JP7041455B2 - 繭処理装置 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 一般社団法人日本蚕糸学会、蚕糸・昆虫バイオテック、Vol.88,No.3,2019.12
本発明は、蚕が作った繭に各処理を行うための繭処理装置に関するものである。
近年、蚕の繭から得たタンパク質を医薬品や化粧品に利用するなど、様々な用途での繭の利用が期待されている。
蚕は、1齢期から合計4回の脱皮を繰り返し、5齢の後期に熟蚕となった蚕は上蔟され、ボール紙製で内部が格子状に区画された矩形状の蔟(以降「ボール蔟」と言う。)の各区画内に繭を作り始める。上蔟後は、収繭し繭の毛羽を除去する繭処理作業を行う必要がある。
従来、この繭処理作業の省力化や効率化を図ることを目的として、複数段に積み重ねたボール蔟のうちの最下段のボール蔟を順次連続して送り出す装置に関する発明や、蚕が作った繭をボール蔟から離脱させると共に該ボール蔟から離脱された繭の表面に付着した毛羽を取り除く装置に関する発明が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭57-170328号公報 特開昭57-189626号公報
しかしながら、従来の発明では、複数段に積み重ねたボール蔟の最下段のボール蔟に大きな荷重が掛かるため,送り出し装置によってボール蔟を送り出す時に、ボール蔟が引っ掛かったり、破損したりして、円滑にボール蔟を送り出すことが難しいという問題があった。
また、毛羽取り装置で繭の表面に付着した毛羽を取り除く作業時に、粉塵が飛散して周囲の作業環境が悪化するという問題も生じていた。さらに、繭をボール蔟から離脱させたり、繭の表面に付着した毛羽を取り除いたりする時に繭に直接接触する部品にロットや異なる品種の繭成分が残留し、コンタミネーションを引き起こすといった問題も生じていた。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、毛羽取り作業に伴う発塵拡散を防止することで作業環境を改善し、大量の繭の収繭・毛羽取り作業を自動化することで省力化を図ることのできる繭処理装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、ボール蔟から繭を離脱させる脱繭機構と、該脱繭機構により該ボール蔟から離脱された繭の表面に付着した毛羽を取り除く毛羽取り機構と、を備えた繭処理装置であって、前記脱繭装置に前記ボール蔟を連続して供給する自動供給機構を備え、該自動供給機構は、複数段に積重された該ボール蔟のうちの最下段のボール蔟以外のボール蔟を持ち上げて該最下段のボール蔟のみを送り出すことを特徴とする。
本発明は、ボール蔟から繭を離脱させる脱繭機構と、該脱繭機構により該ボール蔟から離脱された繭の表面に付着した毛羽を取り除く毛羽取り機構と、を備えた繭処理装置であって、前記毛羽取り機構が収容される装置内を負圧に保持する負圧維持機構を備えていることを特徴とする。
本発明に係る繭処理装置において、前記自動供給機構は、複数段に積重された前記ボール蔟を格納する格納部と、前記格納部の両側から互いに近接する方向にスライドして該格納部に格納された前記最下段のボール蔟以外のボール蔟を挟持して持ち上げる昇降設備と、前記昇降設備が前記最下段のボール蔟以外のボール蔟を持ち上げている間に該最下段のボール蔟を前記脱繭機構側に送り出す送り出し設備と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る繭処理装置において、前記脱繭機構は、前記ボール蔟から繭を押し出す繭押し出し部材を備え、前記毛羽取り機構は、繭の表面に付着した毛羽を取り除く毛羽取りブラシと、該毛羽取りブラシに付着した毛羽を取り除く針布と、を備え、前記繭押し出し部材は前記脱繭機構に着脱可能に設けられ、前記毛羽取りブラシと前記針布は前記毛羽取り機構にそれぞれ着脱可能に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