JP7037736B2 - 路面情報収集システム - Google Patents

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Description

本発明は、通信端末搭載車両を利用した路面情報収集システムに関する。
特許文献1には、車両走行に伴う振動データを収集して路面状況を推定し、ナビゲーション装置の画面表示等に反映させることが開示されている。路面の凹凸などを運転者に事前告知して対備を促すことで、走行の安全や積載貨物の保全を図るものである。
特開2010-287044号公報
ところで、舗装、未舗装といった基本的な情報は、地図情報ベースのナビゲーションシステムでも提供可能であるが、突然の豪雨による路面への土砂の流入や舗装の破損、積載貨物の路面への落下など、路面状況が急激に変化した場合や、一時的な路面状況の急変が解消された場合は、道路管理者が現場確認した上で情報配信されるので、即応性に限界があった。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、路面状況の急変に対応可能な路面情報収集システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、
路面凹凸情報の基礎データを収集する複数の車両と、前記車両から無線通信を介して取得した基礎データを解析して路面凹凸情報を構成し、無線通信を介して配信するデータセンタと、を含む路面情報収集システムであって、
既存の路面凹凸情報が存在しない場所で、何れかの車両に所定の閾値以上の振動データが検出された場合には、当該振動データと位置情報を含む第1の基礎データがデータセンタに送信され、
当該第1の基礎データを受信したデータセンタは、当該位置を通過する後続車両に基礎データの送信要求を行い、当該送信要求を受信した後続車両は前記閾値が実質的に解除され、当該位置を通過する後続車両から前記閾値とは無関係に基礎データがデータセンタに送信される、
急変対応機能を実行可能である、路面情報収集システムにある。
本発明に係る路面情報収集システムは、上記構成により、既存の路面凹凸情報が存在しない場所では、車両に所定の閾値以上の振動データが検出された場合に当該振動データと位置情報を含む基礎データがデータセンタに送信されるので、新たに出現した未知の路面凹凸を検出可能であるとともに、路面凹凸の解析に不向きなデータは予め除外され、通信量および処理量の削減、それに伴う通信環境やシステムへの負荷の軽減、路面凹凸解析精度の向上に有利である。
また、基礎データの送信要求を受信した後続車両は振動データの閾値が解除され、当該位置を通過する全ての後続車両から、振動データの有無に拘わらず基礎データがデータセンタに送信されるので、後続車両に振動データが検出された場合に路面凹凸の発生を確実に推定できるとともに、有意な振動データが検出されなくなったことを検知できるので、当該位置の路面凹凸が解消した(落下物や土砂の流入など一時的なものであった)と推定でき、無用な情報が放置されるのを防止できる。
本発明実施形態に係る路面情報収集システムを示すブロック図である。 本発明実施形態に係る路面情報収集システムを示す概略図である。 本発明実施形態に係る路面情報収集システムにおける平均化処理および正規化処理を示す概念図である。 本発明実施形態に係る路面情報収集システムにおける速度補正と平均化処理を示す概念図である。 車両に収集された基礎データ、データセンタに収集された路面基礎データ、および、解析済み路面情報のデータテーブルの例を示す図である。 本発明実施形態の路面情報収集システムにおける急変対応機能を示すフローチャートである。 車両の凸部通過パターンを示す概略図である。 車両に検出される振動と車速、操舵角の推移の例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2において、本発明に係る路面情報収集システム1は、路面状況の基礎データ21dを収集する少なくとも1つの車両10と、無線通信を介して取得した基礎データ21dを解析して路面情報24dを得るデータセンタ20とを含む。
(車両側システム構成)
車両10側のシステムは、車両位置検出手段11、車両情報取得手段12、振動検出手段13、車格情報14、基礎データ構成手段15、送信手段16などで構成される。
車両位置検出手段11は、衛星測位システムを利用して現在の位置情報(経度、緯度、高度)を取得するGPS受信器であり、電波の受信から位置計算まで行う1チップのGPSモジュールとしてナビゲーション装置18に実装されているものを利用することもできる。
