JP7035393B2 - 還元反応用電極 - Google Patents

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Description

本発明は、還元反応用電極に関する。
半導体を光吸収体、金属錯体を二酸化炭素還元触媒として、半導体から金属錯体へ励起電子が移動することによって反応が進行する人工光合成デバイスが開示されている。これを実用化するためには、高い効率で反応を生じさせる還元反応用電極を実現することが必要である。
例えば、ステンレス板の表面の中央部分にシリコーンゴムを塗布及び乾燥させ、ルテニウム錯体ポリマー/多孔質炭素/カーボンクロスとステンレス板の周囲を銀(Ag)ペーストで接続し、接続部をシリコーンゴムで被覆して絶縁した構成の還元電極が開示されている(非特許文献1)。
ところで、非特許文献1に記載の還元電極では、集電電極の役割を果たす銀(Ag)ペーストによって接続された周辺領域のみが反応に寄与し、電極から遠い面内の中央部における反応への寄与が十分でない。また、大電流化に適しておらず、大面積化が困難である。
一方、還元電極において水素(H)が発生することにより、炭素化合物の還元反応が阻害されてしまうことがある。したがって、還元電極における水素(H)の発生を抑制することが必要な場合がある。
本発明の1つの態様は、集電配線が設けられた基板と、還元機能を有する導電体層と、を備え、前記導電体層が金属系の導電性接着剤を用いて接着されており、前記導電性接着剤の少なくとも一部がシール部によって覆われていることを特徴とする還元反応用電極である。
ここで、前記導電性接着剤は、銀(Ag)又は銅(Cu)を含むことが好適である。
また、前記集電配線は、ガラスコート材を含む第1のシール部にて被覆されており、前記導電性接着剤は、樹脂を含む第2のシール部にて被覆されていることが好適である。
また、前記基板は、前記表面に導電性を有する導電層を備え、前記導電体層は、前記導電性接着剤によって前記導電層に接着されていることが好適である。
また、前記導電体層は、前記集電配線に直接接着されていることが好適である。
また、前記導電体層は、還元機能を有する物質を含むカーボンからなることが好適である。
本発明によれば、機械的及び化学的に安定であり、大面積の還元反応用電極を提供することができる。
本発明の実施の形態における光合成装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態における還元反応用電極の構成を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態における還元反応用電極の構成を示す断面平面図である。 本発明の実施の形態における還元反応用電極の構成の別例を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態における酸化反応用電極の構成を示す断面模式図である。 本発明の実施例及び比較例における特性測定の結果を示す図である。
本発明の実施の形態における光合成装置100は、図1の模式図に示すように、還元反応用電極102、酸化反応用電極104、電解液106、太陽電池セル108、窓材110及び枠材112を含んで構成される。
還元反応用電極102は、還元反応によって物質を還元するために利用される電極である。還元反応用電極102は、図2の断面模式図及び図3の平面模式図に示すように、基板10、導電層12、集電配線14、導電体層16、導電性接着剤18、シール部20、外部配線22及び支持シール部24を含んで構成される。なお、図2及び図3は模式図であり、各層の膜厚や幅等は実際のものとは異なっている。
基板10は、還元反応用電極102を構造的に支持する部材であり、特に材料が限定されるものではないが、例えば、ガラス基板等とされる。また、基板10は、例えば、金属又は半導体を含んでもよい。基板10として用いられる金属は、特に限定されるものではないが、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、鉛(Pb)を含むことが好適である。基板10として用いられる半導体は、特に限定されるものではないが、酸化チタン(TiO)、シリコン(Si)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タンタル(Ta)等とすることが好適である。
