JP7038170B2 - 樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 - Google Patents
樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7038170B2 JP7038170B2 JP2020160949A JP2020160949A JP7038170B2 JP 7038170 B2 JP7038170 B2 JP 7038170B2 JP 2020160949 A JP2020160949 A JP 2020160949A JP 2020160949 A JP2020160949 A JP 2020160949A JP 7038170 B2 JP7038170 B2 JP 7038170B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose
- group
- resin composition
- weight
- fluorene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
組成物及び複合体並びにこれらの製造方法に関する。
高い弾性率及び強度、低い線膨張係数などの優れた特性を有する。特に、微細化したセル
ロースナノ繊維(セルロースナノファイバー)は、樹脂の補強剤として有用であり、樹脂
にセルロースナノ繊維が分散した樹脂組成物が知られている。
ルプ及び/又はセルロース系繊維を均一に微細分散させて、高い剛性及び強度を有する複
合材料を製造する方法が記載されている。この複合材料の製造方法として、一次壁及び二
次壁外層を傷つけたパルプ(前処理パルプ)と、脂肪族ポリエステルとをセルロース非晶
領域膨潤剤(水、エチレングリコール、エタノールなどの解繊助剤)の存在下で溶融混練
し、このセルロース非晶領域膨潤剤(解繊助剤)を分離する方法が記載されている。さら
に、この文献の実施例では、脂肪族ポリエステルを180℃で溶融し、溶融した脂肪族ポ
リエステルと、前処理パルプと水(セルロース非晶領域膨潤剤)との混合液とを混練し、
この混練物から水を除去して複合材料を製造すること、さらには、脂肪族ポリエステル1
00重量部に対する前処理パルプ及び水の使用割合が、それぞれ20~30重量部、80
~100重量部であることが記載されている。
あり、生産効率が十分ではない。また、セルロース非晶領域膨潤剤(解繊助剤)として水
やアルコール類を使用すると、混練過程で脂肪族ポリエステルが加水分解され、分子量が
低下し易いため、力学的特性(例えば、強度など)を十分に向上できない。
ルロース繊維と、必要に応じて樹脂(第1の樹脂)とを、アミド、尿素及びその誘導体な
どの塩基性含窒素化合物(解繊助剤)を含む水溶液に浸漬させ、前記水溶液から引き上げ
た後、乾燥させることにより得られる微細セルロース繊維含有材料、及びこの微細セルロ
ース繊維含有材料と樹脂(第2の樹脂)とを混練することにより得られる複合材料が記載
されている。この文献には、微細セルロース繊維を塩基性含窒素化合物(解繊助剤)で処
理すると、微細セルロース繊維同士の結合力が弱くなり、この処理済みの微細セルロース
繊維(微細セルロース含有材料)と、樹脂(第2の樹脂)とを混練すると、微細セルロー
ス繊維同士の間に樹脂(第2の樹脂)が入りこみやすくなるため、樹脂(第2の樹脂)に
対する微細セルロースの分散性を向上できるとともに機械的物性を向上できることが記載
されている。さらに、この文献の実施例では、微細セルロース繊維及び第1の樹脂として
、微細セルロース繊維とポリエチレンエマルションとを混抄して、微細セルロースコンポ
ジットシート(シート)を調製し、このシートを50%尿素水溶液中に含浸させ、引き上
げ、乾燥させることによって、シートの総量100重量部に対し、10重量部の尿素を含
むセルロース繊維含有シートを製造し、この微細セルロース繊維含有シートと、第2の樹
脂として線状低密度ポリエチレンとを100~140℃で溶融混練して複合材料を製造し
ていること、さらにはこの複合材料の外観を観察したところ、黄色~茶褐色の着色が見ら
れたことが記載されている。
、微細セルロース繊維とポリエチレンエマルションとを混抄する工程が必要であり、生産
効率が十分でない。また、この方法では、吸湿性の高い尿素が残存したセルロース繊維含
有シートを用いて複合材料を形成しているため、この複合材料の成形体は、吸水により機
械的物性変化(例えば、強度低下、剛性低下など)が生じ易いとともに、第2の樹脂とし
て尿素と相溶性の低いポリエチレン系樹脂を使用しているため、残存尿素による機械的物
性の低下が生じる可能性がある。さらにこの方法でも、着色(黄変)が十分に改善されて
いるといえず、さらなる改善が求められる。
カチオン変性させた変性セルロースナノファイバーと、熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物
が記載されている。この文献には、カチオン変性により、セルロースナノファイバー同士
が、水素結合によって凝集するのを抑制できること、さらには、変性セルロースナノファ
イバーと、樹脂とを混合すると、変性セルロースナノファイバーが樹脂中で均一に分散さ
れるため力学的特性、耐熱性、表面平滑性、外観などが優れることが記載されている。ま
た、この文献には、樹脂として、セルロース系材料との親和性が高いという理由から、ポ
リアミド樹脂を用いることが好ましいことが記載されており、この文献の実施例では、変
性セルロースナノファイバーとポリアミド11粉体とを混合してスラリーを形成し、この
スラリーを乾燥させて粉砕した複合粉体と、ポリアミド11ペレットとを170℃以上で
溶融混練して樹脂組成物(複合材料)を製造することが記載されている。
ロースナノファイバーをカチオン変性処理させたり、スラリー液を調製し、乾燥及び粉砕
して複合粉体を形成したりするなど、混練以外に多くの工程を必要とし、煩雑であり、生
産効率が十分でない。また、この方法では、セルロースナノファイバーの表面の水酸基が
変性されるため、ポリアミドとセルロースナノファイバーの表面に有する水酸基との水素
結合点が減少し、ポリアミドとセルロースナノファイバーとの界面強度が低下する虞があ
る。
ポリアミド11とを組み合わせて調製した樹脂組成物が記載されているが、この樹脂組成
物では、未処理のセルロースナノファイバーを使用しているため、セルロースナノファイ
バーの分散性が十分でない。
樹脂(例えば、ポリアミド樹脂)に対し、優れた特性(例えば、強度、靱性、剛性、耐熱
性など)を付与できる樹脂組成物、複合樹脂組成物、及び複合体並びにこれらの製造方法
を提供することにある。
さなくても、セルロースナノ繊維がポリアミド樹脂中に分散された樹脂組成物、複合樹脂
組成物、及び複合体並びにこれらの製造方法を提供することにある。
脂組成物、複合樹脂組成物、及び複合体並びにこれらの製造方法を提供することにある。
にこれらの製造方法を提供することにある。
を含む溶媒と、ポリアミド樹脂と、セルロース(原料セルロース又はセルロース繊維)と
を含む組成物を混練すると、アミド類(アミド系溶媒)がセルロースの解繊剤として作用
するため、セルロースをミクロフィブリル化させてセルロースナノ繊維とし、このセルロ
ースナノ繊維がポリアミド樹脂に均一に分散した樹脂組成物を形成できるとともに、この
樹脂組成物を用いた複合樹脂組成物及び複合体の特性(例えば、強度、剛性、耐熱性など
)を大きく向上できること、さらには、アミド類(アミド系溶媒)がポリアミド樹脂の可
塑剤としても作用するため、複合樹脂組成物の調製温度(又は混練温度)を低下でき、熱
履歴に伴う着色を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
を含み、この溶媒がアミド類(アミド系溶媒)を含む。アミド類の割合は、ポリアミド樹
脂とセルロースナノ繊維との総量100重量部に対して、30~350重量部であっても
よい。ポリアミド樹脂とセルロースナノ繊維との割合は、前者/後者(重量比)=10/
90~90/10であってもよい。
物は、9,9-ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物をさらに含んでもよい。
