JP6326968B2 - 運転支援システム及び運転支援方法 - Google Patents
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本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、後続車両以外の他車両に与える影響を考慮して、先行車両と、自車両及び後続車両を含む全体的な経済性を向上させることが可能な、運転支援システム及び運転支援方法を提供することを目的とする。
これにより、後続車両に加え、後続車両以外の他車両に与える影響を考慮して、交通流を阻害するような異質な走行を抑制することが可能となり、全体として効率の良い車群を形成して複数の車両を走行させることが可能となる。このため、先行車両と、自車両及び後続車両を含む全体的な経済性を向上させることが可能となる。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(運転支援システムの全体構成)
図1中に示すように、運転支援システムSは、車載装置1と、情報作成・配信装置2を備える。
車載装置1は、公知のナビゲーション装置を用いて形成し、各車両Cが搭載する。なお、車載装置1の詳細な構成は、後述する。
情報作成・配信装置2は、データセンター4(基地局)が備える。なお、情報作成・配信装置2の詳細な構成は、後述する。
なお、車載装置1と情報作成・配信装置2との通信方式は、任意に選択することが可能であり、例えば、通信接続は、直接的な接続のみならず、車車間通信、路車間通信、衛星通信を経由した接続でもよい。
図1及び図2を参照して、車載装置1の構成について説明する。
車載装置1は、車両情報取得部6と、走行状態制御部8と、車両情報検出部10と、走行制御コントローラ12を備える。
車両情報取得部6は、図示しない車内LAN(Local Area Network)等を介して、車両情報検出部10が検出した、車両Cの各種情報を含むデータ(車両情報データ)の入力を受ける。なお、車内LANとしては、例えば、CAN(Controller Area Network)バスを用いる。また、車両情報データの説明は、後述する。
走行状態制御部8は、データセンター4から、後述する走行制御モード信号の入力を受けると、走行制御モード信号が含む走行制御モードに応じて、駆動力指令値、制動力指令値、操舵角指令値のうち少なくとも一つの指令値を算出する。そして、走行状態制御部8は、算出した指令値を含む情報信号を、走行制御コントローラ12に出力する。なお、以降の説明では、走行状態制御部8から走行制御コントローラ12に出力する情報信号を、「挙動指令値信号」と記載する場合がある。また、走行制御モード信号の入力は、予め設定した間隔で受ける。
車両情報検出部10は、GPSセンサ14と、車速センサ16と、レーザレーダ18と、車間距離算出部20と、カメラ22と、車線抽出部24と、アクセル操作量検出部26と、ブレーキ操作量検出部28と、操舵角センサ30を備える。
レーザレーダ18は、車両Cの車両前後方向前方(前進方向)へレーザーを出入力可能に形成する。また、レーザレーダ18は、前進方向へレーザーを出力して先行車等に反射したレーザーの入力を受けると、レーザーの出力時間及び入力時間を含む情報信号を、車間距離算出部20に出力する。なお、以降の説明では、レーザーの出力時間及び入力時間を含む情報信号を、「出入力時間信号」と記載する場合がある。
カメラ22は、車両C周囲の路面を含む画像を撮像し、撮像した各画像を用いて、複数の撮像方向に対応した個別の画像を含む情報信号を生成する。なお、以降の説明では、複数の撮像方向に対応した個別の画像を含む情報信号を、「個別画像信号」と記載する場合がある。
車線抽出部24は、カメラ22から入力を受けた個別画像信号が含む画像から、車両C周囲の路面上に存在する車線区分線を検出し、検出した車線区分線を含む情報信号を、車両情報取得部6に出力する。なお、以降の説明では、車両C周囲の路面上に存在する車線区分線を含む情報信号を、「車線区分線信号」と記載する場合がある。
ここで、車線区分線の検出は、例えば、カメラ22で撮像した画像中において、車両Cを基準として予め設定した距離や領域(エリア)内に、車線区分線等が存在するか否かを判断して行なう。また、画像から車線区分線を認識する処理としては、例えば、エッジ検出等、種々の公知の方式を用いる。
駆動力コントローラ32は、車両Cの駆動力を制御するものであり、マイクロコンピュータで構成する。なお、マイクロコンピュータは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えた構成である。また、駆動力コントローラ32は、走行状態制御部8から入力をうけた挙動指令値信号が含む駆動力指令値を用いて、車両Cの駆動源(例えば、エンジン)が発生させる駆動力を制御する。
