JP6874491B2 - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は熱転写受像シートの製造方法に関する。
従来から、文字または画像等を被転写体に形成する方式として、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式等が採用されている。例えば、昇華型熱転写方式の場合、支持体上に染料やバインダー等を含む熱転写層等を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に染料を受容する染料受容層を設けた被熱転写体の染料受容層表面とを互いに重ね合わせ、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない面から文字または画像情報により温度制御されたサーマルヘッド等により加熱して、熱転写層中の染料を昇華させ、染料受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。
一方、溶融型熱転写方式の場合、支持体上に顔料やワックス等を含む熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、サーマルヘッド等により加熱して、熱転写層を融着させ、受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。これらの方式のうち昇華型熱転写方式は、文字や図表などのモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像などのカラープリントに広く採用されている。
ところで、昇華型熱転写方式の場合、プリンタの高速化にともない、短時間で高い画像濃度を発現させる必要があるため、被熱転写体には、染着性の高い染料受容層が要求される。染着性を高めるために、染料の熱拡散の大きいガラス転移温度の低い樹脂を染料受容層に用いると、染料に染まりやすいため高濃度の印画物が得られるが、弊害として、染料の拡散が大きいため印画画像がにじむという問題があった。
上記のような問題を解決するために、耐ブロッキング性に優れるスチレン及びアクリロニトリルをモノマーとする共重合体を使用した染料受容層に、特定のモノマーからなるアクリル樹脂共重合体を含有させることにより、樹脂のガラス転移点を下げ、軟化させることができる。これにより、染料受容層の感度が向上し、染料受容層への染料の拡散が十分に行われるため、画像の耐光性が高感度で耐光性に優れ、かつ、にじみも小さい被熱転写シートを得ることができる(特許文献1参照)。
また、特定のガラス転移点を有する樹脂を含有する染料受容層、断熱層、特定のポリビニルアルコール及び特定のコロイダルシリカを含有する中間層を有する熱転写受像シートが提案されている(特許文献2参照)。染料受容層から中間層への染料の移行を染着性の低いコロイダルシリカで抑制することにより、にじみを改善することができる。
特許第5810799号公報 特許第5624454号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2に開示の技術では、保存環境下(主に高温高湿環境下)でのにじみは抑えられるが、印画時のにじみ(シャープさ)を抑えることは困難であった。
上記の問題に鑑み、本発明は、印画時の画像のにじみが生じにくい熱転写受像シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る熱転写受像シートは、基材の一方の面の上に断熱層、中間層、及び染料受容層がこの順に積層された熱転写受像シートであって、染料受容層は、その少なくとも一部分の領域が、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されており、膜状片は直径120μmの仮想円の中に収容可能な大きさであり、間隔は0.5μm以上1.0μm未満であることを要旨とする。
本発明に係る熱転写受像シートの製造方法は、印画時の画像のにじみが生じにくい熱転写受像シートを製造することができる
本発明に係る熱転写受像シートの一実施形態を示す模式的平面図である。 本発明に係る熱転写受像シートの一実施形態を示す模式的断面図である。 従来の熱転写受像シートを示す模式的断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1、2に示す本実施形態の熱転写受像シート104は、基材100の一方の面の上に断熱層101、中間層102、及び染料受容層103がこの順に積層されたものである。染料受容層103は、その少なくとも一部分の領域が、複数の膜状片103aが染料受容層103の厚さ方向に直交する方向の間隔103bをあけつつ並べられることによって形成されている。複数の膜状片103aはいずれも、図1に示すように、直径120μmの仮想円(図1においては点線で示されている円)の中に収容可能な大きさである。また、膜状片103a同士の間隔103bは、いずれも0.5μm以上1.0μm未満である。
従来の熱転写受像シート104は、図3に示すように、染料受容層103の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物で染料受容層103が構成されている。これに対して、本実施形態の熱転写受像シート104は、染料受容層103の厚さ方向に直交する方向の間隔103bをあけつつ並べられた複数の膜状片103aで染料受容層103が構成されている。
このような構成であれば、本実施形態の熱転写受像シート104においては、間隔103bによって、染料受容層103に受容された染料が、染料受容層103の厚さ方向に直交する方向に拡散することが抑制される。そのため、熱転写方式での印画時の画像のにじみが生じにくい。
なお、図3においては、説明の便宜上、図1と同一又は相当する部分には、図1と同一の符号を付してある。
以下に、本実施形態の熱転写受像シート104について、さらに詳細に説明する。
〔基材〕
基材100は、断熱層101、中間層102、染料受容層103を保持するという役割を有する。熱転写時には熱が加えられるため、基材100は、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料で形成されることが好ましい。
このような基材100の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。
