JP7037376B2 - 濾布ユニットおよびフィルタプレス装置 - Google Patents

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本発明は、濾布ユニットおよびフィルタプレス装置に関する。
従来、固液分離を行うために、加圧を伴う濾過(濾過・脱水)を行うフィルタプレス装置が様々な分野で用いられている。フィルタプレス装置では、配列された複数の濾板において互いに隣接する2つの濾板間を濾過室として、各濾過室に一対の濾布が設けられる。例えば、特許文献1ないし4のフィルタプレス装置では、一対の濾布の上部が互いに接続され、吊り下げられた状態で一対の濾布が当該2つの濾板間に配置される。一対の濾布間には、送液具が配置され、送液具は双方の濾布により保持される。そして、濾布に設けられた開口を介して送液具の内部に原液が供給され、送液具下部の開口から一対の濾布間に原液が流し込まれる。
また、他のフィルタプレス装置では、隣接する2つの濾板間に配置された一対の濾布が、当該2つの濾板にそれぞれ取り付けられる。一方の濾板には、原液の給液口が設けられており、一方の濾布に設けられた開口が給液口に重ねられる。給液口には筒状部材が挿入されており、濾布の開口の周囲を押さえるリングを筒状部材に締結することにより、濾布が濾板に固定される。このようなフィルタプレス装置では、リングおよび筒状部材が、送液具の機能を果たす。
特許第3210256号公報 特許第3815433号公報 特許第5817991号公報 特許第6032559号公報
ところで、特許文献1ないし4のように、互いに隣接する2つの濾板間に、一対の濾布が吊り下げられた状態で配置されるフィルタプレス装置では、濾板を互いに密着させた密着状態を形成する際に、隣接する2つの濾板間に送液具が濾布を介して挟まれる。このとき、一方の濾板に対向する送液具の一方の面が、当該濾板に設けられた係合凹部内に配置され、他方の濾板に対向する送液具の他方の面が、当該濾板に設けられた係合凹部内に配置される。実際のフィルタプレス装置では、密着状態を形成する直前において、2つの濾板の位置が、濾板の主面に沿う方向に僅かにずれていることがある。この場合、当該2つの濾板の位置が、送液具を介して互いに合わせられる。密着状態の形成直前では、濾布と濾板との間の摩擦により、各濾布の位置が濾板と共にずれるため、送液具が双方の濾布により保持されるフィルタプレス装置では、密着状態の形成時に、送液具の保持に係る部位に過度な力が作用し、当該部位が破損することがある。
一方、筒状部材およびリングにより濾布を濾板に固定するフィルタプレス装置では、濾布を交換する際に、リングに付着した原液の影響により、リングの取り外しに時間を要してしまう。したがって、互いに隣接する2つの濾板に、一対の濾布がそれぞれ取り付けられるフィルタプレス装置において、濾布の交換を容易に行うことが可能な構造も求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、互いに隣接する2つの濾板間に、一対の濾布が吊り下げられた状態で配置されるフィルタプレス装置において、送液具の保持に係る部位に過度な力が作用することを抑制することを目的としている。また、互いに隣接する2つの濾板に、一対の濾布がそれぞれ取り付けられるフィルタプレス装置において、濾布の交換を容易に行うことも目的としている。
請求項1に記載の発明は、フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、上部が互いに接続しており、フィルタプレス装置において吊り下げられた状態で、互いに隣接する2つの濾板間に配置される一対の濾布と、前記一対の濾布間に配置され、一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部とを備え、前記送液具保持部が、前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合して、前記保持シートと前記一方の濾布との間にて前記送液具を保持する保持構造を形成するシート接合部とを備え、前記シート接合部が、前記保持シートにおいて上下方向に延びる2つの縁に沿って、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の接合部を含む
請求項2に記載の発明は、フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、上部が互いに接続しており、フィルタプレス装置において吊り下げられた状態で、互いに隣接する2つの濾板間に配置される一対の濾布と、前記一対の濾布間に配置され、一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部とを備え、前記送液具保持部が、前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合するシート接合部とを備え、前記シート接合部が、前記保持シートにおいて上下方向に延びる2つの縁に沿って、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第1接合部と、前記一対の第1接合部の下端から内側に広がって、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第2接合部とを備え、前記送液具の一部が、前記一対の第2接合部に引っ掛かることにより、前記送液具が保持される。
請求項に記載の発明は、フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、フィルタプレス装置において互いに隣接する2つの濾板間に配置されるとともに、前記2つの濾板にそれぞれ取り付けられる一対の濾布と、一方の濾布において他方の濾布に対向する面上に配置され、前記一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部とを備え、前記送液具保持部が、前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合して、前記保持シートと前記一方の濾布との間にて前記送液具を保持する保持構造を形成するシート接合部とを備え、前記一方の濾布が、原液の流路から外れた位置に設けられる取付部により濾板に取り付けられる。