車両情報取得手段12は、車両速度を取得する車速センサ、車両の操舵角を検出する操舵角センサを含む、車両10の走行状態に係るパラメータを取得する複数のセンサで構成される。これらは車両10に通常備わる既存のセンサを利用することもできる。これらの検出値は車載ネットワーク(CAN)を介して基礎データ構成手段15に送られる。
振動検出手段13は、路面状況を反映する車両走行時の上下方向の振動を検知するセンサを用いることができ、例えば、図2に示すように、左右前輪および左右後輪のサスペンション2,3に設けられた上下方向の加速度センサ13a,13bや、車体の上下方向の振動を検出する加速度センサ13cなどで構成される。また、各車輪のタイヤ空気圧を検出する圧力センサを用いることもできる。振動データは、前記同様に基礎データ構成手段15に送られる。前後左右の車輪やサスペンションごとにセンサを備えることで、路面凹凸が道路の片側のみに存在することを確実に検知できる。
車格情報14は、振動検出手段13の検出値の車格毎のばらつきを排除するためのパラメータであり、後述の基礎データ構成手段15のROM領域に数値化して記憶されており、排気量と車体サイズに基づく法令または慣用の車格や車両総重量をベースに数値化したものを用いることができる。それらに加えて、サスペンション形式やタイヤ規格(サイズ、偏平率)などの関与を考慮して数値化してもよい。
基礎データ構成手段15は、路面情報収集システム1の車両側コントロールユニット(ECU)であり、振動検出手段13に検出された振動データを、車両位置検出手段11に取得される振動検出時の車両位置、車両情報取得手段12に取得される車両速度、および、車格情報14と関連させた基礎データを構成する処理を行うCPU、データ収集やデータ構成のためのプログラムおよび閾値などを記憶したROM、上記処理のための一時記憶領域となるRAMなどで構成される。
送信手段16は、移動体通信網50の基地局51との間で無線通信を行い、基礎データ構成手段15によって構成された基礎データをデータセンタ20に送信するための無線通信端末である。なお、送信手段16は、以下に述べる受信手段17と共に1つの通信装置(送受信端末)として構成されても良い。
受信手段17は、データセンタ20から配信される路面情報(24d)を受信し、ナビゲーション装置18の地図表示画面に、路面情報を文字やアイコンなどでオーバーレイ表示する。また、当該車両の予定走行ルートを走行する先行車両に未知の路面凹凸が検出され、データセンタ20から基礎データの送信要求を受信した場合は、振動データの閾値(下限値)を解除する制御信号を基礎データ構成手段15に出力する。この点については後述する。
ナビゲーション装置18は、衛星測位システムを利用して自車両の現在の位置情報(経度、緯度、高度)を取得するGPS受信器、自車両の位置を地図情報とともに表示して目的地までの経路案内を行う表示画面(ディスプレイ)や処理装置、音声案内を行うスピーカーなどで構成される。
(データセンタ側システム構成)
次に、データセンタ20側のシステムは、基礎データ受信部21、データ処理部22、データ解析部23、路面情報データベース24、および、路面情報配信部25などで構成される。
基礎データ受信部21は、車両10側システムの送信手段16より送信された基礎データ(図5に符号21dで示す)を受信し、バッファ領域に一時記憶した後、位置情報に従って、路面情報データベース24の路面基礎データテーブル22dに格納する。この際、基礎データ21d(ステータス「未処理」)には、振動検出時の車両速度や、振動検出前後の減速や停止状況に従って、「通常」「要注意」「要注意仮設定」などのステータス情報が追加される。この点については後述する。
データ処理部22は、路面基礎データ22dに、位置情報に従って基礎データ21dが追加されると(例えば、図5に示すように、路面基礎データ22dを構成するテーブルの一番左側の列に新たに1台の車両の基礎データ21dが追加されると)、ステータスが「通常」である場合に、当該基礎データ21dに対して、振動データ(振幅)を車両速度(速度指数)で除算する平均化処理と、車格情報14に対応した数値(車格指数)で除算する正規化処理を実施し、路面基礎データテーブル22dを更新する。ステータスが「通常」以外の場合は、処理対象から除外し、基礎データ21dを保留する。速度指数および車格指数については後述する。
データ解析部23は、データ処理部22で平均化処理および正規化処理を経た振動データから、路面状況の凹凸種別や凹凸レベルを解析し、路面情報データベース24(データテーブル24d)を更新する。凹凸種別や凹凸レベルの解析については後述する。