また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も基材として使用できる。代表的な積層体の例としては、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙株式会社製、商品名)等が好ましい。なお、基材の厚さは、熱転写受像シートに要求される強度、耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能である。具体的には、基材の厚さは、50μm以上1000μm以下の範囲内であることが好ましく、100μm以上300μm以下の範囲内であることがより好ましい。
〔染料受容層〕
染料受容層103は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を保持することで、染料受容層103の面に画像を形成かつ維持することができる。染料受容層103は、バインダー樹脂を含有するが、シリコーン離型剤をさらに含有してもよい。好ましい態様によれば、染料受容層103は、界面活性剤、造膜助剤、架橋剤、酸化防止剤、蛍光染料等の公知の添加剤を各種目的に応じてさらに含有してもよい。
バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル/アクリル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられ、好ましくは塩化ビニル系樹脂である。バインダー樹脂としては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル/アクリル共重合体の少なくとも一方の塩化ビニル系樹脂がさらに好ましい。
染料受容層103に含有される離型剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等が使用できる。これらの離型剤は、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
染料受容層103の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲とすることができるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下の範囲である。
染料受容層103は、染料受容層103の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物で構成されているのではなく、染料受容層103の厚さ方向に直交する方向の間隔103bをあけつつ並べられた複数の膜状片103aで構成されている。このような構成により、染料受容層103に受容された染料が、染料受容層103の厚さ方向に直交する方向に拡散することが抑制される。具体的には、プリンタのサーマルヘッドのピッチが300DPIで約85μmなので、膜状片103aの大きさは120μm以下、間隔103bは0.5μm以上1.0μm未満である。間隔103bが1.0μm以上であると、印画後に間隔103bが目立ち画質が低下する場合がある。
複数の膜状片103aが間隔103bをあけつつ並べられて構成された染料受容層103を作製する方法は、特に限定されるものではないが、膜の乾燥条件、造膜助剤の添加量、硬化剤の添加量などを適宜設定することにより作製することができる。
〔中間層〕
本実施形態の熱転写受像シート104は、断熱層101と染料受容層103の間に、少なくとも1層の中間層102を有する。下引き層をなす中間層102を有することにより、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材100のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加することができる。中間層102の形成手段としては公知の手段を用いることができる。例えば、中間層102に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、導電性フィラー、又はポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
〔断熱層〕
断熱層101は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材100等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。基材100の一方の面の上に設けられた断熱層101は、従来公知のもので対応でき、中空粒子とバインダー樹脂によって構成されるものや、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらに発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いたものを挙げることができる。ただし、発泡フィルムなどを断熱層101として用いる場合は、コストの面や、基材100との貼り合わせ行程に発生するカールを考慮すると、中空粒子を用いることが好ましい。
〔裏面層〕
本実施形態の熱転写受像シート104には、基材100の断熱層101が設けられている側の面とは反対側の面に、裏面層を設けてもよい。裏面層は、プリンタ搬送性の向上や、染料受容層103とのブロッキング防止や、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。
裏面層に用いられる材料としては、従来公知のものが使用できる。例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダー樹脂を用いることができる。また、必要に応じて、フィラーや帯電防止剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
厚さ140μmの上質紙を基材として使用し、その一方の面の上にポリエチレン樹脂を溶融押し出しして厚さ30μmの第一ポリエチレン樹脂層を形成した。また、断熱層となる厚さ40μmの発泡ポリプロピレンフィルムの一方の面の上に、スキン層を設けた。
次に、基材の第一ポリエチレン樹脂層を形成した側とは反対側の面の上、又は、発泡ポリプロピレンフィルムのスキン層を設けた側とは反対側の面の上に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出しして第二ポリエチレン樹脂層を形成した。そして、基材と発泡ポリプロピレンフィルムとを、第二ポリエチレン樹脂層を間に挟むようにサンドラミ方式にて貼り合わせた。このとき、第二ポリエチレン樹脂層の厚さは15μmとなるようにした。
