JP7035991B2 - 表示装置 - Google Patents

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本発明は、自発光素子によりなる画素を複数有してなる表示部を備え、当該表示部が曲げられた状態で使用される表示装置に関する。
近年、ディスプレイ分野の開発が進んでおり、映像を表示する表示部を有し、当該表示部が曲面形状とされている表示装置が提案されている。この種の表示装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1に記載の表示装置は、可撓性を有するプラスチック基板上に接着剤を介して絶縁層、薄膜トランジスタ、保護膜、カラーフィルタ、層間絶縁膜、白色発光素子がこの順に積層された表示部を有しており、表示部が曲面形状とされることができる。そして、白色発光素子は、自発光素子であって、OLED(Organic Light Emitting Diodeの略)とされている。
特開2017-22146号公報
表示部が曲面形状とされた状態においては、プラスチック基板内部に曲げによる応力が発生するため、表示部を曲げた状態でこの表示装置が取り付けられた場合には、曲げによる応力がプラスチック基板内に生じたままの状態で使用され続けることとなる。
しかしながら、表示部を構成するプラスチック基板に応力に生じたままの状態で、この表示装置に外部から振動などの外力がかかると、プラスチック基板の割れやこれに伴うOLEDの機能不全などの不具合が発生し得る。表示部を曲面形状で使用し、かつ、上記の不具合を抑制して信頼性を向上させるためには、プラスチック基板が曲げられた状態とされつつも、曲げにより生じる応力を緩和する必要がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、表示部が曲面形状とされた状態で使用されつつも、曲げによって表示部にかかる応力が緩和される構造の表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の表示装置は、可撓性がある基板(4)と、基板の一面(4a)上に形成され、映像を表示する表示部(3)と、を有する表示パネル(1)を備え、基板が曲げられた曲面形状とされることで、表示部が曲面形状に追従した形状とされた状態で使用される。この表示装置は、さらに次のような特徴を備える。
表示部は、自発光素子(5)によりなる複数の画素と、自発光素子を覆う封止材(6)と、を有してなり、自発光素子は、一面上に形成されると共に、一対の第1電極(51)および第2電極(54)と、第1電極と第2電極との間に配置された機能層(52)と、機能層を複数の領域に区画する隔壁(53)と、を有してなる。そして、基板が曲面形状とされることで基板に生じる曲げモーメントを第1モーメントとして、第1電極、隔壁および封止材のうち少なくとも1つは、一面に対する法線方向から見て、表示部のうち中央部における膜厚と外縁部における膜厚とが異なる膜厚分布とされ、第1モーメントの向きと反対の向きの曲げモーメントである第2モーメントが基板に生じる構成とされている。
これにより、基板が曲面形状とされ、基板上の表示部がこれに追従する形状で使用される状況にて、表示部の構成要素の一部が所定の膜厚分布とされることで、曲面形状とされた該基板に生じる曲げモーメント、すなわち第1モーメントが相殺される構造となる。
具体的には、自発光素子を構成する第1電極もしくは隔壁、または自発光素子を覆う封止材のうち少なくとも1つが、基板の一面に対する法線方向から見て、表示部の中心部における膜厚と外縁部における膜厚が異なる膜厚分布とされている。これにより、第1電極、隔壁および封止材のうち少なくとも1つから基板に作用する応力に差が生じ、この応力により基板に生じる曲げモーメントを第2モーメントとする。第1電極、隔壁および封止材のうち少なくとも1つの膜厚分布は、この第2モーメントが第1モーメントと反対の向きとなるように、調整されている。
その結果、表示部の構成要素または封止材により、基板内に生じる第2モーメントが、基板が曲面形状とされることで、基板内に生じる第1モーメントを相殺する構造となる。つまり、基板が曲げられた状態であっても、基板内の曲げモーメントが小さくなり、曲げ応力が低減されるため、従来よりも、曲げによって表示部にかかる応力が緩和される構造の表示装置となる。
請求項5に記載の表示装置は、可撓性がある基板(4)と、基板の一面(4a)上に形成され、映像を表示する表示部(3)と、を有する表示パネル(1)を備え、基板が曲げられた曲面形状とされることで、表示部が曲面形状に追従した形状とされた状態で使用される。この表示装置は、さらに次のような特徴を備える。
表示部は、自発光素子(5)によりなる複数の画素と、自発光素子を覆う封止材(6)と、を有してなり、自発光素子は、一面上に形成されると共に、一対の第1電極(51)および第2電極(54)と、第1電極と第2電極との間に配置された機能層(52)と、を有してなる。そして、基板が曲面形状とされることで基板に生じる曲げモーメントを第1モーメントとして、第1電極は、真空成膜法により形成されたものであって、一面に対する法線方向から見て、表示部のうち中央部と外縁部とが異なる成膜条件により形成されており、第1モーメントの向きと反対の向きの曲げモーメントである第2モーメントが基板に生じる構成とされている。
これにより、第1電極が、表示部の中央部において基板に作用する応力と外縁部において基板に作用する応力とが異なる状態とされ、第1電極による基板への応力による第2モーメントが曲面形状の基板に生じる第1モーメントを相殺する構造の表示装置となる。そのため、請求項1に記載の表示装置と同様の効果が得られる。
請求項6に記載の表示装置は、可撓性がある基板(4)と、基板の一面(4a)上に形成され、映像を表示する表示部(3)と、を有する表示パネル(1)を備え、基板が曲げられた曲面形状とされることで、表示部が曲面形状に追従した形状とされた状態で使用される。この表示装置は、さらに次のような特徴を備える。
表示部は、一面上に形成された自発光素子(5)と、自発光素子を覆う封止材(6)と、を有してなり、封止材は、一面に対する法線方向から見て、表示部を囲む枠体形状とされた第1接着部(61)と、第1接着部に囲まれた部分を充填する第2接着部(62)と、第1接着部および第2接着部に貼り付けられた被覆材(63)と、を有してなる。そして、基板が曲面形状とされることで基板に生じる曲げモーメントを第1モーメントとして、第1接着部が第2接着部を構成する樹脂材料と異なる樹脂材料により構成されることで、第1モーメントの向きと反対の向きの曲げモーメントである第2モーメントが基板に生じる構成とされている。
