JP7036650B2 - 水素供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素を供給する水素供給装置に関する。
水素を使用する設備や装置(例えば、水素ステーションや燃料電池車)へ水素を供給するための様々な水素供給装置が開発されている(特許文献1を参照)。水素は、水を電気分解する水電解装置によって生成されることもある。この場合、水電解装置から得られる原料水素ガスには水素だけでなく水蒸気も含まれる。原料水素ガスに含有される水蒸気を減らし高純度の水素を得るために除湿装置が水電解装置とともに併用されることが一般的である。
特開2017-137913号公報
除湿装置にはTSA(Thermal Swing Adsorption)方式(温度変動吸着法)やPSA(Pressure Swing Adsorption)方式(圧力変動吸着法)が採用されることが一般的である。TSA方式の下では高い回収率で高純度の水素が得られるけれども、原料水素ガス内の水蒸気を吸着する吸着剤に熱を供給する設備が必要とされる。一方、PSA方式の下では熱を供給する設備は必要とされないけれども回収率の面でTSA方式に劣ることが知られている。
本発明は、圧力変動吸着法の下でも高純度の水素を効率よく生成並びに供給する水素供給装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る水素供給装置は、水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、前記格納部において圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御を定めた制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備える。前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含む。前記制御部は、前記吸着工程において前記水を電気分解するために前記ガス生成部へ供給された電力を検出する電力検出部を含んでおり、前記電力検出部によって検出された前記電力の減少に応じて、前記パージ工程において前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を低減するように前記除湿部を制御する。
本発明の他の局面に係る水素供給装置は、水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御を定めた制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備えている。前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含んでいる。前記制御部は、前記吸着工程において前記水が電気分解されることによって生成された前記原料水素ガス又は酸素の量を検出するガス検出部を含んでおり、前記ガス検出部によって検出された前記原料水素ガス又は前記酸素の量の減少に応じて、前記パージ工程において前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を低減するように前記除湿部を制御する。
上記の構成によれば、制御部は水蒸気を吸着する吸着処理の後の吸着剤の吸着性能を回復するために案内経路を通じて格納部へ送り込まれる製品水素ガスの量を低減するように除湿部を制御するので、吸着剤の吸着性能を回復するための製品水素ガスの消費量が少なくなる。吸着剤の吸着性能を回復するために必要な製品水素ガス以上の量の製品水素ガスが使用されることが抑制されるので、水素供給装置はより多くの製品水素ガスを生成並びに供給することができる。具体的には、電力検出部が検出した電力が小さいとき、ガス生成部は、小さな電力の下で原料水素ガスを生成している。このとき、ガス生成部が生成する原料水素ガスは少なくなる。したがって、ガス生成部が生成している原料水素ガスが多いか少ないかは、電力検出部が検出した電力に基づいて判断可能である。このため、電力検出部によって検出された電力に基づいて、制御部は、製品水素ガスの量を低減するように除湿部を制御することができる。ガス検出部が原料水素ガスの量を検出するように形成されていれば、ガス生成部が生成している原料水素ガスの量は、直接的に判断可能である。原料水素ガスに代えて、ガス検出部が酸素の量を検出していても、ガス生成部が生成している原料水素ガスが多いか少ないかは判断可能である。すなわち、ガス検出部が検出した酸素量が少ないとき、ガス生成部が少ない量の原料水素ガスを生成していることが分かる。したがって、ガス検出部によって検出された酸素又は原料水素ガスの量に基づいて、制御部は、製品水素ガスの量を低減するように除湿部を制御することができる。
吸着剤の吸着性能を回復するために格納部に供給される製品水素ガスが低減されるとき、ガス生成部が生成する原料水素ガスも減少している。すなわち、少量の原料水素ガスが格納部内の吸着剤による水蒸気の吸着処理を受けている。このとき吸着剤に吸着された水蒸気の量も少なくなるので、案内経路を通じて格納部へ送り込まれた製品水素ガスが原料水素ガスの減少に応じて低減されても吸着剤の吸着性能は適切に回復される。
上記の構成に関して前記制御部は、前記吸着工程と、前記減圧工程と、前記パージ工程と、前記昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御をそれぞれ定めた前記制御シーケンスを含む複数の制御シーケンスのうち1つを選択するとともに前記選択された制御シーケンスに従って前記除湿部を制御してもよい。前記複数の制御シーケンスは前記パージ工程において前記格納部へ供給される前記製品水素ガスの前記量において互いに相違するように構築されていてもよい。
上記の構成によれば、吸着工程、減圧工程、パージ工程及び昇圧工程における除湿部に対する制御をそれぞれ定めた複数の制御シーケンスは、パージ工程において格納部へ供給される製品水素ガスの量において互いに相違するように構築されているので、制御部はガス生成部が生成した原料水素ガスの量に適した量の製品水素ガスがパージ工程において格納部へ供給されるように制御シーケンスを選択し、除湿部を制御することができる。適切な制御シーケンスが選択されると吸着剤の吸着機能の回復に必要とされる量を過度に上回る量の製品水素ガスはパージ工程において供給されないので、製品水素ガスは吸着剤の吸着機能の回復のために浪費されない。
製品水素ガスの浪費を抑制するために複数の制御シーケンスが用意されるので、除湿部の制御に用いられる制御シーケンスを選択するだけで、吸着工程、減圧行程、パージ工程及び昇圧工程といった一連の工程が選択された制御シーケンスにしたがって実行される。すなわち、製品水素ガスの浪費を抑制するための除湿部の動作モードの切替が容易に実行される。
上記の構成に関して、前記除湿部は前記制御部の制御下で前記案内経路を開いたり閉じたりする制御弁を含んでもよい。前記制御部は、前記パージ工程において前記制御弁が前記案内経路を開いている開期間が前記原料水素ガスの前記減少に応じて短縮されるように前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択してもよい。
上記の構成によれば、制御部はパージ工程において制御弁が案内経路を開いている開期間が原料水素ガスの減少に応じて短縮されるように複数の制御シーケンスのうち1つを選択するので、ガス生成部が生成する原料水素ガスが少ないときパージ工程において少ない量の製品水素ガスが格納部へ供給される。したがって、吸着剤の吸着機能の回復に必要とされる量を過度に上回る量の製品水素ガスはパージ工程において供給されない。すなわち、製品水素ガスは吸着剤の吸着機能の回復のために浪費されない。
