JP7040975B2 - ガラス繊維強化樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

ガラス繊維強化樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス繊維強化樹脂組成物およびその成形体に関する。
ガラス繊維強化樹脂組成物は、機械的特性や熱的特性に優れることから、自動車部品などの金属部品を代替し、軽量化に貢献する材料として広く使用されている。ガラス繊維強化樹脂組成物は、一般的には、ポリアミド樹脂と、ガラス繊維のチョップドストランドとを押出機中にて溶融混練することによって得られる。
そのようなガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物として、脂肪族ポリアミド(A)と、断面が扁平率2.5以上の長手形状であるガラス繊維(C-1)と、断面が円形であるガラス繊維(C-2)とを含むポリアミド樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、半芳香族ポリアミド樹脂と、断面が非円形のガラス繊維とを含むポリアミド樹脂組成物も提案されている。具体的には、テレフタル酸と1,9-ノナンジアミンからなるポリアミド(A)(以下、「PA9T」と略称する場合がある)と、異形比が1より大きいガラス繊維(B)とを含むポリアミド樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008-88377号公報 特開2003-82228号公報
特許文献1や2に示されるような、ガラス繊維を含む樹脂組成物は、反り性、耐熱性、流動性、耐衝撃性などに優れるとされている。しかしながら、例えば200℃を超える高温下などの過酷な条件下では、機械的強度(引張強度や曲げ強度)が低下しやすく、高温条件下での使用に耐えられるような高い耐熱老化性を有するものではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温条件下での使用に耐える高い耐熱老化性を有するガラス繊維強化樹脂組成物およびこれを用いた成形体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有するガラス繊維強化樹脂組成物およびこれを用いた成形体に関する。
[1] ポリアミド樹脂(A)30~80質量部と、ガラス繊維(B)20~70質量部と、を含む(ただし、(A)および(B)の合計を100質量部とする)、ガラス繊維強化樹脂組成物であって、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)と、ジアミンに由来する成分単位(a2)とを含み、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)の合計100モル%に対して、テレフタル酸に由来する成分単位40~80モル%と、アジピン酸に由来する成分単位20~60モル%とを含み、前記ジアミンに由来する成分単位(a2)は、炭素原子数4~10の直鎖脂肪族ジアミンに由来する構造単位を含み、前記ガラス繊維(B)の断面の異形比(前記断面の長径/前記断面の短径)は、2~10である、ガラス繊維強化樹脂組成物。
[2] 前記ガラス繊維(B)は、その表面の少なくとも一部を被覆する、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂またはこれらの混合物を含む、[1]に記載のガラス繊維強化樹脂組成物。
[3] 前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)の合計100モル%に対して、テレフタル酸に由来する成分単位60~80モル%と、アジピン酸に由来する成分単位20~40モル%とを含み、前記ジアミンに由来する成分単位(a2)は、前記ジアミンに由来する成分単位(a2)の合計100モル%に対して、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を80~100モル%含む、[1]または[2]に記載のガラス繊維強化樹脂組成物。
[4] [1]~[3]のいずれかに記載のガラス繊維強化樹脂組成物を成形してなる、成形体。
本発明によれば、高温条件下での使用に耐える高い耐熱老化性を有するガラス繊維強化樹脂組成物を提供することができる。
図1Aは、円形の断面形状を有するガラス繊維を含む従来の樹脂組成物の成形体の断面模式図であり、図1Bは、扁平な断面形状を有するガラス繊維(B)を含む本発明の樹脂組成物の成形体の断面模式図である。 図2A~Cは、ガラス繊維(B)の断面形状の例を示す模式図である。
本発明者らは、特定のポリアミド樹脂(A)と、特定の断面形状(扁平な断面形状)を有するガラス繊維(B)とを含むガラス繊維強化樹脂組成物は、高い耐熱老化性を有することを見出した。
この理由は明らかではないが、以下のように推測される。図1Aは、円形の断面形状を有するガラス繊維を含む従来の樹脂組成物の成形体の断面模式図であり、図1Bは、扁平な断面形状を有するガラス繊維(B)を含む本発明の樹脂組成物の成形体の断面模式図である。
図1Bに示されるように、扁平な断面形状を有するガラス繊維(B)を含む本発明の樹脂組成物では、ガラス繊維(B)の断面の長径が、成形体の表面と略平行となるように配向しやすい。そのため、本発明の樹脂組成物では、図1Aに示されるような、円形の断面形状を有するガラス繊維を含む従来の樹脂組成物よりも、成形体の表面を二次元視したときのガラス繊維(B)による遮蔽率(表面被覆率)が高くなりやすく、成形体の表面からの酸素透過パスも長くなりやすいため、酸素バリア性が十分に高まりやすい。その結果、200℃を超える高温下で放置されても、ポリアミド樹脂(A)の酸化劣化が少なく、成形体の強度の低下を少なくする、すなわち、耐熱老化性を高めることができると考えられる。
さらに、本発明者らは、特定のポリアミド樹脂(A)と組み合わせる上で、扁平な断面を有するガラス繊維(B)の表面の少なくとも一部が、ウレタン樹脂またはエポキシ樹脂で被覆されていることが好ましいこと、具体的には、樹脂組成物の強度や耐熱老化性を一層高めうることを見出した。この理由は明らかではないが、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂は、ポリアミド樹脂(A)との相溶性が良いため、ガラス繊維(B)がポリアミド樹脂(A)中に均一に分散しやすいためであると考えられる。特にエポキシ樹脂は、それ自体の耐熱性が高いため、高温下に一定期間以上晒されても、ポリアミド樹脂(A)中でガラス繊維(B)の分散状態を良好に維持しうるため、ガラス繊維強化樹脂組成物の耐熱老化性を一層高めやすいと考えられる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.ガラス繊維強化樹脂組成物
本発明のガラス繊維強化樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と、ガラス繊維(B)とを含む。
1-1.ポリアミド樹脂(A)
ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)と、ジアミンに由来する成分単位(a2)とを含む。
[ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)]
ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)は、テレフタル酸に由来する成分単位と、テレフタル酸以外のジカルボン酸に由来する成分単位とを含む。
テレフタル酸に由来する成分単位の含有量は、ポリアミド樹脂(A)を構成するジカルボン酸に由来する成分単位(a1)の合計100モル%に対して、40~80モル%であることが好ましく、50~80モル%であることがより好ましく、60~80モル%であることがさらに好ましい。テレフタル酸に由来する成分単位が40モル%以上含まれると、ポリアミド樹脂(A)の耐熱性や強度を高めやすいことから、ガラス繊維強化樹脂組成物の機械強度と耐熱老化性を十分に高めやすい。
テレフタル酸成分単位以外のジカルボン酸に由来する成分単位は、炭素原子数4~20の脂肪族ジカルボン酸に由来する成分単位であることが好ましい。炭素原子数4~20の脂肪族ジカルボン酸の例には、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸などが含まれる。中でも、ガラス転移温度Tgを一定以下に調整しやすい観点から、テレフタル酸成分単位以外のジカルボン酸成分単位は、炭素原子数4~12の脂肪族ジカルボン酸に由来する成分単位であることがより好ましく、炭素原子数6~9の脂肪族ジカルボン酸に由来する成分単位であることがさらに好ましく、アジピン酸に由来する成分単位であることがさらに好ましい。テレフタル酸以外のジカルボン酸に由来する成分単位は、1種のみ含まれてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸に由来する成分単位の含有量は、ポリアミド樹脂(A)を構成するジカルボン酸に由来する成分単位(a1)の合計100モル%に対して、20~60モル%であることが好ましく、20~50モル%であることがより好ましく、20~40モル%であることがさらに好ましい。
[ジアミンに由来する成分単位(a2)]
ジアミンに由来する成分単位(a2)は、脂肪族ジアミンに由来する成分単位を含む。
脂肪族ジアミンに由来する成分単位は、炭素原子数が4~18であり、かつ分岐した置換基を有しない直鎖状の脂肪族ジアミン(直鎖脂肪族ジアミン)に由来する成分単位を含むことが好ましい。直鎖状の脂肪族ジアミンは、直鎖状のアルキレンジアミン(直鎖アルキレンジアミン)であることが好ましい。直鎖アルキレンジアミンに由来する成分単位は、分岐した置換基を有する分岐アルキレンジアミンに由来する成分単位とは異なり、3級炭素原子を有しないため、成形時のポリアミド樹脂(A)の熱分解を抑制しやすく、成形体の表面外観を高めうる。
直鎖アルキレンジアミンに由来する成分単位の炭素原子数は、4~10であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。直鎖アルキレンジアミンの例には、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカンが含まれる。直鎖アルキレンジアミンに由来する成分単位は、1種のみ含まれてもよいし、2種以上含まれてもよい。中でも、直鎖アルキレンジアミンに由来する成分単位は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含むことがさらに好ましい。
直鎖アルキレンジアミンに由来する成分単位の含有量は、脂肪族ジアミンに由来する成分単位の合計100モル%に対して、40~100モル%であることが好ましく、50~100モル%であることがより好ましく、100モル%であってもよい。直鎖アルキレンジアミンに由来する成分単位が一定以上含まれると、ガラス繊維強化樹脂組成物の機械的強度が高まりやすい。
脂肪族ジアミンに由来する成分単位の含有量は、ポリアミド樹脂(A)を構成するジアミンに由来する成分単位(a2)の合計100モル%に対して、50~100モル%であることが好ましく、60~100モル%であることがより好ましく、80~100モル%であることがさらに好ましい。脂肪族ジアミンに由来する成分単位が一定以上含まれると、溶融部分での樹脂分子の絡み合いが起こりやすいため、ガラス繊維強化樹脂組成物の機械的強度が高まりやすい。
ジアミンに由来する成分単位(a2)は、脂肪族ジアミンに由来する成分単位以外の他のジアミンに由来する成分単位をさらに含んでいてもよい。他のジアミンに由来する成分単位の例には、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジシクロヘキシルメタンなどの炭素原子数4~15の脂環族ジアミンに由来する成分単位や;p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノビフェニル、2,6-ジアミノナフタレン、2,7-ジアミノナフタレンなどの芳香族ジアミンに由来する成分単位が含まれる。他のジアミンに由来する成分単位は、1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。他のジアミンに由来する成分単位の合計含有量は、ポリアミド樹脂(A)を構成するジアミンに由来する成分単位(a2)の合計100モル%に対して、50モル%以下であることが好ましく、40モル以下であることがより好ましく、20モル以下であることがさらに好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の具体例には、ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)が、テレフタル酸に由来する成分単位およびアジピン酸に由来する成分単位であり、ジアミンに由来する成分単位(a2)が、1,6-ヘキサンジアミンに由来する成分単位であるポリアミド樹脂が含まれる。
ポリアミド樹脂(A)の分子末端は、末端封止剤により封止されていてもよい。末端封止剤の例には、モノカルボン酸やモノアミンが含まれる。モノカルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびリノ-ル酸等の炭素原子数2~30の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環族モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸およびフェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸が含まれる。芳香族モノカルボン酸と脂環族モノカルボン酸は、環状構造部分に置換基をさらに有していてもよい。モノアミンの例には、ブチルアミン、アミルアミン、イソアミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミンなどの脂肪族モノアミン;ベンジルアミン、メチルベンジルアミンなどの芳香脂肪族モノアミンが含まれる。中でも、ポリアミド樹脂(A)の分子末端がアミノ基である場合が多いことから、末端封止剤はモノカルボン酸であることが好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の分子末端のアミノ基量(末端アミノ基量)は、0.1~200mmol/kgであることが好ましく、20~200mmol/kgであることがより好ましく、40~150mmol/kgであることがさらに好ましい。ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基量が0.1mmol/kg以上であると、ポリアミド樹脂(A)の強度、靭性、熱時安定性を高めやすく、ガラス繊維強化樹脂組成物の色調や耐熱老化性も高めやすい。
ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基量は、以下の方法で測定することができる。ポリアミド樹脂(A)1gをフェノール35mLに溶解させ、メタノールを2mL混合し、試料溶液とする。そして、チモールブルーを指示薬として、当該試料溶液に対して0.01規定のHCl水溶液を使用して青色から黄色になるまで滴定し、末端アミノ基量([NH2]、単位:mmol/kg)を特定する。
ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基量は、ポリアミド樹脂(A)調製時に使用するジアミンとジカルボン酸との比率や、末端封止剤による封止量によって調整されうる。
ポリアミド樹脂(A)の、示差走査熱量測定(DSC)で測定されるガラス転移温度(Tg)は、70~110℃であることが好ましく、75~100℃であることがより好ましい。ポリアミド樹脂(A)のTgが70℃以上であると、ガラス繊維強化樹脂組成物の耐熱性を高めやすく、110℃以下であると、成形時におけるポリアミド樹脂(A)やガラス繊維の収束剤の熱分解を抑制でき、耐熱老化性も向上しうる。
ポリアミド樹脂(A)の、示差走査熱量測定(DSC)により測定される融点(Tm)は、270~340℃であることが好ましく、280~330℃であることがより好ましい。ポリアミド樹脂(A)の融点が上記範囲であると、機械的強度や成形性に優れたガラス繊維強化樹脂組成物が得られやすい。例えば、ガラス繊維強化樹脂組成物が、融点が過度に高いポリアミド樹脂(A)を含んでいると、ガラス繊維強化樹脂組成物の成形温度を高く設定する必要がある。その結果、ガラス繊維の収束剤等が熱分解しやすく、耐熱老化性が低下する。これに対し、ポリアミド樹脂(A)の融点が上記範囲であれば、適度な温度でガラス繊維強化樹脂組成物を成形することができる。
ポリアミド樹脂(A)の融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(例えば、DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)にて測定される。具体的には、ポリアミド樹脂(A)約5mgを測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで330℃まで加熱する。ポリアミド樹脂(A)を完全融解させるために、330℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで30℃まで冷却する。そして、30℃で5分間置いた後、10℃/minで330℃まで2度目の加熱を行う。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)をポリアミド樹脂(A)の融点(Tm)とし、ガラス転移に相当する変位点をガラス転移温度(Tg)とする。
ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度および融点は、ポリアミド樹脂(A)を構成するジカルボン酸やジアミンの種類、ポリアミド樹脂(A)の分子量などで調整されうる。
ポリアミド樹脂(A)の、温度25℃、96.5%硫酸中で測定される極限粘度[η]は、0.7~1.6dl/gであることが好ましく、0.8~1.2dl/gであることがより好ましい。ポリアミド樹脂(A)の極限粘度[η]が0.7dl/g以上であると、ポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の機械的強度が十分に高まりやすく、1.6dl/g以下であると、ガラス繊維強化樹脂組成物の成形時の流動性が損なわれにくく、所望の形状に成形しやすくなる。
ポリアミド樹脂(A)の極限粘度は、以下の方法で測定することができる。まず、約0.5gのポリアミド樹脂(A)を96.5%濃硫酸50mlに溶解させる。そして、得られた溶液の、25℃±0.05℃の条件下での流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定する。その後、以下の式に基づいて、極限粘度を算出する。
[η]=ηSP/(C(1+0.205ηSP))
上記式において、各代数または変数は、以下を表す。
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
上記ηSPは、以下の式によって求められる。
ηSP=(t-t0)/t0
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
ポリアミド樹脂(A)は、公知のポリアミドと同様に製造することができ、例えばジカルボン酸とジアミンとを均一溶液中で重縮合させて製造することができる。具体的には、ジカルボン酸とジアミンとを、国際公開第03/085029号に記載されているように触媒の存在下で加熱することにより低次縮合物を得て、次いでこの低次縮合物の溶融物にせん断応力を付与することにより重縮合させて製造することができる。
ポリアミド樹脂(A)の極限粘度を調整する場合には、ジカルボン酸とジアミンとの反応系に、前述の末端封止剤を、分子量調整剤として配合することが好ましい。
末端封止剤の添加量は、ジカルボン酸の総量1モルに対して0.07モル以下であることが好ましく、0.05モル以下であることがより好ましい。末端封止剤の添加量を上記範囲とすることで、少なくとも末端封止剤の一部がポリアミド樹脂(A)中に取り込まれ、それによりポリアミド樹脂(A)の分子量、すなわち、極限粘度[η]を所望の範囲内に調整できるだけでなく、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基量も調整できる。
ガラス繊維強化樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(A)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)およびガラス繊維(B)の合計100質量部に対して、30~80質量部であることが好ましい。ポリアミド樹脂(A)の含有量が30質量部以上であると、十分な成形性を有しつつ、ポリアミド樹脂(A)由来の特性が十分に得られやすく、80質量部以下であると、ガラス繊維(B)の含有量が少なくなりすぎないため、ガラス繊維強化樹脂組成物の耐熱老化性が損なわれにくい。ポリアミド樹脂(A)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)およびガラス繊維(B)の合計100質量部に対して30~70質量部であることがより好ましく、45~70質量部であることがさらに好ましい。