る繭処理装置によれば、ボール蔟を破損する危険性を低減し、脱繭機構に対してスムーズ且つ確実にボール蔟を供給することができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る繭処理装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る繭処理装置の自動供給機構を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る繭処理装置の脱繭機構及び毛羽取り機構を示す内部正面図である。 本発明の実施の形態に係る繭処理装置の脱繭機構及び毛羽取り機構を示す右側面図である。 本発明の実施の形態に係る繭処理装置の脱繭機構及び毛羽取り機構を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る繭処理装置の脱繭機構及び毛羽取り機構を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る繭処理装置の脱繭機構及び毛羽取り機構を示す分解斜視図である。 (a)~(c)は本発明の実施の形態に係る繭処理装置の自動供給機構の作用を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る繭処理装置の脱繭機構及び毛羽取り機構の作用を示す内部正面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る繭処理装置について説明する。
ここで、図1は本発明の実施の形態に係る繭処理装置10を示す斜視図、図2は繭処理装置10の自動供給機構11を示す斜視図、図3は繭処理装置10の脱繭機構12及び毛羽取り機構13を示す内部正面図、図4は繭処理装置10の脱繭機構12及び毛羽取り機構13を示す右側面図、図5は繭処理装置10の脱繭機構12及び毛羽取り機構13を示す分解斜視図、図6は繭処理装置10の脱繭機構12及び毛羽取り機構13を示す分解斜視図、図7は繭処理装置10の脱繭機構12及び毛羽取り機構13を示す分解斜視図、図8の(a)~(c)は繭処理装置10の自動供給機構の作用を示す正面図、図9は繭処理装置10の脱繭機構及び毛羽取り機構の作用を示す内部正面図である。
なお、以下の説明において、便宜上、図1の紙面手前側を繭処理装置10の正面側(前側)とし、左右の向きは繭処理装置10を正面から見た方向を基準として説明する。また、各図において、Fr、Rr、U、Lo、L、Rは、それぞれ、前、後、上、下、左、右、を示す。 以下、説明の便宜上、図1の紙面手前側を画像形成装置1の前側とする。各図に適宜付される矢印L、R、U、Lo、Fr、Rrは、それぞれ画像形成装置1の左側、右側、上側、下側、前側、後側を示す。
まず、本発明の実施の形態に係る繭処理装置10の構成について説明する。
図1に示されているように、本発明の実施の形態に係る繭処理装置10は、ボール蔟Mを連続して供給する自動供給機構11と、自動供給機構11から送り出されたボール蔟Mから繭を離脱させる脱繭機構12と、脱繭機構12によりボール蔟Mから離脱された繭の表面に付着した毛羽を取り除く毛羽取り機構13と、を備えて構成されている。
ボール蔟Mは、ボール紙製で扁平な矩形状を有し、その内部は格子状に区画され、各区画内に熟蚕となった蚕が繭を作るものである。例えば、ボール蔟Mは、前後方向の長さが545mm、左右方向の長さが395mm、高さが30mmの外形を有し、その内部は12×13の区画に分割されている。
図2に良く示されているように、自動供給機構11は、複数段に積重されたボール蔟Mを格納する格納部14と、格納部14に格納された最下段のボール蔟M以外のボール蔟Mを昇降させる昇降設備15と、昇降設備15が最下段のボール蔟M以外のボール蔟Mを持ち上げている間に該最下段のボール蔟Mを脱繭機構12側に送り出す送り出し設備16と、を備えて構成されている。