9,9-ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物は、下記式(1)で表される化
合物であってもよい。
ば、(2-2))で表される基を示し、nは1~3の整数、R3及びR4は置換基を示し
、pは0又は1以上の整数、kは0~4の整数を示す。)
0又は1以上の整数を示す)。
00重量部に対して0.1~30重量部であってもよく、セルロースナノ繊維100重量
部に対して0.1~50重量部であってもよい。
を含む組成物を混練して樹脂組成物を製造する方法を含む。本発明の製造方法は、前記9
,9-ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の存在下、前記組成物を混練して
もよい。
ナノ繊維とを含有する複合樹脂組成物を含む。未修飾セルロースナノ繊維の平均繊維径は
、1~750nmであってもよく、最大繊維径は、2000nm以下であってもよい。本
発明の複合樹脂組成物は、さらに9,9-ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合
物を含んでもよい。
径は、2000nm以下であってもよい。本発明の複合樹脂組成物は、さらに9,9-ビ
ス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物を含んでいてもよい。
る方法を含む。
脂組成物から溶媒が除去された樹脂組成物を「複合樹脂組成物」という。
ス(原料セルロース)に特別な処理(前処理)をしなくても、簡便にセルロース(原料セ
ルロース)をミクロフィブリル化させてセルロースナノ繊維とし、このセルロースナノ繊
維をポリアミド樹脂に均一に分散できる。また、この樹脂組成物を用いると、複合樹脂組
成物及び複合体の力学的特性(例えば、強度、靱性、剛性など)や耐熱性などを大きく向
上できる。また、解繊助剤としてアミド類を使用しているため、加水分解などに伴って、
ポリアミド樹脂の物性を損なうことがない。さらに、アミド類がポリアミド樹脂の可塑剤
としても作用するため、過度に複合樹脂組成物を形成するための調製温度(混練温度)を
高くする必要がなく、熱履歴に伴う着色を抑制できる。
ースナノ繊維と、アミド類を含有する溶媒とを含み、ポリアミド樹脂にセルロースナノ繊
維が分散した組成物である。
ポリアミド樹脂は、優れた力学的特性(例えば、引張強さ(強度)及び衝撃強さ(剛性
)など)を有し、セルロースナノ繊維との高い親和性を有する観点から有利である。
コポリアミドなどが例示できる。ホモポリアミドとしては、例えば、脂肪族ポリアミド樹
脂(例えば、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリ
アミド11、ポリアミド12、ポリアミド612など)、脂環族ポリアミド樹脂(例えば
、ジアミノメチルシクロヘキサンとアジピン酸との重合体など)、半芳香族ポリアミド樹
脂又は芳香族ポリアミド樹脂(例えば、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレフタル
酸との重合体、ポリアミドMXD(例えば、キシリレンジアミンとアジピン酸との重合体
など)が例示できる。コポリアミドとしては、例えば、コポリアミド6/66、コポリア
ミド6/11、コポリアミド6/12、コポリアミド66/12などの脂肪族ポリアミド
樹脂などが例示できる。これらのポリアミド樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使
用できる。
ポリアミド)が用いることが多い。これらの脂肪族ポリアミド樹脂の中でも、融点が低い
観点からポリマーの主鎖にC6-16アルキレン基を有する脂肪族ポリアミド樹脂(特に
、主鎖にC10-14アルキレン基を有するポリアミド樹脂(例えば、ポリアミド11、
ポリアミド12、ポリアミド6/11、ポリアミド66/12など))が好ましい。
透明ポリアミド樹脂)であってもよい。ポリアミド樹脂としては、複合体(複合材料又は
コンパウンド)及びその成形品の機械的特性の観点から、通常、結晶性樹脂を用いる場合
が多い。
C)において、ポリスチレン換算で、5000~1000000の範囲から選択でき、例
えば10000~800000(例えば、15000~100000)、好ましくは20
000~600000(例えば、23000~70000)、さらに好ましくは2500
0~500000(例えば、30000~50000)程度であってもよい。
しくは220℃以下(例えば、120~220℃)、さらに好ましくは200℃以下(例
えば、150~190℃程度)であってもよい。
セルロースナノ繊維(又はセルロースナノファイバー)は、セルロース(原料セルロー
ス又は繊維径がマイクロメータサイズ以上のセルロース繊維、例えばパルプ)の平均繊維
径をナノオーダーまで微細化(又はミクロフィブリル化)したセルロース繊維である。な
お、ここでいうセルロースナノ繊維は、未修飾セルロースナノ繊維であってもよく、修飾
セルロースナノ繊維であってもよい。修飾セルロースの場合には、ポリアミドとの水素結
合性を損なわないという観点より、修飾量が低い方が好ましい。
が少ないパルプ、例えば、植物由来の原料セルロース{例えば、木材[例えば、針葉樹(
マツ、モミ、トウヒ、ツガ、スギなど)、広葉樹(ブナ、カバ、ポプラ、カエデなど)な
ど]、草本類[麻類(麻、亜麻、マニラ麻、ラミーなど)、ワラ、バガス、ミツマタなど
]、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなど)、竹、サトウキビ
など}、動物由来のセルロース原料(ホヤセルロースなど)、バクテリア由来のセルロー
ス原料(ナタデココに含まれるセルロースなど)などから製造されたパルプなどが例示で
きる。これらのセルロースは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのセル
ロースのうち、植物由来のセルロース原料であるのが好ましく、木材パルプ(例えば、針
葉樹パルプ、広葉樹パルプなど)、種子毛繊維由来のパルプ(例えば、コットンリンター
パルプ)由来のセルロースなどであるのがさらに好ましい。なお、パルプは、パルプ材を
機械的に処理した機械パルプであってもよいが、非セルロース成分の含有量が少ないこと
からパルプ材を化学的に処理した化学パルプが好ましい。
繊維の結晶化度は、例えば、40~100%(例えば、50~100%)、好ましくは6
0~95%、さらに好ましくは70~90%(特に75~90%)程度であってもよく、
通常、結晶化度が60%以上であってもよい。また、セルロースの結晶構造としては、例
えば、I型、II型、III型、IV型などが例示でき、弾性率などに優れたI型結晶構造が好
ましい。
維のカナディアンフリーネス値(カナダ標準濾水度)は、0.1重量%濃度のスラリー液
を用いて測定したとき、0~200ml、好ましくは0~100ml、さらに好ましくは
0~50ml程度であってもよい。カナディアンフリーネス値が小さいほど、フィブリル
化の度合いが大きいことを示す。すなわち、カナディアンフリーネス値は、繊維の分岐に
よる繊維同士の絡み合いに関連して、濾過性能の指標でもある。カナディアフリーネス値
は、JIS P8121「パルプの濾水度試験法;カナダ標準型」に準拠して測定した値
である。
00nmの広い範囲から選択でき、例えば、1~750nm(例えば、2~750nm)
、好ましくは5~500nm、さらに好ましくは10~300nm(例えば、15~25
0nm)程度であってもよく、特に50~200nm(例えば、55~150nm)程度
であってもよく、例えば、200~900nm、好ましくは300~800nm、さらに
好ましくは350~700nm程度であってもよい。平均繊維径が大きすぎると、樹脂組
成物の強度などの特性が低下する虞がある。なお、セルロースナノ繊維の最大繊維径は、
例えば、2000nm以下(例えば、最小繊維径が10nmであり、最大繊維径が200
0nm)、好ましくは1500nm以下(最小繊維径が15nmであり、最大繊維径が1
500nm)、さらに好ましくは1000nm以下(例えば、最小繊維径が20nmであ