上記の構成に関して、前記除湿部は前記制御部の制御下で前記案内経路を開いたり閉じたりする制御弁を含んでもよい。前記制御部は、前記パージ工程における前記制御弁の開度が前記原料水素ガスの前記減少に応じて低減されるように前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択してもよい。
上記の構成によれば、制御部はパージ工程における制御弁の開度が原料水素ガスの減少に応じて低減されるように複数の制御シーケンスのうち1つを選択するので、ガス生成部が生成する原料水素ガスが少ないときパージ工程において少ない量の製品水素ガスが格納部へ供給される。したがって、吸着剤の吸着機能の回復に必要とされる量を過度に上回る量の製品水素ガスはパージ工程において供給されない。すなわち、製品水素ガスは吸着剤の吸着機能の回復のために浪費されない。
本発明の他の局面に係る水素供給装置は、水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御をそれぞれ定めた複数の制御シーケンスのうち1つを前記ガス生成部の動作状態に応じて選択するとともに前記選択された制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備えている。前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含んでいる。前記制御部は、前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を前記ガス生成部によって生成された前記原料水素ガスの減少に応じて低減するように前記除湿部を制御する。前記複数の制御シーケンスは、前記パージ工程において前記格納部へ供給される前記製品水素ガスの前記量において互いに相違するように構築されている。前記制御部は前記水を電気分解するために前記ガス生成部へ供給された電力を前記ガス生成部の前記動作状態として検出する電力検出部と、前記電力検出部によって検出された前記電力に基づいて前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択する選択部と、を含んでいる
上記の構成によれば、電力検出部が検出した電力が小さいときガス生成部は小さな電力の下で原料水素ガスを生成している。このときガス生成部が生成する原料水素ガスは少なくなる。したがって、ガス生成部が生成している原料水素ガスが多いか少ないかは電力検出部が検出した電力に基づいて判断可能である。したがって電力検出部によって検出された電力に基づいて、選択部はガス生成部が生成した原料水素ガスの減少に応じてパージ工程において格納部に供給される製品水素ガスが低減されるように複数の制御シーケンスのうち1つを選択することができる。
本発明の他の局面に係る水素供給装置は、水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御をそれぞれ定めた複数の制御シーケンスのうち1つを前記ガス生成部の動作状態に応じて選択するとともに前記選択された制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備えている。前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含んでいる。前記制御部は、前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を前記ガス生成部によって生成された前記原料水素ガスの減少に応じて低減するように前記除湿部を制御する。前記複数の制御シーケンスは、前記パージ工程において前記格納部へ供給される前記製品水素ガスの前記量において互いに相違するように構築されている。前記制御部は前記水が電気分解されることによって生成された前記原料水素ガス又は酸素の量を前記ガス生成部の前記動作状態として検出するガス検出部と、前記ガス検出部によって検出された前記原料水素ガス又は前記酸素の前記量に基づいて前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択する選択部と、を含んでいる
上記の構成によれば、ガス検出部が原料水素ガスの量を検出するように形成されているとき、ガス生成部が生成している原料水素ガスの量は直接的に判断可能である。原料水素ガスに代えてガス検出部が酸素の量を検出していてもガス生成部が生成している原料水素ガスが多いか少ないかは判断可能である。すなわちガス検出部が検出した酸素量が少ないとき、ガス生成部が少ない量の原料水素ガスを生成していることが分かる。したがってガス検出部によって検出された酸素又は原料水素ガスの量に基づいて、選択部はガス生成部が生成した原料水素ガスの減少に応じてパージ工程において格納部に供給される製品水素ガスが低減されるように複数の制御シーケンスのうち1つを選択することができる。
上記の構成に関して前記制御部は、前記複数の制御シーケンスのうち1つによって定められた前記吸着工程、前記減圧工程、前記パージ工程及び前記昇圧工程が実行された後において次の吸着工程が始まる前に前記ガス生成部の前記動作状態を確認し、前記確認された動作状態に対応する制御シーケンスを前記複数の制御シーケンスから選択してもよい。
上記の構成によれば、吸着工程、減圧工程、パージ工程及び昇圧工程が実行された後において次の吸着工程が始まる前に制御シーケンスがガス生成部の動作状態に基づいて切り替えられる。圧力変動吸着法の下での一連の制御工程が完了した後において次の吸着工程が始まる前に制御シーケンスの切替が行われるので、制御シーケンスの切替は除湿部内での水素の高純度化のための処理にほとんど影響しない。すなわち、水素の純度に関する所定の基準を満たした製品水素ガスが高い信頼性を以て生成される。
上述の水素供給装置は、圧力変動吸着法の下で高純度の水素を効率よく生成並びに供給することができる。
例示的な水素供給装置の概略図である。 水素供給装置の除湿部の動作を表す概略図である。 除湿部を制御する制御部を表す概略的なブロック図である。 制御部が用いる第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスが定める減圧工程、昇圧工程、保持工程及び吸着工程の実行期間の長さを表す表である。 制御部の選択動作を表す概略的なフローチャートである。 水素供給装置が生成した製品水素ガスの量、既存の水素供給装置が生成した製品水素ガスの量及び原料水素ガスの生成に用いられた電力の時間変動を表すグラフである。 他の制御シーケンスを示す表である。
<水素供給装置の概略的な構造>
図1は例示的な水素供給装置100の概略図である。図1を参照して、水素供給装置100が説明される。
水素供給装置100は水を電気分解し、原料水素ガスを生成する。原料水素ガスには水蒸気が少なからず含まれているので、水素供給装置100は原料水素ガスに対して除湿処理を行い、製品水素ガスを生成する。製品水素ガスは、水素供給装置100から水素ステーション101へ供給される。水素ステーション101は燃料電池車への製品水素ガスの供給に利用される。
原料水素ガスを生成する部位として、水素供給装置100はガス生成部111と、電力生成部112と、水素分離タンク113と、酸素分離タンク114と、給水タンク115と、ポンプ116と、を備える。ガス生成部111は電力生成部112が生成した電力を用いて水を酸素と水素(すなわち、原料水素ガス)とに電気分解する部位である。水素分離タンク113及び酸素分離タンク114は、ガス生成部111から原料水素ガス及び酸素とともに排出された水を原料水素ガス及び酸素から分離する部位である。給水タンク115及びポンプ116は電気分解される水をガス生成部111へ供給するための部位である。これらの部位が以下に説明される。
ポンプ116は給水タンク115に蓄えられた水を吸い出し、吸い出された水を酸素分離タンク114へ送る。水はその後、酸素分離タンク114からガス生成部111へ供給される。酸素分離タンク114からガス生成部111への供給経路において水は所定の処理(たとえば、濾過や加熱)を受ける。所定の処理を受けた水はガス生成部111によって水素(すなわち、原料水素ガス)と酸素とに電気分解される。
