JP7040478B2 - クラスターイオンビーム生成方法及びクラスターイオンビーム照射方法 - Google Patents

クラスターイオンビーム生成方法及びクラスターイオンビーム照射方法 Download PDF

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Description

本発明は、クラスターイオンビーム生成方法及びそれを用いたクラスターイオンビーム照射方法に関する。
近年、固体表面に衝突させる表面加工技術として、クラスターイオンビーム技術が半導体デバイス、磁性・誘電体デバイス、光学デバイスなど、種々のデバイスへのナノ加工プロセスにおいて、注目されている。
クラスターイオンビームを生成する基本原理を、図1を用いて模式的に説明する。まず原料1をイオン化チャンバ内に供給する。そして、電子衝撃法により、イオン化チャンバ内にて原料1に電子を衝突させて原料1の結合を解離させ、イオン化したクラスターイオン2を生成する。クラスターイオン2を生成する際、単原子イオン4および多原子イオン6が同時に形成されることが通常である。また、不安定な多原子イオン6がさらに解離することもある。次に、所望の質量数のクラスターイオン2を選択的に抽出するため、生成したイオンの質量分離を行う。そして、該質量分離により選択的に抽出されたクラスターイオン2を、所定の加速電圧により引き出し、クラスターイオンビームの形態とする。こうして得られたクラスターイオンビームを、基板Sの表面に衝突させることで、基板Sを表面加工することができる。なお、常温常圧環境下では、原料1は気体、液体および固体のいずれであってもよい。イオン化チャンバ内において原料1に電子を衝突させる直前では、原料1がガス化している。
なお、本明細書において、「クラスターイオン」とは、上述の電子衝撃法により、ガス状分子に電子を衝突させてガス状分子の結合を解離させることで種々の原子数の原子集合体とし、フラグメントを起こさせて当該原子集合体をイオン化させ、イオン化された種々の原子数の原子集合体の質量分離を行って、特定の質量数のイオン化された原子集合体を抽出して得られるものである。そして「クラスターイオンビーム」とは、当該クラスターイオンを真空中で加速及び集束することで得られる、束状に並進するビームを意味するものとする。なお、「クラスターサイズ」とは、1つのクラスターイオンを構成する原子の個数を意味する。
本願出願人は、特許文献1において、炭素及び水素を構成元素に含むクラスターイオン(以下、CH系クラスターイオン)を所定のビーム電流にてシリコンウェーハに照射し、該シリコンウェーハの表層部に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶した改質層を形成するクラスターイオンビーム照射工程と、前記シリコンウェーハの改質層上にエピタキシャル層を形成する工程と、を有するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を提案している。
特許文献1に記載の技術では、優れたゲッタリング能力が得られるだけでなく、CH系クラスターイオンに含まれる水素により、エピタキシャル層における点欠陥のパッシベーション効果も得ることが期待される。
また、本願出願人は、特許文献2において、構成元素が炭素、水素及び酸素からなるクラスターイオン(以下、CHOクラスターイオン)をシリコンウェーハに照射して、該シリコンウェーハの表層部に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶した改質層を形成するクラスターイオンビーム照射工程と、前記シリコンウェーハの改質層上にエピタキシャル層を形成する工程と、を有するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を提案している。
特許文献2に記載のCHOクラスターイオン照射技術を用いることにより、ゲッタリング能力をさらに向上することができる。
特開2016-051729号公報 特開2017-157613号公報
さて、特許文献1ではCH系クラスターイオンの具体例として、構成元素が炭素及び水素からなるCHクラスターイオンの他、ドーパント元素であるボロン、リン、ヒ素及びアンチモンをさらに含むCH系クラスターイオンも提唱されている。また、特許文献2ではクラスターイオンの構成元素として炭素及び水素以外に酸素原子の有用性が検討されている。しかしながら、CH系クラスターイオンの構成元素として上掲した諸元素(O,B,P,As,Sb)以外の他の元素が含まれる場合のイオン注入効果は未解明である。また、そもそもCH系クラスターイオンの構成元素として当該他の元素が含まれるクラスターイオンビームを工業利用可能な程度に安定的に生成する方法自体が未確立である。
