JP7036636B2 - 印刷用シート - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用シートに関する。
各種の印刷に用いられる印刷用シートに、基材としてプラスチックシートが使用されている。一般的に、印刷用シートの基材がプラスチックシートである場合には、インキとの密着性を良好にするため、基材シートの表面に印刷用コート層が設けられている。近年、印刷業界においては、フレキソ印刷の需要が増えてきている。また、フレキソ印刷のインキはUV(紫外線硬化型)インキが主流である。ところが、フレキソ印刷では通常のオフセット印刷等に比べてインキの盛り量が多いため、UVインキを用いてフレキソ印刷を施すとインキの硬化収縮によりインキの脱落が生じる、という問題があった。したがって、UVインキを用いてフレキソ印刷を行う場合にもUVインキの収縮に追従でき、かつUVインキとの密着性に優れた印刷用フィルムや印刷用粘着シートが求められている。
このような紫外線硬化型インキは、レタープレス印刷においても広く用いられている。
また、紫外線硬化型インキに特化したものでなく、熱転写印字にも優れたものが一つの印刷用コート層として処理されているものが求められている。
紫外線硬化型インキの密着性および印刷適性に優れ、さらに印刷加工を伴うラベル用に有用な、ポリエステル系樹脂からなる基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも片面に設けられた表面層とを有するポリエステル系積層フィルムであって、該表面層が、分岐したグリコールを構成成分として含有する共重合ポリエステル樹脂(A)と、重亜硫酸塩をブロック剤とするブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)とを主成分とする樹脂組成物から構成されているポリエステル系積層フィルムが開示されている(特許文献1参照)。
紫外線硬化型インキの印刷物においてインキの密着性を有し、しかも印刷物の耐スクラッチ性を有する、JIS K 5600-5-4に準拠する鉛筆硬度がHB以上である硬化型樹脂、および、オレフィン系樹脂を含み、さらに、熱可塑性樹脂フィルム外表面にオレフィン系樹脂由来の突起を含む塗布層を少なくとも片面に有する熱可塑性樹脂フィルムが開示されている(特許文献2参照)。
このように、種々の印刷用シートが開示されているが、一つの印刷用コート層で紫外線硬化型インキの密着性および印刷適性に優れ、さらに熱転写印字適性にも優れる印刷用シートは見出されていないのが実状である。
特許第3200929号公報 特開2005-89736号公報
本発明の目的は、熱転写印字、ならびに、紫外線硬化型インキを用いたレタープレス印刷およびフレキソ印刷に適性を有する印刷用シートを提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(5)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材と、
前記基材の一方の面側に積層され、ポリエステルと、紫外線重合性官能基を有する樹脂と、架橋剤と、を含む印刷用コート層と、を備え、
前記印刷用コート層は、表面自由エネルギーが45mJ/m以上73mJ/m以下であり、かつ、チタンエチルアセトアセテートを含むことを特徴とする印刷用シート。
(2) 前記ポリエステルは、ウレタン変性ポリエステルである上記(1)に記載の印刷用シート。
(3) 前記印刷用コート層における前記ポリエステルの含有量は、50wt%以上95wt%以下である上記(1)または(2)に記載の印刷用シート。
(4) 前記紫外線重合性官能基を有する樹脂は、アクリレート基を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の印刷用シート。
(5) 前記印刷用コート層における前記紫外線重合性官能基を有する樹脂の含有量は、2wt%以上20wt%以下である上記(4)に記載の印刷用シート。
本発明によれば、熱転写印字、ならびに、紫外線硬化型インキを用いたレタープレス印刷およびフレキソ印刷に適性を有する印刷用シートを提供することができる。
本発明の印刷用シートの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の印刷用シートの他の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の印刷用シートの他の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[印刷用シート]
まず、本発明の印刷用シートについて説明する。
図1は、本発明の印刷用シートの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
本発明の印刷用シート1A(1)は、基材10と、基材10の一方の面側に積層され、ポリエステルと、紫外線重合性官能基を有する樹脂と、架橋剤と、を含む印刷用コート層11と、を備え、印刷用コート層11は、表面自由エネルギーが45mJ/m以上73mJ/m以下であることを特徴とする。