請求項4に記載の発明は、フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、フィルタプレス装置において互いに隣接する2つの濾板間に配置されるとともに、前記2つの濾板にそれぞれ取り付けられる一対の濾布と、一方の濾布において他方の濾布に対向する面上に配置され、前記一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部とを備え、前記送液具保持部が、前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合するシート接合部とを備え、前記シート接合部が、前記保持シートにおいて上下方向に延びる2つの縁に沿って、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第1接合部と、前記一対の第1接合部の下端から内側に広がって、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第2接合部とを備え、前記送液具の一部が、前記一対の第2接合部に引っ掛かることにより、前記送液具が保持される。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の濾布ユニットであって、前記シート接合部が、前記保持シートの前記一部と前記一方の濾布との縫製部である。
請求項に記載の発明は、フィルタプレス装置であって、移動方向に配列される複数の濾板と、前記複数の濾板のうち互いに隣接する2つの濾板間に配置される請求項1ないしのいずれか1つに記載の濾布ユニットと、前記複数の濾板を前記移動方向に移動可能に支持する濾板支持部と、前記移動方向において前記複数の濾板を挟んで配置される移動ヘッドおよび固定ヘッドを有し、前記移動方向への前記移動ヘッドの移動により、前記複数の濾板を前記移動方向に互いに密着させた密着状態と、前記密着状態を解除した解除状態とを選択的に形成する濾板開閉機構とを備える。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のフィルタプレス装置であって、前記2つの濾板の一方が、ダイヤフラムシートを備え、前記ダイヤフラムシートが、前記移動方向において前記送液具保持部と重なる。
本発明によれば、互いに隣接する2つの濾板間に、一対の濾布が吊り下げられた状態で配置されるフィルタプレス装置において、送液具保持部に過度な力が作用することを抑制することができる。また、互いに隣接する2つの濾板に、一対の濾布がそれぞれ取り付けられるフィルタプレス装置において、濾布の交換を容易に行うことができる。
第1の実施の形態に係るフィルタプレス装置の構成を示す図である。 濾板の正面図である。 濾布ユニットを示す図である。 濾布ユニットを示す図である。 濾布ユニットを示す図である。 送液具を示す図である。 送液具を示す図である。 第1濾布における流入開口の近傍を示す図である。 第1濾布の断面図である。 密着状態における複数の濾板および複数の濾布ユニットを示す図である。 比較例の濾布ユニットを示す図である。 比較例の濾布ユニットを示す図である。 第2の実施の形態に係るフィルタプレス装置を示す図である。 普通濾板の正面図である。 他の比較例のフィルタプレス装置を示す図である。 フィルタプレス装置の他の例を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフィルタプレス装置1の構成を示す図であり、フィルタプレス装置1を示す側面図である。図1では、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向およびZ方向として矢印にて示している(他の図において同様)。典型的には、X方向およびY方向は水平な方向であり、Z方向は鉛直方向である。
フィルタプレス装置1は、液体中に汚泥や鉱物が混ざった混合物(スラリーとも呼ばれ、以下、単に「原液」という。)に対して加圧を伴う濾過を行う。フィルタプレス装置1は、制御部(図示省略)と、複数の濾板2と、濾板支持部3と、濾板開閉機構4とを備える。制御部は、フィルタプレス装置1の全体制御を担う。各濾板2は、ZX平面に平行な板状部材であり、複数の濾板2はY方向(濾板2が移動する方向であるため、以下、「移動方向」という。)に配列される。濾板2の総数は、例えば、3以上である。
図2は、濾板2の正面図であり、(-Y)側から(+Y)方向を向いて見た濾板2を示している。各濾板2は、略矩形の板状である濾板本体21を備える。濾板本体21は、濾過凹部215を備える。濾過凹部215は、濾板本体21において他の濾板2と対向する各主面210に形成される凹部である。移動方向から見た場合における濾過凹部215の外形は、各辺がZ方向(以下、「上下方向」という。)、または、X方向(以下、「幅方向」という。)に沿う矩形である。濾過凹部215の外形は、他の形状であってもよい。後述するように、互いに隣接する2つの濾板2の濾過凹部215の間に濾過室20(後述の図10参照)が形成される。
濾板本体21の主面210において、濾過凹部215の上側には2つの係合凹部23が設けられる。2つの係合凹部23は、互いに幅方向に離れる。係合凹部23の下部は、濾過凹部215に連続する。係合凹部23の上部の外形は半円状であり、当該上部の外縁部231は、係合凹部23の内側に向かうに従って深さが増大する傾斜面となっている。係合凹部23の中央部232は、一定の深さの平坦な面である。係合凹部23には、後述の送液具52(後述の図6参照)が嵌まり込む。濾板本体21の一方の主面210では、係合凹部23の中央部232に給液口233が形成される。他方の主面210における係合凹部23には、給液口233は設けられない。