格納部14は、フレーム17によって形成された水平なテーブル18上において、前後左右に所定間隔を空けて立設された4本の格納ガイド20により形成されている。4本の格納ガイド20で囲まれた空間Sには、積重された16枚のボール蔟Mを格納可能となっている。4本の格納ガイド20は、それぞれ、平面視でL字状に形成され、空間Sにセットされたボール蔟Mの四隅に対応した位置に配置されている。各格納ガイド20の上端部には、外側に傾斜した案内部21が形成されており、これにより、ボール蔟Mを上方から空間Sにセットし易くなっている。
昇降設備15は、格納部14に格納された下から2段目のボール蔟Mの左右側面に当接可能に設けられる左右一対のグリッパー22と、格納部14の左右両側においてグリッパー22を互いに近接離間する方向にスライドさせる水平アクチュエータ23と、ボール蔟Mの左右側面に当接したグリッパー22を昇降させる鉛直アクチュエータ24と、を備えて構成されている。グリッパー22のボール蔟Mに当接する部分には、ゴム等の弾性部材が取り付けられている。
送り出し設備16は、格納部14にセットされた複数段のボール蔟Mのうちの最下段のボール蔟Mの左側面に当接可能なようにテーブル18上に設けられる送り出し部材25と、テーブル18上で送り出し部材25を左右にスライドさせる駆動機構26と、を備えて構成されている。図8に示されているように、駆動機構26は、モーター27の駆動を送り出し部材25に伝達するプーリー28やベルト30などにより構成されている。
また、自動供給機構11の格納部14の右側には、操作盤80が正面を向くように設置されている。操作盤80には、タッチパネル81、電源切り替えスイッチ82、ブザー83、手動自動切り替えスイッチ84、運転ボタン85、停止ボタン86、リセットボタン87、非常停止ボタン88が配設されている。
図1~図7に示されているように、脱繭機構12と毛羽取り機構13は、直方体形状のケース32内に収容され、自動供給機構11によるボール蔟Mの供給方向の下流側(自動供給機構11の右側)に配置されている。ケース32の内部には、自動供給機構11のテーブル18と同じ高さにボール蔟Mを支持するための支持部31が水平に形成されている。ケース32は、支持部31より上方部分33と、支持部31より下方部分34とに分割されている。図7に良く示されているように、上方部分33は右下角部を支点に上下に回転可能に設けられ、上方部分33をその右下角部を支点に上方に回転させると、下方部分34の上方が開放されるようになっている。
これにより、支持部31は、上方部分33を上方に回転させることで、下脱繭機構12に対して着脱可能となっている。このように繭が直接接触する支持部31を着脱可能とすることにより、ロットが変わる際に支持部31を取外して洗浄したり或いは交換したりすることができるため、コンタミネーションの防止を図ることができる。
脱繭機構12は、ケース32の上方部分33に囲まれており、ケース32の上方部分33の左右側面には、自動供給機構11により供給されたボール蔟Mが通過可能なように、それぞれ、挿入側開口35と排出側開口36が形成されている。
脱繭機構12は、自動供給機構11によるボール蔟Mの供給方向に直交する水平方向に配置される回転軸37と、回転軸37の周囲において回転軸37に沿って設けられる複数の繭押し出し部材38と、回転軸37を回転させるモーター42と、を備えて構成されている。モーター42は、ケース32の上方部分33の後面から突出して設けられている。 各繭押し出し部材38には、ボール蔟Mの区画に対応して複数のコマ43が設けられており、コマ43は樹脂製でネジ止めされている。コマ43以外の繭押し出し部材38は、薬品洗浄を考慮して耐食性に優れた金属(例えばSUS316)により形成されている。また、各繭押し出し部材38は、ローラーチェーン44を介して回転軸37と共に回転可能に設けられている。