り、最大繊維径が1000nm)、特に750nm以下(例えば、最小繊維径が25nm
であり、最大繊維径が750nm)、通常、500nm以下(例えば、最小繊維径が50
nmであり、最大繊維径が500nm)であってもよい。なお、セルロースナノ繊維は、
繊維径がマイクロメータサイズのセルロース繊維を実質的に含んでいない場合が多い。
む樹脂溶液を浸透又は含浸させた状態で混練し、セルロース(原料セルロース又はセルロ
ース繊維)に直接的に剪断力が作用するのを抑制できるためか、セルロース(原料セルロ
ース又はセルロース繊維)の長手方向の切断を抑制でき、繊維長が比較的長い繊維を得る
ことができる。すなわち、セルロースナノ繊維の平均繊維長は、0.01~500μm程
度の範囲から選択でき、例えば、1μm以上(例えば、5~300μm)、好ましくは1
0μm以上(例えば、20~200μm)、さらに好ましくは30μm以上(特に50~
150μm)であってもよい。
ば、5以上(例えば、5~10000程度)、好ましくは10以上(例えば10~500
0程度)、さらに好ましくは100以上(例えば100~1000程度)であってもよい
。アスペクト比が小さすぎると、樹脂の補強性が低下する虞がある。
99/1(例えば、5/95~90/10)の広い範囲から選択でき、例えば、10/9
0~90/10(例えば、15/85~80/20)、好ましくは20/80~80/2
0(例えば、25/75~75/25)、さらに好ましくは30/70~70/30(例
えば、40/60~60/40)、特に30/70~50/50程度であってもよく、例
えば、10/90~80/20、好ましくは20/80~70/30、さらに好ましくは
25/75~60/40程度としてもよい。セルロースナノ繊維の割合(含有量)は、ポ
リアミド樹脂100重量部に対して、5~1000重量部(例えば、50~1000重量
部)の広い範囲から選択でき、例えば、10~900重量部(例えば、20~800重量
部)、好ましくは30~700重量部(例えば、50~600重量部)、さらに好ましく
は60~500重量部(例えば、65~400重量部)、特に70~350重量部(例え
ば、80~300重量部)程度、通常、90~250重量部程度であってもよく、例えば
、50~200重量部、好ましくは75~125重量部程度としてもよい。
ス繊維のナノ化が十分に進行しにくくなり平均繊維径が大きくなる虞があり、逆に大きす
ぎると、溶媒除去に伴ってセルロースナノ繊維同士が水素結合を介して強く凝集をしやす
く、再度混練等に供した際に凝集塊がほぐれにくく、分散性が低下する虜がある。
セルロースナノ繊維は、少なくとも一部の官能基又は反応性基(例えば、水酸基など)
が修飾処理(例えば、カチオン化処理、アニオン化処理など)された修飾セルロースナノ
繊維(又は変性セルロースナノ繊維)であってもよいが、これらの修飾処理を施さなくて
も、ポリアミド樹脂にセルロースナノ繊維を均一に分散できるため、セルロースナノ繊維
は、これらの修飾処理が施されていない未修飾セルロースナノ繊維であるのが好ましい。
、例えば、セルロースナノ繊維の水酸基と結合(反応)可能な官能基(例えば、エポキシ
基など)を有するカチオン性ポリマー(又はアニオン性ポリマー)であってもよい。カチ
オン性ポリマー(又はアニオン性ポリマー)の割合は、例えば、セルロースナノ繊維10
0重量部に対して、1重量部以下(例えば、0.9重量部以下)、好ましくは0.5重量
部以下、さらに好ましくは0.1重量部以下であってもよい。
本発明は、さらに改質剤を含んでもよい。改質剤としては、例えば、フルオレン化合物
(9,9-ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物)などが例示できる。
物)は、9,9-ビスアリールフルオレン骨格を有し、カルボキシル基又はその反応性誘
導体、エポキシ基及びヒドロキシル基から選択された少なくとも一種の反応性基を有して
いる。前記カルボキシル基の反応性誘導体としては、アルコキシカルボニル基(メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシ-カルボニル基など)、
酸ハライド基(酸クロライド基、酸ブロマイド基などのハロホルミル基)などが例示でき
る。エポキシ基は、オキシラン環を含む限り、グリシジル基であってもよい。
れる基を示し、nは1~3の整数、R3及びR4は置換基を示し、pは0又は1以上の整
数、kは0~4の整数を示す]。
0又は1以上の整数を示す)。
レーン環、多環式アレーン環などが例示でき、多環式アレーン環には、縮合多環式アレー
ン環(縮合多環式炭化水素環)、環集合アレーン環(環集合芳香族炭化水素環)などが含
まれる。
どの縮合二環式C10-16アレーン)環、縮合三環式アレーン(例えば、アントラセン
、フェナントレンなど)環などの縮合二乃至四環式アレーン環などが例示できる。好まし
い縮合多環式アレーン環としては、ナフタレン環、アントラセン環などが例示でき、特に
、ナフタレン環が好ましい。なお、2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよい。
ェニルナフタレン環(1-フェニルナフタレン環、2-フェニルナフタレン環など)など
のビC6-12アレーン環、テルアレーン環、例えば、テルフェニレン環などのテルC6
-12アレーン環などが例示できる。好ましい環集合アレーン環としては、ビC6-10
アレーン環、特にビフェニル環などが例示できる。
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-6
アルキル基が例示できる。好ましいアルキル基は、C1-4アルキル基、特にC1-2ア
ルキル基である。m1は0又は1以上の整数(例えば1~6、好ましくは1~4、さらに
好ましくは1~2程度)であってもよい。m1は、通常0又は1~2であってもよい。
基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などのC2-6ア
ルキレン基(好ましくは直鎖状C2-4アルキレン基、さらに好ましくは直鎖状C2-3
アルキレン基、特にエチレン基)が例示でき、分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、
プロピレン基、1,2-ブタンジイル基、1,3-ブタンジイル基などの分岐鎖状C3-
6アルキレン基(好ましくは分岐鎖状C3-4アルキレン基、特にプロピレン基)などが
例示できる。
ましくは0~10)程度の範囲から選択でき、例えば0~8(例えば1~8)、好ましく
は0~5(例えば1~5)、さらに好ましくは0~4(例えば1~4)、特に0~3(例
えば1~3)程度であってもよく、通常0~2(例えば0又は1)であってもよい。なお
、m2が2以上である場合、アルキレン基R2の種類は、同一又は異なっていてもよい。
また、置換基R2の種類は、同一の又は異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよ
い。
以上の整数であればよく、例えば1~4、好ましくは1~3、さらに好ましくは1又は2
、特に1であってもよい。なお、置換数nは、それぞれの環Zにおいて、同一又は異なっ
ていてもよい。
は、フェニル基の2-、3-、4-位(特に、3-位及び/又は4-位)に置換している
場合が多く、環Zがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5~8-位である場合が
多く、例えば、フルオレンの9-位に対してナフタレン環の1-位又は2-位が置換し(
1-ナフチル又は2-ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5-位、
2,6-位などの関係(特にnが1である場合、2,6-位の関係)で基Xが置換してい
る場合が多い。また、nが2以上である場合、置換位置は、特に限定されない。また、環
集合アレーン環Zにおいて、基Xの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの
9-位に結合したアレーン環及び/又はこのアレーン環に隣接するアレーン環に置換して
いてもよい。例えば、ビフェニル環Zの3-位又は4-位がフルオレンの9-位に結合し
