JP7039747B1 - コラムアシスト式操舵装置、操舵ユニット、補助力演算方法、およびプログラム - Google Patents

コラムアシスト式操舵装置、操舵ユニット、補助力演算方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】路面状況に関係なく適切に操舵をアシストすることができる操舵装置を提供する。【解決手段】実施形態の操舵装置は、運転手が操舵する操舵部と、前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、路面からの反力に応じた前記操舵部及び駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御部と、前記第1制御部によって演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、コラムアシスト式操舵装置、操舵ユニット、補助力演算方法、およびプログラムに関する。
従来、車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵をアシストする電動パワーステアリングが知られている。
関連する技術として、操舵トルクに基づいて演算された第1のモータ電流指令値によりモータを駆動する手動操舵制御と、目標操舵角に実操舵角を追従させるように演算された第2のモータ電流指令値によりモータを駆動する自動操舵制御とを切り換える電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2019/026351号
しかしながら、上述した従来技術では、例えば、入力側(ステアリングホイール側)だけでアシストトルクを算出したとすると、路面状況に応じたアシストトルクを提供することができず、よって、路面状況に関係なく適切に操舵をアシストすることができないことがある。
本発明は、例えば、路面状況に関係なく適切に操舵をアシストすることができるコラムアシスト式操舵装置、操舵ユニット、補助力演算方法、およびプログラムを提供する。
本発明の一態様に係るコラムアシスト式操舵装置は、運転手が操舵する操舵部と、前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御部と、前記第1制御部によって演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御部と、を備え、前記第1制御部は、前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する。
このように構成することで、路面状況に関係なく適切に操舵をアシストすることができる。
上記構成で、前記第1制御部は、前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部のトルクである駆動トルクとに基づいて、前記負荷トルクを算出してもよい。
上記構成で、前記第2制御部は、前記負荷トルクと、前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部の角速度である駆動角速度と、に基づいて、前記駆動部の前記補助力を演算してもよい。
上記構成で、前記負荷トルクは、ピットマンアームに負荷されるトルクとしてもよい。
上記構成で、前記第1制御部は、前記目標操舵トルクの演算において、前記反力に応じた操舵トルクと、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとに基づいて、前記目標操舵トルクを演算してもよい。
上記構成で、前記第1制御部は、減速機の摩擦を補償する演算を行った前記負荷トルクを算出してもよい。
本発明の他の態様に係る操舵ユニットは、コラムアシスト式操舵装置と、減速機と、前記コラムアシスト式操舵装置および前記減速機を制御する制御装置とを備えた操舵ユニットであって、前記コラムアシスト式操舵装置は、運転手が操舵する操舵部と、前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御部と、前記第1制御部によって演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御部と、を備え、前記第1制御部は、前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する。
また、本発明の他の態様に係る補助力演算方法は、運転手が操舵する操舵部と、前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、を備えたコラムアシスト式操舵装置のコンピュータが、路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御ステップと、前記第1制御ステップにおいて演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御ステップと、を含む処理を実行し、前記第1制御ステップでは、前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する。
