JP4611095B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車載用のSBWシステム(ステアバイワイヤ・システム)に関し、特に、車両の操舵操作の範囲を適正に規制するための操舵反力生成方式に関する。
この方法は、転舵輪が路肩の縁石などに当った際に、その縁石からの反力を良好に再現して運転者に正確に伝達するのに大いに有用なものである。
転舵輪が路肩の縁石に当った際などに、ハンドルに対する操舵操作を適切に規制しようとする車両用操舵装置としては、例えば下記の特許文献1に記載されているものなどがある。この従来の車両用操舵装置では、転舵軸の転舵位置とその目標値との偏差に基づいて操舵反力トルクの大きさを決定しており、その偏差がある範囲を超えた時に、その操舵が操舵反力モータによって規制される。
特開2004−306700
しかしながら、上記の従来技術では、上記の偏差に対する範囲の最適化が困難であると言う問題がある。例えば、転舵輪が路肩の縁石に当接した時の当接状態において、操舵が規制されない範囲または操舵が規制されにくい範囲を広く設定すると、転舵輪が路肩の縁石に当接していてもその一定範囲で操舵が大きく許されてしまうので、その当接状態を運転者に伝達する際の応答性が悪くなり、ハンドルが不当に回り過ぎてしまったり、縁石に対する当接によってハンドルが停止する迄の時間が不自然に間延びしてしまったりして望ましくない。また、上記の偏差が小さい場合には、当接した時点でその当接状態を運転者に正確に伝達することができない。
一方、上記の範囲を狭く設定し過ぎると、以下の問題が生じる。即ち、操舵操作を急速に実行した際に、転舵アクチュエータの位置制御の応答遅れによって上記の偏差が大きくなってしまう事態があり得、その様な場合に上記の範囲が狭過ぎると、転舵輪が縁石などに当接していないにも係わらずその操舵が不本意ながら、反力モータによって規制されてしまう恐れが生じる。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、ステアバイワイヤ・システムにおいて、転舵輪が縁石などに当接した場合にその当接状態を運転者に適切に伝える機構を実現することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、ハンドルに反力トルクを付与する反力モータを有する操舵機構と、転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて構成したステアバイワイヤ式の車両用操舵装置において、運転者が操舵操作を行う際にハンドルに対して付与する操舵トルクを測定するトルクセンサと、ハンドルの回転角に基づいて決定される目標位置に転舵軸の位置を追従させる転舵軸位置制御手段と、外部から転舵軸に加わる転舵反力に基づいて、反力トルクの目標値となる目標トルクを求める目標トルク演算手段と、目標トルク演算手段により求められた目標トルクと、トルクセンサにより検出された前記操舵トルクとの偏差に基づいて求められる補償トルクにゲインを掛けた修正補償トルクを求めるトルク制御手段と、目標トルク演算手段の出力する目標トルクと、トルク制御手段の出力する修正補償トルクとに基づいて、反力モータの出力する反力トルクの指令値であるトルク指令値を決定し、そのトルク指令値に前記反力モータの出力を制御する反力トルク制御手段と、転舵軸に対する転舵アクチュエータからの出力と転舵軸の転舵速度に基づいてハンドルに対する運転者の操舵操作を規制すべきか否かを判定する規制要否判定手段と、操舵操作を規制すべきと規制要否判定手段によって判定された際に、トルク指令値を増大させて操舵操作を規制する操舵規制手段とを有し、操舵規制手段は、転舵軸の位置と目標位置との偏差が増大するに連れて大きくなる規制トルクを目標トルクに加算した値を、新たな目標トルクとし、補償トルクのゲインを、転舵軸の位置と目標位置との偏差が増大するに連れて、1から0に減少させることを特徴とする車両用操舵装置である。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段の規制要否判定手段において、転舵軸に対する転舵アクチュエータからの出力が所定の閾値を超え、かつ、転舵軸が略停止している時に操舵操作を規制すべきと判定することである。
