JP7040141B2 - 逓倍クロック生成回路 - Google Patents

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Description

本発明は、逓倍クロック生成回路に関する。
RFシステムでは、特許文献1に記載されているように、水晶発振子などから出力される周波数が数10MHz程度の比較的低い基準クロック信号を用いて、PLL(Phase Locked Loop)回路によって逓倍を行うことにより、所望の周波数の逓倍クロック信号を生成するように構成されている。
近年、逓倍比が1000倍程度となるRFシステムのニーズが大きくなってきており、この構成では、基準クロック信号への感度が上がるため、入力位相雑音の影響を大きく受ける。入力位相雑音の影響を受け難くし、且つ、周波数変調を高速化したいRFシステムを構成しようとすると、ループ帯域を狭めるか、それとも、拡げるかしなければならず、どちらかの特性が犠牲となってしまう。
例えば特許文献2には、PLL回路を2段積みにすることにより、高い逓倍比のクロック信号を段階的に生成する構成が記載されている。この構成において、例えば前段のPLL回路のループ帯域を狭く、後段のPLL回路のループ帯域を広くすることで、上述の要求を満たせる可能性がある。しかしながら、このように構成したとしても、位相雑音が蓄積される発振器を多段に接続する構成であるため、結果的に位相雑音、即ち、ノイズが大きくなるという問題がある。
特開2017-194789号公報 特開2009-130544号公報 WO06/033203号公報 特許第3346224号公報 特開平11-110065号公報
IEEE Journal of Solid-state circuits vol47 12 Dec. 2012, A 14.2mW 2.55-to-3GHz Cascaded PLL With Reference Injection and 800MHz Delta -Sigma Modulator in 0.13um CMOS
非特許文献1には、上述の問題を解消する構成として、遅延器制御を用いた逓倍回路を多段接続した回路が記載されている。この回路では、発振器動作と遅延器動作が時分割制御で行われている。このため、制御が収束した際のリセットパルスが製造時のデバイスのばらつきに大きく影響を受けるという問題がある。
また、上述の問題を解消する他の構成として、特許文献3記載の構成と特許文献4記載の構成を組み合わせた構成、即ち、DLL(Delay Locked Loop)回路を用いた逓倍回路が考えられる。また、上述の問題を解消する他の構成として、特許文献5記載の構成の中の一部をデジタル回路で構成するようにした回路が考えられる。しかし、いずれの回路の場合も、多相クロックから逓倍クロックを合成する際に、バッファのレプリカ性を利用しているため、駆動力の製造バラツキによってタイミングが僅かに異なることにより、スプリアスが生じるという問題がある。
また、上記各文献に記載された回路は、基本的に位相比較を実行する回路であるため、入力クロック信号が持つ位相雑音が制御ループによって重畳し、出力逓倍クロック信号の位相雑音、即ち、ノイズが増加するという問題がある。
本発明の目的は、高逓倍でありながら、ノイズを低減することができ、また、高速な周波数変調を実現することができる逓倍クロック生成回路を提供することにある。
請求項1の発明は、基準クロック源から出力される基準クロック信号を入力して、第1逓倍比で逓倍した第1逓倍クロック信号を出力する遅延器型逓倍器と、第1逓倍クロック信号を入力して、第2逓倍比で逓倍した第2逓倍クロック信号を出力するPLL回路とを備え、第2逓倍クロック信号を、少なくとも1つ以上のシステムに供給するように構成した逓倍クロック生成回路である。遅延器型逓倍器は、遅延により同一周波数で少なくとも2つ以上の異なる位相を持つ多相クロック信号を生成する遅延器と、多相クロック信号を入力して、これら多相クロック信号を波形合成することにより逓倍クロック信号を生成する逓倍波形合成器と、逓倍波形合成器から出力される逓倍クロック信号の周波数を検出してフィードバック制御信号を生成する周波数検出器と、を備え、遅延器は、フィードバック制御信号に応じて遅延時間を可変させる可変遅延器で構成されている。