ていてもよく、ビフェニル環Zの4-位がフルオレンの9-位に結合しているとき、基X
の置換位置は、2-、3-、2’-、3’-、4’-位のいずれであってもよく、通常、
2-、3’-、4’-位、好ましくは2-、4’-位(特に2-位)に置換していてもよ
い。
素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-1
0アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基、さらに好ましくは直
鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シ
クロへキシル基などのC5-10シクロアルキル基など)、アリール基[フェニル基、ア
ルキルフェニル基(メチルフェニル(トリル)基、ジメチルフェニル(キシリル)基など
)、ビフェニル基、ナフチル基などのC6-12アリール基]、アラルキル基(ベンジル
基、フェネチル基などのC6-10アリール-C1-4アルキル基など)、アルコキシ基
(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、
t-ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-10アルコキシ基など)、シクロアルコ
キシ基(例えば、シクロへキシルオキシ基などのC5-10シクロアルキルオキシ基など
)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6-10アリールオキシ基など)
、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6-10アリール-C1-4
アルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロ
ピルチオ基、n-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基などのC1-10アルキルチオ基など
)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロへキシルチオ基などのC5-10シクロアル
キルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC6-10アリー
ルチオ基など)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6-10アリール
-C1-4アルキルチオ基など)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1-6アシル
基など)、ニトロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などの
ジC1-4アルキルアミノ基など)、ジアルキルカルボニルアミノ基(例えば、ジアセチ
ルアミノ基などのジC1-4アルキル-カルボニルアミノ基など)などが例示できる。
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基)、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シ
アノ基、置換アミノ基などが例示できる。好ましい置換基R3としては、アルキル基(メ
チル基、エチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基など)、アルコキシ基(
メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルコキシ基など)、特に、アルキル基(
特に、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキル基)が好ましい。なお、置換
基R3がアリール基であるとき、置換基R3は、環Zとともに、前記環集合アレーン環を
形成してもよい。置換基R3の種類は、同一の又は異なる環Zにおいて、同一又は異なっ
ていてもよい。
整数であってもよく、0~4の整数、好ましくは0~3(例えば、0~2)の整数、特に
0又は1であってもよい。特に、pが1である場合、環Zがベンゼン環、ナフタレン環又
はビフェニル環、置換基R3がメチル基であってもよい。
、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1
-4アルコキシ-カルボニル基など)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基などのC1-6アルキル基)、アリール基(フ
ェニル基などのC6-10アリール基)などが例示できる。
などのC1-3アルキル基)、カルボキシル基又はC1-2アルコキシ-カルボニル基、
シアノ基、ハロゲン原子が好ましい。置換数kは0~4(例えば、0~3)の整数、好ま
しくは0~2の整数(例えば、0又は1)、特に0である。なお、置換数kは、互いに同
一又は異なっていてもよく、kが2以上である場合、置換基R4の種類は互いに同一又は
異なっていてもよく、フルオレン環の2つのベンゼン環に置換する置換基R4の種類は同
一又は異なっていてもよい。また、置換基R4の置換位置は、特に限定されず、例えば、
フルオレン環の2-位乃至7-位(2-位、3-位及び/又は7-位など)であってもよ
い。
=k=0、m1=0である9,9-ビス(カルボキシアリール)フルオレン、例えば、9
,9-ビス(3-カルボキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-カルボキシフェ
ニル)フルオレン、9,9-ビス(5-カルボキシ-1-ナフチル)フルオレン、9,9
-ビス(6-カルボキシ-2-ナフチル)フルオレンなどの9,9-ビス(カルボキシC
6-10アリール)フルオレン;n=1、p=k=0、m1=1~3である9,9-ビス
(カルボキシアルキル-アリール)フルオレン化合物、例えば、9,9-ビス(4-(カ
ルボキシメチル)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-カルボキシエチル)
フェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-(カルボキシメチル)フェニル)フルオレン
、9,9-ビス(5-(カルボキシメチル)-1-ナフチル)フルオレン、9,9-ビス
(6-(カルボキシメチル)-1-ナフチル)フルオレンなどの9,9-ビス(カルボキ
シC1-6アルキルC6-10アリール)フルオレンなどが例示できる。これらのフルオ
レン化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
は、n=1、p=k=0、m2=0である9,9-ビス(グリシジルオキシアリール)フ
ルオレン、例えば、9,9-ビス(3-グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9
-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(5-グリシジルオ
キシ-1-ナフチル)フルオレン、9,9-ビス(6-グリシジルオキシ-2-ナフチル
)フルオレンなどの9,9-ビス(グリシジルオキシC6-10アリール)フルオレン;
n=1、p=k=0、m2=1~5である9,9-ビス(グリシジルオキシ(ポリ)アル
コキシアリール)フルオレン、例えば、9,9-ビス(4-(2-グリシジルオキシエト
キシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-グリシジルオキシプロポキシ)
フェニル)フルオレン、9,9-ビス(5-(2-グリシジルオキシエトキシ)-1-ナ
フチル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-グリシジルオキシエトキシ)-2-ナフ
チル)フルオレンなどの9,9-ビス(グリシジルオキシ(ポリ)C2-4アルコキシC
6-10アリール)フルオレン;n=1、p=1、k=0、m2=0である9,9-ビス
(アルキル-グリシジルオキシアリール)フルオレン、例えば、9,9-ビス(3-メチ