本発明の第3の手段は、上記の第1または第2の手段の操舵規制手段において、目標トルク演算手段は、ハンドルの回転角の回転速度に基づいて決定される粘性補償トルクを、目標トルクに加えた値を、新たな目標トルクとして出力することを特徴とする。
ただし、操舵規制手段において上記の反力トルクの値を決定する際には、必ずしも1次関数を用いる必要はない。また、必ずしも連続関数を用いる必要もない。ただし、操舵操作を規制するトルクの値は、上記の偏差の単調関数であることが望ましい。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段の転舵軸位置制御手段において、転舵軸の実際の位置と目標位置との偏差の時間積分値に基づいて、転舵軸の位置を制御することである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、転舵軸に対する転舵アクチュエータからの出力と転舵軸の転舵速度に基づいて、ハンドルに対する運転者の操舵操作を規制するか否かが適切に判定されるので、操舵操作を急速に実行した場合に転舵アクチュエータの位置制御の応答遅れによって、転舵軸の実際の位置と目標位置との偏差が大きくなってしまっても、その操舵が不本意に規制されてしまう恐れがない。
また、この本発明の第1の手段は例えば、上記の規制要否判定手段において転舵軸に対する転舵アクチュエータからの出力が所定の閾値を超え、かつ転舵軸が略停止している時に操舵操作を規制すべきと判定すること(即ち、本発明の第2の手段)によって、具体的に実施することができる。
また、本発明の第1の手段によれば、操舵操作を規制する反力トルクが上記の転舵軸の位置と目標位置との偏差に基づいて生成されるが、操舵操作を規制する反力トルクを生成すべき際にその値を上記の偏差に対して徐々に単調に変化させれば、運転者の操舵力と反力モータからの出力とでハンチングが引き起こされる事態も回避される。
また、操舵操作を規制する反力トルクの値を上記の転舵軸の位置と目標位置との偏差に対して徐々に単調に変化させれば、操舵操作を急速に行っていた際にも操舵操作を規制する反力トルクが徐々に増大するので、操舵操作中の運転者に対するハンドルからの衝撃を適度に緩和することができる。
また、本発明の第1の手段によれば、目標トルク演算手段により求められた目標トルクと、トルクセンサにより検出された操舵トルクとの偏差に基づいて生成される補償トルクの値に0以上1未満のゲインを掛けることによって、その補償トルクが減少される。したがって、転舵輪が縁石などに当接した際に、不要な補償トルクの出力が自動的に抑制される。また、そこで抑制すべき補償トルクの削減量を、上記の転舵軸の位置と目標位置との偏差が大きい場合程大きくすれば、転舵輪が縁石などに当接した際の操舵操作に違和感や衝撃が生じることもなくなる。
また、本発明の第1の手段によれば、上記の転舵軸の位置と目標位置との偏差に基づくゲイン決定処理(補償トルクゲイン制御手段)を追加するだけで、操舵操作を規制し得る反力モータの出力トルクを非常に簡単に決定することができる。
また、本発明の第4の手段によれば、転舵輪が縁石に当接した際の上記の転舵軸の位置と目標位置との偏差が小さい場合にも、その偏差が時間積分されるので、転舵軸に対する転舵アクチュエータからの出力は時間とともに増大して所定の閾値に達する。これにより、上記の転舵軸の位置と目標位置との偏差が小さい場合にも適度な操舵反力トルクが生成されるので確実にハンドルの操舵が規制される。したがって、本発明の第4の手段によれば、上記の転舵軸の位置と目標位置との偏差が小さい場合にも、転舵輪が縁石に当接していることを運転者に正確に認識させることができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
本実施例1では、本発明に係わる車両用操舵装置のシステムの物理的な構成、各制御の論理的な構成、並びに本発明の手段、作用、及び効果などについて、詳しく例示する。
