JP7034818B2 - 増殖性ヘルパーワクシニアウイルスを使用するポックスウイルスの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]ポックスウイルスの製造方法であって、
(1)培養細胞にヘルパーウイルスとして増殖性のヘルパーワクシニアウイルスを感染させ培養する工程と、
(2)培養細胞に目的ウイルスDNAをトランスフェクションし培養する工程と、
(3)前記培養細胞から目的ウイルスを回収する工程と、
を含み、前記工程(1)と工程(2)とはいずれかの工程の後に他の工程を行う、方法。
[2]前記ヘルパーワクシニアウイルスとして安全性の高いワクシニアウイルスが使用されることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3]前記安全性の高いワクシニアウイルスは、ワクチン株又はワクチン株に由来することを特徴とする、[2]に記載の方法。
[4]前記安全性の高いワクシニアウイルスは、New York City Board of Health (NYCBH)株、EM-63株、Lister株、Paris株、Copenhagen株、Bern株、Ankara株、Temple of Heaven株、Vaccinia Tian Tan株、Dairen株、ACAM2000株、LC16m8株、Modified Vaccinia Ankara (MVA)株、Dairen I (DIs)株又はLC16mO株のいずれかである、[2]又は[3]に記載の方法。
[5]前記ワクチン株が、LC16m8であることを特徴とする、[3]又は[4]に記載の方法。
[6]前記ヘルパーウイルスが、蛍光タンパク質を発現することを特徴とする、[1]から[5]のいずれかに記載の方法。
[7]蛍光タンパク質がGFPであることを特徴とする、[6]に記載の方法。
[8]前記安全性の高いワクシニアウイルスは、野生型ワクシニアウイルスと比較して、B5R遺伝子の機能を欠損する改変が加えられていることを特徴とする、[2]から[7]のいずれかに記載の方法
[9]前記ヘルパーワクシニアウイルスとして、正常細胞での増殖性を抑制し、腫瘍細胞では増殖可能となるような改変が加えられたヘルパーワクシニアウイルスを使用する、[1]から[8]のいずれかに記載の方法。
[10]前記ヘルパーワクシニアウイルスは、野生型ワクシニアウイルスと比較して、チミジンキナーゼ(TK)、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)、O1L、リボヌクレオチド還元酵素(RR)、γ34.5、α47の少なくとも一つの機能を欠損する改変が加えられていることを特徴とする、[9]に記載の方法。
[11]前記ヘルパーワクシニアウイルスは、野生型ワクシニアウイルスと比較して、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)とO1Lを欠損させたウイルスを使用する、[10]に記載の方法。
[12]前記目的ウイルスDNAはワクシニアウイルスDNAであることを特徴とする、[1]から[11]のいずれかに記載の方法。
[13]前記ワクシニアウイルスDNAは、正常細胞での増殖性を抑制し、腫瘍細胞で増殖可能であるように改変が加えられていることを特徴とする、[12]に記載の方法。
[14]前記ワクシニアウイルスDNAの改変として、チミジンキナーゼ(TK)、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)、O1L、RR、γ34.5及びα47よりなる群から選ばれた少なくとも一つの改変が加えられていることを特徴とする、[13]に記載の方法。
[15]前記ワクシニアウイルスDNAの改変として、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)、O1Lの機能を欠損させる改変が加えられていることを特徴とする、[14]に記載の方法。
[16]前記ワクシニアウイルスDNAの改変は、Bacterial artificial chromosome (BAC)システムを使用することを特徴とする、[13]から[15]のいずれかに記載の方法。
[17]ポックスウイルスの製造方法であって、
(1)第1培養細胞に増殖性のヘルパーワクシニアウイルスを感染させ培養する工程と、
(2)第1培養細胞に第1目的ウイルスDNAをトランスフェクションし培養する工程と、
(3)前記第1培養細胞から第1目的ウイルスを回収する工程と、
(4)第2培養細胞にヘルパーウイルスとして第1目的ウイルスを感染させ培養する工程と、
(5)第2培養細胞に第2目的ウイルスDNAをトランスフェクションし培養する工程と、
(6)前記第2培養細胞から第2目的ウイルスを回収する工程と、
を含み、前記工程(1)と工程(2)、および前記工程(4)と工程(5)とは、いずれかの工程の後に他の工程を行う、方法。
[18]前記目的ウイルスを回収する工程は、
目的ウイルスが感染している細胞を回収する工程と、
回収した細胞を凍結する工程と、
凍結した細胞を融解する工程と、
融解した細胞を超音波処理する工程と、
超音波処理した細胞液を遠心分離し、上清からウイルス液のみを得る工程と、
ウイルス液を限界希釈し培養細胞へ感染する工程と、
培養細胞に目的ウイルスのみが感染していることを確認する工程と、
目的ウイルスのみが感染した培養細胞から目的ウイルスを回収する工程と、
を有することを特徴とする、[17]に記載の方法。