第1実施形態を示す逓倍クロック生成回路のブロック図 遅延器型逓倍器のブロック図 PLL回路のブロック図 (a)はPLL回路のループ制御帯域を広帯域に設定した構成の基準クロック信号の位相雑音の周波数特性を示す図、(b)は同構成の発振器の位相雑音の周波数特性を示す図、(c)は同構成のステップ応答の特性を示す図 (a)はPLL回路のループ制御帯域を狭帯域に設定した構成の基準クロック信号の位相雑音の周波数特性を示す図、(b)は同構成の発振器の位相雑音の周波数特性を示す図、(c)は同構成のステップ応答の特性を示す図 (a)は第1実施形態の逓倍クロック生成回路の基準クロック信号の位相雑音の周波数特性を示す図、(b)は同構成の発振器の位相雑音の周波数特性を示す図、(c)は同構成のステップ応答の特性を示す図 発振器の位相誤差について説明する図 遅延器型逓倍器の位相誤差について説明する図 遅延器型逓倍器を異なる形態で表現した場合の逓倍クロック生成回路のブロック図 第2実施形態を示す逓倍クロック生成回路のブロック図 第3実施形態を示す逓倍クロック生成回路のブロック図 第4実施形態を示す遅延器型逓倍器のブロック図 各種信号のタームチャート 校正制御のフローチャート 第5実施形態を示す逓倍クロック生成回路のブロック図 非特許文献1の逓倍クロック生成回路のブロック図
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、図1ないし図9を参照して説明する。本実施形態の逓倍クロック生成回路1は、図1に示すように、基準クロック源2と、遅延器型逓倍器3と、PLL回路4とを備えて構成されている。基準クロック源2は、例えば水晶発信子を備えて構成され、周波数が数十MHz程度の基準クロック信号S1を出力する。
遅延器型逓倍器3は、基準クロック源2からの基準クロック信号S1を入力し、基準クロック信号S1の周波数を第1逓倍比例えば2逓倍した第1逓倍クロック信号S2を出力する機能を備えている。遅延器型逓倍器3の具体的構成の一例、即ち、従来周知の構成を、図2に示す。遅延器型逓倍器3は、図2に示すように、周波数位相比較器5と、ローパスフィルタ6と、電圧制御遅延回路(VCDL(Voltage Control Delay Line))7と、波形合成回路8とを有している。この構成の場合、周波数位相比較器5と、ローパスフィルタ6と、VCDL7とから遅延器15が構成されている。また、波形合成回路8が逓倍波形合成器を構成している。
VCDL7、即ち、遅延器15は、遅延により同一周波数で少なくとも2つ以上の異なる位相を持つ多相クロック信号を生成する機能を有する。波形合成回路8は、VCDL7からの多相クロック信号を入力して、これら多相クロック信号を波形合成することにより第1逓倍クロック信号S2を生成する機能を有する。
PLL回路4は、遅延器型逓倍器3からの第1逓倍クロック信号S2を入力し、第1逓倍クロック信号S2の周波数を第2逓倍比例えば400逓倍した第2逓倍クロック信号S3を出力する機能を備えている。PLL回路4の具体的構成の一例、即ち、従来周知の構成を、図3に示す。PLL回路4は、図3に示すように、周波数位相比較器9と、ローパスフィルタ10と、電圧制御発振器(VCO(Voltage Control Oscillator))11と、分周器12とを有している。
上記した構成の逓倍クロック生成回路1は、基準クロック信号S1の周波数を、(第1逓倍比×第2逓倍比)逓倍した周波数、本実施形態の場合、例えば(2×400)逓倍した周波数の第2逓倍クロック信号S3を、システム13に供給することができる構成となっている。尚、システム13は1つに限られるものではなく、2つ以上のシステムに第2逓倍クロック信号S3を供給するように構成しても良い。
そして、上記構成においては、遅延器型逓倍器3の逓倍比、即ち、第1逓倍比を高くすると、2段目のPLL回路4の帯域を広くし易くなるが、第1逓倍比が高すぎると、遅延器型逓倍器3の内部回路の雑音が発振器を上回る周波数が存在するので、これが上限制約となる。本実施形態の場合、第1逓倍比は、例えば2~4程度に設定することが好ましい。
また、本実施形態においては、遅延器型逓倍器3及びPLL回路4の各ループ制御帯域を設計するに際して、例えば、1段目の遅延器型逓倍器3のループ制御帯域を狭くし、2段目のPLL回路4のループ制御帯域を広くするように構成している。このようにループ制御帯域を設定した構成の作用効果を、以下、説明する。