1.システムのハードウェア構成
図1に車両用操舵装置100のシステム構成図を示す。この車両用操舵装置100は、運転者が操作するハンドル1を有する操舵機構と、転舵輪16を転舵する転舵機構と、これらの操舵機構と転舵機構との連動制御を電気的に行う制御装置(コンピュータ)8等から構成されている。
操舵機構は、操舵反力を生成する操舵アクチュエータ(反力モータ5)を備える。反力モータ駆動回路6は、制御装置8から与えられる電圧指令値Vh * に応じて反力モータ5を駆動する。反力モータ5の出力軸は減速器を介して操舵軸(ステアリングシャフト)2に連結されており、この操舵軸2はハンドル1に連結されている。
操舵軸2には、この軸の回転角である操舵角θh を検出するために反力モータ5に関する回転角センサ3が設けられ、また、操舵軸2に加わる操舵トルクTh を検出するトルクセンサ4が配設されている。反力モータの回転角から操舵角θh を推定する際、減速比のみに基づいて反力モータの回転角を操舵角θh に換算してもよいし、操舵軸の捩れ剛性を考慮して、操舵角θh を補正してもよい。
一方、転舵機構は、転舵輪16を転舵する転舵アクチュエータ(転舵モータ11)を備える。転舵モータ駆動回路9は、制御装置8から与えられる制御量(Vr * )に応じて転舵モータ11を駆動する。転舵モータ11の回転運動を直線運動に変換する変換器(減速器)は、例えば、ボールねじ機構等から構成することができる。転舵軸13の両端は、タイロッド14、ナックルアーム15を介して転舵輪16に接続されている。
転舵軸13には、この軸の転舵変位量xを検出するために転舵モータ11に関する回転角センサ10が設けられている。この転舵モータの回転角から転舵変位量xを推定する際、減速比のみで換算してもよいし、転舵軸13の軸方向の剛性を考慮して補正してもよい。また、外部(転舵輪16側)から転舵軸13に加わる転舵反力Fr を検出するために、それを直接計測する力センサ12を備えている。
制御装置8には、トルクセンサ4、回転角センサ3、回転角センサ10、電流計(6a,9a)、車速センサ7の各検出結果(操舵トルクTh ,回転角Θh ,回転角Θr ,駆動電流Ih ,駆動電流Ir ,車速v,転舵反力Fr )が入力され、これらの検出結果を基に、反力モータ5と転舵モータ11が所定の駆動力を出力するように各駆動回路(6,9)へ制御信号(反力モータの駆動電圧(:指令値Vh * ),転舵モータの駆動電圧(:指令値Vr * ))を出力する。
2.システム全体の制御構成
図2は、車両用操舵装置100の制御装置8の制御ブロック図である。この制御装置8の制御体系は、主に転舵モータの制御系(以下、転舵系と言うことがある。)と、反力モータの制御系(以下、操舵系と言うことがある。)と、本発明に特に深く係わる操舵規制制御42などから成る。
この車両用操舵装置100の転舵系の制御は、転舵モータ11の回転角Θr から転舵位置xr を算出する転舵位置演算21と、車速vと操舵角θh に基づいて転舵位置の目標値xr * を算出する目標位置演算22と、転舵軸13の位置偏差Δxr (≡xr * −xr )に関するPID制御を実行する位置制御23と、電流計9aで測定される転舵モータ11の駆動電流の測定値Ir と転舵モータ11への出力トルクの指令値ur * に基づいて転舵モータ11の指令電圧Vr * を決定する電流制御24などからなる。
一方、車両用操舵装置100の操舵系の制御は、操舵トルクTh と目標トルクTh * に基づいて補償トルクTA を算出するトルク制御31と、反力モータ5の回転角Θh から操舵角θh を算出する操舵角演算32と、操舵角速度演算33と、粘性補償トルクTdcを算出する粘性補償トルク演算34と、転舵軸13に働く転舵反力Fr に基づいて基準トルクTref を決定する基準トルク演算35と、電流計6aで測定される反力モータ5の駆動電流の測定値Ih と反力モータ5への出力トルクの指令値uh * に基づいて反力モータ5の指令電圧Vh * を決定する電流制御36などからなる。
2.1.転舵系の制御
図3に、制御装置8の転舵モータの位置制御(即ち、本発明の構成要素である転舵軸位置制御手段)に関する制御ブロック図を示す。