さて、本発明者はCH系クラスターイオンにおいて炭素原子及び窒素原子の結合構造(CN結合構造)を有するクラスターイオン(以下、CHNクラスターイオン)ビームの生成方法を検討した。窒素原子(N)は炭素原子(C)と同程度の原子半径の元素であるため、CHNクラスターイオンを用いることでCHクラスターイオンと同等あるいはそれ以上のゲッタリング能力が期待できる。さらに、CN結合構造の形態でシリコンウェーハ表層部に注入されれば、炭素及び窒素を別々にモノマーイオン注入する場合では得られない副次的な効果も期待される。また、CHNクラスターイオンはシリコンウェーハ表層部への注入以外にも表面加工技術における様々な用途への利用も考えられる。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、構成元素が炭素、水素及び窒素からなるCHNクラスターイオンビームを安定的に生成することのできるクラスターイオンビーム生成方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、このクラスターイオンビーム生成方法を用いたクラスターイオンビーム照射方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した。本発明者が鋭意検討したところ、原料として用いる窒素含有の炭化水素系化合物原料の分子構造に着目した。そして、適切な構造を有するアミン化合物を原料に用いることで、CHNクラスターイオンビームを安定的に生成できることを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)下記一般式(I)からなるアミン化合物原料を用いて、炭素、水素及び窒素からなり、炭素数が1以上3以下のCHNクラスターイオンビームを生成することを特徴とするクラスターイオンビーム生成方法。
Figure 0007040478000001
ここで、式(I)中、
1は、炭素数が1以上10以下のアルキル基であって、該アルキル基の炭素原子に結合する水素原子の1つのみは下記一般式(II)により表される置換基で置換されていてもよく、
2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
Figure 0007040478000002
ここで、式(II)中、
4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
(2)前記R1が無置換のアルキル基である、前記(1)に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
(3)前記R2及び前記R3がいずれも水素原子である、前記(2)に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
(4)前記R1が直鎖アルキル基である、前記(1)~(3)のいずれかに記載のクラスターイオンビーム生成方法。
(5)前記R1の末端の炭素原子に結合する水素原子の一つが前記一般式(II)により表される置換基で置換される、前記(4)に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
(6)前記R2、R3、R4及びR5がいずれも水素原子である、前記(5)に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
前記(1)~(6)のいずれかに記載のクラスターイオンビーム生成方法を用いて生成したクラスターイオンビームを、シリコンウェーハの表面に照射することを特徴とするクラスターイオンビーム照射方法。
本発明によれば、構成元素が炭素、水素及び窒素からなるCHNクラスターイオンビームを安定的に生成することのできるクラスターイオンビーム生成方法を提供することができる。さらに、本発明は、このクラスターイオンビーム生成方法を用いたクラスターイオンビーム照射方法を提供することができる。
図1は、クラスターイオンビーム生成の基本原理を説明するための模式図である。 (a)~(c)は、本発明の一実施形態によるクラスターイオンビーム照射方法を用いたエピタキシャルシリコンウェーハ100の製造方法を説明する模式断面図である。
(クラスターイオンビーム生成方法)