これにより、封止材が、表示部の中央部において基板に作用する応力と外縁部の外側において基板に作用する応力とが異なる状態とされ、封止材による基板への応力による第2モーメントが曲面形状の基板に生じる第1モーメントを相殺する構造の表示装置となる。そのため、請求項1に記載の表示装置と同様の効果が得られる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の表示装置を示す図であって、(a)は概略断面図であり、(b)は映像表示面側から見たときの概略平面図である。 図1(b)中の表示部の一部領域を拡大したものを示す概略平面図である。 図2中に一点鎖線で示すIII-III間の断面構成の一例を示す概略断面図である。 図1の表示装置にて、曲げられた状態とされた表示パネルに生じる曲げモーメントとこれを相殺する第2モーメントとが生じた様子を示す模式図である。 表示パネルを構成する基板を単純梁とみなして、等分布荷重を当該基板にかけた状況において、生じる曲げモーメントの分布を算出した結果を示す模式図である。 表示部の領域別の断面構成を示すものであって、(a)は表示部のうち中央領域の概略断面図であり、(b)は表示部のうち外縁領域の概略断面図である。 第2実施形態の表示装置における表示部のうち端部における断面構成の一例を示す概略断面図である。 第2実施形態の表示装置の変形例であって、表示部の断面構成の一例を示す概略断面図である。 第3実施形態の表示装置における表示部のうち端部における断面構成の一例を示す概略断面図である。 第4実施形態の表示装置を示す概略断面図である。 図10の表示装置にて、曲げられた状態とされた表示パネルに生じる曲げモーメントとこれを相殺する第2、第3モーメントとが生じた様子を示す模式図である。 第4実施形態の表示装置の変形例を示す図であって、(a)は概略断面図であり、(b)は映像表示面側から見た概略平面図である。 第4実施形態の表示装置の他の変形例にかかる図であって、(a)は表示装置の概略断面図であり、(b)は応力緩和部の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の表示装置について、図1~図3を参照して述べる。本実施形態の表示装置は、例えば、自動車などの車両のインストルメントパネルなどに取り付けられる車載用途の曲面表示装置として適用され得るが、他の用途の曲面表示装置としても適用されることもできる。
図1(a)、図1(b)では、構成を分かり易くするため、各構成要素の大きさや厚みなどを誇張してデフォルメしたものを示している。また、図1(a)では、図1(b)に一点鎖線で示すIA-IA間の断面構成を示している。図2、図3では、各構成要素の配置や構成を分かり易くするため、後述する表示部3が曲げられていない平面での状態において平面視または断面視をした様子を示している。
本実施形態の表示装置は、図1(a)もしくは図1(b)に示すように、表示部3を備える表示パネル1と、表示パネル1を曲げた状態で支持する支持部2とを備える。本実施形態の表示装置は、表示パネル1のうち表示部3側の面を映像表示面1aとして、表示パネル1が、映像表示面1aの反対側の面において支持部2に支持されることで、映像表示面1aが支持部2の反対側に突き出るように湾曲した状態とされている。
以下、説明の簡略化のため、上記の湾曲した状態を「凸状」と称し、映像表示面1aが支持部2側に突き出るように湾曲した状態を「凹状」と称する。
表示パネル1は、例えば図3に示すように、可撓性のある基板4と、その上に形成された自発光素子5を有してなる複数の画素により構成される表示部3とを有してなる。表示パネル1は、外力が加わると、可撓性のある基板4が曲げられた状態となることで、表示部3が曲面形状の状態で使用されることができる構成とされている。表示パネル1は、自発光素子5を駆動させるための図示しない薄膜トランジスタや駆動配線を備え、図示しない外部の駆動用電源や映像入力部と接続されている。
支持部2は、図1(a)に示すように、表示パネル1を曲げた状態で支持する部材であり、例えば、樹脂材料などの任意の材料で構成される。なお、支持部2は、図1(a)に示すように、任意の曲率とされた曲面で表示パネル1を曲げた状態で支持してもよいし、筐体などの他の形状とされてもよく、その形状については適宜変更されてもよい。
表示部3は、図2に示すように、画素を構成する自発光素子5が複数配列されてなり、自発光素子5を発光させることで、各種の映像を表示するものである。表示部3は、図3に示すように、基板4の一面4a上に形成された複数の自発光素子5と、自発光素子5を覆う封止材6とを有してなる。表示部3は、本実施形態では、図1に示すように、映像表示面1aが凸状に湾曲するように曲げられた状態、すなわち基板4の曲面形状に追従した状態で使用される。表示部3は、本実施形態では、自発光素子5のうち後述する隔壁53に所定の膜厚分布を持たせ、基板4が曲げられることで基板4内部に生じる曲げモーメントを相殺する曲げモーメント(以下「相殺モーメント」という)が、基板4内部に生じる構造とされる。この詳細については、後述する。
なお、表示部3は、凸状の湾曲状態に限られず、凹状に湾曲した状態で使用されてもよいし、他の湾曲形状で使用されてもよいが、最終的な湾曲状態に合わせて、自発光素子5のうち隔壁53の膜厚分布が適宜変更される。本実施形態では、映像表示面1aが凸状のまま使用される場合について説明する。
また、表示パネル1は、自発光素子5がOLEDにより構成される場合には、「有機EL(Electro Luminescenceの略)パネル」と称され得る。また、有機ELパネルやOLEDの基本構成については、公知であるため、本明細書では、公知部分についての詳細な説明を省略し、本願の特徴的な部分について主に説明する。
基板4は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド(PI)などの任意の樹脂材料やガラスなどの任意の無機材料などにより構成された、可撓性のある基板である。基板4は、可撓性があればよく、上記した材料に限定されるものではない。基板4の一面4a上には、図3に示すように、自発光素子5が形成されている。