濾板本体21には、2つの上側突出部211および2つの下側突出部212が設けられる。上側突出部211は、上下方向に延びる板状であり、濾板本体21の上面((+Z)方向を向く面)に設けられる。2つの上側突出部211は、互いに幅方向に離れており、濾板本体21の上面から(+Z)方向に突出する。上側突出部211の上部には、後述の駆動軸31が挿入される孔216が設けられる。下側突出部212は、濾板本体21の下部((-Z)側の部位)に設けられる。2つの下側突出部212は、濾板本体21から(+X)方向および(-X)方向にそれぞれ突出する。各下側突出部212には、移動方向に延びる2つの下側貫通孔214が設けられる。また、濾板本体21の主面210において、濾過凹部215の上側には、移動方向に延びる2つの上側貫通孔213が設けられる。2つの上側貫通孔213は、X方向に離れて配置される。各上側貫通孔213は、給液口233の近傍に配置される。上側貫通孔213は、濾板本体21の内部に設けられる流路を介して給液口233と連続する。
図1および図2に示すように、濾板支持部3は、移動方向に長い一対の駆動軸31を備える。一対の駆動軸31は、複数の濾板2の上方に配置され、幅方向に離れる。図2では、移動方向に垂直な面における駆動軸31の断面を示している。各濾板2は、2つの上側突出部211を介して2つの駆動軸31から吊り下げられた状態で、移動方向に移動可能に支持される。一対の駆動軸31は、フィルタプレス装置1の全体を支持する支持フレーム10に固定される。また、各駆動軸31には、複数のプーリー32が設けられる。各上側突出部211に対して、移動方向の前後に2つのプーリー32がそれぞれ配置される。
図1に示すように、濾板開閉機構4は、移動ヘッド41と、固定ヘッド42と、進退機構43とを備える。移動ヘッド41および固定ヘッド42は、移動方向において複数の濾板2を挟んで配置される。具体的には、固定ヘッド42は、複数の濾板2の(+Y)側に配置され、支持フレーム10に固定される。移動ヘッド41は、複数の濾板2の(-Y)側に配置され、濾板2と同様に、一対の駆動軸31により移動方向に移動可能に支持される。進退機構43は、例えば油圧シリンダであり、移動ヘッド41を移動方向に移動させる。
移動ヘッド41を(+Y)方向に移動させることにより、複数の濾板2が固定ヘッド42に向かって押し込まれ、移動方向に互いに密着する(正確には、後述の濾布51a,51bを挟んで密着する。)。以下の説明では、移動ヘッド41の(+Y)方向への移動により、複数の濾板2を移動方向に互いに密着させた状態を、「密着状態」という。また、密着状態において、移動ヘッド41を(-Y)方向に移動させることにより、密着状態を解除した解除状態が形成される。濾板開閉機構4では、移動方向への移動ヘッド41の移動により、密着状態と解除状態とが選択的に形成される。
密着状態における複数の濾板2では、(+X)側の上側貫通孔213(図2参照)が、移動方向に連続した1つの流体流路を形成する。(-X)側の上側貫通孔213も同様である。これらの流体流路は、後述の濾過室20へと供給される原液の流路として利用される。また、(-X)側の下側突出部212における2つの下側貫通孔214、および、(+X)側の下側突出部212における2つの下側貫通孔214も、移動方向に連続した流体流路を形成する。これらの流体流路のうち、(+Z)側の流体流路は、例えば、濾過室20からの濾過液の回収に利用され、(-Z)側の流体流路は、例えば、後述のダイヤフラムシート22の作動用の流体(ガスまたは水)の流路に利用される。
フィルタプレス装置1では、互いに隣接する2つの濾板2間に、濾布ユニットが配置される。図3ないし図5は、濾布ユニット5を示す図である。図3は、(+X)側から(-X)方向を向いて見た見た濾布ユニット5を示す。図4は、(-Y)側から(+Y)方向を向いて見た濾布ユニット5を示し、図5は、(+Y)側から(-Y)方向を向いて見た濾布ユニット5を示す。
濾布ユニット5は、一対の濾布51a,51bと、2つの送液具52と、2つの送液具保持部53とを備える。一対の濾布51a,51bのそれぞれは、略矩形であり、例えばポリプロピレン等の合成繊維により形成される。各濾布51a,51bの厚さは、例えば0.8~1mmである。一対の濾布51a,51bでは、上部が互いに接続しており、下部は互いに離れている。図3の例では、帯状の濾布材料を二つ折りすることにより、一対の濾布51a,51bが形成される。一対の濾布51a,51bでは、個別に裁断された2つの濾布51a,51bの上部が互いに接合されてもよい。
一対の濾布51a,51bは、上部縫製部511と、2つの下部縫製部513とを備える。上部縫製部511は、上端から下方に僅かに離れた位置にて、幅方向の全体に亘って一対の濾布51a,51bを互いに縫い合わせることにより形成される。上部縫製部511の上側に形成された袋状部512には、幅方向に延びる取付バー33(図10参照)が挿入される。
2つの下部縫製部513は、一対の濾布51a,51bの下端部にそれぞれ設けられる。各下部縫製部513は、濾布51a,51bの下端を折り返した部位と、当該部位に対向する部位とを幅方向の全体に亘って互いに縫い合わせることにより形成される。下部縫製部513の下側に形成された袋状部514には、幅方向に延びる取付バー34(図10参照)が挿入される。図4および図5に示すように、各濾布51a,51bの袋状部514には、複数の切欠部515が形成される。一対の濾布51a,51bを重ね合わせた場合に、一方の濾布51aにおける切欠部515と、他方の濾布51bにおける切欠部515とが、幅方向に交互に配置される。実際には、各濾板2の両主面210に接する2つの濾布51a,51b(すなわち、隣接する2つの濾布ユニット5において互いに対向する2つの濾布51a,51b)において、一方の濾布51aの袋状部514における複数の切欠部515に、他方の濾布51bの袋状部514における切欠部515を除く部位が配置され、これらの袋状部514に1つの取付バー34が挿入される。