転舵コントローラ36は、車両Cが備える転舵輪(例えば、左右前輪)の転舵角を制御するものであり、駆動力コントローラ32と同様、マイクロコンピュータで構成する。また、転舵コントローラ36は、走行状態制御部8から入力をうけた挙動指令値信号が含む操舵角指令値を用いて、車両Cが備える転舵アクチュエータ(例えば、転舵モータ)を駆動させて、転舵輪の転舵角を制御する。これにより、転舵コントローラ36は、操舵角指令値を用いて、車両Cの進行方向を制御する。
図1及び図2を参照して、情報作成・配信装置2の構成について説明する。
情報作成・配信装置2は、プローブカーデータベース38と、類型化演算部40と、地図データベース42と、周囲類型判定部44と、走行制御モードデータベース46と、交通状況検出部48と、走行制御モード選択部50を備える。なお、図中及び以降の説明では、それぞれ、プローブカーデータベース38を「プローブカーDB38」と示し、地図データベース42を「地図DB42」と示し、走行制御モードデータベース46を「走行制御モードDB46」と示す場合がある。
類型化演算部40は、プローブカーDB38から各車両Cの車両情報データを取得して、各車両Cを運転する複数人の運転者を類型化する処理を行う。そして、類型化演算部40は、複数人の運転者を類型化したデータ(運転者類型データ)を含む情報信号を、プローブカーDB38に出力する。なお、以降の説明では、運転者類型データを含む情報信号を、「運転者類型データ信号」と記載する場合がある。また、類型化演算部40が行う処理については、後述する。
そして、周囲類型判定部44は、判定した類型のうち、自車両の周囲で存在割合が最も高い類型を含む情報信号を、走行制御モード選択部50に出力する。なお、以降の説明では、自車両の周囲で存在割合が最も高い類型を含む情報信号を、「最多類型データ信号」と記載する場合がある。また、周囲類型判定部44が行う処理については、後述する。
ここで、「走行制御モード」とは、運転者の類型に対応する、駆動力、制動力、操舵角のうち少なくとも一つを制御するモードである。すなわち、走行制御モードは、自車両の速度、自車両の加速度、自車両と先行車との車間距離、自車両の操舵角のうち少なくとも一つを制御対象とするモードである。
さらに、走行制御モード選択部50は、制御許可信号が、走行制御を許可する指令信号である場合、走行制御モードを含む情報信号である走行制御モード信号を、センター側通信モジュール(図示せず)等を介して、車載装置1に出力する。一方、制御許可信号が、走行制御を許可しない指令信号である場合、運転者の運転操作のみで車両を走行させる情報信号である走行制御モード信号を、センター側通信モジュール等を介して、車載装置1に出力する。
図1及び図2を参照しつつ、図3から図9を用いて、類型化演算部40が行う処理について説明する。
類型化演算部40が行う処理としては、以下の処理A1〜A3がある。また、類型化演算部40は、処理A1からA3のうち、少なくとも一つの処理を行う。
処理A1.車速と、先行車との車間距離を用いて、運転者の類型を設定する処理
処理A2.車速と、車線変更に必要とした時間を用いて、運転者の類型を設定する処理
処理A3.車両Cの車種を用いて、運転者の類型を設定する処理
なお、類型化演算部40が行う処理は、任意の時期に実施可能であり、例えば、車両Cの走行状態を入手した時点(車両情報データ信号の入力を受けた時点)で逐次実施してもよい。また、例えば、昼間等と比較して計算の余裕が有る深夜に、まとめて実施してもよい。
また、以下に記載する、図3から図9を用いた説明では、一例として、複数台の車両Cのうち選択した一台の車両C1に対して行う処理を説明するが、他の車両(車両C2、車両C3等)に対する処理も同様である。
図1及び図2を参照しつつ、図3から図6を用いて、上述した処理A1、すなわち、車両C1の車速と、車両C1と先行車との車間距離を用いて、各車両Cを運転する複数人の運転者を類型化する処理を行う場合について説明する。
図3中に示すように、類型化演算部40が処理を開始(START)すると、まず、ステップS100の処理を行う。
ステップS100では、プローブカーDB38から、各車両Cの車両情報データのうち、過去の走行時における車速のデータと、過去の走行時における車間距離のデータを取得する。そして、各車両Cの運転者に対し、複数の走行速度域(車速域)において、それぞれ、先行車との車間距離の平均値(平均車間距離)を算出する処理(図中に示す「走行速度域毎の平均車間距離を算出」)を行う。