図7に良く示されているように、各繭押し出し部材38は、ケース32の上方部分33に蝶ネジ等で取り付けられているため、上方部分33をその右下角部を支点に上方に回転させることで、下脱繭機構12に対して容易に着脱可能となっている。このように繭が直接接触する繭押し出し部材38を着脱可能とすることにより、ロットが変わる際に繭押し出し部材38を取外して洗浄することができるため、コンタミネーションの防止を図ることができる。
図3~図7に示されているように、毛羽取り機構13は、ケース32の下方部分34に囲まれており、ケース32の下方部分34の左側面の上部には、繭排出口45が開口されている。
毛羽取り機構13は、繭の表面に接触して付着した毛羽を繭から取り除く2個の毛羽取りブラシ46a,46bと、毛羽取りブラシ46a,46bの表面に接触して付着した毛羽を掻き出す3個の針布47a,47b,47cと、毛羽取りブラシ46a,46b及び針布47a,47b,47cの駆動源である1つのモーター48と、モーター48の回転を毛羽取りブラシ46a,46b及び針布47a,47b,47cにそれぞれ伝達する伝達機構50と、を備えて構成されている。
毛羽取りブラシ46a,46bは、自動供給機構11によるボール蔟Mの供給方向に直交する水平方向にそれぞれ配置される各回転軸49a,49bを中心として同一方向(正面視で時計回り方向)に回転可能に設けられている。毛羽取りブラシ46a,46bは、脱繭機構12の繭押し出し部材38の下方において上下に配置され、下側の毛羽取りブラシ46bは上側の毛羽取りブラシ46aより少し前方に配置されている。上下の毛羽取りブラシ46a,46bの間、及び下側の毛羽取りブラシ46bから繭排出口45を通ってケース32の外側に向かって、繭シューター51が下傾して形成されている。
針布47a,47b,47cは、自動供給機構11によるボール蔟Mの供給方向に直交する水平方向にそれぞれ配置される各回転軸52a,52b,52cを中心として搖動可能に設けられている。針布47a,47b,47cは、毛羽取りブラシ46a,46bの右方において、各回転軸52a,52b,52cが正面視で三角形を形成するように配置されている。3個の針布47a,47b,47cのうち、最も左側の針布47aが毛羽取りブラシ46a,46bに接触し、左側の針布47aに右方の針布47bが接触し、右方の針布47bに下方の針布47cが順次接触するように配置されている。各針布47a,47b,47cの外周面には、それぞれ、くの字状の細かい針金が多数取り付けられている。
伝達機構50は、プーリー53、ベルト54、タイミングプーリー55、歯車などの部品によって構成されており、2個の毛羽取りブラシ46a,46bを同一方向(正面視で時計回り方向)に回転させると共に1個の針布47aを反対方向(正面視で反時計回り方向)に回転させ、さらに、2個の針布47b,47cを振り子のように揺動させるようになっている。
図5及び図6に示されているように、ケース32の下方部分34の正面上部には、毛羽取りブラシ46a,46bの各回転軸49a,49bと針布47a,47b,47cの各回転軸52a,52b,52cに対応する位置に開口56が形成され、開口56は、着脱可能なプレート71により開閉可能となっている。開口56を構成することで、毛羽取りブラシ46a,46bと針布47a,47b,47cは、毛羽取り機構13に対してそれぞれ着脱可能となっている。また、繭が直接接触する毛羽取りブラシ46a,46bや針布47a,47b,47cを着脱可能とすることにより、ロットが変わる際に毛羽取りブラシ46a,46bや針布47a,47b,47cを取外して洗浄したり或いは交換したりすることができるため、コンタミネーションの防止を図ることができる。
プレート71には、毛羽取りブラシ46a,46bの各回転軸49a,49b及び針布47a,47b,47cの各回転軸52a,52b,52cのそれぞれの一方の端部を支持する軸受け部(図示省略)が設けられている。また、毛羽取りブラシ46a,46bの各回転軸49a,49b及び針布47a,47b,47cの各回転軸52a,52b,52cのそれぞれの他方の端部は、ケース32の下方部分34の後面に支持されている。毛羽取りブラシ46a,46b及び針布47a,47b,47cは、それぞれの回転軸49a,49b、52a,52b,52cから取り外し可能に設けられている。