導電層12は、還元反応用電極102における集電を効果的にするために設けられる。導電層12は、特に限定されるものではないが、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)等とすることが好適である。特に、熱的及び化学的な安定性を考慮するとフッ素ドープ酸化錫(FTO)を用いることが好適である。
集電配線14は、還元反応用電極102における集電の効果を高めるために設けられる。すなわち、還元反応用電極102を大面積化した場合、透明導電層12のみでは還元反応用電極102の全面において十分な反応を促進させるための導電性を確保できなくなるので、還元反応用電極102の導電性を高めるために設けられる。集電配線14は、例えば、間隔を置いて櫛形状に配置された線状のフィンガー電極と、フィンガー電極を更に集電するためのバス電極とを組み合わせた構成とすることができる。集電配線14は、導電性の高い材料で構成され、金属を含む材料で構成することが好適である。例えば、銀(Ag)、銅(Cu)等を含む材料で構成することが好適である。
導電体層16は、還元触媒機能を有する材料を含む導電体から構成される。導電体層16は、導電体に還元触媒を担持させることで構成することができる。導電体は、カーボン材料(C)を含む材料から構成することができる。カーボン材料の構造体の単体のサイズが1nm以上1μm以下であることが好適である。カーボン材料は、多孔質素材、例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン及びグラファイトの少なくとも1つを含むことが好適である。グラフェン及びグラファイトであればサイズが1nm以上1μm以下であることが好適である。カーボンナノチューブであれば直径が1nm以上40nm以下であることが好適である。導電体は、エタノール等の液体に混ぜ合わせたカーボン材料をスプレーで塗布し、加熱することによって形成することができる。スプレーの代わりに、スピンコートによって塗布してもよい。また、スピンコートを用いず、直接溶液を滴下して乾かして塗布してもよい。
還元触媒機能を有する材料は、錯体触媒とすることが好適である。錯体触媒は、例えば、ルテニウム錯体とすることが好適である。錯体触媒は、例えば、[Ru{4,4’-di(1-H-1-pyrrolypropyl carbonate)-2,2’-bipyridine}(CO)(MeCN)Cl]、[Ru{4,4’-di(1-H-1-pyrrolypropyl carbonate)-2,2’-bipyridine}(CO)Cl]、[Ru{4,4’-di(1-H-1-pyrrolypropyl carbonate)-2,2’-bipyridine}(CO)、[Ru{4,4’-di(1-H-1-pyrrolypropyl carbonate)-2,2’-bipyridine}(CO)(CHCN)Cl]等とすることができる。
錯体触媒による修飾は、錯体をアセトニトリル(MeCN)溶液に溶解した液を導電体層16の導電体の上に塗布することで作ることができる。また、錯体触媒による修飾は、電解重合法により行うこともできる。作用極として導電体層16の導電体の電極、対極にフッ素含有酸化スズ(FTO)で被覆したガラス基板、参照電極にAg/Ag電極を用い、錯体触媒を含む電解液中においてAg/Ag電極に対して負電圧となるようにカソード電流を流した後、Ag/Ag電極に対して正電位となるようにアノード電流を流すことにより導電体層16の導電体上を錯体触媒で修飾することができる。電解質の溶液には、アセトニトリル(MeCN)、電解質には、Tetrabutylammoniumperchlorate(TBAP)を用いることができる。
導電性接着剤18は、集電配線14と導電体層16とを機械的及び電気的に接続する部材である。導電性接着剤18は、金属を含む金属系材料、例えば、銀(Ag)や銅(Cu)の微粒子を含むペーストとすることが好適である。例えば、図1に示すように、透明導電層12上に形成された集電配線14に重なるように導電体層16を配置し、スクリーン印刷によって集電配線14と導電体層16との重畳部分に導電性接着剤18を塗布することによって集電配線14と導電体層16とを接続する。このとき、必要に応じて、焼結等の処理を行ってもよい。