なお、図4中に示す例では、複数の走行速度域を、10[km/h]で区分したが、これに限定するものではなく、複数の走行速度域は、任意の速度で区分すればよい。
また、ステップS100の処理では、システム上で先行車が存在しないと判断されている間のデータは、車間距離の算出に利用しなくてもよい。
ステップS100において、各車両Cの運転者に対し、複数の走行速度域における平均車間距離を算出する処理を行うと、類型化演算部40が行なう処理は、ステップS101へ移行する。
具体的には、ステップS101で行う処理では、例えば、図4中に示すように、全ての走行速度域(全域)において、各車両Cの運転者(D1〜D4、…)の平均車間距離を算出する。
ステップS101において、各車両Cの運転者に対し、全ての走行速度域における平均車間距離を算出する処理を行うと、類型化演算部40が行なう処理は、ステップS102へ移行する。
具体的には、ステップS102で行う処理では、例えば、図5中に示すように、全ての走行速度域(全域)における各車両Cの運転者の平均車間距離を、累積度数で分布する。そして、平均車間距離が短い側から、25パーセンタイル以下の領域に分類した運転者を類型Dと設定し、25パーセンタイルを超えて50パーセンタイル以下の領域に分類した運転者を類型Cと設定する。さらに、平均車間距離が短い側から、50パーセンタイルを超えて75パーセンタイル以下の領域に分類した運転者を類型Bと設定し、75パーセンタイルを超えた領域(100パーセンタイル以下の領域)に分類した運転者を類型Aと設定する。なお、図4中には、各車両Cの運転者(D1〜D4)に対し、分類した類型を示している(例えば、運転者D1の類型は「B」に設定)。
ステップS102において、各車両Cの運転者を類型化する処理を行うと、類型化演算部40が行なう処理は、ステップS103へ移行する。
ステップS104では、ステップS102で設定した類型毎に、複数段階に区分した走行速度域毎の、制御目標値とする車間距離を算出する処理(図中に示す「類型毎の目標車間距離を算出」)を行う。
具体的には、ステップS104で行う処理では、例えば、図6中に示すように、複数段階(0−10、10−20、20−30、30−40、…)に区分した走行速度域毎に、各類型(A〜D、…)の目標車間距離を算出する。また、目標車間距離の算出は、ステップS102で同じ類型に設定した複数の運転者に対し、車間距離の平均値を演算して行う。
ステップS104において、各類型に対し、それぞれ、走行速度域毎の目標車間距離を算出する処理を行うと、類型化演算部40が行なう処理は、ステップS105へ移行する。
具体的には、ステップS105で行う処理では、図6中に示す走行速度域毎の目標車間距離を、複数の類型(A〜D)毎に区分して、走行制御モードDB46に記憶して蓄積する。すなわち、ステップS105では、走行制御モードで用いる制御パラメータとして、走行速度域毎の車間距離の目標値を、複数の類型毎に、走行制御モードDB46に記憶して蓄積する処理を行う。
ステップS105において、走行速度域毎の車間距離の目標値を、複数の類型毎に、走行制御モードDB46に記憶して蓄積する処理を行うと、類型化演算部40が行なう処理を終了(END)する。
図1から図6を参照しつつ、図7から図9を用いて、上述した処理A2、すなわち、車両C1の車速と、車両Cが車線変更に必要とした時間を用いて、各車両Cを運転する複数人の運転者を類型化する処理を行う場合について説明する。
処理A2では、カメラ22が撮像した画像内における、車線抽出部24が検出した車線区分線の位置の変化を用いて、複数の走行速度域において、車線変更に必要とした時間である車線変更所要時間を算出する処理(車線変更所要時間算出処理)を行う。
具体的には、車線変更所要時間算出処理では、例えば、図7中に示すように、複数段階(0−40、40−80、80−120、…)に区分した走行速度域毎と、全ての走行速度域(全域)に、各車両Cの運転者(D1〜D4、…)の車線変更所要時間を算出する。
走行速度域毎に各車両Cの運転者の車線変更所要時間を算出した後、例えば、図8中に示すように、全ての走行速度域(全域)における各車両Cの運転者の車線変更所要時間を、累積度数で分布して、各車両Cの運転者の類型を設定する。
各車両Cの運転者の類型を設定した後、設定した類型毎に、複数段階に区分した走行速度域毎の、制御目標値とする車線変更所要時間を算出する。
具体的には、例えば、図9中に示すように、複数段階(0−40、40−80、80−120、…)に区分した走行速度域毎に、各類型(A〜D、…)の目標車線変更所要時間を算出する。また、目標車線変更所要時間の算出は、同じ類型に設定した複数の運転者に対し、車線変更所要時間の平均値を演算して行う。