自発光素子5は、例えば、OLEDとされ、図示しない薄膜トランジスタなどと共に、画素を構成している。自発光素子5は、本実施形態では、OLEDとされており、例えば、図3に示すように、第1電極51と、機能層52と、隔壁53と、第2電極54と、を備えると共に、これらが封止材6に覆われた構成とされている。なお、自発光素子5は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、両面発光型のいずれの素子構成とされてもよい。
第1電極51は、第2電極54と対となる電極であって、陽極または陰極とされ、OLEDをトップエミッション型とするかボトムエミッション型とするかにより適宜選択される。第1電極51は、例えば、酸化インジウム錫(ITO)などの透明導電材料やアルミニウム(Al)などの公知の電極材料またはその他の公知の合金材料により構成され、スパッタリングなどの真空成膜法などにより形成される。
機能層52は、例えば、陽極側から陰極側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が積層された構成とされ、電極51、54間に電圧を印加することで発光する構成とされる。機能層52は、上記した構成に限られず、他のOLEDの公知の構成とされてもよい。また、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層については、それぞれ公知の材料により構成されると共に、湿式成膜もしくは真空成膜などの任意の方法により形成される。
隔壁53は、例えば、図2に示すように平面視にて格子状とされ、図3に示すように、機能層52を区画する壁であり、「バンク」と称され得る。隔壁53は、例えば、感光性の絶縁性材料により構成され、湿式成膜法およびフォトリソグラフィエッチング法により形成される。一面4aに対する法線方向(以下「一面法線方向」という)から見て、隔壁53により囲まれた第1電極51、機能層52および第2電極54が1つの画素を構成しており、この画素が複数並べて配置されることで表示部3をなしている。隔壁53は、本実施形態では、基板4の曲げモーメントを緩和する相殺モーメントを生じさせるために、一面法線方向における厚み(以下「膜厚」という)が所定の分布とされている。この詳細については、後述する。
第2電極54は、図3に示すように、機能層52を挟んで第1電極51の反対側に配置される電極であり、第1電極51が陽極とされる場合には陰極とされ、第1電極51が陰極とされる場合には陽極とされる。第2電極54は、例えば、第1電極51と同様に、公知の電極材料により構成され、任意の真空成膜法などにより形成される。
封止材6は、外気の水分や酸素などから画素を保護するための保護層であり、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)、Al(アルミナ)などの水分や酸素の透過率が低い任意の材料により構成される。封止材6は、例えば、CVD(Chemical Vapor Depositionの略)やALD(Atomic Layer Depositionの略)、スパッタリングなどの任意の真空成膜法などにより形成される。本実施形態では、封止材6は、水分や酸素などの透過率の低い材料が隔壁53や第2電極54などの上に積層された構成とされているが、これに限られるものではない。また、封止材6は、任意の湿式成膜により形成されてもよい。
以上が、本実施形態の表示装置の基本的な構成である。
次に、基板4の曲げモーメントおよびこれを緩和する相殺モーメントを生じさせるための隔壁53の厚み設計について、図4~図6を参照して説明する。
まず、図4を参照して、基板4の内部に生じる曲げ応力の緩和の概要について説明する。
図4では、便宜的に、基板4が曲げられることで生じる曲げモーメントを第1モーメントM1として、第1モーメントM1を黒塗りの矢印で示している。また、図4では、表示部3により基板4に生じる曲げモーメント(相殺モーメント)、すなわち第2モーメントM2を白抜き矢印で示すと共に、基板4の部位ごとに生じるモーメントの大きさを便宜的に矢印の大小で示している。なお、図4では、第1モーメントM1と第2モーメントM2との関係を分かり易くするために、デフォルメしたイメージを示しているに過ぎず、矢印の部分でのみ曲げモーメントが生じることを意味するものではない。
具体的には、図4に示すように、基板4が曲げられた状態とされることで、基板4の内部には第1モーメントM1が生じるが、表示部3は、第1モーメントM1と逆向きの第2モーメントM2を基板4に生じさせる構成とされている。これにより、第1モーメントM1と第2モーメントM2とが相殺され、基板4の内部に生じる内力が小さくなるため、基板4の曲げ応力が低減することとなる。
つまり、表示部3は、基板4が曲面形状とされた状態において、基板4の曲げ応力を緩和する役割を果たす。このような作用を生じる表示部3の構成とするためには、使用される際の基板4の曲面形状で生じる第1モーメントM1の分布を算出する必要がある。
ここで、基板4を曲げた状態とした際に基板4に生じる第1モーメントM1の分布の算出について、図5を参照して簡単に説明する。
図5では、基板4を単純梁とみなし、図示しない支持部2による曲げの力を等分布荷重F(N/m)とみなし、等分布荷重Fにより基板4に生じる第1モーメントM1の分布を示している。また、図5では、基板4の一端をA点とし、その反対の他端をB点とし、A点とB点との中間の位置をO点とし、A点から所定の距離x(m)だけ離れた任意の箇所をC点とし、A点とB点とを繋げる方向の間の長さをL1(m)としている。そして、図5では、紙面下方向を正とし、C点における曲げモーメント、すなわち第1モーメントM1(N・m)を算出して得られた後述する二次曲線の数式による曲線を便宜的に破線で示している。
A点およびB点で生じる荷重Fに対する反力は、力のつり合いより、F×L1/2となる。C点で生じる第1モーメントM1は、A点の反力による曲げモーメントと、荷重Fを集中荷重に換算し、当該集中荷重の作用による曲げモーメントの和として算出されるため、以下の(1)式で表される。
M1=-F・x×x/2+F×L1/2×x
=-F・x/2+F・L1・x/2 ・・・(1)
なお、上記(1)式によれば、M1=-F/2{(x-L1/2)-L1/4}とも表されるため、x=L1/2のとき、すなわちO点における第1モーメントM1が最大となり、A点およびB点における第1モーメントM1が最小となる。
このように、基板4を曲げることにより生じる第1モーメントM1の分布は、図5中に破線で示すように、xの二次曲線として表される。上記のような計算により得られた第1モーメントM1の分布に基づいて、第1モーメントM1とは逆向きの第2モーメントM2を生じるような外力が基板4に作用するように、表示部3のうち隔壁53の膜厚分布を適宜決定する。
なお、基板4が所定の曲率半径Rで曲げられた状態における基板4のひずみ量εと、基板4を構成する材料のヤング率Eとに基づいて、基板4の曲げ応力σをフックの法則(σ=εE)により算出し、曲げ応力σの分布を算出することもできる。ひずみ量εについては、基板4の平面サイズに基づき、FEM(Finite Element Methodの略)解析などの手法により、算出することができる。
続いて、隔壁53の膜厚分布の例について、図6(a)および図6(b)を参照して説明する。
図6(a)、(b)では、見易くするために、表示部3のうち基板4、第1電極51、機能層52、隔壁53以外の構成要素を省略している。以下の説明において、表示部3の「中央領域」とは、一面法線方向から見て、表示部3の外郭で囲まれた領域の中央部を含む所定の領域を意味する。また、表示部3の「外縁領域」とは、一面法線方向から見て、表示部3のうちその中央領域よりも外側の領域であって、表示部3の外郭を含む所定の領域を意味する。
隔壁53は、本実施形態では、表示部3を一面法線方向から見て、表示部3の中央領域に位置する部分の膜厚と表示部3の外縁領域に位置する部分の膜厚とが異なる、膜厚分布とされている。具体的には、隔壁53は、例えば、図6(a)および図6(b)に示すように、表示部3の中央領域における膜厚が、表示部3の外縁領域における膜厚よりも薄い構成とされている。例えば、隔壁53の膜厚は、限定するものではないが、中心領域では1μm程度とされ、外縁領域では4μm程度とされる。
隔壁53は、例えば、基板4が所定の曲率半径Rで曲げられた状態(すなわち使用時の湾曲状態)を想定し、この状態における表示部3のうち中央領域の面積と外縁領域の面積との比に応じて、その膜厚が決定される。例えば、中央領域の面積を1として、外縁領域の面積が2.5である場合には、隔壁53は、中央領域における膜厚と外縁領域における膜厚比が1:2.5とされる。
なお、表示部3の中央領域および外縁領域については、基板4の使用時における湾曲状態にてその内部に生じる曲げモーメントもしくは曲げ応力の分布に応じて、適宜設定される。そして、これらの領域の面積比に対応して、隔壁53の膜厚分布を設計すればよい。
また、上記した隔壁53の膜厚比の決定は、表示パネル1が、凸状に曲げられた状態、すなわち映像表示面1aが凸面となるように曲げられた状態(以下「凸曲げ状態」という)で使用される例である。表示パネル1が凸曲げ状態とは逆に曲げられた状態、すなわち映像表示面1aが凹面となるように曲げられた状態では、隔壁53は、上記の面積比の場合、中央領域における膜厚と外縁領域における膜厚比が2.5:1とされる。なお、表示パネル1は、勿論、この曲げ形状での使用に限定されるものではない。
上記したように、隔壁53は、使用状態における基板4の曲率半径Rに対応した膜厚分布とされることで、隔壁53により基板4に作用する力に分布が生じる構成とされている。
具体的には、基板4には、任意の成膜方法により形成された隔壁53内部の収縮応力などに基づく外力が加わることで第2モーメントM2が生じる。この隔壁53の膜厚が大きくなると、隔壁53内部の収縮応力も大きくなり、隔壁53により基板4に作用する外力も大きくなる。つまり、基板4のうち隔壁53の膜厚が大きい領域ほど、当該領域に生じる第2モーメントM2が大きくなる。したがって、隔壁53に基板4の第1モーメントM1の分布に対応した膜厚分布をもたせることで、第1モーメントM1を相殺する分布とされた第2モーメントM2を基板4に生じさせることができる。その結果、基板4が曲げられたままの状態であっても、基板4内部の内力が小さくなり、基板4の内部応力が緩和される。
なお、ここでいう「内部応力の緩和」とは、略平板形状である表示パネル1(基板4)を曲げて曲面形状としたときに基板4に生じる曲げ応力を、当該曲面形状を保った状態であっても、他の外力が基板4に加わることで従来よりも小さくなることを意味する。究極的には、基板4が曲面形状とされた状態での曲げ応力を、基板4が略平板形状とされた状態における曲げ応力と同じにすることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、内部応力の緩和には、曲面形状とされた基板4の曲げ応力を全体的に低減することだけでなく、局所的に曲げられた場合において、当該曲げられた部分の曲げ応力を低減することも含む。また、隔壁53により生じる第2モーメントM2は、例えば、シミュレーションなどにより算出されることができる。
上記のように所定の膜厚分布とされた隔壁53は、例えば、フォトリソグラフィエッチング法にて、露光処理に用いる紫外線の透過率に分布のあるフォトマスクを用いて、場所ごとに紫外線の照射強度を調整することで形成されることができる。また、隔壁53は、上記の方法だけに限られず、紫外線を透過させるパターンの異なる複数のフォトマスクを用いて、複数回の露光処理をすることによっても形成されることができる。なお、隔壁53は、表示部3の中心領域から外縁領域に向かうにつれて連続的にその膜厚が変更されてもよいし、断続的に変更されてもよく、基板4の曲面形状に合わせて適宜変更される。
本実施形態によれば、表示部3が曲面形状で使用されつつも、その曲面形状とされることで基板4の内部に生じる第1モーメントM1と、その反対向きの第2モーメントM2とが生じ、曲げモーメントが低減される構造の表示装置となる。言い換えると、本実施形態の表示装置は、表示パネル1が平面形状とされている状態では、所定の曲率での曲面形状を想定した第2モーメントM2が作用する状態とされ、曲面形状とすることで、第1モーメントM1が低減される構造である。そのため、表示部3が曲面形状とされた状態で使用されつつも、基板4の内部応力が従来よりも低減され、信頼性の高い表示装置となる。
特に、車載用途では、車両の振動などの外力が当該表示装置に作用する状況が想定されるが、見かけ上は、曲面形状とされつつもその内部応力が緩和されているため、振動が伝搬されても基板4の割れなどの不具合が抑制される効果が期待される。また、曲げられた状態の基板4の内部応力が緩和されることで、表示部3にかかる応力も緩和され、表示部3の構成要素が基板4から剥離することを抑制する効果も期待される。
(第2実施形態)
第2実施形態の表示装置について、図7を参照して述べる。
本実施形態の表示装置は、表示部3のうち隔壁53の代わりに封止材6が、中央領域における膜厚と外縁領域における膜厚とが異なる膜厚分布とされた構成である点において上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
封止材6は、本実施形態では、表示部3のうち中央領域においては、図3に示す状態とされ、表示部6のうち外縁領域においては図7に示す状態とされている。つまり、封止材6は、中央領域における膜厚が外縁領域における膜厚よりも薄い膜厚分布とされることで、基板4に第2モーメントM2を生じさせ、基板4の第1モーメントM1を相殺して曲げ応力を緩和する役割を果たす。このような構成とされた場合であっても、図4に示した例と同様の第2モーメントM2を生じさせ、曲げられた状態の基板4の内部応力を緩和することができる。
膜厚分布を調整された封止材6は、例えば、CVDやALD、スパッタリングなどの任意の成膜方法において、マスクを用いて膜厚差を生じさせることで形成されることができる。なお、封止材6は、表示部3の中心領域から外縁領域に向かうにつれて連続的にその膜厚が変更されてもよいし、断続的に変更されてもよく、基板4の曲面形状に合わせて適宜変更される。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の表示装置の変形例について、図8を参照して説明する。図8では、封止材6の構成を分かり易くするため、表示部3を構成する複数の自発光素子5を1つにまとめた形で示している。
本変形例では、封止材6の構成が上記第2実施形態と相違しており、この相違点について主に説明する。
封止材6は、本変形例では、図8に示すように、表示部3を構成する複数の自発光素子5の外側に配置された第1接着部61と、第1接着部61の内側に配置された第2接着部62と、これらの上に配置された被覆材63とを有してなる。
第1接着部61は、一面法線方向から見て、表示部3を構成する複数の自発光素子5を囲む枠体状の部材であり、接着性のある任意の樹脂材料により構成され、「ダム剤」と称され得る。第1接着部61は、その内部の収縮応力などにより基板4に外力を加え、第2接着部62と共に第2モーメントM2を生じさせる部材である。
第2接着部62は、一面法線方向から見て、第1接着部61の内側に配置され、第1接着部61で囲まれた領域を充填する部材である。第2接着部62は、接着性のある任意の樹脂材料により構成され、「フィル剤」と称され得る。第2接着部62は、第1接着部61と同様に、その内部の収縮応力などにより基板4に外力を加え、第2モーメントM2を生じさせる役割を果たす。
第1接着部61および第2接着部62は、それぞれの内部の収縮応力に差を生じさせることで第2モーメントM2に分布を生じさせるため、例えば弾性率などの物理的性質や組成などが異なる樹脂材料により構成される。このような構成とされた場合であっても、図4に示した例と同様の第2モーメントM2を生じさせ、曲げられた状態の基板4の内部応力を緩和することができる。第1接着部61および第2接着部62は、例えば、ディスペンサー塗布などの任意の塗布法により塗布される。
被覆材63は、図8に示すように、第1接着部61および第2接着部62上に配置され、表示部3を構成する複数の自発光素子5を覆う部材である。被覆材63は、水分や酸素の透過率が低く、かつ基材4が曲げられた際にその曲げに追従できる可撓性のある部材とされ、「バリアフィルム」と称され得る。被覆材63は、公知のバリアフィルムなどが採用されることができ、任意の構成とされる。
本変形例の表示装置は、第1接着部61により基板4に作用する力と、第2接着部62により基板4に作用する力とが異なる構成とされることで、第2モーメントM2に分布が生じる構造であり、上記第2実施形態の表示装置と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
第3実施形態の表示装置について、図9を参照して述べる。
本実施形態の表示装置は、表示部3のうち隔壁53の代わりに第1電極51が、中央領域における膜厚と外縁領域における膜厚とが異なる膜厚分布とされた構成である点が上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
第1電極51は、本実施形態では、表示部3のうち中央領域においては、図3に示す状態とされ、表示部6のうち外縁領域においては図9に示す状態とされている。つまり、第1電極51は、中央領域における膜厚が外縁領域における膜厚よりも薄い膜厚分布とされることで、基板4に第2モーメントM2を生じさせ、基板4の第1モーメントM1を相殺して曲げ応力を緩和する役割を果たす。このような構成とされた場合であっても、図4に示した例と同様の第2モーメントM2を生じさせ、曲げられた状態の基板4の内部応力を緩和することができる。
膜厚分布を調整された第1電極51は、例えば、スパッタリングなどの任意の成膜方法において、マスクを用いて膜厚差を生じさせることで形成されることができる。なお、第1電極51は、表示部3の中心領域から外縁領域に向かうにつれて連続的にその膜厚が変更されてもよいし、断続的に変更されてもよく、基板4の曲面形状に合わせて適宜変更される。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態の変形例)
次に、第3実施形態の表示装置の変形例について説明する。本変形例では、表示部3の構成要素がすべての領域において一様の膜厚とされ、かつ第1電極51が表示部3の中央領域と外縁領域とでその内部応力が異なる状態とされている点において上記第3実施形態と相違する。本変形例では、この相違点について主に説明する。
第1電極51は、本変形例では、例えばマグネトロンスパッタ法により形成されると共に、表示部3の中央領域と外縁領域とではそれぞれ異なる成膜条件により形成されている。これは、第1電極51のうち表示部3の中央領域における内部応力と外縁領域における内部応力とに差を生じさせることで、第1モーメントM1に対応する分布を持つ第2モーメントM2を基板4に生じさせる構成とするためである。
具体的には、例えば、国際公開第2014/020788号に記載の方法のように、マグネトロンスパッタ法においてマスクを用いて、単位ターゲット面積あたりの成膜電力である成膜電力密度に分布を持たせる。より具体的には、表示部3のうち中央領域での成膜電力密度よりも外縁領域における成膜電力密度が高くなるように調整する。これにより、第1電極51のうち成膜電力密度が相対的に低い中央領域における膜応力が、成膜電力密度が相対的に高い外縁領域での膜応力より小さくなる。その結果、第1電極51のうち膜応力が小さい部分と膜応力が大きい部分とで基板4に生じる外力に分布が生じ、第2モーメント2にも分布が生じることとなる。
つまり、第1電極51の膜応力に第1モーメントM1に対応する分布を持たせることで、図4に示した例と同様に、基板4が曲げられた状態であっても第2モーメントM2により第1モーメントM1が相殺され、基板4の曲げ応力が緩和される構造となる。
本変形例によっても、上記第3実施形態と同様の効果が得られる。
(第4実施形態)
第4実施形態の表示装置について、図10、図11を参照して述べる。図10では、上記第1実施形態における図1(a)に相当する断面構成を示している。図11では、後述する第3モーメントM3と第2モーメントM2とを区別するため、便宜的に、第2モーメントM2を破線の白抜き矢印で示し、第3モーメントM3を実線の白抜き矢印で示している。また、図11では、図4と同様に、第1モーメントM1を黒塗り矢印で示すと共に、基板4の部位ごとに生じるモーメントの大きさを便宜的に矢印の大小で示しているが、矢印を示した部位にのみ曲げモーメントが生じることを意味するものではない。
本実施形態の表示装置は、さらに応力緩和部7を備え、応力緩和部7により基板4の曲げモーメントM1を相殺する第3モーメントM3が生じる構成とされている点において、上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
応力緩和部7は、図10に示すように、表示パネル1に接して配置され、表示部3が曲面形状とされた状態において基板4に生じる内部応力を緩和するために用いられる部材である。
具体的には、図11に示すように、表示パネル1が支持部2により曲げられた状態とされることで、基板4の内部には第1モーメントM1が生じる。応力緩和部7は、図11に示すように、第1モーメントM1と逆向きの第3モーメントM3を基板4に生じさせる。これにより、第1モーメントM1と、第2モーメントM2および第3モーメントM3とが相殺され、基板4の内部に生じる内力が小さくなるため、基板4の曲げ応力が低減することとなる。つまり、応力緩和部7は、支持部2により曲げられた表示パネル1において、支持部2による表示部3を曲げる力と逆向きの曲げる力を表示部3に生じさせることで、表示部3に作用する曲げ応力を緩和する部材である。
応力緩和部7は、本実施形態では、例えば、アクリル系樹脂材料などの任意の光学樹脂によりなる光学樹脂層71を有した構成とされており、図11に示すように、映像表示面1a側に接して配置される。光学樹脂層71は、表示部3の構成要素の膜厚分布と同様に、曲げ応力の緩和の観点から、例えば図11に示すように、断面視にて、映像表示面1aのうち凸部(この例では中心部)付近における厚みが、映像表示面1aの端部側における厚みよりも薄くされている。
なお、光学樹脂層71は、OCA(Optical Clear Adhesiveの略)やOCR(Optical Clear Resinの略)とされ、映像表示面1aと反対側の面にクリアパネルなどの図示しない透明パネルが貼り付けられていてもよい。また、光学樹脂層71は、上記した厚み分布に限られず、表示パネル1の曲げられた形状に合わせて、その厚み分布が適宜変更されてもよい。
本実施形態によれば、表示部3が曲げられた状態で使用されつつ、表示部3による第2モーメントM2に加えて、応力緩和部7による第3モーメントM3をさらに生じさせ、基板4の第1モーメントM1を相殺する構造の表示装置となる。そのため、上記第1実施形態に加えて、さらに基板4の曲げ応力が緩和された表示装置となる。
(第4実施形態の第1変形例)
第4実施形態の表示装置の第1変形例について、図12(a)、(b)を参照して述べる。図12(a)では、別断面に存在する後述の開口部722aの外郭を破線で示している。図12(b)では、後述する筐体部品72で隠されて正面視では見えない、表示パネル1の外郭を破線で示している。
本変形例の表示装置は、図12(a)に示すように、応力緩和部7が筐体部品72により構成されている点で上記第4実施形態と相違する。本変形例では、この相違点について主に説明する。
筐体部品72は、表示パネル1に取り付けられ、表示パネル1を曲げられた状態で保持しつつも、表示パネル1に第3モーメントM3が作用する外力を印加する部材であり、例えば、底部721と蓋部722とが組み付けられてなる。筐体部品72は、例えば、図12(a)に示すように、表示パネル1がその映像表示面1aが凸状に湾曲するように曲げられた状態において、映像表示面1aに当接することで、表示パネル1に支持部2によりかかる曲げの力と逆方向の力をかける。筐体部品72は、例えば、図12(b)に示すように、蓋部722に開口部722aが形成され、表示パネル1が収容されても表示部3が露出する構成とされる。
なお、筐体部品72は、例えば樹脂材料などの任意の材料により構成され、光を透過する透明な材料で構成される場合には、開口部722aが形成されなくてもよい。また、筐体部品72は、例えば支持部2に相当する凸部が形成されることなどにより、支持部2を兼ねる部材とされてもよい。この場合には、支持部2が不要となる。さらに、筐体部品72は、底部721と蓋部722とにより構成される例について説明したが、これに限定されるものではなく、これらが一体とされた1つの部材とされてもよいし、3つ以上の部品により構成されてもよい。
筐体部品72は、図11に示した例と同様に、基板4に支持部2による第1モーメントM1と逆向きの第3モーメントM3が生じるように、映像表示面1aを押圧する構成とされている。例えば、蓋部722のうち断面視にて表示パネル1の凸部分(中心部側)の上に配置される部分の厚みが、表示パネル1の端部側の上に配置される部分の厚みよりも薄くされ、表示パネル1の端部側が凸部分よりも強く押圧されるように構成される。
なお、筐体部品72は、第3モーメントM3が生じる力を表示パネル1に作用させる構成とされていればよく、図7に示すように、表示パネル1の曲げに沿って全体的に当接せず、部分的に表示パネル1に当接する構成とされてもよい。筐体部品72は、例えば、蓋部722のうち表示パネル1側の面に柱状部を所定の間隔で複数設け、これらの柱状部が表示パネル1と当接する構成とされてもよい。この場合には、柱状部の高さを場所ごとに変更することで押圧する力を変えることができる。このように、筐体部品72の形状や構造などは、適宜変更されてもよい。
本変形例の表示装置は、例えば、表示パネル1、支持部2、筐体部品72を用意し、表示パネル1を支持部2により曲げた状態とした後に、筐体部品72に収容することで製造されることができる。支持部2を兼ねる筐体部品72とした場合には、表示パネル1と筐体部品72を用意した後、筐体部品72に収容すればよい。
本変形例によっても、上記第4実施形態と同様の効果が得られる表示装置となる。
(第4実施形態の第2変形例)
第4実施形態の表示装置の第2変形例について、図13(a)、(b)を参照して述べる。図13(b)では、後述する応力緩和部7としてのカラーフィルタ73が表示パネル1と当接する部分の一部を拡大したものを示しているが、見易くするために、カラーフィルタ73の一部の構成要素を省略している。
本変形例の表示装置は、図13(a)に示すように、応力緩和部7がカラーフィルタ73とされている点で上記第4実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
なお、カラーフィルタ73は、後述するフォトスペーサ77の厚みに分布を持たせている点以外については、公知のカラーフィルタと同様の構成とされるため、本明細書では簡単に説明する。
カラーフィルタ73は、図13(a)に示すように、表示パネル1の映像表示面1aに取り付けられている。カラーフィルタ73は、例えば、図13(b)に示すように、基材74と、基材74の表面上に形成される、ブラックマトリクス75、カラーレジスト76、フォトスペーサ77および透明導電膜78とを有してなる。基材74は、例えば樹脂材料によりなり、可撓性のある透明な部材である。ブラックマトリクス75は、光を透過しない任意の材料により構成され、カラーレジスト76を区画し、光の混色を防ぐためのものである。カラーレジスト76は、複数の種類が配置されており、例えば赤、緑、青などの波長の異なる光を透過する部材である。フォトスペーサ77は、カラーレジスト76と表示部3とのギャップを調整するための柱状部材であり、例えば感光性の樹脂材料により構成される。透明導電膜68は、カラーレジスト76を覆う膜であり、例えばITO(酸化インジウム錫)などにより構成される。カラーフィルタ73は、公知の方法により製造される。
なお、カラーフィルタ73を応力緩和部7として採用する場合には、自発光素子5は、白色発光素子とされる。
本変形例では、フォトスペーサ77の厚みが表示パネル1との当接場所に応じて変更されている。例えば、図13(a)に示すように、映像表示面1aが凸状に湾曲するように表示パネル1が曲げられている場合について説明する。この場合、図13(a)に示すように、表示パネル1の端部側に当接するフォトスペーサ77の厚みをL2とし、表示パネル1の凸部分に当接するフォトスペーサ77の厚みをL3とすると、L2>L3とされている。つまり、フォトスペーサ77は、表示パネル1との当接部分に応じた厚みの分布をもった構成とされている。
このような構成とされたカラーフィルタ73を表示パネル1に取り付けることで、表示パネル1を押圧する力の分布を適宜調整することができる。このような場合であっても、上記第4実施形態と同様に、支持部2による第1モーメントM1と逆向きの第3モーメントM3を生じさせることができる。そのため、カラーフィルタ73を表示パネル1に取り付けることにより、表示パネル1を曲げた曲面形状としつつも、その内部に生じる曲げモーメント、ひいては曲げ応力を緩和することができる。
本変形例によっても、上記第4実施形態と同様の効果が得られる表示装置となる。
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態に示した表示装置は、本発明の表示装置の一例を示したものであり、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)上記各実施形態では、表示パネル1が凸状に曲げられた状態で使用される例について説明したが、表示パネル1が凹状に曲げられた状態や他の曲面形状となるように曲げられた状態で使用されてもよいことは言うまでもない。この場合、表示パネル1の使用時における基板4の曲げられた状態に合わせて、表示部3や応力緩和部7の膜厚分布や成膜条件などを適宜変更すればよい。
例えば、表示パネル1が凹状に曲げられた状態で使用される場合、第1電極51、隔壁53、封止材6のうちの少なくとも1つは、表示部3の中央領域における膜厚が外縁領域における膜厚よりも厚い膜厚分布とされていればよい。より具体的には、この膜厚分布は、表示パネル1が使用される際の基板4の曲げによる第1モーメントM1に対応して決定される。応力緩和部7を用いる場合における基本的な設計は、上記と同様である。また、上記第3実施形態の変形例にように、第1電極51の成膜条件を変更する場合には、想定される第1モーメントM1の分布に基づいて、第1電極51の膜応力の分布を考慮した成膜条件に変更すればよい。
いずれの場合であっても、表示部3や応力緩和部7は、基板4が曲げられることで内部に生じる第1モーメントM1と反対の第2モーメントM2もしくは第3モーメントM3を、基板4に生じさせる構成とされればよい。
(2)上記第4実施形態およびその変形例では、上記第1実施形態の表示装置にさらに応力緩和部7を追加した例について説明した。しかしながら、上記第1実施形態の表示装置に限られず、上記した第2実施形態や第3実施形態に応力緩和部7を追加した構成とされてもよい。また、上記した第1実施形態ないし第4実施形態の表示装置については、それぞれ自由に組み合わせされてもよい。
(3)上記第1実施形態では、支持部2は、表示パネル1を映像表示面1aの反対側の面において当接する配置とされた例について説明したが、これに限られず、映像表示面1aにおいて当接する配置とされてもよい。これは、上記した第1実施形態以外の実施形態についても同様である。
(4)上記第1実施形態ないし第3実施形態では、第1電極51、隔壁53および封止材6のうち1つの膜厚分布を調整することで第2モーメントM2を生じさせる例について説明した。しかしながら、自発光素子5を発光させた際の輝度や色度に影響を及ぼさない部位であればよく、上記した例に限られない。例えば、自発光素子5がボトムエミッション型とされた場合における第2電極54などの他の構成要素が、その膜厚分布を調整された構成の表示装置とされてもよい。
1 表示パネル
2 支持部
3 表示部
4 基板
5 自発光素子
51 第1電極
53 隔壁
6 封止材
7 応力緩和部

Claims (11)

  1. 可撓性がある基板(4)と、前記基板の一面(4a)上に形成され、映像を表示する表示部(3)と、を有する表示パネル(1)を備え、前記基板が曲げられた曲面形状とされることで、前記表示部が前記曲面形状に追従した形状とされた状態で使用される表示装置であって、
    前記表示部は、自発光素子(5)によりなる複数の画素と、前記自発光素子を覆う封止材(6)と、を有してなり、
    前記自発光素子は、前記一面上に形成されると共に、一対の第1電極(51)および第2電極(54)と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された機能層(52)と、前記機能層を複数の領域に区画する隔壁(53)と、を有してなり、
    前記基板が前記曲面形状とされることで前記基板に生じる曲げモーメントを第1モーメントとして、
    前記第1電極、前記隔壁および前記封止材のうち少なくとも1つは、前記一面に対する法線方向から見て、前記表示部のうち中央部における膜厚と外縁部における膜厚とが異なる膜厚分布とされ、前記第1モーメントの向きと反対の向きの曲げモーメントである第2モーメントが前記基板に生じる構成とされている、表示装置。
  2. 前記隔壁が、前記法線方向から見て、前記中央部における膜厚と前記外縁部における膜厚とが異なる膜厚分布とされている、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記封止材が、前記法線方向から見て、前記中央部における膜厚と前記外縁部における膜厚とが異なる膜厚分布とされている、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記第1電極が、前記法線方向から見て、前記中央部における膜厚と前記外縁部における膜厚とが異なる膜厚分布とされている、請求項1に記載の表示装置。
  5. 可撓性がある基板(4)と、前記基板の一面(4a)上に形成され、映像を表示する表示部(3)と、を有する表示パネル(1)を備え、前記基板が曲げられた曲面形状とされることで、前記表示部が前記曲面形状に追従した形状とされた状態で使用される表示装置であって、
    前記表示部は、自発光素子(5)によりなる複数の画素と、前記自発光素子を覆う封止材(6)と、を有してなり、
    前記自発光素子は、前記一面上に形成されると共に、一対の第1電極(51)および第2電極(54)と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された機能層(52)と、を有してなり、
    前記基板が前記曲面形状とされることで前記基板に生じる曲げモーメントを第1モーメントとして、
    前記第1電極は、真空成膜法により形成されたものであって、前記一面に対する法線方向から見て、前記表示部のうち中央部における部分と外縁部における部分とが異なる成膜条件により形成されており、前記第1モーメントの向きと反対の向きの曲げモーメントである第2モーメントが前記基板に生じる構成とされている、表示装置。
  6. 可撓性がある基板(4)と、前記基板の一面(4a)上に形成され、映像を表示する表示部(3)と、を有する表示パネル(1)を備え、前記基板が曲げられた曲面形状とされることで、前記表示部が前記曲面形状に追従した形状とされた状態で使用される表示装置であって、
    前記表示部は、前記一面上に形成された自発光素子(5)と、前記自発光素子を覆う封止材(6)と、を有してなり、
    前記封止材は、前記一面に対する法線方向から見て、前記表示部を構成する複数の前記自発光素子を囲む枠体形状とされた第1接着部(61)と、前記第1接着部に囲まれた部分を充填する第2接着部(62)と、前記第1接着部および前記第2接着部に貼り付けられた被覆材(63)と、を有してなり、
    前記基板が前記曲面形状とされることで前記基板に生じる曲げモーメントを第1モーメントとして、
    前記第1接着部が前記第2接着部を構成する樹脂材料と異なる樹脂材料により構成されることで、前記第1モーメントの向きと反対の向きの曲げモーメントである第2モーメントが前記基板に生じる構成とされている、表示装置。
  7. 前記表示パネルに接して配置された応力緩和部(7)をさらに有し、
    前記応力緩和部は、前記基板に当接して、前記基板に外力を加えることにより、前記基板に前記第2モーメントと同じ向きの曲げモーメントである第3モーメントが生じさせる、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の表示装置。
  8. 前記表示パネルのうち前記表示部側の面を映像表示面(1a)として、前記表示部は、前記映像表示面が凸状に曲げられており、
    前記応力緩和部は、前記表示面側に接して配置された光学樹脂層(71)を有してなり、
    前記光学樹脂層は、断面視にて、凸状に曲げられた前記表示面の中心部の上に配置された部分の厚みが、前記表示面の端部の上に配置された部分の厚みよりも薄い、請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記表示パネルのうち前記表示部側の面を映像表示面(1a)として、前記表示部は、前記映像表示面が凹状に曲げられており、
    前記応力緩和部は、前記表示面側に接して配置された光学樹脂層(71)を有してなり、
    前記光学樹脂層は、断面視にて、凹状に曲げられた前記表示面の中心部の上に配置された部分の厚みが、前記表示面の端部の上に配置された部分の厚みよりも厚い、請求項7に記載の表示装置。
  10. 前記応力緩和部は、筐体部品(72)とされ、
    前記筐体部品は、断面視にて、前記表示パネルのうち前記曲面形状とされた前記表示部を曲げられる前の平面形状に戻す方向の曲げの力を前記表示パネルに作用させる、請求項7に記載の表示装置。
  11. 前記表示パネルのうち前記表示部側の面を映像表示面(1a)として、
    前記応力緩和部は、前記映像表示面側に取り付けられるカラーフィルタ(73)とされ、
    前記カラーフィルタは、基材(74)と、透過する光の波長が異なる複数のカラーレジスト(75)と、複数の前記カラーレジストを区画するブラックマトリクス(76)と、前記ブラックマトリクス上に形成される複数のフォトスペーサ(77)とを有してなり、
    複数の前記フォトスペーサは、前記カラーフィルタが前記表示パネルに取り付けられることで前記表示面側に接して前記表示パネルを押圧し、
    前記映像表示面に対する法線方向から見て、複数の前記フォトスペーサのうち前記表示部の中心側に配置される前記フォトスペーサの厚みが、前記表示部の端部側に配置される前記フォトスペーサの厚みより薄い、請求項7に記載の表示装置。
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