JP7040109B2 - 無方向性電磁鋼板 - Google Patents
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Description
本発明の無方向性電磁鋼板は、質量%で、C:0.003%以下、Si:1.5~7.0%、Mn:0.01~3.0%、Al:0.020%以下、S:0.010%以下、及びN:0.005~0.020%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であることを特徴とする。本発明の無方向性電磁鋼板は、C、Sの元素を含まない態様の鋼板も含む。
Cは、鉄損を高める有害な成分で、磁気特性の劣化の原因ともなる。このため、C含有量は0.003%以下とする。C含有量は、好ましくは0.003%以下である。一方、C含有量の下限値は、特に制限はなく、含有量は0でもよいが、製鋼でのコストの観点から、0.001%以上が好ましい。
Siは、電気抵抗を増大させて渦電流損を減少させることにより、鉄損を低減する作用のある成分であり、また、降伏比を増大させることにより、鉄心への打ち抜き加工性を向上させる作用も有する。これらの作用を奏するためには、Si含有量は1.5%以上とする。
Alは、従来の無方向性電磁鋼板では、Siと同様に電気抵抗を増大させて渦電流損(鉄損の1種)を減少させるために含有される。しかし、本発明では固溶Nにより疲労強度を上げるため、固溶Nと反応性の高いAlは少なくする必要がある。
Mnは、電気抵抗を増大させて渦電流損を減少させるとともに、一次再結晶集合組織を改善して、圧延方向の磁気特性の向上に望ましい{110}<001>結晶方位を発達させる効果を有する。さらに、Mnは、結晶粒成長に有害なMnS等の微細硫化物の析出を抑制する。これらの作用を奏するためには、Mn含有量は0.01%以上とする。一方、Mn含有量が増えると、焼鈍時の結晶粒成長性そのものが低下し、鉄損が増大する。このため、Mn含有量は3.0%以下とする。Mn含有量は、好ましくは0.1%以上0.5%以下である。
Sは、MnS等の硫化物の微細析出により、仕上げ焼鈍時等における再結晶および結晶粒成長を阻害する。このため、S含有量は0.010%以下とする。ただし、REM等のSを固定する元素がない場合のS含有量は、好ましくは0.001%以下である。一方、S含有量の下限値は、特に制限はなく、含有量は0でもよいが、脱Sのコスト及び生産性の観点から、0.0003%以上とすることが好ましい。
従来の無方向性電磁鋼板では、Nは、AlN等の窒化物の微細析出により、仕上げ焼鈍時等における再結晶および結晶粒成長を阻害するため少ない方が望ましいとされていた。しかし、全Al量を0.020%以下にすればAlNのピン止め効果を少なくすることが可能であり、その結果、Nは侵入型固溶元素として鋼中に存在でき、高温における疲労強度が上昇する。
鋼板には、質量%で、Sn:0~0.40%、Cu:0~1.0%、Sb:0~0.40%、P:0~0.40%の1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素は必須ではなく、含有量は0でもよい。
鋼板の残部は、Fe及び不純物である。ここで、不純物とは、原材料に含まれる成分、または、製造の過程で混入する成分であって、意図的に鋼板に含有させたものではない成分を指す。
本発明の特徴として、Alトレースがある。Alは良い脱酸材であるため、Alを入れない場合は溶鋼中の溶存酸素が高くなる。その結果、脱硫剤(例えばCaフラックス)を添加した際、脱硫剤が硫黄より先に酸素と反応して、鋳造後のスラブに硫黄が多く残ることが懸念される。スラブに残った硫黄は、その後の熱延で微細なMnSと変わり、磁気特性を劣化させることがある。したがって、そのようなことが起こらないように、公知の方法による脱硫強化(脱硫時間の増加等)を検討する必要がある。
熱間圧延工程では、スラブを熱間で圧延することで、冷延しやすい板厚に加工する必要がある。熱間圧延における条件は、特に制限はない。例えば、仕上げ圧延完了温度が800~1100℃、巻き取り温度が400~700℃の条件で鋼帯を熱間圧延することができる。
冷間圧延工程では、熱延板や、熱延焼鈍板を冷間で圧延し、最終板厚(製品板厚)にする。冷間圧延工程において、高合金になれば圧延しづらくなる。そのため、板温を80℃以上にして圧延してもよい。
焼鈍工程では、冷間圧延後に、全面再結晶完了し、粒成長する条件で、鋼帯を焼鈍する。その結果、鉄損が低くかつ磁束密度が高い無方向性電磁鋼板が製造できる。
ひずみ取り焼鈍は、無方向性電磁鋼板の歪を取り除く目的で行う。
表1に記載の成分で、鋳造した材料を用いて試験した。
表2に記載の成分で、鋳造した材料を用いて試験した。
表3に記載の成分で、鋳造した材料を用いて試験した。
Claims (7)
- 質量%で、
C:0.0030%以下、
Si:1.5~7.0%、
Mn:0.01~3.0%、
Al:0.004~0.020%、
S:0.010%以下、及び
N:0.005~0.020%
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
ただし、{100}方位の集積強度が5以上であるもの、及び板面平行方向の張力が0.1kgf/mm 2 以上であるものを除く。 - 質量%で、
C:0.0030%以下、
Si:1.5~7.0%、
Mn:0.01~3.0%、
Al:0.020%以下、
S:0.010%以下、及び
N:0.006~0.020%
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
ただし、{100}方位の集積強度が5以上であるもの、及び板面平行方向の張力が0.1kgf/mm 2 以上であるものを除く。 - (150℃における疲労強度)-(23℃における疲労強度)≧60MPaを満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の無方向性電磁鋼板。
- (150℃における疲労強度)-(23℃における疲労強度)≧80MPaを満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の無方向性電磁鋼板。
- 板厚が0.10~0.70mmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
- 更に、質量%で、Sn:0~0.40%、Cu:0~1.0%、Sb:0~0.40%、及びP:0~0.40%の1種又は2種以上を含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
- 更に、質量%で、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、Nd、Pr、Zn及びCdからなる群から選択された一種以上を、総計で0~0.0100%を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
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