シール部20は、集電配線14と導電体層16との接続部を機械的及び化学的に保護する部材である。シール部20は、低融点のガラスコート材とすることができる。また、シール部20は、シリコーンゴム(脱オキシムタイプ、低分子シロキサン低減材、耐油・耐溶剤フロロシリコーン等)、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、メタクリル(アクリル)、ポリカーボネート、フッ素樹脂(テフロン)、エポキシ樹脂等の樹脂とすることができる。さらに、シール部20は、これらを組み合わせた多層構造としてもよい。シール部20は、スクリーン印刷によってガラスコート材や樹脂を集電配線14と導電体層16との重畳部分に塗布することによって形成することができる。このとき、必要に応じて、焼結等の処理を行ってもよい。
なお、シール部20は、導電性接着剤18を覆うように設けることが好適である。シール部20に含まれる金属(例えば、銀(Ag))は還元反応用電極102において水素(H)を発生させて炭素化合物の還元反応を阻害するおそれがあるが、シール部20によって導電性接着剤18を覆うことによって水素(H)の発生を抑制することができる。このとき、シール部20によって導電性接着剤18の全部を覆うことがより好適であるが、少なくとも一部を覆えばよい。すなわち、シール部20によって導電性接着剤18の少なくとも一部が覆われていれば、その領域における水素(H)の発生を抑制することができ、その分だけ炭素化合物の還元反応を促進させることができる。
外部配線22は、還元反応用電極102にバイアス電圧を印加し、反応によって生ずる電流を流すために設けられる。外部配線22は、例えば、銀(Ag)や銅(Cu)の配線材から構成することができ、透明導電層12の一部に接続される。
支持シール部24は、還元反応用電極102を構成する部材を機械的に支持する部材である。支持シール部24は、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン等の樹脂で構成することができる。支持シール部24は、還元反応用電極102の裏面、すなわち導電体層16が設けられていない面、及び端面を覆うように設けられる。
なお、還元反応用電極102は、図4の断面模式図に示すような構成としてもよい。当該構成では、集電配線14と導電体層16とが導電性接着剤18によって直接接続されておらず、透明導電層12を介して接続される。すなわち、導電性接着剤18によって導電体層16の端部と透明導電層12の表面が機械的かつ電気的に接続される。
また、集電配線14は、第1シール部20a及び第2シール部20bで覆われる。第1シール部20a及び第2シール部20bは、集電配線14を化学的及び機械的に保護するために少なくとも集電配線14の一部を被覆するように設けられる。第1シール部20aは、低融点のガラスコート材とすることができる。第1シール部20aは、スクリーン印刷等の方法を用いて、集電配線14が形成された領域を覆うように低融点ガラスを塗布することによって形成することができる。また、第2シール部20bは、シリコーンゴム(脱オキシムタイプ、低分子シロキサン低減材、耐油・耐溶剤フロロシリコーン等)、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、メタクリル(アクリル)、ポリカーボネート、フッ素樹脂(テフロン)、エポキシ樹脂等の樹脂とすることができる。第2シール部20bは、スクリーン印刷又はディスペンサー等の塗布装置を用いて、第1シール部20aが形成された領域を覆うように樹脂を塗布することによって形成することができる。
さらに、第2シール部20b及び導電性接着剤18を覆うように第3シール部20cが設けられる。また、第3シール部20cは、シリコーンゴム(脱オキシムタイプ、低分子シロキサン低減材、耐油・耐溶剤フロロシリコーン等)、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、メタクリル(アクリル)、ポリカーボネート、フッ素樹脂(テフロン)、エポキシ樹脂等の樹脂とすることができる。第3シール部20cは、スクリーン印刷等の方法を用いて、又はディスペンサー等の塗布装置を用いて、第2シール部20b及び導電性接着剤18が形成された領域を覆うように樹脂を塗布することによって形成することができる。このとき、第3シール部20cが導電性接着剤18の少なくとも一部を覆うようにすることが好適である。導電性接着剤18を覆うことによって水素(H)の発生を抑制することができ、炭素化合物の還元反応を促進させることができる。