[19]前記目的ウイルスの回収工程において目的ウイルスのみが感染している細胞が存在しない場合は、再度ウイルスの回収工程を繰り返すことを特徴とする、[18]に記載の方法。
[20]前記目的ウイルスDNAまたは前記ヘルパーワクシニアウイルスのいずれか一方のみには、蛍光タンパク質が発現するウイルスを使用し、蛍光顕微鏡を用いて蛍光タンパク質の発現を確認することで前記目的ウイルスのみが感染している細胞を確認することを特徴とする、[18]または[19]に記載の方法。
[21]蛍光タンパク質が緑色蛍光タンパク質(GFP)であることを特徴とする、[20]に記載の方法。
細胞培養相同組換えでワクシニアウイルスLC16m8にBAC配列を挿入したBACウイルスを作製し、BACウイルスのゲノムを環状化してLC16m8-BACmidを作製した。
LC16m8にBACgfp配列を導入するためのインサーションプラスミド(pUC-VVTK-BAC-EGFP)の構築を行った。まず、ワクシニアウイルスLC16m8株ゲノム(GenBank:AY678275.1)を鋳型に、TK1プライマーFw:CGGGGTACCATAAATTAGAAGCCGTGGGTC(配列番号1)、TK1プライマーRe:CCTTAATTAAGAAAAATATTATGAGTCGATGTAACACTTT(配列番号2)を用いてTK1を増幅し、また、同株ゲノムを鋳型に、TK2プライマーFw:CCTTAATTAATATATTTTTTATCTAAAAAACTAAA(配列番号3)、TK2プライマーRe:GCTCTAGACGGTAGTATATCTCAGTAGTACGTT(配列番号4)を用いてTK2を増幅した。次に、TK1に制限酵素KpnI(Takara、製品番号:1068A)及びPacI(NEB、製品番号:R0547L)を処理し、また、TK2に制限酵素XbaI(Takara、製品番号:1093A)及びPacIを処理した後、アガロースゲルから目的断片を精製した(TK1/KpnI/PacI/elution:約0.88kb、TK2/PacI/XbaI/elution:約1.1kb)。次に、pUC119プラスミド(GenBank:U07650.1)に制限酵素KpnI及びXbaIを処理、精製し、アルカリフォスファターゼ処理したプラスミド(pUC119/KpnI/XbaI/elution/BAP)のKpnI/XbaIサイトに、上で精製した二つの断片TK1/KpnI/PacI/elution及びTK2/PacI/XbaI/elutionをクローニングし、pUC119-TK1-2を構築した。
6ウェルプレートにフルシートさせたPRK細胞(自家調製)に、ワクシニアウイルスLC16m8株(自家調製)をMOI=10で感染させ、30℃、5%CO2下で1時間培養後、培地を除き、TrypLE(Invitrogen、製品番号:12563-001)で細胞を回収した。回収細胞をHeBSバッファー(Sigma、製品番号:51558)で1×107cells/mLに調製後、制限酵素HindIII(Takara、製品番号:1060A)で線状化したpUC-VVTK-BAC-EGFPプラスミドを0.5μg/10μLになるように加え、エレクトロポレーション装置(Invitrogen、機器名:Neon Transfection System)を用いて、1.4kV、20ms、2pulseの条件でエレクトロポレーションを行った。次に、エレクトロポレーション液を10倍限界希釈し、96ウェルプレートにフルシートさせたPRK細胞に感染させ、30℃、5%CO2下で48時間程度培養した。蛍光顕微鏡を用いて、GFP発現を観察し、希釈倍率の高いウェルでGFP(+)プラークもしくはCPEが得られたものを選択した。選択したウェルの細胞にTrypLEを添加し、剥がれた細胞を5%FBS添加イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900、05901、05902)で洗いこみ回収を行った。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。以降、本作業を繰り返し、2回連続で、ウイルスプラークが全てGFP(+)になったところで、LC16m8にBACgfp配列が挿入されたBACウイルスとしてLC16m8-BACgfpの回収を完了とした。
2%FBS添加イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900、05901、05902)に1/100量の1mg/mL IBT(Pfaltz & Bauer、製品番号:487-16-1)(終濃度0.01mg/mL)と、上記で得たLC16m8-BACgfpをMOI=5となるように混合し、6ウェルプレートにフルシートさせたPRK細胞に1mL/ウェルで接種した。30℃、5%CO2下で1時間吸着させ、0.01mg/mL IBTを添加した2%FBS添加イーグルMEM培地で培地交換を行った。30℃、5%CO2下で24時間培養後、イーグルMEM培地100μL中にpCAGGS-Creプラスミド1μg、X-tremeGENE HP(Sigma-Aldrich、製品番号:06366236001) 3μLを混合した後、室温で15分間静置し、培養液中に混合液を100μL/ウェル添加することでpCAGGS-Creプラスミド(自家調製)のトランスフェクションを行った。30℃、5%CO2下で24時間培養後、環状化したウイルスゲノムとしてLC16m8-BACmidを抽出し、エレクトロポレーション装置(BIO-RAD、機器名:GenePulserII)を用いて、大腸菌GS1783(WO2014077096A1)に、1.8kV、200Ω、25μFの条件でエレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーション液を、クロラムフェニコールを添加したCG寒天培地にプレーティングし、32℃において、48時間程度培養した。BACmidを保持した大腸菌の選択は、BACgfp配列中のクロラムフェニコール耐性をマーカーとして行い、目的のクローンをグリセロールストックした。得られたクローンについて、BACmidを抽出し、常法により塩基配列を確認した結果、目的とするTK遺伝子領域にEGFP発現カセットとpBeloBAC11の配列が挿入されていることを確認した。