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、運転手が操舵する操舵部と、前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、を備えるコラムアシスト式操舵装置のコンピュータに、路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御工程と、前記第1制御工程において演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御工程と、を含む処理を実行させ、前記第1制御工程では、前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する。
また、本発明の他の態様に係るコラムアシスト式操舵装置は、運転手が操舵する操舵部と、前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御部と、前記第1制御部によって演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御部と、を備え、前記第1制御部は、前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部のトルクである駆動トルクとに基づいて、ピットマンアームに負荷される前記負荷トルクであり且つ減速機の摩擦を補償する演算を行った前記負荷トルクを算出し、前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算し、前記第2制御部は、前記負荷トルクと、前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部の角速度である駆動角速度と、に基づいて、前記駆動部の前記補助力を演算する
上述のコラムアシスト式操舵装置、操舵ユニット、補助力演算方法、およびプログラムによれば、例えば、路面状況に関係なく適切に操舵をアシストすることができる。
本発明の実施形態に係る操舵ユニット100の構成例を示す説明図。 制御部120に入出力される各種情報の一例を示す説明図。 各部202~204が出力するトルクの一例を示す説明図。 減速機103およびピットマンアーム104の構成例を示す説明図。 負荷トルクマップ500の一例を示す説明図。 摩擦特性マップ600の一例を示す説明図。 操舵角速度に応じた抵抗(引っ掛かり)のトルク特性を示す説明図。 センタリングトルクによりセンター位置に戻る際のブレーキ(緩やかにセンター位置に戻す)トルク特性を示す説明図。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る操舵ユニット100の構成例を示す説明図である。操舵ユニット100は、車両に搭載される電動パワーステアリングである。本実施形態に用いられる車両は、例えば、バスやトラックなどの大型の商用車である。電動パワーステアリングは、減速機103を用いることにより、摩擦が大きくなり、運転者が路面の状況を感じることができず、良い操舵を行えないことがある。特に、大型の商用車では、減速機103の摩擦が大きく、操舵感を得るようにする制御が望まれる。なお、本実施形態に係る操舵ユニット100は、大型の商用車に用いられることが効果的であるが、乗用車に用いられることも可能である。
操舵ユニット100は、ステアリングホイール101(操舵部の一例)と、モータ102(駆動部の一例)と、減速機103と、ピットマンアーム104と、各種センサ110と、制御部120とを備える。なお、ステアリングホイール101と、モータ102と、制御部120とによって操舵装置が実現される。
ステアリングホイール101は、運転者が操舵するハンドルである。モータ102は、操舵をアシストするためのアシストトルク(補助力)を生成する。ステアリングホイール101は、ステアリングシャフト106へ操舵トルクを伝達する。この操舵トルクは、減速機103の入力部に入力される。減速機103は、入力された操舵トルクと、モータ102によるアシストトルクとを合成して、その合成トルクをピットマンアーム104以下の操舵機構に伝達する。ピットマンアーム104は、減速機103に接続され、減速機103によって合成された合成トルクにより回転する出力アームである。図4に示すように、減速機103の出力部(ケースまたはシャフト)と、ピットマンアーム104とは、一体化されている。
ここで、図4を用いて、本実施形態に係る減速機103およびピットマンアーム104の構成の一例について説明する。図4は、減速機103およびピットマンアーム104の構成例を示す説明図である。図4に示すように、減速機103の一面側には、取り付け対象に固定される固定部材401が設けられている。減速機103の他面420側には、固定部材401に対して回転し、回転力を出力する円筒状の出力部402が設けられている。出力部402は、周方向において中心軸(z軸)周りに回転するピットマンアーム104が径方向に突出して設けられている。ピットマンアーム104は、例えば、操舵装置に接続され、回転動作に応じて車輪を操舵させる。ピットマンアーム104が出力部402の周方向に設けられていることにより、操舵ユニット100は、中心軸方向に沿った幅を狭め、構成を小型化することができる。
図2に戻り、各種センサ110は、操舵センサ111と、モータセンサ112と、速度センサ113(図2参照)とを含む。制御部120は、操舵装置および減速機103を制御する。制御部120は、モータ制御部121と、ステアリング制御部122(第2制御部の一例)と、フィーリング制御部123(第1制御部の一例)とを含む。制御部120は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)によって実現される。