路面情報データベース24は、路面情報のもとになる位置毎の路面基礎データテーブル22dと、路面基礎データテーブル22dを解析して得られた路面情報データテーブル24d、および、地図情報データベース(不図示)などから構成され、データ処理部22およびデータ解析部23からアクセス可能にデータサーバに格納されている。
路面情報配信部25は、路面情報データベース24に格納された路面情報(24d)を車両側からの要求に応じて、あるいは、地図情報の更新と共に、移動体通信網50を通じて当該車両10または他の車両30に配信する。また、当該車両の予定走行ルートを走行する先行車両に未知の路面凹凸(閾値以上の振動データ)が検出された場合は、当該検出位置に接近する後続車両に対して、基礎データの送信要求を発信する。
(振動検出に基づく路面状況判別)
非舗装道路の場合、振動検出手段13には不規則な振動が継続的に検出される。一方、舗装道路であっても、交通量の少ない山岳道路などでは、路面が損傷し易いうえ、補修工事の頻度も低いので、路面の凹凸が放置される場合があり、非舗装道路に比べて走行速度が高速な舗装道路では、突然現れる凹凸が運転や車両に及ぼす影響は大きい。
このような単発的な路面凹凸において、例えば、図2(a)に示されるように比較的平坦な道路に形成された凸部6を車両10が通過する場合、先ず前輪2が凸部6に乗り上げることで加速度センサ13aの検出波形に振動ピーク6aが検出され、次いで後輪3が凸部6に乗り上げることで加速度センサ13bの検出波形に振動ピーク6bが検出される。これらの波形において、何れも車輪が凸部6を乗り越えた直後には瞬間的に荷重が減少しサスペンション(スプリング)が伸長するので、波形の谷が生じる。
一方、図2(b)に示されるように比較的平坦な道路に形成された凹部7を車両10′が通過する場合、前輪2が凹部7に進入する際に瞬間的に荷重が減少し、波形に谷を生じた後、前輪2が凹部7から脱出する際に凹部7の縁に突き当たることで検出波形に振動ピーク7aが検出され、同様に後輪3が凹部7を通過する際にも小さな谷に続いてピーク7bが現れることになる。
このように、操舵による回避の有無や程度により検出レベルの差は生じるとしても、単発もしくは散発的な凹凸の場合、典型的な波形パターンから路面状況を推定できる。また、スピードブレーカのような同形状かつ等間隔の凹凸の場合は、前後の加速度センサ13a,13bに周期的な振動波形が検出される。
(振動データの平均化処理および正規化処理)
1台の車両10が全ての道路を走行して振動データを収集すれば、確度の高い路面情報が得られるが、データ収集に長時間を要するので、データの更新頻度も少なくなる。一方、各地域に分散した多数の車両の振動データを収集すれば、比較的短期間で広範囲の路面情報が得られ、逐次データを更新できるが、検出データに車両毎の要件に起因したばらつきを生じることは否めない。
そこで、基礎データに対して、以下のように平均化および正規化処理を行うことで、車両毎の要件を排除して平均的な振動データを抽出することで、路面状況の推定精度と更新頻度の両立を図るようにしている。
例えば、図3(a)に示すように、同一地点で車格が小型車両10Aに分類される複数の振動データ、中型車両10Bに分類される複数の振動データ、大型車両10Cに分類される複数の振動データが取得されている場合に、それぞれの振動データを、振動検出時の車両速度(速度指数)で除算すると、図3(b)に示すように、同じ車格毎に類似した振動データ6A,6A′,6A″・・・、6B,6B′,6B″・・・、6C,6C′,6C″・・・が得られる。
次に、振動データ6A,6A′,6A″・・・、6B,6B′,6B″・・・、6C,6C′,6C″・・・を車格10A,10B,10C毎に平均化して、図3(c)に示すように、車格10A,10B,10C毎に1つの振動データ60A,60B,60Cを得る。この際、車格毎に標準偏差を求め、標準偏差の±2倍から外れる振動データは考慮しないものとする。
次に、車格10A,10B,10C毎の振動データ60A,60B,60Cを、それぞれ、数値化された車格情報(車格指数)で除算することにより、振動データ60A,60B,60Cから車格差の影響が排除され、ほぼ等しい振動データが得られ、それらを平均化することにより、図3(d)に示すように、当該地点の路面状況に対応して正規化された1つの振動データ60が得られる。
このようにして得られた振動データ60は、個々の振動データに対する速度差や個体差、車格差の影響が排除されているので、凹凸レベルを反映した一般的な指標となり、それらの振動パターンをもとに推定される凹凸種別(凸部、凹部、周期的連続した凸部、不規則に連続した凹凸など)と合わせて、路面情報データベース24に格納される。
(基準速度を考慮した振動データの速度補正)