発現カセットをLC16m8-BACmidに組み込み、発現カセットを保持する組換えウイルスゲノム(改変BACmid)を取得した。
改変BACmid作成のための発現カセットとして、配列番号6のBACgfp除去カセットと、配列番号11のLC16m0型B5R発現カセットと、配列番号15のVGF欠損カセットと、配列番号19のO1L欠損カセットを準備し、表1に記載の各改変BACmidを作製した。
BACgfp配列を除いたウイルスを回収するためにBACgfp除去配列カセット(配列番号6)を作製した。具体的には、まず、J Virol 81(23): 13200-13208を参考に、pUC119-BAC-SBTKdupプラスミドを構築した。その手法は、pUC119プラスミド(GenBank:U07650.1)に制限酵素HincII(Takara、製品番号:1059A)及びBamHI(Takara、製品番号:1010A)を処理、精製後、アルカリフォスファターゼを処理した(pUC119/HincII/BamHI/elution/BAP)。次に、インサーションプラスミドの構築時に用いたpBeloBAC11+pBSIIプラスミドに制限酵素XbaI(Takara、製品番号:1093A)を処理後、アガロースゲルから約7.9kbの目的断片を精製した(pBeloBAC11+pBSII/XbaI/elution)。精製した断片に、制限酵素ScaI(Takara、製品番号:1084A)及びBglII(Takara、製品番号:1021A)を処理後、アガロースゲルから約1.7kbの目的断片を精製した(pBeloBAC11+pBSII/XbaI/elution/ScaI/BglII/elution)。次に、pUC119/HincII/BamHI/elution/BAPとpBeloBAC11+pBSII/XbaI/elution/ScaI/BglII/elutionをライゲーションさせ、pUC119-pBeloSBを構築し、さらに、pUC119-pBeloSBに制限酵素NruI(Takara、製品番号:1168A)を処理し、精製した(pUC119-pBeloSB/NruI/elution)。
LC16m8においては、B5R遺伝子配列中の1塩基欠損(グアニン欠損)によるフレームシフトにより不完全なB5Rタンパク質が産生されることが知られている。そこで、実施例1で構築したLC16m8-BACmidのB5R遺伝子配列を、完全なB5R遺伝子配列をもつLC16m0の配列に改変したBACmidを構築するためB5R改変カセット(配列番号11)を作製した。その具体的な手法は、まず、LC16mOのB5R遺伝子配列中の、上記グアニンから上流、下流それぞれ約1kb、計2132bpを人工合成し、pUCFk-B5RmO(配列番号12)を構築した。その後、制限酵素EcoRI(Takara、製品番号:1040A)を処理、精製後、アルカリフォスファターゼを処理した(pUCFk-B5RmO/EcoRI/elution/BAP)。また、pEPkan-Sプラスミド(Addgene、製品番号:41017)を鋳型に、カナマイシンプライマー2Fw:CCGGAATTCCACCATGACACTAAGTTGCAACGGCGAAACAAAATATTTTCGTTTAAGTAGGGATAACAGGGTA(配列番号13)、カナマイシンプライマー2Re:CCGGAATTCTGCCAGTGTTACAACCAATTAACCAATTCT(配列番号14)を用いてPCRを行い、カナマイシン耐性遺伝子を増幅させ、精製後、制限酵素EcoRIを処理し、さらに精製することでrKanI/elution/EcoRIを作製した。その後、pUCFk-B5RmO/EcoRI/elution/BAPとrKanI/elution/EcoRIをライゲーションさせ、pUCFk-B5RmO-rKanIを構築した。pUCFk-B5RmO-rKanIに制限酵素XbaI(Takara、製品番号:1093A)及びDraI(Takara、製品番号:1037A)を処理後、アガロースゲルから約3.2kbの目的断片を精製してpUCFk-B5RmO-rKanI/XbaI/DraI/elutionを作製した。これをB5R発現カセット(配列番号11)としてBACmidの改変に用いた。
VGFの機能を不活化したウイルスを回収するためにVGF欠損カセット(配列番号15)を作製した。VGF欠損カセット作製の具体的な手法は、まず、VGF遺伝子配列の開始コドンから制限酵素AccIサイトまでの255bpを欠損させた配列及びその前後約1kbを人工合成し、pUC57-ΔVGF(配列番号16)を構築した。次に、pUC57-ΔVGFに制限酵素AccI(Takara、製品番号:1001A)を処理、精製後、アルカリフォスファターゼを処理してpUC57-ΔVGF/AccI/elution/BAPを作製した。