まず、逓倍クロック生成回路を1個のPLL回路で構成し、そのPLL回路のループ制御帯域を広帯域に設定した構成について、基準クロック信号の位相雑音の周波数特性を図4(a)に示し、発振器(即ち、PLL回路)の位相雑音の周波数特性を図4(b)に示し、ステップ応答、即ち、変調指令に対する応答の特性を図4(c)に示す。この構成の場合、基準クロック信号の位相雑音は「多い」、発振器の位相雑音は「少ない」、ステップ応答は「早い」。
また、逓倍クロック生成回路を1個のPLL回路で構成し、そのPLL回路のループ制御帯域を狭帯域に設定した構成について、基準クロック信号の位相雑音の周波数特性を図5(a)に示し、発振器の位相雑音の周波数特性を図5(b)に示し、ステップ応答、即ち、変調指令に対する応答の特性を図5(c)に示す。この構成の場合、基準クロック信号の位相雑音は「少ない」、発振器の位相雑音は「多い」、ステップ応答は「遅い」。
そして、本実施形態の逓倍クロック生成回路1について、基準クロック信号の位相雑音の周波数特性を図6(a)に示し、発振器の位相雑音の周波数特性を図6(b)に示し、ステップ応答、即ち、変調指令に対する応答の特性を図6(c)に示す。
図4、図5、図6から、本実施形態の逓倍クロック生成回路1は、基準クロック信号の位相雑音については、図4の特性と、図5の特性とを合成した「中間」の特性を有していることがわかる。また、発振器の位相雑音の周波数特性については、図4の特性と同様に「少ない」ことがわかる。更に、ステップ応答については、図4の特性と同様に「早い」ことがわかる。
次に、遅延器型逓倍器3の位相雑音が、発振器(即ち、PLL回路)の位相雑音に比べて少なくなる動作について、図7及び図8を参照して説明する。
まず、発振器から出力される発信クロック信号、即ち、位相誤差がない理想の発信クロック信号を、図7(a)に示す。次に、回路ノイズにより位相誤差が生じた現実の発信クロック信号を、図7(b)に示す。この発振器の場合、逓倍波形は1サイクル前の完了が基点となるため、一度生じた位相誤差は、以降の時間に積分として影響を残し続ける、即ち、位相誤差は蓄積していく。但し、周期が短くなる事象により打ち消される効果があるため、平均的には一定の範囲を揺らぐ。
これに対して、遅延器型逓倍器3において、正確な基準クロック信号を、図8(a)に示す。そして、例えば90度遅れた遅延クロック信号を、図8(b)に示し、例えば180度遅れた遅延クロック信号を、図8(c)に示す。更に、これら3つのクロック信号を波形合成した逓倍クロック信号、即ち、周波数が2逓倍の逓倍クロック信号を、図8(d)に示す。この構成の場合、逓倍波形は常に基準クロック信号を基点に生成されるため、回路ノイズにより突発的に位相誤差が生じても、次のサイクルでリセットされるため、影響が残らない。
このような構成の本実施形態においては、基準クロック源2から出力される基準クロック信号S1を入力して第1逓倍比で逓倍した第1逓倍クロック信号S2を出力する遅延器型逓倍器3を備え、第1逓倍クロック信号S2を入力して第2逓倍比で逓倍した第2逓倍クロック信号S3を出力するPLL回路4を備え、第2逓倍クロック信号S3を少なくとも1つ以上のシステム13に供給するように構成した。この構成によれば、高逓倍でありながら、ノイズを低減することができ、また、高速な周波数変調、即ち、ステップ応答を実現することができる。
また、上記実施形態では、遅延器型逓倍器3は、遅延により同一周波数で少なくとも2つ以上の異なる位相を持つ多相クロック信号を生成する遅延器15と、前記多相クロック信号を入力して、これら多相クロック信号を波形合成することにより逓倍クロック信号を生成する波形合成回路(即ち、逓倍波形合成器)8とを備えるように構成した。この構成によれば、遅延器型逓倍器3を、簡単な回路構成にて容易に実現することができる。尚、上記した構成の遅延器型逓倍器3は、図9に示すように、表現することができる。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第1実施形態では、図9に示すように、遅延器型逓倍器3を、遅延器15と逓倍波形合成器8とで構成したが、第2実施形態では、図10に示すように、逓倍波形合成器8から出力される第1逓倍クロック信号S2の周波数を検出してフィードバック制御信号SFを生成する周波数検出器16を備え、遅延器15の代わりに、フィードバック制御信号SFに応じて遅延時間を可変させる可変遅延器17を設けた。