酸化反応用電極104は、酸化反応によって物質を酸化するために利用される電極である。酸化反応用電極104は、図5の断面模式図に示すように、基板30、透明導電層32、集電配線34及び酸化触媒36を含んで構成される。なお、図5は模式図であり、各層の膜厚や幅等は実際のものとは異なっている。
酸化反応用電極104を構造的に支持する部材は、特に材料が限定されるものではないが、例えば、ガラス基板等とされる。
透明導電層32は、酸化反応用電極104における集電を効果的にするために設けられる。透明導電層32は、特に限定されるものではないが、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)等とすることが好適である。特に、熱的及び化学的な安定性を考慮するとフッ素ドープ酸化錫(FTO)を用いることが好適である。
集電配線34は、酸化反応用電極104における集電の効果を高めるために設けられる。すなわち、酸化反応用電極104を大面積化した場合、透明導電層32のみでは酸化反応用電極104の全面において十分な反応を促進させるための導電性を確保できなくなるので、酸化反応用電極104の導電性を高めるために設けられる。集電配線34は、例えば、間隔を置いて櫛形状に配置された線状のフィンガー電極と、フィンガー電極を更に集電するためのバス電極とを組み合わせた構成とすることができる。集電配線34は、導電部34a、第1シール部34b及び第2シール部34cから構成することが好適である。導電部34aは、導電性の高い材料で構成され、金属を含む材料で構成することが好適である。例えば、銀(Ag)、銅(Cu)等を含む材料で構成することが好適である。また、第1シール部34b及び第2シール部34cは、導電部34aを化学的及び機械的に保護するために少なくとも導電部34aの一部を被覆するように設けられる。第1シール部34bは、低融点のガラスコート材とすることができる。また、第2シール部34cは、シリコーンゴム(脱オキシムタイプ、低分子シロキサン低減材、耐油・耐溶剤フロロシリコーン等)、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、メタクリル(アクリル)、ポリカーボネート、フッ素樹脂(テフロン)、エポキシ樹脂等の樹脂とすることができる。
酸化触媒36は、酸化触媒機能を有する材料を含んで構成される。酸化触媒機能を有する材料は、例えば、酸化イリジウム(IrOx)を含む材料とすることができる。酸化イリジウムは、ナノコロイド溶液として集電配線34が形成された透明導電層32の表面上に担持することができる(T.Arai et.al, Energy Environ. Sci 8, 1998 (2015))。
本実施の形態における光合成装置100は、還元反応用電極102と酸化反応用電極104を組み合わせて構成される。例えば、図1に示すように、還元反応用電極102と酸化反応用電極104を導電体層16及び酸化触媒36が対向するように配置し、その間に反応物が溶解された電解液106を導入させる。反応物は、炭化化合物とすることができ、例えば、二酸化炭素(CO)とすることができる。また、電解液106は、リン酸緩衝水溶液やホウ酸緩衝水溶液とすることが好適である。具体的な構成例では、二酸化炭素(CO)飽和リン酸緩衝液のタンクを設け、ポンプによって当該液を還元反応用電極102と酸化反応用電極104との間に設けられた間隙に供給し、還元反応によって生じたギ酸(HCOOH)や酸素(O)を外部の燃料タンクに回収する。
還元反応用電極102と酸化反応用電極104との間を電気的に接続し、適切なバイアス電圧を印加した状態とする。バイアス電圧を印加する手段は、特に限定されるものではなく、化学的電池(一次電池、二次電池等を含む)、定電圧源、太陽電池等が挙げられる。このとき、酸化反応用電極104に正極が接続され、還元反応用電極102に負極が接続される。
本実施の形態では、太陽電池セル108を採用している。太陽電池セル108は、還元反応用電極102及び酸化反応用電極104に隣接して配置することができる。図1の例では、還元反応用電極102と酸化反応用電極104とを対向させた電気化学セルの還元反応用電極102の背面に太陽電池セル108を配置し、太陽電池セル108の正極を酸化反応用電極104に接続し、負極を還元反応用電極102に接続している。