これらの構成要素は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(不図示)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
操舵センサ111は、ステアリングホイール101のステアリングトルク、操舵角、および操舵角速度を検出する。なお、操舵センサ111によって検出される操舵角速度は、具体的には、CPUによって、操舵角に基づいて算出される。モータセンサ112は、モータ102のモータトルクおよびモータ角速度を検出する。なお、モータセンサ112によって検出されるモータトルクは、具体的には、CPUによって、モータ102の電流値に基づいて算出される。また、モータセンサ112によって検出されるモータ角速度は、モータ102の位置に基づいて算出される。速度センサ113は、車両の速度を検出する。
モータ制御部121は、ステアリング制御部122の制御に基づいて、モータ102の回転を制御する。ステアリング制御部122は、操舵センサ111の検出結果に基づいて、モータ102の出力トルクを制御する。モータ102は、モータ制御部121およびステアリング制御部122の制御により、アシストトルクを生成する。これにより、運転者によるステアリングホイール101の操舵は、モータ102のアシストトルクによってアシストされる。ステアリング制御部122は、モータ102のアシストトルクが所定のアシストトルクとなるように、フィードバック制御を行う。
ここで、従来の方式では、算出したトルク指令値に対して調整している方式が多く採用されていた。これに対して、本実施形態では、フィーリング制御部123と、ステアリング制御部122とに分けて、ステアリング制御部122に任意の操舵トルクを指定して、トルク制御を行うようにしている。
フィーリング制御部123は、ステアリングホイール101の操舵トルクが路面反力にかかわらず、任意の操舵トルクとなるように、操舵をアシストするための目標操舵トルクを算出する。フィーリング制御部123は、算出した目標操舵トルクをステアリング制御部122へ出力する。ステアリング制御部122は、フィーリング制御部123から出力された目標操舵トルクに基づいて、目標モータトルクを算出して、モータ制御部121へ出力する。
(制御部120に入出力される各種情報について)
図2は、制御部120に入出力される各種情報の一例を示す説明図である。まず、フィーリング制御部123について説明する。フィーリング制御部123は、第1推定部201と、ロードフィーリング部202と、センタリング部203と、ダンピング部204とを備える。各部に入力される情報について説明する。
図示において、検出値の横に記す文字と、その意味について以下列挙する。
・「mot」:モータ102に関する値を示す。
・「steer」:ステアリングホイール101に関する値を示す。
・「driver」:運転手に関する値を示す。
・「load」:負荷に関する値を示す。
・「tb」:トーションバーに関する値を示す。
・「ref」:目標値を示す。
・「est」:推定値を示す。
・「ref」または「est」の記載がないものは、計測値を示す。
第1推定部201には、モータ制御部121から出力されるモータトルクTmot(Nm)と、操舵センサ111によって検出される操舵角速度ωsteer(rad/s)および操舵トルクTsteer(Nm)とが入力される。第1推定部201は、入力された、モータトルクTmotと、操舵角速度ωsteerと、操舵トルクTsteerとに基づいて、推定負荷トルクTload est(Nm)を算出する。なお、推定負荷トルクTload estの算出(演算)については後述する。
ロードフィーリング部202には、第1推定部201から出力される推定負荷トルクTload est(Nm)と、速度センサ113によって検出される車両(vehicle)の速度v veh(km/h)とが入力される。ロードフィーリング部202は、入力された、推定負荷トルクTload estと、速度v vehとに基づいて、ロードフィーリングトルクの目標値を得る。ロードフィーリングトルクの目標値は、運転者に、タイヤに掛かる力(路面からの反力)の感覚を伝えるための値である。また、ロードフィーリングトルクは、車速に応じたトルクである。
センタリング部203には、操舵センサ111によって検出される操舵角φsteer(degree)および操舵トルクTsteer(Nm)と、速度センサ113によって検出される速度v veh(km/h)とが入力される。センタリング部203は、入力された、操舵角φsteerと、操舵角速度ωsteerと、速度v vehとに基づいて、センタリングトルク(復元トルク)の目標値を得る。センタリングトルクは、ステアリングホイール101をセンター位置に戻す力である。
ここで、本実施形態では、高フリクションの減速機103を用いている。このため、高いバックドライブトルクが生じてしまい、ステアリングがセンター位置に戻りにくくなっている。そこで、センタリングトルクをかけるようにし、バックドライブトルクがかかったとしても、ステアリングホイール101をセンター位置に戻るように制御している。センタリングトルクは、車速に応じたトルクである。