本発明によるクラスターイオンビーム生成方法は、後記する一般式(I)からなるアミン化合物原料を用いて、構成元素が炭素、水素及び窒素からなり、炭素数が1以上3以下のCHNクラスターイオンビームを生成する。なお、上記アミン化合物原料中に不可避の不純物は含まれ得る。
クラスターイオンビーム生成方法の基本原理は、図1を用いて既述のとおりである。すなわち、まず、原料1をイオン化チャンバ内に供給し、電子衝撃法により、イオン化チャンバ内にて原料1に電子を衝突させて原料1の結合を解離させ、イオン化したクラスターイオン2を生成する。次いで、生成したイオンの質量分離を行ってクラスターイオン2を選択的に抽出し、当該クラスターイオン2を所定の加速電圧により引き出し、クラスターイオン2を真空中で加速及び集束してクラスターイオンビームの形態とする。こうして得られたクラスターイオンビームを、任意の基板Sの表面に対して照射することができる。このような原理を用いたクラスターイオン注入装置として、例えば日新イオン機器株式会社製のCLARIS(登録商標)を用いることができる。
さて、本発明では、原料1として下記一般式(I)からなるアミン化合物原料を用いる。
Figure 0007040478000003
ここで、式(I)中、R1は、炭素数が1以上10以下のアルキル基であって、該アルキル基の炭素原子に結合する水素原子の1つのみは下記一般式(II)により表される置換基で置換されていてもよく、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
Figure 0007040478000004
ここで、式(II)中、R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
なお、R1の炭素数nは、上記式(II)による置換を考慮したR1全体での炭素数を意味するものとする。
さて、上記一般式(I)により表されるアミン化合物を電子衝撃法により結合解離させると、開裂後に生成されるイミニウムイオンが安定であるため、下記反応式(III)に従いα開裂が優先的に進行する。より具体的には、式(I)中の窒素原子Nに結合するα位炭素と、β位炭素(R1中の当該α位炭素に隣接する炭素原子)との間でα開裂する。なお、生成されたイミニウムイオンは共鳴するため、式(III)中に示す共鳴構造を取り得る。いずれにしても、質量数が同数で、1価の正電荷を有するCHNクラスターイオンが生成される。本発明者らはこのα開裂が生ずる構造に着目し、上記式(I)で表されるアミン化合物を電子衝撃法により結合解離させる原料として採用することで、CHNクラスターイオンビームを安定的に生成できることを知見した。そして、その効果を実験的に明らかにした。
Figure 0007040478000005
このように、上記アミン化合物原料を原料1として用いることにより、炭素数が1以上3以下のCHNクラスターイオンビームを安定的に得ることができる。なお、得られるCHNクラスターイオンビームの炭素数はR2及びR3のそれぞれが水素原子であるかメチル基であるかによって定まる。具体的に述べると、R2及びR3がいずれも水素原子であれば炭素数は1であり、R2及びR3のいずれかが水素原子で他方がメチル基であれば炭素数は2であり、R2及びR3がいずれも炭素原子であれば炭素数は3である。なお、いずれの場合も窒素原子数は1である。水素原子数はR2及びR3のそれぞれが水素原子であるかメチル基であるかに依存する。
本発明の原料に用いることのできるアミン化合物について、以下、より詳細に説明する。
まず、本発明で用いるアミン化合物は、常圧常圧環境下で気体、液体および固体のいずれであってもよく、真空下(例えば、10-2Pa以下)のイオン化チャンバ内で原料を電子と衝突させる直前において、前述の式(I)で表されるアミン化合物がガス化できればよい。すなわち、原料をイオン化チャンバ内に導入して電子と衝突させる際、液体の原料を気化させてイオン化チャンバ内に供給してもよいし、別の装置内で固体の原料を真空中で加熱気化させてイオン化チャンバ内に導入してもよいし、気体の原料ガスそのものをイオン化チャンバ内に供給するようにしてもよい。
<炭素数>
このような式(I)のアミン化合物におけるアルキル基R1の炭素数は1以上10以下であり、8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基R1の炭素数nがこれらの範囲であれば、CHNクラスターイオンビームとなるイミニウムイオンが安定的に生成される。なお、炭素数nの下限は特に制限されず、2以上であってもよく、3以上であってもよい。また、式(I)のアミン化合物における総炭素数は4以上13以下であることが好ましい。
<アルキル基R1の構造>