一対の濾布51a,51bのそれぞれには、2つの孔519が形成される。既述の密着状態では、一対の濾布51a,51bは、互いに隣接する2つの濾板2間に挟まれる。このとき、各濾布51a,51bにおける2つの孔519は、濾板本体21の2つの上側貫通孔213とそれぞれ重なる。したがって、複数の濾板2における上側貫通孔213により形成される流体流路が、濾布51a,51bにより閉塞されることはない。
一対の濾布51a,51bのうち、図5に示す一方の濾布51a(以下、「第1濾布51a」という。)には、2つの流入開口518が形成される。2つの流入開口518は、2つの孔519の間にて、互いに幅方向に離れて配置される。図4に示す他方の濾布51b(以下、「第2濾布51b」という。)には、流入開口518は形成されない。図3および図5に示すように、送液具52および送液具保持部53は、一対の濾布51a,51bの間において、流入開口518に重なる位置に配置される。
図6および図7は、送液具52を示す図である。図6では、(+Y)側から(-Y)方向を向いて見た送液具52を示し、図7では、(-Z)側から(+Z)方向を向いて見た送液具52を示している。送液具52は、送液具本体521と、係合傾斜部526とを備える。送液具本体521は、板状であり、流入口522と、複数の流出口523とを備える。流入口522は、送液具本体521の一方の主面(厚さ方向であるY方向に垂直な面)に設けられる有底の穴である。複数の流出口523は、送液具本体521の下面((-Z)方向を向く面)から上方に延び、流入口522に接続する。
送液具本体521の上部524は、半円状の外形を有する。係合傾斜部526は、送液具本体521の上部524から外側に広がり、係合傾斜部526の外形も半円状である。係合傾斜部526の厚さは、送液具本体521から径方向に離れるに従って漸次減少する。詳細には、係合傾斜部526において、送液具本体521の両主面から連続する2つの面は、送液具本体521から離れるに従って互いに近づくように傾斜し、係合傾斜部526の外縁において接続する。係合傾斜部526の当該2つの面は、厚さ方向における送液具本体521の中央にて、厚さ方向に垂直に広がる面に対して対称な形状である。なお、図6の送液具52では、係合傾斜部526において(-Z)側かつ送液具本体521近傍の部位が、部分的に切り欠かれており、図7のように、係合傾斜部526の厚さが一定となる部位527が存在する。図6および図7に示す送液具52の形状は一例に過ぎず、適宜変更されてよい。
図8は、第1濾布51aにおける流入開口518の近傍を拡大して示す図であり、図9は、図8中の矢印IX-IXの位置における第1濾布51aの断面図である。図9では、送液具52の図示を省略している。送液具保持部53は、保持シート531と、シート接合部532とを備える。保持シート531は、送液具52の外形よりも大きい略矩形であり、一対の濾布51a,51bの間にて、流入開口518および送液具52を覆う。保持シート531は、例えば、濾布51a,51bと同じ種類の合成繊維により形成される。保持シート531の厚さは、例えば0.5mmであり、濾布51a,51bよりも薄い。シート接合部532は、流入開口518が形成された第1濾布51aに対して、保持シート531の一部を縫製により接合する。すなわち、シート接合部532は、保持シート531の一部と第1濾布51aとの縫製部である。
図8に示すように、シート接合部532は、一対の第1接合部533と、一対の第2接合部534とを備える。一対の第1接合部533は、保持シート531において上下方向(Z方向)に延びる2つの縁に沿って、保持シート531を第1濾布51aに接合する。一対の第1接合部533の下端は、上下方向における保持シート531の中央近傍に位置する。一対の第2接合部534は、一対の第1接合部533の下端から連続し、保持シート531を第1濾布51aに接合する。各第2接合部534は、第1接合部533から内側、すなわち、流入開口518側に僅かに広がる。幅方向(X方向)における第2接合部534の幅は、第1接合部533の幅よりも広い。第2接合部534は、例えば、折り返し縫いにより形成される。図8では、第1接合部533の縫い目が、保持シート531の上方の上部縫製部511まで延びているが、第1接合部533は、当該縫い目のうち保持シート531と第1濾布51aとが重なる部分である。
幅方向において、一対の第1接合部533間の隙間の幅は、送液具52における係合傾斜部526(図6参照)の幅よりも大きい。また、一対の第2接合部534間の隙間の幅は、送液具52における送液具本体521の幅よりも大きく、係合傾斜部526の幅よりも小さい。濾布ユニット5では、保持シート531の上部側から、送液具52が、図9に示す保持シート531と第1濾布51aとの間に挿入される。送液具52における係合傾斜部526の下部が、一対の第2接合部534に引っ掛かることにより、送液具52が保持シート531と第1濾布51aとの間にて保持される。このように、シート接合部532により、保持シート531と第1濾布51aとの間にて送液具52を保持する保持構造が形成される。保持シート531は、第2濾布51bに接合されないため、送液具保持部53は、第2濾布51bに拘束されない状態で、送液具52を保持しているといえる。図8中に平行斜線を付す領域には、第1濾布51aの両面側から所定の樹脂を塗布することにより目止め加工が施され、樹脂層54が形成される。なお、濾板本体21の上側貫通孔213と重なる孔519の周囲等、濾布51a,51bの他の領域にも、必要に応じて樹脂層が形成されてもよい。
図10は、密着状態における複数の濾板2および複数の濾布ユニット5を示す図であり、移動方向に垂直なこれらの断面を示している。図10のフィルタプレス装置1では、互いに隣接する2つの濾板2の上方に1つの取付バー33が配置され、当該2つの濾板2の下方に1つの取付バー34が配置される。取付バー33,34は、ワイヤー等によりプーリー32(図1参照)に接続される。取付バー33は、一対の濾布51a,51bの袋状部512に挿入される。これにより、一対の濾布51a,51bが、吊り下げられた状態で、当該2つの濾板2間に配置される。また、取付バー34は、各濾板2の両主面210に接する第1濾布51aおよび第2濾布51bの袋状部514に挿入される。