(1)位置制御
位置制御23では、まず最初に、上記の位置偏差Δxr (≡xr * −xr )を求める。この目標位置xr * は、図2の目標位置演算22において、操舵角θh に所定の伝達比Gを乗じて求められた値であり、この伝達比Gは車速センサ7から入力される車速vの関数として定義されている。一方、転舵位置xr は、図2の転舵位置演算21において、ボールネジ機構のリードgbから定まる定数Gr (≡2 π/gb)で転舵モータ11の回転角Θr を除算して求められた値(=Θr /Gr =gbΘr /2 π)である。
次に、この位置制御23では、この位置偏差Δxr (≡xr * −xr )に基づくPID制御(比例積分微分制御)によって、転舵モータのトルク指令値ur * を算出する。即ち、図3の符号231はその積分処理を示しており、符号232はその微分処理を示している。
(2)電流制御
その後、次段の電流制御24ではこのトルク指令値ur * から算出した電流指令Ir * と実際に電流計9a(図1)で計測した電流Ir に基づくPI制御(比例積分制御)によって電圧指令Vr * を算出する。
2.2.操舵規制制御(本実施例1の操舵規制手段)
図2の操舵規制制御42では、後述の制御(2.3.操舵系の制御)において操舵を適切に規制するために利用される2つの制御パラメータである補償ゲインGC と規制トルクTX を、上記の位置偏差Δxr (≡xr * −xr )に基づいて算出する。
図4に、この操舵規制制御42を実現するためのフローチャートを示す。
この操舵規制制御42ではまず最初に、ステップ420において、電流計9aで測定された転舵モータ11の駆動電流Ir の値が、所定の閾値Irs以上か否かを判定する。その結果、所定の閾値Irs以上であればステップ430へ、そうでなければステップ440へ処理を移す。
ステップ430では、図2の転舵速度演算41において転舵位置xr の微分演算によって算定された転舵速度vr の値が略0であるか否かを所定の閾値を用いて判定する。その結果、転舵速度vr の値が略0であればステップ450へ、そうでなければステップ440へ処理を移す。
本発明の規制要否判定手段は、本実施例1においては、上記のステップ420とステップ430によって実現されており、以下のステップ440では、平常時の処理が実行され、ステップ450では、操舵操作が規制されるべき時の処理が実行される。
即ち、ステップ440では、上記の規制トルクTX を0に設定し、補償ゲインGC を1に設定する。
一方、ステップ450では、転舵位置xr と目標位置xr * との偏差から、例えば図5−Aに例示される補償ゲインマップM1に従って補償ゲインGC を決定する(本実施例1の補償トルクゲイン制御手段)。この様な補償ゲインマップ(テーブルデータ)は、偏差が大きいほど補償ゲインGC が小さくなるように設定すれば良く、必ずしも直線的なグラフ形状にする必要はない。、
また、図5−Bに操舵規制制御42においてトルクTX を決定する方式(本実施例1の規制トルク決定手段)を例示する。操舵規制制御42では例えばこの様にして、転舵位置xr と目標位置xr * との偏差(=Δxr )に規制ゲインGX (正定数)を乗じて規制トルクTX を算出する(本実施例1の規制トルク決定手段)。
(規制トルクTX の式)
X =GX Δxr =GX (xr * −xr ) …(1)
ただし、これに類似の関数をマップ(テーブルデータ)を用いて定義しても良い。
以上の処理によって、補償ゲインGC と規制トルクTX を、上記の位置偏差Δxr (≡xr * −xr )に基づいて算出することができる。
2.3.操舵系の制御
図6に制御装置8の操舵系の反力トルク制御の制御ブロック図を示す。
(1)目標トルクTh * の算定
微分演算処理33は、操舵角演算32によって、反力モータの回転角Θh を減速機の減速比で除算することで算出された操舵角θh を微分して操舵速度ωh を出力する。次に粘性補償トルク演算34は、この操舵速度ωh に粘性補償ゲインGdcを乗じて粘性補償トルクTdcを出力する。また、基準トルク演算35に従って転舵反力Fr から基準トルクTref が求められる。最後に、基準トルクTref 、粘性補償トルクTdc、及び先に操舵規制制御42で求めた規制トルクTX を加算することにより、操舵トルクの目標トルクTh * が算出される。