O1Lの機能を欠損したウイルスを回収するためにO1L欠損カセット(配列番号19)を作製した。O1L欠損カセット作製の具体的な手法は、まず、O1L遺伝子配列の開始コドンから制限酵素XbaIサイトまでの1049bpを欠損させ、次に、J Virol 81(23): 13200-13208を参考に、上記XbaIサイト直後50bpに、カナマイシン耐性遺伝子配列(Addgene、製品番号:41017)を挿入した配列を人工合成し、pUC57-ΔO1L-rKanI(配列番号20)を構築した。pUC57-ΔO1L-rKanIに、制限酵素ScaI及びEcoRIを処理し、アガロースゲルから約2.7kbの目的断片を精製しpUC57-ΔO1L-rKanI/ScaI/EcoRI/elutionを作製し、これをO1L欠損カセット(配列番号19)としてBACmidの改変に用いた。
LC16m8-BACmidを保持した大腸菌を培養し、各改変BACmid作製に必要な発現カセットをエレクトロポレーション(1.8kV、200Ω、25μF)により導入し、表1に記載の各改変BACmidを作製した。エレクトロポレーション溶液を、クロラムフェニコール及びカナマイシンを添加したCG寒天培地にプレーティングし、32℃において、24~48時間程度培養した。各発現カセット中のカナマイシン耐性をマーカーとして、発現カセットが導入されたクローンを選択し、グリセロールストックした。次に、カナマイシン耐性遺伝子除去操作を行い(J Virol 81(23): 13200-13208参照)、BAC配列中のクロラムフェニコール耐性をマーカーとして、目的クローンを取得し、グリセロールストックした。
VGF欠損確認プライマーは、Fw: AGAACCAGCTGCTCCATGATT(配列番号29)、Re: GATACGGAACCACCCACTGT(配列番号30)とした。
O1L欠損確認プライマーは、Fw: TGTCAACGGACCCCAACATC(配列番号31)、Re: ACATGGACGCATTGGGTGAT(配列番号32)とした。
解析の結果、得られた各BACmidは、目的の改変BACmidであることを確認した。
ヘルパーワクシニアウイルスとしてLC16m8株(乾燥細胞培養痘そうワクチン「LC16”化血研”」、製造番号:V01、V11)を用いて、実施例1で作製したLC16m8-BACmid由来のウイルスとしてLC16m8-BACgfpを作製した。
イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900)を用いて、6ウェルプレートコンフルエント手前まで培養したRK13細胞に、ヘルパーワクシニアウイルスとしてLC16m8(乾燥細胞培養痘そうワクチン「LC16”化血研”」、製造番号:V01、V11)をMOI=2で接種し、30℃、5%CO2の条件で1時間培養した。培養後、上清を除き、培地としてMEMを2mL加えた。次に、LC16m8-BACmid 1μgとトランスフェクション試薬(Roche、製品番号:066366236001) 3μLを混合し、室温で15分間静置した。混合液100μLを、上記のRK13細胞へ添加し、30℃、5% CO2の条件で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認後、細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。
回収したウイルス液を、イーグルMEM培地を用いて限界希釈し(10倍~10000倍)、96ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、ウイルス希釈液を100μL/ウェルで接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認し、GFP(+)プラークの割合が多いウェルから細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。以降、本作業を繰り返し、2回連続で、RK13細胞におけるウイルスプラークが全てGFP(+)になったところでウイルス純化完了とし、LC16m8-BACgfpウイルスを作製した。
実施例3で作製したLC16m8-BACgfpをヘルパーウイルスとして用いて、実施例2で作製したLC16m8-SBTKdup-BACmid由来のウイルスを作製した。
イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900)を用いて、6ウェルプレートコンフルエント手前まで培養したRK13細胞(DSファーマ、製品番号:EC00021715)に、ヘルパーウイルスとして実施例3で回収したLC16m8-BACgfpをMOI=2で接種し、30℃、5%CO2下で1時間培養した。培養後、上清を除き、培地としてMEM(Thermo scientific、製品番号:11095080)を2mL加えた。次に、LC16m8-SBTKdup-BACmid 1μgとトランスフェクション試薬(Roche、製品番号:066366236001)3μLを混合し、室温で15分間静置した。混合液100μLを、上記のRK13細胞へ添加し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認後、細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。