既述のように、濾板本体21の一方の主面210(図10の例では、(-Y)側の主面210)には、給液口233が設けられる。第1濾布51aは、当該主面210に接する。一方、濾板本体21の他方の主面210、すなわち、(+Y)側の主面210には、給液口233は設けられず、ダイヤフラムシート22が設けられる。図2では、裏側の主面210に設けられるダイヤフラムシート22を破線にて示している。ダイヤフラムシート22は、ゴム(例えば天然ゴム)等の弾性材料により形成されるシート部材であり、伸縮性を有する。図2に示すように移動方向から見た場合に、ダイヤフラムシート22は、濾板本体21の濾過凹部215および係合凹部23よりも僅かに大きい外形を有する。すなわち、ダイヤフラムシート22は、濾過凹部215および係合凹部23を覆う。実際には、ダイヤフラムシート22は、濾布ユニット5の保持シート531の全体と移動方向に重なる。(+Y)側の主面210に設けられた濾過凹部215には流体(ガスまたは水)が供給可能であり、当該流体の供給により、図10中に二点鎖線にて示すように、ダイヤフラムシート22が当該濾過凹部215の底面から離れる方向に向かって凸状となる。
フィルタプレス装置1における原液の処理では、図1の進退機構43が、移動ヘッド41を固定ヘッド42に向かって移動させる。これにより、複数の濾板2が密着状態とされ、図10に示すように、互いに隣接する2つの濾板2の濾過凹部215間に濾過室20が形成される。このとき、当該2つの濾板2の係合凹部23間に送液具52が挟まれる。詳細には、送液具52の係合傾斜部526(図6参照)において一方の濾板2に対向する面が、当該濾板2における係合凹部23の外縁部231(図2参照)により案内または位置合わせされて、送液具52が当該濾板2の係合凹部23内に配置される。同様に、送液具52の係合傾斜部526において他方の濾板2に対向する面が、当該濾板2における係合凹部23の外縁部231により案内されて、送液具52が当該濾板2の係合凹部23内に配置される。密着状態では、送液具52の流入口522が第1濾布51aの流入開口518(図5参照)を介して給液口233に接続される。
密着状態が形成されると、各濾板2の給液口233から、第1濾布51aの流入開口518を介して送液具52の流入口522に原液が供給され、当該原液は、複数の流出口523(図7参照)から一対の濾布51a,51b間に流し込まれる。原液は濾布51a,51b間に高い圧力にて注入され、当該原液が濾布51a,51bにより濾過される。濾布51a,51bを通過した液体は、濾過凹部215の底面およびダイヤフラムシート22に形成された複数の溝を介して濾過室20の下部に移動し、当該下部に設けられた回収口にて回収される。原液の濾過により、各濾過室20には固形物、すなわち脱水ケーキが残留する。
給液口233からの原液の供給を停止した後、ダイヤフラムシート22と、濾板本体21の濾過凹部215の底面との間の空間に流体(ガスまたは水)を供給することにより、図10中に二点鎖線にて示すように、ダイヤフラムシート22が濾過凹部215の底面から離れる方向に凸状となる。これにより、濾過室20内の脱水ケーキに対する圧搾が行われる。脱水ケーキの圧搾が完了すると、ダイヤフラムシート22と濾板本体21との間における当該流体が除去され、ダイヤフラムシート22が当該濾板本体21側へと戻る。
その後、図1の進退機構43により移動ヘッド41が(-Y)方向に移動し、複数の濾板2の密着状態が解除される。フィルタプレス装置1では、移動ヘッド41および複数の濾板2が、連結部(図示省略)により連結されており、移動ヘッド41の(-Y)方向への移動により、互いに隣接する2つの濾板2の間に隙間が設けられる。そして、駆動軸31の回転により、複数のプーリー32が回転し、図10に示す取付バー33が下降するとともに、取付バー34が上昇する。正確には、取付バー34は、濾布51aと濾板本体21との間を上昇する。これにより、各濾布51a,51bが反転バー29を介して反転され、濾布51a,51bに付着した脱水ケーキが除去される。その後、駆動軸31が逆向きに回転することにより、取付バー33が上昇するとともに、取付バー34が下降し、一対の濾布51a,51bが図10に示す位置に戻される。これにより、フィルタプレス装置1による原液の処理が完了する。
図11および図12は、比較例の濾布ユニット9を示す図である。比較例の濾布ユニット9では、濾布ユニット5における保持シート531が省略され、一対の第1接合部921および一対の第2接合部922において、一対の濾布91同士が縫製により接合される。一対の第1接合部921は、上部縫製部911を超えて一対の濾布91の上端まで延びており、一対の濾布91の上端には、幅方向に延びるスリット912が形成される。また、一対の第1接合部921の間には、上部縫製部911は設けられない。比較例の濾布ユニット9では、スリット912を介して、一対の濾布91の間に送液具93が挿入される。
既述のように、フィルタプレス装置1では、複数の濾板2を互いに密着させた密着状態を形成する際に、隣接する2つの濾板2の間に送液具52が挟まれる。実際には、密着状態を形成する直前において、2つの濾板2の位置が、濾板2の主面210に沿う方向に僅かにずれていることがある。この場合、当該2つの濾板2の位置が、送液具52を介して互いに合わせられる。密着状態の形成直前では、濾布51a,51bと濾板2との間の摩擦により、各濾布51a,51bの位置が濾板2と共にずれる。
このようなフィルタプレス装置1において、仮に比較例の濾布ユニット9を用いる場合、密着状態の形成時に、濾布91同士を接合する接合部921,922を引き裂こうとする力が作用する。これにより、接合部921,922の縫い目の孔が広がって、ピンホールが発生する。換言すると、接合部921,922の一部(または、濾布91の一部)が破損する。特に、密着状態の形成時に、濾板2の係合凹部23が送液具93を押し下げようとすることが多くあり、この場合、第2接合部922の上部にピンホールが発生する。濾過の際に脱水ケーキが一対の濾布91間を広げようとして、第2接合部922の下部にピンホールが発生する場合もある。ピンホールが発生すると、原液に含まれる粒子が、ピンホールから一対の濾布91の外側(濾板2側)に漏れ出し、原液を適切に濾過することができなくなる。接合部921,922の縫い目の孔がさらに広がると、一対の濾布91から送液具93が脱落する可能性もある。なお、濾布91の縫い目に目止め加工を施す場合であっても、ピンホールは発生する。