電気分解に利用される電力は電力生成部112によって生成される。電力生成部112は自然エネルギ(たとえば、太陽光、太陽熱、風力、水力や波力)を電力に変換する。電力は電力生成部112からガス生成部111へ供給される。
ガス生成部111が電力生成部112から供給された電力を用いて生成した原料水素ガス及び酸素は水素分離タンク113及び酸素分離タンク114へそれぞれ送られる。水素分離タンク113及び酸素分離タンク114それぞれの中には所定量の水が蓄えられている。原料水素ガス及び酸素は水素分離タンク113及び酸素分離タンク114内の水に放出される。この結果、原料水素ガス及び酸素はこれらとともにガス生成部111から排出された水から分離される。酸素は空気中に放出されてもよいし、酸素を利用する他の装置に供給されてもよい。酸素とともに水の電気分解によって生成された原料水素ガスは高い湿度を有している。湿度を低減するために、原料水素ガスは除湿処理を受ける。
除湿処理を行う部位として、水素供給装置100は除湿部120を備える。除湿部120はPSA方式の下で、原料水素ガスに含まれる水蒸気の量を低減する。
除湿部120は、第1タンク121と、第2タンク122と、バッファタンク123と、複数の制御弁131~139と、を含む。第1タンク121及び第2タンク122それぞれは、原料水素ガスに含まれる水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部として用いられる。吸着剤が原料水素ガス中の水蒸気を吸着する結果、原料水素ガスの湿度は低減され、低い湿度を有する製品水素ガスが生成される。製品水素ガスが貯留される部位としてバッファタンク123が用いられる。バッファタンク123に貯留された製品水素ガスの大部分は水素ステーション101からの要求に応じて、水素ステーション101へ供給される一方で、一部の製品水素ガスは、吸着剤に吸着された水分を吸着剤から分離し吸着剤の吸着性能を回復するためのパージガスとして利用される。パージガスの供給(バッファタンク123から第1タンク121又は第2タンク122への製品水素ガスの供給)、原料水素ガスの供給(水素分離タンク113から第1タンク121又は第2タンク122への原料水素ガスの供給)並びに第1タンク121及び第2タンク122内の圧力を制御するために、制御弁131~139が用いられる。
制御弁131,132は水素分離タンク113から第1タンク121及び第2タンク122への原料水素ガスの供給経路上にそれぞれ配置されている。制御弁133,134は第1タンク121及び第2タンク122からバッファタンク123への製品水素ガスの供給経路上にそれぞれ配置されている。制御弁135,136,137はバッファタンク123から第1タンク121及び第2タンク122への上述のパージガスの案内経路上に配置されている。バッファタンク123から第1タンク121及び第2タンク122へのパージガスの案内経路は、第1タンク121及び第2タンク122へのパージガスの供給に共通して用いられるようにバッファタンク123から延設された主管140と、主管140から第1タンク121への経路を形成する第1副管141と、主管140から第2タンク122への経路を形成する第2副管142と、を含む。第2副管142は第2タンク122と制御弁134とを繋ぐ管路に連結されている一方で、第1副管141は第1タンク121と制御弁133とを繋ぐ管路に連結されている。第1副管141、第2副管142及び主管140には、制御弁136,137,135がそれぞれ取り付けられている。制御弁138,139は第1タンク121及び第2タンク122からのパージガスの放出経路上にそれぞれ配置されている。
制御弁131~139が開いたり閉じたりする結果、第1タンク121及び第2タンク122内の圧力が変化する。第1タンク121及び第2タンク122内の圧力が高いとき、第1タンク121及び第2タンク122内に格納された吸着剤は原料水素ガスに含まれる水蒸気を効果的に吸着する(PSA方式の吸着処理)。吸着剤に水蒸気を吸着させるための除湿部120の動作が以下に説明される。
<除湿部の動作>
図2は除湿部120の動作を表す概略図である。図1及び図2を参照して、除湿部120の概略的な動作が説明される。
除湿部120内において、吸着工程、減圧工程、パージ工程、保持工程及び昇圧工程が順次行われる。吸着工程は水素分離タンク113から供給された原料水素ガスに含まれる水蒸気を吸着剤に吸着させるために実行される。吸着工程の後の減圧工程は、原料水素ガスからの水蒸気の吸着処理に用いられた吸着剤から水分を分離しやすい圧力環境を作り出すために実行される。パージ工程は減圧工程において作り出された圧力環境下で吸着剤から水分を分離するために実行される。パージ工程の後の保持工程において、吸着剤からの水分の分離に用いられるパージガスの供給及び排出が停止される。保持工程の次の昇圧工程は、吸着工程に適した高圧環境を作り出すために行われる。これらの工程が以下に説明される。
第1タンク121内での吸着工程において、原料水素ガスが水素分離タンク113から第1タンク121を通じてバッファタンク123へ供給される。このとき第1タンク121の圧力は高い値に設定され、第1タンク121内に格納された吸着剤は原料水素ガスに含まれる水蒸気を効果的に吸着する。吸着剤に原料水素ガス内の水蒸気を吸着させる吸着工程の後の減圧工程において、第1タンク121内の圧力が低減される。第1タンク121内の降圧の後にパージ工程が行われ、バッファタンク123から第1タンク121へ製品水素ガスがパージガスとして供給される。パージガスは最終的に除湿部120から放出される。パージガスが所定期間第1タンク121に供給され第1タンク121内の吸着剤から水分が分離された後、保持工程が実行される。保持工程において、第1タンク121へのパージガスの流入及び第1タンク121からのパージガスの流出が停止される。保持工程が所定期間行われた後に昇圧工程が行われ、第1タンク121内の圧力は高い値に設定される。その後、上述の吸着工程が行われる。すなわち、吸着工程、減圧工程、パージ工程、保持工程及び昇圧工程からなる一連の処理が繰り返し行われる。
第1タンク121内での一連の処理の間、第2タンク122内の圧力も調整される。第1タンク121内で吸着工程が実行されている間、第2タンク122内では減圧工程、パージ工程、保持工程及び昇圧工程が順次行われる。第2タンク122内での昇圧工程が終了すると、第2タンク122内では吸着工程が実行される。第2タンク122内での吸着工程の間、第1タンク121内では減圧工程、パージ工程及び昇圧工程が順次行われる。第1タンク121内での吸着工程、減圧工程、パージ工程、保持工程及び昇圧工程での圧力の変化に関する説明は第2タンク122内での圧力変動に援用される。
第1タンク121及び第2タンク122内での吸着工程、減圧工程、パージ工程、保持工程及び昇圧工程の間の圧力は、制御弁131~139の開閉動作によって調整される。これらの工程の間の制御弁131~139の開閉動作が以下に説明される。
第1タンク121において吸着工程が行われている間、制御弁131,133が開かれている一方で、制御弁136,138は閉じられている。制御弁131が開かれる結果、水素分離タンク113から第1タンク121への原料水素ガスの供給経路が開かれる。このとき、制御弁138は閉じられているので、制御弁131を通じて第1タンク121へ流入した原料水素ガスは制御弁138を通じて除湿部120から排気されない。第1タンク121へ流入した原料水素ガスに含まれる水蒸気は第1タンク121内に格納された吸着剤によって吸着される。この結果、湿度が低減された製品水素ガスが第1タンク121内で生成される。製品水素ガスは第1タンク121からバッファタンク123へ流れる。このとき制御弁136は閉じられているので、第1タンク121から流出した製品水素ガスは第1副管141に流入することなく制御弁133を通じてバッファタンク123に流入する。