ダンピング部204には、操舵センサ111によって検出される操舵角φsteer(degree)および操舵角速度ωsteer(rad/s)と、速度センサ113によって検出される速度v veh(km/h)とが入力される。ダンピング部204は、入力された、操舵角φsteerと、操舵角速度ωsteerと、速度v vehとに基づいて、ダンピングトルク(緩衝トルク)の目標値を得る。ダンピングトルクは、急ハンドル時の適度な引っ掛かりを発生させる力である。すなわち、ダンピングトルクは、早すぎるハンドル操作に対して、適度な反発トルクを発生させ、ハンドル操作のブレーキを担うトルクである。なお、急ハンドルとは運転者がハンドルを左右に操舵することに加え、中立位置に急に戻す操舵も含む。ダンピングトルクは、中立位置に戻す操舵にも適用される。ダンピングトルクは、車速に応じたトルクである。
(各部202~204が出力するトルクについて)
図3は、各部202~204が出力するトルクの一例を示す説明図である。図3(A)、(B)において、横軸はステアリングホイール101の操舵角φsteer(degree)を示し、縦軸は目標操舵トルクTsteer refを示す。また、図3では、ロードフィーリング出力301と、センタリング出力302と、ダンピング出力303とを示す。図示では、時速50km/hの車速における各出力301~303を示している。各出力301~303は、車速ごとに用意されている。
図3(A)において、ロードフィーリング出力301は、ロードフィーリング部202によって出力されるロードフィーリングトルクの目標値を示す。ロードフィーリング出力301は、ステアリングホイール101の操舵角が大きくなるにしたがって、ロードフィーリングトルクも大きくなり、ステアリングホイール101の操舵角が小さくなるにしたがって、ロードフィーリングトルクも小さくなることを示している。すなわち、運転者がハンドルを切るにしたがって、アシストトルクが大きくなることを示している。
センタリング出力302は、例えば、操舵角が小さい場合など、負荷トルクが小さい場合、バックドライブトルクの影響を受けやすいことから、操舵角が小さいときにはセンタリングトルクを大きくしていることを示している。すなわち、運転者がハンドルを元に戻す際に、ステアリングがセンター位置に戻りやすくなることを示している。
ダンピング出力303は、操舵角が小さいときには大きいトルクを出力することを示している。すなわち、操舵開始時に急ハンドルを行った際、反発トルクにより引っ掛かりが発生していることを示している。また、センター位置に戻る際も、反発トルクが発生して緩やかにセンター位置に動作することを示している。
ここで、図7は、操舵角速度に応じた抵抗(引っ掛かり)のトルク特性を示す説明図である。図7において、横軸は操舵角速度を示し、縦軸はダンピングに係る係数を示す。図7に示すように、操舵角速度が上がるにつれて、ダンピングに係る係数が大きくなり、すなわち、ダンピングトルクが大きくなることを示している。このように、ステアリングホイール101を急に回した際には、適度な引っ掛かりを発生させやすくしている。
図8は、センタリングトルクによりセンター位置に戻る際のブレーキ(緩やかにセンター位置に戻す)トルク特性を示す説明図を示す。図8において、横軸は操舵角を示し、縦軸はダンピングに係る係数を示す。図8に示すように、ダンピングトルクは、ステアリングホイール101の操舵角が0°に近付くにつれて、ダンピングに係る係数が大きくなり、すなわち、センタリングトルクとは逆の方向の力を発生させることを示している。
図3(B)は、図3(A)に示した各出力301~303の合成した出力を示す。図3(B)において、出力311は、制御された結果であるステアリングトルクのセンサ測定値を示す。合成出力312は、出力301~303を合成した目標操舵トルクTsteer refを示す。フィーリング制御部123は、現在の車速に応じて得られた目標操舵トルクTsteer refを、ステアリング制御部122へ出力する。
(ステアリング制御部122に入出力される各種情報の一例)
図2に戻り、ステアリング制御部122について説明する。ステアリング制御部122は、第2推定部211と、アシスト部212とを備える。第2推定部211には、操舵センサ111によって検出される操舵角速度ωsteer(rad/s)および操舵トルクTsteer(Nm)と、モータセンサ112によって検出されるモータ角速度ωmot(rad/s)とが入力される。
第2推定部211は、入力された、操舵角速度ωsteerと、操舵トルクTsteerと、モータ角速度ωmotとに基づいて、各種推定値を算出する。算出する各種推定値は、運転手に係る推定操舵トルクTdriver estの推定値と、推定負荷トルクTload estの推定値とを含む。第2推定部211は、各種推定値をアシスト部212へ出力する。各種推定値の算出(演算)については、後述する。
アシスト部212には、フィーリング制御部123から出力された目標操舵トルクTsteer refと、第2推定部211から出力された各種推定値とが入力される。アシスト部212は、入力された、目標操舵トルクTsteer refと、各種推定値とに基づいて、目標モータトルクTmot refを算出する。アシスト部212は、算出した目標モータトルクTmot refをモータ制御部121へ出力する。モータ制御部121は、目標モータトルクTmot refでモータ102を回転させる。
(ステアリング制御部122が行う演算について)
次に、ステアリング制御部122が行う演算について説明する。2自由度の縮小された物理的等価線形モデルアクチュエータの電気部分は、微分方程式で一次要素として数式(1)で表すことができる。