これに対し、濾布ユニット5では、第1濾布51aに設けられる送液具保持部53が、第2濾布51bに拘束されない状態で、送液具52を保持する。すなわち、送液具保持部53において、第1濾布51aと第2濾布51bとが互いに接合されない。これにより、密着状態を形成する際に、互いに隣接する2つの濾板2の位置がずれている場合であっても、送液具52の保持に係る部位(送液具保持部53)に過度な力が作用することを抑制することができる。その結果、送液具保持部53の破損(例えば、縫い目の孔の広がり)や送液具52の脱落を防止することができる。
送液具保持部53では、送液具52における第2濾布51b側を覆う保持シート531の一部が、シート接合部532により第1濾布51aに接合され、保持シート531と第1濾布51aとの間にて送液具52を保持する保持構造が形成される。このような構成では、密着状態を形成する際に保持シート531と第2濾布51bとが滑ることにより、送液具52が係合凹部23内に移動しやすくなる(位置合わせされやすくなる)とともに、送液具保持部53に過度な力が作用することをさらに抑制することができる。また、シート接合部532が縫製部であることにより、保持シート531の一部と第1濾布51aとを適切に接合することができる。
フィルタプレス装置1では、濾板2に設けられたダイヤフラムシート22が、移動方向において送液具保持部53と重なる。これにより、送液具保持部53の厚さにより生じる濾板2間の密着性の低下を、ダイヤフラムシート22により抑制する(緩和する)ことができる。
ところで、比較例の濾布ユニット9では、既述のように、接合部921,922において一対の濾布91同士が接合されるため、一対の濾布91の上端に、送液具93を挿入するためのスリット912を形成する必要がある。また、送液具93を第2接合部922の近傍まで適切に案内するために、第1接合部921を濾布91の上端まで延ばす必要がある。さらに、一対の第1接合部921の間には、上部縫製部911を設けることができないため、上部縫製部911の形成の際に、各第1接合部921の位置において所定の末端処理を行う必要がある。
これに対し、図3の濾布ユニット5では、一対の濾布51a,51b間の隙間を広げる(例えば、両者がなす角度が180°になるように広げる)ことにより、送液具保持部53への送液具52の取り付けを容易に行うことが可能である。その結果、上記スリット912の形成を省略したり、上部縫製部の末端処理を省略して(すなわち、上部縫製部511を幅方向の全体に亘って形成して)、濾布ユニット5を比較例の濾布ユニット9に比べて容易に作製することが実現される。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係るフィルタプレス装置1aを示す図であり、図10に対応する図である。フィルタプレス装置1aでは、2種類の濾板2a,2bが移動方向(Y方向)に交互に設けられる。一方の種類の濾板は、普通濾板2aであり、他方の種類の濾板は、圧搾濾板2bである。
図14は、普通濾板2aの正面図であり、(-Y)側から(+Y)方向を向いて見た普通濾板2aを示している。普通濾板2aでは、上方に突出する図2の上側突出部211に代えて、幅方向(X方向)に突出する上側突出部217が設けられる。2つの上側突出部217は、濾板本体21の上部から(+X)方向および(-X)方向にそれぞれ突出する。また、普通濾板2aでは、濾板本体21の両主面210に給液口233が設けられる(図13参照)。他の構成は、図2の濾板2と同様であり、同じ構成に同じ符号を付す。
図13に示す圧搾濾板2bの濾板本体21は、両主面210に給液口233が設けられない点を除き、普通濾板2aの濾板本体21と同じ構造である。圧搾濾板2bは、濾板本体21に加えて、2つのダイヤフラムシート22を備える。2つのダイヤフラムシート22は、濾板本体21の両主面210にそれぞれ設けられる。ダイヤフラムシート22は、普通濾板2aには設けられない。
図14中に二点鎖線にて示すように、濾板支持部3は、一対のサイドバー35を備える。一対のサイドバー35は、幅方向における複数の濾板2a,2bの両側に設けられる。各サイドバー35は、移動方向に長く、支持フレーム10(図1参照)に支持される。各濾板2a,2bの上側突出部217の下面が、サイドバー35の上面に接触することにより、複数の濾板2a,2bが、移動方向に移動可能に支持される。上側突出部217は、ローラ等を介してサイドバー35に接触してもよい。なお、一方の上側突出部217には、ダイヤフラムシート22の作動用流体の流路を形成する貫通孔が設けられる。
図13に示すように、フィルタプレス装置1aの濾布ユニット5では、互いに隣接する2つの濾板2a,2b間に配置される一対の濾布51a,51bが分離しており、一対の濾布51a,51bは、当該2つの濾板2a,2bにそれぞれ取り付けられる。詳細には、一対の濾布51a,51bのうち、流入開口518が形成された第1濾布51a(図5参照)が、普通濾板2aの上面((+Z)方向を向く面)に固定ピン28により固定される。固定ピン28は、第1濾布51aを普通濾板2aに着脱可能に取り付ける取付部である。図13の例では、各普通濾板2aにおける濾板本体21の両主面210を覆う2つの第1濾布51aは、上部にて互いに連続しており、共通の固定ピン28により当該濾板本体21に取り付けられる。当該2つの第1濾布51aの下端は、当該濾板本体21の下方にて互いに接続される。