ル-4-グリシジルオキシフェニル)フルオレンなどの9,9-ビス(C1-4アルキル
-グリシジルオキシC6-10アリール)フルオレン;n=1、p=1、k=0、m2=
1~5である9,9-ビス(アルキル-グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシアリール)
フルオレン、例えば、9,9-ビス(3-メチル-4-(2-グリシジルオキシエトキシ
)フェニル)フルオレンなどの9,9-ビス(C1-4アルキル-グリシジルキシ(ポリ
)C2-4アルコキシC6-10アリール)フルオレン;n=1、p=1、k=0、m2
=0である9,9-ビス(アリール-グリシジルオキシアリール)フルオレン、例えば、
9,9-ビス(3-フェニル-4-グリシジルオキシフェニル)フルオレンなどの9,9
-ビス(C6-10アリール-グリシジルオキシC6-10アリール)フルオレン;n=
1、p=1、k=0、m2=1~5である9,9-ビス(アリール-グリシジルオキシ(
ポリ)アルコキシアリール)フルオレン、例えば、9,9-ビス(3-フェニル-4-(
2-グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9-ビス(C6-10
アリール-グリシジルオキシ(ポリ)C2-4アルコキシC6-10アリール)フルオレ
ン;n=2、p=0、k=0、m2=0である9,9-ビス(ジ(グリシジルオキシ)ア
リール)フルオレン、例えば、9,9-ビス(3,4-ジ(グリシジルオキシ)フェニル
)フルオレンなどの9,9-ビス(ジ(グリシジルオキシ)C6-10アリール)フルオ
レン;n=2、p=0、k=0、m2=1~5である9,9-ビス(ジ(グリシジルオキ
シ(ポリ)アルコキシ)アリール)フルオレン、例えば、9,9-ビス(3,4-ジ(2
-グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9-ビス(ジ(グリシジ
ルオキシ(ポリ)C2-4アルコキシ)C6-10アリール)フルオレンなどが例示でき
る。これらのフルオレン化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
量体であってもよく、多量体(例えば、二量体、三量体など)であってもよいが、黄変(
着色)を十分に抑制する観点から多量体を含まないのが好ましい。グリシジル基を有する
フルオレン化合物は、通常、少なくとも単量体を含む場合が多く、例えば、単量体、二量
体及び三量体の混合物などであってもよい。
物としては、前記式(2-3)で表される基Xを有するフルオレン化合物に対応する化合
物(グリシジルオキシ基をヒドロキシル基に代えた化合物)などが例示できる。
9-ビス(グリシジルオキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(グリシジ
ルオキシ(ポリ)C2-4アルコキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(
C1-4アルキル-グリシジルオキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(
C1-4アルキル-グリシジルオキシ(ポリ)C2-4アルコキシC6-10アリール)
フルオレン、9,9-ビス(C6-10アリール-グリシジルオキシC6-10アリール
)フルオレン、9,9-ビス(C6-10アリール-グリシジルオキシ(ポリ)C2-4
アルコキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(ジ(グリシジルオキシ)C
6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(ジ(グリシジルオキシ(ポリ)C2-4
アルコキシ)C6-10アリール)フルオレンなどの前記式(2-2)で表される基Xを
有するフルオレン化合物の単量体、及び多量体(二量体、三量体など);9,9-ビス(
ヒドロキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(ヒドロキシ(ポリ)C2-
4アルコキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(C1-4アルキル-ヒド
ロキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(C1-4アルキル-ヒドロキシ
(ポリ)C2-4アルコキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(C6-1
0アリール-ヒドロキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(C6-10ア
リール-ヒドロキシ(ポリ)C2-4アルコキシC6-10アリール)フルオレン、9,
9-ビス(ジヒドロキシC6-10アリール)フルオレン、9,9-ビス(ジヒドロキシ
(ポリ)C2-4アルコキシ)C6-10アリール)フルオレンなどの前記式(2-3)
で表される基Xを有するフルオレン化合物などが例示できる。なお、「(ポリ)C2-4
アルコキシ」とは、C2-4アルコキシ基の繰り返し数m2が1以上の整数であることを
意味する。
り、さらに優れた分散性(又は親和性)を発現でき、機械的強度などの特性を向上できる
。特に式(2-2)で表されるエポキシ含有基Xを有するフルオレン化合物であれば、靱
性を十分に向上できるため有利である。一方、式(2-1)又は(2-3)で表される基
Xを有するフルオレン化合物であれば、機械的強度の特性を向上できるとともに、これら
の化合物を添加しても粘度の上昇を抑制できるため、セルロースナノ繊維と同様の程度ま
で着色を抑制できるため有利である。
ロースナノ繊維にフルオレン化合物を修飾させる形態でなくてもよいが、フルオレン化合
物で修飾又は結合した形態であってもよい。
きるためか、セルロースナノ繊維の平均繊維径を小さくすることもできる。また、セルロ
ースナノ繊維は、フルオレン化合物の結合割合が少量であっても、前記分散性(又は親和
性)向上効果や繊維径低減効果を有効に発現できる。
00重量部に対して、例えば、0.1~30重量部(例えば、0.5~25重量部)、好
ましくは1~25重量部、さらに好ましくは5~20重量部(例えば、10~20重量部
)程度であってもよく、セルロースナノ繊維100重量部に対して0.1~50重量部、
好ましくは1~40重量部(例えば3~30重量部)、さらに好ましくは5~25重量部
(例えば、10~20重量部)程度であってもよい。フルオレン化合物の割合が多すぎる
と、複合樹脂組成物及び複合体の機械的特性が低下する虞があり、逆に少なすぎると、フ
ルオレン化合物によるセルロースナノ繊維の分散性を向上させる効果が小さくなる虞があ
る。
本発明の樹脂組成物は、セルロースの非晶領域(非晶部)を膨潤可能な溶媒としてアミ
ド類(アミド系溶媒)を含む。セルロースの非晶領域(非晶部)を膨潤可能な溶媒とは、
セルロース(又はセルロース繊維)の表面の水酸基と水素結合可能な低分子化合物である
。通常、セルロースナノ繊維と樹脂との複合体(複合材料又はコンパウンド)を形成(調
製)する場合に、前記低分子化合物として水、アルコール類(特に水)を使用することが
多い。しかし、セルロースナノ繊維とポリアミド樹脂との複合体(複合材料又はコンパウ
ンド)を形成(調製)する場合にこれらの低分子化合物(水、アルコール類)を使用する
と、混練過程でポリアミド樹脂が加水(アルコリシス)分解され、分子量が低下すること
で、力学的特性が低下する虞がある。これに対し、本発明では、セルロースの非晶領域(
非晶部)を膨潤可能な溶媒としてアミド類(アミド系溶媒)を含んでおり、ポリアミド樹
脂の分解反応が起きないため、ポリアミド樹脂の物性を維持できる。また、アミド類(ア
ミド系溶媒)は、セルロースの解繊剤として作用するため、パルプのような繊維径の大き
なセルロース原料を用いてもセルロースナノ繊維をポリアミド樹脂に均一に分散できると
ともに、ポリアミド樹脂の可塑剤としても作用するため、樹脂組成物で形成(調製)され
た複合樹脂組成物(マスターバッチ又は樹脂補強剤)、この樹脂組成物の複合体又はその