次に、発泡ポリプロピレンフィルムのスキン層を設けた側の面の上に、固形分塗工量が2g/mとなるように中間層塗工液を塗工した。そして、ヤマト科学株式会社製の恒温乾燥器DNF601(以下「オーブン」と記す)を用いて、温度100℃、風速3の条件にて1分間乾燥を行って、中間層を形成した。なお、中間層塗工液の組成は、ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製の商品名ゼラチンRR)20質量部、純水80質量部、及びエポキシ架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製の商品名カルボジライトE−02)4質量部である。
さらに、中間層の上に、固形分塗工量が2.5g/mとなるように染料受容層塗布液を塗工した。そして、オーブンを用いて、温度80℃、風速3の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成し、熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面を電子顕微鏡(以下「SEM」と記す)で観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径103μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径103μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は0.5〜0.7μmであった。これらの結果を表1に示す。
なお、染料受容層塗布液の組成は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン(日信化学工業株式会社製のビニブラン603、Tg=63℃、固形分=50質量%)100.00質量部、エチレングリコールジエチルエーテル0.25質量部、シリコーン離型剤(旭化成ワッカーシリコン株式会社製のジメチルシリコンNP2406、固形分=60質量%)0.17質量部である。
[実施例2]
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速5の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして実施例2の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径111μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径111μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は0.6〜0.8μmであった。これらの結果を表1に示す。
[実施例3]
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速7の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして実施例3の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径120μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径120μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は0.6〜0.9μmであった。これらの結果を表1に示す。
[比較例1]
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速1の条件にて10分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物で構成されていた(表1においては、「全面連続膜」と示してある)。
[比較例2]
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速1の条件にて5分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例2の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層の表面には窪みが観察されたが、染料受容層は、染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物で構成されていた(表1においては、「全面連続膜」と示してある)。
[比較例3]
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速10の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例3の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径125μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径125μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は0.7〜0.9μmであった。これらの結果を表1に示す。
[比較例4]
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速10の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度110℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例4の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径132μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径132μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は1.7〜2.0μmであった。これらの結果を表1に示す。
[比較例5]