本発明の印刷用シート1は、印刷用コート層11が紫外線重合性官能基を有する樹脂を含むことにより、紫外線硬化型インキとの密着性が良好となり、紫外線硬化型インキを用いるレタープレス印刷およびフレキソ印刷に適性を有するものとなる。
また、本発明の印刷用シート1は、印刷用コート層11の表面自由エネルギーが45mJ/m以上73mJ/m以下とされていることで、熱転写リボンとの親和性が良好となり、熱転写印字に適性を有するものとなる。
また、印刷用コート層11が架橋剤を含むことにより、印刷用コート層11自体の結合力(凝集力)が高まり、印刷用コート層11の破壊が防止されるとともに、印刷用コート層11が基材10から剥離してしまうのを防止することができる。
以上より、本発明の印刷用シート1は、熱転写性インキを用いる熱転写印字、ならびに、紫外線硬化型インキを用いるレタープレス印刷およびフレキソ印刷の両方に対して良好な適性を有するものとなる。
<基材>
基材10は、印刷用コート層11を支持する支持体となる。
基材10としては、種々の樹脂材料からなるフィルムが使用できる。基材10を構成する材料の具体例としては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブテン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂、フッ素系樹脂、およびこれらの2種以上の混合物等の各種合成樹脂のフィルムや、これらの同種または異種の2層以上の積層フィルム、合成紙等が挙げられる。
基材10としては、ポリエステル樹脂またはポリオレフィン樹脂からなるフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリエチレン樹脂からなる基材10がより好ましく挙げられる。
基材10の厚みは、特に限定されないが、5μm以上350μm以下が好ましく、10μm以上300μm以下がより好ましく、15μm以上250μm以下がさらに好ましい。
<印刷用コート層>
印刷用コート層11は、印刷用シート1に対し印刷を行う際に、インキが付与され固定されるインキ受容層である。
印刷用コート層11は、ポリエステルと、紫外線重合性官能基を有する樹脂と、架橋剤と、を含む。
印刷用シート1において、印刷用コート層11は、表面自由エネルギーが45mJ/m以上73mJ/m以下であることが好ましく、46mJ/m以上73mJ/m以下がより好ましく、47.5mJ/m以上73mJ/m以下がさらに好ましい。
印刷用コート層11の表面自由エネルギーは、主に、印刷用シート1への熱転写印字適性に関係する。
表面自由エネルギーが上記下限値より小さいと、印刷用コート層11と熱転写性インキとの親和性が低下し、転写ムラが起こったり、画像再現性に劣る傾向があり、十分な熱転写印字適性を得ることが困難になる。一方、上記上限値より大きいと、印刷用コート層11を構成する材料の選定が困難になる。印刷用コート層11の表面自由エネルギーが上記範囲であることにより、材料の選定がより容易であるとともに、十分な熱転写印字適性を有するものとなる。
なお、本明細書中において、印刷用コート層11の表面自由エネルギーとは、北崎・畑法(北崎寧昭他、日本接着協会誌、Vol.8,No.3,1972,pp.131-141参照)により算出したものをいう。
印刷用コート層11の表面自由エネルギーの具体的な測定方法については、後述する実施例にて示す。
印刷用コート層11の表面自由エネルギーを上記範囲に調節する方法としては特に限定されないが、印刷用コート層11の含有成分の種類および量のいずれか一方または両方を調節する方法等が挙げられる。
また、印刷用コート層11に対して、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施すことによっても、表面自由エネルギーを調節することができる。これらの表面処理の中でも、処理が容易であることおよび印刷用コート層11へのダメージが少ないこと等の観点からコロナ処理が好ましい。
コロナ処理を施す際の放電量は、150W・min/m以上1000W・min/m以下であることが好ましく、250W・min/m以上600W・min/m以下であることがより好ましい。これにより、印刷用コート層11の表面に対する不本意な損傷を抑制しつつ、表面自由エネルギーを好適に調節することができる。
(ポリエステル系樹脂)
ポリエステル系樹脂(ポリエステル)としては、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とグリコール化合物とを共重合して得られるポリエステル共重合体樹脂が好ましく挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、スルホテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が好ましく用いられる。
グリコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、p-キシレングリコール、トリエチレングリコール等が好ましく用いられる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂にウレタン結合を有するものが挙げられる。ウレタン変性ポリエステル樹脂は、例えば、水酸基等の官能基を1分子中に2個以上有するポリエステル樹脂とポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、得ることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、後述する架橋剤としてのポリイソシアネート化合物と同様のものが使用できる。ポリエステル樹脂のウレタン変性に用いるポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ポリエステル系樹脂は、ウレタン変性ポリエステル樹脂が好ましく、芳香族ポリエステルの基本構造を有するウレタン変性ポリエステル樹脂がより好ましい。芳香族ポリエステルの基本構造とは、主鎖のポリエステル構造に芳香族化合物から誘導される繰り返し単位を有するものであり、例えば、共重合原料の一部または全部のジカルボン酸とグリコール化合物の一方または両方が芳香族化合物である場合に得られるものである。
ポリエステル系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル系樹脂の数平均分子量は、5000以上10万以下が好ましく、1万以上6万以下がより好ましい。
ポリエステル系樹脂の水酸基価は、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下が好ましく、1mgKOH/g以上25mgKOH/g以下がより好ましく、1.5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下がさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂の酸価は、0mgKOH/g以上40mgKOH/g以下が好ましく、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下がより好ましい。
ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、-50℃以上120℃以下が好ましく、-40℃以上100℃以下がより好ましく、-30℃以上90℃以下がさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂の数平均分子量、水酸基価、酸価およびガラス転移温度が上記好ましい範囲にあると、本発明の効果をより一層発揮できる。
印刷用コート層11におけるポリエステル系樹脂の含有量は、50wt%以上95wt%以下であることが好ましく、55wt%以上85wt%以下であることがより好ましく、59wt%以上70wt%以下であることがさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂の含有量が前記下限値未満では、熱転写印字適性が低下する。一方、前記上限値を超えると紫外線硬化型インキによる印刷適性が悪くなる。
印刷用コート層11におけるポリエステル系樹脂の含有量を前記範囲とすることにより、熱転写印字、紫外線硬化型インキを用いたレタープレス印刷およびフレキソ印刷の両方に対し良好な適性を有するものとなる。
(樹脂)
樹脂は、紫外線重合性官能基を有し、重合開始剤が存在していると、紫外線を照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を指す。この紫外線重合性官能基としては、アクリレート基であるのが好ましい。
この樹脂としては、例えば紫外線重合性プレポリマーおよび/または紫外線重合性モノマーを挙げることができる。
上記紫外線重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を指す。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応させエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらの紫外線重合性プレポリマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、紫外線重合性モノマーとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレートが挙げられる。これらの紫外線重合性モノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記紫外線重合性プレポリマーと併用してもよい。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを指す。
印刷用コート層11における紫外線重合性官能基を有する樹脂の含有量は、2wt%以上20wt%以下であることが好ましく、5wt%以上10wt%以下であることがより好ましく、5wt%以上7wt%以下であることがさらに好ましい。
紫外線重合性官能基を有する樹脂の含有量が前記下限値未満であっても前記上限値超であっても、紫外線硬化型インキによる印刷適性が悪くなる。