第1タンク121から制御弁133を通じてバッファタンク123へ製品水素ガスが供給される間、第2タンク122内の圧力を減ずる減圧工程が行われる。第2タンク122内での減圧工程の間、制御弁139は開かれている。この結果、第2タンク122内のガスは除湿部120から放出され、第2タンク122内の圧力は低減される。この間、制御弁132,134,135,137は閉じられている。制御弁132が閉じられているので、原料水素ガスは第2タンク122に供給されることなく、水素分離タンク113から第1タンク121へ専ら供給される。制御弁134,135,137も閉じられているので、第1タンク121内で作り出された製品水素ガスは第2タンク122へ供給されない。したがって、第2タンク122は効率的に減圧され、吸着剤から水分を分離するのに適した環境になる。
第2タンク122の減圧の後のパージ工程において、制御弁135,137の状態は閉状態から開状態に切り替えられる。一方、他の制御弁131~134,136,138,139の状態は維持される。したがって、第2タンク122内でのパージ工程の間も、原料水素ガスは第1タンク121に専ら供給され、第1タンク121内で製品水素ガスが作り出される。製品水素ガスはその後、制御弁133を通じて第1タンク121からバッファタンク123へ供給される。バッファタンク123に供給された製品水素ガスの一部は、制御弁135,137が開かれる結果、第2タンク122へパージガスとして供給される。このとき、制御弁139は開状態を維持しているので、第2タンク122内の吸着剤から水分を分離し高湿度になったパージガスは制御弁139を通じて除湿部120から放出される。
第2タンク122内の吸着剤から水分が十分に分離されると、保持工程が行われる。保持工程において、制御弁135,137,139の状態は開状態から閉状態へ切り替えられる。このとき、制御弁132,134の閉状態は維持される。この結果、第2タンク122へのパージガスの流入及び第2タンク122からのパージガスの流出は停止される。パージガスの流入出が所定期間停止された後、昇圧工程が行われる。
昇圧工程において制御弁135,137の状態が閉状態から開状態に切り替えられる一方で、制御弁132,134,139の閉状態は維持される。この結果、制御弁135,137を通じて製品水素ガスはバッファタンク123から第2タンク122へ流入する一方で、第2タンク122からは流出しない。したがって、第2タンク122の内圧は昇圧工程の間増加する。
第2タンク122内の圧力が十分に上がると、第2タンク122内では吸着工程が実行される一方で、第1タンク121内では減圧工程、パージ工程、保持工程及び昇圧工程が順次行われる。第2タンク122内での吸着工程が開始されると、制御弁132,134の状態は閉状態から開状態に切り替えられる一方で、制御弁137の状態は開状態から閉状態に切り替えられる。このとき、制御弁139の閉状態は維持される。これらの制御弁132,134,137,139の状態は第2タンク122内での吸着工程が終了するまで維持される。
第2タンク122内での吸着工程の開始に略同期して、第1タンク121内での吸着工程は減圧工程に切り替えられる。吸着工程から減圧工程への切替に伴って、制御弁131,133,135の状態は開状態から閉状態へ切り替えられる。これらの制御弁131,133,135とは逆に、制御弁138の状態は閉状態から開状態に切り替えられる。このとき、制御弁136の状態は閉状態に維持される。
制御弁131,133,135,136が閉状態に設定されているので、原料水素ガスは水素分離タンク113から第2タンク122へ専ら供給される。第2タンク122内の吸着剤が原料水素ガスを除湿する結果得られた製品水素ガスは開状態にある制御弁134を通じてバッファタンク123に流入し、バッファタンク123に留められる。このとき、第1タンク121内のガスは開状態にある制御弁138を通じて除湿部120から放出される。この結果、第1タンク121は減圧される。
第1タンク121が十分に減圧されると、パージ工程が実行される。パージ工程において、制御弁135,136の状態は閉状態から開状態に切り替えられる。この結果、バッファタンク123に貯えられた製品水素ガスの一部はパージガスとして第1タンク121へ供給される。パージガスは第1タンク121内の吸着剤から水分を除去した後、開状態にある制御弁138を通じて除湿部120から放出される。
第1タンク121内の吸着剤から水分が十分に除去された後、保持工程が行われる。保持工程において、制御弁135,136,138の状態は開状態から閉状態へ切り替えられる。このとき、制御弁131,133の閉状態は維持される。この結果、第1タンク121へのパージガスの流入及び第1タンク121からのパージガスの流出は停止される。パージガスの流入出が所定期間停止された後、昇圧工程が行われる。
昇圧工程において制御弁135,136の状態は閉状態から開状態に切り替えられる。この結果、制御弁135,136を通じて製品水素ガスはバッファタンク123から第1タンク121へ流入する。この間、第1タンク121に繋がる経路に配置された制御弁131,133,138は閉じられているので、第1タンク121からの製品水素ガスの流出は生じない。この結果、第1タンク121の圧力は増加する。第1タンク121内の圧力が十分に高くなると、第1タンク121内において上述の吸着工程が行われる一方で、第2タンク122内の吸着工程は終了し上述の減圧工程が実行される。
第1タンク121及び第2タンク122内のパージ工程及び保持工程それぞれの実行期間は、電力生成部112が生成する電力量に基づいて調整される。これらの実行期間を調整するための制御技術が以下に説明される。
<制御構造>
図3は除湿部120を制御する制御部を表す概略的なブロック図である。図1乃至図3を参照して、除湿部120を制御する制御部が説明される。
図3は制御部として、電力検出部151と制御装置152とを示す。電力検出部151は電力生成部112からガス生成部111へ供給される電力「P」を検出し、検出された電力「P」を表す電力通知信号を生成する。電力通知信号は電力検出部151から制御装置152へ出力される。制御装置152は電力通知信号が示す電力「P」の値に応じて弁群150(すなわち、制御弁131~138)を制御する。弁群150は制御装置152の制御下で図2を参照して説明された開閉動作を実行する。
弁群150を制御するために制御装置152へ出力される電力通知信号が示す電力「P」の値は、電力生成部112の使用環境に依存する。電力生成部112が太陽光エネルギを電力に変換する太陽光発電装置であるならば、晴天時には電力「P」の値は大きくなる一方で、曇天時や雨天時には電力「P」の値は小さくなる。電力「P」の値に応じて、ガス生成部111が生成する原料水素ガスの量(単位時間当たりの生成量)は大凡定まる。すなわち電力「P」が小さいとき、原料水素ガスの生成量は小さくなる。一方電力「P」が大きいとき、原料水素ガスの生成量は大きくなる。
原料水素ガスの生成量が少ないとき、吸着工程下にある第1タンク121又は第2タンク122内の吸着剤が吸着する水蒸気の量は少なくなる。この場合、吸着工程の後に行われるパージ工程において吸着剤からの水分の分離に用いられるパージガスの必要量も少なくなる。一方、原料水素ガスの生成量が多いときには吸着工程下にある第1タンク121又は第2タンク122内の吸着剤が吸着する水蒸気の量は多くなるので、パージ工程において吸着剤からの水分の分離に用いられるパージガスの必要量も多くなる。すなわち、パージガスの必要量は電力生成部112が生成する電力「P」に応じて変動する。電力「P」の変化に合わせてパージガスとして用いられる製品水素ガスの量が適切に調整されるように、制御装置152は構築されている。制御装置152の概略的な機能構成が以下に説明される。
制御装置152は、選択部153と記憶部154と弁制御部155とを含む。選択部153及び記憶部154は電力通知信号が示す電力「P」の値に適した制御シーケンスを選択するために用いられる。弁制御部155は選択された制御シーケンスにしたがって弁群150を制御する。制御装置152のこれらの要素が以下に説明される。