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度120℃、風速10の条件にて3分間乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例5の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径207μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径207μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は4.7〜5.0μmであった。これらの結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜5の熱転写受像シートと、熱転写記録媒体(熱転写インクシート)と、解像度300×300DPI(サーマルヘッドの熱抵抗体のピッチ:85μm)の評価用サーマルプリンタとを使用して、昇華型熱転写方式の印画を行った。熱転写記録媒体は以下のようにして作製した。
一方の面に易接着処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として使用し、その他方の面(非易接着処理面)に、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように耐熱滑性層塗布液を塗布し、乾燥させた。なお、耐熱滑性層塗布液の組成は、シリコーン系アクリルグラフトポリマー(東亜合成株式会社製のUS−350)50.0質量部とメチルエチルケトン50.0質量部である。
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように下記組成の熱転写層塗布液を塗布し、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
<熱転写層塗布液>
・C.I.ソルベントブルー36 2.5質量部
・C.I.ソルベントブルー63 2.5質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
・トルエン 45.0質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
得られた各印画物について、画像滲み、画像濃度、及び画像鮮明性の評価を下記のようにして行なった。
<画像滲みの評価>
線幅(太さ)90μmの細線画像を印画し、線幅を測定することにより滲みを評価した。なお、画像滲みの評価は、下記の評価基準で行なった。また、線幅の測定は、顕微鏡により行なった。
○:線幅(太さ)が140μmより小さくて、目視で全く滲んだ感じがしない。
△:線幅(太さ)が140μm以上且つ190μmより小さく、目視で少し滲んだ感じがするが、実用上問題ない。
×:線幅(太さ)が190μm以上で、目視で線がぼやけて滲んだ様に見え、実用上問題である。
<画像濃度の評価>
○:最高反射濃度が1.95以上であり、実用上問題ない。
△:最高反射濃度が1.90以上1.95未満であり、少し低めであるが実用上問題はない。
×:最高反射濃度が1.85以上1.90未満であり、実用上問題がある。
<画像鮮明性の評価>
風景画の印画を行い、画質の評価を行った。画質の評価は、以下の基準で実施した。
○:ドット抜けがなく鮮明性に優れる。
△:ドット抜けが見られるが、実用上問題ない。
×:ドット抜けが目立ち、実用上問題がある。
Figure 0006874491
実施例1〜3の結果から、染料受容層が、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されており、膜状片の大きさが、直径120μmの仮想円の中に収容可能なものであり、間隔が0.5μm以上1.0μm未満であれば、熱転写受像シートに印画した印画物の画像の滲み、画像濃度、画像鮮明性が優れていることが分かる。
一方、比較例1では、連続する一つの膜状物で染料受容層が構成されているため、画像濃度、画像鮮明性には問題はなかったものの、染料受容層の厚さ方向に直交する方向への染料の拡散により、画像の滲みが大きく現れた。
また、比較例2は、染料受容層の表面に窪みがあるため、一見、複数の膜状片が間隔をあけつつ並べられているように見えるが、断面のSEM観察から、連続する一つの膜状物で染料受容層が構成されていた。そのため、染料受容層の厚さ方向に直交する方向への染料の拡散が十分に抑制されず、画像の滲みが大きい結果となった。
比較例3は、間隔が1.0μm未満であったのにも関わらず、滲みが大きい結果となった。この結果の原因は、実施例3との比較から、印画した細線画像の線幅(太さ)に対して膜状片が大きすぎることであると考えられる。
比較例4、5は、膜状片の大きさ、間隔がともに大きすぎるため、画像の滲みが大きかった。さらに、間隔が印画エネルギーで埋りきらないために、印画濃度が低下し、画像鮮明性も悪い結果となった。
本発明の熱転写受像シートは、昇華型熱転写方式のプリンタに使用することができ、各種画像を簡便にフルカラーで形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
100 ・・・基材
101 ・・・断熱層
102 ・・・中間層
103 ・・・染料受容層
103a・・・膜状片
103b・・・間隔
104 ・・・熱転写受像シート

Claims (2)

  1. 基材の一方の面の上に断熱層、中間層、及び染料受容層がこの順に積層された熱転写受像シートの製造方法であって、
    前記染料受容層は、その少なくとも一部分の領域が、複数の膜状片が前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されており、
    前記膜状片は直径120μmの仮想円の中に収容可能な大きさであり、前記間隔は0.5μm以上1.0μm未満であり、
    前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物として形成された前記中間層の上に、染料受容層塗布液を、前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物となるように塗工した後に、乾燥を行って、前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられた複数の膜状片を備える前記染料受容層を形成する工程を有する熱転写受像シートの製造方法
  2. 前記染料受容層は塩化ビニル系樹脂を含有し、前記塩化ビニル系樹脂は塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル/アクリル共重合体の少なくとも一方である請求項1に記載の熱転写受像シートの製造方法
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