Figure 0007039747000002
数式(1)において、τccは電流制御ループ、Tmot,refは目標モータトルク、Tmotは結果のモータトルクである。これは、トルク制御された電気モータの動的な動作を単純化したものに近似している。機械部品の数学的記述では、同じ自由度に属するシステムの回転質量をモータ側で1つの質量に減らす必要がある。機械部品は、数式(2)~(4)の運動方程式で表すことができる。
Figure 0007039747000003
数式(2)において、jsteerはステアリングホイール101のイナーシャ(慣性モーメント)であり、bsteerはステアリングホイール101のダンピングである。
Figure 0007039747000004
数式(3)において、ctbはステアリングコラムの線形化されたトーションバーの剛性であり、ipnionはステアリングホイールからピットマンアーム104までのギア比(ピニオンギアのギア比)であり、irv,gearはモータ102からピットマンアーム104までのギア比(減速機103のギア比)であり、btbはトーションバーのダンピングである。
Figure 0007039747000005
数式(4)において、jredは慣性モーメントをモータ軸に換算した値であり、bredはダンピングをモータ軸に換算した値である。
上記数式(1)~(4)を用いることにより、ステアリング制御部122は,入力された操舵に対して目標値として設定された操舵トルクとなるように適切なアシストトルク(目標モータトルクTmot ref)を算出することができる。
ここで、一般に、走行状況、路面反力などにより、入力された操舵に対して必要な操舵トルクが異なる。フィーリングは、主に操舵トルクを基準とした特性により決定される。このため、フィーリングを調整しやすくするためには、任意の操舵トルクTsteerでステアリングを制御できた方がよい。目標モータトルクTmot refの演算の際にピットマンアーム104にかかるトルクを考慮した上記式から、制御コントローラ(LQG:Linear Qquadratic Gaussian)を設計することで,走行状況や路面状況等が変わっても指定の操舵を設定した目標操舵トルクTsteer refとすることが可能である。
(ピットマンアーム104にかかる負荷トルクの推定について)
次に、ピットマンアーム104にかかる負荷トルク(推定負荷トルクTload est)の演算について説明する。通常、運転者は、安全のため、ステアリングホイール101に返ってくる力で路面状況を感じて運転する。しかし、本実施形態では、減速機103を用いているため路面反力が運転者まで伝わらない。そのため、第1推定部201がピットマンアーム104にかかる負荷トルク(路面からの反力)を推定し、ドライバーが路面反力を感じるように返す必要がある。路面反力は、ピットマンアーム104にかかる負荷トルクであるが、路面から直接得られる負荷ではなく、タイヤ、ドラッグリングを経由してピットマンアーム104にかかる負荷である。なお、一般的な電動パワーステアリングでは、路面反力を測定するセンサ類を備えない。
本実施形態の推定機能では,車両条件(車両諸元,路面状況(傾斜、路面摩擦))等に関係なく、路面からの反力を推定することが可能である。この推定機能は,数式(1)~(4)に基づく数式からカルマンフィルタで、推定器(LQE:linear quadratic estimation)を設計したものである。第1推定部201による推定では、減速機103の特性を補償することで正確にピットマンアーム104にかかるトルクを推定することが可能である。第1推定部201は,数式(1)~(4)に基づいて、推定負荷トルクTload estを算出することができる。また、ピットマンアーム104は、減速機103の出力部(ケースまたはシャフト)と一体化されているため、より精度よくトルクを推定することができる。
(減速機103の特性の補償について)
次に、減速機103の特性を補償することについて説明する。第1推定部201は、推定負荷トルクTload estに、減速機103の特性を補償する。これにより、正確にピットマンアーム104にかかるトルクを推定することが可能になる。
ここで、フィーリング制御部123の制御では、減速機103の特性が補償される一方で、ステアリング制御部122の制御では、減速機103の特性の補償されないようにしている点について補足しておく。LQGは減速機摩擦付きの負荷トルクを入力とした式としている。このため、推定されるTload estとしては,摩擦トルクを含む負荷トルクとなる。モータ102から出力するトルクとしては、この摩擦トルクを含む負荷トルクに応じたモータトルクを指令することが必要となる。すなわち,減速機103の特性をステアリング制御部122で補償すると、出力するモータトルクが不足する。一方で、ロードフィーリング部122での推定については、外部から加わる力をフィーリングとして実現するため、より正確な負荷トルク、つまり、減速機103の摩擦トルクを除いたピットマンアーム104にかかるトルクを知る必要がある。このような理由から、本実施形態において、フィーリング制御部123の制御では、減速機103の特性が補償される一方で、ステアリング制御部122の制御では、減速機103の特性の補償されないようにしている。