図4は、同一地点における同一車格(ここでは小型車両10A)での速度補正から平均化処理の概略を示している。図3では、便宜的に速度の時間軸への影響は省略したが、実際に検出される振動波形(図2の6a,6b、7a,7b)では、前輪2と後輪3に対応した2つのピークの間隔は速度と車格(ホイールベース)に応じて異なる。車格が同一であれば、振動波形の時間軸方向のスケールは速度に反比例する。
例えば、図4(a)において、中間的な車速の場合の振動波形62に比較して、車速が相対的に遅い場合の振動波形61は、ピークの間隔が広く(時間軸が長く)、ピークの振幅が小さい。逆に、中間的な車速の場合の振動波形62に比較して、車速が相対的に早い場合の振動波形63は、ピークの間隔が狭く(時間軸が短く)、ピークの振幅が大きい。
そこで、個々のサンプルにおける車両速度を基準速度(ここでは便宜上中間的な車速とする)で除算して基準速度に対する指数(速度指数=速度/基準速度)とし、それぞれの振動波形61~63に速度指数を適用(振幅に除算、時間軸に乗算)することにより、図4(b)に示すように、基準速度によって時間軸および振幅が標準化された振動波形61′,62′,63′が得られる。
上記のように基準速度によって標準化された振動波形61′,62′,63′は、速度の影響が排除されているので、直ちに平均化を行うことで、図4(c)に示すような振動波形61″,62″,63″が得られ、基準速度の場合の振動波形62″をもって平均化された図4(d)の振動波形60A(=62″)が得られる。
なお、図3および図5では、同一地点に関して、既に全ての車格10A,10B,10Cの複数の基礎データ(振動データA,6A′,6A″・・・、6B,6B′,6B″・・・、6C,6C′,6C″・・・)が取得されている場合について述べたが、最初の基礎データのみが取得された状況でも、基準速度による速度補正や平均化処理、車格指数による正規化処理は実施可能であり、以後、基礎データが追加される際に、それらの処理が実施され、路面情報データベース24が更新される。
図5は、車両10の基礎データ構成手段15に収集され、データセンタ20の基礎データ受信部21に受信された基礎データ(データテーブル21d)が、位置ごとの路面基礎データテーブル22dとして集積され、それに基づいて、路面情報のデータベース24dが構成され、更新される過程を示している。
(路面状況急変への対応)
ところで、突然の豪雨による路面への土砂の流入や舗装の破損、積載貨物の路面への落下などにより、路面情報データベース24に凹凸情報が登録されていない場所に未知の凹凸が出現する場合があることは既に述べた通りである。さらに、落下物や土砂の除去により、未知の凹凸が比較的短期間で解消される場合もある。
また、図7に示すような道路で、路面上に落下物や土砂流入等で凸部6が出現した場合、運転者の発見が遅れるか、対向車があって車線変更や操舵回避が不可能な場合には、車両10は矢印10aで示すように凸部6を乗り越えて直進通過せざるを得ないが、対応車が存在しない場合には、矢印10bで示すように操舵回避するか、矢印10cで示すように車線変更して凸部6を回避することができる。
例えば、図8は、ある地点における1車両の通過を1イベントとした車両通過イベント毎の振幅(区間振動データの最大振幅)と、操舵角および車速の例を示すグラフであり、車両40までは振幅も操舵角も所定閾値以下で適度な車速を維持して直線通過しているが、車両41では、所定以下の操舵角で直線通過しつつ閾値f0を上回る有意な振動が検出されている。
しかし、車両42では振動は検出されないものの、有意な操舵角と速度低下が検出されることで、減速しつつ操舵回避している状況を推定できる。したがって、有意な振動データが検出されなくなったからと言って、直ちに路面凹凸が解消されたと断定することはできない。車両43では再び直進通過に伴う有意な振動が検出され、その後、操舵回避と推定される車両44に続いて、車両45,46では直進通過に伴う有意な振動が連続して検出され、障害物の存在が強く推定される状況となっている。
一方、一度は障害物の存在が推定される状況になっても、その後、車両47~49のように、特段の減速や操舵もなく振幅が閾値f0以下の状況が続けば、落下物や土砂などの障害が撤去されたことが推定される。しかし、有意な振動データの検出をもって基礎データ送信のイベントトリガとするシステムでは、これらの車両47~49や、前出の車両42,44からは基礎データは送信されない。
路面凹凸の不在を検出するためには、振動データの不在を検知しなければならず、振動検出を基礎データ送信のイベントトリガとすることはできない。とは言え、路面情報収集用の有限台数の専用車両ならともかく、全ての一般車両から常時基礎データを受信することは物理的に不可能である。