ケース32の左右には、自動供給機構11のテーブル18及びケース32内の支持部31と同一の高さの挿入側テーブル57及び排出側テーブル58がそれぞれ水平姿勢で片持ち支持されている。
挿入側テーブル57の周囲には、挿入側粉塵飛散防止上部カバー60が設けられている。挿入側粉塵飛散防止上部カバー60は、直方体形状を有し、ケース32に連設され、挿入側開口35を介してケース32の内部に連通している。挿入側粉塵飛散防止上部カバー60の左側面には、挿入側給気口61が形成され、挿入側テーブル57は挿入側粉塵飛散防止上部カバー60の左方に延出している。
挿入側粉塵飛散防止上部カバー60の下方には、挿入側粉塵飛散防止下部カバー62が設けられている。挿入側粉塵飛散防止下部カバー62は、直方体形状を有し、ケース32に連設され、繭排出口45を介してケース32の内部に連通している。挿入側粉塵飛散防止下部カバー62の内部には、繭受け箱63が設けられている。
排出側テーブル58の周囲には、排出側粉塵飛散防止上部カバー64が設けられている。排出側粉塵飛散防止上部カバー64は、直方体形状を有し、ケース32に連設され、排出側開口36を介してケース32の内部に連通している。排出側粉塵飛散防止上部カバー64の右側面には、排出側給気口65が形成され、排出側テーブル58は排出側粉塵飛散防止上部カバー64の右方に延出している。
図4に示されているように、排出側粉塵飛散防止上部カバー64の下方には、排出側粉塵飛散防止下部カバー66が設けられている。排出側粉塵飛散防止下部カバー66は、直方体形状を有し、ケース32の内部に連通している。排出側粉塵飛散防止下部カバー66の内部には、正面(前面)及び後面に沿うように、それぞれ、負圧維持機構としてFFU(ファン・フィルター・ユニット)67が配置されている。FFU67は前後方向に扁平な直方体形状を有しており、前後のFFU67の間の空間には毛羽溜まり部68が形成されている。
FFU67の仕様は、例えば、風量が7m/min、フィルタ(HEPAフィルタ)の捕集効率が0.3μm粒子99.97%、カバー64の挿入側給気口61及び排出側給気口65の風速が2m/s以上、各ケース32,60,62,64,66内の圧力が-10Paの負圧となるように設定されている。
次に、本発明の実施の形態に係る繭処理装置10の作用について説明する。
まず準備段階として、操作盤80の電源切り替えスイッチ82により、繭処理装置10の電源を入れると共に、タッチパネル81において原点復帰ボタンを押し、水平アクチュエータ23及び鉛直アクチュエータ24の原点復帰を行う。また、格納部14の空間Sに繭の入った複数段に積重されたボール蔟Mをセットする。この時、格納部14の各格納ガイド20の上端部に案内部21が形成されているため、格納部14へのボール蔟Mのセット作業を容易に行うことができる。
そして、操作盤80の運転ボタン85を押し、自動供給機構11、脱繭機構12、及び毛羽取り機構13を始動させる。そうすると、まず、図8(a)に示すように、水平アクチュエータ23は、左右のグリッパー22を、それぞれ、互いに近接する方向(図8(a)中の矢印の方向)にスライドさせ、下から2段目のボール蔟Mの左右側面に十分な締め付け力を発生させて当接させる。この時、左右のグリッパー22のボール蔟Mに当接する部分には弾性部材が取り付けられており、左右のグリッパー22はボール蔟Mを変形させることなく、適度な圧力で挟持することができる。
次に、図8(b)に示されているように、このように下から2段目のボール蔟Mを挟持した状態の左右のグリッパー22を鉛直アクチュエータ24が上昇させると、下から2段目のボール蔟Mと該ボール蔟Mの上方に積重された複数のボール蔟M(以下「ボール蔟群」と言う。)は僅かに(例えば、1cm程度)持ち上げられる(図8(b)の矢印参照)。