以上の制御によって、目標トルクTh * は、以下の様に算出される。
(目標トルクTh * の式)
h * =Tdc+Tref +TX …(2)
(2)トルク制御
トルク制御31は、操舵トルクTh と上記の目標トルクTh * から周知の比例微分制御にしたがって補償トルクTA を算出する。ここで用いられる微分演算は、出力する補償トルクTA の遅延を補償するためのものである。
(3)トルク指令値uh * の算定
上記の補償トルクTA と先に操舵規制制御42で求めた補償ゲインGC との乗算処理によって修正補償トルクTC を算出し、更にこの修正補償トルクTC と上記の目標トルクTh * とを加算して、反力モータのトルク指令値uh * を算出する。
以上の制御によって、トルク指令値uh * は、以下の様に算出される。
(トルク指令値uh * の式)
h * =−Th * −TC =−(Th * +GC A ) …(3)
(4)電流制御
電流制御36は、トルク指令値uh * から算出した電流指令Ih * と実際の電流Ih から、周知のPI制御によって電圧指令Vh * を算出する。
以上の制御により、以下の様に、操舵を適切に規制する電圧指令Vh * を算出することができる。
〔実施例1の効果〕
本実施例1の車両用操舵装置100を車両に搭載すれば、転舵輪が縁石などに当たっていない時に、ハンドルを急速に操舵したことにより転舵軸の位置偏差が大きくなったとしても、転舵速度が略0でない限り大きな操舵反力トルクは生成されない。このため、転舵輪が縁石などに当たっていない時に、誤ってハンドルの操舵が規制されてしまう恐れがなくなる。
また、転舵輪が縁石に当たっている時に、転舵軸の位置偏差が小さかったとしても、転舵モータの出力(電流Ir )が位置偏差の積分(積分処理231)に基づいて増大して閾値(Irs)に達すると大きな操舵反力トルクが発生する。このため、転舵軸の位置偏差が小さい場合にもハンドルの操舵が良好に規制されるので、この場合にも転舵輪が縁石に当たっていることを運転者に正確に認識させることができる。
また、転舵位置と目標位置との偏差が大きい時程規制トルクTX を大きくしている(即ち、ハンドルを切り増すにつれて操舵反力トルクを徐々に大きくしている)ので、これにより、運転者が加える操舵トルクと反力アクチュエータが発生する操舵反力トルクとでハンチングが生じる事態が確実に回避できる。
また、転舵位置と目標位置との偏差が大きいほど補償トルクを小さくすることによって、減速機の摩擦が操舵に対して徐々にダンパーとして作用する。したがって、操舵速度が速い状態からその操舵を規制する際に運転者に与える衝撃を緩和することができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の実施例1では、転舵反力Fr から基準トルクTref を求める際に、マップ(テーブル)を用いたが、その他にも例えば、補償トルクTA を求めるトルク制御などにおいてもマップを用いることができる。この様な補償トルクの生成に係わるマップの構成例等については、例えば「特開2002−087300:電動パワーステアリング装置」などに関連する開示がある。
(変形例2)
また、上記の実施例1では、転舵軸に働く転舵反力は力センサを用いて実測したが、転舵反力は外乱オブザーバを用いて推定する様にしても良い。その場合には、装置に力センサを具備する必要がなくなる。この様な外乱オブザーバの構成例等については、例えば「特開2002−370661:舵角中立点推定装置」などに関連する開示がある。
(変形例3)
また、上記の実施例1では、粘性補償トルクTdcを生成する様にしているが、その他にも周知の摩擦補償トルクや慣性補償トルクなどを同様に生成して、同様の補償を実施する様にしても良い。上記の実施例1に合わせて更にこれらの補償トルクの生成を実施すれば、ハンドルの操舵感を更に良好なものにできる。