アルキル基R1は鎖状アルキル基(-Cn2n+1)及びシクロアルキル基(-Cn2n+1、ただしn≧3)のいずれであってもよい。また、鎖状アルキル基の場合、直鎖アルキル基であってもよいし、側鎖を備える分岐鎖アルキル基であってもよい。これらのなかでも、直鎖アルキル基はアルキル基の構造内部において電子衝撃法によるイオン化を行った際に開裂が起きやすい特定の場所を持たない構造である。そのため、直鎖アルキル基の場合、イミニウムイオン(CHNクラスターイオンとなる)が優先的に生成する開裂と競合しうる別の優先的な開裂反応が起こらない。したがって、アルキル基R1は直鎖アルキル基であることが特に好ましい。なお、ここで言う「直鎖アルキル基」とは、炭素数nが1以上3以下の、分岐が生じ得ないアルキル基を含む。炭素数が1以上10以下の直鎖アルキル基の例として、いずれも無置換の直鎖アルキル基であるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、が挙げられる。また、分岐鎖アルキル基の例として、いずれも無置換の分岐鎖アルキル基であるイソプロピル基、メチルブチル基、2-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-エチルプロピル基、などを例示することができる。さらに、無置換のシクロアルキル基の例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、などを例示することができる。
<アルキル基R1の置換>
アルキル基R1は無置換のアルキル基であってもよいし、前述のとおり、アルキル基R1の炭素原子に結合する水素原子の1つのみは前述の一般式(II)により表される置換基で置換されていてもよい。無置換である場合、R2及びR3がいずれも水素原子であると、炭素数が1のCHNクラスターイオン(具体的にはCH4N)をより確実に生成することが可能である。この場合、炭素数が1のCHNクラスターイオンビームを安定的に得ることができる。
一方、上記置換がある場合、アルキル基R1は直鎖、分岐鎖、環式のいずれであってもよいものの、特に直鎖アルキル基であることが好ましく、当該アルキル基R1の末端の炭素原子に結合する水素原子の一つが上記一般式(II)により表される置換基で置換されることが特に好ましい。この場合、上記一般式(I)で表されるアミン化合物の両端がアミノ基(-NH2)、メチルアミノ基(-CH3NH)、ジメチルアミノ基(-(CH32N)のいずれかとなり、前述したα開裂により炭素数が1~3のCHNクラスターイオンを安定的に得られると期待されるためである。特に、こうしたアミン化合物の両端が両方ともアミノ基、メチルアミノ基及びジメチルアミノ基のいずれかであることが好ましい。炭素数が同数のイミニウムイオン(及びその共鳴構造)の生成が進行しやすいためである。なお、式(I)、式(II)中のR2、R3、R4及びR5がいずれも独立して水素原子又はメチル基であってよいことは前述のとおりであるものの、これらのなかでも、式(I)、式(II)中のR2、R3、R4及びR5がいずれも水素原子であることが好ましい。この場合、アミン化合物の両端が両方ともアミノ基となるため、炭素数が1のCHNクラスターイオン(具体的にはCH4N)が特に生成されやすくなると考えられる。このようなアミン化合物(より具体的にはジアミン化合物)として、エチレンジアミン(C282)、トリメチレンジアミン(C3102)プトレシン(C4122)、カダベリン(C5142)、ヘキサメチレンジアミン(C6162)、などを例示することができる。
以上のとおり、本発明に従うアミン化合物原料を用いることで、CHNクラスターイオンビームを安定的に得ることができる。得られるビーム電流値は少なくとも500μA以上とすることができ、1000μA以上とすることができ、1500μA以上とすることもできる。
なお、生成されたクラスターイオンを加速及び収束してクラスターイオンビームを得るための加速電圧は適宜設定すればよいものの、0keV/Cluster超え200keV/Cluster以下とすることが好ましく、より好ましくは、150keV/atom以下であり、特に好ましくは100keV/Clusterである。
また、加速電圧の調整には、(1)静電加速、(2)高周波加速の2方法が一般的に用いられる。前者の方法としては、複数の電極を等間隔に並べ、それらの間に等しい電圧を印加して、軸方向に等加速電界を作る方法がある。後者の方法としては、イオンを直線状に走らせながら高周波を用いて加速する線形ライナック法がある。また、クラスターイオンビームのクラスターサイズおよびビーム電流値を調整するためには、真空容器内の圧力(導入するガスの流量)およびイオン化する際のフィラメントへ印加する電圧などを調整することにより行うことができる。なお、クラスターサイズ及びクラスターイオンの質量数は、四重極高周波電界や単収束扇形磁場を用いた質量分離法を用いて選択的に抽出される。