次に、図8(c)に示すように、駆動機構26(モーター27、プーリー28、ベルト30など)が送り出し部材25を右方(図8(c)中の矢印方向)にスライドさせると、最下段のボール蔟Mは送り出し部材25によって脱繭機構12側に押し出される。この時、最下段のボール蔟Mと下から2段目のボール蔟Mとの間には僅かな隙間が形成されているため、最下段のボール蔟Mだけを円滑且つ確実に脱繭機構12側に押し出すことができる。
その後、駆動機構26が送り出し部材25を左方にスライドさせ、鉛直アクチュエータ24が前記ボール蔟群をテーブル18上に降下させると共に水平アクチュエータ23が左右のグリッパー22を互いに離間する方向にスライドさせることで、それぞれ、元の位置に戻され、次のボール蔟Mの供給動作に入る。
以降、上記したのと同様の動作を行い、最下段のボール蔟Mは順次連続して脱繭機構12側に供給される。この時、ボール蔟Mは、送り出し部材25の駆動源であるモーター27のトルクを制御することにより、その直前に送り出し部材25によって押し出されたボール蔟Mに接触し追従するように脱繭機構12側に連続して送り出される。
なお、格納部14へのボール蔟Mの補充は、格納部14にセットされたすべてのボール蔟Mがなくなる前に行うことができるため、所要数のボール蔟Mを連続して脱繭機構12側に供給することが可能である。また、自動供給機構11によるボール蔟Mの供給作業中に格納部14にセットされたボール蔟Mがなくなった場合、ブザー83が鳴ることで警告が発せられるため、最小限の時間ロスで格納部14にボール蔟Mを補充した後に作業を再開することができる。
また、上記した自動供給機構11において、ボール蔟Mを供給する際、製造精度のばらつき等によってボール蔟Mの大きさが所定サイズより小さい場合などに、グリッパー22によるボール蔟群の持ち上げ動作が実施できているかどうかを認識するため、センサーを設けても良い。或いは、グリッパー22によるボール蔟群の持ち上げ動作を失敗した場合に、左右のグリッパー22でボール蔟Mを挟み込む間隔を狭めてリトライしたり、リトライ毎に間隔を狭めたりする機能を設けても良い。
次に、上記したように自動供給機構11から供給されたボール蔟Mが、挿入側テーブル57及び挿入側開口35を通って支持部31に供給されると、脱繭機構12において、繭押し出し部材38が回転軸37の周囲を回転することにより、ボール蔟Mの内部に収容された繭は、一列毎に連続して下方に押し出される。一方、繭が押し出されて空となったボール蔟Mは排出側開口36及び排出側テーブル58を介して外部に排出され、回収される。
次に、上記したように脱繭機構12から下方に押し出された繭は、毛羽取り機構13において、毛羽取りブラシ46a,46bと接触し、繭の表面に付着した細かい毛羽が毛羽取りブラシ46a,46bによって取り除かれた後、繭シューター51を介して繭受け箱63に収容される。
一方、繭の表面から毛羽取りブラシ46a,46bによって取り除かれた毛羽は、3個の針布47a,47b,47cのうち、最も左側(毛羽取りブラシ46a,46b側)の1個の針布47aによって毛羽取りブラシ46a,46bから掻き出されて取り除かれる。これにより、毛羽取りブラシ46a,46bの表面に繭から取り除かれた毛羽が溜まることがないため、毛羽取りブラシ46a,46bは繭の毛羽を連続して確実に取り除くことができる。
また、前記1個の針布47aによって毛羽取りブラシ46a,46bから取り除かれた毛羽は、さらに、他の2個の針布47b,47cによって順次掻き出されて取り除かれ、毛羽溜まり部68内に収容される。
上記した毛羽取り作業の間、FFU67は、各ケース32,60,62,64,66内の空気を吸引してHEPAフィルタで濾過した後、ケース32,60,62,64,66の外部に排出することで、ケース32,60,62,64,66内を負圧状態に維持している。そのため、毛羽取り作業中の発塵を抑制し、作業環境の改善を図ることができる。