上述した以外の第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第2実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第2実施形態によれば、逓倍波形合成器8から出力される第1逓倍クロック信号S2の周波数を検出してフィードバック制御信号SFを生成し、生成したフィードバック制御信号SFに応じて可変遅延器17の遅延時間を可変させるように構成したので、第1逓倍クロック信号S2の周波数を正確にフィードバック制御することができる。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第3実施形態では、図11に示すように、2つの遅延器型逓倍器3を直列に接続して遅延器型逓倍器30を構成した。この構成の場合、前段の遅延器型逓倍器3は、基準クロック源2からの基準クロック信号S1を入力し、基準クロック信号S1の周波数を第1逓倍比例えば2逓倍した周波数の第1-1逓倍クロック信号S2-1を出力する機能を備えている。
また、後段の遅延器型逓倍器3は、前段の遅延器型逓倍器3からの第1-1逓倍クロック信号S2-1を入力し、第1-1逓倍クロック信号S2-1の周波数を第1逓倍比例えば2逓倍した周波数の第1-2逓倍クロック信号S2-2を出力する機能を備えている。そして、後段の遅延器型逓倍器3からの第1-2逓倍クロック信号S2-2が、第1逓倍クロック信号S2としてPLL回路4に与えられるように構成されている。
上述した以外の第3実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第3実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第3実施形態によれば、遅延器型逓倍器30を、2つの遅延器型逓倍器3を直列に接続して構成したので、2つの遅延器型逓倍器3の逓倍比をそれぞれ例えば2とすると、PLL回路4の逓倍比を例えば200、即ち、半分に小さくすることが可能になる。よって、PLL回路4の位相雑音ひいては逓倍クロック生成回路1の位相雑音を小さくすることが可能となる。
尚、上記第3実施形態では、遅延器型逓倍器30は、2つの遅延器型逓倍器3を備えるように構成したが、これに限られるものではなく、3つ以上の遅延器型逓倍器3を備えるように構成しても良い。
ところで、非特許文献1においては、図16に示すように、リング発振器と遅延器の動作を、セレクタ31によって切り替え可能な構成となっている。この構成の場合、基準クロック信号のエッジが入力されるタイミングで、リング発振器を遅延器として動作させ、その後はリング発振器として動作させて発振を維持している。このような動作の切り替えは、セレクタ31に時分割パルス信号を入力させることにより、実現している。
これに対して、上記した各実施形態は、リング発振器の部分が全く無い構成となっており、この構成差部分で非特許文献1とは具体的構成が全く異なる。
さて、非特許文献1においては、基準クロック信号の入力タイミング毎にリセットする構成であるため、リング発振器で動作している間は位相雑音が蓄積するというデメリットがある。これに対して、上記した各実施形態は、常に遅延器として動作する構成であるため、位相雑音が蓄積しないというメリットがある。
また、非特許文献1では、逓倍クロック信号の生成方法として、発振器を利用している区間は、スタート/ストップが同一事象に基づくため、周波数精度が高いというメリットがある。これに対して、上記した各実施形態では、スタート/ストップは異なる事象である、例えば、PMOSFETのスイッチング/NMOSFETのスイッチングのように異なる素子の動作で実現することが通常であるため、周波数精度は製造ばらつきの影響を受けやすいというデメリットがある。この製造ばらつきのデメリットを解消するための校正回路を設けた構成を、第4実施形態として後述する。
また、非特許文献1では、セレクタ31を切替制御する時分割パルス信号を基準クロック信号から生成しているが、素子遅延で生成するため、製造ばらつきの影響を受けやすく、誤動作しやすくなるというデメリットがある。これに対して、上記した各実施形態では、上記時分割パルス信号が不要なため、このようなデメリットは生じない。