回収したウイルス液を、イーグルMEM培地を用いて限界希釈し(10倍~10000倍)、96ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、ウイルス希釈液を100μL/ウェルで接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認し、GFP(-)プラークの割合が多いウェルから細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。以降、本作業を繰り返し、2回連続で、RK13細胞におけるウイルスプラークが全てGFP(-)になったところでウイルス純化完了とした。
回収したLC16m8を拡張するため、まず、イーグルMEM培地を用いて、6ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、回収したLC16m8を接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、ゲノム抽出キット(QIAGEN、製品番号:69504、69506)を用いてウイルスゲノムを抽出した。抽出したウイルスゲノムを鋳型とし、PCR試薬(Takara、製品番号:RR001A、RR001B)と実施例2で使用したBACgfp配列除去確認プライマー2(配列番号23、配列番号24)を用いてPCRを行ったところ、バンドサイズからBACgfp配列の除去が確認できた。さらに、より詳細な解析を行うため、PCR産物を精製し、塩基配列解析を行ったところ、BACgfp配列挿入部位から当配列が除去されていることを確認した。
実施例3で作製したLC16m8-BACgfpをヘルパーウイルスとして用いて、実施例2で作製したLC16m8-B5RmO-SBTKdup-BACmid由来のウイルスを作製した。
イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900)を用いて、6ウェルプレートコンフルエント手前まで培養したRK13細胞(DSファーマ、製品番号:EC00021715)に、ヘルパーウイルスとして実施例3で回収したLC16m8-BACgfpをMOI=0.01~2で接種し、30℃、5%CO2下で1時間培養した。培養後、上清を除き、培地としてOptiProTM SFM(Thermo scientific、製品番号:12309019)を3mL加えた。次に、LC16m8-B5RmO-SBTKdup-BACmid 1μgとトランスフェクション試薬(Roche、製品番号:066366236001)1~3μLを混合し、室温で15分間静置した。混合液200μLを、上記のRK13細胞へ添加し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認後、細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。
回収したウイルス液を、イーグルMEM培地を用いて限界希釈し(10倍~10000倍)、96ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、ウイルス希釈液を100μL/ウェルで接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認し、GFP(-)プラークの割合が多いウェルから細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。以降、本作業を繰り返し、2回連続で、RK13細胞におけるウイルスプラークが全てGFP(-)になったところでウイルス純化完了とした。
回収したLC16m8-B5RmOを拡張するため、まず、イーグルMEM培地を用いて、6ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、LC16m8-B5RmOを接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、ゲノム抽出キット(QIAGEN、製品番号:69504、69506)を用いてウイルスゲノムを抽出した。抽出したウイルスゲノムを鋳型とし、実施例2で使用したBACgfp配列除去確認プライマー3(配列番号25、配列番号26)及びB5R配列確認プライマー(配列番号27,配列番号28)とPCR試薬(Takara、製品番号:R045A、R045B)を用いてPCRを行ったところ、バンドサイズからBACgfp配列の除去が確認できた。さらに、より詳細な解析を行うため、両PCR産物を精製し、塩基配列解析を行ったところ、BACgfp配列挿入部位から当配列が除去されていること、さらに、B5R遺伝子配列中の特定の位置に、欠損されている塩基(グアニン)が挿入されていること(LC16mO型への改変)を確認した。
実施例3で作製したLC16m8-BACgfpをヘルパーウイルスとして用いて、実施例2で作製したMD-RVV-SBTKdup-BACmid由来のウイルスを作製した。
イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900)を用いて、6ウェルプレートコンフルエント手前まで培養したRK13細胞(DSファーマ、製品番号:EC00021715)に、ヘルパーウイルスとして実施例3で回収したLC16m8-BACgfpをMOI=0.01~2で接種し、30℃、5%CO2下で1時間培養した。培養後、上清を除き、培地としてOptiProTM SFM(Thermo scientific、製品番号:12309019)を3mL加えた。次に、実施例2で作製したMD-RVV-SBTKdup-BACmid 1μgとトランスフェクション試薬(Roche、製品番号:066366236001)1~3μLを混合し、室温で15分間静置した。混合液200μLを、上記のRK13細胞へ添加し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認後、細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。