1-2.ガラス繊維(B)
ガラス繊維(B)は、ガラス繊維強化樹脂組成物の機械的強度を高める機能を有しうる。ガラス繊維(B)は、従来のような円形の断面形状ではなく、扁平な断面形状を有する。
ガラス繊維(B)の断面形状は、扁平であればよく、特に制限されないが、例えば長円形(楕円形)、まゆ形、長方形などでありうる。なお、ガラス繊維(B)の断面とは、ガラス繊維(B)の長さ方向に対して垂直方向に切断したときの断面である。ガラス繊維強化樹脂組成物の流動性や、得られる成形体の反りを低減する観点などから、ガラス繊維(B)の断面形状は、長円形(楕円形)またはまゆ形であることが好ましい。
図2A~Cは、ガラス繊維(B)の断面形状の例を示す模式図である。ガラス繊維(B)の断面形状は、図2Aに示されるように、楕円形であってもよいし、図2Bに示されるように、まゆ形であってもよいし、図2Cに示されるように、略長方形であってもよい。
ガラス繊維(B)の断面の異形比は、2~10であることが好ましい。異形比とは、ガラス繊維(B)の断面の長径(R)と短径(R)との比(R/R)である。ガラス繊維(B)の断面の異形比が2以上であると、成形体中に分散するガラス繊維(B)によって、酸素透過性のパスが長くなり、酸素バリア性が高くなるため、耐熱老化性が高まりやすい。ガラス繊維(B)の断面の異形比が10以下であると、ガラス繊維強化樹脂組成物を二軸押出し機などで造粒するときの安定性が向上しやすい。ガラス繊維(B)の断面の異形比は、上記観点から、3~8であることがより好ましく、3~5であることがさらに好ましい。
ガラス繊維(B)の断面の短径は、2~10μmであることが好ましい。短径が、2μm以上であると、ガラス繊維(B)自体の強度が高まりやすいため、ガラス繊維強化樹脂組成物の成形時にガラス繊維(B)が折れにくい。短径が、10μm以下であると、ガラス繊維(B)の断面の異形比を大きくしやすいため、ガラス繊維強化樹脂組成物の耐熱老化性を高めやすい。ガラス繊維(B)の断面の短径は、上記観点から、3~8μmであることがより好ましい。
通常、ガラス繊維(B)の断面の径が小さいと、樹脂組成物をコンパウンド化する際に、ガラス繊維(B)が折れやすい傾向がある。しかしながら、本発明では、ガラス繊維(B)の断面形状を扁平にすることで、樹脂混錬時のせん断応力が、ガラス繊維(B)にかかりにくくなるため、折れにくくすることができる。そのため、得られる成形体の機械的強度を十分に高めることができる。
ガラス繊維強化樹脂組成物における、ガラス繊維(B)の断面の長径および短径は、以下の方法で測定することができる。具体的には、
1)ガラス繊維強化樹脂組成物から、樹脂成分を溶媒で溶解して除去するか、またはガラス繊維強化樹脂組成物を焼成して、ガラス繊維(B)を分離する。
2)分離したガラス繊維(B)の断面形状を、光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて観察する。具体的には、観察されるガラス繊維(B)の断面の外周のうち、任意の1点を選択し、当該点に外接する外接線を引く。そして、当該外接線と平行な外接線を引き、これらの外接線同士の距離を測定する。ガラス繊維(B)の断面の外周全てについてこの作業を行い、2つの外接線同士の最短距離を最小径(短径(R)ともいう)、最長距離を最大径(長径(R)ともいう)とする。この作業を、任意の5個のガラス繊維(B)について行い、得られた最小径の平均値を「短径」とし、最大径の平均値を「長径」とする。
ガラス繊維(B)の断面形状や異形比は、ガラス繊維強化樹脂組成物の成形時の熱などによって変化しないことが好ましい。つまり、得られる成形体においても、ガラス繊維(B)の異形比は、上記範囲であることが好ましい。特に、成形体において、ガラス繊維(B)の短径が上記範囲であると、成形体の剛性が損なわれにくいため好ましい。
ガラス繊維強化樹脂組成物の成形体における、ガラス繊維(B)の長径および短径は、例えば、成形体の一部をビーム加工にて切り出し、得られた断面を、走査型電子顕微鏡(日立社製S-4800)を用いて観察することにより測定することができる。あるいは、前述のガラス繊維強化樹脂組成物を射出成形し、厚み0.5mm、幅30mm×長さ30mmの成形体を得た後、当該成形体の断面を観察することにより測定することもできる。短径や長径の測定方法は、前述の方法と同様である。
ガラス繊維(B)の平均長さは、通常、0.1~20mmであることが好ましい。ガラス繊維(B)の平均長さが0.1mm以上であれば、成形体に十分な機械的強度を付与しやすい。ガラス繊維(B)の平均長さ(平均繊維長)は、上記観点から、0.3~6mmであることがより好ましい。
ガラス繊維(B)の断面積は、特に制限されないが、例えば2×10-5~8×10-3mmであることが好ましく、8×10-5~8×10-3mmであることがより好ましく、8×10-5~8×10-4mmであることがさらに好ましい。断面積が上記範囲であると、樹脂組成物(ペレット)を製造するときの取扱いが容易となりやすい。さらに、断面積が上記範囲内のガラス繊維(B)を用いた場合、ポリアミド樹脂(A)との接触面積も大きくなりやすく、十分な補強効果が得られやすい。
ガラス繊維(B)は、原料であるガラス繊維(B)の集束体に由来する形状を有しうる。原料であるガラス繊維(B)の集束体の形態は、特に制限されず、ロービングをそのまま用いてもよいし、ミルドファイバーまたはチョップドストランドであってもよい。中でも、ハンドリングが容易である観点などから、ミルドファイバーまたはチョップドストランドであることが好ましい。
ガラス繊維(B)は、ガラス繊維強化樹脂組成物中において、均一に分散されていることが好ましい。ガラス繊維強化樹脂組成物中にガラス繊維(B)が均一に分散されていると、成形体の機械的強度を高めやすいからである。
ガラス繊維(B)は、原料としてのガラス繊維(B)の集束体の製造過程において、ガラス繊維(B)の集束性の向上や、樹脂との接着性の向上、樹脂組成物中での均一分散性の向上などの観点から、その表面の少なくとも一部が、集束剤および/または表面処理剤(好ましくは集束剤)に由来する有機物で被覆されていることが好ましい。
このような有機物の例には、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シランカップリング剤、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカルボジイミド化合物、変性ポリプロピレン(特にカルボン酸変性ポリプロピレン)、(ポリ)カルボン酸(特にマレイン酸)と不飽和単量体との共重合体などが含まれる。これらの樹脂は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ウレタン樹脂は、ガラス繊維(B)の表面処理剤あるいは集束剤として一般的に用いられるものであればよく、特に限定されないが、例えばm-キシリレンジイソシアナート(XDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(HMDI)やイソホロンジイソシアナート(IPDI)などの脂環式構造を有するジイソシアネートなどのジイソシアネートと、ジオール(ポリエステルジオールやポリエーテルジオール)とを反応させて得られる樹脂でありうる。
ポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、例えば、一以上のカルボジイミド基(-N=C=N-)を含有する化合物を縮合して得られる化合物でありうる。
エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば2以上のグリシジル基を有する化合物であることが好ましく、良好な耐熱性を有する点などから、ビスフェノール類とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂であることがより好ましい。なお、ガラスフィラメントの集束性を考慮すると、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、180g/当量以上であることが好ましく、450~1900g/当量であることがより好ましい。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステル(特にメタクリル酸メチル)の単独重合体または共重合体でありうる。
メタクリル酸メチルと共重合可能な共重合モノマーは、特に限定されないが、例えば水酸基および/またはカルボキシル基を有するモノマーやそのエステル化物が含まれる。そのような共重合性モノマーの例には、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸およびこれらのエステル化物(ただし、メタクリル酸メチルを除く)が含まれる。中でも、これらのモノマーのエステル化物が好ましい。
アクリル酸の単独重合体または共重合体は、カルボキシル基を有する場合、塩を形成していてもよい。塩を形成するアミンは、特に限定されず、第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミンのいずれであってもよい。具体的には、トリエチルアミン、トリエタノールアミンやグリシンなどでありうる。中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤など)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20~90%であることが好ましく、30~80%であることがより好ましく、40~60%であることがさらに好ましい。
アクリル酸の単独重合体または共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、3000~50000であることが好ましい。重量平均分子量が3000以上であると、ガラス繊維(B)の集束性を高めやすい。また、重量平均分子量が50000以下であると、得られる成形体の機械的強度を高めやすい。
シランカップリング剤の例には、アミノシラン(γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-N’-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシランなど)、クロルシラン(γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど)、エポキシシラン(β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなど)、メルカプトシラン(γ-クロロプロピルトリメトキシシランのような、γ-メルカプトトリメトキシシランなど)、ビニルシラン(ビニルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなど)、アクリルシラン(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなど)が挙げられる。これらを1種類で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
中でも、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シランカップリング剤、またはこれらの二以上が好ましく、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、またはこれらの二以上がより好ましい。ガラス繊維(B)がこれらの有機物で被覆されることで、ガラス繊維(B)とポリアミド樹脂(A)との相溶性が高まりやすく、樹脂組成物中でのガラス繊維(B)の分散性が高まりやすいため、得られる成形体に高い機械的強度を付与しうる。中でも、エポキシ樹脂は、良好な耐熱性を有するため、高温下で一定期間以上置かれても、ポリアミド樹脂(A)中での良好な分散状態を維持しうるため、ガラス繊維強化樹脂組成物の耐熱老化性も一層高めやすい。なお、ガラス繊維(B)は、これらの樹脂以外の他の成分でさらに被覆されていてもよい。
これらの有機物の付着量は、ガラス繊維(B)100質量部に対して、0.1~1.0質量部が好ましい。有機物の付着量が、ガラス繊維(B)100質量部に対し、固形分率として0.1質量部以上であることにより、ガラス繊維本体の表面を十分に被覆しうる。一方、使用量がガラス繊維(B)100質量部に対して1.0質量部以下であることにより、ガラス繊維強化樹脂組成物の熱安定性がより向上する傾向にある。有機物の付着量は、上記観点から、ガラス繊維(B)100質量部に対して、0.2~1.0質量部であることがより好ましく、0.2~0.8質量部であることがさらに好ましく、0.2~0.6質量部であることが特に好ましい。なお、有機物が二種類以上ある場合、有機物の付着量は、二種類以上の有機物の付着量の合計とする。
有機物の付着量は、強熱減量として求めることができる。強熱減量は、JIS K0067(1992)に準拠した強熱減量試験による質量減量により測定することができる。具体的には、ガラス繊維(B)を620℃で1時間加熱処理して不揮発成分を焼却除去し、加熱処理前後のガラス繊維(B)の質量から計算できる。強熱減量は、加熱処理前のガラス繊維の質量をx、加熱処理後のガラス繊維(B)の質量をyとすると、(x-y)/x×100として求められる。
ガラス繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)およびガラス繊維(B)の合計100質量部に対して、20~70質量部であることが好ましい。ガラス繊維(B)の含有量が20質量部以上であると、得られる成形体の機械的強度を十分に高めやすい。ガラス繊維(B)の含有量が70質量部以下であると、成形時のガラス繊維強化樹脂組成物の流動性や成形性が損なわれにくい。また、成形中のガラス繊維(B)の破砕をより抑制しやすいため、機械的強度を高める効果が損なわれにいくい。ガラス繊維(B)の含有量は、上記観点から、ポリアミド樹脂(A)およびガラス繊維(B)の合計100質量部に対して、30~65質量部であることがより好ましく、30~55質量部であることがさらに好ましい。特に、ガラス繊維(B)の含有量が30質量部以上であると、成形時のガラス繊維強化樹脂組成物の成形性を過度に損なわない程度に、流動性を適度に低くしうるため、ガラス繊維(B)の断面の長径が、成形体の表面に沿うように配向しやすく、酸素バリア性も高まりやすい。それにより、成形体の耐熱老化性を高めやすい。また、寸法精度(成形収縮率および収縮率の異方性)や反り、表面外観なども高めやすい。