以下、図2を参照しつつ本発明によるクラスターイオンビーム照射方法を説明する。なお図2では説明の便宜上、実際の厚さの割合とは異なり、シリコンウェーハ10に対してエピタキシャル層20の厚さを誇張して示す。
(クラスターイオンビーム照射方法)
図2(a)に示すように、本発明によるクラスターイオンビーム照射方法は、前述したクラスターイオンビーム生成方法を用いて生成したクラスターイオンビームCを、シリコンウェーハ10の表面10Aに照射する。本発明により、CNHクラスターイオンビームをシリコンウェーハに安定して照射することができる。
なお、シリコンウェーハ10は、チョクラルスキ法(CZ法)や浮遊帯域溶融法(FZ法)により育成された単結晶シリコンインゴットをワイヤーソー等でスライスしたシリコンウェーハを使用することができる。また、シリコンウェーハには、炭素および/または窒素を添加してもよい。また、任意の不純物ドーパントを添加して、n型またはp型としてもよい。また、シリコンウェーハ10としては、バルクのシリコンウェーハ表面にシリコンエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルシリコンウェーハを用いることもできる。
なお、クラスターイオンのドーズ量は、ビーム電流値およびイオン照射時間を制御することにより調整することができる。クラスターイオンの炭素原子当たりのドーズ量を、例えば1×1013~1×1016atoms/cm2とすることができる。
(参考実施形態:エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法)
図2に示すように、上記クラスターイオンビーム生成方法を用いて生成したクラスターイオンビームCをシリコンウェーハ10の表面10Aに照射して(図2(a)参照)、該シリコンウェーハ10の表面部に、クラスターイオンの構成元素が固溶した改質層18を形成するクラスターイオンビーム照射工程(図2(b)参照)と、シリコンウェーハ10の改質層18上にエピタキシャル層20を形成するエピタキシャル層形成工程(図2(c)参照)と、を含むことで、エピタキシャルシリコンウェーハ100を製造することができる。
クラスターイオンビーム照射工程により形成される改質層18は、シリコンウェーハ10の表層部において、強力なゲッタリングサイトとして働くことができる。
なお、エピタキシャル層形成工程において、改質層18上に形成するエピタキシャル層20としては、シリコンエピタキシャル層が挙げられ、これは一般的な条件により形成することができる。例えば、水素をキャリアガスとして、ジクロロシラン、トリクロロシランなどのソースガスをチャンバ内に導入し、使用するソースガスによっても成長温度は異なるが、概ね1000~1200℃温度範囲の温度でCVD法によりシリコンウェーハ10上にエピタキシャル成長させることができる。エピタキシャル層20の厚さは1~15μmの範囲内とすることが好ましい。
本発明によるクラスターイオンビーム照射方法を用いることで、構成元素が炭素、水素及び窒素からなるCHNクラスターイオンが、エピタキシャル層20の土台となるシリコンウェーハ10の表層部に局所的に固溶したエピタキシャルシリコンウェーハを製造することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(発明例1)
クラスターイオン発生装置(日新イオン機器社製、型番:CLARIS(登録商標))を用いて、プロピルアミン(C39N;一般式(I)においてR1の炭素数nは2であり、R2,R3はいずれも水素原子)を原料として用いてイオン化チャンバ内に導入し、クラスターイオン化したCH4Nのクラスターイオン(質量数:30、クラスターサイズ:6)のイオンビームを生成した。得られたクラスターイオンビームのビーム電流値は1700μAであった。
(発明例2)
発明例1におけるプロピルアミン(C39N;一般式(I)においてR1の炭素数nは2であり、R2,R3はいずれも水素原子)からなる原料を、N-メチルブチルアミン(C513N;一般式(I)においてR1の炭素数nは3であり、R2がH,R3が-CH3)に替えた以外は、発明例1と同様にしてCHNクラスターイオンビームを生成した。得られたクラスターイオンはC26N(質量数:44、クラスターサイズ:9)であり、ビーム電流値は1500μAであった。