図1から図9を参照して、上述した処理A3、すなわち、車両Cの車種を用いて、各車両Cを運転する複数人の運転者を類型化する処理を行う場合について説明する。
処理A3では、一例として、車種が大型車である車両Cを運転する運転者を類型Aに設定し、車種が普通車である車両Cを運転する運転者を類型Bに設定する。そして、類型Bの目標加速度を、類型Aの平均加速度として算出する。
類型Bの目標加速度を類型Aの平均加速度として算出する理由は、例えば、以下に記載する理由である。
したがって、自車両の周囲に大型車(類型A)が最も割合で存在する場合、類型Bの目標加速度を類型Aの平均加速度として算出すると、普通車(類型B)は、大型車の加速性能を考慮した走行制御モードで走行することが可能となる。
以上説明したように、類型化演算部40は、複数の運転者を分類して、各運転者の類型を設定する処理を行う。
図1から図9を参照しつつ、図10及び図11を用いて、周囲類型判定部44が行う処理について説明する。
周囲類型判定部44が行う処理では、自車両の周囲に存在する他車両の台数、または、自車両が走行している道路上において、自車両を中心として設定した半径の領域内に存在する他車両の台数から、他車両の運転者の類型を判定する。
以上説明したように、周囲類型判定部44は、自車両が走行する道路を走行する複数台の他車両の運転者の類型を、類型化演算部40が設定した類型で個別に判定する処理を行う。
図1から図11を参照しつつ、図12から図14を用いて、交通状況検出部48が行う処理について説明する。
交通状況検出部48が行う処理としては、以下の処理B1〜B3がある。また、交通状況検出部48は、処理B1から処理B3のうち、一つの処理を選択して行う。
処理B1.交通量を用いて、走行制御を許可するか否かを判定する処理
処理B2.交通密度を用いて、走行制御を許可するか否かを判定する処理
処理B3.混雑度を用いて、走行制御を許可するか否かを判定する処理
図1から図11を参照しつつ、図12を用いて、上述した処理B1、すなわち、交通量を用いて、走行制御を許可するか否かを判定する処理を行う場合について説明する。
処理B1では、例えば、図12中に示すように、予め設定した地点である交通量計測地点における、単位時間当たりの通過台数(交通量)が通過閾値台数(交通量閾値)以上であれば、走行制御を許可すると判定する。一方、交通量計測地点における、単位時間当たりの通過台数(交通量)が通過閾値台数(交通量閾値)未満であれば、走行制御を許可しないと判定する。
なお、通過閾値台数(交通量閾値)は、任意に設定することが可能である。また、単位時間当たりの通過台数は、例えば、プローブカーDB38に蓄積されているデータや、道路上に設置されているトラフィックカウンターのデータを用いて計測する。
図1から図12を参照しつつ、図13を用いて、上述した処理B2、すなわち、交通密度を用いて、走行制御を許可するか否かを判定する処理を行う場合について説明する。
処理B2では、例えば、図13中に示すように、自車両が走行する道路の、予め設定した距離(交通密度計測範囲内)当たりの走行台数(交通密度)が走行閾値台数(交通密度閾値)以上であれば、走行制御を許可すると判定する。一方、交通密度計測範囲内の走行台数(交通密度)が走行閾値台数(交通密度閾値)未満であれば、走行制御を許可しないと判定する。
なお、走行閾値台数(交通密度閾値)は、任意に設定することが可能である。また、交通密度は、例えば、プローブカーDB38に蓄積されているデータや、道路上に設置されているトラフィックカウンターのデータを用いて計測する。
図1から図13を参照しつつ、図14を用いて、上述した処理B3、すなわち、混雑度を用いて、走行制御を許可するか否かを判定する処理を行う場合について説明する。
処理B3では、例えば、図14中に示すように、予め設定した領域(例えば、地点、道路、地域)の需要台数と交通容量から算出する混雑度(需要台数/交通容量)が、混雑度閾値以上であれば、走行制御を許可すると判定する。一方、混雑度が混雑度閾値未満であれば、走行制御を許可しないと判定する。
なお、混雑度閾値は、任意に設定することが可能である。また、需要台数は、例えば、プローブカーDB38に蓄積されているデータや、道路上に設置されているトラフィックカウンターのデータを用いて計測する。また、交通容量は、地図DB42が蓄積している道路幾何構造のデータと、プローブカーDB38に蓄積されている大型車の混入率や駐車車両の情報を用いて算出する。
次に、図1から図14を参照しつつ、図15及び図16を用いて、第一実施形態の運転支援システムSを用いて行なう動作を説明する。