回収したウイルス液を、イーグルMEM培地を用いて限界希釈し(10倍~10000倍)、96ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、ウイルス希釈液を100μL/ウェルで接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認し、GFP(-)プラークの割合が多いウェルから細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。以降、本作業を繰り返し、2回連続で、RK13細胞におけるウイルスプラークが全てGFP(-)になったところでウイルス純化完了とした。
回収したMD-RVVを拡張するため、まず、イーグルMEM培地を用いて、6ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、MD-RVVを接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、ゲノム抽出キット(QIAGEN、製品番号:69504、69506)を用いてウイルスゲノムを抽出した。抽出したウイルスゲノムを鋳型とし、実施例2で使用したBACgfp配列除去確認プライマー3(配列番号25、配列番号26)、B5R配列確認プライマー(配列番号27、配列番号28)、VGF配列確認プライマー(配列番号29、配列番号30)、O1L配列確認プライマー(配列番号31、配列番号32)とPCR試薬(Takara、製品番号:R045A、R045B)を用いてPCRを行ったところ、バンドサイズからBACgfp配列の除去、VGF配列の欠損及びO1L配列の欠損が確認できた。さらに、より詳細な解析を行うため、全てのPCR産物を精製し、塩基配列解析を行ったところ、BACgfp配列挿入部位から当配列が除去されていること、B5R遺伝子配列中の特定の位置に、欠損されている塩基(グアニン)が挿入されていること(LC16mO型への改変)、VGF配列及びO1L配列が想定通り欠損されていることを確認した。
ヘルパーウイルスとしてLC16m8を用いて、実施例2で作製したLC16m8-B5RmO-BACmid由来のウイルスを作製した。
イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900)を用いて、6ウェルプレートコンフルエント手前まで培養したRK13細胞(DSファーマ、製品番号:EC00021715)に、ヘルパーウイルスとしてLC16m8(乾燥細胞培養痘そうワクチン「LC16”化血研”」、製造番号:V01、V11)をMOI=0.01~2で接種し、30℃、5%CO2下で1時間培養した。培養後、上清を除き、培地としてOptiProTM SFM(Thermo scientific、製品番号:12309019)を3mL加えた。次に、実施例2で作製したLC16m8-B5RmO-BACmid 1μgとトランスフェクション試薬(Roche、製品番号:066366236001)1~3μLを混合し、室温で15分間静置した。混合液200μLを、上記のRK13細胞へ添加し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認後、細胞をハーベストし、凍結保存した(Thermo scientific、機器名:REVCO CXF)。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。
回収したウイルス液を、イーグルMEM培地を用いて限界希釈し(10倍~10000倍)、96ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、ウイルス希釈液を100μL/ウェルで接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認し、GFP(+)プラークの割合が多いウェルから細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。以降、本作業を繰り返し、2回連続で、RK13細胞におけるウイルスプラークが全てGFP(+)になったところでウイルス純化完了とした。
回収したLC16m8-B5RmO-BACgfpを拡張するため、まず、イーグルMEM培地を用いて、6ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、LC16m8-B5RmO-BACgfpを接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、ゲノム抽出キット(QIAGEN、製品番号:69504、69506)を用いてウイルスゲノムを抽出した。抽出したウイルスゲノムを鋳型とし、実施例2で使用したB5R確認プライマー(配列番号27、配列番号28)とPCR試薬(Takara、製品番号:R045A、R045B)を用いてPCRを行った。次に、PCR産物を精製し、塩基配列解析を行ったところ、B5R遺伝子配列中の特定の位置に、欠損されている塩基(グアニン)が挿入されていること(LC16mO型への改変)を確認した。
ヘルパーウイルスとして実施例6で作製したMD-RVVを用いて、実施例2で作製したMD-RVV-BACmid由来のウイルスを作製した。