減速機103のフリクションは、モータ角速度ωmotに応じて演算方法が異なる。減速機103のフリクションは,モータ角速度ωmotとモータトルクTmotとを用いて求めることが可能である。フリクションを計算するための粘性摩擦係数(図6参照)と、負荷トルクマップ(図5参照)とには、減速機103から測定した数値を適用することが可能である。
図5は、負荷トルクマップ500の一例を示す説明図である。負荷トルクマップ500は、モータトルクTmotに対して、減速機103のフリクションでどの程度のトルクが必要であるかを表したマップである。具体的には、図5に示すように、負荷トルクマップ500は、横軸がモータトルクTmotを示し、縦軸が静摩擦および動摩擦の損失トルクを示したマップである。負荷トルクマップ500に示すように、モータトルクTmotと、静摩擦および動摩擦の損失トルクとは、比例の関係にある。
図6は、摩擦特性マップ600の一例を示す説明図である。摩擦特性マップ600は、ピットマンアーム104の角速度に対する、減速機103の摩擦特性を表したマップである。具体的には、図6に示すように、摩擦特性マップ600は、横軸がピットマンアーム104の角速度[rpm]を示し、縦軸が粘性摩擦係数[Nms/rad]を示したマップである。摩擦特性マップ600に示すように、ピットマンアーム104の角速度が特定の角速度(例えば「0」)以外の場合、ピットマンアーム104の角速度と粘性摩擦係数とは比例の関係にある。一方で、ピットマンアーム104の角速度が特定の角速度(例えば「0」)の場合、粘性摩擦係数は複数の値をとり得る。なお、ピットマンアーム104の角速度に所定の速比を乗算することによって、モータ角速度ωmotを得ることが可能である。
減速機103のフリクション(負荷トルク)の補償は、各状態で演算方法を変えている。例えば、モータ角速度ωmotが「0」であり、且つ、減速機103の摩擦が外部負荷トルクより大きい場合、外部負荷トルクTextを減速機103のフリクションTfrとする。また、モータ角速度が「0」であり、且つ、減速機103の摩擦が外部負荷トルク以下である場合、負荷トルクマップ500と、粘性摩擦係数とから減速機103のフリクションTfrを算出する。この場合の力の向きは、外部負荷トルクの向きである。また、モータ角速度が「0」ではない場合、負荷トルクマップ500と、粘性摩擦とから減速機103のフリクションTfrを算出する。この場合の力の向きは、モータ102の回転方向である。
数式(5)は、フリクションの算出式を示す。
Figure 0007039747000006
数式(5)において、1行目の式は、摩擦トルクと外部トルク(摩擦なし)の静的バランス時の静止摩擦トルクを示す。外部トルクが静止摩擦トルクよりも小さい場合、角速度が「0」ときにスティッキングが発生する。2行目の式は,外部トルクが静止摩擦トルクを超えた時の離脱の瞬間の摩擦トルクを示す。3行目の式は,静止摩擦トルクと角速度に依存する粘性摩擦によって計算される摩擦トルクを示す。これらの式を用いて、角速度に対する摩擦特性を得ることができる。
第1推定部201は、推定した推定負荷トルクTload estからフリクションTfrを引くことにより、減速機103の特性を補償した推定負荷トルクTload estを得ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る操舵ユニット100は、路面からの反力に応じた推定負荷トルクTload estに基づいて、目標操舵トルクTsteer refを推定し、推定した目標操舵トルクTsteer refを与えるように、モータ102の回転を制御するようにした。これにより、路面からの反力に応じた目標モータトルクTmot refでモータ102を回転させることができる。したがって、適切なアシストトルクで操舵をアシストすることができるため、路面状況にかかわらず、運転者は任意の操舵トルクで運転することができる。よって、本実施形態に係る操舵ユニット100によれば、減速機103の摩擦が大きくても、運転手に路面反力を正しく伝えることができ、良好な操舵感を運転手に提供することができる。
また、本実施形態において、フィーリング制御部123は、操舵センサ111によって検出される操舵トルクTsteerおよび操舵角速度ωsteerと、モータトルクTmotとに基づいて、推定負荷トルクTload estを算出するようにした。これにより、推定負荷トルクTload estを簡単に算出できるため、目標モータトルクTmot refを簡単に得ることができる。
また、ステアリング制御部122は、目標操舵トルクTsteer refと、操舵トルクTsteerと、操舵角速度ωsteerと、モータ角速度ωmotとに基づいて、目標モータトルクTmot refを簡単に算出することができる。
推定負荷トルクTload estは、ピットマンアーム104に負荷されるトルクとした。したがって、より正確な推定負荷トルクTload estを得ることができるため、より正確な操舵トルクで運転することができる。
また、本実施形態において、フィーリング制御部123は、目標操舵トルクTsteer refの演算において、ロードフィーリングトルクと、センタリングトルク、ダンピングトルクとに基づいて、目標操舵トルクTsteer refを演算するようにした。したがって、より操舵のしやすい操舵ユニット100を提供することができる
また、本実施形態において、フィーリング制御部123は、減速機103の摩擦を補償する演算を行った推定負荷トルクTload estを算出するようにした。減速機103の摩擦によって生じる操舵の違和感を軽減することができる。