(光重合開始剤)
紫外線重合性官能基を有する樹脂の硬化には、必要に応じて光重合開始剤を用いることができる。
この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリ-ブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p-ジメチルアミン安息香酸エステル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記紫外線重合性プレポリマーおよび/または紫外線重合性モノマー100質量部に対して、通常0.2質量部以上10質量部以下の範囲で選ばれる。このような光重合開始剤は、印刷用コート層11に含有されていてもよく、印刷用コート層11に滴下されるインクに含有されていてもよい。
(架橋剤)
印刷用コート層11は、上記ポリエステルと共に、架橋剤を含有する。
架橋剤としては、イソシアネート系化合物が好ましい。架橋剤としてのイソシアネート系化合物は、上記ポリエステル系樹脂の水酸基等の官能基と反応して、架橋構造を形成するものであれば、種々のイソシアネート系化合物を用いることができる。
上記イソシアネート系化合物としては、1分子当たりイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物、テトライソシアネート化合物、ペンタイソシアネート化合物、ヘキサイソシアネート化合物等が挙げられ、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート化合物;ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物等が挙げられる。
また、これらの化合物のビウレット体、イソシアヌレート体や、これらの化合物とエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ひまし油等の非芳香族性低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体等の変性体も用いることができる。
これらのイソシアネート系化合物のうち、脂肪族イソシアネート化合物が好ましく、脂肪族ジイソシアネート化合物がより好ましく、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネートがさらに好ましい。
イソシアネート系化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
印刷用コート層11は、上記架橋剤としてのイソシアネート系化合物と共に、特定の金属系架橋促進剤を含有してもよい。
前記金属系架橋促進剤としては、ビスマス系架橋促進剤、チタン系架橋促進剤、バナジウム系架橋促進剤、ジルコニウム系架橋促進剤、アルミニウム系架橋促進剤、ニッケル系架橋促進剤等が挙げられる。この中では、ビスマス系架橋促進剤が好ましく用いられる。
ビスマス系架橋促進剤、チタン系架橋促進剤、バナジウム系架橋促進剤、ジルコニウム系架橋促進剤、アルミニウム系架橋促進剤、またはニッケル系架橋促進剤は、それぞれ、ビスマス、チタン、バナジウム、ジルコニウム、アルミニウム、またはニッケルの有機金属化合物であって、アルコキシド、カルボキシラート、キレート等の構造を有する化合物であり、好ましくは、それらの金属のアセチルアセトン錯体、アセチルアセトネート、オクチル酸化合物またはナフテン酸化合物等が挙げられる。
金属のアセチルアセトン錯体の具体例としては、アセチルアセトンチタン、アセチルアセトンバナジウム、アセチルアセトンジルコニウム、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトンニッケル等が挙げられる。
アセチルアセトネートの具体例としては、ビスマスアセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート等が挙げられる。
オクチル酸化合物の具体例としては、2-エチルヘキシル酸ビスマス、2-エチルヘキシル酸ニッケル、2-エチルヘキシル酸ジルコニウム等が挙げられる。
ナフテン酸化合物の具体例としては、ナフテン酸ビスマス、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
また、金属系架橋促進剤として、トリブチルスズラウリレート、ジブチルスズジラウリレート等のブチル基を有するスズ系化合物を用いることもできる。
前記金属系架橋促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
印刷用コート層11において、ポリエステル系樹脂と架橋剤としてのイソシアネート系化合物の含有割合は、固形比でポリエステル系樹脂100質量部に対し、架橋剤としてのイソシアネート系化合物が、1質量部以上30質量部以下が好ましく、2質量部以上20質量部以下がより好ましく、3質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。