二酸化炭素(CO)からギ酸(HCOOH)等を合成する場合、水(HO)は酸化されて二酸化炭素(CO)に電子とプロトンを供給する。pH7付近では水(HO)の酸化電位は0.82V、還元電位は-0.41V(何れもNHE)である。また、二酸化炭素(CO)から一酸化炭素(CO)、ギ酸(HCOOH)、メチルアルコール(CHOH)への還元電位はそれぞれ-0.53V,-0.61V,-0.38Vである。したがって、酸化電位と還元電位の電位差は1.20~1.43Vである。そこで、炭化化合物である二酸化炭素(CO)を還元する場合、太陽電池セル108は、4つの結晶系シリコン太陽電池を直接に接続した結晶シリコン系4接合太陽電池や3つのアモルファス系シリコン太陽電池を直列に接続したアモルファスシリコン系3接合太陽電池とすることが好適である。
太陽電池セル108に対しては、受光面側に窓材110を設けることが好適である。窓材110は、太陽電池セル108を保護する部材である。窓材110は、太陽電池セル108において発電に寄与する波長の光を透過する部材とし、例えば、ガラス、プラスチック等とすることができる。還元反応用電極102、酸化反応用電極104、太陽電池セル108及び窓材110は、枠材112によって構造的に支持される。
[実施例]
<還元反応用電極の作製方法>
基板10として、フッ素含有酸化スズ(FTO)である透明導電層12が被覆されたガラス基板を用いた。透明導電層12上に、スクリーン印刷を用いて、銀(Ag)のペーストを塗布し、大気中にて熱処理450℃を施すことで所望のパターンの集電配線14を形成した。さらに、スクリーン印刷を用いて、集電配線14上を覆うように低融点のガラスを塗布し、大気中にて熱処理(400℃)を施して第1シール部20aを形成した。さらに、ディスペンサーを用いて第1シール部20aを覆うようにシリコーン樹脂(ゴム)を塗布して、室温で乾燥させて第2シール部20bを形成した。一方、導電体層16は、カーボンクロスにルテニウム錯体ポリマーを修飾させて構成した。具体的には、カーボンクロス上に、錯体触媒層としてルテニウム錯体ポリマー[Ru{4,4’-di(1-H-1-pyrrolypropyl carbonate)-2,2’-bipyridine}(CO)(MeCN)Cl]FeCl・pyrrolを含むMeCN溶液を塗布し、乾燥させた後に水で洗浄することにより修飾させた。そして、銀(Ag)系導電性接着剤を用いて、透明導電層12と導電体層16を集電配線14の近傍のみに接着した。さらに、ディスペンサー塗布装置を用いて、導電性接着剤18の少なくとも一部を覆うようにシリコーン樹脂を塗布し、第3シール部20cを形成した。最後に、還元反応用電極102の周囲部をシリコーン樹脂で封止して支持シール部24を形成した。このようにして、10cm×10cmの大きさの還元反応用電極102を得た。
<酸化反応用電極の作製方法>
まず、酸化イリジウム(IrOx)のナノコロイドを合成した(T. Arai, S. Sato, and T. Morikawa, Energy Environ. Sci 8, 1998 (2015))。2mMの塩化イリジウム酸(IV)カリウム(KIrCl)水溶液50mlに10wt%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を加えてpH13に調整した黄色溶液を、ホットスターラーを用いて90℃で20分加熱した。これによって得られた青色溶液を氷水で1時間冷却した。さらに、冷やした溶液(20ml)に3M硝酸(HNO)を滴下してpH1に調整し、80分攪拌し、酸化イリジウム(IrOx)のナノコロイド水溶液を得た。この溶液に1.5wt%NaOH水溶液(1-2ml)を滴下してpH12に調整した。
本実施例では、基板30及び透明導電層32は、ITOより化学的及び熱的に安定性が高いフッ素ドープ酸化錫(FTO)透明導電膜付きのガラス(日本板硝子製SA-25)を用いた。FTOである透明導電層32上に、スクリーン印刷を適用して、銀(Ag)のペーストを所望のパターンに塗布して、大気中にて熱処理450℃を施して銀(Ag)を焼結させて導電部34aを形成した。さらに、銀(Ag)の配線上に、スクリーン印刷法を適用して、低融点ガラスペーストを用いてカバーガラスを塗布し、大気中にて熱処理(400℃)を施してカバーガラスを第1シール部34bとして形成した。その上に、ディスペンサーを用いてシリコーン樹脂(ゴム)を塗布して、室温で乾燥させて第2シール部34cを形成した。これによって、3層構造の集電配線34を作製した。