図15中に示すように、運転支援システムSを用いて行なう動作を開始(START)すると、まず、ステップS200の処理を行う。
ステップS200では、周囲類型判定部44により、自車両の周囲に存在する他車両を運転する運転者に設定した類型を取得する処理(図中に示す「周囲に存在する運転者のデータを取得」)を行う。ステップS200において、自車両の周囲に存在する運転者の類型を取得する処理を行うと、運転支援システムSを用いて行なう動作は、ステップS201へ移行する。
具体的には、制御目標値が車間距離(目標車間距離)である場合には、駆動力指令値及び制動力指令値のうち少なくとも一方を算出する。これにより、車速センサ16で自車両の速度域を把握した上で、車間距離算出部20で算出した先行車との車間距離が目標車間距離となるように、駆動力コントローラ32と制動力コントローラ34を制御して走行し、周囲の他車両と同様の車間距離で走行する。
以上により、ステップS204では、自車両の走行状態を、周囲の他車両と同様の走行状態として、交通の流れを阻害するような異質な走行を抑制する。
具体的には、自車両が普通車であり、車種(大型車と普通車)で二つの類型のみを設定し、最も存在割合が高い類型が大型車(類型A)である場合、大型車の加速性能を考慮した走行制御モードを、駆動力コントローラ32を制御して実施する。これにより、全体の交通流を円滑化する発進を実施する。したがって、運転操作の情報が不十分な場合であっても、交通の流れを阻害するような異質な走行を抑制することが可能となり、交通流全体として、効率の良い車群の走行を実施することが可能となる。
走行による交通流への影響度が最も高い車種の類型(類型A)を選択する理由は、一般的に、大型車の混入率が高いほど、道路の交通容量が低下するためである。なお、図16中には、自車両に近い20台の他車両を、自車両の周囲に存在する他車両として設定し、複数の類型を、車種が大型車である車両Cを運転する運転者を類型Aと、車種が普通車である車両Cを運転する運転者を類型Bに設定する例を示す。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
第一実施形態の運転支援システムSであれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)周囲類型判定部44が、支援対象車両が走行している道路を走行している複数台の他車両の運転者の類型を、複数の運転者を分類して設定した各運転者の類型で個別に判定する。さらに、走行制御モード選択部50が、周囲類型判定部44が判定した類型のうち、支援対象車両の周囲で、支援対象車両が走行している道路の交通流に及ぼす影響力が最も高い類型に対応する走行制御モードを選択する。そして、走行状態制御部8が、自車両の走行状態を、走行制御モード選択部50が選択した走行制御モードの走行状態に制御する。
その結果、後続車両に加え、後続車両以外の他車両に与える影響を考慮して、交通流を阻害するような異質な走行を抑制することが可能となる。これにより、全体として効率の良い車群を形成して複数の車両を走行させ、先行車両と、自車両及び後続車両を含む全体的な経済性を向上させることが可能となる。
その結果、支援対象車両の走行状態を、支援対象車両が走行している道路の交通流に及ぼす影響力が最も高い類型の運転者が運転する他車両の走行状態に模倣させることが可能となる。
その結果、支援対象車両の周囲で存在する他車両の台数及び他車両の運転者に設定した類型を用いて、走行制御モードを選択することが可能となる。
その結果、交通流への影響度が最も高い車種の類型を、主体的な交通の流れとすることが可能となる。
その結果、運転者毎に異なる運転操作を反映させて、各運転者の類型を設定し、さらに、各運転者の類型を個別に判定することが可能となる。
(6)周囲類型判定部44が、複数の運転者が行った運転操作を検出した期間を限定して、各運転者の類型を個別に判定する。
その結果、運転者の運転技能が変化(上達、劣化)した度合いを反映させて、各運転者の類型を設定し、さらに、各運転者の類型を個別に判定することが可能となる。
その結果、運転操作の情報が不十分な場合であっても、車両の固有情報を反映させて、各運転者の類型を設定し、さらに、各運転者の類型を個別に判定することが可能となる。
(8)走行制御モードを、支援対象車両の速度、支援対象車両の加速度、支援対象車両と先行車との車間距離、のうち少なくとも一つを制御対象とするモードとする。
このため、支援対象車両の、走行速度、加速度、車間距離のうち少なくとも一つが、周囲の他車両と同じような状態となるため、車線変更の動機が発生し難くなり、車線変更による車両交錯を減少させることが可能となる。