イーグルMEM培地(ニッスイ、製品番号:05900)を用いて、6ウェルプレートコンフルエント手前まで培養したRK13細胞(DSファーマ、製品番号:EC00021715)に、ヘルパーウイルスとして実施例6で回収したMD-RVVをMOI=0.01~2で接種し、30℃、5%CO2下で1時間培養した。培養後、上清を除き、培地としてOptiProTM SFM(Thermo scientific、製品番号:12309019)を3mL加えた。次に、MD-RVV-BACmid 1μgとトランスフェクション試薬(Roche、製品番号:066366236001)1~3μLを混合し、室温で15分間静置した。混合液200μLを、上記のRK13細胞へ添加し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認後、細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。
回収したウイルス液を、イーグルMEM培地を用いて限界希釈し(10倍~10000倍)、96ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、ウイルス希釈液を100μL/ウェルで接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、機器名:OLYMPUS IX70)を用いて、GFP発現を確認し、GFP(+)プラークの割合が多いウェルから細胞をハーベストし、凍結保存した。その後、超音波処理器(COSMO BIO CO., LTD.、機器名:BIORUPTOR UCW-310)を用いて250W、30sec×4の条件で超音波処置し、遠心分離機(TOMY、機器名:MUITIPURPOSE REFRIGERATED CENTRIFUGE LX120)を用いて4℃、2000rpm、5分間の条件で遠心後、上清をウイルス液として得た。以降、本作業を繰り返し、2回連続で、RK13細胞におけるウイルスプラークが全てGFP(+)になったところでウイルス純化完了とした。
回収したMD-RVV-BACgfpを拡張するため、まず、イーグルMEM培地を用いて6ウェルプレートコンフルエントまで培養したRK13細胞に、MD-RVVを接種し、30℃、5%CO2下で24~48時間程度培養した。培養後、ゲノム抽出キット(QIAGEN、製品番号:69504、69506)を用いてウイルスゲノムを抽出した。抽出したウイルスゲノムを鋳型とし、実施例2で使用したB5R配列確認プライマー(配列番号27、配列番号28)、VGF配列確認プライマー(配列番号29、配列番号30)、O1L配列確認プライマー(配列番号31、配列番号32)とPCR試薬(Takara、製品番号:R045A、R045B)を用いてPCRを行ったところ、バンドサイズからVGF配列の欠損及びO1L配列の欠損が確認できた。さらに、より詳細な解析を行うため、全てのPCR産物を精製し、塩基配列解析を行ったところ、B5R遺伝子配列中の特定の位置に、欠損されている塩基(グアニン)が挿入されていること(LC16mO型への改変)、VGF配列及びO1L配列が想定通り欠損されていることを確認した。
Claims (21)
- ポックスウイルスの製造方法であって、
(1)培養細胞にヘルパーウイルスとして増殖性のヘルパーワクシニアウイルスを感染させ培養する工程と、
(2)培養細胞に目的ポックスウイルスDNAをトランスフェクションし培養する工程と、
(3)前記培養細胞から目的ポックスウイルスを回収する工程と、
を含み、前記工程(1)と工程(2)とはいずれかの工程の後に他の工程を行う、
方法。 - 前記ヘルパーワクシニアウイルスとして安全性の高いワクシニアウイルスが使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記安全性の高いワクシニアウイルスは、ワクチン株又はワクチン株に由来することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- 前記安全性の高いワクシニアウイルスは、New York City Board of Health (NYCBH)株、EM-63株、Lister株、Paris株、Copenhagen株、Bern株、Ankara株、Temple of Heaven株、Vaccinia Tian Tan株、Dairen株、ACAM2000株、LC16m8株、Modified Vaccinia Ankara (MVA)株、Dairen I (DIs)株又はLC16mO株のいずれかである、請求項2又は3に記載の方法。
- 前記ワクチン株が、LC16m8であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
- 前記ヘルパーウイルスが、蛍光タンパク質を発現することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 蛍光タンパク質がGFPであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
- 前記安全性の高いワクシニアウイルスは、野生型ワクシニアウイルスと比較して、B5R遺伝子の機能を欠損する改変が加えられていることを特徴とする、請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ヘルパーワクシニアウイルスとして、正常細胞での増殖性を抑制し、腫瘍細胞では増殖可能となるような改変が加えられたヘルパーワクシニアウイルスを使用する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ヘルパーワクシニアウイルスは、野生型ワクシニアウイルスと比較して、チミジンキナーゼ(TK)、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)、O1L、リボヌクレオチド還元酵素(RR)、γ34.5、α47の少なくとも一つの機能を欠損する改変が加えられていることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