また、繭が直接接触する可能性のあるテーブル18に対して、例えば、PETG(ポリエチレンテレフタレート共重合体)製の厚さ0.5mmのプレート(図示省略)をカバーとして使用しても良い。これにより、遺伝子組換えカイコの繭を処理する場合等に、ロットが変わる際にこのプレートを取外して洗浄するか或いは交換したり、繭が直接接触する可能性のある支持部31、挿入側テーブル57、排出側テーブル58を取り外して洗浄したりすることで、繭成分の残留を防止することができ、他のロットとのコンタミネーションを確実に防止することができる。
上記した本発明の実施の形態に係る繭処理装置10によれば、格納部14にストックされたボール蔟Mを持ち上げて,最下段のボール蔟Mのみを送り出すことで、ボール蔟Mや繭を破損する危険性を低減することができ、脱繭機構12に対してスムーズ且つ確実にボール蔟Mを供給することができる。
また、上記した本発明の実施の形態に係る繭処理装置10によれば、HEPAフィルタ付きFFU67で装置内を負圧にすることができ、毛羽取り作業中の発塵を抑え作業環境を改善するとともに、製薬工場のクリールームの中でも使用できるようになる。
さらに、繭が直接接触する部品を着脱可能にし、洗浄や交換を容易に行うことができるため、コンタミネーションを防止することができる。
さらにまた、上記した本発明の実施の形態に係る繭処理装置10によれば、例えば、自動供給機構11の格納部14に16枚のボール蔟Mをセット可能とした場合には、700枚のボール蔟(繭70,000個)を3時間の短時間で処理することができる。
なお、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係る繭処理装置における好適な実施の形態を説明しているため、材質、寸法、構造等、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
10 繭処理装置
11 自動供給機構
12 脱繭機構
13 毛羽取り機構
14 格納部
15 昇降設備
16 送り出し設備
38 繭押し出し部材
46a,46b 毛羽取りブラシ
47a,47b,47c 針布
67 FFU(負圧維持機構)
M ボール蔟

Claims (3)

  1. ボール蔟から繭を離脱させる脱繭機構と、該脱繭機構により該ボール蔟から離脱された繭の表面に付着した毛羽を取り除く毛羽取り機構と、を備えた繭処理装置であって、
    前記脱繭機構に前記ボール蔟を連続して供給する自動供給機構を備え、
    該自動供給機構は、
    複数段に積重された前記ボール蔟を格納する格納部と、
    前記格納部の両側から互いに近接する方向にスライドして該格納部に格納された下から2段目のボール蔟の側面に当接して該2段目のボール蔟を挟持した後、該2段目のボール蔟を挟持した状態で上昇して最下段のボール蔟以外のボール蔟を持ち上げる昇降設備と、
    前記昇降設備が前記最下段のボール蔟以外のボール蔟を持ち上げている間に該
    最下段のボール蔟のみを前記脱繭機構側に送り出す送り出し設備と、
    を備えることを特徴とする繭処理装置。
  2. 前記格納部は、前後左右に所定間隔を空けて立設された格納ガイドにより形成され、該格納ガイドは、該格納ガイドで囲まれた空間にセットされた前記ボール蔟の四隅に対応した位置に配置され、該格納ガイドの上端部には、外側に傾斜した案内部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の繭処理装置。
  3. 前記脱繭機構は、前記ボール蔟から繭を押し出す繭押し出し部材を備え、前記毛羽取り機構は、繭の表面に付着した毛羽を取り除く毛羽取りブラシと、該毛羽取りブラシに付着した毛羽を取り除く針布と、を備え、
    前記繭押し出し部材は前記脱繭機構に着脱可能に設けられ、前記毛羽取りブラシと前記針布は前記毛羽取り機構にそれぞれ着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の繭処理装置。
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