成形品の着色(黄変)を抑制できるという利点も備える。
ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドンなどのピロリドン類など、N-メチルカプロラ
クタムなどのカプロラクタム類など)などが例示できる。これらのアミド類は、単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアミド類の中でも、通常、脂肪族アミドを
用いることが多い。
(例えば、N-モノ又はジ置換されてもよいC1-8アシルアミン類(例えば、ホルムア
ミド類(例えば、ホルムアミド、N-モノ又はジC1-4アルキルホルムアミド(例えば
、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(例
えば、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのN-モノ又はジC
1-4アセトアミドなど)などのN-モノ又はジ置換されてもよいC1-4アシルアミン
類など)などが例示できる。これらの脂肪族アミドは、単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。
として効率よく作用する観点から、好ましくはN-モノ又はジ置換されてもよいC1-4
アシルアミン、さらに好ましくはN-モノ又はジ置換されてもよいホルムアミド又はアセ
トアミド、特にN,N-ジC1-4アルキルC1-3アシルアミン(例えば、N,N-ジ
メチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドなど)であってもよい。
の組み合わせであってもよい。他の溶媒としては、セルロースの非晶領域(非晶部)を膨
潤可能であり、ポリアミド樹脂を溶解可能な溶媒であるスルホキシド類(例えば、ジメチ
ルスルホキシドなど)などが例示できる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。
い範囲から選択でき、例えば、100/0~70/30、好ましくは100/0~90/
10(例えば、99.9/0.1~90/10)、さらに好ましくは100/0~95/
5(例えば、99/1~95/5)程度であってもよい。
100重量部に対して、1~800重量部(例えば、10~750重量部)の広い範囲か
ら選択でき、例えば、50~700重量部、好ましくは100~600重量部、さらに好
ましくは150~500重量部(例えば、200~400重量部)程度であってもよい。
また、溶媒(特にアミド類単独)の割合は、ポリアミド樹脂とセルロースナノ繊維との総
量100重量部に対して、1~400重量部(例えば、10~380重量部)の広い範囲
から選択でき、例えば、30~350重量部、好ましくは50~300重量部、さらに好
ましくは70~250重量部(例えば、150~200重量部)程度であってもよく、例
えば、80~250重量部、好ましくは100~200重量部程度としてもよい。
に、系の粘度が高くなってしまうため、得られるセルロースナノ繊維の断片化が進行し、
アスペクト比が小さくなってしまう他、セルロースの解繊(又はナノ化)が十分でなくな
る虜がある。また、溶媒(特にアミド類単独)の割合が低すぎると、セルロースの解繊(
又はナノ化)が十分でなくなる虞がある。
本発明の樹脂組成物は、アミド類を含む溶媒と、ポリアミド樹脂と、セルロース(原料
セルロース又は繊維径がマイクロメータサイズ以上のセルロース繊維、例えば、パルプ)
とを含む組成物を混練することにより製造できる。この方法では、アミド類がセルロース
の解繊剤として作用するため、混練に伴って大きな剪断が作用し、効率よくセルロース繊
維を解繊しつつ、ナノオーダーレベルまでミクロフィブリル化でき、セルロースナノ繊維
を樹脂に均一に分散できる。このため、予めセルロースに微細化処理を施したり、セルロ
ースの表面の水酸基に修飾処理を施したりしなくてもセルロースナノ繊維をポリアミド樹
脂中に分散できる。また、セルロースナノ繊維の分散液(スラリー液)の調製、セルロー
スナノ繊維と樹脂とのエマルジョンの調製などが不要であり、混練という一段階の操作で
前記樹脂組成物を調製できるという利点も備える。
ロース繊維)を使用できる。このセルロース(原料セルロース)の平均繊維径は、種類に
応じて選択でき、例えば、1μm~1mm、好ましくは5~500μm(例えば、10~
300μm)、さらに好ましくは20~100μm(特に、30~50μm)程度であっ
てもよい。また、セルロースの平均繊維長は、例えば、0.1~100mm、好ましくは
0.5~50mm(例えば、0.5~30mm)、さらに好ましくは1~10mm(特に
、1~5mm)程度であってもよい。
合であればよく、セルロース(原料セルロース又はセルロース繊維)と溶媒(特にアミド
類単独)との割合もまた、樹脂組成物の項で例示したセルロースナノ繊維の割合に対応す
ればよい。
又はセルロース繊維)とを混練できれば、特に限定されないが、通常、ポリアミド樹脂と
アミド類を含む溶媒との樹脂溶液とセルロースとを混練することが多い。混練は、慣用の
方法、例えば、ミキシングローラ、ニーダ、バンバリーミキサー、押出機(一軸又は二軸
押出機など)などにより行うことができ、高い剪断力が作用可能なニーダ、二軸押出機な
どを好適に使用してもよい。
放系で行ってもよく、通常、密閉した混練系で行う場合が多い。
に、アミド類の沸点よりも低い温度(例えば、40~150℃、好ましくは60~130
℃、さらに好ましくは70~120℃程度)で一定時間混練する方法などが挙げられる。
この方法では、繊維径が小さなセルロースナノ繊維を樹脂に短時間で均一分散できる。混
練時間は、特に限定されないが、本発明の方法では、短時間で樹脂組成物を得られること
が多いため、混練時間は、例えば1分~5時間、好ましくは3分~3時間、さらに好まし
くは5分~1時間(特に8~30分)程度であってもよい。
するための調製温度(混練温度)を高くする必要がなく、熱履歴に伴う着色を抑制できる
。
、樹脂溶液とセルロース原料とを少なくとも含む組成物を混練し、さらにポリアミド樹脂
及び/又は改質剤などを加えてもよい。
てもよい。
本発明の複合樹脂組成物は、ポリアミド樹脂と、セルロースナノ繊維とを含む。本発明
の複合樹脂組成物は、前記樹脂組成物からアミド類を有する溶媒を除去すること(溶媒除
去工程)により得られ、前記セルロースナノ繊維の形態(例えば、寸法サイズ、フィブリ
ル構造など)を維持してもよい。本発明において、複合樹脂組成物もマスターバッチ又は
樹脂補強剤であってもよい。アミド類を含む溶媒は、例えば、混練過程でベント部より減
圧ベントすることにより除去できる。
去工程の前後で、樹脂組成物をポリアミド樹脂で希釈して濃度調整してもよい。例えば、
前記樹脂組成物から溶媒を除去すると混練できない場合がある。このような場合、ポリア
ミド樹脂を添加してセルロースナノ繊維の濃度を調整し、混練可能としてもよい。また、
溶媒は、ポリアミド樹脂を添加して、混練しつつ除去してもよい。一方、樹脂組成物から
溶媒を除去しても混練可能である場合、溶媒は、樹脂組成物の混練過程で減圧して除去し
てもよく、必要によりポリアミド樹脂を添加して混練しつつ、溶媒を減圧して除去しても
よい。このように、本発明の複合樹脂組成物は、通常、溶媒を除去した系で混練可能であ
ってもよい。混練は、前記前駆体組成物の製造方法における混練工程で例示した方法であ
ってもよく、混練装置、混練温度、混練時間なども前記前駆体組成物の製造方法における
混練工程で例示した混練温度、混練時間であってもよい。
(含有量)は、ポリアミド樹脂及びセルロースナノ繊維の総量に対して、例えば、1~9
0重量%、好ましくは5~70重量%、さらに好ましくは10~50重量%程度であって
もよく、例えば、25~70重量%(例えば、25~65重量%)、好ましくは30~6
0重量%(例えば、30~55重量%)、さらに好ましくは40~50重量%程度として
もよい。
本発明の複合体(複合材料)は、前記複合樹脂組成物(マスターバッチ)と樹脂(第2
の樹脂)とを含んでおり、混練(又は混合)により得ることができる。複合体は、例えば
、複合樹脂組成物と第2の樹脂とを混練(又は混合)することで調製してもよい。また、