このように、集電配線34が形成された透明導電層32上にpH12に調整した酸化イリジウム(IrOx)のナノコロイド水溶液を塗布し、乾燥炉内にて60℃で40分間保持して乾燥した。乾燥後、析出した塩を超純水で洗浄し、酸化触媒36を形成した。このようにして、10cm×10cmの大きさの酸化反応用電極104を得た。
<電気化学特性評価>
参照極(RE)としてHg/HgSOを用いた。還元反応用電極102及び酸化反応用電極104を定電流電源に接続し、電流密度2.0mA/cmで60分通電した後、電流密度3.0mA/cmで30分通電した際の電圧値を測定した。電解液106は、0.4モルのリン酸バッファ水溶液(KHPO+KHPO)を用い、水溶液中に二酸化炭素(CO)ガスを流通させた。
また、比較例として参考文献1(T.Arai et al., Energy Environ. Sci., 2015, 8, 1998-2002)にしたがって作製した還元反応用電極及び酸化反応用電極を用いた電気化学セルを作製した。このとき、還元反応用電極及び酸化反応用電極は、10cm×10cmの面積で作製した。
図6は、実施例及び比較例について電流効率を測定した結果を示す。なお、電流効率は以下の式により導出される。
電流効率=ギ酸(HCOOH)の生成に消費された電流量/流れた電流量×100(%)
実施例では、光合成装置100内で光を1時間照射した結果、ギ酸(HCOOH)の生成が確認された。実施例と同様に反応を行った比較例と比較すると、実施例では電流効率及びギ酸(HCOOH)の生成量共に大幅に増加した。また、反応時の電圧が低い値であり、電力消費が低くなった。特に、単位面積当たりのギ酸(HCOOH)の生成量は高い値を示し、実施例の構成では、電極面積当たりで多くの還元生成物を製造できることが明らかになった。
10 基板、12 透明導電層、14 集電配線、16 導電体層、18 導電性接着剤、20 シール部、20a 第1シール部、20b 第2シール部、20c 第3シール部、22 外部配線、24 支持シール部、30 基板、32 導電層、34 集電配線、34a 導電部、34b 第1シール部、34c 第2シール部、36 酸化触媒、100 光合成装置、102 還元反応用電極、104 酸化反応用電極、106 電解液、108 太陽電池セル、110 窓材、112 枠材。

Claims (4)

  1. 集電配線が設けられた基板と、
    還元機能を有する導電体層と、を備え、
    前記導電体層は、前記基板の面上に配置されており、
    前記集電配線は、前記基板の面内に配置され、ガラスコート材を含む第1のシール部にて被覆された線状の配線であり、前記基板の表面に設けられた導電層を介して前記導電体層に電気的に接続されており、
    前記導電体層が導電性接着剤を用いて前記導電層に接着されており、前記導電性接着剤の少なくとも一部がシール部によって覆われており、
    前記導電性接着剤は、樹脂を含む第2のシール部にて被覆されていることを特徴とする光合成装置に用いられる還元反応用電極。
  2. 集電配線が設けられ、表面に導電性を有する導電層を備えた基板と、
    還元機能を有する導電体層と、を備え、
    前記導電体層は、前記基板の面上に配置されており、
    前記集電配線は、前記基板の面内に配置された線状の配線であり、前記導電体層に電気的に接続されており、
    前記導電体層が導電性接着剤を用いて接着されており、前記導電性接着剤の少なくとも一部がシール部によって覆われており、
    前記導電体層は、前記導電性接着剤によって前記導電層に接着されていることを特徴とする光合成装置に用いられる還元反応用電極。
  3. 請求項1又は2に記載の還元反応用電極であって、
    前記導電性接着剤は、銀(Ag)又は銅(Cu)を含むことを特徴とする還元反応用電極。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の還元反応用電極であって、
    前記導電体層は、還元機能を有する物質を含むカーボンからなることを特徴とする還元反応用電極。
JP2017174769A 2017-09-12 2017-09-12 還元反応用電極 Active JP7035393B2 (ja)

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