選択部153は、電力検出部151から出力された電力通知信号を受信する。選択部153は電力通知信号が示す電力「P」の値に基づき、記憶部154に記憶された複数の制御シーケンスから適切なものを選択する。複数の制御シーケンスとして、図3は第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスを示す。第1制御シーケンスは電力通知信号が示す電力「P」が所定の電力閾値「P1」を上回っているときに、選択部153によって選択される。第2制御シーケンスは電力通知信号が示す電力「P」が電力閾値「P1」以下であり、且つ、電力閾値「P1」より下の他のもう1つの電力閾値「P2」を上回っているときに、選択部153によって選択される。第3制御シーケンスは電力通知信号が示す電力「P」が電力閾値「P2」以下であり、且つ、電力閾値「P2」より下の他のもう1つの電力閾値「P3」を上回っているときに、選択部153によって選択される。第4制御シーケンスは電力通知信号が示す電力「P」が電力閾値「P3」以下であり、且つ、電力閾値「P3」より下の他のもう1つの電力閾値「P4」を上回っているときに、選択部153によって選択される。第4制御シーケンスは電力通知信号が示す電力「P」が電力閾値「P4」以下であるときに、選択部153によって選択される。
選択された制御シーケンスは選択部153から弁制御部155へ出力される。弁制御部155は選択部153から受け取った制御シーケンスに基づき弁群150を制御する。
弁群150の制御に用いられる第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスはパージ工程及び保持工程の実行期間の長さにおいて互いに異なる。減圧工程、昇圧工程及び吸着工程の実行期間の長さは第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスの間で共通している。第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスが定める各工程の実行期間の長さが以下に説明される。
図4は、第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスが定める減圧工程、昇圧工程、保持工程及び吸着工程の実行期間の長さを表す表である。図1乃至図4を参照して、第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスによって定められる制御内容が説明される。
図4は、図2を参照して説明された一連の処理工程をステップ1乃至ステップ8に分割している。ステップ1において、第1タンク121内では吸着工程が実行される一方で、第2タンク122内では減圧工程が実行される。ステップ1の後のステップ2において、第1タンク121内では吸着工程が実行される一方で、第2タンク122内ではパージ工程が実行される。ステップ2の後のステップ3において、第1タンク121内では吸着工程が実行される一方で、第2タンク122内では保持工程が実行される。ステップ3の後のステップ4において、第1タンク121内では吸着工程が実行される一方で、第2タンク122内では昇圧工程が実行される。ステップ4の後のステップ5において、第1タンク121内では減圧工程が実行される一方で、第2タンク122内では吸着工程が実行される。ステップ5の後のステップ6において、第1タンク121内ではパージ工程が実行される一方で、第2タンク122内では吸着工程が実行される。ステップ6の後のステップ7において、第1タンク121内では保持工程が実行される一方で、第2タンク122内では吸着工程が実行される。ステップ7の後のステップ8において、第1タンク121内では昇圧工程が実行される一方で、第2タンク122内では吸着工程が実行される。
吸着工程及び減圧工程が併行して実行されるステップ1及びステップ5の実行期間として、「t1」の長さが割り当てられている。吸着工程及び昇圧工程が併行して実行されるステップ4及びステップ8の実行期間として、「t4」の長さが割り当てられている。本実施形態に関して、期間長「t4」は期間長「t1」に等しい。しかしながら、期間長「t4」は期間長「t1」とは異なる値であってもよい。
ステップ1及びステップ5の期間長「t1」,「t4」が第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスに亘って共通している一方で、第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスの他のステップの実行期間は互いに相違している。これらのステップの実行期間長が以下に説明される。
吸着工程及びパージ工程が併行して実行されるステップ2及びステップ6で実行されるパージ工程の実行期間の長さは、第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスに対して互いに異なる値に設定されている。第1制御シーケンスのステップ2及びステップ6それぞれの期間長に対して、「t2」の長さが割り当てられている。第2制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長は、所定の正の値「α2」だけ第1制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長より短い。第3制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長は、所定の正の値「α3(>α2)」だけ第1制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長より短い。第4制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長は、所定の正の値「α4(>α3)」だけ第1制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長より短い。第4制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長は、所定の正の値「α5(>α4)」だけ第1制御シーケンスのステップ2及びステップ6の期間長より短い。したがって、電力通知信号が表す電力「P」の値が小さいほどステップ2及びステップ6の実行期間は短くなる。
ステップ2及びステップ6の実行期間とは異なり、吸着工程及び保持工程が併行して実行されるステップ3及びステップ7の実行期間の長さは電力通知信号が表す電力「P」の値が小さいほど大きな値に設定される。第1制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長に対して、「t3」の長さが割り当てられている。第2制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長は、所定の正の値「α2」だけ第1制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長より長い。第3制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長は、所定の正の値「α3」だけ第1制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長より長い。第4制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長は、所定の正の値「α4」だけ第1制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長より長い。第4制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長は、所定の正の値「α5」だけ第1制御シーケンスのステップ3及びステップ7の期間長より長い。したがって、ステップ2,3の実行期間長の和及びステップ6,7の実行期間長の和は第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスにおいて変動しない(すなわち、これらの実行期間長それぞれは、「t2+t3」である)。すなわち、ステップ1の開始からステップ8の終了までに必要とされる期間は第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスに亘って等しく、「2×(t1+t2+t3+t4)」である。
