれもネガティブモードで検出し、EGCgは457.0→160.9のイオンを、3“-硫酸化EGCgは537.0→169.3のイオンを、没食子酸エチルは197.0→123.9のイオンを定量に用いた。
ラットから採取した血漿80μLに対し、30μLの0.4mol/Lりん酸緩衝液、分析用標準溶液80μL、没食子酸エチル水溶液(40ng/mL、内部標準物質)及びアセトニトリル300μLを順次添加し混和した。本混合溶液を遠心分離(20000×g、4℃、10分間)し、上清を回収した。
その後、残渣に30μLの0.4mol/Lりん酸緩衝液、アセトニトリル300μLを順次添加し遠心分離(20000×g、4℃、10分間)を行い、上清を回収する、という手順を3度繰り返し、得られた全ての上清を混合後遠心濃縮により溶媒を乾固させた。その後220μLの0.15mmol/Lアスコルビン酸含有アセトニトリル、100μLの0.15mmol/Lアスコルビン酸水溶液を添加、混和後遠心分離(20000×g、4℃、10分間)を行い、得られた上清中のEGCg及び3”-硫酸化EGCg濃度を測定した。
Claims (4)
- 下記一般式(v):
で表されるベンジル化エピガロカテキンガレートに2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルクロノピラノシル-1-(N-フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルコピラノシル-1-(N-4-メトキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトイミダート、2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-メチルグルクロノピラノシル-1-O-(2,2,2-トリクロロアセトイミダート)及びアセトブロモ-α-D-グルクロン酸メチルエステルから選ばれるグルクロン酸供与体を反応させ、次いで、脱保護反応に付す、一般式(Ic):
で表されるエピガロカテキンガレートグルクロン酸化物の製造方法。
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