その結果、全体として効率の良い車群を形成して複数の車両を走行させることが可能となる。
その結果、支援対象車両の車線変更の動作が、周囲の他車両と同じような動作となるため、交通の流れを阻害するような異質な走行を抑制することが可能となり、全体として効率の良い車群を形成して複数の車両を走行させることが可能となる。
(10)走行状態制御部8が、自車両が走行する道路の交通量が予め設定した交通量閾値未満であるときには、走行状態の制御を実施しない。
その結果、自車両が走行する道路の交通量が少ない状況では、自車両の走行状態を、運転者の意図のみを反映した走行状態とすることが可能となる。
その結果、自車両が走行する道路の交通密度が低い状況では、自車両の走行状態を、運転者の意図のみを反映した走行状態とすることが可能となる。
(12)走行状態制御部8が、自車両が走行する道路の混雑度が予め設定した混雑度閾値未満であるときには、走行状態の制御を実施しない。
その結果、自車両が走行する道路の混雑度が低い状況では、自車両の走行状態を、運転者の意図のみを反映した走行状態とすることが可能となる。
その結果、後続車両に加え、後続車両以外の他車両に与える影響を考慮して、交通流を阻害するような異質な走行を抑制することが可能となる。これにより、全体として効率の良い車群を形成して複数の車両を走行させ、先行車両と、自車両及び後続車両を含む全体的な経済性を向上させることが可能となる。
(1)第一実施形態では、運転者の類型を、車間距離や、車線変更に必要とした時間や、車種を用いて設定したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、ABS(Antilock Brake System)の作動回数や、ヨーレートの強弱・発生頻度等を用いて、運転者の類型を設定してもよい。また、急ハンドルの頻度や、車間距離や相対速度を用いた車線変更の実施タイミングや、上り勾配での速度低下頻度等を用いて、運転者の類型を設定してもよい。
さらに、例えば、生体センサで検出した運転者の心拍や発汗量の変化や、車内カメラで検出した運転者の視線に基づく注意散漫度や、車内マイクで検出した車内での会話の頻度に基づく注意散漫度等を用いて、運転者の類型を設定してもよい。また、車両Cがマニュアル(MT:Manual Transmission)車である場合には、シフトチェンジにかかる時間を用いて、運転者の類型を設定してもよい。
さらに、運転者に関するデモグラフィック(年齢、居住地、職業等)を用いて、運転者の類型を設定してもよい。この場合、例えば、高齢者層、中堅者層、若年者層といった年齢を用いて、運転者の類型を設定してもよい。
すなわち、類型化演算部40が運転者の類型を設定する処理に用いるデータとして、過去から現在までに取得した全期間のデータを用いてもよい。
(3)第一実施形態では、天候に関わらず、運転者の類型を設定したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、車両Cに、雨滴センサ等、天候の変化を検出可能なセンサを設け、晴天時と雨天時のデータを分けて、運転者の類型を設定する構成としてもよい。この場合、天候の違いで変化する交通流に対し、交通の流れを阻害するような異質な走行を抑制することが可能となる。
すなわち、クラウドサーバが構成するインターネット(インターネットクラウド)上で、情報作成・配信装置2が有する機能を実施する構成としてもよい。また、情報作成・配信装置2を、車両Cが備える構成としてもよい。
(5)第一実施形態では、車両情報取得部6と走行状態制御部8を、車載装置1が備える構成としたが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、車両情報取得部6と走行状態制御部8を、データセンター4(基地局)が備える構成としてもよい。
Claims (14)
- 運転支援の対象とする一台の支援対象車両が走行している道路を走行している複数台の他車両の運転者の類型を、蓄積している各車両の車両情報データを用いて前記各車両を運転する各運転者を分類して設定する類型化演算部と、
前記一台の支援対象車両が走行している道路を走行している複数台の他車両の運転者の類型を、前記各運転者を分類して設定した類型で個別に判定する周囲類型判定部と、
前記判定した類型のうち、前記支援対象車両の周囲で前記道路の交通流に及ぼす影響力が最も高い類型に対応する走行制御モードを選択する走行制御モード選択部と、