第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスの中から電力生成部112が生成する電力「P」(すなわち、ガス生成部111が生成する原料水素ガスの量)に対応する制御シーケンスが制御装置152によって選択される。制御装置152の選択動作が以下に説明される。
図5は、制御装置152の選択動作を表す概略的なフローチャートである。図1乃至図5を参照して、制御装置152の選択動作が説明される。
(ステップS110:図1を参照)
水素ステーション101及び水素供給装置100が起動される。この結果、電力生成部112は自然エネルギを電力に変換する。電力は電力生成部112からガス生成部111へ供給される。ガス生成部111は供給された電力を用いて水を電気分解し、原料水素ガスを生成する。原料水素ガスは水素分離タンク113を通じて除湿部120へ供給される。原料水素ガスの供給が開始されると、ステップS120が実行される。
(ステップS120:図3を参照)
原料水素ガスの生成のために電力生成部112からガス生成部111へ供給される電力「P」は、電力検出部151によって検出される。電力検出部151は、検出された電力「P」を表す電力通知信号を生成する。電力通知信号は電力検出部151から制御装置152の選択部153へ出力される。選択部153は電力通知信号が表す電力「P」を参照し、電力「P」が属する電力範囲を見出す。電力「P」が電力閾値「P1」を上回っているならば、選択部153は電力「P」が第1範囲に属すると判定する。電力「P」が電力閾値「P1」以下であり且つ電力閾値「P2」を上回っているならば、選択部153は電力「P」が第2範囲に属すると判定する。電力「P」が電力閾値「P2」以下であり且つ電力閾値「P3」を上回っているならば、選択部153は電力「P」が第3範囲に属すると判定する。電力「P」が電力閾値「P3」以下であり且つ電力閾値「P4」を上回っているならば、選択部153は電力「P」が第4範囲に属すると判定する。電力「P」が電力閾値「P4」以下であるならば、選択部153は電力「P」が第5範囲に属すると判定する。電力範囲の判定の後、ステップS130が実行される。
(ステップS130:図3を参照)
電力範囲の判定結果に対応する制御シーケンスが選択部153によって選択される。ステップS120において電力「P」が第1範囲に属すると判定されているならば、選択部153は第1制御シーケンスを選択する。ステップS120において電力「P」が第2範囲に属すると判定されているならば、選択部153は第2制御シーケンスを選択する。ステップS120において電力「P」が第3範囲に属すると判定されているならば、選択部153は第3制御シーケンスを選択する。ステップS120において電力「P」が第4範囲に属すると判定されているならば、選択部153は第4制御シーケンスを選択する。ステップS120において電力「P」が第5範囲に属すると判定されているならば、選択部153は第5制御シーケンスを選択する。選択された制御シーケンスは選択部153から弁制御部155へ出力される。その後、ステップS140が実行される。
(ステップS140)
弁制御部155は選択部153から出力された制御シーケンスを実行する(図3を参照)。弁制御部155は図4を参照して説明されたステップ1~ステップ8を順次実行し、制御弁131~139を開いたり閉じたりする(図2を参照)。図4を参照して説明されたステップ8の実行の後、ステップS150が実行される。
(ステップS150)
図4を参照して説明されたステップ8の実行の後、選択部153は運転を継続するか否かを決定する。たとえば、バッファタンク123の内圧が所定の圧力閾値を上回っていないならば選択部153は運転を継続することを決定してもよい。この場合、ステップS120が実行される。バッファタンク123の内圧が上述の圧力閾値を上回っているならば、運転を停止することを決定してもよい。この場合、水素供給装置100の運転は停止される。
図5を参照して説明された制御装置152の選択動作の結果、パージガスの使用量は電力生成部112が生成する電力(すなわち、ガス生成部111が生成する原料水素ガスの量)に応じて適切に調整される。パージガスの使用量の調整効果が以下に説明される。
<パージガスの使用量の調整効果>
パージガスとしてバッファタンク123に貯留された製品水素ガスの一部が利用される。したがって、パージガスの使用量が小さいならば製品水素ガスの回収率は高くなる。一方、パージガスの使用量が大きいならば製品水素ガスの回収率は低くなる。製品水素ガスの回収率は以下の数式によって定義されてもよい。
Figure 0007036650000001
回収率の向上のためにはパージガスの使用量が少ないことが好ましい。パージガスは吸着剤が吸着した水分を吸着剤から分離及び除去し吸着剤の吸着性能を回復するために用いられるので、吸着剤が水分をあまり吸着していない環境下(すなわち、電力通知信号が表す電力「P」が小さい条件下)では少量のパージガスしか必要とされない。一方、吸着剤が多くの水分を吸着している環境下(すなわち、電力通知信号が表す電力「P」が大きい条件下)では多量のパージガスが必要とされる。このような環境変化に適合したパージガスの使用量の調整を、図5を参照して説明されたステップS130(制御シーケンスの選択)は可能にする。
制御シーケンスの選択機能を有さない既存の水素供給装置に関して、パージガスの使用量は水素分離タンク113から供給されることが想定される最大の原料水素ガスに合わせて設定されている。したがって、最大の原料水素ガスが除湿部120に供給され吸着剤が多量の水分を吸着したときにも吸着剤の吸着性能を回復することができる一方で、少量の原料水素ガスが除湿部120に供給され吸着剤があまり水分を吸着していないときには多量のパージガスが浪費される。最大の原料水素ガスに合わせたパージガス使用量の単一設定の下で動作する既存の水素供給装置と本実施形態の水素供給装置100との間で回収率が以下に比較される。
図6は、水素供給装置100が生成した製品水素ガスの量、既存の水素供給装置が生成した製品水素ガスの量及び原料水素ガスの生成に用いられた電力の時間変動(試算値)を表すグラフである。図6を参照して、水素供給装置100と既存の水素供給装置との間で回収率が比較される。
図6のグラフの縦軸は、水素供給装置100及び既存の水素供給装置の設計において想定される製品水素ガスの最大の生成量に対する実際に生成された製品水素ガスの割合を表している。製品水素ガスの生成量は電力「P」の生成量に合わせて変化している。電力「P」の生成には太陽光エネルギを電力に変換する太陽光発電機が用いられ、晴天時において太陽光発電機の能力の80%に達する電力を生成している。このとき、水素供給装置100及び既存の水素供給装置の製品水素ガスの生成量はピークに達している。
既存の水素供給装置に関して、700時間から800時間までの運転時間区間に亘って製品水素ガスの生成量は負の値を取っている。このことは、パージガスとして用いられた製品水素ガスの量が生成された製品水素ガスの量を上回っていることを意味する。