(第4実施形態)
図12ないし図14は、第4実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第4実施形態では、周波数位相比較器5の代わりにレベルコンパレータ19を設け、また、波形合成回路8の出力端子8aからフィードバッククロック信号、即ち、第1逓倍クロック信号S2を取り出している。そして、波形合成回路8の出力端子8aとレベルコンパレータ19の一方の入力端子19aとの間に、セレクタ20、2分周器21及びローパスフィルタ22を図示するように接続している。
セレクタ20の他方の入力端子20bには、基準クロック信号S1が入力される。セレクタ20は、制御端子20cに選択信号を入力することにより、一方の入力端子20aに入力されたフィードバッククロック信号S2を2分周器21に出力する状態、即ち、通常動作時と、他方の入力端子20bに入力された基準クロック信号S1を2分周器21に出力する状態、即ち、校正時とを切り替えることが可能なように構成されている。
そして、レベルコンパレータ19の出力端子19cと、レベルコンパレータ19の他方の入力端子19bとの間に、校正回路23及び基準電圧発生回路24が接続されている。校正回路23は、レベルコンパレータ19からの校正用の出力信号を入力し、DAC制御コードを生成し、生成したDAC制御コードを基準電圧発生回路24に与える。尚、校正回路23の制御機能については、後述する。基準電圧発生回路24は、例えばDAC(ディジタルアナログコンバータ)で構成されており、入力したDAC制御コードに応じた基準電圧信号V1をレベルコンパレータ19の他方の入力端子19bに与える。基準電圧信号V1を図13(h)において破線で示す。
上記構成において、VCDL7は、基準クロック信号S1をローパスフィルタ6からの制御電圧信号SCVに応じて遅延させた複数例えば4つの多相クロック信号SD1~SD4を出力する。基準クロック信号S1を図13(a)に示し、多相クロック信号SD1~SD4を図13(b)~(e)に示す。波形合成回路8は、多相クロック信号SD1~SD4を入力して合成することにより、例えば2逓倍の第1逓倍クロック信号S2を生成して出力する。第1逓倍クロック信号S2を図13(f)に示す。制御電圧信号SCVを図13(i)に示す。
2分周器21は、通常時は、セレクタ20を介して上記2逓倍の第1逓倍クロック信号S2を入力し、2分周することにより、1サイクル目と2サイクル目のクロック周期がそれぞれHighパルス/Lowパルス幅として変換された2分周信号Sd2を出力する。2分周信号Sd2を図13(g)に示す。尚、上記2逓倍の第1逓倍クロック信号S2の3サイクル目は1サイクル目のリピート動作のため、以降は1サイクル目と2サイクル目だけを考えれば良い。
パルス幅が一致しているかどうかは、2分周信号Sd2をローパスフィルタ22により平均化した後、レベルコンパレータ19によって基準電圧信号V1と比較して判断する。レベルコンパレータ19は、判断結果に応じた制御電圧信号SCVをローパスフィルタ6を介してVCDL7の制御端子7cに与えることにより、VCDL7をフィードバック制御するように構成されている。2分周信号Sd2の平均化後の信号Sd2aを、図13(h)において実線で示す。
次に、本実施形態の遅延器型逓倍器3の動作について、図13のタイムチャートを参照して説明する。
まず、最初(即ち、区間1では)、制御電圧信号SCVが電源電圧の状態からスタートする。このとき、VCDL7の遅延量が最小の状態であることから、波形合成された2逓倍の第1逓倍クロック信号S2は、1サイクル目の周期が短く、2サイクル目の周期が長い状態になっている。この2逓倍の第1逓倍クロック信号S2を2分周器21により2分周すると、1サイクル目が短いHigh区間で2サイクル目が長いLow区間であるため、ローパスフィルタ22からの出力信号Sd2aの電圧レベルは、低い電圧となっている。
レベルコンパレータ19は、ローパスフィルタ22からの出力信号Sd2aの電圧レベルが基準電圧信号V1、即ち、電源電圧の半分よりも低い場合には、Lowレベル信号を出力し、高い場合には、Highレベル信号を出力するため、制御電圧信号SCVは上昇方向となる。