そこで、上記のような障害発生および解消に伴う未知の変化に迅速かつ的確に対応するために、本発明に係る路面情報収集システム1は、以下に述べるような急変対応機能を備えている。
図6は、急変対応機能の処理手順を示すフローチャートである。先ず、既存の路面凹凸情報が存在しない場所で、第1の車両(振動検出手段13、基礎データ構成手段15)に閾値以上の振動データが検出されると、当該振動データと位置情報を含む基礎データがデータセンタ20に送信される(ステップ100)。なお、この時点では、当該基礎データが既知の情報に対応するか未知の情報であるかは不明である。閾値には先に述べた車格指数および速度指数が反映されることが好ましい。
次に、当該基礎データを受信したデータセンタ20(基礎データ受信部21)において、路面情報データベース24を照会することにより、当該基礎データの位置情報が、路面情報データベース24に格納されていない未知の路面凹凸情報であると判定されると、データセンタ20(路面情報配信部25)は、基礎データに基づいて路面凹凸情報の解析を行い、当該位置に関する注意情報を配信可能な状態に準備し、当該位置を通過する後続車両からの要求により、後続車両に「注意情報」が配信される(ステップ101)。
この「注意情報」は後続車両に対する「基礎データ送信要求」を兼ねており、「注意情報」を受信した後続車両(受信手段17)は、ナビゲーション装置18にて当該位置の注意表示を行うと同時に、受信手段17から基礎データ構成手段15に「基礎データ送信要求」が行われ、基礎データ構成手段15は、振動データの閾値をオフ(無効)にして、有意な振動データを伴わない基礎データをも送信可能とし、後続車両が当該位置を通過する際に、振動データとともに車両速度および操舵角を含む基礎データがデータセンタ20に自動送信されるようにする(ステップ102)。
後続車両が当該位置を通過し、データセンタ20に基礎データが送信されると、データセンタ20(基礎データ受信部21)では、基礎データに有意な振動データが含まれているか否か(振動データの最大振幅が前記閾値より大きいか否か)が判定される(ステップ103)。この際、基礎データの車格情報と車両速度に基づいて車格指数および速度指数が反映されることは既に述べた通りである。
基礎データに有意な振動データが含まれている場合は、第1の車両と後続車両に連続して有意な振動データが検出されたことにより、当該振動データが路面凹凸に起因するものであると確定し(ステップ104)、データセンタ20では後続車両の基礎データを考慮して路面凹凸情報のさらなる解析を行い、路面情報配信部25から他の後続車両に「路面凹凸情報」が配信される(ステップ105)。
この「路面凹凸情報」を受信した他の後続車両では、ナビゲーション装置18(38)に、「注意情報」に代えて(または加えて)「路面凹凸情報」が表示され(ステップ106)、当該位置に接近すると音声案内により注意喚起が行われる。
一方、後続車両の基礎データに有意な振動データが含まれていない場合は、当該位置通過時の操舵角データが参照される(ステップ111)。
例えば、図7に示すように、路面上に凸部6(落下物など)が存在する場合、矢印10aで示すように車両10が直進通過すれば有意な振動データが取得されるが、矢印10bで示すように操舵回避するか、矢印10cで示すように車線変更回避すれば有意な振動データは検出されない。しかし、このような場合には、車両の操舵角データを参照することで、操舵回避したかどうか(何らかの障害物が存在するか否か)を判定できる。
後続車両の基礎データに所定以上の操舵角が検出された場合には、何らかの障害が存在するものと見做し、注意情報解除のためのカウント(解除予定カウント)をリセット(c=0)し(ステップ112)、「基礎データ送信要求」および「注意情報」の配信が継続され、他の後続車両では「注意情報」の表示が継続される(ステップ113)。
また、後続車両の基礎データに有意な振動データも所定以上の操舵角も検出されなかった場合には、既に路面上の障害が解消されたか、十分な距離を置いて車線変更回避したかの何れかであるので、先ずは、解除予定としてカウント(c=c+1)する(ステップ121)。
その後、他の後続車両に有意な振動データも操舵角も検出されず、解除カウントが所定回数n1に達したか否かが判定され(ステップ122)、解除カウントが所定回数n1(例えば5回)に達した場合には「注意情報」の配信が停止される(ステップ123)。
さらに、解除カウントが所定回数n2(n2>n1)に達したか否かが判定され(ステップ124)、所定回数n2(例えば20回)に達した場合には「基礎データ送信要求」が停止され、後続車両における振動データの閾値がオン(有効)になり(ステップ125)、データセンタ20には通常走行レベルでの振動データ(基礎データ)は送信されなくなる。