また、印刷用コート層11において、架橋剤としてのイソシアネート系化合物と前記金属系架橋促進剤の含有割合は、イソシアネート系化合物100質量部に対し、前記金属系架橋促進剤が金属量換算で0.001質量部以上5質量部以下が好ましく、0.005質量部以上2質量部以下がより好ましく、0.01質量部以上1質量部以下がさらに好ましい。
(その他の成分)
印刷用コート層11は、ポリエステル、紫外線重合性官能基を有する樹脂、架橋剤以外に、希釈媒体を含有することができる。希釈媒体としては、有機系希釈媒体、水系希釈媒体等が挙げられる。
有機系希釈媒体としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の脂肪族ケトン、シクロヘキサノン等の脂環式ケトン等の有機溶剤等が挙げられ、1種または2種以上の組み合わせで使用できる。
印刷用コート層11における、ポリエステル、紫外線重合性官能基を有する樹脂および架橋剤としてのイソシアネート系化合物等の樹脂固形分の含有割合は、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。
また、印刷用コート層11には、滑り性の向上や、マット感を得るために、有機フィラー、無機フィラー等の各種フィラーを配合することができる。
有機フィラーとしては、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メタクリル酸メチル等のアクリル樹脂またはこれらの混合物等の樹脂粉末等が挙げられる。
無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ等の無機酸化物、金粉、銀粉等の金属粉等が挙げられる。
フィラーの配合量は、印刷用コート層11の樹脂成分および架橋剤の合計量100質量部に対し、0.1質量部以上20質量部が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下がより好ましい。
印刷用コート層11の厚さは、特に限定されないが、10nm以上600nm以下が好ましく、20nm以上400nm以下がより好ましく、30nm以上200nm以下がさらに好ましい。
印刷用コート層11の厚さが前記下限値未満であると印刷適性が低下する。一方、前記上限値を超えると、耐ブロッキング性が低下する。印刷用コート層11の厚さを前記範囲とすることにより、耐ブロッキング性を有し印刷適性にも優れたものとなる。
[印刷用シートの作製]
次に、本発明の印刷用シート1の作製方法について説明する。
本発明の印刷用シート1においては、基材10の一方の面に、前記の印刷用コート層11を設けてなるものであって、この印刷用コート層11を形成するには、まず印刷用コート層形成用塗工液を調製する。
<印刷用コート層形成用塗工液>
当該印刷用コート層11を形成するための印刷用コート層形成用塗工液としては、適当な溶媒中に、上述したポリエステルと、紫外線重合性官能基を有する樹脂と、架橋剤と、必要に応じて用いられる光重合開始剤および各種添加剤、例えば有機または無機の顔料、着色剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、分散剤、レベリング剤等を溶解または分散させてなる塗工液を用いることができる。
(溶媒)
印刷用コート層形成用塗工液に用いられる溶媒としては特に限定はなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のようなエステル系溶媒、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン系溶媒、トルエン、キシレン等のような芳香族炭化水素系溶媒等を挙げることができる。
印刷用コート層形成用塗工液における固形分濃度としては、塗工可能な濃度であればよく、特に限定はないが、通常1質量%以上10質量%以下程度、好ましくは2質量%以上5質量%以下である。
印刷用コート層形成用塗工液の調製に際し、含有成分の種類および量のいずれか一方または両方を調節することにより、形成される印刷用コート層11の表面自由エネルギーを上記範囲に調節することができる。
<印刷用コート層の形成>
まず、前記のようにして調製された印刷用コート層形成用塗工液を基材10の一方の面に塗布し、乾燥させて印刷用コート層11を設ける。
上記印刷用コート層形成用塗工液の基材10への塗布量は、通常、乾燥後の印刷用コート層11の厚みが好ましくは10nm以上600nm以下の範囲、より好ましくは20nm以上400nm以下の範囲、さらに好ましくは30nm以上200nm以下の範囲になるような量とする。
上記印刷用コート層形成用塗工液の基材10への塗布方法は、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等、従来公知の方法が挙げられる。
乾燥は、通常60℃以上130℃以下で行うことが好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。乾燥時間は特に限定されないが、通常10秒以上5分以下で十分である。