(発明例3)
発明例1におけるプロピルアミン(C39N;一般式(I)においてR1の炭素数nは2であり、R2,R3はいずれも水素原子)からなる原料を、N,N-ジメチルプロピルアミン(C513N;一般式(I)においてR1の炭素数nは2であり、R2,R3はいずれも-CH3)に替えた以外は、発明例1と同様にしてCHNクラスターイオンビームを生成した。得られたクラスターイオンはC38Nのクラスターイオン(質量数:58、クラスターサイズ:12)であり、ビーム電流値は1500μAであった。
(比較例1)
発明例1におけるプロピルアミン(C39N;一般式(I)においてR1の炭素数nは2であり、R2,R3はいずれも水素原子)からなる原料を、N-エチル-N-メチルエタンアミン(C513N;一般式(I)においてR1の炭素数nは1であり、R2が-CH3,R3が-C25)に替えた以外は、発明例1と同様にしてCHNクラスターイオンビームを生成した。得られたクラスターイオンはC26Nのクラスターイオン(質量数:44、クラスターサイズ:9)であり、ビーム電流値は450μAであった。
<評価>
発明例1~3により得られたCHNクラスターイオンのビーム電流値はいずれも500μA以上であり、かつ、比較例1のビーム電流値の3倍以上であるため、十分な量のビーム電流値である。したがって、本発明条件を満足するアミン化合物を原料として用いることにより、構成元素が炭素、水素及び窒素からなり、炭素数が1以上3以下のCHNクラスターイオンビームを安定的に生成できることが確認された。
本発明によれば、構成元素が炭素、水素及び窒素からなるCHNクラスターイオンビームを安定的に生成することのできるクラスターイオンビーム生成方法を提供することができる。さらに、本発明は、このクラスターイオンビーム生成方法を用いたクラスターイオンビーム照射方法を提供することができる。したがって、半導体産業において特に有用である。
1 原料
2 クラスターイオン
4 単原子イオン
6 多原子イオン
10 シリコンウェーハ
10A シリコンウェーハの表面
18 改質層
20 エピタキシャル層
100 エピタキシャルシリコンウェーハ
C クラスターイオンビーム
S 基板

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)からなるアミン化合物原料を用いて、構成元素が炭素、水素及び窒素からなり、炭素数が1以上3以下のCHNクラスターイオンビームを生成することを特徴とするクラスターイオンビーム生成方法。
    Figure 0007040478000006
    ここで、式(I)中、
    1は、炭素数が1以上10以下のアルキル基であって、該アルキル基の炭素原子に結合する水素原子の1つのみは下記一般式(II)により表される置換基で置換されていてもよく、
    2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
    Figure 0007040478000007
    ここで、式(II)中、
    4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
  2. 前記R1が無置換のアルキル基である、請求項1に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
  3. 前記R2及び前記R3がいずれも水素原子である、請求項2に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
  4. 前記R1が直鎖アルキル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
  5. 前記R1の末端の炭素原子に結合する水素原子の一つが前記一般式(II)により表される置換基で置換される、請求項4に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
  6. 前記R2、R3、R4及びR5がいずれも水素原子である、請求項5に記載のクラスターイオンビーム生成方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のクラスターイオンビーム生成方法を用いて生成したクラスターイオンビームを、シリコンウェーハの表面に照射することを特徴とするクラスターイオンビーム照射方法。
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