一方、解除カウントが所定回数n2に達する前に、他の後続車両に所定以上の操舵角が検出された場合には、依然として障害が残存するものと見做し、解除予定カウントをリセット(c=0)し(ステップ112)、「基礎データ送信要求」および「注意情報」の配信、後続車両の「注意情報」表示が継続される(ステップ113)。
なお、上記実施例では、注意情報の配信停止を判定する解除予定カウントn1が5回、基礎データ送信要求停止を判定する解除予定カウントn2が20回の場合を示したが、カウント数はn1、n2は任意に設定でき、n1とn2が同じカウントであっても良い。
以上述べたような急変対応機能により、ある車両に、路面情報データベース24に登録されていない地点で新たに有意な振動データが検出された場合に、後続車両の振動データや操舵角、通過時の速度などから、確実かつ迅速に路面凹凸情報を特定できるとともに、障害が解消された場合には、一定期間「注意情報」を配信して事後観測した後に、振動データの閾値を有効にすることによって、突発的なエラーを排除しつつ、無用な路面情報の配信やデータ収集を回避できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらに各種の変形および変更が可能である。
1 路面情報収集システム
2,3 サスペンション
6 凸部
7 凹部
10,10′,10A,10B,10C,30 車両
11 車両位置検出手段
12 車両情報取得手段
13 振動検出手段
14 車格情報
15 基礎データ構成手段
16 送信手段
17,37 受信手段
18,38 ナビゲーション装置
20 路面情報収集装置
21 基礎データ受信部
22 データ処理部
23 データ解析部
24 路面情報データベース
25 路面情報配信部
50 移動体通信網

Claims (4)

  1. 路面凹凸情報の基礎データを収集する複数の車両と、前記車両から無線通信を介して取得した基礎データを解析して路面凹凸情報を構成し、無線通信を介して配信するデータセンタと、を含む路面情報収集システムであって、
    既存の路面凹凸情報が存在しない場所で、何れかの車両に所定の閾値以上の振動データが検出された場合には、当該振動データと位置情報を含む第1の基礎データがデータセンタに送信され、
    当該第1の基礎データを受信したデータセンタは、当該位置を通過する後続車両に基礎データの送信要求を行い、当該送信要求を受信した後続車両は前記閾値が実質的に解除され、当該位置を通過する後続車両から前記閾値とは無関係に基礎データがデータセンタに送信される、
    急変対応機能を実行可能である、路面情報収集システム。
  2. 前記急変対応機能は、前記後続車両の基礎データに
    a)路面凹凸に該当する振動データが検出された場合は当該位置を路面凹凸情報に追加し、
    b)路面凹凸に該当する振動データが検出されずに所定以上の操舵角が検出された場合は基礎データの送信要求を継続し、
    c)路面凹凸に該当する振動データも所定以上の操舵角も検出されなかった場合は解除予定としてカウントして基礎データの送信要求を継続し、
    d)解除予定カウントが所定数以上連続した場合は基礎データの送信要求を停止する、
    機能をさらに実行可能である、請求項1記載の路面情報収集システム。
  3. 前記急変対応機能は、後続車両に基礎データの送信要求と共に注意情報の配信を行い、前記後続車両の基礎データに
    b)路面凹凸に該当する振動データが検出されずに所定以上の操舵角が検出された場合は基礎データの送信要求および注意情報の配信を継続し、
    d)解除予定カウントが、前記所定数より少ない第2の所定数以上連続した場合は基礎データの送信要求を継続しつつ注意情報の配信を停止し、さらに、解除予定カウントが、前記所定数以上連続した場合は基礎データの送信要求を停止する
    機能をさらに実行可能である、請求項2記載の路面情報収集システム。
  4. 前記車両は、位置検出手段と、速度と操舵角を含む車両情報取得手段と、振動検出手段と、前記振動検出手段に検出された振動データを、車両位置、車両速度、および、操舵角と関連させた基礎データを構成する基礎データ構成手段と、を備え、
    前記データセンタは、前記基礎データを解析して路面凹凸情報を得るデータ解析部と、前記路面凹凸情報を格納するデータベースと、を備えている、
    請求項1~3の何れか一項に記載の路面情報収集システム。
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