また、形成された印刷用コート層11に対して、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施すことによっても、表面自由エネルギーを上記範囲に調節することができる。中でも、コロナ処理が好ましい。
なお、印刷用コート層11と基材10との密着性を高めるために、必要に応じて基材10の表面にアンカーコート層(図示略)を設けて、そのアンカーコート層の表面に印刷用コート層11を設けることができる。
アンカーコート層としては、例えば、ポリウレタン系アンカーコート層、ポリエステル系アンカーコート層等が挙げられる。
このようにして作製された本発明の印刷用シート1は、紫外線硬化型インキの密着性および印刷適性に優れ、さらに、熱転写印字適性にも優れる等の特徴を有している。
[ラベル]
図2に示すように、本発明の印刷用シート1B(1)は、基材10の他方の面(印刷用コート層11が形成された側とは反対側の面)に粘着剤層12を設けることにより、粘着ラベルとして使用することができる。
基材10の他方の面は、粘着剤層12との密着性をさらに上げるために易接着処理を施してもよい。易接着処理としては、特に限定されないが、例えば、コロナ処理等が挙げられる。
粘着剤層12に用いる粘着剤は、各種粘着剤を用いることができる。粘着剤の具体例としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等が挙げられ、好ましくはアクリル樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等である。また、粘着剤は、溶剤型粘着剤であってもよいし、水型粘着剤であってもよく、強粘着型、再剥離型の粘着剤のいずれであってもよい。
また、粘着剤層12の基材10側と反対側の面に剥離ライナー20を設けてもよい。
剥離ライナー20の基材としては、例えば、紙、合成紙、合成樹脂フィルム等が挙げられる。紙としては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙のような紙基材、および上質紙、グラシン紙、コート紙等にセルロース、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリル-スチレン樹脂等で目止め処理した紙基材等が挙げられる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂からなるフィルム、およびこれらの合成樹脂フィルムに易接着処理を施したフィルム等が挙げられ、これらに剥離剤を塗布したものであることが好ましい。
剥離剤には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、長鎖アルキル基含有カルバメート等が挙げられる。
また、図3に示すように、本発明の印刷用シート1C(1)は、基材10の他方の面側に積層された印刷用コート層13をさらに備えていてもよい。
この場合にも、印刷用コート層13は、印刷用コート層11と同様に、ポリエステルと、紫外線重合性官能基を有する樹脂と、架橋剤と、を含み、表面自由エネルギーが45mJ/m以上73mJ/m以下であることが好ましい。
これにより、印刷用シート1は、両面に対する印刷が可能となり、特に熱転写印字、ならびに、レタープレス印刷およびフレキソ印刷に適性を有するものとなる。
[印刷用インキ]
本発明の印刷用シート1の印刷用コート層11に印刷するために用いられる印刷用インキは、熱転写性インキ、紫外線硬化型インキ等の種々のインキが用いられる。
紫外線硬化型インキとしては、種々の紫外線硬化型インキが用いられるが、ポリアクリレート系紫外線硬化型インキが好ましい。
インキがアクリル樹脂を有することで、上述した印刷用コート層11の紫外線重合性官能基を有する樹脂が含むアクリル構造とのなじみが良くなり、インキとの密着性を高めることができる。
熱転写性インキは熱転写可能な染料または顔料を任意のバインダ樹脂で担持させたインキであり、種々の熱転写性インキが用いられる。熱転写性インキとしては、サーマルヘッドの熱により溶融するインキが挙げられるが特に限定されない。
本発明の印刷用シート1は、印刷用コート層11が紫外線重合性官能基を有する樹脂を含んでいるので、紫外線硬化型インキを用いるレタープレス印刷およびフレキソ印刷に良好な適性を有し、さらに、印刷用コート層11の表面自由エネルギーが45mJ/m以上73mJ/m以下とされていることで、熱転写印字にも良好な適性を有する。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明の印刷用シートは、レタープレス印刷およびフレキソ印刷以外でも、紫外線硬化型インキを用いる印刷法に対して、良好な適性を有するものとなる。
また、本発明の印刷用シートは、熱転写性インキおよび紫外線硬化型インキ以外のインキを用いた印刷法に対しても、適用可能である。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に温度条件を示していない処理は、室温(23℃)、相対湿度50%において行ったものである。また、各種測定条件についても特に温度条件を示していないものは、室温(23℃)、相対湿度50%における数値である。