複合体は、樹脂組成物と第2の樹脂とを混練(又は混合)し、溶媒を除去してもよい。
リアミド樹脂は、樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂と異なるポリアミド樹脂であって
もよいが、親和性の点から、同一のポリアミド樹脂が好ましい。
チ)を構成するポリアミド樹脂と第2の樹脂とセルロースナノ繊維との総量に対して、例
えば、1~30重量%、好ましくは2~25重量%、さらに好ましくは5~20重量%程
度であってもよい。
点)以上の温度(又は融点以上セルロースの分解温度以下の温度)であればよく、例えば
、150~300℃、好ましくは170~250℃、さらに好ましくは180~230℃
程度であってもよい。混練時間は、例えば、30秒~1時間、好ましくは1分~30分、
さらに好ましくは2分~10分程度であってもよい。
、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などにより成形してもよい。複合体
の成形品は、二次元的構造(フィルム、シート、板など)に限らず、三次元的構造(例え
ば、管、棒、チューブ、中空品など)などであってもよい。また、成形品は、ハウジング
、ケーシングなどであってもよい。
例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、帯電防
止剤、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤など)、難燃助剤、耐衝
撃改良剤、流動性改良剤、補強材(充填剤など)、着色剤、滑剤、離型剤、色相改良剤、
分散剤、抗菌剤、防腐剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以
上組み合わせて使用してもよい。
よって限定されるものではない。
走査型電子顕微鏡(FE-SEM):日本電子(株)製「JIM-6700F」
3mm角程度のチップ状に裁断したGP Cellulose社製フラッフパルプ(G
rade4800)100重量部に対し、ポリアミド12(ダイセル・エボニック社製ダ
イアミドL1940、以下PAと称する)100重量部、N,N-ジメチルホルムアミド
(以下、DMF)溶液200重量部、9,9-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)フ
ルオレン(以下、BPFG)15重量部とをニーダ(「KRCニーダS1」、(株)栗本
鐵工所製)で、混練温度130℃、吐出量30g/分、滞留時間4分、回転数300rp
mの条件で、混練することにより、樹脂組成物1を調製した。
~130℃、回転数600rpmの条件で混練することで、DMFを32重量%含む、パ
ルプ分率(セルロースナノ繊維の含有量)31.6重量%のPA/CNF(ポリアミド/
セルロースナノ繊維)マスターバッチ1(ペレット)を得た。
図1に示す。図1の結果から明らかなように、樹脂組成物1中のセルロースナノ繊維は、
ナノサイズの繊維が略均一に分散しており、平均繊維径が367nmであった。なお、平
均繊維径は、SEM画像からランダムに繊維を選定し、算術平均した値を示す。以下の実
施例2~3、比較例1も同様である。
製)にて、シリンダー温度140~180℃、回転数180rpmの条件で混練しながら
真空ベント処理により溶媒を除去することにより、パルプ分率(セルロースナノ繊維の含
有量)が10重量%である複合体を調製した。
ニーダによる混練過程で、BPFGに代えて、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]フルオレン(以下、BPEF)を添加する以外は、実施例1と同様に
して樹脂組成物2を調製した。
4.0重量%含み、パルプ分率(セルロースナノ繊維の含有量)30.7重量%のPA/
CNF(ポリアミド/セルロースナノ繊維)マスターバッチ2(ペレット)を得た。
。図2の結果から明らかなように、樹脂組成物2中のセルロースナノ繊維は、ナノサイズ
の繊維が略均一に分散しており、平均繊維径が566nmであった。
は、実施例1と同様にして、パルプ分率(セルロースナノ繊維の含有量)が10重量%で
ある複合体を調製した。
ニーダによる混練過程で、BPFGを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、
樹脂組成物3を調製した。
6.3重量%含み、パルプ分率(セルロースナノ繊維の含有量)31.9重量%のPA/
CNFマスターバッチ3(ペレット)を得た。
。図3の結果から明らかなように、樹脂組成物3中のセルロースナノ繊維は、ナノサイズ
の繊維が略均一に分散しており、平均繊維径が664nmであった。
は、実施例1と同様にして、パルプ分率(セルロースナノ繊維の含有量)が10重量%で
ある複合体を調製した。
実施例1のフラッフパルプ(Grade4800)100重量部に対し、PA、233
重量部を二軸押出機(テクノベル社製)で、シリンダー温度170~190℃、回転数1
80rpmの条件で溶融混練し、パルプ分率30重量%のPA/CF(ポリアミド/セル
ロース繊維)マスターバッチ4(ペレット)を得た。得られたPA/CFマスターバッチ
4及びPAを用いて、二軸押出機(テクノベル社製)にて、シリンダー温度170~18
0℃、回転数180rpmの条件で混練することにより、パルプ分率(セルロース繊維の
含有量)が10重量%である複合体を調製した。
機(日精樹脂工業(株)製)により多目的試験片(JISK7139、タイプA1)を成
形し、実施例2、3、及び比較例1については下記基準により外観を評価した。
×:黄色~茶褐色。
m×4mm)を調製した。そして、JIS K 7161に従って引張試験片の引張試験
特性(最大点強度、伸度、弾性率)を、JIS K 7171に従って曲げ試験片の曲げ
特性(曲げ強度、曲げ弾性率)を、JIS K 7191に従って、HDT測定を行った
。結果を表1に示す。
、幅広い用途、樹脂(ポリアミド樹脂)の補強材、添加剤、フィルムやシートの材料など
として利用できる。また、複合体(複合材料)は、靱性、強度、弾性率などのバランスの
優れた特性を備えるため、例えば、種々の樹脂成形品[例えば、電気・電子部品の梱包材
料、建築資材(壁材など)、土木資材、農業資材、包装資材(容器、緩衝材など)、生活
資材(日用品など)など]、液晶ディスプレイ基板や太陽電池基板などの種々の材料;光
学シート、などの他;高い強度を有するため、自動車部品(ボディ、フード、ドア、ドラ
イブシャフトなど)、スポーツ用品(ゴルフシャフト、テニスラケットフレームなど)、
レジャー用品(釣り竿など)などにも利用できる。また、各種分野の成形部材(例えば、
ケーシング、ハウジングなどの成形体)に利用できる。
Claims (4)
- ポリアミド樹脂と、セルロースナノ繊維と、アミド類を含む溶媒とを含む樹脂組成物の製造方法であって、
ニーダ又は二軸押出機を用いて、アミド類を含む溶媒と、ポリアミド樹脂と、平均繊維径1μm~1mmの原料セルロースとを含む組成物を、40~150℃であり、かつアミド類の沸点よりも低い温度で混練して樹脂組成物を製造する方法であり、
前記溶媒が、アミド類単独、又はアミド類とスルホキシド類との組み合わせであり、かつ
前記アミド類の割合が、ポリアミド樹脂と原料セルロースとの総量100重量部に対して、30~350重量部である方法。 - ポリアミド樹脂と原料セルロースとの割合が、前者/後者(重量比)=10/90~90/10である請求項1記載の方法。
- セルロースナノ繊維が未修飾セルロースナノ繊維である請求項1又は2記載の方法。
- アミド類が脂肪族アミドである請求項1~3のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020160949A JP7038170B2 (ja) | 2020-09-25 | 2020-09-25 | 樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020160949A JP7038170B2 (ja) | 2020-09-25 | 2020-09-25 | 樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016138774A Division JP6807179B2 (ja) | 2016-07-13 | 2016-07-13 | 樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020200486A JP2020200486A (ja) | 2020-12-17 |