- 前記ヘルパーワクシニアウイルスは、野生型ワクシニアウイルスと比較して、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)とO1Lを欠損させたウイルスを使用する、請求項10に記載の方法。
- 前記目的ポックスウイルスDNAはワクシニアウイルスDNAであることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ワクシニアウイルスDNAは、正常細胞での増殖性を抑制し、腫瘍細胞で増殖可能であるように改変が加えられていることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記ワクシニアウイルスDNAの改変として、チミジンキナーゼ(TK)、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)、O1L、RR、γ34.5及びα47よりなる群から選ばれた少なくとも一つの改変が加えられていることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
- 前記ワクシニアウイルスDNAの改変として、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)、O1Lの機能を欠損させる改変が加えられていることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 前記ワクシニアウイルスDNAの改変は、Bacterial artificial chromosome (BAC)システムを使用することを特徴とする、請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の方法。
- ポックスウイルスの製造方法であって、
(1)第1培養細胞に増殖性のヘルパーワクシニアウイルスを感染させ培養する工程と、
(2)第1培養細胞に第1目的ポックスウイルスDNAをトランスフェクションし培養する工程と、
(3)前記第1培養細胞から第1目的ポックスウイルスを回収する工程と、
(4)第2培養細胞にヘルパーウイルスとして第1目的ポックスウイルスを感染させ培養する工程と、
(5)第2培養細胞に第2目的ポックスウイルスDNAをトランスフェクションし培養する工程と、
(6)前記第2培養細胞から第2目的ポックスウイルスを回収する工程と、
を含み、前記工程(1)と工程(2)、および前記工程(4)と工程(5)とは、いずれかの工程の後に他の工程を行う、方法。 - 前記目的ポックスウイルスを回収する工程は、
目的ポックスウイルスが感染している細胞を回収する工程と、
回収した細胞を凍結する工程と、
凍結した細胞を融解する工程と、
融解した細胞を超音波処理する工程と、
超音波処理した細胞液を遠心分離し、上清からウイルス液のみを得る工程と、
ウイルス液を限界希釈し培養細胞へ感染する工程と、
培養細胞に目的ポックスウイルスのみが感染していることを確認する工程と、
目的ポックスウイルスのみが感染した培養細胞から目的ポックスウイルスを回収する工程と、
を有することを特徴とする、請求項17に記載の方法。 - 前記目的ポックスウイルスの回収工程において目的ポックスウイルスのみが感染している細胞が存在しない場合は、再度ウイルスの回収工程を繰り返すことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
- 前記目的ポックスウイルスDNAまたは前記ヘルパーワクシニアウイルスのいずれか一方のみには、蛍光タンパク質が発現するウイルスを使用し、蛍光顕微鏡を用いて蛍光タンパク質の発現を確認することで前記目的ポックスウイルスのみが感染している細胞を確認することを特徴とする、請求項18または請求項19に記載の方法。
- 蛍光タンパク質が緑色蛍光タンパク質(GFP)であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
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WO2018012570A1 (ja) | 2016-07-13 | 2018-01-18 | 国立大学法人鳥取大学 | 外来遺伝子発現ワクシニアウイルスの製造方法 |
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Yoshikawa, T. et.al.,Construction and characterization of bacterial artifical chromosomes harboring the full length genome of a highly attenuated vaccinia virus LC16m8,PLOS one,2018年02月23日,vol.13, no.2,pp1-25,e0192725 |
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