本明細書中において、印刷用コート層の表面自由エネルギーは、表面の接触角を、接触角が既知である下記測定溶媒と下記接触角計を用いて測定し、得られた接触角から、北崎・畑法(北崎寧昭他、日本接着協会誌、Vol.8,No.3,1972,pp.131-141参照)により、表面自由エネルギーγtotalを算出した。
接触角計:協和界面科学(株)製全自動接触角計DM-701
測定溶媒:水、ジヨードメタン、1-ブロモナフタレン
(実施例1)
(1)印刷用コート層形成用塗工液の調製
芳香族ポリエステルの基本構造を有するウレタン変性ポリエステル(東洋紡(株)製、商品名「バイロンUR8700」、数平均分子量32000、水酸基価2~4mgKOH/g、酸価1mgKOH/g未満、ガラス転移温度-22℃)と、架橋剤としてイソシアネート系化合物(東ソー社製、商品名「コロネートHL」)と、紫外線重合性官能基を有する樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレートと、を乾燥後の印刷用コート層における含有割合が、表1に示す割合となるように所定の質量比で混合し、さらに、溶剤としてトルエンとメチルエチルケトンとシクロヘキサノンとが質量比で10:10:1の割合で混合されてなる混合溶媒を混合、攪拌することにより、印刷用コート層形成用塗工液とした。
(2)印刷用シートの作製
ポリエチレンテレフタレート(厚さ50μm)の一方の面に、上記(1)で得られた印刷用コート層形成用塗工液を、乾燥後の厚みが100nmになるような量でバーコートにより塗布し、90℃の熱風乾燥機で1分間乾燥して、印刷用シートを作製した。
このようにして得られた実施例1の印刷用シートにおいて、印刷用コート層の表面自由エネルギーは47.7mJ/mであった。
なお、表1中の各成分の含有量は、ウレタン変性ポリエステル100質量部に対しての質量部で記載している。
(実施例2)
印刷用コート層形成用塗工液の調製において、さらに、スズ系架橋促進剤としてジブチルスズジラウレートを、乾燥後の印刷用コート層における含有割合が、表1に示す割合となるように所定の質量比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして印刷用コート層形成用塗工液を調製し、印刷用シートを作製した。
さらに、印刷用コート層の表面に対し、300Wmin/mの処理強度でコロナ処理を施した。
このようにして得られた実施例2の印刷用シートにおいて、印刷用コート層の表面自由エネルギーは47.0mJ/mであった。
(実施例3)
印刷用コート層形成用塗工液の調製において、さらに、チタン系架橋促進剤としてチタンエチルアセトアセテートを、乾燥後の印刷用コート層における含有割合が、表1に示す割合となるように所定の質量比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして印刷用コート層形成用塗工液を調製し、印刷用シートを作製した。
このようにして得られた実施例3の印刷用シートにおいて、印刷用コート層の表面自由エネルギーは48.3mJ/mであった。
(比較例1)
印刷用コート層形成用塗工液の調製において、さらに、スズ系架橋促進剤としてジブチルスズジラウレートを、乾燥後の印刷用コート層における含有割合が、表1に示す割合となるように所定の質量比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして印刷用コート層形成用塗工液を調製し、印刷用シートを作製した。
このようにして得られた比較例1の印刷用シートにおいて、印刷用コート層の表面自由エネルギーは41.4mJ/mであった。
(比較例2)
印刷用コート層形成用塗工液の調製において、ウレタン変性ポリエステル樹脂と、紫外線重合性官能基を有する樹脂とを、乾燥後の印刷用コート層における含有割合が、表1に示す割合となるように所定の質量比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして印刷用コート層形成用塗工液を調製し、印刷用シートを作製した。
このようにして得られた比較例2の印刷用シートにおいて、印刷用コート層の表面自由エネルギーは46.5mJ/mであった。
(比較例3)
印刷用コート層形成用塗工液の調製において、ウレタン変性ポリエステル樹脂と、架橋剤と、スズ系架橋促進剤とを、乾燥後の印刷用コート層における含有割合が、表1に示す割合となるように所定の質量比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして印刷用コート層形成用塗工液を調製し、印刷用シートを作製した。
このようにして得られた比較例3の印刷用シートにおいて、印刷用コート層の表面自由エネルギーは42.6mJ/mであった。
(比較例4)
印刷用コート層形成用塗工液の調製において、ウレタン変性ポリエステル樹脂と、架橋剤とを、乾燥後の印刷用コート層における含有割合が、表1に示す割合となるように所定の質量比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして印刷用コート層形成用塗工液を調製し、印刷用シートを作製した。
このようにして得られた比較例4の印刷用シートにおいて、印刷用コート層の表面自由エネルギーは46.5mJ/mであった。
[印刷用シートの評価]
以上のようにして作製された各実施例および各比較例の印刷用シートについて、フレキソ印刷および熱転写印字についての適性を評価した。
<フレキソ印刷適性の評価>
各実施例および各比較例で得られた印刷用シートのそれぞれについて、印刷用コート層の表面に印刷用紫外線硬化型インキ(T&K TOKA(株)製、商品名「BESTCURE UV161 墨S」)を用いてフレキソ印刷機(松尾産業社製、イージープルーフ、スチールアニロックスローラー、180線、セル容量:16.6cm/m)でフレキソ印刷を施し、UV照射(UV-LEDランプ)を行って印刷画像を得た、すなわち、印刷層を得た。
印刷層の表面に碁盤目状に1mm幅のクロスカットを施し、その碁盤目状にクロスカットされた印刷層の表面に粘着テープ(ニチバン社製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り、JISK5600-5-6(クロスカット法)の碁盤目テープ法に準拠してセロテープ剥離試験を行い、下記の基準でコート層の印刷密着性を評価した。
○:セロテープ剥離試験後に印刷層が残存するマス目の数が、マス目100個当たり90以上である。
×:セロテープ剥離試験後に印刷層が残存するマス目の数が、マス目100個当たり90未満である。
<熱転写印字適性の評価>
各実施例および各比較例で得られた印刷用シートのそれぞれについて、印刷用コート層の表面に、レジン系インキリボン(ソニーケミカル社製、商品名「TR4070」)を熱転写プリンタ(ゼブラ社製、機種名「Zebra140XiIII」)で速度3インチ/sec(7.6cm/sec)にてバーコードのパターンの印字を行った。インキリボンの熱転写性を下記の基準で評価した。
○:バーコードが読み取れた。
×:バーコードの読み取りが困難であった。
各実施例および各比較例の印刷用シートについて、印字適性の評価結果を、印刷用コート層の構成成分の種類および割合、表面自由エネルギーと併せて表1に示す。
Figure 0007036636000001
表1から明らかなように、印刷用コート層においてポリエステルに加え、紫外線重合性官能基を有する樹脂および架橋剤を含有する実施例1~3、および比較例1の印刷用シートでは、良好なフレキソ印刷適性が得られている。これに対し、紫外線重合性官能基を有する樹脂および架橋剤の一方のみしか含有しない比較例2、3の印刷用シートでは、良好なフレキソ印刷適性が得られていない。
印刷用コート層の表面自由エネルギーが45mJ/m以上である実施例1~3、および比較例2、4の印刷用シートでは、良好な熱転写印字適性が得られている。これに対し、印刷用コート層の表面自由エネルギーが45mJ/m未満である比較例1、3の印刷用シートでは、良好な熱転写印字適性が得られていない。
しかし、比較例1~4の印刷用シートでは、熱転写印字およびフレキソ印刷の両方に対し良好な適性を有するものは見られない。
これに対し、印刷用コート層が、紫外線重合性官能基を有する樹脂および架橋剤の両方を含み、かつ、表面自由エネルギーが45mJ/m以上である実施例1~3では、熱転写印字、フレキソ印刷の両方に対し良好な適性を有することが確認された。
なお、実施例2と比較例1とから、印刷用コート層に対してコロナ処理を施すことによって、表面自由エネルギーの調節が可能なことがわかる。
また、フレキソ印刷と同様に紫外線硬化型インキを用いたレタープレス印刷に対しても、実施例の印刷用シートは良好な適性を有するものと推察される。
本発明による印刷用シートを用いることで、熱転写印字、ならびに、紫外線硬化型インキを用いたレタープレス印刷およびフレキソ印刷に適性を有するものとなり、各種印刷用シートとして広く利用することができる。
1、1A、1B、1C 印刷用シート
10 基材
11 印刷用コート層
12 粘着剤層
13 印刷用コート層
20 剥離ライナー

Claims (5)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面側に積層され、ポリエステルと、紫外線重合性官能基を有する樹脂と、架橋剤と、を含む印刷用コート層と、を備え、
    前記印刷用コート層は、表面自由エネルギーが45mJ/m以上73mJ/m以下であり、かつ、チタンエチルアセトアセテートを含むことを特徴とする印刷用シート。
  2. 前記ポリエステルは、ウレタン変性ポリエステルである請求項1に記載の印刷用シート。
  3. 前記印刷用コート層における前記ポリエステルの含有量は、50wt%以上95wt%以下である請求項1または2に記載の印刷用シート。
  4. 前記紫外線重合性官能基を有する樹脂は、アクリレート基を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の印刷用シート。
  5. 前記印刷用コート層における前記紫外線重合性官能基を有する樹脂の含有量は、2wt%以上20wt%以下である請求項4に記載の印刷用シート。
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