本発明は、車載用の操舵制御装置の他にも、例えば自動車や飛行機などの運転練習用などに可用な、運転操作のシミュレーションを行うシミュレータや、或いはその種のレジャー用のゲーム機などに応用することが可能である。
実施例1の車両用操舵装置100のシステム構成図 車両用操舵装置100の制御装置8の制御ブロック図 制御装置8の転舵系の位置制御の制御ブロック図 制御装置8の操舵規制制御42を実現するフローチャート 操舵規制制御42でゲインGC を決定する方式を例示するグラフ 操舵規制制御42でトルクTX を決定する方式を例示するグラフ 制御装置8の操舵系の反力トルク制御の制御ブロック図
100 : 車両用操舵装置
1 : ハンドル
4 : トルクセンサ
5 : 反力モータ
10 : 転舵モータの回転角センサ
11 : 転舵モータ
12 : 力センサ
h : 反力モータの駆動電流の測定値
r : 転舵モータの駆動電流の測定値
Θh : 反力モータの回転角 , Θr : 転舵モータの回転角
r : 転舵反力 , θh : 操舵角
r : 転舵位置 , GC : 補償ゲイン
C : 補償トルク , Tref : 基準トルク
X : 規制トルク , Th : 操舵トルク

Claims (4)

  1. ハンドルに反力トルクを付与する反力モータを有する操舵機構と、転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて構成したステアバイワイヤ式の車両用操舵装置において、
    運転者が操舵操作を行う際に前記ハンドルに対して付与する操舵トルクを測定するトルクセンサと、
    前記ハンドルの回転角に基づいて決定される目標位置に前記転舵軸の位置を追従させる転舵軸位置制御手段と、
    外部から前記転舵軸に加わる転舵反力に基づいて、前記反力トルクの目標値となる目標トルクを求める目標トルク演算手段と、
    前記目標トルク演算手段により求められた前記目標トルクと、前記トルクセンサにより検出された前記操舵トルクとの偏差に基づいて求められる補償トルクにゲインを掛けた修正補償トルクを求めるトルク制御手段と、
    前記目標トルク演算手段の出力する前記目標トルクと、前記トルク制御手段の出力する前記修正補償トルクとに基づいて、前記反力モータの出力する前記反力トルクの指令値であるトルク指令値を決定し、そのトルク指令値に前記反力モータの出力を制御する反力トルク制御手段と、
    前記転舵軸に対する前記転舵アクチュエータからの出力と前記転舵軸の転舵速度に基づいて前記ハンドルに対する運転者の操舵操作を規制すべきか否かを判定する規制要否判定手段と、
    前記操舵操作を規制すべきと前記規制要否判定手段によって判定された際に、前記トルク指令値を増大させて前記操舵操作を規制する操舵規制手段と
    を有し、
    前記操舵規制手段は、
    前記転舵軸の位置と前記目標位置との偏差が増大するに連れて大きくなる規制トルクを前記目標トルクに加算した値を、新たな前記目標トルクとし、
    前記補償トルクのゲインを、前記転舵軸の位置と前記目標位置との偏差が増大するに連れて、1から0に減少させる
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記規制要否判定手段は、前記転舵軸に対する前記転舵アクチュエータからの出力が所定の閾値を超え、かつ、前記転舵軸が略停止している時に前記操舵操作を規制すべきと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記目標トルク演算手段は、前記ハンドルの回転角の回転速度に基づいて決定される粘性補償トルクを、前記目標トルクに加えた値を、新たな目標トルクとして出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記転舵軸位置制御手段は、前記転舵軸の位置と前記目標位置との前記偏差の時間積分値に基づいて前記転舵軸の位置を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両用操舵装置。
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