ガラス繊維(B)の集束体は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、チョップドストランドは、複数のガラス繊維(B)(単繊維)を集束剤で集束し、得られたストランドを所定の繊維長になるように切断して得ることができる。また、ミルドファイバーは、チョップドストランドを、ハンマーミルやボールミルなどで粉砕して得ることができる。
集束剤や表面処理剤による被覆方法は、特に限定されず、例えばローラー型アプリケーターなどでありうる。
1-3.他の成分について
本発明のガラス繊維強化樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアミド樹脂(A)やガラス繊維(B)以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分の例には、核剤、エラストマー(ゴム)、難燃剤(臭素系、塩素系、リン系、アンチモン系および無機系など)、滑剤、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤(フェノール類、アミン類、イオウ類およびリン類など)、耐熱安定剤(ラクトン化合物、ビタミンE類、ハイドロキノン類、ハロゲン化銅およびヨウ素化合物など)、光安定剤(ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾフェノン類、ベンゾエート類、ヒンダードアミン類およびオギザニリド類など)、顔料、他の重合体(ポリオレフィン類、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体などのオレフィン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体などのオレフィン共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂およびLCP)などが含まれる。他の成分の合計含有量は、特に制限されないが、ガラス繊維強化樹脂組成物の全質量に対して10質量%以下であることが好ましい。中でも、ガラス繊維強化樹脂組成物は、核剤や滑剤、顔料、またはガラス繊維(B)以外の繊維状充填材を含むことが好ましい。
ガラス繊維(B)以外の繊維状充填材の例には、カルボニル構造を有する繊維状の無機化合物(例えば、炭酸カルシウムなどの炭酸塩のウィスカーなど)、チタン酸カリウムなどのチタン酸塩、ワラストナイトなどが挙げられる。
繊維状充填材の平均長さは、例えば10μm~10mmであることが好ましく、10μm~5mmであることがより好ましく、10μm~100μmであることがさらに好ましく、10μm~50μmであることが特に好ましい。繊維状充填材のアスペクト比(平均長さL/平均繊維径D)は、例えば1~500、好ましくは1~350、さらに好ましくは1~100、特に好ましくは5~70である。このような繊維状充填材は、得られる成形体の強度を一層高めうる。
繊維状充填材は、異なる長さや異なるアスペクト比を有する2種以上の繊維状充填材を組み合わせたものであってもよい。それにより、得られる成形体の耐熱性、機械強度などをさらに向上させうる。
長さやアスペクト比が相対的に大きい無機充填材の例には、ワラストナイト(珪酸カルシウム)などの珪酸塩、チタン酸カリウムウィスカーなどのチタン酸塩が含まれる。長さやアスペクト比が相対的に大きい繊維状充填材の平均長さは、好ましくは500μm~10mm、より好ましくは700μm~8mm、さらに好ましくは1mm~6mmである。長さやアスペクト比の大きな繊維状充填材のアスペクト比は、好ましくは20~500、より好ましくは50~400、さらに好ましくは90~350である。
長さやアスペクト比が相対的に小さい繊維状充填材の例には、カルボニル基を有する繊維状の充填材が含まれる。カルボニル基を有する繊維状の充填材のアスペクト比は、好ましくは1~300、より好ましくは5~200、さらに好ましくは10~150である。
2.ガラス繊維強化樹脂組成物の製造方法
本発明のガラス繊維強化樹脂組成物は、前述のポリアミド樹脂(A)、ガラス繊維(B)の集束体、および必要に応じて他の成分を、公知の樹脂混練方法、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、またはタンブラーブレンダーで混合する方法、あるいは混合後、さらに一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、またはバンバリーミキサーで溶融混練した後、造粒または粉砕する方法で製造することができる。
なお、ガラス繊維(B)の集束体は、樹脂混練時(コンパウンド時)に分離され、ガラス繊維(B)(単繊維)として分散することができる。
3.ガラス繊維強化樹脂組成物の用途
本発明のガラス繊維強化樹脂組成物は、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法などの公知の成形法で成形することにより、各種成形体として用いられる。
ガラス繊維強化樹脂組成物の成形体は、各種用途に用いることができる。ガラス繊維強化樹脂組成物の成形体の例には、ラジエータグリル、リアスポイラー、ホイールカバー、ホイールキャップ、カウルベント・グリル、エアアウトレット・ルーバー、エアスクープ、フードバルジ、サンルーフ、サンルーフ・レール、フェンダーおよびバックドアなどの自動車用外装部品;シリンダーヘッド・カバー、エンジンマウント、エアインテーク・マニホールド、スロットルボディ、エアインテーク・パイプ、ラジエータタンク、ラジエータサポート、ウォーターポンプ、ウォーターポンプ・インレット、ウォーターポンプ・アウトレット、サーモスタットハウジング、クーリングファン、ファンシュラウド、オイルパン、オイルフィルター・ハウジング、オイルフィラー・キャップ、オイルレベル・ゲージ、オイルポンプ、タイミング・ベルト、タイミング・ベルトカバーおよびエンジン・カバーなどの自動車用エンジンルーム内部品;フューエルキャップ、フューエルフィラー・チューブ、自動車用燃料タンク、フューエルセンダー・モジュール、フューエルカットオフ・バルブ、クイックコネクタ、キャニスター、フューエルデリバリー・パイプおよびフューエルフィラーネックなどの自動車用燃料系部品;シフトレバー・ハウジングおよびプロペラシャフトなどの自動車用駆動系部品;スタビライザーバー・リンケージロッド、エンジンマウントブラケットなどの自動車用シャシー部品;ウインドーレギュレータ、ドアロック、ドアハンドル、アウトサイド・ドアミラー・ステー、ワイパーおよびその部品、アクセルペダル、ペダル・モジュール、継手、樹脂ネジ、ナット、ブッシュ、シールリング、軸受、ベアリングリテーナー、ギアおよびアクチュエーターなどの自動車用機能部品;ワイヤーハーネス・コネクター、リレーブロック、センサーハウジング、ヒューズ部品、エンキャプシュレーション、イグニッションコイルおよびディストリビューター・キャップなどの自動車用エレクトロニクス部品;汎用機器(刈り払い機、芝刈り機およびチェーンソー)用燃料タンクなどの汎用機器用燃料系部品;ならびにコネクタおよびLEDリフレクタなどの電気電子部品;建材部品;産業用機器部品;小型筐体(パソコンや携帯電話などの筐体を含む)、外装成形品などの各種筐体または外装部品が含まれる。