また、流入開口518が形成されない第2濾布51b(図4参照)が、圧搾濾板2bの上面に固定ピン28により取り付けられる。図13の例では、各圧搾濾板2bにおける濾板本体21の両主面210を覆う2つの第2濾布51bは、上部にて互いに連続しており、共通の固定ピン28により当該濾板本体21に固定される。当該2つの第2濾布51bの下端は、当該濾板本体21の下方にて互いに接続される。図13の濾布ユニット5における、送液具52および送液具保持部53は、図10の濾布ユニット5と同様である。送液具52は、第1濾布51aにおいて第2濾布51bに対向する面上に配置される。送液具保持部53は、第1濾布51aに設けられ、第2濾布51bに拘束されない状態で送液具52を保持する。
フィルタプレス装置1aでは、複数の普通濾板2aおよび複数の圧搾濾板2bが密着状態とされた際に、互いに対向する普通濾板2aの濾過凹部215と、圧搾濾板2bの濾過凹部215との間に濾過室20が形成される。このとき、普通濾板2aの係合凹部23と圧搾濾板2bの係合凹部23との間に送液具52が挟まれる。これにより、送液具52の流入口522が第1濾布51aの流入開口518(図5参照)を介して、普通濾板2aの給液口233に接続される。密着状態が形成されると、各普通濾板2aの給液口233から、第1濾布51aの流入開口518を介して送液具52の流入口522に原液が供給され、当該原液は、複数の流出口523(図7参照)から一対の濾布51a,51b間に流し込まれる。フィルタプレス装置1aにおける濾過および圧搾処理は、図1のフィルタプレス装置1と同様である。なお、各濾過室20に残留する脱水ケーキは、所定の手法にて除去される。
図15は、他の比較例のフィルタプレス装置8を示す図である。他の比較例のフィルタプレス装置8では、第1濾布82aが、固定ピンを用いることなく、普通濾板81aに対して固定される。具体的には、普通濾板81aの給液口810(ただし、濾過凹部813内に設けられる。)に筒状部材811が挿入されており、第1濾布82aの流入開口の周囲を押さえるリング812を筒状部材811に締結することにより、第1濾布82aが普通濾板81aに固定される。なお、第2濾布82bは、固定ピン83により圧搾濾板81bに固定される。他の比較例のフィルタプレス装置8では、第1濾布82aを交換する際に、リング812に付着した汚泥等の原液の影響により、リング812の取り外しに時間を要してしまう。
これに対し、図13のフィルタプレス装置1aでは、第1濾布51aにおいて、第2濾布51bに対向する面上に送液具52が設けられる。これにより、密着状態が形成された際に一対の濾布51a,51b間に原液を流し込む送液構造が、筒状部材811およびリング812を用いることなく実現される。また、原液の流路から外れた位置、すなわち、原則として原液が付着しない位置に設けられる取付部により、第1濾布51aが普通濾板2aに取り付けられる。その結果、取付部への原液の付着により濾布51a,51bの交換に支障が生じることを防止して、濾布51a,51bの交換を容易に行うことが可能となる。
また、圧搾濾板2bに設けられたダイヤフラムシート22が、移動方向において送液具保持部53と重なることにより、送液具保持部53の厚さにより生じる濾板2a,2b間の密着性の低下を、ダイヤフラムシート22により抑制することができる。送液具保持部53が、送液具52における第2濾布51b側を覆う保持シート531を含むことにより、密着状態を形成する際に保持シート531と第2濾布51bとを滑らせて、送液具保持部53に過度な力が作用することを抑制することができる。
上記濾布ユニット5およびフィルタプレス装置1,1aでは様々な変形が可能である。
図16に示すように、フィルタプレス装置1aにおいて、図10のフィルタプレス装置1と同様に、濾板本体21の一方の主面のみにダイヤフラムシート22が設けられ、他方の主面に給液口233が設けられる濾板構造が採用されてもよい。1種類の濾板2のみを用いる図16の例では、濾板の設計および製作が容易となる。同様に、図10のフィルタプレス装置1において、図13のフィルタプレス装置1aと同様に、普通濾板2aおよび圧搾濾板2bが用いられてもよい。
第1濾布51aにおいて送液具52および送液具保持部53が設けられる位置、並びに、濾板本体21において給液口233が設けられる位置は適宜変更されてよい。フィルタプレス装置1,1aの設計によっては、濾過凹部215と明確には区別されない位置(すなわち、濾過凹部215と重なる位置)に係合凹部23および給液口233が設けられてもよい。各濾布ユニット5に設けられる送液具52および送液具保持部53の個数は、1または3以上であってもよい。
シート接合部532の設計は適宜変更されてよく、例えば、第1接合部533が省略され、一対の第2接合部534のみが設けられてもよい。送液具保持部53は、ボルト等により送液具52を第1濾布51aに固定するものであってもよい。また、保持シート531が、樹脂等により形成されるフィルムであってもよく、保持シート531が、縫製以外の手法、例えば溶着により第1濾布51aに接合されてもよい。
第1濾布51aを普通濾板2aに取り付ける取付部は、原液の流路から外れた位置に設けられるのであるならば、普通濾板2aの上面以外に設けられてもよい。また、取付部が固定ピン28以外であってもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1,1a フィルタプレス装置
2,2a,2b 濾板
3 濾板支持部
4 濾板開閉機構
5 濾布ユニット
22 ダイヤフラムシート
28 固定ピン
41 移動ヘッド
42 固定ヘッド
51a,51b 濾布
52 送液具
53 送液具保持部
233 給液口
518 流入開口
531 保持シート
532 シート接合部

Claims (7)

  1. フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、
    上部が互いに接続しており、フィルタプレス装置において吊り下げられた状態で、互いに隣接する2つの濾板間に配置される一対の濾布と、
    前記一対の濾布間に配置され、一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、
    前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部と、
    を備え
    前記送液具保持部が、