既存の水素供給装置のデータ点の総和(すなわち、これらのデータ点を繋ぐ曲線の積分値)は既存の水素供給装置の回収率を意味する。同様に、水素供給装置100のデータ点の総和(すなわち、これらのデータ点を繋ぐ曲線の積分値)は水素供給装置100の回収率を意味する。積分演算の結果、水素供給装置100の回収率は82.2%であるのに対し、既存の水素供給装置の回収率は69.1%であった。したがって、回収率における大きな改善が図6のデータから認められる。すなわち、水素供給装置100はPSA方式で原料水素ガスを除湿しても製品水素ガスの高い回収率を達成することができる。水素供給装置100が製品水素ガスの高い回収率を達成する原理が以下に説明される。
水素供給装置100は、図5を参照して説明されたステップ130(制御シーケンスの選択)を実行しパージ工程の実行期間の長さを調整する。パージ工程の実行期間は、電力「P」が少なくなると(すなわち、ガス生成部111の原料水素ガスの生成量が少なくなると)短縮される。パージ工程の実行期間が短縮されると、主管140に取り付けられた制御弁135及び第1副管141又は第2副管142に取り付けられた制御弁136又は137が開いている開期間が短くなる。この結果、バッファタンク123から第1タンク121又は第2タンク122へパージガスとして供給される製品水素ガスの量は低減される。したがって、製品水素ガスは第1タンク121又は第2タンク122内の吸着剤の吸着性能を回復するのに必要な量を大幅に超えて使用されることはなく、製品水素ガスの回収率が高くなる。
製品水素ガスの高い回収率を得るための制御シーケンスによって定められる一連の動作(すなわち、図4に示されるステップ1~8)の完了の後、水素供給装置100の運転を継続するか否かの判定が行われる(図5のステップS150)。制御シーケンスの実行中に水素供給装置100の運転モードは変更されないので、制御シーケンスの切替は原料水素ガスに対する除湿や吸着剤の吸着機能の回復のための処理に悪影響を与えない。
図6に示されるグラフは晴天時の時間変動を表している。しかしながら、水素供給装置100は雨天時においても優れた水素回収率を達成することができる。本発明者等の試算によれば、従来の水素供給装置は66.1%の回収率しか達成できないのに対し、本実施形態の水素供給装置100は83.0%の回収率を達成することができる。
<他の制御シーケンス>
制御シーケンスは、水素供給装置100に要求される様々な条件に適合するように設計される。他の制御シーケンスが以下に説明される。
図7は、図4に示される制御シーケンスとは異なる他の制御シーケンスを示す表である。図7に示される制御シーケンスが図4に示される制御シーケンスとの対比の下で説明される。
図4を参照して説明された制御シーケンスは、ステップ1の開始時刻からステップ8の終了時刻までの期間が第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスのいずれが選択されても一定となることが必要とされる条件下で好適に利用可能である。ステップ1の開始時刻からステップ8の終了時刻までの期間が制御シーケンスの選択によって変わってもよいならば、図7に示される制御シーケンスが定めるように保持工程の期間は一定であってもよい。
図4及び図7に示される制御シーケンスは、パージ工程における制御弁135,136,137の開期間を定めている。しかしながら、制御シーケンスはパージ工程における制御弁136,137(図1を参照)の開度を定めてもよい。制御弁136,137が大きく開いているならば(すなわち、開度が大きいならば)、パージ工程において多くの製品水素ガスがパージガスとしてバッファタンク123から第1タンク121又は第2タンク122へ供給される。制御弁136,137があまり開いていないならば(すなわち、開度が小さいならば)、パージ工程において少量の製品水素ガスがパージガスとしてバッファタンク123から第1タンク121又は第2タンク122へ供給される。したがって、以下の表に示されるように第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスは設計されてもよい。
Figure 0007036650000002
「表1」に示される制御シーケンスに対して図5を参照して説明された制御動作は適用可能である。図5のステップS120において電力「P」が第1範囲(P>P1)に属すると判定されると第1制御シーケンスが選択される。このとき制御弁136又は137の開度は最も大きいので、多量の製品水素ガスがパージガスとしてバッファタンク123から第1タンク121又は第2タンク122へ流入する。一方、図5のステップS120において電力「P」が第5範囲(P≦P4<P1)に属すると判定されると第5制御シーケンスが選択される。このとき制御弁136又は137の開度は最も小さいので、少量の製品水素ガスがパージガスとしてバッファタンク123から第1タンク121又は第2タンク122へ流入する。
パージガスの量を調整するための制御シーケンスの選択の判断基準として、電力生成部112(図1を参照)から出力された電力「P」に代えてガス生成部111(図1を参照)が生成した原料水素ガス又は酸素の量が用いられてもよい。この場合、電力検出部151(図3を参照)に代えて、ガス生成部111が生成した原料水素ガス又は酸素の量を検出するガス検出部が用いられる。ガス検出部はガス生成部111の吐出口(原料水素ガス又は酸素が吐出される部位)に取り付けられる。ガス検出部が検出したガス(すなわち、原料水素ガス又は酸素)の量「V」に対する選択部153の選択基準が以下の表に示される。
Figure 0007036650000003
表2に示されるように判断基準を電力「P」からガスの量「V」に変更するのみで、図5に示される制御動作は適用可能である。したがって、ガスの量「V」を判断基準が用いられても、図6に示されるデータと同様の回収率の大幅な改善が得られる。
回収率の改善のために用意された上述の第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスは格納部(すなわち、第1タンク121又は第2タンク122)に対する製品水素ガスの流入出が停止される保持工程を定めている。しかしながら、制御シーケンスは保持工程を設定しなくてもよい。この場合、パージ工程の直後に昇圧工程が開始される。
上述の実施形態に関して、水素供給装置100が生成した製品水素ガスは水素ステーション101へ供給される。しかしながら、製品水素ガスは水素を利用する他の設備に供給されてもよい。
上述の実施形態に関して、水素供給装置100が選択する5つの制御シーケンスが用意されている。しかしながら、5未満の制御シーケンスが用意されていてもよいし、5を超える制御シーケンスが用意されていてもよい。
上述の実施形態に関して、水素供給装置100は原料水素を除湿する2つのタンク(すなわち、第1タンク121及び第2タンク122)を備えている。しかしながら、2を超える除湿用のタンクが水素供給装置に組み込まれてもよい。
上述の実施形態に関して、吸着工程、減圧工程、パージ工程、保持工程及び昇圧工程からなる一連の処理が繰り返されるか否かの判定基準としてバッファタンク123の内圧が用いられている。しかしながら、他の判断基準が用いられてもよい。たとえば、一連の処理が所定回数繰り返されたとき、除湿部120は停止されてもよい。
上述の実施形態に関して、吸着工程、減圧工程及び昇圧工程は第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスに亘って共通している。しかしながら、これらのうち少なくとも1つが第1制御シーケンス乃至第5制御シーケンスの中で相違していてもよい。
上述の実施形態の原理は、水素の供給が必要な技術分野に好適に利用される。
100・・・・・・・・・・・・・・・水素供給装置
111・・・・・・・・・・・・・・・ガス生成部
120・・・・・・・・・・・・・・・除湿部
121・・・・・・・・・・・・・・・第1タンク(格納部)
122・・・・・・・・・・・・・・・第2タンク(格納部)
135~137・・・・・・・・・・・制御弁
140・・・・・・・・・・・・・・・主管(案内経路)
141・・・・・・・・・・・・・・・第1副管(案内経路)
142・・・・・・・・・・・・・・・第2副管(案内経路)