本発明のガラス繊維強化樹脂組成物の成形体は、高い強度(剛性)を有し、かつ耐熱老化性に優れることから、自動車用燃料タンク、クイックコネクタ、ベアリングリテーナー、汎用機器用燃料タンク、フューエルキャップ、フューエルフィラーネック、フューエルセンダー・モジュール、ホイールキャップ、フェンダーまたはバックドアなどの自動車用部品に特に好適である。
以下において、実施例を参照して本発明を説明する。実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.材料の調製
(1)ポリアミド樹脂(A)
<ポリアミド樹脂(A-1)の調製>
原料を、テレフタル酸2484g(15.0モル)、1,6-ヘキサンジアミン2905g(25.0モル)、アジピン酸1311g(9.0モル)、安息香酸73.0g(0.60モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物5.7gおよび蒸留水554gを、内容量13.6Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。190℃から攪拌を開始し、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温した。このとき、オートクレーブの内圧を3.01MPaまで昇圧した。このまま1時間反応を続けた後、オートクレーブ下部に設置したスプレーノズルから大気放出して低縮合物を抜き出した。その後、室温まで冷却後、粉砕機で1.5mm以下の粒径まで粉砕し、110℃で24時間乾燥した。得られた低縮合物の水分量は3600ppm、極限粘度[η]は0.14dl/gであった。
次に、この低縮合物を棚段式固相重合装置に入れ、窒素置換後、約1時間30分かけて220℃まで昇温した。その後、1時間反応し、室温まで降温した。得られたポリアミド前駆体の極限粘度[η]は、0.48dl/gであった。その後、スクリュー径30mm、L/D=36の二軸押出機にて、バレル設定温度330℃、スクリュー回転数200rpm、6Kg/hの樹脂供給速度で溶融重合して、ポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂(A-1)の極限粘度[η]は0.8dl/g、融点Tmは320℃、ガラス転移温度Tgは95℃、末端アミノ基量は110mmol/kgであった。
<ポリアミド樹脂(A-2)の調製>
原料を、テレフタル酸2266g(13.6モル)、1,6-ヘキサンジアミン2905g(25.0モル)、アジピン酸1631g(11.2モル)、安息香酸37.9g(0.31モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物5.7gに変えた以外はポリアミド樹脂(A-1)の調製と同様にして、ポリアミド樹脂(A-2)を得た。
得られたポリアミド樹脂(A-2)の極限粘度[η]は1.0dl/g、融点Tmは310℃、ガラス転移温度Tgは85℃、末端アミノ基量は50mmol/kgであった。
得られたポリアミド樹脂(A-1)および(A-2)の極限粘度[η]、融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)および末端アミノ基量は、以下の方法で測定した。
[極限粘度[η]]
得られたポリアミド樹脂0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解させた。得られた溶液の、25℃±0.05℃の条件下での流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定した。その後、以下の式に基づいて、極限粘度を算出した。
[η]=ηSP/(C(1+0.205ηSP))
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
ηSPは、以下の式によって求めた。
ηSP=(t-t0)/t0
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
[融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)]
ポリアミド樹脂の融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)は、JIS-K7121に準拠して測定した。具体的には、ポリアミド樹脂約5mgを測定用アルミニウムパン中に密封する。次いで、示差走査熱量計(例えば、DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)に、この測定用アルミニウムパンをセットし、室温から10℃/minで330℃まで加熱した。ポリアミド樹脂を完全融解させるために、330℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで30℃まで冷却した。そして、30℃で5分間置いた後、10℃/minで330℃まで2度目の加熱を行った。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を、ポリアミド樹脂の融点(Tm)とし、ガラス転移に相当する変位点をガラス転移温度(Tg)とした。
[末端アミノ基量]
ポリアミド樹脂1gをフェノール35mLに溶解させ、メタノールを2mL混合し、試料溶液とした。そして、チモールブルーを指示薬として、当該試料溶液に対して0.01規定のHCl水溶液を使用して青色から黄色になるまで滴定を実施し、末端アミノ基量([NH]、単位:mmol/kg)を測定した。
測定結果を、表1にまとめる。
Figure 0007040975000001
(2)ガラス繊維の集束体
ガラス繊維(B-1)のチョップドストランド:
繊維断面の短径7μm、繊維断面の長径28μm、異形比4(長径/短径)、平均長さ3mmのガラス繊維(B-1)のチョップドストランド(日東紡績(株)製CSG 3PA-830、エポキシ化合物およびシラン系化合物処理品(付着量0.5質量%))
ガラス繊維(B-2)のチョップドストランド:
繊維断面の短径7μm、繊維断面の長径28μm、異形比4(長径/短径)、断面積1.67×10-6~1.96×10-6cm、平均長さ3mmのガラス繊維(B-2)のチョップドストランド(日東紡績(株)製CSG 3PA-810、ウレタン化合物およびシラン系化合物処理品(付着量0.5質量%))
ガラス繊維(b-1)のチョップドストランド:
