JP6874491B2 - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents
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また、特定のガラス転移点を有する樹脂を含有する染料受容層、断熱層、特定のポリビニルアルコール及び特定のコロイダルシリカを含有する中間層を有する熱転写受像シートが提案されている(特許文献2参照)。染料受容層から中間層への染料の移行を染着性の低いコロイダルシリカで抑制することにより、にじみを改善することができる。
上記の問題に鑑み、本発明は、印画時の画像のにじみが生じにくい熱転写受像シートの製造方法を提供することを目的とする。
なお、図3においては、説明の便宜上、図1と同一又は相当する部分には、図1と同一の符号を付してある。
〔基材〕
基材100は、断熱層101、中間層102、染料受容層103を保持するという役割を有する。熱転写時には熱が加えられるため、基材100は、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料で形成されることが好ましい。
染料受容層103は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を保持することで、染料受容層103の面に画像を形成かつ維持することができる。染料受容層103は、バインダー樹脂を含有するが、シリコーン離型剤をさらに含有してもよい。好ましい態様によれば、染料受容層103は、界面活性剤、造膜助剤、架橋剤、酸化防止剤、蛍光染料等の公知の添加剤を各種目的に応じてさらに含有してもよい。
染料受容層103の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲とすることができるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下の範囲である。
複数の膜状片103aが間隔103bをあけつつ並べられて構成された染料受容層103を作製する方法は、特に限定されるものではないが、膜の乾燥条件、造膜助剤の添加量、硬化剤の添加量などを適宜設定することにより作製することができる。
本実施形態の熱転写受像シート104は、断熱層101と染料受容層103の間に、少なくとも1層の中間層102を有する。下引き層をなす中間層102を有することにより、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材100のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加することができる。中間層102の形成手段としては公知の手段を用いることができる。例えば、中間層102に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、導電性フィラー、又はポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
断熱層101は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材100等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。基材100の一方の面の上に設けられた断熱層101は、従来公知のもので対応でき、中空粒子とバインダー樹脂によって構成されるものや、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらに発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いたものを挙げることができる。ただし、発泡フィルムなどを断熱層101として用いる場合は、コストの面や、基材100との貼り合わせ行程に発生するカールを考慮すると、中空粒子を用いることが好ましい。
本実施形態の熱転写受像シート104には、基材100の断熱層101が設けられている側の面とは反対側の面に、裏面層を設けてもよい。裏面層は、プリンタ搬送性の向上や、染料受容層103とのブロッキング防止や、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。
[実施例1]
厚さ140μmの上質紙を基材として使用し、その一方の面の上にポリエチレン樹脂を溶融押し出しして厚さ30μmの第一ポリエチレン樹脂層を形成した。また、断熱層となる厚さ40μmの発泡ポリプロピレンフィルムの一方の面の上に、スキン層を設けた。
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速5の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして実施例2の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径111μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径111μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は0.6〜0.8μmであった。これらの結果を表1に示す。
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速7の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして実施例3の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径120μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径120μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は0.6〜0.9μmであった。これらの結果を表1に示す。
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速1の条件にて10分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物で構成されていた(表1においては、「全面連続膜」と示してある)。
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速1の条件にて5分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例2の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層の表面には窪みが観察されたが、染料受容層は、染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物で構成されていた(表1においては、「全面連続膜」と示してある)。
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速10の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度100℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例3の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径125μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径125μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は0.7〜0.9μmであった。これらの結果を表1に示す。
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度80℃、風速10の条件にて1分間乾燥を行った後に、温度110℃、風速3の条件にて2分間さらに乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例4の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径132μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径132μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は1.7〜2.0μmであった。これらの結果を表1に示す。
中間層の上に染料受容層塗布液を塗工してオーブンで乾燥する際に、温度120℃、風速10の条件にて3分間乾燥を行って染料受容層を形成する点を除いては、実施例1と同様にして比較例5の熱転写受像シートを得た。
染料受容層の表面及び熱転写受像シートの断面をSEMで観察したところ、染料受容層は、複数の膜状片が染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されていた。この膜状片の大きさは、最大で、直径207μmの仮想円の中に収容可能なものであり(すなわち、膜状片は、直径207μmの仮想円を略外接円とする)、間隔は4.7〜5.0μmであった。これらの結果を表1に示す。
<熱転写層塗布液>
・C.I.ソルベントブルー36 2.5質量部
・C.I.ソルベントブルー63 2.5質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
・トルエン 45.0質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
<画像滲みの評価>
線幅(太さ)90μmの細線画像を印画し、線幅を測定することにより滲みを評価した。なお、画像滲みの評価は、下記の評価基準で行なった。また、線幅の測定は、顕微鏡により行なった。
△:線幅(太さ)が140μm以上且つ190μmより小さく、目視で少し滲んだ感じがするが、実用上問題ない。
×:線幅(太さ)が190μm以上で、目視で線がぼやけて滲んだ様に見え、実用上問題である。
○:最高反射濃度が1.95以上であり、実用上問題ない。
△:最高反射濃度が1.90以上1.95未満であり、少し低めであるが実用上問題はない。
×:最高反射濃度が1.85以上1.90未満であり、実用上問題がある。
風景画の印画を行い、画質の評価を行った。画質の評価は、以下の基準で実施した。
○:ドット抜けがなく鮮明性に優れる。
△:ドット抜けが見られるが、実用上問題ない。
×:ドット抜けが目立ち、実用上問題がある。
また、比較例2は、染料受容層の表面に窪みがあるため、一見、複数の膜状片が間隔をあけつつ並べられているように見えるが、断面のSEM観察から、連続する一つの膜状物で染料受容層が構成されていた。そのため、染料受容層の厚さ方向に直交する方向への染料の拡散が十分に抑制されず、画像の滲みが大きい結果となった。
比較例4、5は、膜状片の大きさ、間隔がともに大きすぎるため、画像の滲みが大きかった。さらに、間隔が印画エネルギーで埋りきらないために、印画濃度が低下し、画像鮮明性も悪い結果となった。
101 ・・・断熱層
102 ・・・中間層
103 ・・・染料受容層
103a・・・膜状片
103b・・・間隔
104 ・・・熱転写受像シート
Claims (2)
- 基材の一方の面の上に断熱層、中間層、及び染料受容層がこの順に積層された熱転写受像シートの製造方法であって、
前記染料受容層は、その少なくとも一部分の領域が、複数の膜状片が前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられることによって形成されており、
前記膜状片は直径120μmの仮想円の中に収容可能な大きさであり、前記間隔は0.5μm以上1.0μm未満であり、
前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物として形成された前記中間層の上に、染料受容層塗布液を、前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向に連続する一つの膜状物となるように塗工した後に、乾燥を行って、前記染料受容層の厚さ方向に直交する方向の間隔をあけつつ並べられた複数の膜状片を備える前記染料受容層を形成する工程を有する熱転写受像シートの製造方法。 - 前記染料受容層は塩化ビニル系樹脂を含有し、前記塩化ビニル系樹脂は塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル/アクリル共重合体の少なくとも一方である請求項1に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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