前記支援対象車両の走行状態を、前記選択した走行制御モードの走行状態に制御する走行状態制御部と、を備えることを特徴とする運転支援システム。 - 前記影響力が最も高い類型に対応する走行制御モードは、前記影響力が最も高い類型の運転者が運転する他車両の走行状態を模倣したモードであることを特徴とする請求項1に記載した運転支援システム。
- 前記影響力が最も高い類型は、前記判定した複数の類型のうち前記支援対象車両の周囲で存在割合が最も高い類型であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した運転支援システム。
- 前記影響力が最も高い類型は、前記判定した複数の類型のうち前記道路の交通流への影響度が最も高い車種の類型であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した運転支援システム。
- 運転支援の対象とする一台の支援対象車両が走行している道路を走行している複数台の他車両の運転者の類型を、複数の運転者を分類して設定した各運転者の類型で個別に判定する周囲類型判定部と、
前記判定した類型のうち、前記支援対象車両の周囲で前記道路の交通流に及ぼす影響力が最も高い類型に対応する走行制御モードを選択する走行制御モード選択部と、
前記支援対象車両の走行状態を、前記選択した走行制御モードの走行状態に制御する走行状態制御部と、を備え、
前記周囲類型判定部は、前記複数台の他車両の運転者の類型を、前記複数の運転者が行った運転操作から前記各運転者の類型で個別に判定することを特徴とする運転支援システム。 - 前記周囲類型判定部は、前記運転操作を検出した期間を限定して、前記各運転者の類型を個別に判定することを特徴とする請求項5に記載した運転支援システム。
- 前記周囲類型判定部は、前記複数台の他車両の運転者に対し、前記各運転者が運転する車両の固有情報から前記各運転者の類型を個別に判定することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載した運転支援システム。
- 前記走行制御モードは、前記支援対象車両の速度、前記支援対象車両の加速度、前記支援対象車両と先行車との車間距離、のうち少なくとも一つを制御対象とするモードであることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載した運転支援システム。
- 前記走行制御モードは、前記支援対象車両の車線変更に要する時間を制御対象とするモードであることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載した運転支援システム。
- 前記走行状態制御部は、前記道路の交通量が予め設定した交通量閾値未満であるときには前記走行状態の制御を実施しないことを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載した運転支援システム。
- 前記走行状態制御部は、前記道路の交通密度が予め設定した交通密度閾値未満であるときには前記走行状態の制御を実施しないことを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載した運転支援システム。
- 前記走行状態制御部は、前記道路の混雑度が予め設定した混雑度閾値未満であるときには前記走行状態の制御を実施しないことを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載した運転支援システム。
- 運転支援の対象とする一台の支援対象車両が走行している道路を走行している複数台の他車両の運転者の類型を、蓄積している各車両の車両情報データを用いて前記各車両を運転する各運転者を分類して設定し、
前記一台の支援対象車両が走行している道路を走行している複数台の他車両の運転者の類型を、前記各運転者を分類して設定した類型で個別に判定し、
前記判定した類型のうち、前記支援対象車両の周囲で前記道路の交通流に及ぼす影響力が最も高い類型に対応する走行制御モードの走行状態に、前記支援対象車両の走行状態を制御することを特徴とする運転支援方法。 - 運転支援の対象とする一台の支援対象車両が走行している道路を走行している複数台の他車両の運転者の類型を、複数の運転者が行った運転操作から前記複数の運転者を分類して設定した各運転者の類型で個別に判定し、
前記判定した類型のうち、前記支援対象車両の周囲で前記道路の交通流に及ぼす影響力が最も高い類型に対応する走行制御モードの走行状態に、前記支援対象車両の走行状態を制御することを特徴とする運転支援方法。
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