151・・・・・・・・・・・・・・・電力検出部(制御部)
152・・・・・・・・・・・・・・・制御装置(制御部)
153・・・・・・・・・・・・・・・選択部

Claims (8)

  1. 水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、
    前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、
    前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御を定めた制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備え、
    前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含み、
    前記制御部は、前記吸着工程において前記水を電気分解するために前記ガス生成部へ供給された電力を検出する電力検出部を含んでおり、前記電力検出部によって検出された前記電力の減少に応じて、前記パージ工程において前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を低減するように前記除湿部を制御する、水素供給装置。
  2. 水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、
    前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、
    前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御を定めた制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備え、
    前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含み、
    前記制御部は、前記吸着工程において前記水が電気分解されることによって生成された前記原料水素ガス又は酸素の量を検出するガス検出部を含んでおり、前記ガス検出部によって検出された前記原料水素ガス又は前記酸素の量の減少に応じて、前記パージ工程において前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を低減するように前記除湿部を制御する、水素供給装置。
  3. 前記制御部は、前記吸着工程と、前記減圧工程と、前記パージ工程と、前記昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御をそれぞれ定めた前記制御シーケンスを含む複数の制御シーケンスのうち1つを選択するとともに前記選択された制御シーケンスに従って前記除湿部を制御し、
    前記複数の制御シーケンスは前記パージ工程において前記格納部へ供給される前記製品水素ガスの前記量において互いに相違するように構築されている
    請求項1又は2に記載の水素供給装置。
  4. 前記除湿部は前記制御部の制御下で前記案内経路を開いたり閉じたりする制御弁を含み、
    前記制御部は、前記パージ工程において前記制御弁が前記案内経路を開いている開期間が前記原料水素ガスの前記減少に応じて短縮されるように前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択する
    請求項に記載の水素供給装置。
  5. 前記除湿部は前記制御部の制御下で前記案内経路を開いたり閉じたりする制御弁を含み、
    前記制御部は、前記パージ工程における前記制御弁の開度が前記原料水素ガスの前記減少に応じて低減されるように前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択する
    請求項に記載の水素供給装置。
  6. 水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、
    前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、
    前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御をそれぞれ定めた複数の制御シーケンスのうち1つを前記ガス生成部の動作状態に応じて選択するとともに前記選択された制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備え、
    前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含み、
    前記制御部は、前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を前記ガス生成部によって生成された前記原料水素ガスの減少に応じて低減するように前記除湿部を制御し、
    前記複数の制御シーケンスは、前記パージ工程において前記格納部へ供給される前記製品水素ガスの前記量において互いに相違するように構築されており、
    前記制御部は、前記水を電気分解するために前記ガス生成部へ供給された電力を前記ガス生成部の前記動作状態として検出する電力検出部と、前記電力検出部によって検出された前記電力に基づいて前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択する選択部と、を含んでいる、水素供給装置。
  7. 水を電気分解し水蒸気を含有する原料水素ガスを生成するガス生成部と、
    前記原料水素ガスに含まれる前記水蒸気を吸着する吸着剤が格納された格納部を有し、圧力変動吸着法の下で前記吸着剤に前記水蒸気を吸着させる吸着処理を行うことにより前記水蒸気の量が低減された製品水素ガスを生成する除湿部と、
    前記格納部内で前記吸着処理を行う吸着工程と、前記吸着工程の後の前記格納部内の圧力を低減する減圧工程と、前記圧力が低減された前記格納部へ前記製品水素ガスを供給するとともに前記吸着剤の吸着性能の回復のために用いられた前記製品水素ガスを前記格納部から放出するパージ工程と、前記パージ工程後の前記格納部に前記製品水素ガスを供給し、前記格納部内の前記圧力を上昇させる昇圧工程と、における前記除湿部に対する制御をそれぞれ定めた複数の制御シーケンスのうち1つを前記ガス生成部の動作状態に応じて選択するとともに前記選択された制御シーケンスに従って前記除湿部を制御する制御部と、を備え、
    前記除湿部は、前記吸着処理の後の前記吸着剤の前記吸着性能を回復するために前記製品水素ガスを前記格納部へ案内する案内経路を含み、
    前記制御部は、前記案内経路を通じて前記格納部へ送り込まれる前記製品水素ガスの量を前記ガス生成部によって生成された前記原料水素ガスの減少に応じて低減するように前記除湿部を制御し、
    前記複数の制御シーケンスは、前記パージ工程において前記格納部へ供給される前記製品水素ガスの前記量において互いに相違するように構築されており、
    前記制御部は、前記水が電気分解されることによって生成された前記原料水素ガス又は酸素の量を前記ガス生成部の前記動作状態として検出するガス検出部と、前記ガス検出部によって検出された前記原料水素ガス又は前記酸素の前記量に基づいて前記複数の制御シーケンスのうち1つを選択する選択部と、を含んでいる、水素供給装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の制御シーケンスのうち1つによって定められた前記吸着工程、前記減圧工程、前記パージ工程及び前記昇圧工程が実行された後に前記ガス生成部の前記動作状態を確認し、前記確認された動作状態に対応する制御シーケンスを前記複数の制御シーケンスから選択する
    請求項6又は7に記載の水素供給装置。
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