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の各変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の変形例、および上述した実施形態は、組み合わせることも可能である。
変形例において、操舵ユニット100は、ピットマンアーム104の回転角度を検出する角度検出部410(図4参照)を備える。ピットマンアーム104とモータ102との間には、ピットマンアーム104の回転角度を検出する角度検出部410が設けられている。角度検出部410は、例えば、固定部材401の減速機103に面する一面側に設けられている。
角度検出部410は、例えば、減速機103の他面420から中心軸(z軸)に沿って見て、出力部402の周方向に沿って円弧状に延在して形成されている。角度検出部410は、例えば、磁気センサであり金属製のピットマンアーム104の位置の変化に伴って変化する磁場の変動に基づいてピットマンアーム104の出力部402の周方向に沿った位置を検出する。
この構成により、操舵ユニット100は、角度検出部410によって検出される、ピットマンアーム104の回転角の検出値と、ピットマンアーム104の回転角に応じたモータ102の回転角の指令信号とを比較して、比較結果を示す偏差を0とする制御を行うことができる。
また、変形例において、操舵センサ111が出力する操舵角に代えて又は加えて、角度検出部410によって検出されるピットマンアーム104の回転角を用いるようにしてもよい。ピットマンアーム104の回転角は、操舵センサ111が出力する操舵角と整合するように補正されてもよい。ピットマンアーム104の回転角を用いて、センタリング部203およびダンピング部204は、各値を得るようにしてもよい。
具体的には、センタリング部203は、角度検出部410によって検出される操舵角と、操舵センサ111によって検出される操舵トルクと、速度センサ113によって検出される速度とに基づいて、センタリングトルクの目標値を得るようにしてもよい。また、ダンピング部204には、角度検出部410によって検出される操舵角と、角度検出部410によって検出される操舵角速度と、速度センサ113によって検出される速度とに基づいて、ダンピングトルクの目標値を得るようにしてもよい。
このように、角度検出部410を備えた減速機103にも本発明を適用することができる。変形例に係る操舵ユニット100でも、適切なアシストトルクで操舵をアシストすることができるため、路面状況にかかわらず、運転者は任意の操舵トルクで運転することができる。
また、上述した各実施形態において、各制御部(モータ制御部121、ステアリング制御部122、フィーリング制御部123)や各制御部が備える機能部(第1推定部201、ロードフィーリング部202、センタリング部203、ダンピング部204、第2推定部211、アシスト部212)は、一のコンピュータ装置に具備される構成について説明した。ただし、これらは、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらは、外部サーバに具備されていてもよい。また、これらが具備されるコンピュータ装置は、1台であることに限らず、複数台であってもよい。具体的には、例えば、これらの機能部のうち一部の機能部が一のコンピュータ装置に具備され、他の機能部が他のコンピュータ装置に具備されてもよい。
なお、以上に説明した、操舵ユニット100を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
100…操舵ユニット、101…ステアリングホイール、102…モータ、103…減速機、104…ピットマンアーム、111…操舵センサ、112…モータセンサ、113…速度センサ、121…モータ制御部、122…ステアリング制御部、123…フィーリング制御部、201…第1推定部、202…ロードフィーリング部、203…センタリング部、204…ダンピング部、211…第2推定部、212…アシスト部

Claims (9)

  1. 運転手が操舵する操舵部と、
    前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、
    路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御部と、
    前記第1制御部によって演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御部と、
    を備え
    前記第1制御部は
    前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、
    前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、
    演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する、
    コラムアシスト式操舵装置。
  2. 前記第1制御部は、前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部のトルクである駆動トルクとに基づいて、前記負荷トルクを算出する、
    請求項1に記載のコラムアシスト式操舵装置。
  3. 前記第2制御部は、前記負荷トルクと、前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部の角速度である駆動角速度と、に基づいて、前記駆動部の前記補助力を演算する、