次に(即ち、区間2では)、制御電圧信号SCVが降下していくと、VCDL7の遅延量が徐々に大きくなっていき、2分周信号Sd2のHigh区間とLow区間の平均、即ち、出力信号Sd2aが基準電圧信号V1、即ち、電源電圧の半分に一致する。
また、制御電圧信号SCVが下降し過ぎた場合には、上記した区間1とは反対に、1サイクル目が長いHigh区間で2サイクル目が短いLow区間であるため、ローパスフィルタ22からの出力信号Sd2aの電圧レベルは高い電圧になる。この場合、レベルコンパレータ19の出力信号が反転することにより、制御電圧信号SCVは下降方向となる。
そして、制御電圧信号SCVが、上述した上昇と下降が釣り合う電圧に落ち着くと(即ち、区間3では)、周波数が一定になるように制御される。
ここで、周波数の一致性は、基準電圧信号SCVの電圧値に依存するが、回路構成の製造バラツキで変化するため、事前に校正を行う必要がある。この校正処理、即ち、校正回路23の制御動作について、図14のフローチャートを参照して説明する。
まず、遅延器型逓倍器3の動作の基本原理について述べる。周波数が理想的であれば、クロック信号のDutyに依らず、2分周後のクロック信号のHigh区間とLow区間は一致し、2分周後のクロック信号の電圧レベルは「電源電圧の半分」になる。本実施形態では、遅延器型逓倍器3は、上述の基本原理に基づいて、基準電圧(即ち、電源電圧の半分)に対して2分周後のクロック信号の電圧レベルが大きいか小さいかを判定して、フィードバック制御するように構成されている。しかしながら、回路構成にトランジスタ等の部品を使用していることや、製造に起因するばらつきなどにより、基本原理を逸脱する要因が発生する。
そこで、フィードバッククロックに代えて、外部から高い周波数精度で供給される基準クロックを入力して2分周し電圧レベルに変換して、レベルコンパレータ19に入力する。そして、DACで構成された基準電圧発生回路24側の基準電圧を変化させて、レベルコンパレータ19に入力する。この場合、レベルコンパレータ19の出力信号の切り替わりが検出されたときの基準電圧値(即ち、DAC調整後の基準電圧値)を「電源電圧の半分」とみなすようにすると、上記基本原理が成立することになる。このように基準電圧発生回路24の基準電圧値を調整する制御が校正制御であり、その一例を図14のフローチャートに示す。
校正制御が開始されると、まず、図14のステップS10において、セレクタ20の選択信号を、基準クロック信号S1を選択するように、即ち、基準クロック信号S1を2分周器21に入力させるように設定する。尚、このセレクタ20の選択信号の設定処理は、図示しないマイコン等の制御回路によって実行する。上記制御回路は、遅延器型逓倍器3の外部に設けられている。
続いて、ステップS20へ進み、校正回路23は、基準電圧発生回路24、即ち、基準電圧DACの制御コードを0に設定する。尚、校正回路23は、上記制御回路によって起動される。そして、ステップS30へ進み、基準電圧発生回路24の制御コードを+1する、即ち、インクリメントする。次いで、ステップS40へ進み、レベルコンパレータ19の出力信号の電圧レベル、即ち、校正用モニタ出力レベルが閾値以上であるか否かを判断する。
上記ステップS40において、校正用モニタ出力レベルが閾値未満であるときには(NO)、ステップS30へ戻り、基準電圧発生回路24の制御コードをインクリメントし、上述した処理を繰り返し実行して、制御コードを探索する。また、ステップS40において、校正用モニタ出力レベルが閾値以上であるときには、「YES」へ進み、基準電圧発生回路24の制御コード、即ち、基準電圧を固定し、校正回路23の動作を停止させ、校正制御を終了する。尚、図14に示す校正制御は、事前に例えば出荷時に1回実行するように構成しても良いし、予め設定された時間間隔で繰り返し実行するように構成しても良い。
そして、上記校正制御を終了した後は、セレクタ20の選択信号を、フィードバッククロック信号である第1逓倍クロック信号S2を選択するように、即ち、第1逓倍クロック信号S2を2分周器21に入力させるように設定する。尚、このセレクタ20の選択信号の設定処理は、上記した制御回路によって実行する。これにより、遅延器型逓倍器3は、上記した基本原理に従って2逓倍クロック、即ち、第1逓倍クロック信号S2の周波数が一定になるようにフィードバック制御するように構成されている。