JP7038170B2 true JP7038170B2 (ja) | 2022-03-17 |
Family
ID=73741878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020160949A Active JP7038170B2 (ja) | 2020-09-25 | 2020-09-25 | 樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7038170B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102344685A (zh) | 2010-08-05 | 2012-02-08 | 中国科学院化学研究所 | 一种制备纳米纤维素微纤增强聚合物复合材料的方法 |
JP2015168914A (ja) | 2014-03-11 | 2015-09-28 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法 |
-
2020
- 2020-09-25 JP JP2020160949A patent/JP7038170B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102344685A (zh) | 2010-08-05 | 2012-02-08 | 中国科学院化学研究所 | 一种制备纳米纤维素微纤增强聚合物复合材料的方法 |
JP2015168914A (ja) | 2014-03-11 | 2015-09-28 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020200486A (ja) | 2020-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6807179B2 (ja) | 樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 | |
Essabir et al. | Mechanical and thermal properties of hybrid composites: Oil-palm fiber/clay reinforced high density polyethylene | |
US10266688B2 (en) | Surface-modified cellulose nanofibres, bio composite resin composition and method for producing the same | |
JP6012206B2 (ja) | 変性セルロースナノファイバー及び変性セルロースナノファイバーを含む樹脂組成物 | |
Santos et al. | Polyamide-6/vegetal fiber composite prepared by extrusion and injection molding | |
JP6580471B2 (ja) | ポリ乳酸組成物及びその製造方法並びに複合体 | |
JP6357071B2 (ja) | 修飾セルロース及びその製造方法 | |
Ferrer et al. | Reinforcement of polypropylene with lignocellulose nanofibrils and compatibilization with biobased polymers | |
JP6775160B2 (ja) | 疎水化セルロース系繊維用の解繊助剤、それを使用する樹脂組成物の製造方法並びに成形体 | |
Semba et al. | Polyamide 6 composites reinforced with nanofibrillated cellulose formed during compounding: Effect of acetyl group degree of substitution | |
JP6871079B2 (ja) | 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法 | |
Nasution et al. | The role of amphiphilic chitosan in hybrid nanocellulose–reinforced polylactic acid biocomposite | |
Yong et al. | Interfacial modification mechanism of nanocellulose as a compatibilizer for immiscible binary poly (vinyl alcohol)/poly (ethylene oxide) blends | |
Lal et al. | Old corrugated box (OCB)-based cellulose nanofiber-reinforced and citric acid-cross-linked TSP–guar gum composite film | |
JP6796107B2 (ja) | セルロース含有樹脂組成物の製造方法 | |
JP7165002B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体、並びにその製造方法 | |
JP7038170B2 (ja) | 樹脂組成物及びそれを用いた複合樹脂組成物、これらの製造方法並びに複合体 | |
JP2018035466A (ja) | セルロースナノファイバーの製造方法及び組成物 | |
JP2021036024A (ja) | 繊維強化ポリアミド樹脂組成物 | |
Zhang et al. | Characteristics of undeinked, alkaline deinked, and neutral deinked old newspaper fibers reinforced recycled polypropylene composites | |
de Oliveira Aguiar et al. | Composites of polycaprolactone with cellulose fibers: morphological and mechanical evaluation | |
Tan et al. | Improvement in the performance of the polylactic acid composites by using deep eutectic solvent treated pulp fiber | |
KR101407092B1 (ko) | 셀룰로오스 유도체 및 pbat를 포함한 생분해성 수지 조성물 | |
Li | Properties of agave fiber reinforced thermoplastic composites | |
Aguiar et al. | Mechanical and morphological evaluation of the reinforcement of polycaprolactone with different cellulose fibers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200925 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210909 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7038170 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |