JP7035468B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写方式のプリンタに係る技術であって、熱転写インクシートから画像などの目的の転写情報に対応したインクが熱転写される熱転写受像シートに関する。
従来から、文字又は画像等を被転写体に形成する方式として、昇華型熱転写方式又は溶融型熱転写方式等が採用されている。昇華型熱転写方式の場合、例えば、支持体上に染料やバインダー等を含む熱転写層等を設けた熱転写記録媒体(熱転写シート)の熱転写層表面と、他の支持体上に染料を受容する染料受容層を設けた被熱転写体(熱転写受像シート)の染料受容層表面とを互いに重ね合わせ、熱転写シートの熱転写層を設けていない面から文字又は画像情報により温度制御されたサーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層中の染料を昇華させ、染料受容層に熱拡散させることで、所望の文字や画像など(以下、単に画像と呼ぶ)が熱転写記録媒体に形成される。その形成された画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
昨今では、プリンタの高速化などにより、サーマルヘッドから供給された熱エネルギーを効率よく利用して、染料を染料受容層に熱拡散させるための高い断熱性が、受容層の下側の断熱層や基材に求められている。
そこで、断熱性のあるミクロボイドを含有する二軸延伸発泡フィルム(発泡フィルム)などが、断熱層として用いられることがある。
しかし、上記断熱層を構成するフィルムは、延伸時の残留応力がプリント時の熱や、染料受容層塗工時の熱で緩和して収縮し、熱転写受像シートにシワやカールが発生するという問題がある。
また、製造工程も、塗布工程に加え、発泡フィルムを貼り合せる工程が必要であることから、製造コストが嵩むという欠点がある。
そこで、中空粒子とバインダー樹脂を組み合わせた断熱層が提案されている。
この断熱層を用いれば、基材上に形成する全ての層に対して塗工液を上下方向に重ねた状態で、基材シート上に塗布するスライドコート法等を用いて、基材シート上に同時に複数の層を形成する方法(同時多層塗工法)が可能となる(例えば、特許文献1)。
このような方法は、複数の層を同時に形成することにより、製造効率を著しく向上させることができ、製造コストの削減に資する点等において非常に有利である。また、同時多層塗工法であれば、各層の形成用塗工液を基材シート上に塗工した後の乾燥工程は、一回実施すればよい。したがって、同時多層塗工法は、断熱層や染料受容層を単層ずつ塗工形成する方法に比べて、乾燥時の熱によって基材に付加される負担を著しく減少させることができる点でも望ましい。
しかし、上記中空粒子を用いた断熱層を形成した熱転写シートでは、印画の際に、「白抜け」現象が発生するおそれがあるという問題点がある。「白抜け」とは、熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、熱転写受像シートにおいて印画されるべき領域内に部分的に印画されてない領域が発生することをいう。「白抜け」発生の主要な要因として、熱転写受像シート表面に凹凸形状が形成されることが挙げられる。すなわち、昇華型熱転写方式にて熱転写受像シートに印画する際、サーマルヘッド等の加熱手段による加熱にて熱転写シートの染料が熱転写受像シートの転写領域へ転写される際に、熱転写受像シートの表面に所定以上の凹凸形状が存在すると、その凹凸形状により、熱転写シートとサーマルヘッドとの密着性(追従性)が阻害されて、サーマルヘッドから十分に熱が伝えられない領域が熱転写シートや熱転写受像シートに部分的に発生する。その結果、サーマルヘッドによる熱が十分に伝わらなかった領域に「白抜け」が生じて、印画された画像全体を、粒状感のある画像になってしまう。
従来から、上記の「白抜け」の問題に対し、種々の改良技術が提案されている。例えば、特許文献2には、多孔質層の中空粒子の含有率を制御して高濃度の印画特性を有し、かつ印画均一性を保つことが記載されている。また、特許文献3には、多孔質層の中空粒子の粒子系を制御して、ざらつきを防止することが記載されている。
特開2008-162155号公報 特開2006-88691号公報 特開2007-98693号公報
しかし、昨今の高速印画化の流れに十分応えられる品質を得るには至らず、更なる改良が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、印画特性として感度を損なわず、白抜け耐性に優れた画像が得られ、かつ高速印画プリンタにおいても十分な印画濃度が得られる熱転写受像シートを提供することにある。
本発明者らは、高速印画化や上記白抜けの問題について鋭意検討した結果、上記白抜けの問題は、熱転写受像シートの表面粗さなどによる凹凸の大きさだけではなく、傾斜角度の大きい凹凸が染料受容層表面にあることによっても発生するという知見を得た。
本発明者らの知見によれば、特に、スライドコート法などによる同時多層塗工法では、基材シート上に形成される各層は、同時に形成される複数の塗工膜にて構成され、その厚みがいずれも薄いため、基材シートの表面形状の凹凸状態がそのまま最表面(染料受容層表面)に露出し、シートの表面形状の凹凸状態を決定する傾向があることが分かった。
そして、課題を解決するための、本発明の一態様は、熱転写インクシートからインクが熱転写される熱転写受像シートであって、基材の一方の面側に断熱層と染料受容層とがこの順に積層し、上記染料受容層におけるインクが転写される側の面は、算術平均粗さSaが0.8μm以下であり、且つ凹凸の平均傾斜角θaが0.72deg以下であり、上記断熱層の空隙率が20%以上であり、上記染料受容層は、エチレングリコールジエチルエーテルを含むことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、熱転写受像シートに対し、印画特性として白抜け耐性に優れた画像が得られ、かつ高速印画下でおいても十分な印画濃度を得ることが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る熱転写受像シートを説明するための断面模式図である。 本発明における、表面粗さのパラメータである平均傾斜角の説明図である。
以下、本発明について更に詳細に説明する。図1は被熱転写受像シートの断面図である。
なお、本発明は、以下に記載する実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も、本発明の範囲に含まれるものである。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
<熱転写受像シート>
図1に示すように、本実施形態の熱転写受像シートは、基材101と、基材の一方の面側に断熱層、染料受容層がこの順に積層して構成される。
(基材101)
基材101は、断熱層105及び染料受容層106を保持する役割を有する。基材101は、熱転写時に熱が加えられるため、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材101は、例えば、繊維状シート(紙基材)や樹脂製フィルムなどからなる。繊維状シートとしては、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、又はサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙が例示できる。樹脂製フィルムとしては、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の合成樹脂を材料としたフィルムが挙げられる。また、基材101は、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。基材101は、上記の基材の任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
本実施形態の基材101は、図1に示すように、セルロース繊維紙と合成紙やセルロース合成紙などからなる紙基材103と、その紙基材の両面に形成された合成樹脂製のフィルムからなる樹脂層102,104とからなる合成紙を例示している。
本実施形態においては、基材101として市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名)等が好ましい。
基材101の厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材101として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材101の厚みは、100μm~1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm~300μmの範囲内であることがより好ましい。
同時多層塗工法で、塗工層を形成する場合は、染料受容層106は、基材101の表面性(粗さや、表面形状)を引き継いだ表面性になる。このため、基材101の表面粗さは、算術平均粗さSaが、0.8μm以下であり、凹凸の平均傾斜角θaが、1.0deg以下であることが望ましいが、これに限らない。
(断熱層105)
本実施形態における断熱層105は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材101等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。
断熱層105は、従来公知のもので対応でき、例えば、中空粒子とバインダー樹脂によって構成されるものや、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、更に発泡フィルムの片面又は両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いた断熱層を挙げることができる。
ただし、発泡フィルムなどを用いた断熱層105は、コストの面、基材と貼り合わせ行程に発生するカールを考慮すると、断熱層105として、中空粒子を用いた断熱層を用いるのが好ましい。
この場合、断熱層105への中空粒子の添加量は、印画濃度の観点から、中空粒子の添加量が、断熱層中の空隙率が20%以上になる添加量とすることが望ましい。空隙率は高い程、断熱性が向上するため好ましいが、空隙率が50%を越えると、膜の剛性がなくなり断熱層として成り立たなくなるため、空隙率は50%以下にするのが良い。
それに加え、中空粒子の粒子径は、表面粗さへの影響を考えると中空粒子の径は、1.0μm以下に抑えるのが好ましい。
(中間層)
断熱層105と染料受容層106の間に少なくとも1層の中間層(図せず)を設けることも可能である。
中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、及び帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、及び導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
(染料受容層106)
本実施形態の染料受容層106は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容すると共に、受容した昇華性染料を染料受容層106に保持することで、染料受容層106の面に画像を形成かつ維持する。染料受容層106は、バインダー樹脂とシリコーン離型剤とをさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、染料受容層106は、界面活性剤や、造膜助剤を各種目的に応じてさらに含んでもよい。
バインダー樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ハロゲン化ポリマー、ビニルポリマー、オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート等、及びこれら樹脂の混合系が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。ハロゲン化ポリマーとしては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。ビニルポリマーとしては、ポリ酢酸ビニル・アクリル共重合体、ポリアクリル酸エステル等が挙げられる。オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等が挙げられる。セルロース系樹脂としては、アイオノマー、セルロースジアセテート等が挙げられる。バインダー樹脂としては、好ましくは塩ビ系樹脂である。バインダー樹脂は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル共重合体から選択される少なくとも1種類の塩化ビニル系樹脂であることが更に好ましい。
染料受容層106に含有される離型剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等が使用できる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
染料受容層106の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましい。また必要に応じて架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有しても良い。
(裏面層)
また、基材101のおける、断熱層105が設けられている側とは反対側の面に、裏面層(図せず)を設けても良い。裏面層はプリンタ搬送性向上や、染料受容層106とのブロッキング防止、印画前後における熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。裏面層に用いられる材料としては従来公知のもので対応でき、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダー樹脂を用いることができる。また必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有しても良い。
上述したように、本実施形態の熱転写受像シート100は、基材101と、基材101の一方の面側に形成された断熱層105及び染料受容層106と備える。更に、熱転写受像シート100における上記染料受容層側の表面、つまり染料受容層におけるインクが転写される側の面は、算術平均粗さSaが、0.8μm以下であり、凹凸の平均傾斜角θaが、1.0deg以下に設定されている。更に、断熱層105の空隙率が20%以上に調整されている。
この構成によれば、後述の実施例から分かるように、白抜けない画質に優れた熱転写受像シート100を得ることができる。
[表面の算術平均粗さ(Sa)]
以下、曲面の算術平均粗さ(Sa)及び二次元の輪郭曲線の算術平均粗さ(Ra)について説明する。
曲面の算術平均粗さ(Sa)とは、JISB601で規定される曲線の算術平均粗さ(Ra)を面(三次元)に拡張したパラメータであり、曲面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表すと、ISO25178には記載されている。本実施形態では、この規定に準拠して算術平均粗さSaを規定する。
すなわち、軸X,Y軸をおき、中心面に直交する軸をZ軸としたとき、表面形状の曲面をf(x,y)、LxをX軸方向の測定長、LyをY軸方向の測定長とすると、算術平均粗さ(Sa)は以下の式(1)にて表される。
Figure 0007035468000001
[表面の平均傾斜角(θa)]
以下、表面の平均傾斜角(θa)について、図2を参照しつつ説明する。
測定した曲線を一定間隔Δxで横方向に区切り、各区間内における測定曲線の終点を結ぶ線分の傾き(角度)の絶対値を求め平均したものを平均傾斜角とする。
平均傾斜角θaは、以下の式(2)にて表される。
Figure 0007035468000002
[断熱層の空隙率]
断熱層の空隙率は、走査型電子顕微鏡(以下、SEM)により撮影した断熱層の断面画像データから、断面の面積における空隙の割合、つまり、空隙の面積÷断面の面積により、近似的に算出した値とする。
(実施例1)
<基材の作製>
坪量127.9gのグロスコート紙(オーロラコート紙、日本製紙)を紙基材103として使用し、紙基材103の一方の面に溶融押出法により厚さ30μmのポリエチレン樹脂層104を形成した。
次に、紙基材103のポリエチレン樹脂層104側とは反対側の面に樹脂層104と同様に、厚さ20μmのポリエチレン樹脂層102を形成し、基材101を作製した。
<熱転写受像シートの作製>
ポリエチレン樹脂からなる樹脂層104の上に、下記構成の断熱層塗工液1を、乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、乾燥することで、断熱層105を作製した。
(断熱層塗工液1)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 5.5質量部
・純水 40.1質量部
・中空粒子 52.8質量部
(ローペイク UltraE、粒経0.4μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 1.7質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
更に、断熱層105上に、下記構成の染料受容層塗工液1を乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層106を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
(染料受容層塗工液1)
・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン 100.00質量部
(ビニブラン603、日信化学工業)
・エチレングリコールジエチルエーテル 0.25質量部
・シリコーン離型剤 0.17質量部
(ジメチルシリコンNP2406、旭化成ワッカーシリコン )
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計(ET-4000A、小阪研究所製)で測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.79で、平均傾斜角θaが0.7であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、30%であった。
<算術平均粗さ及び、平均傾斜角測定条件>
ここで、本実施例では、測定は下記の条件にて実施した。
・接触式表面粗さ計:ET-4000A Bruker社製
・測定範囲:5mm×5mm
・測定ピッチ:X方向1μm、Y方向20μm
・カットオフ:無し
・レベリング:最小二乗法
(実施例2)
実施例1の断熱層105の塗工液を、下記の断熱層塗工液2に変更した以外は、実施例1と同じとし、実施例2の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液2)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 3.6質量部
・純水 34.9質量部
・中空粒子 60.4質量部
(ローペイク UltraE、粒経0.4μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 1.1質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計(ET-4000A、小阪研究所製)で測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.80で、平均傾斜角θaが0.7であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、33%であった。
(実施例3)
実施例1の断熱層の塗工液を、下記の断熱層塗工液3に変更した以外は、実施例1と同じとし、実施例3の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液3)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 7.3質量部
・純水 45.2質量部
・中空粒子 45.3質量部
(ローペイク AF-1055、粒経1.0μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 2.2質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計(ET-4000A、小阪研究所製)で測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.73で、平均傾斜角θaが0.68であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、20%であった。
(比較例1)
実施例1の紙基材103を構成するグロスコート紙を、坪量127.9gの上質紙(しらおい、日本製紙)に変更し、断熱層105の塗工液を、下記の断熱層塗工液4に変更した以外は、実施例1と同じとし、比較例1の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液4)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 10.9質量部
・純水 55.6質量部
・中空粒子 30.2質量部
(ローペイク HP-1568、粒経1.5μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 3.3質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計(ET-4000A、小阪研究所製)で測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、1.22で、平均傾斜角θaが1.3であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、16%であった。
(比較例2)
比較例1の断熱層の塗工液を、下記の断熱層塗工液5に変更した以外は、比較例1と同じとし、比較例2の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液5)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 7.3質量部
・純水 45.2質量部
・中空粒子 45.3質量部
(ローペイク HP-1568、粒経1.5μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 2.2質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計(ET-4000A、小阪研究所製)で測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、1.43で、平均傾斜角θaが1.3であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、21%であった。
(比較例3)
実施例1のグロスコート紙を、坪量127.9gのマットコート紙(OKトップマットコートN、王子製紙)に変更し、断熱層の塗工液を、下記の断熱層塗工液6に変更した以外は、実施例1と同じとし、比較例3の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液6)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 10.9質量部
・純水 55.6質量部
・中空粒子 30.2質量部
(ローペイク AF-1055、粒経1.0μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 3.3質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計(ET-4000A、小阪研究所製)で測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.90で、平均傾斜角θaが0.8であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、16%であった。
(比較例4)
比較例3の断熱層の塗工液を、下記の断熱層塗工液7に変更した以外は、比較例3と同じとし、比較例4の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液7)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 10.9質量部
・純水 55.6質量部
・中空粒子 30.2質量部
(ローペイク HP-1568、粒経1.5μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 3.3質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計(ET-4000A、小阪研究所製)で測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.78で、平均傾斜角θaが1.2であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、16%であった。
(比較例5)
実施例1のグロスコート紙を、坪量127.9gのキャストコート紙(エスプリC、日本製紙)に変更し、断熱層の塗工液を、下記の断熱層塗工液8に変更した以外は、実施例1と同じとし、比較例5の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液8)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 7.3質量部
・純水 45.2質量部
・中空粒子 45.3質量部
(ローペイク HP-1568、粒経1.5μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 2.2質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計ET-4000Aで測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.63で、平均傾斜角θaが1.1であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、21%であった。
(比較例6)
比較例5の変更し、断熱層の塗工液を、下記の断熱層塗工液9に変更した以外は、実施例1と同じとし、比較例6の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液9)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 10.9質量部
・純水 55.6質量部
・中空粒子 30.2質量部
(ローペイク HP-1568、粒経1.5μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 3.3質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計ET-4000Aで測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.59で、平均傾斜角θaが1.1であった。また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、16%であった。
(比較例7)
実施例1の断熱層の塗工液を、下記の断熱層塗工液10に変更した以外は、実施例1と同じとし、比較例7の熱転写受像シートを得た。
(断熱層塗工液10)
・ゼラチン(ゼラチンSN、新田ゼラチン) 5.5質量部
・純水 40.1質量部
・中空粒子 45.3質量部
(ローペイク HP-1568、粒経1.5μm、ダウケミカル)
・中空粒子 7.5質量部
(ローペイク AF-1055、粒経1.0μm、ダウケミカル)
・エポキシ架橋剤 1.7質量部
(カルボジライトE-02、ナガセケムテックス)
作製した熱転写受像シートを接触式の表面粗さ計ET-4000Aで測定したところ、算術平均粗さ(Sa)が、0.82で、平均傾斜角θaが0.9であった。
また、熱転写受像シートの断熱層の断面をSEMで観察して、空隙率を計算したところ、25%であった。
<熱転写シートの作製>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その基材の一方の面には非易接着処理が施され、他方の面には易接着処理が施されている。その非易接着処理面に、下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、その耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写シートを得た。
(耐熱滑性層塗布液)
・シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0質量部
(東亜合成(株)US-350)
・メチルエチルケトン 50.0質量部
(熱転写層塗布液)
・C.I.ソルベントブルー36 2.5質量部
・C.I.ソルベントブルー63 2.5質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
・トルエン 45.0質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
<熱転写受像シートの評価>
実施例1~3、比較例1~7の各熱転写受像シート及び上記の熱転写シートを使用し、解像度が300×300DPI、印刷速度が1.5msec/lineの評価用サーマルヘッドプリンタにて、ベタ画像(255階調、51階調)の印画を行い、最高反射濃度の評価、白抜け評価を行った。
(最高反射濃度評価)
ベタ画像(255階調)の印画物を、X-rite528にて測定を実行し、以下の基準にて評価を行った。
○:最高反射濃度が、1.95以上であった。
△:最高反射濃度が、1.90以上、1.95未満であった。
×:最高反射濃度が1.85以上、1.90未満であった。
(白抜け評価)
ベタ画像(51階調)の印画物を、目視及び光学顕微鏡で確認し、以下の基準にて評価を行った。
○:白抜けがない。
△:白抜けが目視では確認できないが、顕微鏡で確認できる。
×:白抜けが目視で確認できる。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007035468000003
表1に示す結果から分かるように、比較例1、3、4の断熱層の空隙率が20%より低いサンプルでは、印画濃度が低い結果が得られた。
また、算術平均粗さ(Sa)と平均傾斜角θaのどちらかが、比較例1~7のように、本発明の範囲を超えると、白抜けが出ていた。一方、実施例1~3のように、本発明の範囲内の場合には、濃度及び白抜けの評価が共に良好であった。
本発明に基づく熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、各種画像を簡便にフルカラーで形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
100:熱転写受像シート
101:基材
102:樹脂層
103:紙基材
104:樹脂層
105:断熱層
106:染料受容層

Claims (2)

  1. 熱転写インクシートからインクが熱転写される熱転写受像シートであって、
    基材の一方の面側に断熱層と染料受容層とがこの順に積層し、
    上記染料受容層におけるインクが転写される側の面は、算術平均粗さSaが0.8μm以下であり、且つ凹凸の平均傾斜角θaが0.72deg以下であり、
    上記断熱層の空隙率が20%以上であり、
    上記染料受容層は、エチレングリコールジエチルエーテルを含むことを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 上記断熱層は、中空粒子を含み、その中空粒子による上記断熱層の空隙率が20%以上となっていることを特徴とする請求項1に記載した熱転写受像シート。
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