繊維断面の直径11μmの真円形(異形比1)、平均長さ3mmのガラス繊維(b-1)のチョップドストランド(日東紡績(株)製CS3J459、ウレタン処理品(付着量0.5質量%))
ガラス繊維(b-2)のチョップドストランド:
繊維断面の直径13μmの真円形(異形比1)、平均長さ3mmのガラス繊維(b-2)のチョップドストランド(日東紡績(株)製CSF―3PE-941HS、エポキシ化合物処理品(付着量0.5質量%))
ガラス繊維(b-3)のチョップドストランド:
繊維断面の直径10μmの真円形(異形比1)、平均長さ3mmのガラス繊維(b-3)のチョップドストランド(オーウェンスコーニング(株)製FT756D、ウレタン/アクリル処理品(付着量0.5質量%))
ガラス繊維(単繊維)の断面の異形比は、以下の方法で測定した。
[断面の異形比]
ガラス繊維の断面形状を、光学顕微鏡を用いて観察した。そして、観察されるガラス繊維の断面の外周のうち、任意の1点を選択し、当該点に外接する外接線を引き、当該外接線と平行な外接線をさらに引き、これらの外接線同士の距離を測定した。ガラス繊維の断面の外周全てについてこの作業を行い、2つの外接線同士の最短距離を最小径(短径(RB)ともいう)、最長距離を最大径(長径(R)ともいう)とした。この作業を、任意の5個のガラス繊維について行い、得られた最小径の平均値を「短径」とし、最大径の平均値を「長径」とした。さらに、これらの値から断面の異形比を求めた。
(3)その他の成分
タルク(核剤):平均粒子径1.6μm
BS-6(滑材):12-ヒドロキシステアリン酸石鹸(日東化成工業社製)
2.ガラス繊維強化樹脂組成物の調製
(実施例1~3、および比較例1~12)
表2に示される組成比で、ポリアミド樹脂(A)、ガラス繊維のチョップドストランド、核剤および滑材を、タンブラーブレンダーにて混合し、二軸押出機(日本製鋼所社製TEX30α)にて、シリンダー温度(ポリアミド樹脂(A)の融点(Tm)+15)℃で溶融混錬した。その後、ストランド状に押出し、水槽で冷却した。その後、ペレタイザーでストランドを引き取り、カットすることでペレット状のガラス繊維強化樹脂組成物を得た。
得られたガラス繊維強化樹脂組成物の、引張強度およびその維持率(耐熱老化性)、ならびに曲げ強度およびその維持率(耐熱老化性)を、以下の方法で評価した。
(引張強度)
得られたガラス繊維強化樹脂組成物を、以下の条件で射出成形して、厚み3mmのASTM-1(ダンベル片)の試験片を得た。
成形機:(株)ソディック プラスティック、ツパールTR40S3A
成形機シリンダー温度:ポリアミド樹脂(A)の融点(Tm)+15℃
金型温度:ポリアミド樹脂(A)のTg+20℃
得られた試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で引張試験を行い、引張強度(加熱処理前の引張強度)を測定した。
(耐熱老化性:引張強度の維持率)
得られた試験片を、温度220℃の条件下、空気循環炉中で1000時間、2000時間処理した後、試験片を炉から取り出し、23℃まで冷却した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で引張試験を行い、引張強度(加熱処理後の引張強度)を測定した。そして、得られた値を下記式に当てはめて、引張強度の維持率を算出した。
耐熱老化性(引張強度の維持率)(%)=(加熱処理後の引張強度/加熱処理前の引張強度)×100
(曲げ強度)
得られたガラス繊維強化樹脂組成物を、以下の条件で射出成形して、1/8インチ厚みの短冊片を得た。
成形機:(株)ソディック プラスティック、ツパールTR40S3A
成形機シリンダー温度:ポリアミド樹脂(A)の融点+10℃
金型温度:ポリアミド樹脂(A)のTg+20℃
得られた試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、温度25℃、100℃、相対湿度50%の雰囲気下で、曲げ試験機:NTESCO社製 AB5、スパン51mm、曲げ速度12.7mm/分で曲げ試験を行い、曲げ強度(加熱処理前の曲げ強度)を測定した。
(耐熱老化性:曲げ強度の維持率)
得られた試験片を、温度220℃の条件下、空気循環炉中で1000時間、2000時間処理した後、試験片を炉から取り出し、23℃まで冷却した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で曲げ試験を行い、曲げ強度(加熱処理後の曲げ強度)を測定した。そして、得られた値を下記式に当てはめて、曲げ強度の維持率を算出した。
耐熱老化性(曲げ強度の維持率)(%)=(加熱処理後の曲げ強度/加熱処理前の曲げ強度)×100
実施例1~3および比較例1~3の評価結果を、表2に示す。
Figure 0007040975000002
表2に示されるように、特定のポリアミド樹脂(A)に、扁平な断面を有するガラス繊維(B)を含む実施例1~3の樹脂組成物は、いずれも扁平でない断面(円形の断面)を有するガラス繊維を含む比較例1~3の樹脂組成物よりも、いずれも耐熱老化性が高いことがわかる。
本発明によれば、高温条件下での使用に耐える高い耐熱老化性を有するガラス繊維強化樹脂組成物を提供することができる。

Claims (3)

  1. ポリアミド樹脂(A)30~80質量部と、
    ガラス繊維(B)20~70質量部と、
    を含む(ただし、(A)および(B)の合計を100質量部とする)、ガラス繊維強化樹脂組成物であって、
    前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)と、ジアミンに由来する成分単位(a2)とを含み、
    前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)の合計100モル%に対して、テレフタル酸に由来する成分単位40~80モル%と、アジピン酸に由来する成分単位20~60モル%とを含み、
    前記ジアミンに由来する成分単位(a2)は、炭素原子数4~10の直鎖脂肪族ジアミンに由来する構造単位を含み、
    前記ガラス繊維(B)の断面の異形比(前記断面の長径/前記断面の短径)は、2~10であり、
    前記ガラス繊維(B)は、その表面の少なくとも一部を被覆するエポキシ樹脂を含む、
    ガラス繊維強化樹脂組成物。
  2. 前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(a1)の合計100モル%に対して、テレフタル酸に由来する成分単位60~80モル%と、アジピン酸に由来する成分単位20~40モル%とを含み、
    前記ジアミンに由来する成分単位(a2)は、前記ジアミンに由来する成分単位(a2)の合計100モル%に対して、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を80~100モル%含む、
    請求項に記載のガラス繊維強化樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のガラス繊維強化樹脂組成物を成形してなる、
    成形体。

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