上述した以外の第4実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第4実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第4実施形態によれば、校正回路23を備え、基準電圧の校正処理を実行するように構成したので、製造ばらつきの影響を無くすことができ、周波数精度を向上させることができる。
(第5実施形態)
図15は、第5実施形態を示すものである。尚、第3実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第5実施形態では、遅延器型逓倍器30、即ち、2個の遅延器型逓倍器3、3とPLL回路4との間に、セレクタ25を設け、セレクタ25の第1の入力端子25aに基準クロック源2からの基準クロック信号S1を入力させ、セレクタ25の第2の入力端子25bに前段の遅延器型逓倍器3からの第1-1逓倍クロック信号S2-1を入力させ、セレクタ25の第3の入力端子25cに後段の遅延器型逓倍器3からの第1-2逓倍クロック信号S2-2を入力させる。そして、セレクタ25の出力端子25dをPLL回路4の入力端子4aに接続している。
セレクタ25は、制御端子25eに選択信号を入力することにより、第1の入力端子25aに入力された基準クロック信号S1をPLL回路4に出力する状態と、第2の入力端子25bに入力された第1-1逓倍クロック信号S2-1をPLL回路4に出力する状態と、第3の入力端子25cに入力された第1-2逓倍クロック信号S2-2をPLL回路4に出力する状態とを切り替えることが可能な構成となっている。
上述した以外の第5実施形態の構成は、第3実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第5実施形態においても、第3実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第5実施形態においては、セレクタ25の制御端子25eに入力させる選択信号によって、基準クロック信号S1をPLL回路4に出力する状態と、第1-1逓倍クロック信号S2-1をPLL回路4に出力する状態と、第1-2逓倍クロック信号S2-2をPLL回路4に出力する状態とを切り替えるように構成した。この構成によれば、3種類の周波数が異なる第2逓倍クロック信号S3をPLL回路4から出力させることが可能となる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1は逓倍クロック生成回路、2は基準クロック源、3は遅延器型逓倍器、4はPLL回路、5は周波数位相比較器、7は電圧制御遅延回路(VCDL)、8は波形合成回路(逓倍波形合成器)、9は周波数位相比較器、11は電圧制御発振器(VCO)、13はシステム、15は遅延器、16は周波数検出器、17は可変遅延器、19はレベルコンパレータ、20はセレクタ、21は2分周器、22はローパスフィルタ、23は校正回路、24は基準電圧発生回路、25はセレクタ、30は遅延器型逓倍器である。

Claims (2)

  1. 基準クロック源(2)から出力される基準クロック信号を入力して、第1逓倍比で逓倍した第1逓倍クロック信号を出力する遅延器型逓倍器(3)と、
    前記第1逓倍クロック信号を入力して、第2逓倍比で逓倍した第2逓倍クロック信号を出力するPLL回路(4)とを備え、
    前記第2逓倍クロック信号を、少なくとも1つ以上のシステム(13)に供給するように構成し
    前記遅延器型逓倍器は、
    遅延により同一周波数で少なくとも2つ以上の異なる位相を持つ多相クロック信号を生成する遅延器(15)と、
    前記多相クロック信号を入力して、これら多相クロック信号を波形合成することにより逓倍クロック信号を生成する逓倍波形合成器(8)と、
    前記逓倍波形合成器から出力される逓倍クロック信号の周波数を検出してフィードバック制御信号を生成する周波数検出器(16)と、を備え、
    前記遅延器は、前記フィードバック制御信号に応じて遅延時間を可変させる可変遅延器(17)で構成された逓倍クロック生成回路。
  2. 前記遅延器型逓倍器は、2つ以上の遅延器型逓倍器を備えるように構成された請求項1記載の逓倍クロック生成回路。
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