    請求項1または2に記載のコラムアシスト式操舵装置。
  4. 前記負荷トルクは、ピットマンアームに負荷されるトルクである、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のコラムアシスト式操舵装置。
  5. 前記第1制御部は、減速機の摩擦を補償する演算を行った前記負荷トルクを算出する、
    請求項1~のいずれか一項に記載のコラムアシスト式操舵装置。
  6. コラムアシスト式操舵装置と、減速機と、前記コラムアシスト式操舵装置および前記減速機を制御する制御装置とを備えた操舵ユニットであって、
    前記コラムアシスト式操舵装置は、
    運転手が操舵する操舵部と、
    前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、
    路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御部と、
    前記第1制御部によって演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御部と、
    を備え、
    前記第1制御部は
    前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、
    前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、
    演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する、
    操舵ユニット。
  7. 運転手が操舵する操舵部と、
    前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、
    を備えたコラムアシスト式操舵装置のコンピュータが、
    路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御ステップと、
    前記第1制御ステップにおいて演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御ステップと、
    を含む処理を実行し、
    前記第1制御ステップでは
    前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、
    前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、
    演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する、
    補助力演算方法。
  8. 運転手が操舵する操舵部と、
    前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、
    を備えるコラムアシスト式操舵装置のコンピュータに、
    路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御工程と、
    前記第1制御工程において演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御工程と、
    を含む処理を実行させ、
    前記第1制御工程では
    前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、
    前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、
    演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算する、
    プログラム。
  9. 運転手が操舵する操舵部と、
    前記操舵部に補助力を与えるために回転する駆動部と、
    路面からの反力に応じた前記操舵部及び前記駆動部から推定される負荷トルクを算出し、算出した前記負荷トルクに基づいて、前記操舵部への目標操舵トルクを演算する第1制御部と、
    前記第1制御部によって演算された前記目標操舵トルクになるように、前記駆動部の前記補助力を演算する第2制御部と、
    を備え、
    前記第1制御部は、
    前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部のトルクである駆動トルクとに基づいて、ピットマンアームに負荷される前記負荷トルクであり且つ減速機の摩擦を補償する演算を行った前記負荷トルクを算出し、
    前記負荷トルクと車速とに基づいて、前記反力に応じた操舵トルクを演算し、
    前記車速に基づいて、前記操舵部を中立位置に戻す復元トルクと、前記操舵部の急操舵を制御する緩衝トルクとを演算し、
    演算した各トルクに基づいて、前記目標操舵トルクを演算し、
    前記第2制御部は、前記負荷トルクと、前記操舵部の回転に要する操舵トルクと、前記操舵部の角速度である操舵角速度と、前記駆動部の角速度である駆動角速度と、に基づいて、前記駆動部の前記補助力を演算する
    コラムアシスト式操舵装置。
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