    前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、
    前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合して、前記保持シートと前記一方の濾布との間にて前記送液具を保持する保持構造を形成するシート接合部と、
    を備え、
    前記シート接合部が、前記保持シートにおいて上下方向に延びる2つの縁に沿って、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の接合部を含むことを特徴とする濾布ユニット。
  2. フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、
    上部が互いに接続しており、フィルタプレス装置において吊り下げられた状態で、互いに隣接する2つの濾板間に配置される一対の濾布と、
    前記一対の濾布間に配置され、一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、
    前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部と、
    を備え、
    前記送液具保持部が、
    前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、
    前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合するシート接合部と、
    を備え、
    前記シート接合部が、
    前記保持シートにおいて上下方向に延びる2つの縁に沿って、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第1接合部と、
    前記一対の第1接合部の下端から内側に広がって、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第2接合部と、
    を備え、
    前記送液具の一部が、前記一対の第2接合部に引っ掛かることにより、前記送液具が保持されることを特徴とする濾布ユニット。
  3. フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、
    フィルタプレス装置において互いに隣接する2つの濾板間に配置されるとともに、前記2つの濾板にそれぞれ取り付けられる一対の濾布と、
    一方の濾布において他方の濾布に対向する面上に配置され、前記一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、
    前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部と、
    を備え、
    前記送液具保持部が、
    前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、
    前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合して、前記保持シートと前記一方の濾布との間にて前記送液具を保持する保持構造を形成するシート接合部と、
    を備え、
    前記一方の濾布が、原液の流路から外れた位置に設けられる取付部により濾板に取り付けられることを特徴とする濾布ユニット。
  4. フィルタプレス装置に用いられる濾布ユニットであって、
    フィルタプレス装置において互いに隣接する2つの濾板間に配置されるとともに、前記2つの濾板にそれぞれ取り付けられる一対の濾布と、
    一方の濾布において他方の濾布に対向する面上に配置され、前記一方の濾布に形成された開口を介して供給される原液を前記一対の濾布間に流し込む送液具と、
    前記一方の濾布に設けられ、他方の濾布に拘束されない状態で、前記送液具を保持する送液具保持部と、
    を備え、
    前記送液具保持部が、
    前記送液具における前記他方の濾布側を覆う保持シートと、
    前記保持シートの一部を前記一方の濾布に接合するシート接合部と、
    を備え、
    前記シート接合部が、
    前記保持シートにおいて上下方向に延びる2つの縁に沿って、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第1接合部と、
    前記一対の第1接合部の下端から内側に広がって、前記保持シートを前記一方の濾布に接合する一対の第2接合部と、
    を備え、
    前記送液具の一部が、前記一対の第2接合部に引っ掛かることにより、前記送液具が保持されることを特徴とする濾布ユニット。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の濾布ユニットであって、
    前記シート接合部が、前記保持シートの前記一部と前記一方の濾布との縫製部であることを特徴とする濾布ユニット。
  6. フィルタプレス装置であって、
    移動方向に配列される複数の濾板と、
    前記複数の濾板のうち互いに隣接する2つの濾板間に配置される請求項1ないしのいずれか1つに記載の濾布ユニットと、
    前記複数の濾板を前記移動方向に移動可能に支持する濾板支持部と、
    前記移動方向において前記複数の濾板を挟んで配置される移動ヘッドおよび固定ヘッドを有し、前記移動方向への前記移動ヘッドの移動により、前記複数の濾板を前記移動方向に互いに密着させた密着状態と、前記密着状態を解除した解除状態とを選択的に形成する濾板開閉機構と、
    を備えることを特徴とするフィルタプレス装置。
  7. 請求項に記載のフィルタプレス装置であって、
    前記2つの濾板の一方が、ダイヤフラムシートを備え、
    前記ダイヤフラムシートが、前記移動方向において前記送液具保持部と重なることを特徴とするフィルタプレス装置。
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